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#3189 根室管内の中学生の学力は全道14支庁ワースト2 Nov. 27, 2015 [67. H27年度釧路の学テ・データ分析]

 平成27年度全国学力テストの全道14支庁管内別正答率表が公表されました。一番ビリが宗谷管内、残念ですが根室の中学生はビリから2番目に転落です。平成25年度の全国学力テストでは根室の中学生は14支庁管内中9番目で釧路よりもよかったのですから、全国平均との差は年々開いているようです。
 釧路管内の子どもたちの学力改善が進み、平成26年度に逆転、そして平成27年度大きく水をあけられました。

*#2837 すぐれた学力分析レポート  Oct.13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-13

 釧路は全国に先駆けて平成12年に「基礎学力保障条例」を制定したし、民間有志の団体である「釧路の教育を考える会」からも基礎学力向上の教育行政にたいして具体的提言がなされています。地元経済界も、釧路の子どもたちの学力の現状に強い危機感を抱いており、教育への関心が大きい。市民の教育への関心が高まれば、子どもたちの学力が上昇します。

 根室の経済諸団体(商工会議所、青年会議所、中小企業か同友会、根室ロータリ-クラブ、根室西ロータリークラブ、ライオンズクラブ)のみなさんは、教育問題に関心がないのでしょうか?
 根室の有効求人倍率が1.3倍に上昇しました。学力低下が年々進んでいますが、地元企業が採用するのは地元の子どもたちです「子どもたちの学力低下=地元企業の衰退」となることはわかりきったことです
 平成29年度から高校が統廃合され、根室高校普通科が総合科普通科単位制4クラス(根室高校は現在普通科3クラス)に編成替えになります。その影響でこの10年間、徐々に低下してきた根室高校生の学力は、2年後から数年間加速的に低下します仮に勉強に関心のない生徒が「総合科」普通科のいずれかのクラスに3人いたら、小学校や中学校がそうであったように、学級崩壊現象が起きます。高校生になったらもう先生たちの手では押さえが利かない
 いままでは学校が別であったから、根室高校は学級崩壊現象がありませんでした。根室西高校は生徒の学力に合わせた授業で対応できました。統合後は国語・数学・英語は「~基礎」という科目が設定され、内容は中学校の学び直しになるようです。同じ総合学科でも教科書も別になります。しかし、他の科目はそうはなりません。学力差が大きいのに同じ教科書で学ぶことになります。40人ほどがまったくついていけない状態になるでしょう。
 実際には、「普通科Aコース」と「普通科Bコース」で使う教科書も授業内容も変えるしかないのです。総合科普通科単位制の入学試験の合格点の分布は20点から250点になります。こんなに大きな学力格差のある生徒たちを同じ科で教えることに自体に根本的な無理があります
 だから同じ総合科普通科にまとめるなら入学時点でフィルターをかける必要があります。合格最低点を満点の1/3とすれば、学級崩壊現象は防げます。勉強に関心のない生徒、勉強するつもりのない生徒、学業に努力を払わなかった生徒たちに入学を許可する必要はありません
*平成26年2月7日「高校問題検討委員会だより」
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/129f43a6348d73f449257a4e0004afea/$FILE/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%92%E6%9C%88%E7%AC%AC%EF%BC%98%E5%8F%B7.pdf

**#2310 高校統廃合はオープンな場で議論しよう May 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-26

 #2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-2

 学力が低い中学生が増え続ければ、20年後には30代半ば、学生時代に部活に一生懸命でほとんど勉強しなかった教育に関心の薄い大人たちが増え続けることでもあります。根室の未来に赤信号が灯(とも)っているとは感じませんか?

 根室に見切りをつけて道内の学力の高い地域へ学力疎開が増えています。タイプは2種類、好きな部活の強豪校への進学と、大学進学や高専進学のために根室の外へ飛び出す生徒たちです。
 地元企業経営者に子どもを学力疎開させる事例は前からありますが、そういう人たちは教育や進学という点からは根室にとっくに見切りをつけたのでしょう。
 しかし、根室に住み続け、根室をよくしようと思う人だって少なくないはずです。学力低下は根室市だけの問題ではありません、根室管内1市4町に共通する問題です。視野を広くもち、管内1市4町で協同で取り組みませんか?
 11月15日に開催された「教育シンポジウム北海道」で、JA浜中農協組合長の石橋さんが、「これからは地方の農業こそ優秀な人材を確保しなければやっていけなくなる」と力説していました。根室の水産業だって同じことでしょう
 地元企業は地元で人材調達をするしかないですから、優秀な人材が枯渇してしまえば、地元企業は優秀な人材を確保する術がなくなります、人材不足では経営改革ができません、20年後には3割の地元企業が消滅しているでしょう。今年の春に高校を卒業して地元企業に就職した者たちが40歳前後になったときに、3割が会社がなくなって転職せざるを得ない状況になっているかもしれません。再就職先を見つけるのは著しく困難だと思いませんか?

 データを一つ挙げておきます。数年前には文協学力テストで平均点160点台をたたき出したことのあるB中学校は、市街化地域では一番学力の高かった中学校でしたが、今年の学力テストの4回の五科目平均点は108.4~109.3点(300点満点)です。
 C中学校は5年前に北海道新聞が毎日火災報知機が発報するいたずらが続き、授業中に空き教室で遊んでいる生徒たちがいた2010年の学力テストの平均点は113.1点でした。現在は130点台に回復しています。校長先生と教員が放課後補習や文武両道を言い続けて生徒指導を徹底してきた成果が出ています。生徒たちの学力は学校経営スキルの高い校長がいて、先生たちの学力向上への協力、そしてそうした学校運営への保護者の理解があれば上げられるものなんです。
 成果を挙げたC中学校、それとは反対の不名誉な結果を出してしまっているB中学校。B中学校ででは学力低下が進行しました。8年前の1年生1クラスの学級崩壊から学力低下が始まっていますわずか数人の生徒が授業中に騒ぐだけで、その学年の学力が著しく低下してしまう実態が浮かび上がりますB中学校の先生たち、過去十年間の文協学力テストの結果データを学年別・科目別に並べてご覧になってください。いろいろなことがわかるはずですデータに基づく議論をしてください
 根室の大人は教育にもっと関心をもって発言しなければいけません。地元企業経営者こそ、教育に一番関心をもつべきです。学力テストの結果データがどういう推移を描いているのか、一度でも関心を持った経済団体がありますか?
 教育こそが経済活動の基礎です。教育に関心をもたなければ、人材劣化によって25年後の2040年には地元企業の数が半分になるだけのことです。自分たちの運命は自分たちで決したらよろしい。旧弊の塊である「オール根室」の閉鎖性が自ら根室の企業をつぶすことになることだけははっきり申し上げておきます。オープンな場での議論を避けているからこういう問題を次々に起こしてしまいます。市立根室病院建て替え問題、明治公演再開発問題、根室市の予算膨張、高校統廃合問題、すべて問題の根っこは閉鎖性にあります。

 ブログ「情熱空間」が管内別正答率データを転載しているのでごらん戴きたい。根室は表の一番下にあります。
(表をクリックすると全体が別画面に拡大表示されます)

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8251911.html
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2015年11月26日

足を引っ張る釧路市!(全国学テ管内別正答率公表)

2015年度・全国学テ道内結果分、管内別正答率が発表されました。まずはこちら、釧路市教委発表による、「釧路市平均」の数値をご覧ください。赤枠部分、小6算数B(★は全道平均以下)にご注目。

無題











お次はこちら、今日(2015.11.26)の北海道新聞(全道版)。さて、「釧路管内平均」の小6算数Bは42.6Pと全道平均を0.1P上回っています…。

しかし、それにしても日高の小6の低いこと低いこと。北海道はブービーの46位ですよ。まぁ、最下位の滋賀県とは小数点の争いなので、実質は最下位ですけれど。多分、秋田あたりの小5、場合によっては小4よりも学力が低いでしょうね。相変わらず、ひどいものです。

十勝。帯広市も含め小6の結果は思わしくありませんが(釧路より低いのは意外ですが)、しかし中3では大逆転!これは受験事情によるところが大きいでしょう。釧路市とはまるで違って、倍率、高いですからね、帯広市は。

CCI20151126_00003











































あれあれあれ、何かが変ですね…。小6算数B。「釧路管内平均」は「釧路市平均」よりも上。そうです!「釧路市は、釧路管内の足を引っ張っている!」というわけです。証拠はこちらです。

●北海道教育委員会
平成27年度 全国学力・学習状況調査 北海道版 結果報告書(市町村の状況)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/gky/gks/gakuryoku27/shityouson_page.htm

まず、小6、「釧路市」のレーダーチャートです。

KUSHIROSHI























お次は、同じく小6、釧路町(上チャート)と浜中町(下チャート)のもの。ちなみに、厚岸町と白糠町はガチョーンな結果。鶴居村は相変わらずの横綱(全道どころか全国平均を楽々クリア)です。標茶町と弟子屈町は未公表。まぁ、恥ずかしくて見せたくないのでしょうね。

注)それでも厚岸町の中3は「釧路市平均」以上!ご立派です。白糠町は小6も中3も相変わらずひどい…。小学生からの英語教育・中国語教育も結構だが、まずは読み書き計算からでしょうが。しっかりせい!

KUSHIROCHOU


























HAMANAKA























あらあらあら、明らかに「釧路市平均」を上回っていますね。特に浜中町はご立派!「釧路市平均以上」、鶴居村・浜中町・釧路町。対して「釧路市平均以下」、厚岸町(中3は平均以上)・白糠町・弟子屈町(予想)・標茶町(予想)ということになりますが、「釧路市内平均」が「釧路管内平均」を下回っているとは、何ということでしょうか!

釧路市教委は、帯広市や根室市が「市平均点」を公表していても、絶対に絶対に、意地でも「釧路市平均」を出そうとしません。どうやら、学校出身者がそう決めているらしい(申し送りでもあるのでしょうか?)ですが、その理由。

都市間格差を助長するから。

先日の北海道新聞に出ていました。あまりにバカらしくて記事のアップを見送りましたが、何、寝言をほざいているんだか…。道内主要都市の比較で、常に後塵を拝しているだけでなく、しまいにゃ「釧路管内平均」の足をも引っ張っているとは、なにごとぞ!

全国初の基礎学力保障条例を有しておきながら、こともあろうに「釧路管内平均」の足を引っ張るとは…。一体、いつになったら「まともな司令塔」に生まれ変わるのでしょうかね。白旗を揚げて、とっとと辞任すべきだって思いますね。恥ずかしいったら、ありゃしません。

良くなってきたこと、改善されてきたことは認めましょう。しかし、仕事は結果がすべてです。その意味、まだまだまともな仕事には程遠い代物ものですよ、釧路市教委さん。なにせ、(学力向上策)後発組の管内町村にも抜かれているのですから…。仕事はできる人に任せるべきですね。

同じく、今日(2015.11.26)の北海道新聞釧路版、釧路新聞記事をアップしておきます。

CCI20151126_00002

































CCI20151126_00000



















































《追記》
毎年毎年、大枚叩いて市独自の学力テスト(釧路市標準学力検査)を実施。もう、何千万円注ぎ込んだのでしょうか。それなのに、管内町村に抜かされるとは…。恥を知りなさい、恥を。しかし、どうしてこうも仕事ができないのでしょうか。全国初、基礎学力保障条例を有しておきながら…。

《追記2》
それにしても白糠町はひどいですね…。「白糠町語学向上推進計画」が聞いて呆れますわ。日本語・英語・中国語によるコミュニケーションってね、肝心要の日本語がダメダメなのが火を見るより明らかなのに…。奮発して15歳以下の子どもの医療費を無料にしてもね、こんなに悲惨だったら、誰も「子連れで移住したい」とは思わないよ。

町長の「個人的趣味」の教育指導方針は、悪いこと言わないからすぐに撤廃しましょうよ。こんなんじゃ、白糠高校の存続云々もへったくれも、あったものではないでしょうに。(何度か、同町の複数の議員さんに申し上げておりますが)
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#3140 釧路市の教育改革の現状(2):改善が必要な「釧路市標準学力検査」 Sep. 21, 2015 [67. H27年度釧路の学テ・データ分析]

 釧路市は独自な「釧路市標準学力検査」を実施しており、すでに4回を数えるが、効果がみられないのはなぜなのか。
 市教委が公開している「平成27年度くしろし標準学力検査の結果について」をまな板に載せてみます。
*http://www.city.kushiro.lg.jp/kyouiku/kyouiku/kyouikuiinkai/k_shisaku/0001.html


<「釧路市標準学力検査」目標値の見直し>
(1) 基礎学力保障条例は釧路の児童・生徒にあまねく基礎学力を保障するという趣旨もの。
 そういう視点から、「目標値」をみると、100%であらねばならない項目がいくつも出てきます。算数・数学のみピックアップしてみます。

1:3年⇒
(設問1-1 「6+7」)
(設問1-2 「56-4」)
(設問1-3 「7+68」)
(設問1-4 「48+74」)
(設問1-5 「92-56」)
(設問1-6 「106-39」)
(設問1-7 「1000-600」)
(設問1-8 「3×5」)
(設問1-9 「8×6」)
(設問1-10 「9×7」)
2:4年⇒
(設問1-1 「47+56」)
(設問1-2 「729+4593」)
(設問1-3 「6034-3576」)
(設問1-4 「9×6」)
(設問1-5 「68×7」)
(設問1-6 「84×65」)
(設問1-7 「54÷6」(余りなし))
(設問1-8 「64÷7(余りあり)」)
(設問1-9 「6-3.8」)
(設問1-10 「3/8+4/8」)
3:5年⇒
()省略
4:中1⇒
()省略
5:中2⇒
()省略

①「基礎計算=基礎学力」と定義してレビューしてみます。
②目標値の見直しの他に、学年ごとの問題量の多寡の調整をして、全体デザインを見直しましょう。
③基礎計算に入れるべき問題はこれだけかということ、足りないのではないか。

 国語が問題ごとにどの程度基礎学力の項目を定義できるか、議論がありそうで面白い。いずれにせよ、こういう具体的な問題レベルで基礎学力を定義する必要が出ている。
「読み・書き・そろばん(計算)」が基礎学力の柱をなしているが、その範囲を学年ごとに定義するのは、学習指導要領をベースに考えたらよいのだろう。


 「釧路市標準学力検査」は信頼性に欠ける>
平成27年度の結果報告書2ページ目を見ていただきたい年前のデータは黄色の網掛けになっています。たとえば昨年度の4年生は今年の5年生です。
 国語のデータは昨年「やや下回る」でしたが、今年「3階級特進」になっています。1年間でこんなに国語の学力が上がるものでしょうか?
 同じ学年で算数は昨年「ほぼ同様(下位=マイナス)」ですが、今年は「目標値を下回る-5p未満」で1
階級下げ、最下層となっています。
 比較可能な学年は今年の小5しかありません。どうやら、この学力検査テストでは、児童・生徒の学力の経年変化を追えないと判断してよさそうです。
速断は危険だから、もう一方向からデータを検討して見たい。平成27年度の小学4年生の国語は設問数38題で目標合計値2785だから、平均目標値は73.3であるのに対して、5年生の国語は設問数29題で目標合計1935で平均目標値66.7である。4年生よりも年生の問題数が9題少なく、平均目標値も6.6も低いのでは、5年生の目標達成率が高く出るのは当たり前だ。何を意図してこんなに問題数に差をつけたのだろう?デザイン・ミスとしか言いようがない。5年生のほうが問題数が多いならわかるが、逆になっている。検証委員会はこういうことをちゃんと指摘したのだろうか?
生徒の学力に変化がなかったと仮定すると、この標準学力テストは学年別の難易度あるいは目標値設定そして設問数にばらつきが大きすぎて、推移を見ても学力が上がっているのか下がっているのか判断がつかない。
このように重要なデザイン・ミスがあり、経過観察が不可能なほど精度の低い学力検査を実施してどれほどの意味があるのか、この検査を選び導入した釧路市教委に訊いてみたい。


<「釧路市標準学力検査の結果について」:結果データの総評>
「2 目標値と市平均正答率」表は目標値を上回ったのは、小5の国語のみで、残り全部が目標値を下回ったことをあらわしています。小5の国語は問題数が少なく、目標値の設定も低かったから、このデータは除外すべきでしょう。
 数字だけを見ると、釧路市が設定した目標(小3・小4・小5・中1・中2、それぞれ国語と算数、合計10科目)に対して、実績値は19敗の惨憺たるものであったと総括できる。しかし、試験のデザイン全体を考慮すると、010敗というべきです
 「基礎学力保障条例」違反と思えるレベルの低い目標値が多数混ざっていることを考慮すると、基礎学力の現状は憂うべきレベルです。子どもたちの未来と地域経済の未来を考えるときに、教育改革は急務です。
 全国学力テストでも全道平均を上回るという市教委の約束は果たされていません。何年やっても現在の体制(検証委員会)では無理のようにも感じられます。
 4度目ですから、お粗末な仕事しかできなかったメンバーは責任をとって全員辞職、入れ替えが必要です。教育村の出身者は半分以下にすべきです。
 市民代表として「
釧路の教育を考える会」から12名参加をさせるのがいいのではないでしょうか。データ分析は組織対応で動くことが可能で、市民組織で教育に関してこれだけのパワーのある任意団体は他にはありません。「教育村の常識は世間の非常識」を絵に描いたような検証委員会でしたから、市民団体と協働して謙虚に学ぶべきです。


*ブログ「情熱空間」が論評していますので、こちらもお読みください。
 「条例違反である!(上)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8151282.html

 「条例違反である!(下)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8151310.html




*#2119 釧路市議会学テ公表を求める:基礎学力保障条例 Nov. 7, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-07

 #3131 基礎学力保障:釧路市議会の質疑 Sep. 11, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-11-2

 #3137 基礎学力問題:釧路市議会議長のブログから Sep. 17, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17

 #3139 釧路市の教育改革の現状(1):資料紹介と目指すべき方向 Sep. 21, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-20-1


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#3139 釧路市の教育改革の現状(1):資料紹介と目指すべき方向 Sep. 21, 2015 [67. H27年度釧路の学テ・データ分析]

 すっきり秋晴れ、今日はいいお天気で空気が澄んでいます、紫外線が強いので帽子をかぶって外を散歩しましょう。
 庭の落ち葉をはき集めていたら、乾いた落ち葉がかさかさ音を立てながら漂っていました、のんびりした気分の朝です。

 根室さんま祭りの初日、9月19日(土曜日)、あいにくの大雨の中を釧路まで行ってきました。時折路上で上がる水しぶきがきれいでした。一瞬前が見えなくなるのには閉口しましたが。(笑)

 「釧路の教育を考える会」が平成27年度の全国学力テスト結果と釧路市独自でやっている「標準学力検査」の分析をするというので、掲示板で議論するだけでは飽き足らず、仲間の顔をみて意見交換がしたくて出かけたのです。
 2時間ほど資料を見ながら議論して、今年度の提言書をつくる方向性と仕事の担当が決まりました。あとはネットで議論しながらいつもどおりに仕事が進められます。これから書くことは、「提言書」の露払い程度のもので、話があちこちに飛んだり、あちこちで言いたいことが重複ししますが、ご勘弁ください。言いたいことは何度か繰り返し書かないと伝わらないということもあります。

 検討すべき資料は四つ用意されており、その資料を基にした問題提起がありました。
 ①平成26年度「全道平均との比較達成状況一覧表」
  この表では小学校28校と中学校15校のうち何校が全道平均を超えたかがわかります。学校別・科目別のデータは公表されていません。学力の高い帯広では、市内の全部の小中学校の学校別・科目別正答率データが公開されています。学力の低い地域の市教委はデータ公開に消極的になる傾向があります。学力テストデータを公開すれば、学力を上げるツールとして使えるのではないでしょうか。民間会社で年度計画を立てるのに、売上などの数値目標のない会社はないでしょう、学校ではそれがありません。じつに奇異なことです。「教育村の常識は世間の非常識」の典型の一つに挙げていいでしょう。
 ②平成27年度「全道平均との比較達成状況一覧表」
 ③「平成27年度 全国学力・学習状況調査の結果について(速報)」
 ④平成27年度 釧路市標準学力検査の結果について」(4年目)39ページ
  これは、釧路市教委のホームページで公開されている資料だからURLを書いておきます。
 *http://www.city.kushiro.lg.jp/kyouiku/kyouiku/kyouikuiinkai/k_shisaku/0001.html

 
 ②の資料では平成27年度の全国学力テストデータ全道平均「達成と未達」は次のようになっていました。
            (未達成,達成) 昨年度
 小学6年国語A  (13, 15)    (6, 22)
 小学6年国語B  (13, 15)    (19, 9)
 小学6年算数A  (13, 15)    (10, 18)
 小学6年算数B  (15, 13)    (15, 13)
    小学校合計   (54, 58)    (50, 62)

  中学3年国語A  (8, 7)      (6, 9)
 中学3年国語B  (8, 7)      (8, 7)
 中学3年数学A  (8, 7)      (7, 8)
 中学3年数学B  (8, 7)    (11, 4)
    中学校合計    (32, 28)   (32, 28)

 小学校では46.4%の学校、中学校では53.3%が目標未達となっています。昨年度と比べると小学校が学力低下しているように見えます。
 釧路市内のすべての小中学校の平均正答率が全国平均値と全道平均値を超えるという目標は、このままでは何年たっても達成できそうにもありません。

<基礎学力保障条例違反の疑いあり>
 問題はこの②表の一番左側も「p<-5」区分です。小学校国語Aでは6校、国語Bでは8校、算数Aでは6校、算数Bでは8校リストされています。全部で28校ですから、おおよそ1/4が全道平均よりも5ポイントよりも低いということになります。実際にどれだけ低かったかは、学校別の平均正答率が公表されていないので、わかりません。もし、保護者の皆さんが知ったら、PTAを通じて、学校に働きかけ、学力改善にいっしょに努力するでしょう。
 中学校では全道平均よりもマイナス5ポイント以上低かった学校の数は、15校中、国語Aは3校、国語Bは5校、数学Aが2校、数学Bが1校となっています。
 全道平均よりもマイナス5ポイント以上低かった学校は、基礎学力保障という点から見ると、「釧路市基礎学力保障条例」違反の疑いがあるという意見が数人から出されました。これらの学校名を公表し、重点的に学力向上への具体的な取り組みをし、次年度の学力検査でどのような結果となったか、取り組みの効果を検証すべきです。

<民間企業の常識、PDCAサイクルによる管理推奨>
 PDCAサイクルを回すには、数値目標を設定する必要があります。民間会社で年度計画で売上や費用を項目別に目標設定しない会社はありませんが、学校ではなぜか数値目標の設定をしないのが当たり前になっています。民間企業と同じような体制で学力向上に関する年度計画を立案し、結果で検証すべきだと素直に考えましょう。そのために、学校別・科目別に学力テストデータの公開が必要です。

<余談>
 学力の高い地域である帯広市は市内のすべての小中学校はホームページ上で、平均正答率を公表しています。
 根室市は根室市全体の平均正答率は公表しているが、学校別の平均正答率を公表していません。帯広市教委と帯広市内の学校のようにホームページ上でデータを公開すべきです。論より証拠、学校別の学力テスト・データを公開したことで、帯広で何か問題が起きているという話はありません、なんでもないのです。児童生徒たちは学力レベルが高いことに誇りがもてます。教える先生たちもね。日ごろの指導の成果を、数値データで確認できます。年度計画で数値目標の設定と検証作業もできます。とってもいいことです。

 次回は「釧路市標準学力検査」をまな板に載せます。問題の批評を通して、学年ごとに保障すべき基礎学力とは何かをみなさんと一緒に考えます

*ブログ「情熱空間」が資料をアップして論評していますので、こちらもお読みください。
 「条例違反である!(上)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8151282.html

 「条例違反である!(下)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8151310.html


*#2119 釧路市議会学テ公表を求める:基礎学力保障条例 Nov. 7, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-07

 #3131 基礎学力保障:釧路市議会の質疑 Sep. 11, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-11-2

 #3137 基礎学力問題:釧路市議会議長のブログから Sep. 17, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17



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