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#4890 ブルーダイヤモンド:世界最高品質のビリヤードチョーク Dec. 6, 2022 [A10 ビリヤード]

 ビリヤードプロにとっては垂涎の的、幻のチョーック、ブルーダイヤモンドという最高品質のビリヤードチョークがあります。
 スリークッション世界チャンピオンに2度なったことのある小林伸明先生から常連会の賞品として1ケース(12個入り)いただいたものがあるので紹介します。賞品が出るのは年に一回、12月の常連会だったと思います。

①blue DIAMOND  BILLIARD CHALK
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②2個使って10個残っています
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③30年ほど前に四つ球常連会の商品としていただきました
 小林先生は試合にしか使用してませんでした。その当時でもメーカが廃業して、貴重な在庫品だったのです。
 練習で使用して、「ebisuさん、そのチョークはわたしは試合でしか使ってないんだ」と叱られました。それ以降は常連会の試合しか使いませんでした。月に一度の常連会の試合なら50年間でも使いきれないでしょう。ふだんはBrunswickのチョークを使ってました。こちらは7個在庫があります。
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 このチョークはミスショットがすくないのです。かなり厳しい端を撞いてもしっかり球をつかんでくれる頼もしいチョークです。
 あとで、ブランズウィックの方も写真をアップしておきます。


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#4888 ビリヤード:タップの調整(画像付き) Dec. 1, 2022 [A10 ビリヤード]

 52回もさまざまな種目で前日本チャンピオンになったことのある町田正さんのお父さんが削ってくれたタップです。こんなタップの削り方をするのはこの人だけでした。
 はじめて八王子のビリヤード「チャンピオン」を訪れたのは1989年頃でした。もっていたキューが新宿の名人作で、タップも最高のものがついてました。
 「そのタップは〇〇というタップ、もう十数年お目にかかったことがない、よかったら削らせてもらえないか?」とおっしゃるので、「どうぞ」と伝えると、台の上にキューを載せて掌を充てて転がしながらそっと鑢(やすり)をあてて削り始めました。とても大事そうに扱い、そして懐かし気にやってました、できあがりの写真がこれです。たぶん、ほとんどの人が見たことのない削り方です。普通は角を残してます。3mmくらいの厚みが円周部分にあります。これはほとんどゼロです。角が当たらないために、「引き=draw shot」のショットの時に、一段階下を撞けます。タップがよほどよくないと無理かもしれません。世界トップレベルの品質のタップだからこそかなう削り方かもしれません。


DSCN7243s.jpg
 あとで、普通の削り方の写真をアップしますので、比較してご覧ください。


 タップの向こう側にビリヤードボールが置いてあります。距離が50㎝ほども離れているので、白くボーっと写っています。ボールの円にあうように削ると仰っていました。鑢の当て方が何を基準にしているのかちゃんと説明してくれました。
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 普通の品質のタップでこういう削り方をして問題がないかどうかは、わたしには経験がないので、ご自分でお試しください。

③タップ標準形:横から
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④タップ標準形:斜め前から
 昭和天皇のビリヤードコーチだった吉岡先生(札幌市「白馬」ビリヤード)は、この削り方でした。これはオヤジがつけたタップです、吉岡先生直伝。札幌の白馬は品の良い常連客の多いお店でした。
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⑤タップ
 もう使うことはありません。
 どれがいいいタップなのかは、キューにつけて削って、そして撞いてみないと、わたしにはわかりません。
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⑥タップへの鑢の当て方
 指の部分を前後に動かして、キューを回転させながら、右手で鉄のヤスリをやさしく当てて少しずつ削ります。鑢の角度を一定にしてキューを回転させると歪みのない削り方ができます。
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<町田正さんのお父さんが教えてくれたトレーニングメニュー>
 当時は40歳くらいで、仕事がとっても忙しかったので、ビリヤードチャンピオンには5回ほどしかいけませんでしたが、お父さん先生は、トレーニングメニューを教えてくれました。普通は大事なトレーニングメニューは教えてくれません。図面に落としてあります。小林先生に教えてもらったものもあります。
「わたしはプロだから、指導するときは料金をいただくが、あなたにはタダで教えるので、毎日来てください」
 そうおっしゃってくれたのです。
 その当時は、小林伸明先生(スリークッション世界チャンピオン)のビリヤード店(新大久保駅前)の四つ球常連会のメンバーでもありました。4年間ぐらい通ったかな。駿台予備校の数学担当の荒木んが常連会のリーダーでした、図面での研究のやり方は彼が教えてくれました。メンバーで一番腕がよかったのはアマチュアの四つ球チャンピオンだった小柴さんでした。五ゼリはほぼマスターしてました。四つ球で持ち点数が500点の人は五ゼリのこなせる人。完ぺきではありませんが、形になると持ち点をノーミスで突き切れることのある人です。1点制だと4割が持ち点になるので200点です。その次が荒木さん、そして三菱銀行のシステムエンジニアの方、お名前忘れました。わたしは四番目だった。下手の横好きで、たいしてうまくありません。根室でバラ球を撞くのに慣れてしまっていたので、手玉を殺した撞き方をマスターする必要がありました。ぎりぎり的球に届くくらいの力の制御がセリには必要なのです。バラ球を撞くときにも原理は同じです。的球にぎりぎり届くくらいの力加減が必要でした。クッションの出方が微妙に違うので、調整し直しが必要になりました。マッセもグランドマッセが格好がいいのですが、大きなカーブを出そうと思うと力が強すぎて形が崩れます。ついた後の配置を考えて、当てる厚みをどうするかを判断して、チョンとつくだけでいい、地味な方が後の配置がよくなります。

 わたしにはわたしの課題があるので、トレーニングメニューは自分に合ったものを独力で考案すべきです。それができないようでは優れたプロにはなれないでしょうね。町田正さんのお父さんが教えてくれた基本技のトレーニングメニューはもちろんすばらしいものです、それは基本メニュー。自分の癖を矯正する自分独自のメニューが必要でした。
 チャンピオンには素振り用の鉄製のキューまでありました。次男坊の正さんは、鉄のキューで素振りをしていたのでしょう。お父さんは長男も筋がよかったと言ってました。当時はビリヤードのプロで飯が食えない時代だったと仰っていました。次男の正さんのときには光が見えたのでしょうね。わたしも、昭和天皇のビリヤードコーチだった吉岡先生に小学生の時に「プロになりたい」そういったことがありました。「勉強しなさい」と言われて、ああ、才能がないのだなと思いましたが、そうではなかったようです。才能のなさはある程度努力でもカバーできますが、当時はビリヤードのプロでは飯が食えなかった時代でした。吉岡先生、将来のことを慮ってくれた発言でした。高校を卒業した直後に偶然札幌の駅前大通りで「トシボー」と声を掛けられましたが、小学生のころから孫のような感覚で扱ってくれました。将来を心配してくれたのです。白髪のとっても品のいい方でした。平成天皇のビリヤードコーチだった小林先生は吉岡先生とは面識があったのか知りません、聞きそびれました。ビリヤード小林の常連会の忘年会には、ヨーロッパ各地で行われる大会に出場して、その合間を縫って必ず出席してくれてました。10人くらいでしたから、和気藹々、実に愉しい忘年会でした。小林先生はそのあと米国で行われる世界大会へ転戦していました。
 正さんのキュー切れが抜群にいいのは鉄製のキューでの素振りトレーニングのたまものでしょう。他の人にはまねができません。大台をL字に走るマッセ技の「シルクハット」はそういうトレーニングの積み重ねだと私は思います。あんな打突は普通のキューでいくら練習したってできるものではありません。小さなマッセ練習用の一辺が50㎝くらいの正方形の台がありました。鉄製のキューでマッセの素振りをしたとしたら、それは振り下ろしたキューをとめるのがたいへんです。大振りのマッセでキュウーがとめられなければ、一発でラシャを破いてしまいます。マッセの練習をするとラシャに白い点々がつきます。だから、営業用のビリヤードテーブルで練習させるわけにはいきません。
 漫画『巨人の星』のお父さんのような人でした。

<キャロムゲームの紹介動画>

 三つ玉ゲーム 

 カランボラ・ビリヤードというようですね。
 14分のあたりから、長クッションのセリ技がでてきます。昭和天皇のビリヤードコーチだった吉岡先生は短クッション往復のセリが得意でした。ほとんど形が崩れません。リズミカルでテンポが速かった。この動画の人の3倍速です、セリは日本人向きの職人技と言っていいのでしょう。
 このゲームは2x1ポイント部分の隅の三角形の部分に三つのボールが入るとルール違反ですから、往復のセリは使えません。クッションから離したセリをしなければならないので、それはそれでコントロールがむずかしいのです。23分のあたりから、三角形の斜辺をまたぐセリ技が見られます。上手ですね。27分からまたライン上のセリ技になります。300点を先につき切った方が勝ち。
 カランボラはセリ技をマスターしたら卒業です。これがなかなか難しいのです。手玉の殺し具合と形が崩れたときの立て直し方の小技をマスターしなければいけません。この動画を見てずいぶん勉強になりました。これくらいなら若くてセンスのいい人でそこそこの腕なら、1年間ほどトレーニングしたらマスターできそうです。

 町田正さんが、ボークラインゲームで長クッションのセリ技をやるのを目の前で見たことがあります。京王線八王子駅前のビルの2階「シルクハット」というお店でした。33年前になるかな、あのときは無理言いました。彼の技を見たかったので、ボークラインゲーム3回お相手をしてもらいました。上手な人の技をよく観察して、ひたすらトレーニングするしか凡庸な私には術がないのです。お遊びの域ではとても到達できるものではありません。

 次回は、ブルーダイヤモンドという製品名のチョークを紹介します。小林伸明先生が世界一の品質と仰っていたチョークです。常連会で決勝で小柴さんと対戦したときに一度撞き切り、小柴さんがその裏も撞き切って2度の撞き切りで優勝。2位のわたしに小林先生がとっておきのチョークを賞品に出してくれたのです。メーカーがつぶれてすでになかったので、貴重な在庫、先生は世界大会でしか使っていないものでした。10個残っていますので写真でお目にかけます。


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