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#4967 SIMスワップ詐欺にご用心  May 12, 2023 [8. 時事評論]


  3月にガラケイからスマホに切り換え、2か月たちました。スマホ関係の記事には自然に目が行きますね。標題のSIMスワップ詐欺の記事を見つけました。

 SIMスワップ詐欺では、スマホが突然使えなくなった、そしてその日のうちに預金残高がゼロなんてことが起きるようです。
 これだけではわたしには何のことか、仕組みがさっぱりわかりませんので用心のしようもないのです。比較的新しい専門用語がさっぱりわかりませんので、こういう時は「SIMってなんだっけ?」、「スワップって何?」っていうところから調べてみます。
(これから調べて書くことに間違いがあれば、投稿欄で教えてください。こういう時にはブログはとっても便利なのです。よくご存じの方が、ブログの内容に間違いがあれば教えてくれます。)

 SIMはSubscriber Identity Moduleの略だそうですが、日本語では「加入者識別モジュール」、スマホに装着されている小さなICカードのことです。契約者の識別情報が書き込まれています。電話番号と端末(スマホやタブレット)を結びつけることで通信を可能にします。音声ばかりでなくデータ通信もこのSIMカードがスマホに装着されているので利用可能になります。

 スワップはswapですが、「交換」を意味します。swappingは夫婦交換(乱交)を意味するよく知られた語彙です。金融用語では「通貨スワップ」というのがあります。韓国ウォンの通貨危機を回避するために日韓通貨スワップ協定が結ばれています。

 便利な機器を使うとリスクもあるというあたりまえのことなのですが、スマホを使っているわたしたちはとかくリスクを見逃しがちです。
 詐欺師は標的(詐欺被害者)の電話番号を、電話会社の担当者をだまして、自分が用意したスマホに移してしまいます。

 契約変更ですから、もちろん簡単にはできません。
 詐欺師は「スマホを紛失したので、新しいスマホで電話番号を使えるようにしてほしい」というようなことを標的に成りすまして電話会社の担当者にお願いするわけです。電話会社は本人確認をするので、詐欺師は標的の身分証明書、たとえば運転免許証を偽造して用意しておきます。運転免許証には本名、生年月日、現住所が入っているので、そういう情報を例えば標的のFBから盗みます。だから、SNSでは本名や住所や生年月日を使ってはいけないのです。ブログやインスタグラムを本名でやったり、そのなかで生年月日を公開したり、電話番号を書き込んだり、現住所付近で撮った写真をアップするなんてことは、リスクを伴っているのです。アップする写真のGPS情報からも、本人がどこにいるか簡単にピックアップできます。

 本人は60歳なのに、契約変更を申し入れた人物が40歳代でも、電話会社の担当者は不自然だと思わずに契約変更に応じることがあります。実例としてあるのです。もちろん被害に遭ったときは、電話会社の本人確認不備を理由に訴訟は可能な場合がありうるのでしょうが、手続きが面倒ですし、失ったものを全部取り返せるかどうかもわかりません。

 SIMカードに電話番号を移してもらえば、あとはDポイントの引き落とし口座のパスワードを変更できます。2段階認証になっていても、スマホへショートメールで認証するようになっていると、詐欺師のスマホへ通知がなされるので、パスワードの変更が可能になります。本人に成りすましてDポイントカードで物が買えます。

 銀行口座がわかればそのパスワードも2段階認証でも変更できます。
 あとは標的の銀行口座から他の銀行口座へ振り替えて引き出したらいいだけです。ダミーの銀行口座もネットで売買されていますので、それを使えばいい。あっというまに預金残高がゼロになります。

 キャッシュカードには口座番号が表示されているものと、表示されていないものがあります。万が一落とした時のことを考えて、口座番号の表示のないものに変えておいた方がいいでしょう。口座番号情報がなければ、預金は無事です。
 ビットコインもpaypayも電話番号を利用した2段階認証を使っていたら同じ理由でリスクがあります。

 電子決済で利用する銀行口座は50万円くらいに残高を維持して置き、日常的にチェックするのがリスクを小さくする方法の一つです。全部持っていかれても50万円ですみます。
 電話番号利用の2段階認証をやめて、他の方法に変えることでもリスクは軽減できます。関連するサイトを貼り付けるので、そちらを参照してください。

 「便利なものほどリスクも大きい」というのがモノの道理です。

*「スマホ不通、なぜか解約...SIMスワップ被害の実態
**「SIMスワップ詐欺の手口とその対策」

<マイナンバーカードのリスク>
 高校や大学の同窓会名簿とマイナンバーカード情報を詐欺師が手に入れたと仮定しよう。名簿の氏名・住所や年齢から住基コードを検索したら、その人の個人情報をキャッチできる。
 銀行口座やクレジットカード情報の漏洩があれば、そういうものとマイナンバーカード情報を突合してみるとなにがわかるのか。生年月日をパスワードにしていたら、偽造キャッシュカードで預金の引きおろしや、他口座への振り込みが可能になる。SIMスワップ詐欺も楽にできるようになる。

 マイナンバーシステムのセキュリティは大丈夫か?河野デジタル大臣はこの分野の仕事をやりうるほどのデジタル技術についての専門知識はないし、スキルもないから、具体的な仕事の指示ができない。
 官僚もまた同じようなもので、システム開発の仕様書すら書けず、業者へ丸投げしているのが現実である。「新型コロナ感染者等情報把握・管理システム(HER-SYS)」は入力項目が多すぎて、運用段階で機能不全を起こしたままである。「印鑑ゼロ」の掛け声も、いつか消えてしまったようだ。
 日本にはデジタル技術に詳しい国会議員も、官僚も決定的に不足しており、今後もこの分野の人材不足は解消されそうにない。

 高校で何科に属していようと、また理系文系コースの区別なく、数Ⅲが選択可能にするような改革から始めないといけないだろう。もう50年以上前から、数学は商業科や工業科や普通科文系コースにも必要な科目になっている。文部官僚は文系出身者がほとんどで、理系の技術が必要な仕事をしてきていないから、そうした面のセンスが鈍いのだろう。いまごろ30年遅れでICT技術の導入なんて大騒ぎしているのだが、ICT技術導入の担当責任者はさぞかし仕事がたいへんだろう。一気に民間企業のICT利用と同じレベルの課題にチャレンジせざるを得なくなったのだが、たまたま仕事がやり切れそうな人材がこの仕事の責任者になっていることが一縷の望みだ。
 ZoomやTeams、そしてChatGPTの利用がまさにそうした課題である。民間企業と学校現場が、これらのツール利用に関しては最前線で並んでしまった。
 民間企業ではシステム部門があり、社員数の2~5%くらいをこの分野に割いている。企業規模が大きい場合は、子会社化しているケースが多い。文科省にはこうした組織がない点も、学校へICT技術を導入する際の制約条件になっている。サーバー管理者がいないのだ。民間企業でサーバー管理部門がないとか、サーバー管理者がいないなんて状況は考えられない。サーバーの維持管理やセキュリティの管理は専門技術者でなければできない業務である。

<スマホをなくしたときの対処>5/14追記
 まずはスマホを探すこと。キャリアが紛失スマホがどこにあるのか探すサービスを提供しているので、それの契約があれば、それを利用して探してもらう。危ないと思ったら、
①キャリア(たとえば、ドコモやAU)に連絡して、MDMでリモートロックやリモートワイプ(リモートでのデータの消去)をしてもらうか、回線停止手続きをする。
②個別アプリの停止手続きを取る。
 特に電子決済に関わるものは最優先で処理する。
③アプリのパスワードはすべて変更する。

 事前準備なしにはできませんので、「スマホをなくしたときの対処」というノートをつくってメモっておきましょう。次のサイトに詳しく載っているので、参照してください。
*「スマホをなくした! というときに取るべき行動とは?」


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#4965 近畿日本ツーリスト16億円詐欺事件 May 2, 2023 [8. 時事評論]

 近畿日本ツーリストがCOVID-19対策をめぐり、複数の自治体に、人件費を過大請求してお金を受領していた事件が報道された。内容はワクチン接種に関するコールセンターや接種会場の運営など。
*「近畿日本ツーリストの過大請求、86自治体で最大16億円 コロナ関連事業で人件費水増し」

 近ツリは過大請求分を返納すると発表している。なぜ旅行業者の近畿日本ツーリストが、ワクチン接種に関するコールセンターや接種会場の運営業務に携わることができたのだろう?まったく不可解だ。

 もう一つ解せないのは、刑事事件であるにもかかわらず、警察が動いていないこと。この事件は刑法第246条の詐欺罪に該当する。詐欺罪の構成要件は「人を欺いて財物を交付させた」場合である。

 この会社は社内にコンプライアンスに関する機能はないのだろうか?担当者が一人でやったことではない。86もの自治体に過大請求したのだから、実務を考えると数十人の管理職が必要な書類に決裁印を押している。だから会社ぐるみの詐欺事件といってよいだろう。コンプライアンス委員会があるなら、それが機能しなかったのだから、機能するように改善すべきだ。
組織図を確認してみたが、コンプライアンスに関する委員会等はなかった。コンプライアンス担当役員もいない。監査役の下に「監査役室」があるがこの組織は業務監査を担当しているのだろうか?上場企業で業務監査は日常的になされているはずだが、機能しているようには見えないから、スキルの高くない人が業務監査をしていたのかな。それとも会計監査機能だけ?監査機能が形骸化しているのか?)

 コロナ関係では給付金のバラマキが行われたので、不正受給事件が後を絶たない。政府のこうしたお金のだし方自体にも問題がありそうだ。書類が整っていたら出金するという、形式だけのチェック。

 儲けられるなら、なんでもありという経営姿勢に一番の問題がある。「浮利を追ってはいけない」という伝統的な日本の商道徳に反する経営姿勢である。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
 日本の伝統的なビジネス倫理だが、これにも反している。
 コロナという災厄に日本中が見舞われているときに、こうした詐欺を働くことを日本人は「火事場泥棒」といって固く戒めてきた。近畿日本ツーリストのような、観光産業では大手企業が、こうした詐欺に手を染めるというのは実に情けない話である。

 福島第一原発の際にも、熊本地震の際にも、家に鍵をかけて避難した住人を尻目に、泥棒に入る人たちが続出した。

 これだけの会社ぐるみの不祥事だから、近畿日本ツーリストの取締役は全員辞任したらいい。そうすれば、政治家も国会答弁で嘘八百が言いにくくなる。

 取締役には相互に業務の監視義務があるのだが、本件は「善良なる管理者の注意義務違反」だから、株主は取締役全員を被告とする損害賠償裁判を起こしたらいい。
 これから株価が下がり、株主に損害を与える結果になるだろう。
 これから1年間は近畿日本ツーリストを利用しないくらいの対応が必要だね、お灸をすえないと体質が変わらない。業績悪化がいい薬になります。
 近畿日本ツーリストが倫理観が欠如している企業だったら、取締役はだれも責任取らないでしょう。刑事事件として立件されもしなければ日本はアウトです。堕落したのは政治ばかりではなく経済(企業経営者)もということになります。

*近畿日本ツーリストは「KNT-CTホールディングズ」という持ち株会社になっている。

 近畿日本ツーリストの定款



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#4958 自衛隊ヘリの墜落事故:幕僚長の胆力は大丈夫か? Apr. 6, 2023 [8. 時事評論]

 10人乗りの自衛隊のヘリUH60JAが午後3時45分に宮古島の基地を飛び立って10分後にレーダーから機影が消えた。当該機には第8陸上自衛隊師団長坂本雄一氏が搭乗していた。「操縦士2名、整備士2名、隊員6名」というのが当初の発表である。第八師団長の坂本雄一氏は「隊員」ではないだろう。
 機影がレーダーから消えた時間は、後から訂正があったが、重要な情報をなぜ間違えて公表したのだろう?

 発表したのは防衛省陸上自衛隊のトップの森下泰臣幕僚長である。記者から、なぜ第八師団長の坂本氏が搭乗していたのかを問われて、おろおろしているように見えた。
 第八師団長が搭乗していたことを森下幕僚長は当然のことながら知っていたはず。そんな重要なことを落として情報伝達するような軍隊組織はありえない。つまり、公表をどうするか躊躇して伏せていた。後から、追加公表せざるを得なくなって公表したところ、記者から質問があって焦ったのではないか。こういう時にこそ、胆力が試される。

 坂本氏は1週間前に第八師団長として赴任したばかりだから、いざというときに自分が守るべきテリトリーを視察するのは当然のことに思える。第八師団長がヘリに搭乗していたことの理由を問われて、このような程度のことでオタオタするようでは、戦時に軍隊の指揮ができるのか?

 どちらも防衛大学校出身者であるが、偏差値の高い防衛大学校出身者ばかりが自衛隊の幹部になるようでは胆力のある者が採用できていないのではないかと心配になった。
 1割ぐらいは、根室高校最後の総番長だったヒロシのようなタイプの人物が陸将にほしい。あいつの周りには人が集まる

<余談:陸軍士官学校と海軍兵学校>
 実践経験のない陸軍大学出身者や海軍大学校が帝国陸軍の幹部の大部分を占めるようになって、彼らが無茶苦茶な作戦(たとえば、インパール作戦、神風特攻隊、戦意向上のための南方前線への船での落下傘部隊派遣...)を立案して兵士をいたずらに消耗させた大東亜戦争を思い出した。
 陸大は陸軍士官学校出身者で優秀な者だけに受験資格が与えられ、海軍大学校も海軍兵学校出身者で成績優秀な者だけに受験資格が与えられた。

(わたしの勤務した企業に、陸士と海士の両方に合格したY口さんがいた。どちらへ進学したかは忘れました。直属の上司ではなかったが、仕事で関わることが多かったので、ご本人から直接聞いた。戦後は東大に入り直して都市銀行に勤務。専務取締役で上場準備中の最大手臨床検査会社へ出向、後に副社長となった。頭はそこそこよかったが、経営戦略や戦術面ではからっきし、戦争の作戦を立案できる人とは思えなかった。畑違いの臨床検査会社へ来て、どのようにふるまったらいいのか戸惑っていたのだろうと思う。上場準備要員として中途入社2年目くらいの時に、岩波新書の教育関係の本を読み終わったからと私にくれたことがあった。そんなところに関心があるのかとざっと目を通した。岩波新書はピンからキリまであるから、どのレベルのものを読んでいるのか興味があった。学術開発本部へ異動した直後に、経営統合システムのリニューアルをしなければならなくなって、管理会計課へ呼び戻す交渉をわたしの上司(学術開発本部担当役員)へしたようだが、Iさん、頑として断ったらしい。原価計算システムと購買在庫管理システムのリニューアルは私以外には担当できる者がいなかった。購買在庫管理システムは、関係会社管理部に1年半ほど、そのあと資本提携を担当した会社に15か月役員出向して、本社に戻り、管理会計課長と社長室、購買部課長を兼務したときに仕様書を書いています。人事に不満があったので、半年で子会社へ出向、原価計算システムはほったらかしにしました。項目別販売価格シミュレーションシステムを含む画期的な利益管理システムへの書き換えを1986年から考えていました。運用まで自分で見ないと、他の人には稼働できません。利益コントロール指向の画期的な原価計算システムの学術論文を書くつもりでした。面白いテーマでしたね。
 関係会社管理部ができるので社内公募があったので、応募したら、副社長のY口さん電話をよこして、「Iさんにはこの件内密にしてけ、そうしないとこの話は流れる」というと、その日の午後に八王子ラボまで会いに来た。「直属の上司には報告しないといけない」というと、ダメだと強硬だった。結局報告できず、人事が公表されるまで内緒にしておくしかなかった。Iさんには叱られました。本部内には開発部と学術情報部と精度保証部の3部あり、開発部をマネジメントできる人材が他にはいなかったのです。学術情報部の仕事であるラボ見学対応をできる人材も学術情報部の3人以外はわたしだけでした。3000項目もある検査がたくさんの検査部と検査課に分かれているので、見学者を連れて説明してラボ内を案内できるようになるには、1年以上かかるのです。わたしは、ラボの自動化や機器購入をしていたので、研修なしですぐに説明して回れました。担当者三人よりもずっと詳しかった。(笑)

 ああ、もう二つ思い出しました。沖縄米軍から出生前診断検査MoM値の導入要請があり、学術営業部のS君が担当してました。学術開発本部の東さん(在米25年の臨床検査技師の女性)にニューヨークから資料の取り寄せを依頼していました。S君はシステム本部に持ち込み、不可能だと断られました。妊婦の体重や人種、妊娠週令などが計算式の変数になっていたので、それを入力し中ればなりません。ところがそんな項目をを入れるスペースがありません。不可能でした。それを見かねた東さん、まだ学術開発本部に異動して2か月ぐらいだったかな、取り寄せたMoM値に関する学術論文を向かいに座っているわたしの机にポンと投げてよこして、「ebisuさんならできるでしょ」、「とりあえず資料に目を通してみます」と伝え、「なるほど、システム本部が負荷のだといった理由がわかりました、やってみましょう」と返事。HP41cを使ってカーブフィッテイング(線形回帰分析ですが二次関数です)してAFPとhCGとエストリオールの3項目のデータから計算式を導きました。この計算機が使えるのはSRLでは研究部に2人いるだけ。管理部門ではわたしだけでした。偶然のたまもの。わたしはそれまでに12年間で3台HP社の科学技術用計算機を使っていました。パソコンを使って足りない入力項目を沖縄営業所で入力させ、関係する3項目の検査値を沖縄営業所のパソコンで計算処理して報告データとファイルの結合処理してを出力する仕様書を書きました。システム本部へはC言語のできるプログラマーを1か月貸してもらう交渉をしてプログラミングを担当してもらいました。上野君だった。1か月で完成して、沖縄米軍へ説明に行きました。沖縄米軍の司令官、歓迎してくれました。米国の法律で女性兵士が妊娠したら、出生前診断検査が義務付けられていたからです。それまで法律違反になっていました。
 出生前診断検査の基準値は日本人の基準値がありませんでした。白人を100とすると黒人が120でした。日本人基準値は?と考えたのは慶応大学産婦人科のドクター。やはり、学術営業部のS君が担当でした。製薬メーカー2社の営業に学術案件なので必要な試薬を無償提供するように依頼しました。必要なら社内稟議の案文はこちらでつくるよといいましたが、不要でした。取引先製薬メーカーとはすべて価格交渉で面識がありましたから、一も二もなく要請に応じてくれました。6000人の妊婦のデータをとるのに3年くらいかかったかな。多変量解析は研究部のF君が担当してくれました。日本人基準値は130でした。画期的な研究になりました。こういう他分野の知識とコネクションが必要なマネジメントは学術開発本部にはそれまで担当できる人がいなかったのです。だから、直属上司のIさん、副社長のY口さんの異動要請を突っぱねたのでしょう。でも、購買在庫管理システムと原価計算システムの機能アップは社内でわたしにしかできない仕事でした。結局、3年後に兼務で購買在庫管理システムの仕様書を書くことになりました。半年ぐらいしかいなかったので、購買在庫管理システムだけ。かかったのは1週間でしたね。価格シミュレーションシステムを含む原価計算システム構想は1986年に概略を書き留めてありましたが、本稼働して、運用トレーニングを担当する数名の人のトレーニングもしなければならないので、仕様書を書きませんでした。半端な知識の者が担当すると何が起きるかわからないからです。) 

<余談:フライトレコーダ>4/23追記
 海上自衛隊のヘリには洋上で墜落したときのために、外付けのフライトレコーダがついており、墜落すると自動的に浮かんでくるようになっている。ところが、陸上自衛隊のヘリコプターは海上を飛ばないということになっているらしくて、そういう装備(外付けのフライトレコーダーで浮かび上がって来るもの)がついていないのだ。
 すごいね、陸自だから海上は飛ばないなんて発想するんだ。こんな発想で国土の防衛できますかね?
 フライトレコーダに関する防衛省のたまげた説明



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#4953 北朝鮮ミサイル落下: Mar. 27, 2023 [8. 時事評論]

 今朝(3/27)午前7時50分に防衛省が北朝鮮がミサイルを発射したとアナウンスした。7時55分に海上保安庁がEEZ外に落下したとアナウンス。
  発射されたのは2発、それも変速軌道だという。

 ミサイルの迎撃を考えると、落下する前に撃ち落とさなければならないから、たっか地点の職句がつかなければ不可能。
 PACⅢの射程は20km、最大射高は15kmだから、ロフテッド軌道(高さ5700㎞から落下してくる)のミサイルの迎撃能力はゼロ。変速軌道ミサイルにも対応できない代物です。これが日本のミサイル防衛の現実です。
 敵がEEZ内に長距離砲を載せた艦船を展開してきているのに、こちらは射程数十mのピストルを並べているようなものです。

 防衛費を2倍にすると岸田総理はアナウンスしましたが、そのほとんどは役に立たぬ米国からの武器購入にあてられることでしょう。

 北方領土返還交渉にも同じことが言えます。プーチンは憲法を改正して領土の割譲を不可能にしました。だからロシア憲法違反になるので、ロシア政府は北方領土返還交渉ができないのです。それでも経済協力を餌に日本政府は領土返還交渉をやっているふりをしています。

 わが国の政治家はどうなってしまったのでしょう?
 ロシア、北朝鮮、中国がいつ牙をむくかわからない状況です。日本はこちらから先にミサイル発射はしない、先制攻撃はしないことを宣言して、多核弾道ミサイルを開発し、実戦配備すべきです。古里の極東の町と稚内、岩国、尖閣列島にそれぞれミサイル基地を建設し、多核弾道ミサイルを並べたらいい。大規模な核シェルターを首都圏や政令指定都市に配備する必要もあります。それらのために憲法の改正が必要なら、やればいい。
 米国、中国、ロシア、北朝鮮がミサイル廃棄に合意するなら、多核弾道ミサイル廃棄に合意したらいい。

 戦車や榴弾砲や銃弾の備蓄を増やし、ドローンやレールガンや戦闘ロボットの開発を急ごう。陸上だけでなく、水中でも戦闘できるロボット開発を急ぎたい。北朝鮮が日本海にミサイルを積んだ潜水艦を配備したときに、いつでも沈められるような弾道付の高性能水中ロボットの開発をしておく必要がある。
 年間5兆円の防衛費を2倍の10兆円にしようとしているが、役にも立たぬ米国製兵器を買い続けないで、国産戦闘ロボットやレールガンや多核弾道ミサイル開発に毎年2兆円ほど費やした方が、国防の強靭化にのに立つのではないか。

 これよりも有効な国土防衛策があったら、聴きたいものだ。
 まずは与党と野党で現実的な国土防衛戦略についての議論をしてもらいたい。

*「#195少し過激な北方領土返還論:MIRV開発・組み立て・解体ショー」

**「#3419プーチンと2島返還で交渉?:議論もしないで勝手に決めるな!」

***「#4931 北朝鮮ミサイルが渡島大島の近くに落下した」


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#4948 ベトナム人技能実習生の死体遺棄事件と立法の趣旨 Mar. 24, 2023 [8. 時事評論]

 ベトナム人の技能実習生レイティ・トゥイ・リン(24)が昨年11月に、双子の子供を産んだが死産だったという。遺体をダンボール箱に入れて放置したので、死体遺棄罪で逮捕されて裁判になっている。

 死体遺棄罪は日本の分化とか伝統的な価値観や宗教感情を前提につくられた。一般人の宗教的感情に反する行為だからこそ、死体遺棄の罪に問える。ベトナム人の技能実習生は日本に来て1年余だから、言葉もままならぬし、相談する相手もいなかったので、死体遺棄罪に問えるのかというのが裁判の争点になっている。ベトナム人技能実習生を死体遺棄罪に問うのはこのような立法の趣旨に反するのではないかという疑問がある。
 被告は遺体をタオルでくるんで丁寧に扱ったと主張している。

 まことに不幸な事件で、被告に同情を禁じ得ない。技能実習生の受け入れにはこのようなことについても細心の注意を払わなければならないが、技能実習の受け入れ監理団体は給料のピンハネばかりしていて、こういう相談に乗っていないことも明らか。技能実習生受け入れに関する法律を改正する必要があるのではないだろうか?
 たとえば、50人以上の技能実習生のいる監理団体には、50人ごとに実習生たちの言語を話せるコンサルタント要員を一人置くという風に。

 今日判決が出るらしい。どのような判決が出るのか注目したい。


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#4943 SVB経営破綻の原因と日銀の類似点 Mar. 15, 2023  [8. 時事評論]

<更新情報>3/16 <金相場>追記、クレディスイス銀行経営不安追記

 3/10にシリコンバレー銀行(以下SVBと略記)が経営破綻し、数日たった今、理由が明らかになってきました。損失のでた理由は二つ
(1)保有債券が今年に入ってからのFRBの金利上げで損失を出した。
(2)不動産担保証券(MBS)の値下がりで損失を出した。

 SVBが保有している財務省証券(日本では国債)が利上げで、巨額評価損が出たことと、資金難でリーマンショックでも問題となったMBSを売却することで資金調達して、巨額損失が出たことによる。

 米国会計基準では、保有債券は時価評価ですから、売却するとしないとにかかわらず、金利が上がれば債権は値下がりして、評価損あるいは売却損を計上することになります。その損失の額が大きければ、預金者はリスク回避のために自分の預金を引き出し、他の銀行へ預けるので、急激に資金難に陥ります。
 SVBは増資によって資金難を解決しようとしましたが、急激に株価が下落する局面では増資しても必要資金が集められません。
 SVBは新興企業から預金を預かり、それを米国財務省証券やMBSへ投資していました。企業は資金繰りが苦しくなると、まず預金引き出しを行います。それが殺到すると、支払い準備が足りなくなります。必要資金をねん出するために、保有している米国財務省証券やMBSを売却しますが、金利上昇で値下がりしているので、必要資金が集められないだけでなく、売却によって巨額損失が発生します。
 SVBは新興企業から短期の運転資金を預かって、長期投資をしていたために、支払資金がショートして経営破綻しました。
 リーマンショックの引き金になった不動産担保ローンはいまだに大した規制も受けずに、大手を振ってまかり通っていたのですね。規制当局は何をしていたのでしょう?リーマンショック時の反省が薄いように感じますね。

 さて、我が国の中央銀行である日銀の国債保有額は昨年12月末で564兆円になり、発行額の半分を超えました。日銀は保有国債について、利上げで国債価格が下落しても評価損を計上しなくていいようになっていますが、世界の常識(国際会計基準)はそうはなっていませんから、国際的な投資機関は日銀が保有している国債の実質的評価損を計算します。
 日銀が金利を上げられないのは、巨額評価損が発生するからで、それを国際的な金融機関がどのように判断するか知っているからでしょう。

 計算の簡単化のために保有している国債の金利をゼロとし、長期金利が3%にアップしたとしましょう。日銀保有の国債の残年数を7年とすると、評価損は次の計算式で求められます。
 564×(1-1.03^7)=-129兆円
 日銀の自己資本額は40兆円ほどですから、この前提条件では80兆円の債務超過になるでしょう。
 わたしが日銀総裁でも、国際金融機関の反応が怖くて長期金利を米国並み(3.6-4.0%)にする勇気はありませんね。

 1月と2月で40兆円ほどさらに買い増しているでしょうから、今年度末には600兆円を超すでしょう。新しい日銀総裁に就任する植田さんは、前任者である黒田さんのゼロ金利政策見直しはできないでしょう。とても怖くてそんなことはできません。
 でも、発行済み国債の半分以上を中央銀行が買い入れているというのは異常な事態ですから、いずれ日銀とともに、日本政府が国際的な信用を失い、破綻が来ます。そのときは、国民への被害額もっと大きくなります。

 預金封鎖による預金への課税そして保有株式や不動産への課税がなされます。そのときに住基ナンバーが重要な役割を果たします。預金は住基ナンバーで簡単に名寄せできますし、株式はとっくに電子データになっているので、課税が簡単です。不動産登記も電子化が進行中です。これらすべてが日銀経営破綻、政府財政破綻処理に向かっての準備になっています。

 1946年2月16日に、大蔵大臣が預金封鎖を発表しています。財務省は預金封鎖や株式市場封鎖の具体的なシミュレーションを秘密裏にしているでしょう。

 国民が対抗できる手段は一つはありそうです。金を保有することです。金は本源的な貨幣ですから、なにがあっても大丈夫ですよ。ただし、保管はたいへんです。盗まれないように万全の備えをしてください。
 わたしですか?そんなにたくさんないので、心配してません。政府の無策にあきれています。老後のわずかなたくわえをあなたたちの無策をあがなうためにどうぞもって行ってください。

<金相場は?>
 田中貴金属店での店頭渡しで、9100円/gですから、ずいぶんと値上がりしましたね、1970年代は2000円/gしなかったのですから。1kgの延べ棒10本で10kg、9100万円です。保管は貸金庫がいいですね。
 1975年は1616円/gでした。1973年からの金相場の推移をご覧ください。

<クレディスイス銀行が経営不安>3/16
 スイス中央銀行が7.1兆円の資金供給を発表。ヨーロッパ株式市場は金融株を中心に下落。


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#4942 食糧価格元へは戻らない三つの理由:元東北大教授盛田清秀 Mar. 14, 2023 [8. 時事評論]

 3/13のNHK朝のラジオ番組によれば、農業資源専門家の盛田清秀氏が三つの主要な理由を挙げて、食糧価格が元へは戻らないと主張している。

(1)人口大国である中国とインドの所得が上昇し、食糧需給がひっ迫している。今後、この2国の食糧需要は増大し続ける。
(2)地球温暖化により気候の振れ幅が大きくなり、穀物生産が減少している。
(3)日本の農業自給率が低下している。現在38%。

 対ドル為替レートは110円/ドル付近だったのに、昨年6月から130円/ドルを超えているので、円安だけでも食糧輸入価格は25%もアップしている。その上、ロシアが世界の穀倉地帯であるウクライナを侵略したので、ウクライナの穀物輸出ができなくなり、需給のひっ迫に拍車をかけ、ますます食糧価格が高騰することになった。
 長期的に見れば、上記3つの要因は改善しそうにないので、今後も食糧価格の高騰は続くというのが、盛田清秀氏の見方である。

 盛田氏は他にもいくつか理由を挙げていた。一つはトウモロコシである。米国が世界の生産量の1/3を占めるが、その内の40%が燃料用油を製造するための原料として消費されており、畜産飼料としてのトウモロコシの値上がりがとまらない。
 (4)輸送船が足りないので、輸送コストが増大している。
 (5)自国の食糧安全保障上、輸出国が自国の消費分を確保するために、輸出規制をかけている。
 (6)食糧備蓄には大きなコストがかかるので、十分な備蓄は困難。

 盛田氏は、このような理由で食糧価格が高止まりしたままになることに懸念を示し、いくつか処方箋も明らかにした。
 
(7)日本には米作の休耕田が47%もあるが、それをほかの作物栽培用の畑に転換して食糧自給率を上げることができる。
(8)米の消費を増やす。健康に良い和食へ食事のスタイルを切り替える。

 水田は優秀な生産装置であり、そこで小麦や大豆やを生産して、自給率を上げる余地があるという。
 盛田氏は言及しなかったが、日本の農業の大半は高齢者が担っており、今後30年間で農業生産人口が激減するだろうし、そうなると自給率はさらに下がり続けることになる。おまけに政府が付加価値の高い農産物の輸出を奨励しており、普通の国民が食べる農業生産物が減少していく傾向は、今後ますます強くなりそうである。
 食糧自給率は食糧生産量が同じなら、人口が現在の4割になる2120年には2倍となる。人口減少が食糧自給率をアップする有効な対策の一つということになる。北海道の食糧自給率は400%だから、ここを日本の食糧生産基地として食糧生産量を維持する方途を考えればいいということ。

 話を聞いていて、ロシアのウクライナ侵略のことが頭をかすめた。ロシアは穀倉地帯のウクライナを手に入れたいのではないか。天然ガスと原油だけでは食べてゆけぬ。北方四島は境の4大漁場の一つである。たとえば、択捉島は「宝島」だった。北海道沿岸に比べて、数倍の漁があったという。いまでも、択捉島の川には昔と同じように、川に竹竿を立てても、遡上してくるシャケに押し合いへし合いされて倒れないなんてことがあるようだ。
 ロシアは穀物と水産資源の確保のために、ウクライナと北方四島を自国領土にしたいのだろう。そういう国と国境を接していることを忘れてはならない。


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#4931 北朝鮮ミサイルが渡島大島の近くに落下した Feb. 18, 2023 [8. 時事評論]

 今日2/18午後、5時21分、北朝鮮がピョンヤン付近からICBMを発射、66分間飛行し、函館の渡島大島の西海上へ落下した。EEZ(排他的経済水域)内である。2度目です。

 防衛省の発表では何時何分にどこへ落下するかわからないということ。NHK函館放送局のカメラが、西海上にミサイルが赤く燃えて落下していく様子をハッキリとらえている、それが5時21分だった。

 日本のミサイル防衛はロフテッド軌道の北朝鮮ICBMにはまったく役に立たないようだ。撃墜できないどころか、どこに標的のミサイルがいるかも探知できない。
 ロフテッド軌道のICBMの落下速度はマッハ10を超える。PAC3の速度はマッハ7、射程圏内に入ってきてから落ちるまで6秒です。PAC3の真上に落ちて来るならともかく、角度があったらとても迎撃は無理でしょう。

 これで、軍事予算を2倍にして、米国から役にたたないミサイル防衛のためのPAC3(高度20㎞が射程距離)や「地上イージス艦」のような探知装置を購入するのだろう。無駄遣いはやめてほしい。探知や撃墜ができないならどうするのか国会でしっかり議論してもらいたい。
 首都圏や関西圏にミサイルが落とされても、甚大な被害が出るだけでなす術がなくていいのだろうか?

 EEZ内に2度も落下しているのだから、そろそろ本気で、どういう手段で防衛するのか真剣に国会で議論してほしい。いつ我が国領海内や領土に落下してくるかわからない状態である。
(EEZは基線から20海里(370km)、領海は12海里(22.2㎞))

イージスアショア2基とイージス艦2隻の費用比較

 米国のミサイル防衛が頼りにならぬなら、国産の固体燃料多核弾道ミサイルを開発して、攻撃されたら反撃できる体制が欲しいと私は思う。毎年、5000億円もつぎ込めば、いまなら数年で開発・実戦配備が可能だろう。ついでに巡航ミサイルや高性能ドローンも開発したらいい。
 意見は賛否両論あるだろうから、国会の場でしっかり議論してもらいたい。

<データ>
 パトリオット(PAC3)の射程は20~30km
 北朝鮮ICBMのロフテッド軌道の高さ:5700㎞
 ピョンヤンと東京の距離:1293km

 発車時刻がわかっても、場所が1292㎞も離れていては、射程距離20~30㎞のパトリオットは届くはずもない。
 そして高度20kmに達するのに2~3分である。後は撃墜できない。落下するときは速度が加速するので落とせるミサイルはない。論理的に考えれば、やられたときに倍返しでやり返す用意があることを知ってもらう必要がある。
 原理原則をはっきりさせたらいい。日本は先制攻撃はしないが、日本の国土に核ミサイルが撃ち込まれたら、複数の多核弾道ミサイルを相手国の主要都市へ向けて発射する。
 
 間の抜けた防衛相のコメント。たまたまこの時期に防衛大臣を担っているというだけでお気の毒ですが、防衛の当事者だという意識はあるの?
*「北朝鮮のミサイル、すでに落下か」

  届かない日本の防衛ミサイル
「#4840 北朝鮮ミサイルで朝から大騒ぎ:届かない防衛ミサイル」


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#4924 次の日銀総裁はどんな人?:植田和男71歳 Feb. 12, 2023  [8. 時事評論]

 新しい日銀総裁に植田和男氏が決まったという。wikiをみると、マクロ経済学が専門で、宇沢弘文や小宮隆太郎、浜田宏一に師事したようだ。ピッカピカのリフレ派である。どうしてこんなに偏った人を続けて選ぶのだろうか?

 浜田宏一と言えば、日銀白川総裁を黒田東彦に変えれば3か月で物価2%上昇が実現できると公言したことがあった。異次元の金融緩和を安倍晋三元首相に吹き込んだ人。
 結果は惨憺たるものだった。2013年3月20日に黒田は日銀総裁に就任したが、10年かかっても2%のインフレターゲットは達成できなかった。所得が上がらなかったからだ。そもそも金融政策だけで2%のインフレターゲットが実現できると考えるのがおかしい。現実を見ると、マクロ経済学そのものが破綻しているように見える。それなのに、また同じ学派を日銀総裁に起用した岸田総理の見識が問われても仕方がないだろう。
 統一教会問題で筆頭に挙げられる萩生田氏は政調会長へ「栄転」、同じく統一教会とのかかわりの深い細田衆議院議長はそのまま居座り、LGPT問題では統一教会と同様の見解を国会で述べ、荒井秘書官がそれを敷衍してオフレコの記者会見、マスコミの批判を浴びて更迭せざるを得なくなる。
 寺田総務大臣は11/21に金銭問題で、その前には山際経済担当相、葉梨法務大臣の3人が1か月の間にドミノ辞任している。自分の取り巻きを安易に大臣にしたためだとも言われている。どうも、岸田総理というのは人を見る目がないようだ。
 話を日銀総裁人事に戻そう。後ろに浜田宏一がいて、黒田東彦、植田和男と日銀総裁が替わっても、金融政策は変わらない。

 そもそもなぜ経済学者が日銀総裁に就任したのだろう?財務省OBか日銀出身者がいままでは日銀総裁になってきた。異次元の金融緩和を10年も続けてきて、まったく効果なし。2%のインフレターゲットは、国民の所得が上がらないので不可能。でもいまさら失敗だったとは言えぬ。財務省や日銀内部には、ついに日銀総裁に成り手がいなくなったように見える。

 異次元の金融緩和で、円安は進むし、銀行は青息吐息である。平成元年の時価総額世界のベスト10企業には日本の銀行が5社(日本興業銀行、住友銀行、富士銀行、第一勧業銀行、三菱銀行)も入っているが、いまやベスト50社をみても日本企業でランクインしているのはトヨタのみ。日本の大手銀行はいまや見る影もなくリストラを繰り返している。

 財務省OBも日銀出身者も火中の栗は拾いたくないのかもしれぬ。今回の人事は財務省がそれくらいの危機感をもっているということか。

 日銀が国債買い入れをやめたら、金利を上げないと、市場で国債はさばけない。市場で売れなければ日本政府はデフォルトに陥る。このまま月間20兆円のペースで買い入れを継続したら、円の国際的な信認が崩壊しかねない。ようするに出口戦略が描けないということ。誰がやっても不可能、手遅れ。

 さて、できるだけクラッシュを小さくするにはどんな手がありうるのか? 
 手品のような手はないのだから、日本経済がダメージを受けるのは覚悟のうえでやるしかない。まず長期金利を段階的に2%にまでアップし、国債の金利を市場にゆだねよう。5%くらいまでアップするかもしれないが、円高になり物価上昇は緩慢になる。
 円の信認が崩壊し、外国為替が160円/ドルになって物価がさらにアップ、預金封鎖による預金への課税や株式への課税、不動産課税が起きるよりずっとましだ。政府の借金は国債だけでも発行残高は1000兆円を超えた。数百兆円規模の課税になるだろう。その際に効率よく課税するためには住基コードの普及が必要です
 預金の名寄せにも、保有している株の名寄せにも、不動産の名寄せにも、住基コードが使われます。財務省は日銀破綻・財政破綻の用意がほとんどできています

 首都圏直下型地震、千島海溝を震源とする巨大地震、東南海巨大地震が明日起きても不思議ではない。蓄えどころか、政府は巨大な借金を積み上げてしまっており、一世代は苦労が続くから、人口減少はとっても都合のいい政策に見える。
 そうしてみると、人口減少に有効な対策を打てず、何もできない無為無策が最善の政策となっているようだ、「神の国日本」の七不思議のひとつに数えてよい。神風が吹いている。

*「#4922 日銀の国債買い入れ月間最高額を記録」


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#4923 LGBTQをめぐる首相の発言と忖度秘書官の珍騒動&共産党お家騒動 Feb. 7, 2023 [8. 時事評論]

  LGBTQに関して首相の国会答弁を受けて、首相秘書官の荒井氏がオフレコで、その真意の解説を記者たちに行った。
 荒井秘書官は首相のさまざまな答弁やスピーチのライターと言われてきており、とりわけ首相の信任の篤い人だという。首相の考え方を身近で直接受け入れてスピーチ原稿を繰り返し書いてきたし、首相の思考様式に従ってオフレコで「国会答弁解説」もしたのだろう。その肝心な箇所は岸田首相のアドリブだったようだ。原案は法務省が作成したが、その中には問題の箇所はなかったと首相自身が認めている。だから荒井秘書官は関与していないとの主張だが、藪蛇だった。首相自身の考えだと白状したようなものだ。
 いくつかの新聞の掲載されているが、ネットで神奈川新聞の解説記事がヒットしたので、アドレスを貼り付けておく。

 自民党には、同性婚や夫婦別姓を認めたら「伝統的な家族制度」が崩壊すると主張する保守系の議員が多いことは事実で、それは統一教会の家族制度に関する主張と重なっている。そうした旧統一教会の家族観を流布するために、選挙活動を支援して地方議員をひろく取り込んでいる。

 問題は、首相国会答弁の「忖度解説」をした荒井秘書官にあるのではなくて、岸田首相自身にあるということだろう。派閥の力が弱いので、保守系議員に強いことは言えぬ、リップサービスが必要だから、ああいう国会答弁になったのではないか。いわば首相の本音であるのだから、荒井秘書官を更迭せずに、わたしはそういう考えだと堂々と言えばいい。言えぬなら、首相という立場で、そして国会答弁で「家族観や価値観、社会の在り方が変わってしまう」なんてことは言うべきではない。現実はとっくに変わってしまっている。

 ところで、「同性カップルに結婚を認めるべきではない、結婚は子どもを産み育てるもの」というのは統一教会の教義そのものである。自民党保守派は家族観については旧統一教会と同じことを主張している。自民党保守層も岸田首相も、悪徳詐欺集団の旧統一教会を厳しく規制するつもりはないようだ。藪を突けば蛇が出てきて、公明党との関係も壊れかねない。

<余談:委員長公選に関する共産党の主張>
 共産党は委員長公選制を主張している松竹伸幸氏を除名処分にしました。民主集中制だから、みんなで決めたことに公に反対してはいけないということのようですが、独裁政治とどこが違うの?
 志位委員長はも22年も同じ席に座り続けています、どうかしているね。日本共産党は情報統制ということでは中国共産党やロシア共産党と同じ穴の狢だと白状したようなものですよ。共産党って情報統制のとってもきつい、怖い政党なんだね。こんなことをしていると情報統制部門の権限が次第に強くなり、KGBのような組織からプーチンのごとき人間が現れて党を牛耳ることになるのでしょう。
 こんな考え方をするのは幹部だけ、ほとんどの党員はもっとフランクで、自由な発言を望んでいると信じたい。だから、この度の時代錯誤の対応にびっくりしています。これじゃあ、若い人たちが入ってこない、ジリ貧になって消滅するのでしょう。
 共産党の敵は自民党ではなくて、20年以上も最高位について党を牛耳っている共産党幹部自身のように見えます、お粗末すぎます。

 委員長の志位和夫氏は東大工学部物理学科卒、「労働者」の経験は一度もありません。書記局長の小池晃氏東北大医学部卒、彼もまた「労働者」の経験なしです。マルクスとレーニンは大学に職を望んだが、思い通りに行かなかったインテリでした。毛沢東も富農のインテリ。インテリの、インテリによる、インテリのための党なのでしょう。志位さんは宮本賢治元委員長の息子の家庭教師をやっていたとか。ご令息は中大教授になっているようですから、覚えめでたかった。これだもの、「公選」なんてしたくなくなっちゃうのはあたりまえです。

 とっても心を痛めている一般党員が少なくないだろう。声を上げたら除名処分だから、何も言わない、何も言えない。ウクライナへの侵攻に反対して国外脱出した数百万人のロシア人とおなじ心持だろう。


*読売新聞ニュース

<創価学会>
 年2回、ボーナスの時期に名前と番号が印字された振込用紙で振り込ませていますが、この振込用紙の発行は創価学会本部でやっているのではありませんかね。いまでも昔と同じ方式なのでしょうか。
 だれが、いつ、いくら寄付したのかコンピュータでしっかり管理。そのデータはどのように使われているのでしょう。この「集金力」凄いね。金額は統一教会の比ではありません。


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