#4757 根室高校英語教科書変更と授業速度について May 27, 2022 [64. 教育問題]
根室高校は来週から前期中間試験です。高1の試験範囲は1章のみ、高3は1-4章です、ずいぶん授業速度に差がありますね。
根室高校は昨年まで『VIVID』(第一学習社)シリーズを使用していましたが、今年は1年生が『FLEX-1』(増進堂)、2年生が『LANDMARK Fit -2』(啓林館)、3年生が『PROMINAVCE-3』(東京書籍)に変更になっています。
この教科書を使っている科目は「コミュニケーション英語」です。1年生と3年生の教科書を新旧で対比してみましょう。左側が「旧」、右側が「新」です。
<1年生>
160⇒191頁
9章⇒9章
3500⇒5462 words 1.56倍
<3年生>
152⇒175頁
9章⇒16章
5500⇒12857 words 2.3倍
『Vivid』のwords数は2章ほどカウントして、Part当たりの平均値を算出して全体を推計したものです。新しい教科書の方はwords数が章単位で表になって掲載されているので、それを合計しています。
すごい増え方です。1年生が1.56倍、3年生が2.3倍です。たくさん読まないと英語の学力がつかないのでいい方向の変化です。
(1月から現在の1年生3人に高校英語教科書の音読と語順通りの読解トレーニングをしています。授業参加には予習の条件を付けています、旧教科書であるVividを使用。高1の教科書を終了して、いま2年生の教科書、5/14に4章part-2までやりました。用事があって5/21は土曜日2時間の音読特訓授業は休校にしています。4回ほどわたしの都合で休講しました。9月末まで高校3年分の教科書を消化するつもりです。)
1年生はテスト範囲は1章のみです。このペースでは2月末まで6章までしか消化できそうにありませんから、どこかで倍速にスピードアップせざるを得ないでしょうね。
3年生は4章までがテスト範囲です。スピードが速いので生徒たちは必死に予習していますね。ほとんどの生徒が追い付かない。1.5か月で4章消化できたということは、このペースだと半年で16章が終われるので、夏休みなどで1か月引いても11月末には教科書を終了できます。「みんなの大学情報」偏差値で言うと、偏差値55程度の大学受験にシフトした教科書選びと授業速度です。根室高校普通科の偏差値は45ですから、下位1/3の学力層の高校です。しかし、3%(1学年に5人程度)は環境さえあれば都会の有名進学校に入れたくらいの潜在的な学力をもった生徒がいます。
コミュニケーション英語は3年生は選択ですから、生徒の話では35名程度が履修しているだけです。だから、こんな速度の授業が可能なのでしょう。昨年までとはまるで様子が違っています。
根室高校普通科は3クラス編成で、Aクラスが「特設コース」で20年前の普通科の平均的な学力の生徒たち。BCクラスは、統合前の根室西高校普通科の生徒たちの学力層です。だから、必修科目である1年生の「コミュニケーション英語」の授業速度は2/3を占める低学力層に合わせて遅くならざるを得ません。
そうしたことを考慮すると、1年生英語担当の先生たちは生徒の学力に合わせた授業をしているのでしょう。成績上位の生徒にはかったるい授業で、成績下位層の生徒にはついていけないくらいきついということになります。やむを得ないとはいえ、教える先生たちは泣いているかもしれませんね(根室西高校統廃合時のいい加減な検討の結果ですよ。根室西高校の生徒たちと根室高校の生徒たちが、同じ根室高校普通科の教科書で学ぶということになってしまいました。(授業の内容、やり方、速度を含めて)対応が著しく困難になったのです。2016年3月から入試は根室高校のみ、それ以来授業のやり方は試行錯誤が続いています)。英語の定期テストは全クラス同じ問題でやらせるのかな?
昨年までは数学はクラス別編成しており、「特設コース」のAクラスと他のクラスの試験問題は別でしたが、今年は同じ問題に変更になると聞いています。数学の試験問題の難易度がガクンと落ちます。学力差が大きいので、本来は同じ問題でのテストは無理なのです。無理が通れば道理が引っ込みます。Aクラスの平均点は80点台、そして百点が何人も出ることになりそうです。6月下旬に予定されているベネッセ模試では、百点満点で平均点は22点前後です。全国平均よりも10点以上差があります。どれほど定期テストの問題の難易度が低いのかわかるでしょう。
平均点は数学よりも数点高くなりますが、英語も全国模試の結果も似たようなものです。
1年生用の教科書『FLEX』には音声が聞けるようにQRコードが印刷されています。スマホで読み込めばそのページの音声が聞けます。中学校の教科書には昨年からQRコードが載っていました。これで音読トレーニングしてください。
3年生用の教科書にはQRコードが載っていません。教科書会社の改善を望みます。そういう時代ですから。
<余談-1:1年生英語の授業速度について>
1年生のAクラス以外の生徒たちに一昨日、テスト範囲の音読と語順通りの読解トレーニングをしましたが、2時間で1章丸ごと終わりました。スラッシュ入れてから3回読んで、生徒たちにスラッシュごと、語順通りに和訳してもらいました。文型も言ってもらいます。違っていれば解説しました。意味をつかんだところで、それをイメージしながらさらに2回音読。もちろん文法上重要なところも解説してます。
わたしにはとても学校と同じペースでは授業できません。きっと8割は雑談で穴埋めしないといけません。学力差の大きい生徒たちに同じテスト問題での試験前提の授業、英語も数学も先生たちはさぞかしたいへんだろうと思います。
<余談-2:「英文法概論」授業について>
使用している問題集の解答集を生徒に渡していません。生徒たちに独力で予習をさせたいための配慮でしょうが、そんなことをしても無駄です。長文問題の授業も解答集を渡していませんが、ネットでいくらでも買えます。買ってシェアしてますよ。いまの時代それくらい、あたりまえでしょ。独力でやれる生徒は5人もいるのかな?先生たちは生徒の学力分布を先刻ご存じのはず。ここでも無理を通せば道理が引っ込みます。
抜け道探してズルをする経験を積むことになります。こういうのを「隠れたカリキュラム」というのでしょうね。何度もこういうことをすると、それが癖になり、しまいに性格になるのです。今回だけにしておきましょう。社会人になったときにはもう取り返しがつきません。気をつけないと問題に正面から向き合わない人間ができあがってしまいます。学力が高い低いにかかわらず、クズですよ、生徒も先生もご用心!意図しない結果を生むのです。
<余談-3:偏差値について>
ベネッセ模試の偏差値と「みんなの大学情報」の偏差値を比べると、たとえば旭川医大だとベネッセが75、「みんなの大学情報」が65です。これは偏差値計算の基礎データとなっている生徒の学力層が違うからです。
ベネッセの偏差値60(上位16%)は「みんなの大学情報」偏差値換算で50-52です。根室高校1年生は6月下旬に初めて全国模試を受験して自分の学力レベルを偏差値で知ります。ベネッセで60を超える生徒は学年に5~7人程度です。普通科の生徒の上位5%がそういうレベルです。
でも、潜在的な学力の高い生徒が3%いるので、そのままでは終わりませんよ。独力で頑張る生徒もいます。どこまで学校や私塾がサポートできるかが問われます。
<2年生の数学はAクラスとBCクラスは別問題> ...6/8追記
2年生の数学は、Aクラス(特設コース)とBC組は別問題でした。数Ⅱは44名が選択、数Bは27名です。平均点は数Ⅱが49.9点、数Bが50.3点、BCクラスの数Ⅱの方だけ問題を見ましたが、基本問題のみの生徒達の学力に見合った問題です。模試レベルの問題は出題されていません。それでも50-59点の階層が1人だけという中央がへこんだ極端な形をしており、赤点の30点未満が13人29.5%を占めています。数Bは30点未満は4人で14.8%でした。数Ⅱを選択したが数Bを選択しない生徒が17人いいると考えられますが、その生徒層が数Ⅱで30点未満の層と重なっているのでしょう。
数Ⅱの方は学力差が極端で、中央値が1人だけ、こんな極端に偏った分布では先生たちは困惑しているでしょうね。グループ分けして、できる生徒たちにできない生徒を教えるような授業形態をとっています。正解ですね。学力の低い層は10倍手間がかかるので、先生1人では対応できません。90点以上の生徒が5人いるので、その生徒たちを上手に使って点数の低い生徒たちをフォロー。
数学の先生が配布した得点階層別グラフを紹介します。仕事が早かったね。こんなに早い仕事は中学校も含めても今までありませんでした。ナンバーワンです!事務仕事が得意な先生もいるんだ(笑)
①数Ⅱの得点階層別分布:44人
真ん中へ込んだすごい分布でしょ。どこに焦点あわせて授業してもアウトです。基本問題に絞って、丁寧に解説しても下位24人(57.5%)は理解できませんよ。だから、90点以上の生徒5人を一人ずつ配置して9人のグループを5つ作って、生徒同士で教え合いをするしかありません。
人を助ける大切さを感じてくれたらうれしい。そして学力が低くても、学力が上の者が助けてくれるんだということを実感してもらいたい。社会人になって、困難にぶつかったときに、そういう体験がギリギリのところで役にたちます。
②数B 得点階層別分布:27人
Aクラス40人の中には数学が不得意な生徒がいます。2年生は110人くらいですから、数Bをこなせる学力の生徒は、30人くらいかな。
今年から、数Cが復活して、数Bのベクトルが数Cへ移行しています。行列式と併せて数Cで扱うようです。線形代数は文系学部でも必須の科目ですから、数Cまで履修していた方がいいのですが、そうなっていません。履修できません。再考を要望します。
数Bからベクトルが抜けて推測統計学が組み込まれたようです。推測統計学も文系学部でも必須の学問ですから、意欲のある生徒はしっかり勉強してください。高校で履修していなければ、大学進学したら独力で勉強することになります。そんなことができるのは学力上位3%の人でしょう。
なお、現行2年生と3年生は変更ありません。”sqr(3)”というハンドルネームの方から投稿欄へ指摘がありました。
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#4273 見え方の違いが学力に与える影響:GIGAスクールをめぐって June 22, 2020 [64. 教育問題]
中学生でも似たようなことは起きている。数字の式は計算できても、それが文字式に置き換わったとたんに混乱する生徒がいる。高校2年生になって、最初に挙げたタイプの計算にまごつく生徒は、中学校の文字式の計算でも躓(つまづ)いたのではないだろうか。
数学のできない生徒はちょっとパターンが変わっただけの、同一操作の問題が別の問題に見えてしまい、とりつく島がないということになりがち。根室高校生の4人に1人くらいはこのタイプの生徒がいそうだ。1学年115人とするとおおよそ30人弱である。
この下位1/3の低学力層は宿題として配られたプリントすら独力ではできないから、学校の先生たちの支援を必要としているのだが、後に述べるようにとっても手間と時間がかかるので放置されているのが実態だ。そういう子どもたちも部活には熱心な者が多い。学力よりも部活を優先しているという本末転倒に麻痺しているのが学校経営の実態である。
①を通分して、分子分母に同じ数を掛けて見せる、その右側に②の式を通分して並べて見せると、同じ操作であることが理解できる。そこで初めて、小学生のときに習った通分と同じ操作にすぎないことが了解できる。
こういう学力レベルの生徒は、学校から宿題プリントを渡されても独力ではほとんどの問題をやれない。基礎学力に問題があるからだが、塾で教えて、その時に理解できても、1週間後に来たときには、また元に戻っていることがある。なんてことはない、高校生になっても家庭学習習慣がないからだ。きれいに忘れて、また翌週同じ質問をすることになり、こちらは説明を繰り返す。本人は悪気はまったくなし、ケロッとしている。
そうした事実から言いうることは、根室市では小学校低学年での家庭学習習慣の躾ができなかった親が3割程度いそうなこと。やり方を知らないのかもしれないから、子育て講座のようなものが必要だ。
家庭学習習慣のない生徒が、中学校から塾に来てもなかなか家庭学習習慣が身につかない。スマホやゲームにはまっている場合は、親と話をして、家に帰ってから1時間勉強するまでは、スマホをとりあげることに決めても、2週間続けばいい方だ。それまで6年間あるいは9年間の生活習慣を変えることはとっても困難なのだ。そんなに続けているから、習慣になっているだけではなく、性格の一部にまでなっている。ゲームやスマホの奴隷になってしまっていて、抜け出せない生徒がすくなくない。あるとき、「そんなに毎日ゲームして親は何も言わないの?」とある生徒に訊いたことがある。「お父さんは朝の5時ころまでやってるよ、僕よりずっとやってる」、あれには参った。
中学生になればもう自我意識が芽生えているから、手遅れ、きつく言うと反抗がひどくなるだけ。言わずにいられない親の気持ちもよくわかる。あとで困るのは子どもの方なのだから。自分が子育てをしたときに、いくばくかの後悔と苦い思いを伴なって親心がわかるのだ。
生徒の性格や基礎学力、そして家庭学習状況が見えてきたらしばらく毎日塾へ来るように言うことがある。学校から塾へまっすぐに来て7時あるいは8時まで勉強すれば、成績はもちろん上がるが、生徒も教える方もたいへんだ。ちょっと形が変わっただけで問題が別物に見えてしまうので、予習方式でやらせるが、教科書のほとんどの問題を解説する羽目になる。予習してあるから学校の授業はよくわかるようになるし、成績はアップできるがあまりよろしくない。依存心を生むからだ。数か月間やったら、通常の授業回数に戻すようにしている。
学校だって同じことだ。もし、学力下位1/3の生徒たちの数学の点数を上位1/3へアップしようとしたら、同じ手間を掛けなければならない。部活をやっている生徒なら週2回に制限しなければできない相談だし、3割もそんな生徒がいたら、先生は時間がいくらあっても足りない。学力下位層への対応は、大きな手間と時間を要することなのだ。だから、成績下位層の生徒たちは放置されている。
根室西高校が廃校になり、根室高校1校体制になってから、事実上全入となったから、根室高校普通科の生徒の1/3は数学の基礎的学力を欠いている。その結果、数Ⅱが選択科目になってしまった。数Bですら必修科目だった時代があるのに、数Ⅱが必修科目の座を失った。代わりに「基礎数学」が選択科目として用意されている。これは中学数学の復習と数ⅠAのやさしい問題だけを学ぶ科目である。いまでは数Ⅱを学んでいなくても根室高校普通科を卒業できる。
小学1年生のお子さんのいるお母さんやお父さんたち、家庭学習習慣を小学校低学年のうちに躾けよう。無理やりやらせるのではなくて、一緒に本を読むとか、漢字遊びを一緒にするとか、算数の問題を10題ほど出してできたらハナマルをつけて褒める、なんてことぐらいはできるはず。小学校低学年で家庭学習習慣の躾ができたら、中学生になったら成績上位1/3に入っているよ。
家庭学習習慣のしつけ方は弊ブログ#3195で具体的に取り上げていますので、是非お読みください。
*#3195 家庭学習習慣の躾は小学1・2年生のうちにやるべし Dec. 4, 2015
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2015-12-04
大事なことはたった一つ、小学1年生のこどものいるお母さんたちへ、家庭学習の躾の仕方を具体的に説明してあげることだろう。毎年繰り返したら、子どもたちの学力は大きくアップできる。
根室高校で数Ⅱと数Bがいつの日か必修科目に戻ることを夢見ている。
<余談:GIGAスクール>
●文科省は「GIGAスクール」という構想を進めている。今年の11月ころに生徒全員にタブレット端末を配布する計画をしている市町村が多いと聞く。情報システムの専門家がいてサーバーの管理をし、教育委員会がその地域の子どもたちの学力分布を普段の学力テストの結果データでモニターしてなければ、具体的な対策は不可能だろう。
●学校サーバーに生徒たちの学力評価データを保存したら、ダダ洩れになる。業務用サーバの管理は公立学校の先生たちには無理、専門的なスキルがないとアウト。
●タブレット端末を配布しても根室の子どもたちの成績下位層(1/3)にはまったく効果がないだろう。理由は簡単だ、タブレットをもたせても家庭学習習慣がなければ、学習目的に家で使うようなことはないから。
●だが上位1/3の層にはスタディ・アプリやユーチューブの無料講義が効果があるだろう。これなら学校の先生たちにあらたな負荷は生じない。しかし、成績上位層の生徒たちが学校の授業をいままで通り聴いてくれるだろうか?ハイペースで予習している生徒は、授業を聴く必要がなくなるので、授業を聴かない生徒が確実に増えます。予習している生徒たちから質問が頻繁に出ますよ、実質的に個別指導になるから捌けるかな?いままでのように、授業でやる範囲を決めて、そこだけ教えたらいいなんて平和な状況はすっとんでしまいます。まったく、別なスキルが要求されることになりませんか?
●QRコードで英語テキストの音声を聴ければ、音読トレーニングが可能になるから、やる気さえあれば、これはどの学力層にも有効だ。英語教育への効果は大きそうだ。(2021年から中学校の英語の教科書に、音読モニター用のQRコードがページごとについた。高校の教科書も1年生用は2022年度から音声モニター用にQRコードがつけられた教科書が採用されている。2022年6/3追記)
●ZOOMのようなツールで双方向での授業をネットでやっても、授業のヘタな先生がそれでうまくなるわけではない。道具使い方の技倆には大きな差があるのがあたりまえ。新たなツールが普及することで「使えない先生」が増える。これはどうしようもない。ZOOMは親が横で見ているかもしれません、授業内容が理解できる保護者もすくなくないでしょうから、クレーム増えるでしょうね。もちろん、絶賛される先生も出てきますから、先生という職業に「自然淘汰」が進むということ。でも、ダメな先生を首にはできませんから、生徒に相手にされない授業をやる先生が増えます。情緒の安定を欠いた躁鬱病傾向の先生が増えるということ。
●最初はスタディ・アプリを導入する、次いで...というように段階的にやった方がよさそうです。
*GIGAスクール
https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_syoto01_000003278_03.pdf
*#4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-22
<余談-2>
『佐藤の数学』というセンター試験の作問委員を長く務められた先生が書いた高校数学参考書・問題集がある。10冊ほどあったか、分野別にパターン化して解説したユニークな参考書・問題集である。一度示されたパターンを数えてみたことがあるが、550パターンほどあった。数学のセンスの悪い生徒はこれでも足りないだろうし、センスの良い生徒はこれを200以下に圧縮できる。センスの良い生徒はこの先生が示したパターンを抽象化してまとめてしまえる。センスの悪い生徒は1000パターンでもまだ足りないだろう。もちろん、高校3年間でマスターすることは不可能。それを200パターンに縮約できるなら勉強はずっと楽になる。
#4124 日本語音読トレーニングのしかた Nov. 16, 2019
#4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-25
#3928 視写速度格差の学力への影響 Feb. 12, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-02-12
#3450 ニムオロ塾 授業日数の短縮:来年4月から Nov. 6, 2016
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#3366 「一流の育て方」から:母親視点の正論 July 16, 2016
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2016-07-16
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#4134 基礎学力を保障せよ Nov. 28, 2019 [64. 教育問題]
月田さんのブログから転載します。
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51883178.html
2019年11月28日
第4774回 基礎学力を保障せよ
釧路の教育を考える会(角田憲治会長)
今日、岡部教育長に対し「釧路市の学力向上に関する申し入れ書」を提出しました。
翻って、釧路市教育推進基本計画を策定し、早7年(5年計画の現在第2期)
この間、立てた目標に近づくどころか、特に中学校においては状況が悪化するばかり。
これまでの繰り返しでは、いつまで経っても釧路の子どもたちに十分な基礎学力を保障することが出来ない。
真摯な反省の上に立って、思い切った改善の施策を講ずる必要があります。
そこで、以下の項目について意見具申に至ったという次第です。
1 過度な問題解決型学習授業の是正
①学力向上に必須の演習量を確保する
②日頃の授業の中で「読む力・書く力の養成」を「話し合い時間
の確保」に劣後させない
2 結果の伴った授業改善
①授業マイスター制度(仮称)を導入する
②全国平均以上の目標を達成した学校名を公表する
③教科書を授業と自学自習の中心とする学習習慣を確立する
④プリント主体の授業は原則廃止する(著作権法違反の疑念あり)
3 PDCA検証サイクルの見直し
①単元ごとに到達度の計測を行い、定量分析を行うその結果を、毎月定例教育委員会に報告する
②学力低迷の原因を家庭学習に求めない
③既存の基礎学力検証改善委員会を発展的に解消する
今日は、市教委の首脳たちとざっくばらんな意見交換が出来ました。基本的な問題意識は共有できているし、また意欲も十分にあります。
もしこの陣容で、流れを変えることが出来なければ・・・とさえ感じました。
引き続き、監視役として今後の取り組みを注視していきたいと思います。
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写真左手前が岡部義孝釧路市教育長、右側手前が「釧路の教育を考える会」会長の角田憲治さん、角田さんは元釧路教育長です。その隣が釧路市議(元市議会議長)月田光明さん(副会長)、その奥が釧路と中標津で明光義塾4教室を経営する社会保険労務士の三木克敏さん(副会長)、一番奥の女性が釧路市議の金安潤子さん(事務局長)です。三木さんは苺の栽培事業会社「夕緋」の経営もしています。業種を問わずやれると思ったら果敢に飛び込むチャレンジャーです。楽しい人だ。(笑)
金安さんはニックネーム”ジャンヌダルク”、「釧路子どもミュージカル・キッズロケット」の主宰者です。釧路市教委と市議会でガンガン論戦しています。口調は穏やか、説明は具体的で丁寧、堂々と意見を言います。釧路は市議会で教育論議がにぎやかです。写真の中にはいませんが、他にも大越さんという市議のメンバーがいます。彼は釧路市立病院職員時代に学習支援「寺子屋」の運営で公務員アォード賞を受賞してます。全国でたった3人でした。他にも1級建築士で立体折り紙の名人Sさん、劇団の主宰者Kさんなど、ユニークな人がいます。いろんな職業の人たちが、自分の住んでいる地域の学力低下に危機感を感じて集ってます。
釧路に住むすべての子どもたちに基礎学力を保障するためには、教育長だけでなく教育行政の実務を取り仕切る学校教育部長や教育指導参事の人選も大事なんです。蛯名釧路市長が教育問題に関心が強いので、着々と手がうたれつつあります。しかし、いままでのところあまり前進がありませんでした。公式に文書で要望を明らかにすることが、教育行政を後押しすることになればうれしい。
わたしは、忘年会と総会に出席するだけ、オブザーバーのようなものです。でも「釧路の教育を考える会」専用掲示板があるので、そこでデータに基づいて釧路と根室管内の教育問題の議論ができます、便利な時代です。
北海道14支庁管内で全国学力テストで最下位は根室管内ですが、その中で、根室市は最下位、根室市議会でも、市議と市教委の間で教育問題が熱心に議論されるようになるといいですね。
*釧路子どもミュージカル・キッズロケット
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<北海道新聞釧路版の記事>
#4028 「3DK+書斎」を教員住宅の標準タイプとしよう July 7, 2019 [64. 教育問題]
集団授業で高学力の生徒に知的満足を与えることのできる先生は10%くらいなものです。扱いを間違えると収拾つかない事態が起きます。学力の高い生徒にリーダーシップがあれば、教師への不信感がクラス全体へひろがります。
ふだんから自分の専門に関する本を読んで勉強するとか、教養を深めるとかしていなければ、知識と思考の浅さを学力の高い生徒は見抜きます。
先生たちが毎日コツコツ勉強するには書斎があれば便利です。教員住宅を建て替えるときは「3DK+書斎」を標準にすればいい。作り付けの本棚を壁一面に備えます。
根室管内は土地が安いので、予算が少しあれば建て替えの際に書斎付きの教員住宅を提供するのは簡単なことです。応募も増えますから、質の高い教員を確保できます。
長期的に地域の子どもたちの学力を上げたかったら、教員の質のアップに寄与するような具体的な政策を練り、実施すべきです。応募が少ないので教員の質が維持できないなんて情けないこと言わないようにしましょう。知恵を絞ればいくらでも質の高い教員は確保できます。そして子どもたちの学力レベルもアップできます。
学級崩壊のもう一つの大きな原因は一つのクラスに3人、授業中に騒ぐ生徒がいる場合です。普通の声で私語すると先生の説明が時々聞こえなくなります。上位10%の生徒はフレーズの一部が消失しても頭の中で復元できます。前後関係から話をつないで理解することができます。ところが大半の生徒は話の前後関係から、聞こえなかった部分を復元できませんから、次第に授業内容が理解できなくなります。その結果、クラス全体の平均点が下がります。どれくらい下がるかというと、一教科60点満点の学力テストで五教科合計点が20-50点もダウンしてしまいます。
実際の事例を挙げておきます。2009年の柏陵中学校の2年生でそういうことが起きました。1年生ときに、あるクラスで授業中に騒ぐ生徒が3人いました。2年生でクラスメンバーの入れ替えが行われます。その三人が3クラスにばらけ、それぞれのクラスで増殖しました。学年平均点が下がりましたよ、はっきり。
柏陵中学校は根室市内では一番学力の高い学校でした。140-165点が平均点でした。昨年はなんどか100点を切っていました。2010年の学力テスト総合A/B/Cはそれでも120点前後だったはず。
学力の低い生徒を放っておくと、授業を聴いたってわからないので、退屈で私語をします、授業中に立って歩きます。昔ならゴツンと頭を叩くくらいなことをしましたが、体罰ということで禁止されていますから、先生は誰もやりません。生徒はそれを見越して騒ぎます。しまいには「殴ってみろ、できないだろう?」と、先生の胸ぐらをつかむ中学生すらたまに出てきます。家庭の躾も重要なのです。いくら学校で補修しても家庭でまったく復習しなければ覚えられません。家庭学習習慣は小学生低学年で躾けるのがベストです。そこで失敗しています。
何より重要なのは、学校の先生たちが学力の低い生徒を放っておくことです。これは一種のネグレクトですよ、日本語でいうと「虐待」です。部活指導よりも学習指導の方が大事に決まっていますが、実際には逆転しています。
先生たちは部活指導に忙しくて手が回りません。授業は暇です。平均して一人週に10-12時間くらいしか授業はありません。何をしているかというと、空き教室やトイレで遊んでいる生徒がいないか見回りもしているのです。それでも本を読む時間を捻出しようと思えばできるはずです。
学習の方が大事なら、部活は週に3日間にすべきです。2日は学力の低い生徒を強制的に放課後補習に参加させるべきでしょう。60点満点で数学の平均点が20点を切っているのですから、6割の生徒は基礎学力に問題ありです。基礎学力とは「読み・書き・計算」能力のことで、それができないということ。教科書を読んで予習できないのです。スマホやゲームで一日何時間も潰していたら、いつ本を読み語彙を増やすのでしょう。語彙力もなければ読解力も育っていないので、独力で教科書が理解できません。スマホは一日2時間以上やらせたらいけません。3時間以上する生徒は偏差値が10下がるとは脳科学者の最近の研究の結論です。根室の中学3年生で五科目300点満点の学力テストで200点くらいが、高校生になって受ける全国模試で偏差値50(つまり全国レベルで平均点)です。本来それくらいとれる生徒が偏差値40になるということ。偏差値40は100人の生徒がいたら下から16人目です。
部活を制限し、学力の低い生徒を強制的に放課後補習に参加させることは、校長がPTAに説明して協力を仰げば解決できる問題なのです。学校運営のマネジメントとはそういうことなのですが、そういう役割を果たす校長先生は滅多にいません。そういう発想がないのか、教科担当の先生たちへ放課後補習の協力を取り付けると同時にPTAや保護者との交渉を伴うので面倒なのか、ふるさと根室に戻って13年間塾を通じて小中高生をみていますが、どなたもおやりにならない。
もちろんわたしが挙げた方法以外にもやりかたははあります。荒れた啓雲中学校を正常化し、学力を向上させたS校長、別海中央中学校のA校長、授業の進捗管理を5教科全部徹底して、成果を上げてくれた光洋中学校の教頭I先生、わたしの知る限りですがそれぞれ自分の信ずるところに従って学校改革をやり、生徒たちの学力向上をやり遂げています。
学級崩壊の原因に言及している教育学者がいるようです。FB友のアップした引用文を転載します。
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実は学級崩壊は「速やか」に立て直すことができます。なぜなら、学級崩壊の原因は成績下位層の子供ではなく、上位層の子供だからです。その子供はいまの状態が自分にとって得ではないことを知っています。だから、「この教師の言うことを聞けば得だ」と思えば状況は速やかに変わります。by西川純
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*西川純:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/西川純_(教育学者)
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#3838 高校で宿題専用ノート配布:高校が小学校に Oct. 15, 2018 [64. 教育問題]
高校教育は自主性を重んじるものだと思っていたが、そうではなくなったらしい。理由は新入生の学力が著しく低下しつつあるから。生徒の自主性に任せたいたら標準的な高校普通科の授業に半数以上の生徒がついていけない。だから小学生並みに家庭学習ノートをもたせ宿題を出す。
こんな教育でまともな大人に育つだろうか?典型的な指示待ち人間ができあがるのではないか。企業側はそのような人材はいらないというだろう。
全員に低レベルの宿題を課すなんてのは愚の骨頂、成績上位層は自ら目標を立てて学習しているから、低レベルな宿題の強制はそれを阻害するだけの効果しかない。一律はやめよう、進研模試偏差値50以上は宿題免除にしたらいい。この層は、中学校の学力テストで2回に1度は五科目500点満点の学力テストで400点を超えていた生徒たちだ。自主的に学習計画を立てて勉強する習慣がついているから、宿題を課す必要がない。
ところで、語彙力不足で授業の説明が理解できない生徒が3割はいるだろうから、問題は家庭学習にとどまらない。
根室市内の高校が来年から根室高校1校になる。根室西高校の入試は昨年からやめているから、入試はすでに1校体制が始まって2年目である。2校の学力差を考慮すれば、同じ教科書で教えるのは不可能と言わざるを得ないし、これら2校の普通科は学力に応じて異なるレベルの教科書を使用していた。それを無視した学科編成の高校統廃合だった。具体的な学力データすら見ないで案を作るからこういう滅茶苦茶なことになる。
このように学力格差を無視した稚拙な高校統合案は2年たって破綻している。間違いを素直に認めて、学科編成の見直しをするか、入試最低点を五科目300点満点で100点とするか、検討すべきだろう。他に具体案があるなら、それでもよい。閉鎖的な集団で検討するのが間違いのもとだ。オープンな場で議論したらよい。根室高校だけで解決できる問題ではない。
現状では4割の生徒が100点以下だが、入試最低点を公表すれば真剣に勉強するようになり、100点以下は1割になるだろう。
子どもたちを甘やかしすぎです。
子どもたちをダメにしたいなら、1校体制で足切りせずに全員合格で甘やかせばいい、いまそうなっている。すぐに10年くらいたつよ。20年続いたらアウト、育てられてように育つものだ。根室の外に出て行っても生活できない大人が増える。そういう大人が根室に増殖していく。
子どもたちの未来のために、子どもたちを甘やかしてはいけない、教育が町の礎(いしずえ)なのだから。
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#3632 窓ガラスが割られた:器物損壊罪 Oct.29, 2017 [64. 教育問題]
10/31 夜11時追記<連日の窓ガラス損壊>
11/1 朝9時 放火事件記事URLおよび他追記
市内のある中学校で窓ガラスが割られて職員会議が開かれたという。割られた枚数は確認していないが、数枚程度のことだろう。8年前の「事件」を思い出した。たとえ1枚でも、器物損壊罪に問われる犯罪だからいたずらでは済まないことを知っておくべきだ。こういうことをふだんから教えておくことも犯罪予防上大事なことだ。教科なら公民だが、1・2年生も知っておくべきだから、ホームルーム担任が折に触れて解説しなければならない。放火が殺人罪に匹敵するほど罪が重いことも教えるべきだ。罪の重さを知らずに、腹いせにいたずら程度の認識でやることがある。そう遠くない過去に根室のある水産加工会社で放火事件があり弊ブログで取り上げた。会社の人事管理のまずさと放火が殺人罪以上の重罪(刑法第9章現住建物等放火罪 第108条: …死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する)であることへの無知によって引き起こされた事件だと思う。窃盗と強盗の違いも教えておきたい、罪に雲泥の差がある。やはり根室もコンビニで過去にそういう事件があった。どんなにまじめな中学生でも将来何らかの理由で犯罪を犯す可能性がある。だから刑罰の軽重に差が大きいものだけは、具体的に教えたおきたい。いざそういう場面にでくわしたときら、思い出すことができれば、重犯罪を思いとどまることができるかもしれぬ。
無知から犯罪あるいは重犯罪を犯さぬように中学生にはしっかり社会のルール(刑法)のポイントを教えておきたい。
別の観点から見てみたい。2009年11月下旬に、柏陵中学校で窓ガラスが41枚も割られたことがあり、北海道新聞が報じて根室市民の知るところとなった。柏陵中学校は市街化地域で学力テストの平均点が一番高かったが、下がりだしたときにこういう「事件」が起きた。
*#819 器物損壊罪「窓ガラス41枚」にみる中学校の荒廃 Dec.2, 2009
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-12-02
<通貨偽造罪の重さについて>
*#3401 高3 :'Thinking outside the box' を読む(1) Aug. 28, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28
#3402 高3 Thinking Outside the box (2):本文 Aug. 29, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28-1
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*#2028 水産加工場 放火事件の顛末 July 27, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-26-1
#2025 根室の水産加工会社で3度の火事:放火の疑いアリ July 24, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-24
#2040 不可解な寄付 :被災企業が根室市に400万円寄付? Aug. 5, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-05
学力が下がると学校が荒れる、学力低下と学校が荒れる現象の間に因果関係ないしは相関関係がありそうだ。
生徒ばかりではない、精神的に不安定な人が増えている事情は民会会社と変わらないから、そのあたりの対応もしなければならぬ。1学年60人足らずの小規模校で他の先生がフローするということ、燃え尽きなければいいが。学校管理職はそのあたりのマネジメントをどう考えているのだろう?かなり無理がありそうだ。
赴任1年以内にでやめる先生や突然来なくなる先生がいるが、4月まで補充はないのだという。いつからそういうことになったのだろう?昔はそうではなかった。ebisuは40年位前に6月頃に、1週間後に留萌高校赴任が可能か打診されたことがあった、だから4月でなくても道立高校はそうした突発的事情が起きた時には臨機応変に対応していたのではないか?
無断欠勤が1週間も続けば民間会社は業務規程違反で解雇事由になるし、職務放棄は無責任だから実際に解雇される。公務員の場合はそうではないようだ。強い人間ばかりではないから、温情はあっていいと思うが、あまり非常識な場合は、バランスもある。
それにしても、精神面で問題を抱える先生が増えている。同じ学区の小学校でも、初任の先生が数か月でおやめになっている。採用の時に適性のチェックはもっと効果的にできないものか?
生徒が先生を殴ったという「事件」もこの数年だけで何度か耳にしている。逆だったらすぐに全道ニュースとして報じられただろう。
体罰禁止が頭をかすめて、生徒に殴られても殴り返さない先生が増えているのではないか。あるいは生徒のほうが強くて殴り返せない。ワルの中には変わり種もいて、そういう手合いに体罰は通用しない、中学時代はそういうやつがいた。喧嘩をしても殺すつもりがない限りは負け。中学生でそんな喧嘩をする奴は同学年550人の光洋中学校一期生でただ一人。知っている社会人の弟だった。一緒のクラスになったのは偶然のいたずらである。当時の光洋中学3年生は10クラスもあったのだから同じクラスになるの確率は1/10である。1年間同じクラスの友人の一人だった。人懐っこく気のいいところもあったが、いったん喧嘩になると凄惨なことになる。一度だけ教室内で喧嘩したことがあった。相手は仲のよかったN田で、運動神経抜群の筋肉マン、釧路・根室管内100m走トップ、筋力は一番あっただろう。中3で背筋力が200kgあった。しかし喧嘩は腕っぷしの強さだけではない、相手をつぶすまでとことんやる覚悟があるかどうかの差が出ることもある。こんなタイプの男がいるのかと認識を新たにしたが、まあ、そんな中学生はめったにいない。
友人にもビリヤードのお客さんにもさまざまなタイプがいたが、社会人になった時に、周囲にいた人間の幅の広さが役に立った。知らない間に、彼らから人間には様々なタイプのあることを学んでいた。何か事が起きた時に人間の反応はじつに様々で、それを自分の目で見て耳で聞いた、そして話したという経験から学べたことは大きい。学校ではそういうことは教えてくれない。若い時には、自分とはまったく違うタイプの人間とも付き合ったほうがいい。一見違っていても、行動を共にしていると共通項が見つかるものだ。まったく異質に見える人間にも自分と同じ部分があり、似た者同士のようでも相当違っている部分があることを経験値としてもっていたら、何があっても動じないし、人間不信にはならぬ。
さて、殴りかかってくる生徒がいたら先生たちはどうしたらいいのだろう?体罰禁止をやかましく言い、正当防衛の反撃の権利すら取り上げるなら、学校に警察を入れるしかないが、それは教育の放棄につながりはしないか。そういう背景もあってか、警察関係者が各学校を巡回している。
「いかなる場合も体罰は禁止」と教育評論家は簡単に言うが、いかがなものか?テレビに出ていた尾木ママのことだが、ずいぶん無責任に聞こえる。そんな甘ちゃんの教育論、すくなくとも根室では通用しないよ。
<余談:反抗期 戦うなら強いものとやれ 受験勉強は単なる芸>
ebisuは高校生の時に数学のテストの解答が間違っていたので、教壇のところへ行き、教卓を挟んで数学のO先生と話をした(昔は30cmくらいの高さの教壇があり、先生はその壇上から授業をした、あれは教師の権威の象徴だったかもしれない)。配点の高い箇所だったのででたらめは許さない。ところがO先生は言を左右にして間違いを認めようとしない、カチンときたので、「なに!」と声を荒げた。O先生はとっさに眼鏡を外した、屁理屈でごまかそうとしていることは自覚していただろうから、殴られると思ったのだ。ざわついていた教室内が数秒間シーンとなった。「ここで殴れば非はO先生にあっても、悪くすると退学処分、こんないい加減な先生と差し違えるのはあほらしい」と思い、踵を返して席に戻った。羅臼のヤスベ(昨年、癌で逝去)が「ebisu、殴ると思った」そう言って心配してくれた。危なかった、かっとなって殴るところだった。拳骨で殴れば大怪我になるだろうし、平手で殴ってもすっ飛んでいく。小学生低学年から素手で「焚きつけ割り」をして鍛えていたから加減ができない。生乾の木でもたたき折る力の入れ方を体が覚えてしまっていた。打撃のショックをある程度殺せる格闘家は別だが、素手で人を殴ったら、大怪我をさせるか殺してしまう、少年鑑別所か刑務所行きだ。危ういところだった。
(母親から「同じレベルで人と争うな」と日ごろ言われていた、喧嘩するのは相手が大きい時だけ。団塊世代は大学紛争真っただ中だった、あるときこんなことを言った。「やるならやったらいい、角材を貨車で一台送ってやる」、あれには参った。そういう覚悟があるのかということ。)
わたしはこの先生が普段の授業で、「自分が指した将棋は全部覚えている」というたぐいの自慢話を頻繁にして、雑談の多い人だったので嫌いだった。授業の手を抜いて基本問題しかやらないので実につまらない。やる気がないならさっさと先生の職をやめてくれと思っていた。当時の根室高校にはそういう鼻持ちならぬ先生が数名いた。
もちろん、いい先生はそれよりもずっと多かった。1年間だけだったが低音でいい声をしていた英語の沢井先生(後に釧路高専へ転任)、昨年亡くなられた担任の富岡先生、2年前に亡くなったショッチャンことN先生、郷土史研究会顧問を長年されて根室の土となった山田先生、いまも元気に西浜町会長をやっている柏原原先生、ふるさとの北見へ赴任したのちに独立起業したバッキーシラカタこと白方先生、ラグビー部をつくるから顧問への就任をお願いしたら快く了解してくれた村田先生は明大ラグビー部出身で根室高校が最初の赴任先だった…、他にもいる、個性的で魅力のある先生がたくさんいた。
2年生になるときにクラス替えがあった。ソリが合わなかった国語教師の担任N沢先生は、黒板に書いたとおりに答案用紙に書かないから、現代国語は評定50がついた。定年間近のコチコチ頭の教師の解釈と15歳の感受性豊かな年ごろの生徒では作品理解はまるで違って当然だったから、自分が感じたとおりにテストのたびに答案用紙に書いたのである。テストの点数をアップしたくて思ってもいないことを書くのは嫌だった。莫迦につける薬はない、ただそれだけのことであったから、その先生のつける評定に文句を言ったことは一度もないが、毎回先生の解釈とは異なる自分の理解を答案に書いたから文句を言っているのも同然、反抗的だった。成績の査定は先生の権利だから好きなようにつけたらいい、下らぬ奴だと蔑(さげす)んでいた。以心伝心、そういう心はオーラとなって外に出るから、先生は感じていただろう。全科目の2/3はクラストップだったから、現代国語と古典だけ50の成績評価はつける側がストレスだっただろう。3年間そういうことをやったら、N沢先生のほうが問題になりかねない、手に負えぬと思われたのだろう。数学の先生はそういうことはしなかったが、扱いにくいと思ったのだろう。クラス替えで、クラスナンバーワンはそれぞれのクラスに残すルールになっていたが、わたしは出された。
<<受験勉強は単なる芸、頭の良さは関係なし>>
2年の担任の富岡先生は「ebisu、何をやったんだ、お前はほんとうは元のクラスのはず、ずいぶんと嫌われたようだ」といぶかしがっていた。「捨てる神あれば拾う神あり」だが、そのT岡先生は授業中にわたしにチョークをぶつけたことがある。肩に当たったがよけもしなかった。授業中のわたしの一言(「それ、そうなりませんよ」)を茶化したと誤解したのである。計算実務の応用計算で桁が大きかったので、指導用の大きな算盤でにわかにやってみせるには先生には荷が重かった。わたしは手助けするつもりで一言発したのである。「ebisu、代わりに教壇に上がってやってくれ」と言えばよかった。自分でやる必要はないのだ、生徒を使えばいい。珠算全道競技会では計算実務1級の応用計算10題を5分間でやらなければならない部門があり、それができるのは根室高校でebisuだけだった。複利計算や年金現価の計算、定率法の減価償却費の計算、方程式の応用問題、開平(平方根を求める)や開立(立方根)を求める問題もあったかもしれない。開平九九や開立九九を覚えていたのはこのためだった?そういう10桁の計算を繰り返し算盤でやるのである。電卓が20万円もした時代である。問題を読み、計算して答えを書くまで30秒かかったらアウト、それよりも短い時間でやらなければならない。パターンを覚えてしまえば、考えなくても体が反応してパターンに当てはめて、問題文を読み終わったとたんに計算がはじめられる。反射神経のようなものだった。だから、高校数学だって300パターンほども暗記してしまえば、高速で計算できるから、受験勉強がいくらできても頭が良いとは思えない、単なるトレーニングの成果で頭のよさとは関係なしのケースが含まれるから。珠算実務検定1級の問題を半分の時間で解くようなもので、それは一つの芸であるからだ。
大学院時代はR渋谷駅前の進学教室で専任講師をしていたが、四谷大塚の試験で全国2位の生徒を個人指導で教えたことがある。最初に教えたY武先生(東京教育大卒)が速すぎて教えきれないと悲鳴を挙げて、替わって教えることになった。初回に観察した結果は、解法パターンを熟知しているのと計算が速いだけ、特別頭がよさそうにも思えなかったが、模試では全国2位であったことは事実。パターン解法が通用しない新傾向の問題では鉛筆が止まりよく質問が出た。母親の希望で問題集は400ページほどもある文章題だけのもの、それを3か月間で消化した。もっと他に勉強の仕方というものがあるだろうと思った。105分の授業で毎回20ページやり終えるほど速かったから、「高性能のお受験マシーン」、たしかに芸の極みに達していた。中学受験で教えただけだが、東大には軽く合格できただろう。しかしパターン練習で受験勉強に秀でただけでは頭が良いとはちっとも思えない、パターンを使って解いている間は脳はほとんど働いていないからだ。いくら芸を磨いても頭はよくならぬ。仕事では高学歴の人にそうした例が多かったように思う。課長職まではとても優秀なのだが、部長職になり守備範囲が広がるとアウト、仕事がこなせない例をいくつも見た。仕事のマネジメントができない。仕事の重さにパニクッて「幼児化」現象を起こす人さえいた。そういう人はパターン練習方式で受験勉強を切り抜けてきたのかもしれない。もちろん、高学歴で仕事でも優秀な人はいた。すぐに挙げられる三人はなぜか慶応大学あるいは慶応大学大学院の出身者である。一人は慶応大学医学部卒、三人とも社長だった。(トロンというオープンなOSを提唱された坂村健一東大名誉教授も慶応出身、高校から大学院まで慶応だったから、慶応大学の工学博士。世界中の家電や携帯がこの規格で動いている。ときどきコメント欄に投稿してくれるkoderaさんは富士通時代に坂村氏と接点があったとどこかで書いていた。慶応大学というところは人材輩出の場としてユニークな位置を占めているように見える。)
わたしは高校3年間一度も珠算部員ではなかったが、全道大会の都度、生徒会会計のN野先輩から「この部門は人がいないからebisu出場しろ」と命令されて1年生の時から「助っ人」として参加していた。富岡先生はずっと珠算部顧問だったが算盤が苦手、でも珠算を教えられる先生は他にいなかった。だれかが引き受けなければならなかった。算盤は下手でも人柄は良かった、お名前は「良夫」と書く、ご本人は「良い夫」とよく言っていた。指導技術はなかったが、良い先生だった。簿記の白方先生は、用事があって出かけるときはやらせるプリントを用意して、「ebisu、来週用事があっていなからこれみんなにやらせてくれ」と頼まれた。簿記検定試験ではいつも学内トップだったからだろう。2年次の工業簿記は、新学期が始まる直前の春休みの1週間毎日10時間ほど予習して問題集1冊を消化していたし、2年次の半ばから公認会計士2次試験参考書兼問題集もやり始めていたから、簿記を教えている白方先生から見たら特別な生徒だったのである。なにをやっていたかを言ったことはなかったが、検定試験の成績からわかっていた。常に2番だった同級生の友人、H勢は短大を卒業した年に税理士試験に合格して、いまも東京有楽町で事務所を構えている優秀なやつだ。高校時代のあいつとわたしの差は勉強のやり方、使っている参考書や問題集のレベルの差に起因する。あいつは高校生対象の問題集を使っていたが、わたしは大学生対象の公認会計士2次試験受験参考書や問題集で勉強していただけのことで、潜在能力に差があったわけではない。毎日家業のビリヤード店を手伝っていたから、まとめて勉強時間がとれるのは、春休みと夏休みと冬休みくらいなもの、面白くて楽しくて狂ったように勉強した。普段は学んだことを暇を見つけては頭の中で反芻して、消化を確かなものにしていた。脳内にため込んだ知識をもう一度脳内で再現して、さまざまな用語や概念の関係をサーチして、関連付けて整理してまたそれぞれ脳内の引き出しにしまった。そういう思考法がひとつの鋳型になった。だから、高校2年生で公認会計士受験科目の経済学をやっていた時に、近代経済学では飽き足らなくてマルクス『資本論』を百ページほど読み、深い森に迷い込んだ感覚がした。マルクスが『資本論』で展開する経済学的諸概念が一つの構造物として見えてこなかったのである。数年考え続ければ見えてくると思っていたが、その通りになった。だれも見たことのない景色(=経済学諸概念の構造物)が大学生の時に見えてしまった、だから、大学院への進学を決めた。商学部会計学科に在籍していたが、大学院は理論経済学へ専攻を変えた。
話を高校時代に戻すと、クラス替えで放り出されたおかげで、ありがたいことに国語も数学も2年時には担当の先生が替わった。それはそれでハッピーだった。同じ担任だったら、国語はその先生の担当になるから、3年間確執を繰り返しただろう。2年次の国語は新谷先生、函館の人で、空手の有段者、拳ダコができていた。この人とは馬が合った。柔道部顧問だった石間先生も空手の有段者だった。
<<やっていいこと、悪いこと>>
わたしがこの数年間で何度か聞いた「生徒が先生を殴る」事件はどれも生徒が悪い、普段から問題行動の多い、いわゆる「札付き」の生徒であることは周りの生徒たちがよく知っていた。
先生がワルの生徒に舐められているケース、これは殴り返していい。だが、大怪我させないくらいの手加減は必要だ。先生たちは優等生で、小・中学生のときに取っ組み合いや殴り合いの喧嘩をしたことがないのではないだろうか?根室市教委はアンケートをとってみたらいかが?
「いかなる場合も体罰禁止」なんてことを言い出したら、学力の低下した学校は荒れ放題になるだろう。中学校では体罰禁止に加えて、停学処分もないから生徒は反省する機会もない。お咎めなしでつけあがった生徒が卒業するまで待つか?それもいいだろうが、統廃合で生徒たちは一人残らず根室高校へ入学できるから、問題はそのまま高校へ持ち越される。高校生になったらもう治らないだろう。問題行動が生徒自身の性格になってしまっている。社会人になってから、職に就けないとか、首になるとか、そういう痛い思いをして社会のルールを知ることになる。
ふだんからことあるごとに、ダメなことをダメとはっきり言いきり、それ相応の処分をすることも大事な教育だとわたしは思うのだが、そうではないのか?
やってはダメなことをダメだとはっきり言わない風潮が学校にもふるさとの町にもある。いじめにも共通した問題が潜んでいるようにわたしは思う。
弱い者いじめをしてはいけない
弱い者いじめは卑怯者のすること
卑怯者にはなるな
*#2055 四島返還願い史実を伝承:K先生 Aug. 17, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-17
70% 20%
<連日の窓ガラス損壊> 10/31 夜11時追記
今日も数枚ガラスが壊され、警察の捜査とテレビの取材が入っていたそうです。
#3464 意外な事実にびっくり:釧路と根室 Nov. 23, 2016 [64. 教育問題]
道内で生活保護世帯の一番多いのは釧路、では一番少ないのはどこ?そう根室です。生活保護世帯が多いほど学力が低いと言われてきましたが、学力テストの平均値でみると生活保護世帯比率の小さい根室市の子供たちは道内で一番生活保護世帯の比率の多い釧路市の子供たちより学力が低いのです。不思議ですね。
根室市教委さん、こんなデータ知っていましたか?
(2)定期テスト問題の使いまわしの功罪
定期テストの使いまわしは仕事の手抜き。
塾の「定期テスト過去問対策」はズルの奨励。
まだそういう先生や塾があるんですね、釧路の実態を知ってびっくりです。
こういうことを通じて、学校の先生や塾の先生たちは生徒に「仕事は手抜きして当たり前」「目先の得点アップのためなら、学力向上無視のズルをせよ」と教えているんです。こういうのを教育界では「隠れたカリキュラム」というのだそうです。「隠れたカリキュラム」とは「意図しない教育」のことを指しています。文科省の資料から定義を引用しておきます。URLは脚注にあります。
「隠れたカリキュラム」とは、「教育する側が意図する、しないに関わらず、学校生活を営むなかで、児童生徒自らが学びとっていく全ての事柄」を指す。
ブログ「情熱空間」が興味の尽きない話題をアップしています。2本続けてよいしょ!
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8657835.html
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2016年11月21日
要保護及び準要保護児童生徒割合と学力の関係(相関なし!)
要保護及び準要保護児童生徒。
経済的理由により、小中学校への就学が困難な児童生徒をもつ保護者に対して、学用品費、学校給食費など就学に必要な経費の一部を助成する制度、「要保護及び準要保護児童生徒就学援助費」というものが設けられています。
さて、実に興味深いデータを見つけました。北海道の管内別のその児童生徒数の割合(教育便覧2016 北海道教育庁総務政策局教育政策課編から)です。
北海道…23.1%
釧路管内…31.7%(MAX)
根室管内…13.7%(MIN)
他管内の数字は割愛しますが、釧路管内が最も高く、根室管内が最も低い。実に意外でありました。生活保護率から釧路管内が一番高いのは予想通りでしたが、まさかまさか(釧路管内よりも一段と学力が低い)根室管内が最も低いとは…。ちなみに釧路に次いで高いのは、渡島管内の26.9%、上川管内の26.5%、後志管内の25.2%とのこと。
ここから導き出される結論です。地域の子ども達の学力とそれ(要保護及び準要保護児童生徒割合)には相関が認められないということ。ええ、実に大胆なものです(笑)。
親の経済状況はけっして悪いものではない。
それなのに子ども達の学力は、どん底レベル。
ごめんなさいね、根室管内はまさにそういうことになりそうです。(その意味、釧路管内は善戦しているとも言えそうではあります)ということはつまり、こうしたこともまた言えるわけですね。
地域の経済状態が、その地域の子ども達の学力を左右するものではない。
親の経済状態が、その親の子の学力を左右するものではない。
個々に見たならば、後者は当てはまる場合が多いのでしょうけれど、地域全体で見たならば当てはまるとは言えないものになっています。おもしろいですね。「親の経済状態」が問題なのではなく、「親の意識」が問題だと私は思う次第です。
ならばどうすべきか。啓蒙でしょうね、啓蒙。子育てを通して、どんどんどんどん親を啓蒙する、ってなことでしょうかね。地域が、子どもの学力問題に関して意識が薄い。親が、子どもの学力に関して意識が薄い。結局はそこに帰着するのかも知れませんね。
でもしかし、おかげさまで問題意識がこれだけ高まっているのに、未だにまともな結果を出せないってのは、それってどうなんでしょうね、釧路市教委さん(苦笑)。
《追記》
三世代同居率。
よく、秋田はそれが高いので学力が高いなどと言われますが、それもまた根拠に欠けますね。1位は山形県の21.5%、2位は福井県の17.5%、3位は秋田県と新潟県の16.4%とのこと。(全国平均7.1%)
北海道は下から5番目の3.9%ですが、管内別に見ると一番高いのはこれまた根室管内(8.5%)なんですね。つまり、根室管内は要保護及び準要保護児童生徒割合が低く、かつ三世代同居率が高いものの学力はしっちゃかめっちゃか…。ちなみに三世代同居率が最も低いのは東京。そりゃそうでしょう(笑)。
おもしろいですね、数字の分析って。
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http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8658265.html
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2016年11月22日
試験問題の使い回しが発覚!
先日行われた、某中学校の定期試験。
そのうちの国語の定期試験問題。
なんとなんと、過年度の試験問題の使い回しが発覚!
某塾が対策で配った定期試験の過去問。
それがまるまんま出題され、満点得点が続出!
とか。
あらららら、今もまだそんなことをやっているんだ。
昔はけっこうありましたけどねぇ…。
釧路だとなぜか問題になりませんでしたが、たしか帯広だったと思います。
同様のこと、北海道新聞と記憶していますが、不正行為として大きな記事になったものでした。
20年以上前のことですが。
ちなみウチは、定期試験過去問を配ったりはしません。
そこはやはり仁義ですからね。
インスタント・付け焼き刃な指導はよろしくありませんし。
市教委や教育局へ保護者からのクレームが行っていると思いますが、しかしまぁ…。
いつになったら、こうしたことが改められるのでしょうか。
あまりにも簡単な試験問題。
そして使い回し。
やはり監視体制が必要なのでしょうね。
さて、今回は新聞記事になるのでしょうか?
例によって、「けしからん!」と塾のせいにして「再試験」をおこなって幕引きにするのかな?
生徒間の「LINE」で、随分と拡散しているようですけれど。
●いつからこんなにひどくなったのか?(12年前のNLから)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7557543.html
●プチ暴露(試験の使い回し他)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6927477.html
●試験問題を使い回す中学校
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/5314876.html
《追記》
塾の側も、定期試験過去問を配布しない。
その代わり、学校もまた使い回しはしない。
紳士協定が必要だな、うん。
こんなことで、子ども達がしめしめと、「損得の味」をしめたら大変ですからね。
自分がなにを「しでかした」のかを、じっくり考えていただきたいものです。
悪しき慣習、いや蛮行ですね、これは。
もうそろそろピリオドを打ってほしいものです。
《追記2》
ebisuさんのコメントです。
定期試験問題の「使いまわし」はいけませんね、仕事の手抜きです。
それにしても、定期試験の過去問をテスト対策と称してやっている塾が釧路にもあるんですか、ゲスの極みですね。
根室にもそういう塾があるらしくて、現中2の生徒ですが、1年生のときの最初のテストと2回目の期末テストでは、「塾のテスト対策」で過去問で一生懸命に勉強している2位の生徒と合計点数の差が小さく、最初の2回だけデッドヒート状態でした。勉強の仕方が学力にどのような影響を与えるか観察していたら、毎回2位との差が広がっていき、11月の学力テストでは470点超、2位との差は110点に拡大しています。
数学も英語も1年先をやっているので、この生徒は定期テスト対策はゼロです。
まともな勉強法で学力をアップさせたら、点数はあがります。点数上げるための勉強したら長期的には学力の伸びが止まってしまう典型的な例でしょう。(後略)
そうなんです。
目先の得点、定期試験の得点「ばかり」を上げにかかったならば、それは長い目で見たなら学力の伸びを抑止してしまうんです。
だから、塾での過去問配布はよろしくない。
ウチは、下線部の意味が分かる保護者の子どものみ通っていただきたい。
肝心なのは、勉強の仕方と習慣づけなのですから。
そのように考えております。^^
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< 余談 >
本音を言うと、難易度の低い学力テストでの高得点はほとんど意味がありません。出題の難易度をBレベルが半分、Cレベルが半分だとしたら、学力テストで数学満点の生徒でも、70点は取れませんから。60点がいいところでしょう。高校に入学してから、全国模試(進研模試)を受験して、全国レベルの高さを知ることになります。難易度の高い問題を中学生のうちからやらせ、高校数学を予習しておかないととても80点は取れません。1・2年生で学校の授業や定期テストに出題される難易度Aの基本問題の出題は全国模試ではゼロです。センター試験に難易度をあわせているのでB問題以上のレベルでの出題です。
北海道の中学校でやっている学力テストの出題レベルはAが8割、Bレベルが2割です。そういうレベルの問題ばかりやっていてもそれほど頭は働いていません。難易度の高い問題でないと頭は働かないようにできています。難易度の高い問題集をひとつ挙げておきます。根室市内の市街化地域の中学校のトップ(学力テストで数学百点)でも、半分正解できる生徒はいないでしょう。
『国立・難関私立高校制覇ハイクラス徹底問題集 高校入試 数学』 文理
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(注)
*隠れたカリキュラム ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%A0%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%A0
文科省資料 「隠れたカリキュラム」の定義
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/jinken/06082102/004.htm
*#2138 データと分析(2)語彙力がないままの学力向上はない Nov. 25, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-25
70% 20%
ハイクラス徹底問題集:高校入試編 数学 (国立・難関私立高校制覇)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 文 理
- 発売日: 2013/03/18
- メディア: 単行本
#3460 根室高校入試倍率はどうなる? Nov. 19,2016 [64. 教育問題]
<更新情報>
11/20 午後2時 武藤久慶さんの条を追記
< 中学3年生の人数と高校入学定員 >
根室西高校が廃校になり、来年4月から根室高校1校になります。現在の中3の人数が何人かをみれば、おおおよその倍率がわかります。
市のホ-ムページに学年別人数資料があります。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/35e638b6540badca49257f78002016ea/$FILE/第4編P27-33.pdf
今年度の資料はまだアップされていないので、昨年の中2の生徒数が今年の3年生の生徒数ですから、247人ということになります。
わたしの手元にあるデータでは、
光洋中 76人
柏陵中 78
啓雲中 53
合計 206人
郡部合計は市街地の中学校の1/3でしたが、ずいぶん減りましたね。計算上はたった36人しかいません。資料の間違いではないかと心配になるほど少ない。
根室高校の定員が普通科160人、商業科40人、事務情報科40人のようですから、合計240人です。例年、根室以外へ20人ほど進学していますから、それが10名に減っているとしても、「246-10=236人」で定員割れです。どの科かが定員オーバーしても全体としては定員割れすることがわかります。
全員入学おめでとう、そういうことになります。
来年は210人しかいませんから、30人の定員割れです。現2年の皆さん、高校合格おめでとう。
再来年は216名ですから一人も流出しなくても24名の定員割れですから、受験予定の現1年生の皆さん合格おめでとう。
・・・
これではますます勉強しなくなるわけです。学力低下の負のスパイラルが止まりません。
< 地元企業は人材面で弱体化が起きる >
地元企業の経営者の皆さん、こんな現状に無関心でいて大丈夫ですか?
根室高校卒業生という人材プールの中から自分の企業を担う人材の大半を採用しなければならないのですよ。学力上位10%は進学して戻ってきません。上位10-30%層も7割は戻ってきません。地元に残る人材の半数は高校入試で得点100点以下、百点満点に換算すると33点以下の学力が現実になります。団塊世代が高校進学した1964年は、根室高校には成績上位1/3の生徒しか入学できませんでした。地元企業を支えた人材の大半は根室高校卒業生です。これからは300点満点で百点未満の人材プールから半数以上を採用せざるを得なくなります。地元企業の未来に何が起きるかは明白です。
ふるさとの未来は変えることができます。教育に関心をもち、社員を大事にして、自分の会社を都会の会社に負けないくらいオープンな経営に変えませんか?
経営改革をやることで、人材を育てることができます。そして優秀な若い人たちが何人も戻って来たくなるように変わりませんか?
高校を卒業と同時に大海原に出て回遊し、ふるさとの川に戻ってくる鮭のようになってくれたら、何があろうとも根室の未来は明るい。
< 最近の学力テストデータでの検証 >
最近のデータでちゃんと話をします。
光洋中学校と柏陵中学校は学力テスト総合AとBの平均点が130点付近で一緒です。五科目合計点が百点以下をみると、光洋中は25人/76人(32.9%)です。平均点が同程度の柏陵中も似たような分布だと仮定すると、百点以下は25人です。啓雲中の平均点は総合Aが112点、Bが119点、Cが107点です。総合Cで百点以下をみると、25人/53人(47.2%)です。
郡部の1/3の生徒が百点未満だとすると12人が百点未満です。
学力テスト総合Cで百点未満の生徒が市内の3年生全部で87人ですから、受験者総数の35.4%を占めています。成績上位30%が進学してほとんど戻ってこないとすると、地元に残る卒業生の半数は中3の学力テストで五科目合計得点100点以下(300点満点)ということです。
< 日本語読解力の急激な衰え:自己肯定感の喪失 >
このうちの半数(44人)は高校の教科書を読んで理解する読解力がないと推定されます。国立情報研究所が最近やったリーディングスキルに関する予備調査でも340人中20%の中学生が教科書を読んで理解できないと判定されました。だから、日本語読解力が低くて高校の授業が理解できない生徒が全国津々浦々に20%も存在しているのです。小学校4年生くらいから、硬いいすに座ってわからない授業を聞き流し、小学校4・5・6の3年間、中学校の3年間、高校でさらに3年間、合計9年間硬い椅子に座り続けています。こうして低学力の生徒たちは自己肯定感が根こそぎなくなってしまいます。全国学力テストと一緒に行われているアンケート調査にはっきり出ています。北海道の子供たちの自己肯定感全国平均よりも低いのです。
< CIEの「日本人の読み書き能力調査」 >
昭和23年に連合軍総司令部民間情報教育部(CIE)は日本人の読み書き能力に関する全国調査を実施しました。調査は統計学的にきわめて厳密にデザインされ、当時の人口7755万人から17100人を選んで実施されました。
○ひらがな、カタカナ、数字が書けるかどうかをみる
○漢字の書き取りテスト60題
○文章題10題
このテストの文章題が抜群に難易度が高いのです。大野晋『日本語の教室』(岩波新書)154-160ページにあります。
テストの結果は、「仮名が書けなかった者が1.7%、漢字が一字も読めない者を加えて2.1%で、日本の非識字率は2.1%、識字率は97.9%であるとされました。
「このテストで満点を取った人は4.4%不注意で間違えたのではないかという点で満点と認めてもいいという人が1.8%で合わせると6.2%が満点であると報告されています。ということは、全国ではおよそ500万人が満点だったわけです」。
得点が80-90点の層が49.1%も占めています。
*日本人の読み書き能力調査(1948)の再検証
*https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/2219/GKH020807.pdf
(121ページから126ページに問題文が一部載っています。難易度の高い万葉集に関する文章題や、長文読解問題が載っていません)
昭和23年の日本人は現在と比べると比較を絶するほど日本語能力が高かったことがわかります。それが戦後の高度経済成長や国力をを支えていたとしたら、現在の子供たちの日本語読解力や語彙力の衰えは30年後の日本経済や日本人の情緒や精神構造にどれほどの破壊的な影響を及ぼすのか空恐ろしい気がしてきます。
< 学力が低すぎてマクドナルドでバイトができない現実 >
過度な部活、スマホ、ゲーム機、テレビなどで読書時間がなくなっているので、本が読めません。読んでいるように見えても、読めない字をすっ飛ばして、字面を追っているだけで、意味は理解できていません。
おおよそ15-25%、そういう生徒が各中学校に存在しています。社会人になったらどうなると思います?マニュアルを読んで理解できません。マックやモスバーガーでアルバイトもできません。商品名が憶えられないでしょう。注文を受けたら復唱しなければなりませんから。
昨年釧路で開かれた全国教育シンポジウムで、元北海道教育次長の武藤さんが、実例を出して説明していました。
「ダブルクォーターパウンダーチーズ、三つですね」
マクドナルドのメニューのひとつですが、もちろんこれ一品ではありません、たくさんあります。そして季節やある日を境にメニューが変わります。英単語の暗記が不得意な人はバイトできませんよ。五科目合計百点未満はそういうレベルだということです。
この低学力層の生徒たちは10年後に一人で生活して食べていけるでしょうか?五科目合計百点未満というのはそういう深刻な問題を抱えているのです。根室高校はいまやほとんどの科目が追試をやらなくなっています。低学力のまま、追試も受けずに進級し、卒業できるのです。統合前から低学力の生徒が増えてしまって、もう追試も面倒なのかもしれません、授業レベルは年々下がっています。例を挙げたほうが早いでしょう。数1Aの授業は十年前は1月20日に終わり、21日から数Ⅱをプリントでやっていました。いまは2月いっぱいかかっています。生徒の学力低下で、今度は高校が授業の進捗管理ができなくなっているのです。そのうちに教科書を難易度の低いものに変えることになるのでしょう。
< 生徒の大半は中小企業へ就職する >
高校を卒業して専門学校や大学へ進学して、9割は中小企業に勤務することになります。新規に開業する中小企業の3割が十年後に消えてなくなります。20年後には約半数になります。単純労働はどんどん自動化され、機械やシステム、AIに置き換わります。20年後には現在ある単純労働は半分になっています。
今年3月に羽田の手荷物受付カウンターが完全自動になっていたので、まごつきました。あそこで働いていた数十人の人たちはどこへいったのでしょう?仕事がなくなれば合法的に解雇できます。
そのうえ、40歳くらいまでに4割くらいの人が会社倒産やリストラで転職せざるをえません。そのときに、仕事のマニュアルを読んでも意味が理解できなかったら、激減していくであろう単純労働すら職に就けません。もちろん、自動化によるリストラなら同じ職種につける可能性はありませんから、別の職種に就かなければなりません。マニュアルすら読みこなせなければ仕事があると思いますか?ベトナムやフィリピンなどから流入する「技術研修」の人たちと同じ賃金水準で働くことになります。運よく職にありつけたとしても職種が変わってゼロスタートですから最低賃金水準で40歳以降も働かなければならないということです。
高校を卒業して、進学もせず、就職もしない若者がすでに10%います。「読み・書き」能力が著しく劣ったまま形式卒業した生徒たちがこの中には多いとは思いませんか?
部活狂いして、文武両道をすっかり忘れている皆さん、大丈夫ですか?10年後20年後の未来を生き抜いていけますか?
< 北海道教育局元次長武藤久慶さん >
「教育シンポジウム北海道」での武藤さんの「基調講演」要旨は弊ブログカテゴリー「教育シンポジウム北海道」にあります。2015年11月釧路で開かれた全国教育シンポジウムのときに初めてお会いしました。開口一番「もっと怖い人を想像していました」、これには大笑い。
2014年2月15日に武藤さんは教育局次長として根室高校で講演会をしましたから、ご存知の人があるでしょう。わたしは授業があり出席できなかったのですが、#2214に書いています。そのころに、そろそろ文科省へ戻る内示があったでしょうと伝えたら、図星でした。わたしは3度出向したことがあるので、その辺のころあいがわかります。「内緒に願います、戻る前に根室でお酒を飲みながらゆっくり話がしたいと」申し出がありました。どこのお店を利用しても話は噂となって伝わり、根室の教育行政がびっくりするので、おやめいただきました。ebisuは北海道教育文化研究所ができたときに役員を引き受けています、そして「釧路の教育を考える会」の創立メンバーでもあったので、教育問題で意見交換をするパイプがありました。一度だけこの若手官僚と激しい議論をしたことがありました、それで「怖い人」だと勘違いされたのでしょう、好々爺ですよ、すぐに矛を収めました。お互いに立場があって譲れない主張もありますから、忌憚のない意見を一度は交わす必要がありました。
2013年1月下旬に授業の進捗管理に関わる記事で、弊ブログが炎上したことがありました。彼はしっかりモニターしていましたよ。2週間後に授業の進捗管理に関する3課長連名の通達が道内すべての中学校に発信されました。道教育局は前から道内の中学校では授業の進捗管理が杜撰で学力低下の原因のひとつであることを知っていました。いい機会ととらえたのでしょう。電光石火の行動にわたしのほうがびっくりでした。あの件では根室市教委を巻き込む大事(おおごと)になりかかったので、火消しに配慮したつもりです。当時の根室市の教育長は何にも知らずに暢気なもので、危機管理能力ゼロでしたね。釧路の教育を考える会のメンバーには強硬論がありました。北海道に切れ者の教育官僚がいることを知ってうれしかった。
中央官庁では課長職が国の政策を立案しています。彼は文科省に戻って、小中一貫教育に関する教育制度改革室の室長補佐をしていましたが、あるとき、ポルトガル語の勉強を始めたことに気がつきました。小中一貫校は重要な教育制度の変更ですから、その目処がつくまでは文科省が離さないのは当然です。オリンピックが近くなっているので、まさかブラジルへ行くなんて事はないだろうと思っていました。どなたかに能力を買われたようです。武藤さんはブラジルオリンピックの前に赴任、現在、ブラジル大使館で一等書記官としてご活躍です。
文科省にいる間はこんな話を書くつもりはありませんでした。
*#3182 教育シンポジウム(7): 武藤久慶氏による基調講演⑤ Nov. 20, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19-2
#2214 北海道庁教育局義務教育課長「講演会」でどよめきあり Feb.16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17
< 余談:今昔 >
10年ほど前のことです、根室高校普通科が珍しく定員オーバーで、Fランク150点で数人が不合格だったことがあります。当時よりも入試問題は簡単になっていますが、何人の生徒が150点を超えているのかは、興味あるデータです。
学力テスト総合Cで、光洋中25人、啓雲中11人です。光洋中と平均点がほぼ同じ柏陵中学校が25人とすると郡部が12人とすると、合計73人です。
10年前の150点で足きりすると、普通科の定員は2クラス、80人で十分なのです。
五科目合計点が100点(300点満点)以下の生徒のほとんどは、高校の教科書を独力で読み、理解することができません。 小学校の算数やアルファベットから「学び直し」をすることになるのでしょう。
生徒の質を維持するために、わたしは高校側に100点で足きりすることを勧めます。勉強する気のない者に門戸を開く必要はありません。中学時代に甘やかしたら、そのほとんどの生徒に打つ手がなくなります。
わたしは、幼少期の育て方、躾の仕方が、中学生になったときの学力に大きく影響しているのだと思っています。小学3年生あるいは4年生ころに算数で落ちこぼれた生徒は、中学校では独力でほとんど這い上がることができません。嫌いな数学でも我慢して一時期やりきらないとアウトです。しかし、そういう低学力の生徒たちは、我慢する力も弱いのです。少年団活動や部活三昧して、勉強しなくてもずっと何も言われずに育ったのですから無理もありません。子供は育てたように育つものです。
いやなことでも必要なことは我慢してやる、幼少期にしっかり躾ましょう。
#3348 英文和訳にはたしかな日本語ボキャブラリが必要 June 29, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-06-28-1
#1861 "先生、みて!" : うれしい学年トップ Mar. 1, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-01
#1572 学力と語彙力の関係(2): 5科目合計点が高い⇔国語の得点が高い? July 6, 2011
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-05-3
*#1570 「学力と語彙力の関係(1):総論」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-05
#3495 根室高校出願状況 Jan. 27, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-01-27
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#3447 仕事(職位)と責任:新教育委員長に天神氏 Nov. 3, 2016 [64. 教育問題]
11月3日の北海道新聞根室地域版の記事を紹介します。
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新教育委員長に天神氏
根室市教委「保護者の声届ける」
【根室】市教委は2日、市総合文化会館で定例会議を開き、任期満了となった松下洋一郎前教育委員長(58)の後任として市内の自営業、天神正人氏(64)を互選した。人気は2017年11月1日までの1年間。
天神新委員長は根室市出身。駒澤大学経済学部卒。09年から教育委員を務めている。
会議後、北海道新聞の取材に「小中学校の適正配置計画などで学校の統廃合問題に不安を感じている保護者もいる。あの声を教育委に届けると共に、教育委員会の考えを保護者らに伝えたい」と話した。
松下前教育委員長は02年から教育委員、09年から教育委員長を務めていた。(犬飼裕一)
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天神、天津神という意味だろうか天地開闢のときに現れた天神七代だろうか、いずれにしてもすごい苗字だ。ebisuよりも3つか4つ学年が下のようですから、おそらく、光洋中学校と根室高校の後輩なのでしょう。
教育には根室の未来がかかっています。2003年以来、市内の中学校の学力テストデータを見ていますが、五科目合計点で400点超の成績上位層が各中学校に2-3名しかいなくなりました。10年前には各学校に二桁いました。学力上位層が絶滅に近くなっていると同時に学力下位層が2倍ほどに膨らんでいます。
学力上位層の枯渇化と成績下位層の増大は、根室の未来を支える人材が絶滅しかかっているということです。
新教育委員長はデータに基づく議論を市教委に要求してもらいたい。市教委はふだんの学力テストデータすらモニターしていないので、この10年ほどの学力低下の実態を知りません。そんな仕事ぶりですから、根室の教育行政が改革は夢のまた夢になっています。
教育委員長は単なる名誉職ではありません、仕事や職位には権限と責任が伴っていますから、そのことをよくよく自覚して仕事をしてもらいたい。
良くも悪しくも、根室の未来を決めているのは責任ある職に就く人々です。したがって、根室の町がこれほど疲弊し、活気がなくなってしまったのもそうした人々の責任であります。
根室人自身が教育改革をしなくて誰がやる、そういう気概をもって、ぜひ、この町の疲弊と衰退に歯止めをかけてください。
●釧路市教育委員会 学校教育部公式ポータル「学びと遊び」
http://www.city.kushiro.lg.jp/kyouiku/kyouiku/gakkoutaishin/page00010.html
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#3190 特進コースの設置は可能なの?:根室の高校統廃合 Nov,29, 2015 [64. 教育問題]
2017年度から、根室の二つの高校が統合されます。高校問題検討委員会は統廃合後の高校に普通科単位制と商業科単位制、そして特進コースの設置を希望しています。
*平成26年2月7日「高校問題検討委員会だより」
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/129f43a6348d73f449257a4e0004afea/$FILE/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%92%E6%9C%88%E7%AC%AC%EF%BC%98%E5%8F%B7.pdf
こちらをクリック⇒高校問題検討委員会たより 8号 - 根室市
道立高校に設置されている学科に「特進コース」は聞いたことがありません、「特進コース」があるのは私学だけですよ。
学科の設置は「高等学校設置基準」に定められています。この学科の下に、「コース」を設置できるという記述はありませんから、おそらく無理なお願いなのでしょう。「高校問題検討委員会」のメンバーは高校設置基準をお読みになったのでしょうか?
*高等学校設置基準
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16F20001000020.html
たとえば、釧路湖陵高校は、進学強化のために理数科を設置しています。もし特進コースのようなものを設置したければ、釧路湖陵高校のように理数科(2016年度偏差値67)のような学科の設置を要望するのが妥当なことのようです。
仮に中位(=偏差値50)以上の大学へ進学する生徒が対象なら、1学年に何人いますか?それも確認しなければなりません。平成26年度の進学実績では偏差値50以上の大学への進学者は10人前後ではないでしょうか。下記資料をご覧ください。
*根室高校 進路資料
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/?page_id=31
「高校問題検討委員会」は規定も前例もないことを道教委へ要望したようですが、それが可能かどうかの確認もせずに委員会は解散というのは拙速すぎませんか?
規定も前例も、一つの学科を満足する人数もありませんから、文科省省令に新しい規定を加えても、希望がかなう確率は限りなくゼロです、どうするおつもりでしょう?
根室の最高学府は道立高校1校ですから、そこがどういう形になるかは、地元経済に大きな影響があります。長期的に見れば、教育こそが町づくりの礎(いしずえ)ではありませんか?
わたしが知らないだけかもしれませんので、道内の公立高校で「特進コース」設置の例があるところがあれば、コメント欄に書いてお知らせください。
*平成26年2月7日「高校問題検討委員会だより」
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/129f43a6348d73f449257a4e0004afea/$FILE/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%92%E6%9C%88%E7%AC%AC%EF%BC%98%E5%8F%B7.pdf
**#2310 高校統廃合はオープンな場で議論しよう May 26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-26
#2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-2
#3189 根室管内の中学生の学力は全道14支庁ワースト2 Nov. 27, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-11-27
70% 20%
《追記》29日朝
コメント欄へ重要な投稿がありましたので紹介します。ebisuの知らない情報やご意見、大歓迎です。
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オホーツク館内の美幌高校が、コースではないですが、進学クラスを編成していました、今もあるかわかりませんが・・・
ちなみに、同一校の普通科内で教科書を2種類使うことは出来ないです。普通科と商業科など異なる科ならオッケーです。
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通りすがりさんへ
なるほど、美幌高校は普通科の学校ですが、2年次から「商業・一般コース」と「特別進学コース」に分かれるようになっているのですね。
これは面白いシステムです。1年次は5教科に重点を置いて、基礎・基本を充実し、2年目から進路別に別れる。
「進路」データを見ました。根室高校の半分以下ですね。人数が少ないからではないかと定員を調べました。
普通科80名
生産環境学科40名
地域資源応用科40名
合計160名の学校です。
根室高校よりも1学級少ないですね。
この「特進コース」なら、すでに根室高校でもやっています。
2年次から「就職」「文系進学」「理数系進学」に分けています。
通りすがりさんが指摘しているように、普通科では同じ教科書を使いますから、五科目合計点で20-260点の学力差を考慮するとどのようなレベルのものを採用しても、学級崩壊が起きます。大体こういうときは学力の低いほうに合わせるので、全体的な学力低下は避けられません。
「特進コース」がこういう趣旨のものなら、道教委へ要請する必要のないものです。高校の判断でやれます。
高校問題検討委員会が期待しているのは、私立高校の「特進コース」でしょう。
残念ながら、「高校問題検討委員会」のいう「特進コース」の事例にはならないと判断します。
でも、とっても参考になりました、本文へ追記しておきます、ありがとうございます。
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*美幌高校学校案内
http://www.bihoro-highschool.hokkaido.jp/hotnews/files/00000800/00000855/docs_1.pdf?783281959
美幌高校定員枠
https://www.minkou.jp/hischool/school/exam/4426/
平成26年度進路状況資料
http://www.bihoro-highschool.hokkaido.jp/hotnews/files/00000800/00000848/docs_1.pdf?1648002335
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【ebisuの意見】
根室高校では、2年次からの進路選択に応じて普通科のクラス編成替えが行われています。私立高校の特進コースあるいは特進科(特別進学科)は別学科という扱いで、1年次からです。「高校問題検討委員会」が道教委へ要望したのは1年次からの特進コース設定と理解すべきでしょう。そして、それは制度的に不可能という結論で間違いなさそうです。
【看護系専門学校は理系だという誤解】
根室高校生の間に誤解が蔓延しているので、ついでに書いておくことがあります。看護系専門学校への進路選択をしている生徒を理系クラスへ入れていますが、看護専門学校のほとんどが、国語・数学(Ⅰ・Aのみ)・英語、まれに生物が試験科目ですから、理系クラス選択の必要はありません、科目の比重を考えたらむしろ文系です。
4大理系選択の生徒が十数人しかいないので、看護系を理系に入れているのは苦肉の策のクラス編成です。理系クラスを選択しなくても看護専門学校への進学は大丈夫です。塾へ通って1年間勉強すれば、ほとんどの人が間に合います。
中3のときの文協学力テスト総合ABCの平均点が180点超の人は、独力で道内ほとんどの看護専門学校に合格できます。中学生のときに、しっかり勉強した人は、看護の職を選択しても学力の点では困りません。部活だけで学業をおろそかにした人は、高校で3年間しっかり努力しないと、届きません。
【江差高校特進コース】29日お昼に追記
平成25年3がう26日付の高校問題検討委員会作業部会検討報告書がある。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/129f43a6348d73f449257a4e0004afea/$FILE/houkokusho.pdf
この報告書によれば、江差高校の例を挙げている。
「特進コースについては、江差高校で普通科単位制を導入した際に特進学級を開設して
おり、新しい高校においても開設できれば難関大学進学の対応が可能となり、市外流出
が尐なくなるとともに保護者の経済的負担が軽減されると考える。」
江差高校の平成26年度の進学実績では、大学進学者18名のうち偏差値50を超える大学への進学は、北海道教育大函館校(偏差値52)ただ一人である。
*http://www.esashi.hokkaido-c.ed.jp/esashi/sinro/h26_shinrojyokyo.pdf
学校の規模は1学年3クラスである。学校側の資料によると、各学年ABCの3クラス構成、普通科単位制で、科目選択で「特進コース」を自称しているようだ。
*http://www.esashi.hokkaido-c.ed.jp/esashi/gaikyou/27gaikyou.html
これではまったく意味がない。私立高校の「特別進学クラス」とはぜんぜん違う。単なる単位制の普通科というだけの話である。
進学実績という点から見ると、江差高校での「特進学級」の設置は効果なしということになる。高校問題検討委員会作業部会はいったい何を調べたのだろう?
公に選ばれて根室で教育問題を議論する人たちのやった仕事がこの有様、杜撰としか言いようがない、涙が出てきそうだ。
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**パトリオットについて二つブログ記事を書いているので、興味のある方は読んで欲しい。遠藤利國氏は青春時代の友人の一人である。若者よ東京で学べ!
#1029 『現代語訳 帝国主義』幸徳秋水著・遠藤利國訳
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-16
#1030 nationalism とpatriotism :遠藤利國訳・幸徳秋水『帝国主義』
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17
***基礎学力不足の生徒たちが社会人として放り出されることにZAPPERさんは危惧を抱いている。今朝(8月1日)、ブログに釧路の小学校の道新記事をアップしたついでに次のコメントをつけている。
「市内企業の中には子供たちの低学力を目の当たりにして、高卒新卒者の採用を取りやめるところもあるほどで、道中小企業家同友会釧根事務所(釧路)は「仕事では課題解決やニーズの発掘が不可欠で、その基本となる学力は必要」と期待する。」
「釧路の子供の学力底上げへ(道新記事)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/4031462.