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#3429 第2回フリー授業参観:C中学校  Oct. 6, 2016 [72.フリー参観]

<更新情報> 10/7午前8時25分追記 ①声の質について ②学力テストの得点から見た絶対評価基準案を例示
         10/8午前9時 追記
       

 C中学校が3-7日までフリー授業参観をしていたので、午前中の授業を二つ見学しました。
 一つは3年生の数学の授業である。2次関数をやっており、平均変化率のところまで説明していた。教科書を使って教科書の例題と問題を黒板を隅々まで使って説明していた。わかりやすい授業である。声の質もなかなかよい、大きな声で明瞭に話し、聞きやすいのである。
 「平均変化の割合」のところは、高校数学の微分へとつながるのだが、そういう「発展」分野への配慮はなかった。生徒の全体のレベルを考えると無理なのだろうが、上位2割には必要な説明であると思う。過去に市街化地域の3校を各2回ずつ見学したが、高校数学(高校英語)へのつながりを意識した授業を見たことがない。先生たちに小学校の算数と高校数学の間をつなぐのが中学校数学だという意識がないように見える。
 基本分野に限定したわかりやすい授業は成績下位層へ焦点を当てた授業としてメリットがあるが、欠点もある。上位生が無視されてしまい、知的刺激のない授業に退屈している。それは試験問題にも言え、定期試験問題ではB校とC校(A校は問題を確認していないから除外)は準拠問題集のA問題からのみ出題、難易度が低すぎて学力上位層からは「つまんない」という声が上がっている。B問題を全問勉強したのに一題も出題がなければがっかりするのは当たり前だ。そして難易度がある程度高い問題をやらせないと、脳が活発に活動しないから、頭がよくならない。
 何が言いたいのかをはっきり書かないと誤解を生む恐れがある。教師はプロなんだから、常に高みを目指して努力してもらいたいということ。自戒をこめて描くのだが、どれほどベテランでも工夫の余地は常にあるから、こころは素直で謙虚であれということ。1年努力すれば上位層の生徒にも対応した授業の初事例になります。市街化地域の3中学校の数学の先生ではこの13年間だれも実現できなかった授業です。誰かがやり遂げたら、後に続く者がでます、来年もう一度見学したくなりました。

 気になったのは生徒の姿勢である。26人ほどいたのだろうが、ちゃんとした姿勢といえるのは7名だけだった。特定の筋肉が疲れるので、姿勢がぐらつくき集中が切れる。ざわつくのである。1時間目の授業であるにもかかわらず、ずっと寝ていた生徒が一人いた。補助の先生が一度だけ突っついたが起きない。こういう生徒をほうっておくか、おかないかは先生によって対応がまったく違う。それぞれ考えがあってそうしているのだろうが、職員会議で議論してみたらいかが?対応を無理に統一する必要はないが情報交換をかねて議論してみるのは無駄ではない。
 板書の字はわたしと同じくらいだから、あまりきれいではないが、ちゃんとまとまっていた。(笑)
 ノートをとるトレーニングには十分な配慮がなされて、なかなかよい授業でした。

 二つ目は2年生の社会の授業を見学した。DVDと実物投影機にモニターがつながっている。中京工業地帯の特色が今日の授業のテーマである。入室したときに、鉄製造工場の圧延過程とそれがロール状に巻かれて自動車工場へ輸送されるところが映っていた。根室の生徒はこういう工場を見学する機会がないから、DVD資料の利用は価値がある。副教材を実物投影機で画面に表示しながら、何ページのどの図の説明をしているか確認して解説をしていた。
 この先生は字がとてもきれいだ。字句解説を毎回入れている。今日の授業では「中京」はどうして中京というのかと生徒に訊いていた。京都と東京の間だから中京だと平安京も引っ張り出しての解説、なかなかテンポのよい授業で、生徒の集中度も高かった。
 前に見学させていただいた折には気がつかなかったが、大きな声ではっきり言葉を話す。口を意識的に大きく動かして声を出す努力をしているようなのである。声の質もいいから聞きやすい。わたしは声の質があまりよろしくないが、これはもともともって生まれたものだから仕方がないが、口の動かし方を工夫することで、生徒に聞き取りやすくはできる。勉強になりましたよ、N先生ありがとう。
 このクラスは1時間目を見た3年生のクラスの生徒たちよりも姿勢が少しマシだが、極端な猫背の生徒が三人目に付いた。背中がまるく盛り上がっていた。直してあげたほうがいい。半数以上が姿勢に問題がある。それは授業の集中度にもつながっている。一人の生徒が書中後ろを向いて生徒に話しかける。先生が見かねて5度注意したが直らない。椅子は斜め、脚が完全に机の横に出ていた。姿勢は直したほうがよい、だらしなく見える。社会人になったときにだらしなく見えたら、それだけでお客さんは逃げ出します。仕事もだらしないと判断して90%は当たっているからです。

 鉛筆の持ち方や姿勢が悪い生徒が半数を超えているのは小学校と家庭教育に問題があったからでしょう。もっと姿勢を厳しくしつけるべきです。中学3年生だと8年間だらしない崩れた姿勢でやっているので、それが習慣になってしまって、なかなか直せないのです。言っても無駄だから、中学校の先生は姿勢については注意しないようです。姿勢の問題は市教委が取り組むべき課題ではないでしょうか。整形外科医の協力をいただいて、小学校低学年でお母さんたちを含めて講演会をやったらいかがですか?
 背骨が曲がれば60歳を過ぎたら脊椎の圧迫骨折の原因になります。死ぬまで痛みを抱えることになるのです。

 どちらの先生も教科書をつかってしっかり板書もしています。生徒たちはノートを取るのに必死です。「読み・書き・そろばん(計算)」のうちの「書きのスキル」いいトレーニングです。ご立派!

 校長先生にご挨拶しました。過去2年間は全国学力テストの結果が全国平均を超えていましたが、今回はだいぶ下回りました。9月30日の学校通信に「全国学力学習状況調査の結果から」というタイトルを掲げ、過去5年間の推移をグラフにして載せています。有用なデータをちゃんと公開しています。平均正答率は4年前の最低のころに状況に戻ってしまいましたが、それでもだいぶ底上げ努力を学校全体でやった結果なのです。現在の3年生が1・2年生のときの学力テスト結果からは、9月に実施された学力テスト総合Aの五科目合計点が95点くらいまで低下すると予測していましたが、112点でした。道教委が配った大谷正平のポスターには大きく「文武両道」と描かれていましたが、前校長のS藤先生が学校通信で視点を変えて何度も文武両道を具体的に解説し、部活指導の先生たちがそれに呼応しました。このように学校全体で補習に取り組んできた結果が17点アップなのだろうと解釈しています。全国平均を2年続けて超えることができたのはそうした具体的な努力の成果です。
  定期テストの難易度が低すぎることに話題が及んだときに、M校長先生こう言ってました。
 「学力テストが40点しか取れない生徒に(定期テストの点数が高いからといって)4の評価をつけていいのか」
 サイトの学力を向上させる上でこれでいいのかと、自問自答しながら教員の皆さんに対峙して仕事をしているようです。
 市街化地域の各校では定期テスト問題の難易度を下げることで、実際にそういう(絶対)評価がまかり通っています。相対評価になってしまっているのです。学力テスト総合Aの数学の平均点は16点でした。これは60点満点ですから百点満点に換算すると26点です。高校なら半数以上が赤点の得点です。40%の得点だと24点ですがこれ以下の得点の生徒に4の成績が何人も出るでしょう。生徒が勘違いを起こします。
 事実を事実どおりに表現していいのです。得点40%に4をつけてはなりません、「3の下」ですよ。得点60%以上には4をつけましょう、43-48点の階層にたった一人だけいますから、この学年で49人中五段階評価で「4」を就けてよいのは一人だけ、「5」は該当者なしとなります。得点30%以下は2でよい、24人います。定期テストで何点とろうとも学力テストで得点10%以下は容赦なく1をつけましょう。それが生徒のためです。

 目安にすべき学力テストを用いた絶対評価基準をまとめるとこうなります。
 上下10%が「5」と「1」
 70-90%未満が「4」
 30-70%未満が「3」
 10-30%未満が「2」

 急には改善できなくても、数年かけて定期テストの難易度を修正し、評価基準を全国基準に近づける努力をしてください。この分布でも全国標準から見るとずいぶん甘いとわたしは感じます。院生時代に東京渋谷駅前の進学塾で教えた経験があるから辛いのかもしれません。

 校長のM上先生は4月からC中学校へ赴任してこられましたが、これから2年間は学力レベルは「底」の状態ですから、苦労がたくさんあると思います。苦労があるほうがやりがいがあることは前任者のS藤校長が証明しています。2011年12月の道新根室地域版で取り上げられた、荒れ放題だったC中学校へ赴任してきて、学校通信で自分の経験(元光洋中学校野球部員)を交えて文武両道を具体的に説明し、教員の協力を得ながら学力向上に取り組んできました。あたらしい校長は理科の教員だそうですから、ご自分の持ち味を生かして、先生たちと共に生徒たちの学力向上に実績を上げられることを期待しています。

< 余談-1 >
 授業終了のチャイムが鳴り終わると、放送で生徒会役員に集合がかかった。3年生のある生徒が真っ黒に日焼けした顔で「おはようございます、先生、おれ生徒会長やってます」と挨拶していった。目標としていた学年順位を達成して退塾してからちょうど1年がたつ。計算の速い生徒でサッカー部だから文武両道、ちょっとたくましくなったかな。
 いつまでも塾に通う必要はない、自分で独力でちゃんとやれるようになったら、塾はいつでも卒業だ。塾へ通う皆さんは自分で卒業の時期を決めたらいい。

< 余談-2 >
 来年4月から根室西高校が廃校になり根室高校1校になるが、新1年生は現在の中3年生である。C中学校をみても分数や少数の計算、そして計算速度が極端に遅い生徒が1/3くらいいる。高校数学は分数計算がスムーズにできないとアウトである。
 このままでは新1年生の3人に一人が分数や少数の計算から授業を始めなければならない事態が起きる。
 学力差が大きすぎて、同じ教科書を使って教えるのは実務上無理がある。学力差を無視して同じ教科書での授業を強行したら、授業は低学力の生徒に合わせざるを得なくなる。現在の中学校がそのとおりになっている。定期テストでは教科書準拠問題のA問題のみ、それも数字まで同じで出題、そういう授業とテスト体制になり、学力がさらに一段下がる。
 中学校で学力テストの得点が40%未満の生徒に小数や分数計算の特訓をやってから卒業させたらよい。
 ベクトルの内分と外分、等比数列、積分計算など、分数計算が頻出する分野が高校数学には多い。標準的な計算速度で計算できるようにまで責任を持つのが中学校の役割だろう。とっても手間がかかりたいへんな仕事です。


*#3421 数学:低学力のメカニズムとその破壊 Sep. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24-1

*#3276 四月学力テストデータ分析: C中学校2年生  Apr. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-24

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1


 北海道新聞根室支局の取材記事を取り上げています。
*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1




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#2204 中3の授業進捗管理(3):総復習期間は一月必要  Feb. 10, 2013 [72.フリー参観]

 中3の主要5科目で標準スケジュールで示された1月末で教科書すべてを終了したのはどうやらB中学校の国語のみだったようだ。 

 私立高校入試は2月、道立高校は3月初旬である。道立高校を照準としても、1月末には教科書全部を消化し、2月に複数の単元が一つの問題に集約されている複合問題演習をやらないと70%以上の得点はむずかしい。

 根室の中学生の数学の平均点が低いのは、複合問題演習を学校の授業でやらないことも主要原因の一つにあげられる。それは、年間の授業時間数を考慮した授業の進捗管理ができていないからだ。2月末に教科書を終わったのでは、塾に通う者がほとんどを占める成績上位者しか複合問題を解けないということになる。私は学校の先生たちにはこうしたことにも心を配ってほしい。

 複合問題に慣れていないことが、根室高校に進学してから全国レベルの進研模試を受けたときに、平均点の低さとしてあらわれている。
 根室高校普通科の1年数学の平均点は、私が見たものでは20~30点の範囲内に収まっており、百点満点で一度も30点を超えたことがない。全国模試は複合問題が多いが、それに根室の高校生は対応できないのである。
 あたりまえだろう、中学校の授業速度が遅いために、複合問題演習を3年間学校の授業でやっていないから、複合問題を解く力が弱いのはあたりまえだ。こうして毎年毎年低学力はつくられている。
 中学校の先生だけの責任というつもりはない。小学校の算数教育にはもっと大きな問題が隠されている筈。
 家庭学習習慣のない生徒が多いことも問題の一つであることは言うまでもない。だが、学校が授業の手を抜く口実にしてはならない。学校でできることは学校でやるべきなのである。

 授業速度が遅いと、成績上位層の「やせぼそり」現象が起きる。主要五科目(500点満点)で400点を越える生徒がこの数年間で激減してしまった。
 昨年の文協学力テストではひどいときには市街化地域の3校で400点以上が4人という学年もあった。7年前には3校で学年当たり50人以上いたのだが、根室市教委はこの現実をどう考えているのか?
 問題は中3だけではないのである。授業の進捗管理に問題があるのは中2も中1も似たようなもの。中2の確率の授業は時間がなくなり、スピード違反の「すっ飛ばし」授業があたりまえだから、成績上位層の生徒にしか理解できない。ニムオロ塾では高校の範囲まで教えている。そのほうが理解がいいからだ。

 数学に限って言うと、総復習に一月充てて複合問題演習をやっている学校はひとつもない
これでは、理屈で考えても成績上位層が減少するし、現実はこの数年間の成績上位層の「激減」となってあわられている(なぜこの数年間で学力上位層が激減しているのかについては他にも何か原因があるはず)。

 わたしが注視していたのは数学と英語の授業である。数学は前半の計算分野(式の展開・因数分解・平方根・2次方程式)にたっぷり時間をかけて教えている。前半は異常に遅いのである。わたしは実際の授業を参観させてもらい自分の目と耳で確認している。計算力が低い生徒が多いので仕方のない面もあるが、それが後半部の授業速度に大きな影響をあたえている。翌年の学力テストでそこが生徒達のウィークポイントになってしまうことは言うまでもない。

 弊ブログの過去ログを調べてみたら「#2021 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(3):授業速度と学力  July 20, 2012」で、授業の速度が遅いので、懸念を表明していた。再掲する。

 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-20
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  曇り空、朝9時は11度、正午になっても12度、寒い日だ。仮装盆踊りは夜だから浴衣姿にはカイロでも入れておいたほうがいいかもしれぬ。

 7月13日に一番古い中学校である母校のフリー授業参観に行った。目的のひとつは数学の授業速度の確認だった。中3年生の授業でやっていたのは52・53ページの平方根の計算の箇所、分母の有理化のところだった。教科書は259ページあるから、20%しか消化していない。3年生は教科書消化に使える期間が9ヶ月しかないからいま85ページの辺りをやっていなければ1月末に教科書を終われない。理想を言えば3年生は12月末には教科書を終えたい。
 #1997でC中学校のフリー授業参観をとり上げているが、同じところをやっていた。A校もC校も授業速度は同じだから、同じ問題を抱えていることになる。(ZAPPERさんが以前取り上げていたように、学力テストのテスト範囲も問題ありだ。12月末で教科書を終了するスケジュールでテスト範囲を再編成すべきだ。)
*#1997 体育祭準備の授業つぶし:杜撰な仕事管理の実態&"すっ飛ばし"の原因 July 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-04

 再説することになるが、もう一度教科書の単元ごとのページ数を列挙する。
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fact 2: 章ごとのページ
1. 多項式  p.6
2. 平方根  p.34
3. 2次方程式  p.62
4. 2次関数  p.86
5. 相似な図形  p.112
6. 三平方の定理  p.148
7. 円  p.168
8. 標本調査  p.191
9. 巻末のページ 総合問題と復習 p.203~259
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 細かい計算は#1997を読んでいただくとして、簡単に結論を書いておく。
①いまの速度では単元の難易度を無視して単純計算で157ページまでしかやれない(単純計算値)
②2次関数、図形、統計とこれからやる単元のほうが難度が大きいからいまの授業速度では実際には100ページぐらいまでしかできない(ebisuの評価) 

 2月を総合問題に費やすとすると、1月中に教科書を終了していなければならない。3月初旬が入試だから3月は除外、そして夏休みと冬休みと修学旅行や体育祭などの行事で2ヶ月強、そうすると教科書をやる期間は次のようになる。
 12ヵ月-1ヵ月(3月)-2ヵ月(夏・冬・行事)=9ヵ月

 このままでは約100ページやり残すことになる。実際には、難しい単元をろくに計算練習もせずに「飛ばし」て授業をやり、終わったことにしてしまうから、成績上位10%の生徒以外は消化不良を起こしてしまう。あたりまえだろう。
 半数以上の生徒が中学校できちんと内容を理解していないから、高校に進学してから、2次関数の理解が浅い、数Aの「場合の数と確率」や「図形」のところでつまずく、「三角比」や「三角関数」でつまづく、というようなことが起きる。

 根室高校普通科ですら数学授業に支障が出ている。1年生のガンマクラス(最上位クラス)の授業は5年前には1月半ばから数Ⅱをやっていたが1ヶ月以上遅れている。今年から宿題の出し方に変化が出ている。プリントに問題番号を印刷してそこに書かせるというやりかたをとっている。小学生でもデキの悪い生徒への対処法だろう。そこまでやらないと勉強しないから、授業に差支えが出る、そういう事実を中学校の先生たちは知らないだろう。根室高校普通科ですらこの5年ほどで"幼児化"がずいぶん進んだ。
 社会人となったときに、仕事で必要な学習を自発的にできるのだろうか?やっていないことは案外できないものだし、宿題を出されて勉強することが習慣になっているから、自発的な勉強は大半の者たちができない、問題が出るよ。それほど高校卒業までの勉強の仕方は大事なんだ。

 現在の授業速度をベースにして計算してわかるとおり、授業時間数が足りないが、それを補うには週に2時間増やし、その時間を習熟度別にクラス編成して、問題演習に当てればなんとかなる。

 この学校では数学の先生は2人、補助教員が2人である。3年と2年が3クラス、1年が2クラスの合計8クラスだから、週当たりの数学の授業時間数は
 8クラス×4時間=32時間

 先生一人当たりたった8時間で、一日当たり2時間弱に過ぎぬ。
 週に2時間増やすとどうなるか?
 8クラス×6時間=48時間
 先生一人当たり12時間だから、1日当たり3時間弱である。
 先生たちがシフト勤務で土曜日に2時間数学を教えればいい。

 選択肢はいくつか考えられる。聞いている限りでは、
 ⅹ:習熟度別のクラス編成をして補助教員と教師2人体制の授業
 y:1クラスを習熟度別に2クラスに分割して教師1人体制の授業

 そして、
 z:従来どおりの授業にシフト勤務体制で土曜日2時間を追加(ebisu提案)

 いろいろな選択肢が考えられるが、現状を見る限り授業速度が遅く、授業時間数が不足しているのだから素直な対処は選択肢zだろう。もちろん、xやyにzを組み合わせてもいい。
 まずは、教科書をまともに教えきることに全力を注ごう

 もちろんこれだけでは成績下層の半数の生徒を救うことができない小数や分数の基礎計算能力に問題ある30%の生徒は放課後補習に強制参加させてリターン学習授業を実施しなければ学力の向上が見込めぬから、そのための放課後補習は数学の先生全員でやる自分の生徒は他人任せにせず、自分が放課後補習する、あたりまえの話だ。これもあたりまえだが、小学校の先生たちとも話し合おう。そうしないといつまでたってもよくならぬ。

 症状を見れば診断は簡単に尽くし、だれもが納得のいく適切な治療法もある。あとは学校で議論してどうするか決めればいい。

 学校のホームページを立ち上げて、何をどうするのか、そしてどうなったのか、次はどうするのか、PDCAを科目ごと・学年ごとに明らかにすればいい。個人情報ではないのだから学力テストの結果も学年別・科目ごとの平均点や点数の分布を明らかにするのは何の問題もあるまい
 PDCAには数値情報公表が不可欠である。当たり前のことを当たり前にやる、学力向上のために一切のゴマカシをせずに、正直に誠実に仕事をすればいいだけ。余計なことは考えない、雑念なし、根室の子供たちの学力を上げるために正しいと思ったことを素直にやればいい


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*#2014 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(2):イジメ&非行 July 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-15

 #2013 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(1):小中高のコミュニケーション July 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-14

 #1997 体育祭準備の授業つぶし:杜撰な仕事管理の実態&"すっ飛ばし"の原因 July 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-04

 #1988 学校の責任 June 28, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-27

 #1987 フリー授業参観感想記(2)  June 26, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-26

*#1940 職人技という視点から授業力を考える:C中学校フリー授業参観感想記  May 19, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19

 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14 


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 せっかくフリー参観授業をしても、地域社会の意見に耳を傾けなければ、なににもならぬ。フリー授業参観はやっているが、意見交換の場はない。私はたまたま学校管理職とお話しする機会があった。母校であること、一期生であること、近所に住んでいること、私塾の経営者であることは学校管理職はご存知である。
 しかし学校はあれから授業進捗管理に本気で取り組まなかったようだ、その結果が「あの騒ぎ」なのだろう。卒業生として残念である。
 他の4科目は大丈夫か?母校を思う卒業生の苦言に耳を傾け、誠実に取り組むのがベストだと思うのだが・・・。

 仕事は正直に誠実にしよう。渾身の力で


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*#2199 中3の授業進捗管理について Feb. 3, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-03-1

 #2200 ある中学生の意見 授業の進捗度について(釧路・転載記事) : Feb. 6, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-06-1

 #2201 ハネムーン期間(ブログ「情熱空間より転載」) Feb. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-06-2

 #2202 中3の授業進捗管理(2):騒ぎはなぜ起きたか? Feb. 7, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-07

  #2216 所得税申告と期限遵守の重要性:学校の授業進捗管理を考える Feb. 18, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-18



【2月17日追記】
 関係者が反省すべき点を箇条書きにします。
①生徒へのアンケートで引用した文章は#2189の意図を捻じ曲げるものであったが、作成した当のご本人は「文章をまとめる」という教育技術上の基本に立ち返ってその技術を磨きなおすことを希望します。教育者として素直に努力する姿を生徒に見せてやってください。

②この「アンケート」は上司である校長や市教委の了解の元になされたはずだから、それらの人たちは同罪であると心得ること。オリジナルと比べてみたら、中3の国語の問題で文章を要約しろとの問題だったとしたら、零点の答案だった。教育者(校長)や教育に関わる行政機関としてはまことにみっともない。

③学校が実施した「アンケート」に煽られて愚かな書き込みをした生徒諸君への忠告。
 かならずオリジナルを読み、自分の目で事実を確認してから書き込むこと。そして個人が特定されるようなハンドルネームの使用は避けること。

④アンケート作成者へ
 文章をまとめるという基本的な技倆を磨くこと。そして教育者に大事なことはまっすぐな心根をもつことです。母校の第一期の卒業生が7月13日のフリー参観ではじめてお会いして、ブログに授業参観の感想を書きますとはっきりご挨拶しておいたのに、そこで指摘した数学の授業進度への懸念に何も対策をとらなかったことが今回の「騒動」で明らかになりました。これは管理職として職務怠慢ですから、反省してください。ebisuは怒ってはいません。あなたが今回の「騒動」を通して優秀な管理者へと成長されることを心の底から祈っています。だから、たいへんなチョンボのあった市教委にもオフィシャルなクレームは一言も申し上げていません。

⑤私がブログで個々の教育問題をとりあげるのは、ふるさとの子供たちの学力が全国最低レベルのままであることにガマンがならぬからです。そのためにはきついこともブログで書きます。意図をとりちがえないように。


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#2188 英語大きらいな中2の生徒にはスラッシュ・リーディング Jan. 27, 2013 [72.フリー参観]

  中2の英語大きらいな生徒が教科書をせっせと写していた。
 プログラム9だから教科書消化率は70%くらい、どの学校も英語と数学は教科書の消化率が悪い。

 教科書の同等比較の文章をピックアップして単語を入れ替えたり、変形問題をいくつかやらせながら質問を捌きながら様子を見ていたら手が上がった、質問があるようだ。きれいに書けていたのでほめたら、和訳がわからないので教えてほしいという。
 教科書の後ろの単語表をみて新出単語は意味を調べるように指示をして様子を見る。だんだんいらいらしているのがわかる。

「どうだ、むずかしい?」
「どうやったらいいのかわかんない」

 みたらまったく手をつけていない。3文ほどチャンクで切りながら訳していったら、切らずに文全体の日本語訳がほしいという。要求にこたえたが、これでは勉強にならぬ、さてどうしよう。

 教科書に鉛筆でスラッシュを入れていった。同じようにノートに写した文にスラッシュを入れさせた。ついで、スラッシュで区切った句を訳していった。

「文全体の訳はやらずにおこう。スラッシュを入れたところ、そこのカタマリごとにだったら訳せるかな?、こういう風にやるんだ」

 そう言いながら、やって見せる。

「え、それだけでいいの?」
「それだけでいい、主語とか動詞とか目的語とか単語がいくつか組み合わさったものを句というんだ、句がいくつか集まって文ができている。だから、句単位で意味がつかめたら、もう半分以上文の意味がつかめているよ、やってごらん」
「語順:主語+動詞+目的語など+場所+時間」
「他の人もノートにメモッておこう」

 すこしやらせてから、三つの文にスラッシュを入れる。

「よくみてごらん、主語が来て、動詞が来て、つぎにその動詞の目的語があるだろ、その次に場所を表す句がきて、最後は時間を表す句がきているから。」

 3文やらせてから、

「英語は語順が決まっているんだ、それがわかれば楽になる、すこしわかったようだね」
「これならやれそうな気がする」
「家に帰ってから、もう一度みてやってごらん、来週月曜日に学校からまっすぐにおいで、三年生が何人かいるけど、続きをやろう」

 きらいな科目を授業のはじめは無愛想な顔をしてやっていたが、少し分かり始めたら表情がおだやかでにっこり笑顔がこぼれている。
 きらいなことをやるのが嫌で、多少短気な性格がわざわいしていたが、大きな山をようやく越えたのかもしれない。自分の性格的な欠点は自覚はしているのだが、なかなか乗り越えられないでこの半年ほどモンモンとしていた。
 でも、家で勉強する習慣がまだついていないから油断は禁物。

 小学校時代に家庭学習習慣をつけられなかった生徒は中学生になってから苦労が多い。たまにはやったはずだが、6年間家庭学習をほとんどしなければ、それが習慣になってしまっているから、直すのはよほど強い自覚がでてこないとむずかしい。他にもそういう生徒はいるが、いつまでも甘い顔はできない。
 彼ら・彼女たちは子どもから大人へ成長を遂げつつあるから1年生のときとは同じ対応はしない。年々厳しくして、大人の社会のルールを身につけさせる。社会人となったときにルールを守ってきちんと仕事ができるように、中学生から躾けないと間に合わない。

「教えたところの復習もしてこないと成績が上がるはずがない。ここは成績を上げるための塾だから、家で復習しない生徒はいらない。中2ももう終わりに近いから家で勉強してこない生徒、私語がとまらない生徒は休塾勧告をすることになるから、そろそろきちんとしなさい」

 社会人になったら言い訳はなしだ、それをやったら信用がなくなる。言われたことは期限の前にきちんとやり、言われなくても次に何をすべきか自分で考えて先手を打って仕事ができるように、数学と英語の勉強を通じてシツケをする。

 社会人になってからでは遅い、社会人になってきちんと行動できるような大人になるには、中高生のときの躾けが重要だ。

 体育系のブカツをやっていても、目上の者(先輩や先生)への口の利き方もしらない生徒が増えている。
 ダラダラ準備し、長時間やり、座学(理論研究)をしない。そんな低レベルなブカツに3年間浸かったら、毎日繰り返したやり方が習慣になり、しまいには性格になっている。
 社会人に要求されるのは、時間を半分にして同じ効果をあげうるトレーニングの方法を考え、実行して成果をあげることだ

 企業が要求することと真反対の行動スタイルをブカツで習慣にした生徒を採用したいと思う企業はないだろう

 話しを元に戻そう。スラッシュリーディングは高校でやるが、中2の英語がきらいな生徒にたいへん有効な指導方法であるといまさらながら気がついたしだい。これも英語がきらいな生徒がいるお陰である。試行錯誤を繰り返すうちに、ある日気がつく。

 昨日、看護師志望の英語が苦手な高校2年生が英検準2級を受験するので勉強に来ていた。問題集で分からないところに印をつけて、質問に来たのだが、スラッシュリーディングしながらシーンのつかまえ方を教えた。スラッシュリーディングで具体的なシーンが頭にくっきり浮かべばほとんどの問題はすぐに正解が見つかる。今日試験だ。

【瓢箪から駒】
 ディカルト『方法序説』(岩波文庫)、科学の「四つの規則」P.28より

「第ニは、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。」

 生徒の能力に応じて文を分割すればよかった、そうすれば自力で和訳ができるようになる。スラッシュ・リーディングはある程度英語ができるようになった高校生のための技術だと思い込んでいた。先入見があると中2の英語苦手の生徒に有効なことにすら気がつかぬ。
 先入見を解除するうまい方法があればいいのだが、それが見つからぬ。意識を集中することは、集中しないで意図的に360度全方向に分散させるのに比べたら実に簡単。集中を意識的に消すことはできるのだが、先入見を消す方法がみつかるだろうか?
 ありそうだ、酒を飲めばいい。よき仲間としたたかに呑む、酒量の多いうちが華だ。
 雪をかいだ後の本日の酒は八海山生酒、雪見酒と洒落てみた。女房殿はぜんぜん飲めないから、お気に入りのグイノミで雪景色を肴にちょこっと一杯、また一杯、ああ、だんだん先入見が消えていく。ようするに、おバカになればいいのである。(笑)

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#2186 フリー授業参観:C中学校 Jan. 25, 2013 [72.フリー参観]

 今日は雪が降っている。お昼頃になってツブが大きくなってきた。風は相変わらず吹いているから吹きだまりそうだ。

 午前中にC中学校の授業参観に行ってきた。1年生の数学と英語、3年生の英語授業を見た。他に社会の授業ものぞかせてもらった。


 わたしは数学と英語を教えているので、学校がどのような教え方をしているのか承知しておく必要がある。学校と同じことをやるのでは生徒は塾にくる意味がないから、別の角度から学習指導要領をはみ出した授業が望ましいのである。

 1年生の数学は空間図形のねじれの位置の説明のところだった。教室にぶら下がっている蛍光灯と窓のところに取り付けられた手すりを使って、
「これが交わりますか?」
と先生がある生徒を指名して質問した。すると生徒が、
「高さは?・・・」
三次元空間の高さを無視すると蛍光灯と手すりは同じ平面に置かれて交わることになるから、生徒はそれを確認したかったのだろう。授業では生徒から思わぬ質問が出るもので、そこが楽しい。少し考えてから女の先生は上手に捌いていた。
 わたしは教室の本棚のところにおいてあるテッシュボックスを使って説明しているが、大きい空間を使うとまた視点が違っていい。こういう引き出しを増やしておくことが大事だ。この先生、その後で箸のような色の異なる棒を二種類出してきて、生徒に選ばせてから「ねじれの位置」の説明をしていた。
「これだと平行ですが、ちょっとネジルと、ほら・・・」

 もう一クラスでは正多面体の組み立てをやっていた。正四面体、正6面体、正八面体、正十二面体、正二十面体全部をつくっていた。糊付けする者、テープで貼り付ける者、出来具合は個性が出ている。後ろの席の女の生徒がきれいにつくっていた。
「きれいにできてるね」
「ありがとうございます」

 別のクラスでも正多面体を作っていたが、こちらは色のついていない紙を使っていた。不器用な生徒が多いのか全体に雑で、きれいにできている生徒がいない。テープで張り合わせた者もいた。糊代を線の通りに張り合わせるのは案外難しい作業だ。
 人間の脳には性差があり、女の脳はイメージ処理が不得手にできているので、こういう風に実際に多面体を作って眺めて理解すると立体のところは「辺の数・面の数・頂点の数」の確認とそれらの間の関係理解が速くなる。
 わたしのところでも、イメージできない生徒には紙とハサミをわたしてつくらせて確認させる。

 数学は習熟度別に3クラスに分類されている。

 その後、3年生の英語の授業をすこしだけ見た。この先生の授業は次の1年生の英語でも見るのでほどほどにして隣のクラスの社会科の授業を見学させてもらった。根室市のハザードマップを使って、地震や津波のときにどこに避難するか確認していた。

 最後は、中1の英語だ。15cm×50㎝くらいの単語カードを使ってテンポのよい授業だった。これは教科書会社が提供しているカードだろうか。単元ごとにつくられており、他の学校でも同じカードを使っている。表に英語、裏に日本語が書かれている。こういうツールは使い勝手がいいが、教え方が同じになってしまうリスクもある。この先生は句単位で区切って先生と生徒が交互に読む音読トレーニングをやっていた。単調になりがちな音読を工夫していて、なかなか面白かった。こういう音読トレーニングは息が合うと楽しい、先生自身が楽しめるし、そうした気持ちは生徒にも「伝染」していた。後で聞いてみたら、テンポがいいから、このごろ英語が好きになり始めた生徒がでているようだ。いい授業だった。
 プログラム9-3をやっていたが、ここの音読は場面を思い浮かべて感情を込めるともっと楽しいはずだ。こんな文章である。最初の文は電話に出てお母さんに伝えているところだから、叫んでいる。だから、叫べばいい。
son: Mom! It's grandma.
       What are you doing?
Mother: I'm putting on my kimonos.
       Take a message, please.
son: Mom, grandpa is making ozoni for us.
       It's almost ready.
Mother: Oh, then, we can't be late.
       ・・・

【教科書は全部消化しよう】
 1年生の英語の教科書は140ページあり、「プログラム9-3」は97ページにある。消化率は69.3%だから、後一月半しかない1月下旬にここをやっていると全部消化するのは無理だ。単純割でも85%くらいの消化率でなければならない。授業進度は遅い。1年生の数学も消化率は変わらない。
 教科書を全部やりきる意識が低いのか、それとも授業スケジュール管理が甘いのか、ルーズになっているように感じた。学校祭や体育祭の準備で授業時間が相当つぶれているから、その辺を見直す必要はあるのだろう。それでも足りなければ、シフト勤務体制を組み、土曜日の授業をやるべきだ。速度を大きくして、放課後補習で対応してもいい。全道14支庁管内最低レベルにある根室の子供たちの学力を上げることは工夫と努力次第で必ずできる。
 教科書全部をきちんとやらないと、生徒達が勘違いをする。仕事って間に合わなくなったら、すっ飛ばしてやったことにしてもいいんだと受け止めかねない。なにがなんでも、放課後補習してでも、土日に授業してでも、きちんと教科書を終わらせたら、仕事って厳しいものなんだと生徒は受け止めるよ。それが社会人となったときに生きてくる仕事はごまかしてはいけないものなんだって、先生たちが背中で教えるべきなんだ。いま、まったく逆のことをやっているよ。ダメなことはダメなんだ。
 欲を言えば、2月半ばには教科書を全部消化して、総復習に1ヶ月充ててもらいたい。そうすれば4月の新学期の学力テストの平均点が10%は上げられる。
 成績が悪いと勉強は楽しくないが、学力が向上すると勉強を好きになる生徒が増える。好循環を生み出そう。

 折りよく、「釧路の教育を考える会」の副会長がブログ「情熱空間」で授業の進捗管理の実質上の指針となっている「学力テスト総合ABC」のテスト範囲スケジュールにクレームを表明しているので、あわせてお読みいただきたい。なぜ、こうも北海道の中学校の授業スケジュール管理が杜撰になっているのかその正体が明らかになっています。
*「北海道教育文化協会へものを申す(その2)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6248594.html


【授業を受ける姿勢の問題】
 気になったことがある、生徒の姿勢だ。学年に関係なく二重丸の付けられる生徒は1クラス25人に数人しかいない。完全にアウトと思われる生徒がやはり数人いる。ほとんどの生徒の姿勢が悪い。姿勢が悪いということは集中力がダウンしているということ。小学校6年間で癖になってしまっているから、中学校で治すのは至難だ。小学校低学年の授業で厳しく躾けるべきなのだろう。
 中学校の先生と小学校の先生が話し合う必要を感じた。小学校で6年間授業中に悪い姿勢で授業を受け続けたら、中学校で直すのは至難の業だ。場合によっては脊椎側弯症の原因になるし、もちろん学力低下にもつながっている。

【なぜ、フリー授業参観へいくのか】
 学校の先生の授業を見ることで、どういう教え方をしているのか知ることができる。塾で学校と同じような授業をしたのではまずい。生徒は塾で聞けばいいやと学校の授業に集中しなくなる。
 学習指導要領を無視して、それぞれの生徒の能力に応じた個別指導をしたい。できる生徒とできない生徒のまじったクラスでそれぞれ分からないところをピンポイントで説明する。理解力の大きい成績上位層の生徒には高校や大学の範囲まで教えて構わない。逆に何ヶ月も前にやったところを理解していないので問題に手のつかない生徒もいる。気軽に手を挙げて質問のできる生徒もいるし、内気で質問できない生徒もいる。だから、巡回してノートを見ながら、生徒に質問を掘り起こす。

 何をどういう意図で教えているのかを具体的なレベルで知ることは、学校と私塾が生徒に効果的な授業を提供するために大切なことなのだと思う。
 そして、小学校の先生と中学校の先生が話し合う必要もある。たとえば、授業のときの姿勢のシツケの問題や鉛筆のもち方の問題である。どちらも学習指導要領にはない項目だが、生徒の学力に著しい影響がある。
 地域の子供たちの学力を上げるためには、教育に携わる人々が垣根を越えてコミュニケーションする必要があるのだろう。

 他の塾のK先生も来ていたようだが、時間帯がずれたのかお会いできなかった。
 いろいろ書いていますが、フリー授業参観ありがとうございます。根室の子供たちの学力を上げる同志である先生たちみなさんに感謝しています。

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 <運動部活を指導している先生たちへ>
 ebisuは過度なブカツに反対しているだけで、ブカツすべてを否定しているわけではありません。長野県がつくった『運動部活指導の手引書』に準拠したブカツには賛成です。
 この手引書には、週に1日は休息日とすることや理論面の学習日をもうけることの重要性を指摘し、土日のブカツ禁止を明記しています。もちろん長時間のブカツも戒めています。これが文科省の方針でもあります(手引書の後ろのほうに文部省通達が載っています)。文武両道というよりも、文のほうに重点を置いた「武」であるべきだというのが文科省の方針と考えていいのでしょう。
 わたしは文武両道が理想で、そうあるべきだと思っています。
 現在のブカツは高校入試の内申に有利だという「俗説」に惑わされてたいした好きでもないのに参加している生徒が多いように見受けます。こんなに内申重視でなかった頃は、ブカツをやっている生徒は比率で見ると半分以下でした。
 「文武両道」を守れない生徒はブカツをやらせてはいけないのだと思います。学校は本来教育機関だからです。本業の学業を放り投げているような生徒はブカツをやる資格はないのだと思います。もちろん先生も本業の授業や放課後補習の手を抜いてブカツに入れ込むのはご法度です。

*#2182 おお、すばらしい! 運動部活動指導の手引書抜粋 Jan. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-21


#2089 B中学校フリー授業参観(2) Sep. 21, 2012 [72.フリー参観]

 今日(金曜日)も3時間目の授業を見てきた。三年生の数学を見たかったからだ。
  一クラスの授業が二つにグループ分けされており、基礎グループは10人、標準グループは26人だ。
 基礎Gは2次方程式を複数の先生で教えていたが、個別指導が間に合っていない。学校の先生たちは放課後補習をやらないから、できない生徒の個別補習に慣れていない様子。一人の先生が3人みていたが、手持ち無沙汰の生徒一人にヒントをあげたら、1問目なんとかクリア、「先生、これであってる?」と横の生徒に教えている先生に確認を求めていた。次の問題もやはり途中でつまづいているので、またヒントをあげる。これもクリア、三問目だ。X^2のところが多項式になっている2次方程式の二つ目の問題だ。答えが a±b√c になるタイプのもの。√12のままだったので、「ここ、まだ終わっていないよ」と該当箇所を指で押さえて小声で言うと、「わかった!」と正しく処理した。「数学は分かると楽しいだろう?」とまた小声で聞いてみた、「はい、楽しい!」、いい笑顔だった。
 余計な口出しをして申し訳なかった。個別指導はなれないとむずかしい。とくに成績の悪い生徒の個別指導は手こずるのが普通だ。個別指導のコツはヒントを出してやること、ただし生徒の段階に応じて最小限にとどめること、そうしないと生徒自身の達成感が薄くなるからだ。自分でやってできたという実感のわく指導の仕方がベスト、そのあたりの匙加減が経験値で決まる。そしてできたら、ほめてやることだ、「やればできる、必ずできるようになる」と言葉に出してあげると、自信が湧く。できなかった生徒ほど自力で分かったときには嬉しそうな笑顔を見せてくれる。
 隣の生徒に先生がノートに書き込んで説明していたが、姿勢が悪い。あ~あぶない、やはり姿勢が崩れたまま寝てしまった。やっかいなことに、勉強をしないことが習慣化されてしまった脳は、勉強を始めたとたんに拒絶反応を起こし、"ご主人様"を眠らせてしまう。たった十人の授業に先生が二人ついてもこういうことが起きるから、基礎Gのほうの授業のたいへんさがわかるだろう。どの学校、どのクラスにもたいていこういう生徒が一人か二人いる。
 その一歩手前の生徒たちの中には、問題に取り組み始めるとパニックを起こし感情がコントロールできなくなる生徒がいる。理性の座である前頭前野が未発達なのだろうと推測している。
 嫌なことを我慢してやり遂げるとか、勉強のときに使う脳の部位は同じところで、勉強することや我慢をさせることで、その機能が発達する。脳が発達するといっていい。ところが、家庭学習習慣がなく、親も甘やかす、ジジババも甘やかして、ブカツやゲーム三昧してきた子どもは、脳の前頭前野に負荷をかけることが著しく少なくなるから、未発達のまま中学生になっている。こういう生徒が一番厄介なのである。B中学校でも年々増えているよ。いま学年60~76人だが、最下位層の10人は5年前のB中学校には一人もいなかった。そして学力テストで400点を超える生徒が四分の一ほどに減少している。20人いたのが5人以下だ。原因の一つは小学校低学年で家庭学習習慣を躾けられない親が「激増」していることと、小学校の先生たちが授業力に問題を抱えていること、ブカツに異常に入れ込みすぎていることだ。ブレーキのない先生たちや保護者が多すぎるから、小学校のブカツは週に3日までと制限をすべきだ。学校行事で国語と算数の授業を平気で潰すのも大きな問題の一つに数えられる。具体的な問題はそれぞれ一つずつ解決可能なものばかりだ。

 成績で2グループにわけて、先生たちは成績不良の生徒を指導するたいへんさがわかっただろう。C中学校では三つのグループに分けたが、テストの平均点が30点台、60点台、80点台とはっきり分かれてしまっている。成績でクラス分けすれば、それがそのまま固定化することになる。
 成績下位層の三人に一人は同じことを10回、20回繰り返してもできない生徒がいる。それでも、できないという思い込みがとれれば何とかなる場合が多い。そこも個別指導のワザで、「バリア・リセット」とか「アレルギー反応鎮め」と呼んでいる。時間がかかる作業だが、これをうまくやらないといつまでたっても個別指導の努力が徒労に終わる。お互いに時間のロスだが、ここを一緒に乗り越える覚悟をこちら側がもたないといけない、あきらめたらそこまでになる。

 小学校6年間でつまづいた者が通常の方法では1年で治るわけがない。2年かけるつもりで取り組まなければならない生徒もいる。根気と観察と励ましが必要なのである。小学校に入学したときに家庭学習習慣をつける努力と本を読む環境を家庭(と学校)はぜひ心がけてもらいたい。努力のできる子ども、成績のよい子どもを育てるための大事なポイントがここにある。
 家庭学習習慣をシツケできずに六年間ほったらかしにしたり、小学校の先生たちが国語や算数を教え切れなかったら、中学校の先生たちはたいへんな苦労をすることになる。いままではクラス分けせずに、放課後補習もしなかったから、習熟度別クラス編成をして初めて成績下位層の生徒の学力を上げる大変さを実感しているはずだ。通り一遍の授業で何とかなるはずがない、基礎コースの授業はまだ思い違いがあるようにみえる。
 悪いことは言わぬ、ブカツは週に2度は休んで放課後補習をしてやんな。自分の生徒すら満足に教えきれないで放課後補習もやらずにブカツ指導している場合ではないだろう?さっさとブカツ指導は辞退して本業の授業と補習に渾身の力で取り組んでみたらいい。先生たちの個別指導のスキルが格段に上がるだろう。
 十点台の生徒が突然80点を超えるなんてことはないと思い込んでいるだろう。きちんと個別補習してやれば、5人に一人はそういう域に突入する。放課後補習をしないからわからないのだ。できない生徒を放置するな、あなたたちの仕事だ


 さて、標準Gのほうは2次方程式の文章題の最後のところで、教科書85ページの問題をやっていた。教科書の内容をきちんと教えるのはたいへんだ。一次関数との複合問題は大半の生徒が理解できていない様子で、先生は机の間を歩き回って、個別の質問に答えていた。
 86ページから2次関数だ、教科書は230ページくらいあったのではないだろうか。授業速度が遅い、これでは1月末で50ページ以上やり残すことになる。北海道でやっている学力テストの範囲スケジュールが学校の授業に悪影響を与えている。これ見直さないとダメだ。校長会の天下り団体がやっているという噂があるが、学校を辞めてから、悪さはするな。
 1月末までに教科書を終了させ、2月を総合問題に充てるスケジュールなら、いまごろは130~140ページあたりをやっていてほしい。とんでもなく遅れている。こんなに遅い授業速度で仕事の責任が果たせるのか、わたしは数学担当の先生たちの意見を聞きたい

 教科書の単元ごとのページ数を列挙する。
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章ごとのページ
1. 多項式  p.6
2. 平方根  p.34
3. 2次方程式  p.62
4. 2次関数  p.86
5. 相似な図形  p.112
6. 三平方の定理  p.148
7. 円  p.168
8. 標本調査  p.191
9. 巻末のページ 総合問題と復習 p.203~259
-------------------------------------------------------------


 ついでに、2年生の国語の授業を見た。生徒の机の上には例解国語辞典と漢和辞典(ベネッセ)がおいてあった。授業で使っているようだ。英語の授業はどの学校でも英和辞典を使っていない、おかしな話だ。いくら会話重視だって、辞書も引かないでどうやって勉強するの?日本語教育のほうは辞書を使っているから少しまともだ。
 生徒に作業をやらせるときには指示は具体的でなければならない。何をどうやるのか、何ページのどこを何回やるのかはっきり指示しなかったので、あちこちからな「なにやるの?」「どこやるの?」「何回やるの?」と声が上がっていた。先生という職業は一生勉強です。どんなに授業が上手になったつもりでも、生徒は一人一人違う、そして毎年新たな生徒が入学してくるから、工夫の余地がつねに生まれるもの。教師は毎日研鑽を積むしかない。指示されたのは漢字の読みと書き問題だった。
 「仮借」の例をいくつか黒板に挙げていたが、語彙説明をどのようにしたのか興味があったが、授業の終わりのほうだったので聴けなかったのが残念。
 いまの子どもたちは児童書の次のステップの本を読んでいる量が少ないから、語彙解説の頻度を増やしてやらないと、日本語を使った説明なのにちっとも授業で話されたことが理解できないという事態がおきる。国語の授業に限らず、語彙解説は必要だ。どこかの中学校の社会の先生が、語彙解説を工夫しながら授業をしていた。C中学校だったはずだ。なるほど、これなら生徒は理解できると合点がいった。

「ケイヨウシはメイシをシュウショクする」
と授業で説明して、適切な漢字を頭に思い浮かべ正しく理解できる生徒は中2では10~20%かな。
なかなか手ごわい生徒が多いのである。
 ニムオロ塾では、小学生も中学生も音読トレーニングをやっている。生徒たちの日本語語彙を豊にしたいためだ。使っている教材は、
中1 『読書力』斉藤孝著
中2 『国家の品格』藤原正彦著
中3 『すらすら読める風姿花伝』世阿弥著、林望現代語訳
   『日本人の矜持』藤原正彦著

 教室の後ろ側の棚の中に30冊ほど本が並べてあるが、内容が貧弱すぎる。C中学校のある教室が充実していた。北方謙三の『三国志』が文庫本で全巻揃っていた。他にも目に付くものがあった。
 市教委は各教室に文庫本でいいから毎年1万円程度の予算をつけてやればいい。良質な本が半分くらいあればいい。半分だけ生徒に選ばせてやろう。

*#2093 教員の質向上はどうやる?⇒ "Educating educators" Sep. 25, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25-1

 #2092 根室の子どもたちの大学進学率と地元企業の自己改革について Sep.25, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25

 #2090 プロの仕事をしよう:授業速度管理の提案 Sep. 23, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-23

 


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#2088 B中学校フリー授業参観 Sep. 21, 2012 [72.フリー参観]

 9月20日木曜日、市内B中学校の5時間目と6時間目の授業(英語・数学・社会)を見た。

 廊下ですれ違う生徒は元気な声で挨拶する。まあ、声が大きすぎるとぎょっとすることもある、挨拶だからほどほどがいい。2年生の英語をみたらプログラム6、to不定詞の副詞的用法をやっていた。来週中間テストの予定だから、出題されるのだろう、生徒たちも熱心に聞いている。
 文を黒板に並べて書いた。to不定詞はつけたし言葉だから、その前にスラッシュを入れて区切って教えるところはとてもいい。黒板の文例の( )の中に動詞を入れさせて一緒に読んだ。そのあとはプリント問題で同じ形式のトレーニング。わたしは生徒たちが黒板に書かれた「副詞的用法」という言葉の意味がわかっているのか疑問だった、説明がないのである。
 塾に来た生徒たちに「副詞的用法」の意味を聞いてみたが、一人も分かっていなかった。成績下位層の生徒たちは「副詞的用法」という日本語が分からないのである。「副詞」の意味から説明すべきだった。
 この授業にはもう一つ問題がある。名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法は日本の学校文法や受験参考書だけに顕われる特有な分類なのである。標準的な語学留学生用の文法問題集"Grammar in use Intermediate"には"-ing and the infenitive"があるが、こういう3分類はない。名著、Michael Swan "Practical English Usage"にも"COBUILD English Grammar"にも・・・・・そうした分類の記述はない。こういうこともさらりと教えておいていいのである。
 それほど遅れていないが、1月中に教科書を完了し2月を総復習に充てるには授業速度が遅いだろう。

 教科別に学校ホームページ上で、年間授業予定(教科書の章とページ数を明記)と結果について毎月進捗管理情報を公開すべきとebisuは思う。進捗が遅ければ、その先生はブカツの担当を外れて放課後補習や土曜日補習をやるべきだ

 数学の授業を見た。やっていたのは1次関数である。変化の割合の計算方法と座標を代入して1次関数の式を導き出すところをやっていた。座標を使った幾何的な視覚から解くのか、代数的な問題にして解くのか、教える側の嗜好も教え方に出てくる。高校数学までを考えると、前者をしっかり教えておきたい。意味理解ができるからだ。代数方程式に還元してしまうと、もう図形的な意味など関係なくなる。
 成績で1クラスを2グループ(別教室)に分けていた。両方見たが教えている内容が相当違う。成績のいいグループ担当のの先生は、簡単な散布図を描いて「どう直線を引く?」と引き方についての解説をした。直線との距離の差が一番小さくなるような線の引き方が正しいとまで解説した。成績のよいほうのグループだから、その差を「残差」といい、そういう線の引き方を線形回帰というぐらいの説明をしてもよかったのでは?
 高校では数Bで出てくるが、「コンピュータと統計」授業ではやらない。「EXCELで線形回帰計算ができるから、興味のある生徒は放課後パソコンルームにおいで」くらいのお誘いはあったほうがいいし、授業が面白くなる。文科省は学習指導要領を最低基準と評価替えをしたのだから、中学校の先生は相手(生徒)をみて、成績のよいほうのグループには中学校の範囲を越えてどんどん教えてほしい。そういう学校からはとんでもない能力の生徒が出てくる。もっと授業で「遊んで」ほしい。
 基礎グループのほうは先生が2名で教えていた。人数は十数人と少ない。このグループはほとんど全員分数計算が怪しい。逆九九をすらすらいえない生徒も半分以上いるだろう。通り一辺の教え方ですまして理解できるわけがない。基礎グループこそ教師の力量が要求される。どちらかというと、成績のよいほうのグループを教えている先生のほうが力量がありそうだったから、担当は逆のほうがいいかも知れぬ。数学を教えている先生と校長先生や教頭先生が相談して来年はどうするか話し合ってみたらいい。生徒たちは、配られたプリントをファイルにしてもっていた。たくさんのプリントが配られている。基礎グループには必要だ。
 1次関数までが中間テストの範囲である。その次から図形に入る。120ページ辺りまでやっていなければ1月中に教科書を終われない。すでに30ページほど遅れているといっていいだろう。後半部は、図形の証明問題だから前半の連立方程式や1次関数よりもずっと時間がかかるし、生徒たちが苦手とするところだ。
 学力テストの範囲表が問題なのである。こんな遅れた授業の進めかたでも間に合う、いや授業速度を遅くしないと学力テストの範囲表とずれてしまう。学力テストの範囲表をスケジュールの基本としてしまうと、後半部分はすっ飛ばしになるから、学力テストのスケジュール表が癌である。何とか協会でやっているらしいが、ここを何とかしないと道内の中学校はいつまでたっても全国最低レベルから抜け出せない。
 生徒が図形に弱いのは、図形がむずかしいだけではない。毎年、こういうふうに「すっ飛ばし」が行われるから半分以上の生徒が図形分野を理解できないのである。
 時間が足りなければ、ブカツをやめても放課後補習をやるべきだ。足りなければ土曜日も先生たちがシフト勤務で教えればいい。それくらいの覚悟と仕事に対する責任感をもって教えてほしい。

 教科書外のところ、例えば小学校の分数や小数の計算にはプリントが必要だが、やっている単元をプリントでやるのは感心しない。説明が手抜きになる

 3年の社会の授業を見学させてもらった。これもプリント中心の授業だ。特殊な例の問題が多かった。教科書の基本のところを黒板を使ってしっかり説明すると時間がとられる。プリントを使うと教えるほうは簡単になるが、今日のプリント問題で生徒が理解できているとは思えない。わたしは団塊世代で光洋中学校のときに全国学力テストがあり、それで社会の問題で550人中トップを取ったことがあるが、そのわたしが授業を聴いていても、「むずかしいな」と感じたから、社会が得意な生徒でも消化不良を起こしているだろう。使うプリントの難易度や出題傾向をもうすこし検討すべきではないだろうか?そして、もっと教科書に忠実な授業をすべきではないか。
 プリント中心の授業の問題は他にもある。黒板に書いたことを生徒がノートにとらないことだ。授業を聴いて黒板に書かれたことをノートに写すことで確認でき、記憶に言葉や絵柄が定着する。プリントを見て説明を聞いているだけで理解ができるほど生徒の成績はよくないはずだ。学力テストの平均点を見ればわかる。

 どの学校にも言えることだが、先生たちの服装について一言書いておきたい。大部分の先生がきちんとしている。体育の先生以外は、仕事なのだからワイシャッツにネクタイはあたりまえだ。女の先生たちも、普通の会社で女子社員がしている服装ぐらいの節度があっていい。
 ジャージズボンにTシャッツ姿はいただけない、次回はきちんとネクタイを着用してスマートに授業をしている姿を見たい。やれるでしょう?

 全国の校長先生へ
 新任の先生が来たら、最初に服装のことははっきり言おう。仕事に応じた服装というものがあり、それは社会人としての常識だと。シツケは最初が肝心。身を美しくすると書いて「躾(しつけ)」、いい字だ。

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*** 余 談 ***
【数学は役に立つ:線形回帰分析】
 1970年代の終わり頃、産業用エレクトロニクスの輸入商社へ中途入社した。自社の経営分析をして長期計画と年次予算を立てるのに入社2ヵ月後には科学技術計算用のプログラムのできる計算機を使っていた。小さいほうは11万円、感熱式のプリンタのついたほうは22万円もした。データもプログラムも細長い磁気カードに記録・保存できた。標準パッケージについていた線形回帰分析を多用したが、とても役に立った。
 毎月、25項目の経営指標を計算して予算を追っていた。偏差値評価も導入していたから、プログラマブル・キャリュキュレータHP97とHP67がなければ1日中電卓を叩いていなければ仕事が終わらない。バカバカしい、電卓で計算すると1日近くかかるのが、30分で終わった。余った時間でオフコンや汎用小型機ののプログラミングをして見たり、システム開発の専門書を読み漁ったり、米国の管理会計の本や管理会計とコンピュータシステムについての専門書を読み漁る時間が作り出せた。仕事で全部役に立った。
 自社の長期計画と年度経営計画を自社分析で設定した25項目の指標をベースに目標値を設定して、四半期ごとに管理した。コンピュータシステムを二つ開発して、為替損失を回避し利益を管理する仕組みを創り出した。これで、売上高総利益率が27%から40%超へと上がった。会社は財務体質を強化し高収益の企業となり、そのご店頭公開を果たすことになった。営業課長にEさんというすごい人がいた。その人と、ebisuのコラボレーションである。若い二人にまかせた2代目社長のSSさんが偉かった。社員200人規模の会社だったが、異質の才能をもった人間が二人出遭えば会社は大きく変わる。学力と情熱となにがなんでも変えてやるという不屈の闘志があればなんとかなるものだ
 
 84年に国内最大手の臨床検査会社へ転職し、8ヶ月で統合システム開発を完了し、全社予算の統括をした後、ラボへ異動になり、購買課の後、学術・開発部門に異動した。
 80年代終わりに沖縄米軍から要請のあった出生前診断の資料がたまたま学術開発本部でわたしの前に座っている女性スタッフのところに回ってきて、「社内ではあなたしかできないだろうから、あとは何とかしてほしい」とおだてられて、やれるかどうか資料を読んでみるからと受け取った。学術営業の担当が困っているというので、ニューヨークから取り寄せた資料を読んで、グラフからカーブフィッティング(曲線回帰分析)をして計算式を逆算した。アルゴリズムがわかったので、C言語の使えるプログラマーにプログラミングを依頼して、システムは1ヶ月かからずに完成し、沖縄米軍へ説明に行った。仕事は大成功。線形回帰分析やカーブフィッティング技術がなければできない仕事だった。いまはEXCELでそうした計算が簡単にできるから、生徒に体験させてみるのはいいことだ。すこし頭のよい中学生なら理解できる。
 この仕事の後で、K大学医学部と共同研究をやった。国内の妊婦の血液を採取して、日本人の基準値(MoM値)をつくろうという試みである。黒人のデータが白人よりも10%ほど高かったから、オリエントはどうなのだろうというのが関心事だった。事前の予測は白人と黒人の間くらいだろうと思ったが、結果はオリエントのほうが白人よりも30%も高かった。やってみなければ分からないものである。K大医学部のドクターが3000人の妊婦のデータをもとに統計解析した結果を研究資料にまとめ公表している。
 データ解析は応用生物統計の専門家がラボにいたから、沖縄米軍のアルゴリズム資料を渡して、多変量解析をするように依頼した。二つ年下のF君だ。彼はその道の専門家だから、簡単な説明をして資料を渡すだけでよかった。統計用のソフト、SASで多変量解析をしてくれた。
 かれは生粋の技術屋で書生の術など道でもいい人間、だから学会でも平気で得意先のでもある大学医学部のドクターとデータ解析をめぐって遠慮のない議論をして怒らせてしまう。創業社長が謝りに言ったことがあるくらいの頑固一輝の技術屋さん。腕は一流だから始末に終えない。(笑)
 こういう技術屋さんと仕事の打ち合わせは、相手の技術の内容、専門分野の知識がこちらにあると、スムーズにいく。安心感があり、信頼関係が生まれるからだ。「ebisuさんからの仕事だから」と快く引き受けてくれた。ラボにはこういう技術屋さんがけっこういる。10人以上の人たちと、なんどもそういう楽しい思いをさせてもらった。

 だから、高校生も中学生も、機会があったら、EXCELを使って線形回帰分析をやってみたらいい。数学の先生に聞けばきっと教えてくれる。数学は実社会で強力な武器に化ける。数学なんて役に立たないという「レベルの低い数学の先生」にだまされてはいけない。(笑)

(住宅ローンを借りるのだって、相手の言いなりではいけない。自分で返済計画を立てるぐらいの学力がなければ、ローン破産してしまう。リーマン・ショックはそういう学力弱者を狙い撃ちにしたサブプライムローンによって引き起こされた。基礎的計算能力はだれもが身につけておかなければならない重要なもの。つまり、数学は身を守る基本アイテムということになる。)


*#2090 プロの仕事をしよう:授業速度管理の提案 Sep. 23, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-23

 #2089 B中学校フリー授業参観(2) Sep. 21, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-21

 #2088 B中学校フリー授業参観 Sep. 21, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-20-1

 #2080 根高普通科「一橋大学入試問題」を数学定期テストに出題 Sep. 11, 2012 
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-10

 #2076 フリー授業参観(C中学校):教科書は期限内に終わらせてもらいたい Sep. 5, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-05-1

  #2021 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(3):授業速度と学力  July 20, 2012  
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-20

  #2014 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(2):イジメ&非行 July 14, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-15

 #2013 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(1):小中高のコミュニケーション July 14, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-14

  #1997 体育祭準備の授業つぶし:杜撰な仕事管理の実態&"すっ飛ばし"の原因 July 4, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-04

 #1988 学校の責任 June 28, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-27

 #1987 フリー授業参観感想記(2)  June 26, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-26

*#1940 職人技という視点から授業力を考える:C中学校フリー授業参観感想記  May 19, 2012 
 
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 #1935 フリー授業参観に行こう:C中学校  May 14, 2012 
 
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#2021 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(3):授業速度と学力  July 20, 2012  [72.フリー参観]

  曇り空、朝9時は11度、正午になっても12度、寒い日だ。仮装盆踊りは夜だから浴衣姿にはカイロでも入れておいたほうがいいかもしれぬ。

 7月13日に一番古い中学校である母校のフリー授業参観に行った。目的のひとつは数学の授業速度の確認だった。中3年生の授業でやっていたのは52・53ページの平方根の計算の箇所、分母の有理化のところだった。教科書は259ページあるから、20%しか消化していない。3年生は教科書消化に使える期間が9ヶ月しかないからいま85ページの辺りをやっていなければ1月末に教科書を終われない。理想を言えば3年生は12月末には教科書を終えたい。
 #1997でC中学校のフリー授業参観をとり上げているが、同じところをやっていた。A校もC校も授業速度は同じだから、同じ問題を抱えていることになる。(ZAPPERさんが以前取り上げていたように、学力テストのテスト範囲も問題ありだ。12月末で教科書を終了するスケジュールでテスト範囲を再編成すべきだ。)
*#1997 体育祭準備の授業つぶし:杜撰な仕事管理の実態&"すっ飛ばし"の原因 July 4, 2012 
 
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 再説することになるが、もう一度教科書の単元ごとのページ数を列挙する。
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fact 2: 章ごとのページ
1. 多項式  p.6
2. 平方根  p.34
3. 2次方程式  p.62
4. 2次関数  p.86
5. 相似な図形  p.112
6. 三平方の定理  p.148
7. 円  p.168
8. 標本調査  p.191
9. 巻末のページ 総合問題と復習 p.203~259
-------------------------------------------------------------

 細かい計算は#1997を読んでいただくとして、簡単に結論を書いておく。
①いまの速度では単元の難易度を無視して単純計算で157ページまでしかやれない(単純計算値)
②2次関数、図形、統計とこれからやる単元のほうが難度が大きいからいまの授業速度では実際には100ページぐらいまでしかできない(ebisuの評価) 

 2月を総合問題に費やすとすると、1月中に教科書を終了していなければならない。3月初旬が入試だから3月は除外、そして夏休みと冬休みと修学旅行や体育祭などの行事で2ヶ月強、そうすると教科書をやる期間は次のようになる。
 12ヵ月-1ヵ月(3月)-2ヵ月(夏・冬・行事)=9ヵ月

 このままでは約100ページやり残すことになる。実際には、難しい単元をろくに計算練習もせずに「飛ばし」て授業をやり、終わったことにしてしまうから、成績上位10%の生徒以外は消化不良を起こしてしまう。あたりまえだろう。
 半数以上の生徒が中学校できちんと内容を理解していないから、高校に進学してから、2次関数の理解が浅い、数Aの「場合の数と確率」や「図形」「論理と命題」のところでつまずく、「三角比」や「三角関数」でつまづく、というようなことが起きる。

 根室高校普通科ですら数学授業に支障が出ている。1年生のガンマクラス(最上位クラス)の授業は5年前には1月半ばから数Ⅱをやっていたが1ヶ月以上遅れている。今年から宿題の出し方に変化が出ている。プリントに問題番号を印刷してそこに書かせるというやりかたをとっている。小学生でもデキの悪い生徒への対処法だろう。そこまでやらないと勉強しないから、授業に差支えが出る、そういう事実を中学校の先生たちは知らないだろう。根室高校普通科ですらこの5年ほどで"幼児化"がずいぶん進んだ。
 社会人となったときに、仕事で必要な学習を自発的にできるのだろうか?やっていないことは案外できないものだし、宿題を出されて勉強することが習慣になっているから、自発的な勉強は大半の者たちができない、問題が出るよ。それほど高校卒業までの勉強の仕方は大事なんだ。

 現在の授業速度をベースにして計算してわかるとおり、授業時間数が足りないが、それを補うには週に2時間増やし、その時間を習熟度別にクラス編成して、問題演習に当てればなんとかなる。

 この学校では数学の先生は2人、補助教員が2人である。3年と2年が3クラス、1年が2クラスの合計8クラスだから、週当たりの数学の授業時間数は
 8クラス×4時間=32時間

 先生一人当たりたった8時間で、一日当たり2時間弱に過ぎぬ。
 週に2時間増やすとどうなるか?
 8クラス×6時間=48時間
 先生一人当たり12時間だから、1日当たり3時間弱である。
 先生たちがシフト勤務で土曜日に2時間数学を教えればいい。

 選択肢はいくつか考えられる。聞いている限りでは、
 ⅹ:習熟度別のクラス編成をして補助教員と教師2人体制の授業
 y:1クラスを習熟度別に2クラスに分割して教師1人体制の授業

 そして、
 z:従来どおりの授業にシフト勤務体制で土曜日2時間を追加(ebisu提案)

 いろいろな選択肢が考えられるが、現状を見る限り授業速度が遅く、授業時間数が不足しているのだから素直な対処は選択肢zだろう。もちろん、xやyにzを組み合わせてもいい。
 まずは、教科書をまともに教えきることに全力を注ごう

 もちろんこれだけでは成績下層の半数の生徒を救うことができない小数や分数の基礎計算能力に問題ある30%の生徒は放課後補習に強制参加させてリターン学習授業を実施しなければ学力の向上が見込めぬから、そのための放課後補習は数学の先生全員でやる自分の生徒は他人任せにせず、自分が放課後補習する、あたりまえの話だ。これもあたりまえだが、小学校の先生たちとも話し合おう。そうしないといつまでたってもよくならぬ。

 症状を見れば診断は簡単に尽くし、だれもが納得のいく適切な治療法もある。あとは学校で議論してどうするか決めればいい。

 学校のホームページを立ち上げて、何をどうするのか、そしてどうなったのか、次はどうするのか、PDCAを科目ごと・学年ごとに明らかにすればいい。個人情報ではないのだから学力テストの結果も学年別・科目ごとの平均点や点数の分布を明らかにするのは何の問題もあるまい
 PDCAには数値情報公表が不可欠である。当たり前のことを当たり前にやる、学力向上のために一切のゴマカシをせずに、正直に誠実に仕事をすればいいだけ。余計なことは考えない、雑念なし、根室の子供たちの学力を上げるために正しいと思ったことを素直にやればいい


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*#2014 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(2):イジメ&非行 July 14, 2012 
 
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 #2013 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(1):小中高のコミュニケーション July 14, 2012 
 
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 #1988 学校の責任 June 28, 2012 
 
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 #1987 フリー授業参観感想記(2)  June 26, 2012 
 
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*#1940 職人技という視点から授業力を考える:C中学校フリー授業参観感想記  May 19, 2012 
 
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 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
 
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#2014 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(2):イジメ&非行 July 14, 2012 [72.フリー参観]

 イジメも非行も学力問題と関連がある。しかし、それがすべてでもない。切り口はタバコの問題だった。最近1年間は学校のグランド外側を散歩することがなくなったのでどうなっているかは知らないが、以前は体育館周辺にタバコの吸殻がたくさん散乱していたし、授業時間中に数人サボってたむろしている生徒がいた。そのなかに喫煙する生徒がいる。何度か追いかけたことがあるが、足が速くて追いつけない。
 あるとき一人体育館横に座ってタバコをすっている生徒がいたので、近づいて行ったら、あわてて隠した。
「私は君の先輩でこの中学校の一期生だ、タバコすっていたね」
「・・・」
「素直に認めるもんだよ」
「吸ってました」
「校内ではやめなさい。この中学校はずいぶん昔不審火で燃えたことがある、いまの校舎はその後に建て替えられたものだ。いけないことはいけない。校内での喫煙は許されない。」
「はい」
 案外素直な生徒だった。一緒に横に座って、
「ところで、どうして一人でいるんだ?」
「友だちいないから・・・」
「ほう、めずらしいな、たいがい誰かを誘って一緒にさぼるものだが、一人か」
「・・・」
「授業のほうは大丈夫か?いまもどってついていけるか?」

 勉強できないけどなんとかなると言ったような気がする。案外素直ないい生徒だと思ったから、最後の質問はついていけなければ学校終わったら3ヶ月ぐらいまっすぐにニムオロ塾に来いというつもりだった。話してみればebisuにとってはめんこい後輩である。
 それ以来体育館周辺で彼の姿をみることはなくなった。

 母校は授業をサボって喫煙する生徒が多くて、数年前に一度校長先生に苦情を言ったことがあった。授業時間がびっちりつまっているわけではないから、空いている教員が一日に2回ぐらい体育館周辺を見て周り、注意すべき、そして吸殻も毎日拾い集めるべきだと。吸っている生徒が誰かを学校側は承知している。授業はサボるし、臭いがするからすぐにわかる。
 教頭先生が昔、新任でこの中学校に配属されたときに、百本以上も吸殻を拾う日があったという。学校でも親にタバコを買い与えないようにと伝えているが、それでもなくならぬ。
 繰り返し注意してやめない生徒がいるが、学校内での無法状態を許してはいけないのだと思う。警察生活安全課と話して法に基づいた対処をすべきだと伝えた。
 違法状態を放置しておくといろんなところにゆるみが出てきて学校が荒れてしまう。やっていいこと、やって悪いことをはっきり区別しなければならない。ここからは許さないとはっきり線引きすべきとebisuは思うがどうだろう?

 イジメ問題で塾生と母親から相談を受けたことがある。ダンベルを投げつけられて避けそこない足に当たった。頭や胸や背中に当たったら、大怪我だろう。場合によっては命に係わるから、「しばらく学校を休ませて塾で勉強させたい、ついては毎日見てもらうのに授業料はいくらでしょうか」という相談だった。別途手を回すことも考えたが、いくつか事情があってとりやめ。
「事情が事情ですから、授業料はいつもいただいている分だけでけっこう、追加料金はナシです、命をかけて学校へ行く必要はないからすきなだけ塾で勉強すればいい」
 学校のほうには「イジメがあるから休んでいます」と具体的な事実を挙げてはっきり言えばいい。休み続ければ学校はそのうち放置できなくなるから(笑)・・・それでいい。
 自分が担任でも、生徒がイジメで2週間も休むようなことがあったらあわてるしもちろん動く、動かざるをえない。言ってだめなら、長期戦ができるように塾先生に勉強の面倒をしばらく見てもらえばいい。根室は幸いに田舎だ、どこの塾だって塾長は例外なく生徒の面倒見るよ。
 塾生でなくたってebisuは面倒見るから、ひどいイジメにあったらしばらく休んでいい、ebisuのところへおいで。3ヶ月ぐらいならボランティアで面倒見るから。それでも事態が好転しなければ、学校へもイジメをしている生徒の親へも掛け合ってあげる。

 ふるさとに戻ってから10年だが、記憶にあるイジメはもう一つあった。開塾した翌年だから2003年だっただろう。生徒があるときこんなことを言った。
「先生、おれ、毎日塾に来ていたことがあったでしょう、あれイジメにあっていたんだ、毎日毎日学校へ行くたびに殴られて、学校へ行くのが嫌になって学校休んでいたんだ。勉強遅れるの嫌だったから毎日(塾に)来てた。毎日塾に来ていいかって聞いたら、先生いいよって言ったでしょ」
「ああ、そうか、成績上がり始めていたから勉強好きで来ていると勘違いしてた。数学も英語もクラスで1番をとれるようになったから(1年の12月に塾へきたときには英語が10点台だった)、成績上げたくて"毎日来ていいか?"って聞かれたと思っていた。鈍感だったな、そうかあのころ(2年生お終わり頃)イジメにあっていたのか」
 うかつだった。細くて背の大きくない生徒だった。

 たまに生徒から、「先生毎日来ていいすか?」と聞かれることがあるが、そういうときは「学校が終わってまっすぐなら4時から7時まではOKだ」と理由を問わすに許可している。
 言いたくなるときが来れば理由を告げるものだ、それまで待てばいい。要は周りにSOSを出せる大人がいることだ。学校の先生に相談できないとか、相談してもダメだとなると塾先生に相談してくる、それでいい。半分くらいはイジメの被害者である生徒から相談されるような先生であれ。たまには一緒に遊んでやるとか、"居残りしろ"と命令して、個別補習する傍ら、話しを聞いてやればいい。
 問題なのはこういうイジメは例外ではなく、日常茶飯事に起きているかもしれぬということ。塾に通っていない生徒もいる。勉強が遅れることを気にして休めず、毎日イジメの被害にあっているこどもが今日現在もいるかもしれないとお二人の先生に伝えた。

 がっかりする話しを書いておく。最近、高校である問題が起きた。本人は反省しているようだから具体的なことは書かぬが教員の資質が問われている。私が高校生のときなら生徒会が動く問題となっただろう。表沙汰にしないで学校側と交渉して問題を解決するくらいの交渉力が当時の生徒会にはあった。いまは親が出ざるをえない、ことは生徒と生徒の問題だけではない。先生も生徒も幼児化しているようにみえる。
 しっかりした先生が半分いれば充分だが、中にはとんでもない心得違いの者もいる。こんな教員はイジメ問題ではさっぱり頼りにならないから、これを機会に成長してほしい。災い転じて福となす。(笑)
 ebisuは若い頃に道立高校から「来週から赴任してほしい」と採用通知をいただいたことがある。80年代前半で社運を賭けた大きな仕事(利益拡大のための統合システム開発の責任者)を任されていたのでお断りしたが、高校社会の一級免許と商業科目の普通免許だから、応じていれば最後はわがままを許してもらい母校の校長先生ぐらいはやらせてもらえたかもしれぬ。週に一度は学校の中を巡回し「正直に誠実に、渾身の力で仕事しろ」と口を酸っぱくして言うだろうから、口やかましくて嫌われただろう。(笑)

 先生は正直であるべきだ。イジメの問題を相談されたら、あるいは目撃したり聞いたりしたら、断固とした態度をとるべきだ。
「イジメは卑怯者のすること、人間の屑だ」
そう、生徒たちに繰り返し強く伝えるべきで、理屈抜き、躊躇があってはならぬ。

 たまたま生徒が自殺していないだけで、大津事件に近いイジメが根室でもあるかもしれない。大津事件はイジメの域を超えており、犯罪である。
 似たような事件が起こりそうになったときに、自分たちの都合を度外視してイジメと真正面から対峙できるか否かが学校と先生たちに問われる、たいへんだと思う。あれは大津市の中学校だけの特殊な問題ではなく、わが母校にもありうる問題だ。

 いざ事件が起きたときには正直に対処しなければならない。教師は聖職だから、その場を逃れるために嘘をついてはいけないし、逃げも許されない。

 それにしても、消費税は断固上げないとマニフェストで言い切って政権党となった民主党の総理大臣が今度は「命がけで消費税を上げる」と言い、その通りやりつつある。真反対のことをやりつつあるのだからあきれる他はない。これが一国の指導者である、地方政治の根室市政も同じ。病院建て替え問題でなんどか大きな嘘をついたことはブログで具体的な事実を挙げて述べている。根室の教育委員会もいじめ問題ではさっぱりあてにはならないのだろう。

 イジメ問題が起きたときにはまずは担任教諭、そして校長と教頭が自分の立場を守るために嘘をついてはいけない。わが母校の校長先生と教頭先生がその辺の対処を間違える人ではないと確信した次第。たった30分の懇談だが貴重な時間だった。
  今後、イジメの問題が起きたら、母校と協議ができる。学校と地域社会の結びつきが強くなるということだろう。C中学校の校長先生とも話しができる。
 「いじめは卑怯者のすること」「卑怯な振る舞いは人間の屑のすること、そういう人間には決してなるな」「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」、「仕事は正直に誠実にやるべし」、イジメ問題もここのところがしっかりしていれば、どう対処したらいいのか迷うことはなくなる。

 昨日、歯舞中学のヨサコイを見た後で拍手をしたら、「○○、お前の拍手が一番大きい」という声がするので、みたら2年先輩のYさんだった。すぐそばに前教育長のS先輩、そしてB中学校長もいた。Yさんは柏陵中学校長と光洋中学校長をしたことがある。私が根高1年生で柔道部のときに横で竹刀を振っていた剣道2段の3年生だった。親友の兄貴でもあるから、この人には頭が上がらない。(笑)

 さて、あと1~2時間もしたら釧路から「釧路の教育を考える会」の副会長と事務局長が来る。ゆっくり飲みながら教育談義に花が咲く。


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 週に一度、月曜日の朝礼で会津の什の掟を生徒とともに朗誦してほしい。最後の条は"江戸時代はそうだった"と笑ってすませよう。(笑)

会津藩、什の掟

 一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
 一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
 一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
 一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
 一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
 一、戸外で物を食べてはなりませぬ
 一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ

 ならぬことはならぬものです


*「人権教育など糞食らえ!(卑怯が許されないことをこそ教えよ)」ブログ情熱空間より
 
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/5683256.html
 
**ブログ仲間のkatuyoさんがめずらしく憤慨している、正直な人だ。
 「大津いじめ事件」、「デヴィ夫人のBlog」
 
http://blog.livedoor.jp/winma123/archives/2012-07.html#20120711


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*#2045 bullying(繰り返し行われるイジメ)=犯罪 Aug. 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-08-1

 #2013 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(1):小中高のコミュニケーション July 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-14

 #1997 体育祭準備の授業つぶし:杜撰な仕事管理の実態&"すっ飛ばし"の原因 July 4, 2012 
 
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 #1988 学校の責任 June 28, 2012 
 
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 #1987 フリー授業参観感想記(2)  June 26, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-26

*#1940 職人技という視点から授業力を考える:C中学校フリー授業参観感想記  May 19, 2012 
 
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 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
 
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#2013 母校(中学校)の校長・教頭先生との対話(1):小中高のコミュニケーション July 14, 2012 [72.フリー参観]

【フリー参観授業】
 ebisuの家はある中学校(母校)前にある。文科省は地域社会へ学校を開くことを要求しており、わたしは7月13日金曜日のフリー参観のために母校を訪れた。
 授業のことは稿を改めて書くつもりだ。私は団塊世代で、旧根室中学校が光洋中学校と柏陵中学校に分かれたときに一年生で入学した「光洋中学一期生」。1学年10クラス550人、全校生徒約1500人のマンモス校だった。現在は1年生2クラス62人、2年と3年が各3クラスの合計8クラス約250人。昔の歯舞中学校より少し大きい規模だろうか。

【全国最低レベルの学力問題:学校間垂直コミュニケーションがはじまっている】
 たまたま校長先生と教頭先生に30分ほど話しをすることができた。もちろん話題の中心は根室の中学生の学力について。
 北海道は全国学力テストで最下位レベル。その北海道の14支庁管内で根室管内は最低レベルの学力。つまり根室市内の子供たちの学力はまぎれもなく全国最低レベルということ。
 学力テストの結果をみると基礎計算分野でつまづいている生徒が40%ほどいるので、学校として週に2日ぐらいブカツ休止日をもうけて、成績の悪い生徒を強制参加させる放課後補習をしてほしいとストレートを投げてみた。
 小学校で分数や小数の四則演算が満足にできないまま中学生になった生徒が30%ほどいて、その内の3分の2ほどが根室西高校へ入学し、高校の先生たちが小数や分数の基礎計算から教えている、そうした現状をどう思っているか率直に聞いてみたかったのである。
 校長先生曰く、一部で放課後補習をはじめたという。そういえば、3年生の数学授業で有理化のできなかった生徒に授業中に先生が「居残りだな?」と問いかけていた。
 驚きだったのは光洋中学校の先生たちに根室西高校の先生たちの授業を見学させたということ。どういう現状か、とにかく高校の数学の先生たちが新入生に小数や分数を教えている姿を中学校の先生たちが自分の目でみることは大事なことだ。生徒の人生は高校へ入学した途端にリセットされるものではなく、中学校でやり残したツケを高校で支払わなければならないようにできている。きつい現状を自分の目で見て、その上で、中・高の先生たちがコミュニケーションし、連携しないと解決できない問題がある。高校で生徒の人生が終わるわけでも、卒業と同時にそれまで基礎学力をつけられなかったことをリセットできるわけでもない。生徒は小学校で学び損ねた分数や小数の計算を中学校でも学べず、高校に入ってからようやく学ぶのである。そうしてその分高校の学習は遅れ、根室高校普通科の半分程度しか学科の内容が消化できず、高校卒業時点で学力の差はさらに大きくなっている。そしてそれを抱えて社会人となる。大きなハンディがつき、それを挽回するのに他人の何倍かの努力をすることになる。それができない者は、小学校、中学校、高校とますます大きくなっていった基礎学力のハンディを一生背負い続ける。
 小学校も中学校も高校も、生徒がその先の人生をどう歩むか、そのためにはそれぞれの段階で最低限どういう基礎学力を身につける必要があるのか、そうした観点から日々の授業のあり方、補習の仕方を見直し考え抜かなければならない。それは仕事に対する責任である。
 だから、小数や分数の計算を教え切れていない小学校の先生たちに対して中学校の教科担当の先生たちから現状を率直に話す機会をもつべきだと話した。蛇口を開けっ放しにしていたのでは中学校で今後放課後補習を実施しても限(キリ)のないことになる。そういうわけで根室のこどもたちの学力を上げるためには小・中・高の連携が必要なのだ

【新入中1生の基礎学力チェックと小学校へのデータのフィードバック】
 校長先生曰く、新入生に基礎計算テストをやらせ、問題ごとの誤答率表を作成して成央小学校へデータを渡しているとのこと、なかなか立派なことだ。現物を見せてもらい、問題が簡単すぎると思ったので、小数同士の割り算と三桁の掛け算問題も入れてほしいとお願いした。根室高校3年生でも3桁同士の掛け算のできない生徒は三分の一はいるのではないだろうか?やったことのないのは三桁同士の掛け算といえどもできないもののようだ。
 実際に行われたチェック用の問題と誤答率について実例を挙げてご覧に入れよう。
------------------------------------------------------------
 問題          誤答率
(48) 2×8×2×4×5 ⇒ 23%
(58) 9+8×2     ⇒ 26%
(65) 0.5×0.5     ⇒ 52%
(68)  331.5+0.6×20⇒ 50%
(69) 3÷5        ⇒ 31% (答えは小数でなくて分数で)
(70) 1÷3        ⇒ 23% (答えは小数でなくて分数で)
(71) 5/3-1/4     ⇒ 27%
(81) 3/4÷6      ⇒ 27%
(83)  8÷14/5×7     ⇒ 29%
(86)  180:( )=5:3   ⇒  26%
------------------------------------------------------------

 誤答率20% 以上のものだけピックアップした。基礎計算問題は11/86=12.8%の問題が誤答率20%を超え、短文の文章題は7/14=50%が誤答率20%を超えている。計算問題86題のうち、47番までは小学2年卒業時で100%正答できるレベルの簡単な加減算と乗算の問題である。
 簡単な短文章題の半分ができないということは、基礎計算能力だけでなく、日本語の読解力が著しく低いと読むべきなのだろう。
 大半の生徒が、本は読んでいても読解力向上につながらない、漫画の本、児童書、語彙レベルの低い少年少女小説の域をでていないのだ。大人の本への橋渡しがなされていない現実を直視すべきだ。生徒たちはいつまでも「乳歯レベル」の読書を抜け出ることができない。大人のかたい本=「永久歯レベル」の読書への橋渡しをやらなければならない。このまま放置すると自力で永久歯レベルの本を読む生徒は3%以下になる。後で述べるが、読解力(読書力)の低い生徒は中学校で成績が頭打ちになり、高校生になっても成績が伸びない傾向がある。朝読書はじつにおろかな手抜きの対処法であるのだが、それについてはあとでもっと具体的に書く。
 さて、成央小学校の先生たちはこのデータを見てどう思ったのだろうか?来年はさらに改善してくれることを期待したい。この問題は成央小学校だけではない、創立136周年を迎えた(わが母校)花咲小学校も北斗小学校も同じ問題を抱えている。

【家庭学習習慣育成に係わる問題】
 家庭学習習慣に話しがいった。五段階評価ではなくアンケートは、1日平均1時間以上勉強している生徒がどれだけ、30分以下はどれだけ、2時間から3時間はどれだけ、3時間以上の割合は?というように時間数で区切って集計してもらうとわかりやすいので、その旨申し上げた。私の感触では中1年生で約半数が家庭学習習慣ゼロに近い。
 小学校6年間家庭学習をやらずブカツに明け暮れた生徒は、中学生になっても家庭学習習慣を育むことが著しく困難である。やらないことが6年間続いて「生活習慣」となっているから、中学校の1年間ではほとんどが治らない。生活習慣病との闘いである。
 だから、中学校で宿題を出してもやらない生徒が半分いる。できるはずがないから答えを丸写しして提出。先生たちは提出物とテスト結果の両方を見ているから、現実を承知しているはずだ。だが、放課後補習はしない。一部の、ごく一部の先生が個人的努力で放課後補修をしていたのは承知している。ありがたい。光洋中学校にも最近までそういう先生がいた。私はOBとして、その先生に深く感謝している。最近お会いしてその旨伝えることができた。「ありがとうございます」と顔を見て言えるのはうれしいものである。
 家庭学習習慣を育むポイントはどこにあるかという質問が校長先生からでた。鍵はどこにあるのかというと、就学期(小学1・2年生)にある。この時期に家に帰ってきたら、お母さんが足し算問題や引き算問題を10題ほど書いてやらせる習慣をつける。あっていたら大きなマルをつけてほめてやる。国語は習った言葉で短い文章を二つ書かせてみる。新しく習った漢字を書かせてみる。こういうことは母親なら誰でもできる。たったそれだけのことを2年間繰り返せばいい。どんなに成績の悪かったお父さんやお母さんでも小学校1,2年生は教えることができる。少しレベルの高い本を2冊買って、テレビを消して、毎日15分、30分一緒に読んでやればいい。子育ては努力が要る、手間を惜しまなければそれだけの効果は、いやそれ以上の効果が必ずある。
 新入学時の保護者懇談会でやり方を具体的に説明すればいい。中学校から小学校へ具体的な要請事項として家庭学習習慣の育成のためになすべきことを伝えればいい。だから、中学校と小学校の組織的・継続的なコミュニケーションが大事なのである
 根室にだって上手に子育てをして実績を上げた親たちがいる。私の友人のAもそういう中の一人である。実に単純で上手なやり方で、子供三人を光洋中学校から釧路湖陵高校に進学させ、三人とも国立大学へ入れた。先ほど書いた算数と国語の家庭学習は彼から聞いた話しの受け売りである。プロの私が納得する立派な躾け方だ、そして根室の親たち全部が自分の努力でできることである。残念ながら気がついていないから、親たちに気づかせるために1年生の入学時の保護者懇談会を利用すればいい、そして継続的に「学力向上保護者懇談会」を開けばいい。
 小学校低学年での家庭学習習慣のシツケはそれほど難しくない。だが、そこで躾けそこなうと、中学生になってから家庭学習習慣を育むことは至難の業になってしまう。鉄は熱いうちに打てというではないか、その通りなのだ。
 これは同じ学区の中学校の先生と小学校の先生たちが話し合えば何とかできる、ebisuも友人に話してボランティアで家庭学習習慣育成の具体的なやり方について話してもらえるように、段取りはお手伝いできる大学院卒のわたしなんかよりも、高卒の同級生の彼の方がずっと上手だ。ちっぱな奴で、自慢のできる同級生の一人だ。A君、仲間内ではAと苗字を呼び捨てにしている、君もサンもつけない。お互いにそうだ。呼びやすい名前だと、苗字ではなく名前や愛称で呼ぶ。還暦を過ぎた爺どもが、よっこ、おとや、あお、きよし、えんちゃん、にゃんこ、こうじ、みね、つねみ、ひろし、おさむ、としなどといまでも呼び合っている。(笑)

【朝読書は効果なし:学力向上のための音読トレーニングの必要性】
 朝読書の問題についても話し合ってみた。読書力のある生徒は高校生になってからでも成績が伸びる余地が大きいのに対して、読書力の低い生徒は成績が早く頭打ちになる傾向がある。どの教科書も日本語で説明されているから、日本語能力の高さが学力に結びついていることは容易に想像がつく。数学の簡単な短文小問題ですら半分の問題が誤答率20%を超えているのは読解力と読書力不足だ。
 誤答率40%超が14題のうち4題だ。本は読んでいたとしても、漫画の本や簡単な少年少女小説レベル、ここに大きな問題がある。短文章ですら意味が理解できていない
 絵本から、児童書まではお母さんたちが何とか面倒を見ている。しかし、児童書や娯楽小説からもっとレベルの高い「永久歯」の必要なかたい本を読む生徒となると激減である本が好きな生徒、3パーセントがそういう領域に踏み込むことができるだけ
 一昨年、小樽商大と北海道教育大札幌校へ入学した塾生は二人とも読書力が高かった。日本語語彙のしっかりしている一人には中学生のときにデカルト『方法序説』や数学者岡潔の本を読ませた。彼は弁論でも全国大会へ出場した。小樽商大のほうの足の長い女生徒は小さいときから本の虫だったようだ。勝手に(つまり好奇心の赴くまま自力で)自分でたくさん本を読み読解力をつけてしまった。根室高校普通科で模試の国語の点数がしばしば1番だった。もちろん、教育大札幌校の生徒もなんどか模試の国語で学年1番をとったことがあった。

 予告した朝読書の欠点について書いておきたい。要点はたった三つである。朝読書では
①黙読では正しく読めているかどうかのチェックができない
②(音読)トレーニングにならない
③「永久歯レベル」のかたい大人の本へレベルを上げることができない

 自分が読みたい本をもってくるから、小説レベルで終わり、レベルが上がらない。ルビを振った本が少ないから、本を読んで語彙を増やすことができない。3割程度の中学生が小4レベルの語彙しか使えない。本を読まない生徒は文章語の語彙が読めないし使えないから、本を読んでも眺めているだけで内容が捉えきれない。音読させればすぐにわかるが、読書力のない生徒は音読が実にヘタなのである。
 わたしは小学生と中学生に8年間、音読トレーニングをしている、その経験を踏まえた上での発言だ。中学2年生になっても小学4年生以下の日本語語彙しかない生徒が2割りに近いのが実態である。こういう生徒が家庭学習ができるはずがない。教科書に書いてある日本語が満足に読めない(読めない語彙が頻出する、"てにをは"をしょっちゅう読み間違える)のだから、意味をただしくとらえているはずがない。意味を正しく捉えるためには、出てくる語彙について知っていることと、ある程度の速度で正しく読めること、このふたつの条件をクリアしなければならぬ。読書力のない生徒は本を読まないから国語辞書を引かない。ましてや漢和辞書など引いたことがない。英語授業で英和辞典を引かせている中学校は根室には存在しない。だから、日本語も英語も辞書を引く習慣が育たない。これでは日本語語彙が増えるわけがない。ウゼエー、カッタルイ、シネ、は貧困な日本語語彙しかもたぬ生徒たちの会話はそうなってしまう。自分の感情を表現する言葉や論理的に説明する言葉を知らないのだから、当然のこと。
 今日の授業参観でも3年生の国語に時間に生徒数人に輪読させていたがたどたどしい読みで、意味内容がわかっているようには感じられなかった。色が白くて背の高い国語の先生は生徒を指名して数人に読ませたから、生徒の読書力レベルは承知しているはずだから、国語の先生として朝読書が生徒の読書力を上げるのに何の効果もないことをはっきり発言すべきだ。
 音読トレーニングは手間がかかる、しかし効率なんて度外視してもやるべきときには惜しみなく手間をかけることこそが教育の王道だろう。読書力を上げるには音読トレーニングが必要である。ニムオロ塾ではボランティアで音読トレーニングを実施している。

【学力向上は小中高の各学校がそれぞれの役割をまっとうし、そしてコミュニケーションすることからはじまる】
 長くなったから、一回目はこれくらいにしておく。まだいくつか書いていないことがある。
 校長先生と教頭先生にOBとして話し合う時間がもてたことはたいへんうれしい。根室西高校や根室高校とのコミュニケーション、同じ学区の小学校への働きかけについて、光洋中学校がいくつか新しい試みをしている。全道最低レベルの根室のこどもたちの学力をなんとか向上させるために大きなタイムラグをおきながら、成果を生み出していくのだろうと希望がわいた。
 啓雲中学校と花咲小学校もなにか具体的なコミュニケーションを始めているのではないかという気がする。根室は複数の中学校から学力向上への新しい風が吹きつつあるようだ。校長先生、教頭先生、教科担任の先生たちができる範囲で努力し地域社会を巻き込めば、案外な力を発揮するのかもしれない。こうした根室の動きと「釧路の教育を考える会」が連携してできることが将来あるかもしれぬ。

 釧路高専の校長先生が最近訪れたようだ。明日、釧路の教育を考える会のメンバー(副会長のZAPPERさんと合格先生)が根室に来るので、話のネタが増えた。 


*#1997 体育祭準備の授業つぶし:杜撰な仕事管理の実態&"すっ飛ばし"の原因 July 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-04

 #1988 学校の責任 June 28, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-27

 #1987 フリー授業参観感想記(2)  June 26, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-26

*#1940 職人技という視点から授業力を考える:C中学校フリー授業参観感想記  May 19, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19

 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14 



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#1987 フリー授業参観感想記(2)  June 26, 2012 [72.フリー参観]

 10時ころに学校へお邪魔した。2ヶ月連続のフリー授業参観に感謝。

 今日のテーマは国語の授業で、1年生の授業をまず見た。文節と単語の区切り方を文例を書いて黒板でやってみせていた。文法専門用語は使わず、区切り方の説明のみだから、分かりやすい説明だった。

 「体が音を聞いている」
 「聞いて」は「聞い」と「て」に区切ることができる。前者は「聞く」、後者は「て」だが、「手」ではないよ、「た」だよと区切りのところに黄色いチョークで線を入れながら説明したが、生徒は「?」のはずだが質問が出ない。「なぜ「て」が「た」になるの?」と疑問が出てほしいところだ。でなかったということは生徒が理解していないというサインである。文法嫌いにさせないために先生は解説を避けたようだが、意見の分かれるところだろう。
(国文法はかなりファジーで、「て」の品詞が助動詞か接続助詞かという根本的な問題もあるから、そういう事情にも配慮して「た」というだけにとどめた?ebisuにはよくわからなかった。)
 生徒は動詞の終止形は理解していたようだから、助動詞という語彙の説明をすればいいだけだが、「脱線」はしなかった。踏み込んで教える"チャンス"だったかもしれぬ、"間合いの感覚"を意識して磨けば技が"進化"するのではないか。
 こういう語彙はことあるごとに繰り返し説明したほうがいい。そうでないと2年生になってから「形容詞は名詞を修飾する」と英語の授業で説明したときに、「先生、シュウショクするってなに?」なんて間抜けな質問が複数の生徒からでてしまう。比較級、最上級のところで形容詞や副詞の説明をしなければならないが、国文法の基礎用語がしっかり学校の授業で教えられていないと生徒は英語の文法説明が理解できない。
 授業中に生徒からの質問が少ないのは気になる。塾では生徒たちはよく質問するからだ。自分が予定している「上手な授業」に神経を使いすぎてはいないだろうか?もっと脱線していい。

 副教材を開かせてアンネフランクとヒットラーの説明を始めた。独裁者という説明はそれはそれでいいのだろうが、ヒットラーは公正な選挙で選ばれている。ファシズムは民主主義という母親から生まれたということやユダヤ金融資本と第一次世界大戦という時代背景を国語で解説しようとするのは無理がある。国語の授業としてはアンネフランクをどのようにとりあげたらよいのかピントの絞り方をもっと突っ込んで考えておくべきかもしれない。消化不良の感アリ。

 昔と違うなと思ったのは、教壇のないこと。そのせいか先生の生徒に対する言葉が丁寧になっている。「ちょっとお話しさせてください」は教壇のあった時代には先生の口からでたことのない言葉である。わたしは生徒に勘違いを起こさせるのでよくないと思う。生徒と先生はお友達でもないし、生徒のほうが目上でもない。生徒が社会人となってから弊害が生じるからよすべきだろう。何か意図があってのことであれば、これも意見が分かれるのかもしれない。
 教壇がないことでメリットも生まれた。生徒に作業をさせている間、机の間を巡回しやすい。段を下りなくていいから、バリアフリーのようなもので、すーっと見て回れる。じっさいにそうしている先生が多い。

 3年生の国語も参観させてもらった。どの授業でもやっているようだが、最初と最後はきちんと規律して挨拶をするのはけじめがついてとてもいい。途中から15分ほど先生がルイスキャロル『不思議の国のアリス』の朗読を始めた。朗読が上手だったせいもあり、このときは静かでざわつきなし、生徒は授業に集中していた。しかし、欠点もある。生徒一人一人がどのようなレベルの音読をするのかわからない。案外読めない生徒が多い。4人に1人は小4レベルだろう。生徒は拝聴するだけで、音読トレーニングをする機会がない。自分で本を選んで読む「朝読書」は二重の意味でほとんど効果がない。「乳歯レベル」のテキストを自分で選び「永久歯レベル」の読書に移行しないこと、そして「黙読」だからだ。3年続けたって読む力は上がらない。音読させてみればすぐに了解できる。先生だってたくさん本を読み音読をしたからこそ、あんなに上手に朗読ができるのだろう。きっと「朝の10分間読書」で技を磨いたわけではないよ。
 「読み・書き・そろばん」というぐらいだから、国語力の源は読みの力である。だから、江戸時代は6歳から素読を徹底した。小学校1~3年生は社会や理科の時間を削っても毎日1時間は音読のみの授業時間を確保してほしいと思う。総ルビの本なら低学年でも3年間で50冊読める。読みの力が強ければ国語はもとより、社会も数学も理科も英語も伸びる。小学校では読みの力と書く力と基礎計算力を徹底的につけてほしい。

 不思議の国のアリスを先生が朗読した後で感想文を書かせていた。感想文がいけないと斉藤孝が『読書力』の中で強調している。ただひたすら読ませるのがいいと主張している。感想文を書くよりも、要旨をまとめさせるトレーニングをすべきだとも言っている。面白かったのは感想文の末尾に「面白かった」と「続きが読みたかった」の2項目を挙げ、五段階評価をつけるという指示である。こういう風に具体的な指示があると生徒は作業がしやすい。
 本棚に"Alice's Adventures in Wonderland"があった。冒頭7ページを1年生の人数分コピーした、朗読を聴いた塾生にあげたらどんな反応が起きるだろう?

 假定の話しをひとつさせてもらいたい。最前列で横座りして後ろの生徒にずっと話しかけている生徒がいて、周りの生徒の集中力が切れてしまって授業の妨げになっていたとしよう。
  こういうときは本気で叱っていい。わたしなら2度注意をして分からなければ問題集を丸めて頭を叩くところだ。こういう生徒を昔の先生たちは容赦なくひっぱたいた。体罰禁止といっても、こういう場合はひっぱたいていい、ことは体罰の問題ではなくシツケの問題なのだから。
 座り方の問題は案外大きい。姿勢の悪い生徒はしょっちゅう体がふらつき集中力が切れている。背筋を伸ばして勉強するのが一番疲れないし、集中できる。27人中、きちんと座れない生徒が6人いた。座り方の指導が小学校でなされていないようだし、家庭でもなされていない、そういう生徒が約20%もいる。鉛筆のもち方にいたっては80%がまともではない。日本人に受け継がれてきた型の文化が崩れてしまっている。姿勢や鉛筆のもち方は家庭でしっかりしつけよう。

 先月参観させてもらった先生とは別の先生の1年生英語授業を30分ほどみた。
 What do you ×× ? I ×× ~.
  この疑問文で"××"の部分にlike study eat drink を入れ、表を印刷した用紙を渡して"~"の部分に動詞の種類ごとに対応する名詞を5個書かせた、これがビンゴゲームの始まりだった。プラスチック製の生徒のネームプレートを用意して、その中からランダムに札を取り出し、指名して答を言わせ、自分のリストにあったらその欄に斜線を引かせる。また札を引いて次の人を指名し、前の人が質問文を読み指名された人が答える。6人ビンゴーになるまでやって、名前を先生は記録していた。まさかこれが成績評価のデータにはならないだろうと思うが、どうなのだろう。
 わたしの目の前にいた男子生徒はさっと全部書いたが、ビンゴーにはならずだった。
 なるほど会話中心の英語授業の実態とはこういうものか。しかしこれで教科書が消化できるのだろうか心配になる。20分ほども時間をとっていた。しょっちゅうこんなゲームをやっていたら教科書を消化できるわけがないだろう。教科書の積み残し、すっ飛ばしが起きる原因の一端を見た気がした。教科書をきちんと消化しないと学力テストの点数がとれなくなる。

 たとえば、3年生になって学力テスト総合A・B・Cをやっている時期に、こういう「ビンゴ遊びの授業」をしたら受験生たちは気持ちが焦る、「こんなことをしていてなんになる、点数が上がるわけがない」、そういう不安な気持ちで授業を受けているのを知っているのだろうか?

 話題を変えよう、ある教室に貼られていた学級目標を紹介したい。
 ■あいさつ
 ■感謝
 ■あきらめない
 
 好い評語だと感じた。そしてまず先生たちがデキの悪い生徒(成績下位25%)の指導をあきらめず、放課後補習をやってほしいとも思った、率先垂範。私は個別補習を毎週何度も繰り返している。
 「あいさつ」と「感謝の心」はニムオロ塾でもことあるごとに言っている。「入退出時には大きな声できちんと挨拶する」、「親には感謝の心をもて」、「嫌いなと同級生がいたらありがとうと思え」、「何かしてもらったらその都度ありがとうと言え」、「姿勢が悪い、背筋を伸ばせ」「・・・」。
 感謝の心がないと素直に知識が入っていかないから不思議だ。生徒を観察していると、こころのもち方が変わると、知識の吸収や学習内容の理解の仕方に大きな変化が訪れることがわかる。感謝の心は人を素直にする、そして受け入れやすい身体(脳)をつくるようだ。心と身体はつながっているものだ。

 一方的な観察を書いたが、先生たちにも各自指導方針があり、言い分があるはずで、ebisuは各教科担当の先生たちの意見を聴いてみたい。匿名でコメント欄に書き込んでいただけたらありがたい。



*#1940 職人技という視点から授業力を考える:C中学校フリー授業参観感想記  May 19, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19

 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14 


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