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#1595 台風6号"マーゴン":観測史上最大雨量を記録 July 24, 2011 [18. global warming]

 7月19日に四国に上陸してから反転して、南東海上へ下がって迷走するかのようなコースは珍しかった。四国の馬路村では72時間雨量1199㎜を記録した。19日の24時間雨量も851㎜と観測史上最高値を更新している。
 台風の名前が2000年からアジア名に変わっているそうだ。ネットで検索したら「台風の「名前」を決めているのは、日本などアジアを中心に14か国の政府が参加する国際防災組織「台風委員会」だ」とあった。
「 命名は地域内の28の言語による140の名前をあらかじめ用意し、それを順繰りに使用する方式。台風は年に25個ほどのペースで発生するので、おおよそ5年で名前が一周する計算になる」

 台風は24日現在北海道のはるか東方、太平洋上にあってまだ台風の勢力を保ち続けている。海水温が高いためだという。多少影響が出ているのか根室は雲が垂れ込めている。

「台風6号:馬路で総雨量1199ミリ、国内記録を更新 県内各地につめ跡 /高知」
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20110721ddlk39040654000c.html


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First farms may have averted ice age (3) #767 Oct.22, 2009 [18. global warming]

 《パラグラフ・リーディング⇒コンテキストからのアプローチ》

 First farms may have averted ice age

 Rise in greenhouse gases coincided with agriculture; cooling trend halted
 David A. Farhenthold

   Has climate change been around as long as the pyramids? It is an odd-sounding idea, because the problem is usually assumed to be a modern one, the product of a world created by the Industrial Revolution and powered by high-polluting fossile fuels.
   But a professor emeritus at the University of Verginia has suggested that people began altering the climate thousands of years ago as primitive farmers burn forests and build rice paddies from which methane bubbles. The practices produced enough greenhouse gases, he says, to warm the world by half a degree Celsius or more.
   Othe scientist, houwever, have said the idea is deeply flawed and might be used to dampenmodern alarms over climate change.
   Understanding the debate requires a tour through polar ice sheets, the farming habits of 5000-year-old Europeans and trapped air bubles more ancient than Rome.

  1000年単位でCO2やメタン濃度、土地利用率、地球人口がどのように変化したのか、過去12000年間の推移を表すグラフが載っている。説明文だけ紹介しておく。

"Atricultural impact, then and now"
"A university of Vieginia scientist theorizes that slash-and burn farming methods began reversing carbon dioxicide trends more than 8,000 years ago, that rice farming boosted methane releases."

 日本語訳:
  現在まで続く気候変動はおおよそピラミッドほどの歴史があるのだろうか?そのような問は奇妙に聞こえるかもしれない、というのはこの厄介な問題は大方は現代的な問題であるという前提で取り扱われているからである。(すなわち)それは18世紀産業革命によって作り出された世界の産物であり、化石燃料の大量消費による汚染によって動力を与えられた世界の産物であるからである。



 《パラグラフ・リーディング⇒コンテキストからのアプローチ》
 英文の意味解釈のアプローチとして生成文法的なアプローチの他にもう一つ有力な方法がある。それはパラグラフ・リーディングであるが、ちょいとハイレベルで高校生にはなかなかつかみ辛いだろうが、英文解釈の王道だ。
 高校生にちょっとハイレベルで難しいというのは、レベルの高い日本語の本を論理的に読むトレーニングを積んでいないと不可能だからだ。英語の理解力は日本語の理解能力以上にはならない
 だから、小学生のうちから英語の勉強をする必要はない。そのような暇があったら日本語の本をもっとたくさん読めと言いたい。
 中学生や高校生は児童書を卒業して、文庫本や岩波新書や中公新書をたくさん読め。新書版の書籍は良質なものが多いし、専門書への入り口にもなっている
 このレベルの本が読めるようになれば、興味のある分野の専門書が独力で読めるようになる。だから、ニムオロ塾では中学生に『読書力』斉藤孝著、『国家の品格』藤原正彦著、『日本語を磨く』林望著、『風姿花伝』世阿弥著・林望現代語訳などを採り上げて、音読と三色ボールペンで線を引くトレーニングを実施している。
 日本語で書かれた文章の理解のレベルを上げ続けた者だけが、英文のコンテキストを理解できるようになる。パラグラフ・リーディングは熟練の技なのだ日本語のパラグラフ・リーディングやパラグラフ・ライティングができる者は、英文のパラグラフ・リーディングも比較的容易にできるようになるだろう。日本語で準備が整っているからだ。このように理解すれば、小平邦彦の英語教育論も藤原正彦の英語教育論もその理由が具体的にわかるだろう。「塾長の教育論」というカテゴリーの中にあるから、まだ読んでいない人はチラッとでも好いから見て欲しい。

 Hirosukeさんが「問題文の3回読み」を提唱しているが、これはたしかに有効な方法で、理にかなっている。
 全体をザーッと読み、なにがテーマなのか、キーワードが何なのかなどに注意してとにかく全体を把握する。つぎにパラグラフ単位で読み、3度目は問題文に即して読む。こうすれば全体のコンテキスト(前後関係、脈絡)がつかめる。
 パラグラフ単位のコンテキストがつかめると、意味の解釈できないパラグラフや、そのパラグラフの中の1文も「こういう展開になっている筈だ」と推論できる。その推論に沿って読むことで、文法工程指数の高い文でも理解可能である。これも英文攻略の有力な方法である。ただし、彼のように日本語能力の高さに裏打ちされていないと高みに届かない。
 この際に気をつけなければならないのは、自分勝手なコンテキストをつくり上げてはならないということだ。ここを間違えると、とんでもない誤訳をすることになる。質のよいプロの翻訳家でも、ときにこうしたことをしてしまう。当然自分は気がつかない。論理がまるで違うことになるから、パラグラフや著作の論旨にかかわることもある。読者に大変な迷惑をかけることになるのである。
 だから、生成文法的アプローチとの併用を欠かすことができないとわたしは思う。一部の能力の高い者は例外であるかもしれない。独断によるコンテキスト理解を防止するために生成文法的アプローチを併用するのは、かなり著名で、品質のよい翻訳をする経済学者ですら、コンテキストの読み間違いをしていることがあるからだ。

 それに、高校生に理解できるように説明するためには、簡便な生成文法的解説が欠かせない。コンテキストだけで英字新聞レベルの記事を読み切る技は日本語文章修行が足りない普通の高校生には無理がある。難度の高い英文の意味をつかむ技としては、この三十数年間ほかに有力な方法がみつかっていない。三十年ほど前までは好奇心に駆られてチョムスキーの著作を数冊原書で読んだし分厚い生成文法に関する解説書も読んだが、深みに嵌りすぎると本来の目的=英文の意味を理解するという範囲を逸脱していた。それはそれでいいのだが、経済学徒ではあり続けたいと思ったが言語学の学徒になるつもりはなかった。私の場合、外国語は読みたいものを読むための手段であって目的ではない。塾教師の立場からは生徒が理解できるような説明ができるだけで十分である。いくつかある大事な「引き出し」の一つになっている。

 この記事に関していえば、グラフのキャプション部分がアンダーラインの文の論旨を推論するのに役に立つ。
 「農業の衝撃、8000年前と現在
 8000年以上前に大気中の二酸化炭素濃度に減少から増加へ逆転現象が起き始め、その後の稲作農業がメタンの大気中への放出を加速したという假説をバージニア大学の科学者が提起している」
 2番目の文である"It is an odd-sounding idea, because・・・"以下の文章があるので、「奇妙に見えるアイデア」が冒頭の文で提起されていることが論理的関連として理解できる。具体的内容は「産業革命やその後の化石燃料を大量に消費しさまざまな汚染物質を大気中に放出している世界」が対置されているので、それ以前の世界についての叙述であるらしいと気がつく。つまり第1文はグラフのキャプションと等価な内容だというわけである。グラフがあればグラフそのものとキャプションを丁寧に見るべきだ。そこにはその記事の重要なポイントが表現されている。
 
 2段落目は人間が数千年前に森林を焼き払って稲作を始め、メタンガスを大量に大気中に放出し、気候変動を引き起こしたという假説が具体的に述べられていることも、第1文の意味解釈の適否を判断する材料になる。
 第3段落で、他の学者がこの假説の問題点を二つ指摘していることが紹介される。何かと言うと、假説の深部に傷があること、数千年も前からの傾向だとすると、現在の気候変動に対する警告を弱めるものになりかねないということの二つである。

 こうしてみると、最初はわからないところはそのままにしてどんどん読み進めるのがいい。後の段落を読むことでわからなかったところが論理展開のジグゾーパズルを埋めるように理解できる。読み進むことでさまざまに言い換えられるキーワードや動詞群など、知らない単語も前後関係で結構見当がつくものだ。
 辞書はしょっちゅう引くことにしているが、ジャパン・タイムズを読みながら辞書を引かずに知っている英単語が増えていくのも事実で、それはうれしいものだ。
 「あ、こういう表現するんだ」、「こういうときにこの単語を使うんだ」というように、読む都度新しい発見がある。もちろん既知の表現も何度も出てきて語彙力補強に役に立つのである。採り上げる記事は好奇心をそそる面白いものを選んでいる。

 高校生になったらちょっと背伸びしてジャパン・タイムズを読んでみないか?最初のうちはわからなくてもいい。写真を見て知っている単語だけを拾い読みしてもいい。そのうちに辞書を引きたくなるし、内容を知りたくなるものだ。
 根室では駅のスタンドで売っていないから、欲しい人はいつでもおいで、読み終わったのがたくさんあるからあげる。

*HirosukeさんのブログのURLを貼り付けておく。わたしのアプローチとは違うが、わたしはこの人のやり方、音読中心のトレーニングを支持する。「イミ・カタチ・キモチ」いいね。このトレーニングの必要を私も感じる。とくに英語の勉強で行き詰っている人は彼の方法を半年続けてみれば好い。努力を続けれらる人だけが光が見出せるだろう。
 
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/


First farms may have averted ice age (2) #766 Oct.21, 2009 [18. global warming]

《生成文法的アプローチ:チョムスキーとデカルト》
 First farms may have averted ice age

 Rise in greenhouse gases coincided with agriculture; cooling trend halted
 David A. Farhenthold

   Has climate change been around as long as the pyramids? It is an odd-sounding idea, because the problem is usually assumed to be a modern one, the product of a world created by the Industrial Revolution and powered by high-polluting fossile fuels.
   But a professor emeritus at the University od Verginia has suggested that people began altering the climate thousands of years ago as primitive farmers burnes forests and build rice paddies from which methane bubbles. The practices produced enough greenhouse gases, he says, to warm the world by half a degree Celsius or more.
   Othe scientist, houwever, have said the idea is deeply flawed and might be used to dampenmodern alarms over climate change.
   Understanding the debate requires a tour through polar ice sheets, the farming habits of 5000-year-old Europeans and trapped air bubles more ancient than Rome.

  1000年単位でCO2やメタン濃度、土地利用率、地球人口がどのように変化したのか、過去12000年間の推移を表すグラフが載っている。説明文だけ紹介しておく。

"Atricultural impact, then and now"
"A university of Vieginia scientist theorizes that slash-and burn farming methods began reversing carbon dioxicide trends more than 8,000 years ago, that rice farming boosted methane releases."

 さて、意味の通る日本語になっただろうか?
 2回目の今日はアンダーラインの文章で遊びながら、最初の文に日本語訳をつけてみたい。こういうときの手順を高校生にもわかりやすいように開示する。
 <1.肯定文に変換する>
  (1)Climate dhange has been around as long as the pyramids.

 <2.二つのsimple sentencesに分解する>
  (2) Climate change has been long.
   (3) The pyramids have been long.

  <3.現在完了を現在形に直す>
   (4) Climate change is long.(気候変動は長い)
   (5) The pyramids are long.(ピラミッドは長い)

  <4.二つの文を同等比較でつなぐ>
  (6) Climate change is as long as the pyramids (are long).
    (気候変動はピラミッドと同じくらい長い)
 <5.現在完了の文に変換する>
  (7) Climate change has been as long as the pyramids.
   (現在まで続いている気候変動はピラミッドと同じくらい歴史的に長い)

  <6."aroundおおよそ"を入れる>
  (8) Climate change has been around as long as pyramids.
   (現在まで続く気候変動はおおよそピラミッドほどの歴史がある)
   ここにaroundを入れたのは、ピラミッドの建設時期が不明だからだろうか。クフのピラミッドは4500年前に建造されたという説と、ピラミッドの形に現された数値と構造と星座の関係から10000年ほども前に建造されたという説がある。はっきりしないのである。筆者はおそらくそのあたりを斟酌してaroundを挟んだのだろうか。それとも4500年前という説を採用し、8000年前の焼き畑農業や5000年前の水田耕作による稲作との時間比較のラフさを補完するためにaroundという語を入れたのだろうか。その辺りの解釈はいかようにも可能だから、読み手の勝手である。

   <7.疑問変換する>
  (9) Has climate change has been around as long as pyramids?
  これで、元の文が復元できた。

  日本語訳:
  現在まで続く気候変動はおおよそピラミッドほどの歴史があるのだろうか?そのような問は奇妙に聞こえるかもしれない、というのはこの厄介な問題は大方は現代的な問題であるという前提で取り扱われているからである。(すなわち)それは18世紀産業革命によって作り出された世界の産物であり、化石燃料の大量消費による汚染によって動力を与えられた世界の産物であるからである。

《生成文法的アプローチ:チョムスキーとデカルト》
 意味は分解した深層構造deep structure = simple sentencesにあるから、意味がわからなければ「下向」=分解してみることだ。そして表層構造surface structureまで「上向の旅」をすればいい。
 採り上げた文章は文法工程指数はあまり高くはないものである。しかし、一般に文法工程指数が高くなればなるほど、文章の密度が大きくなり、表層構造は理解しがたくなるという事実はある。
 生成文法によれば文章の意味は深層構造にある。わたしたちは最初の文を深層構造にまで分解して解釈を試みた。最初の文はこれで終わりである。ここさえきちんとつかめば後の文章の理解は簡単だ。
 これは生成文法的なアプローチである。他にもアプローチの仕方はある。生成文法的手続きを厳密にやると煩瑣でわずらわしい。英文の意味を解釈するだけなら、目的を外さない範囲で簡便に用いることだ。
 元々はチョムスキーの普遍文法が源泉であるが、その著作はほとんど翻訳がない。人工知能や自動翻訳にも利用されている理論であるが、複数の言語に関する知識とコンピュータに関する知識の両方がないと読むのはたいへんだ。だから、翻訳者がなかなか現れないのだろうと推察する。
 デカルトは『方法序説』の中で科学の方法論に関する興味深い四つの規則を提唱している。この規則は生成文法と組み合わせることで英文解釈の武器となる。
 「第2は、わたくしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分解すること」
 「第3は、わたしの思考を順序に従って導くこと。そこでは、もっとも単純で最も認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと」

 哲学的には、「還元論」である。その適用範囲を間違えない限り、実に有効な方法だ。ニュートン力学がある範囲内で有効であるのと類似した意味で有効である。
 中高生が数学の問題を解く場合にも応用できるし、ひとつの経済学体系をつくる場合ですら指針になりうる。マルクスの『資本論』はユークリッドの『原論』に似た厳密なる演繹的体系といえるが、デカルトの方法論(2)と(3)に忠実であるとも言える。

《その他雑感》
 "world"はひとつだから"the world"、"the sun"や"the moon"、"the earth"と同じで必ず定冠詞のtheがつくと習った生徒は多いだろう。
 だから、"a world"という所も注意したい。"the world"とはなっていない。書き手が18世紀以降の世界を一塊のものとして捉えているから"a world"となっている。18世紀後半に始まった産業革命や重工業主体の20世紀第2次産業革命、自動車の普及やたくさんの火力発電所の稼動等によって大量に化石燃料が消費され、大気中にCO2が放出された、そういう世界をまとめてひとつの「世界」としてそれ以前の世界に対置して考えているから、"a world"となっている。
 ついでにもうすこしこの問題を敷衍しておきたい。高校生はwaterは物質名詞だから複数形はないと教えられただろう。しかしwatersはある。日本の経済水域、ロシアの経済水域と言うときの水域という言葉はwatersで表現される。
 要は話し手や書き手がどのような状態を頭の中で想像しているかで決まってくるのだ。定冠詞や不定冠詞、複数形はそれぞれに意味が違う。頭の中に想像していることを伝える手段が言語である。形が違えば意味が異なるのだ。伝えたいことは無限だから、どんな形もあるのだ。
 学校文法は役に立つが、あるところからはそれから離れないと高度な文章は読めない。会話が少々できたくらいで高度な文章が読めるはずがないことは日本語も英語も変わらないのだ。だから、高校生は岩波新書や中公新書レベルの本を20冊は読んで欲しい。できればもっと難解な哲学書や専門書にもチャレンジして読解力をつけて欲しい。
 中身の濃い文章は、それを読むトレーニングなしには意味を正しく読み取ることができない。私が会話重視の英語教育を危ぶむ理由のひとつはこういうことにある。ネイティブの中学生ぐらいの会話能力が大半の日本人にほんとうに必要なのだろうか?
 仕事で必要だった英語は短時間で大量の文書を読み、専門的な観点から要点を誤りなく抜き出して適切な判断をし、速やかに処理することだった。そういう観点からわたしは英語を教えている。

 話しを元に戻そう。筆者は人類が焼き畑農業を始める前までをひとつの世界として捉え、稲作農業が盛んになった時代をもう一つの世界と考えているようだ。そして産業革命以後の世界をそれらに対置したからa worldという表現を使うことになった。
 この假説の提唱者であるウィリアム・ラディマンによれば、12000年前から8000年前までの4000年間はCO2濃度が低下して地球は寒冷化に向かっていた。極地の氷床に閉じ込められている「泡」の分析から二酸化炭素濃度を析出してその推移をグラフにし、線形回帰分析をしたのだろう。そのままだったら氷河期が来ていたはずだというのである。
 ところがおおよそ8000年位前からいくつかの地域で焼き畑農業が行われるようになり、大気中のCO2濃度が上昇しだした。その後、中国で5000年ほど前から稲作が行われ、水田から大量のメタンガスが放出され、大気中のメタン濃度が上がった。いまでは大気中のメタン濃度は5000年前の3.1倍になっている。メタンの温室効果はCO2の24倍ある。
 そして産業革命と20世紀の化石燃料大量消費によってさらに加速的に大気中のCO2が増えた。
 8000年間のCO2濃度とメタン濃度の上昇から、地球は温暖化している可能性があるという假説である。もちろん、この假説を「面白いけれど、たぶんちがっている」と否定する科学者もいる。有力な新仮説登場で、ホットな温暖化論争になっているのである。

《ジャパン・タイムズを利用する時事英語授業》
 着想がユニークで面白い記事なので、最近時事英語授業で扱った。科学的な論争に慣れておくと、一つの説を相対的に眺めることができるようになる。
 相対的なものの見方に慣れてくると、オウム真理教の信者や他のカルト、そして新興宗教に見られるように、一つの説を絶対視して他の説に非寛容になるとか、他の説を知ろうともしないかたくなな態度に陥ることがない。若い時代にさまざまな本を読むことは、これから出現するかもしれない「新型インフルエンザ=排他的な新興宗教」に対する「ワクチン=予防薬」の役割を果たしてくれることが期待できる。
 わたしは自分の生徒たちがオウムの信者たちのようになることを望まない。だから、地球温暖化に関する論争を含むさまざまな論争や経済などの解説記事を時事英語の授業のテキストに採り上げて相対的なものの見方を実践的に鍛えるトレーニングをしている

 理論Aに対してAの論拠のひとつひとつを検証して推論に過ぎないと否定もできる。Aに対して別の理論Bを対置して否定できればなお説得力が増す。さて、この説への批判派は説得力のある理論Bを対置できるだろうか?継続して同じテーマの英字新聞記事を追いかけるのはこのような面白さがある。


First farms may have averted ice age #765 Oct.20, 2009 [18. global warming]

 標記の記事が10月6日のジャパンタイムズに載っている。ロスエンジェルス・タイムズの転載記事だが、書いているのはワシントンポストの記者、デービッド・ファーレンソールドである。なぜ、ワシントンポスト記者の署名記事をLAタイムズが載せたのかは私にはさっぱりわからない。

 高校生はアンダーライン部を訳してみて欲しい。制限時間は15分。
 問題が硬すぎたのだろうか?デキのよい高校1年生と2年生の二人が制限時間で歯が立たなかった。
 英字新聞記事の冒頭にはしばしばこういう文例が出てくる。高校の教材には使いにくいところだが、そこいらを解説してあげると後は理解できる。そのあたりは(教える側の)時事英語授業の醍醐味である。
 特集記事の内容自体は高校生の知的興味をそそるものが多い。時事英語授業に真面目に2年間取り組めば、全国どこの大学院にも合格できるくらいの英語力が身につく。
 解答は次のブログに書く。
 さあ、高校生や大学生諸君、チャレンジだ。

 First farms may have averted ice age

 Rise in greenhouse gases coincided with agriculture; cooling trend halted
 David A. Farhenthold

   Has climate change been around as long as the pyramids? It is an odd-sounding idea, because the problem is usually assumed to be a modern one, the product of a world created by the Industrial Revolution and powered by high-polluting fossile fuels.
   But a professor emeritus at the University od Verginia has suggested that people began altering the climate thousands of years ago as primitive farmers burnes forests and build rice paddies from which methane bubbles. The practices produced enough greenhouse gases, he says, to warm the world by half a degree Celsius or more.
   Othe scientist, houwever, have said the idea is deeply flawed and might be used to dampenmodern alarms over climate change.
   Understanding the debate requires a tour through polar ice sheets, the farming habits of 5000-year-old Europeans and trapped air bubles more ancient than Rome.

  記事全体は27段落で構成されている。そのうちの冒頭3段落を抜粋してある。冒頭部分は記者が力を入れて書くから、修辞がこっている文が多い。日本人にはやっかいだ。手がかりが後の段落の中にもある。
 1000年単位でCO2やメタン濃度、土地利用率、地球人口がどのように変化したのか、過去12000年間の推移を表すグラフが載っている。説明文だけ紹介しておく。ここを読めばアンダーライン部が何を言っているのか具体的な状況がつかめた人がいるのではないだろうか(名誉のためにいうが、高校生二人にはノーヒントだった)。

"Atricultural impact, then and now"
"A university of Vieginia scientist theorizes that slash-and burn farming methods began reversing carbon dioxicide trends more than 8,000 years ago, that rice farming boosted methane releases."

グーグルで検索してもこの記事が見つからなかったので残念ながら割愛せざるをえなかった。センター試験問題にはグラブが載っている問題が出題されているので、グラフを読むことにも慣れていたほうがいい。グラフを読むことで、記事の内容がほとんどわかってしまう。内容のわかってしまった文は当然ながらやさしい。

***お知らせ***
 根室高校演劇部の公演がある。
  日時:10月21日(水)18:00から
  場所:根室市総合文化会館 小ホール
  演目:第1部 「パジャマ」
      第2部 「文学探訪~夢十夜より第一夜」
           「文学探訪~永訣の朝」(宮沢賢治)


#630 根室に蝉が棲んでいる??? Jun. 29, 2009 [18. global warming]

根室に蝉が棲んでいる???

 二つ前のブログ、サイクリング(16)で、キリギリスが鳴いていたと書いた。そして30年後には根室半島で蝉が鳴いているかもしれないと。

 高校生に話しをしたら、
「え、先生小学生のころからキリギリスはいましたよ」
「そんなに前からいたのか、そのうち蝉が鳴くかもな」
「明治公園に蝉いますよ」

 がーん!なんと迂闊な、根室にもう蝉が生息していた。アブラゼミだ。ツクツクホウシやヒグラシはいないだろうが、蝉が棲めるほどもう根室半島は暖かい。この50年間に根室半島はずいぶんと暖かくなったのか。頭が固くて追いつかない、現実の変化の方がはるかに速い。
 地球温暖化のせいか、単なる周期変動かはわからない。だが、大気に含まれる二酸化炭素やメタンガスはデータを見る限りこの50年間で数倍になっている。
 
 タイムマシーンに乗って2059年の根室半島に行き、海辺で半袖姿で遊んでいる子供に聞いてみた。
「今年は流氷来たのかな?」
「おじさん、流氷って何?」
「・・・」
 思わず絶句した。50年後の子供たちは流氷を見たことがなかった。町を歩いてみると緑町や汐見町は浅瀬の海に変わっていた。昔あった漁業組合は崩れかけたコンクリートの建物に2階まで波が洗っていた。どうやら放棄されて久しいようだ。
 グリーンランドの氷と南極の氷が溶けて水位があがったので、花咲小学校のあたりに新しい建物が半分くらいの規模で建てられていた。
 少し歩いて明治公園まで来たが暑い、背中を汗が伝って落ちる。正午少し前だろうか、真っ青な空から降り注ぐ陽射しがきついので木陰に座るとまた蝉が一斉に鳴き出した・・・

 2009年6月29日 ebisu-blog#630
  総閲覧数:122,060/582 days(6月29日23時10分)
 

 2019年9月2日12時半ころ、庭の松の木のてっぺんのあたりででアブラゼミが1時間ほど鳴いていた。カメラで動画に収めた。セミの姿は確認できなかったが、鳴き声は録音されている。


Energy-climate bill passes U.S. House [18. global warming]

Energy-climate bill passes U.S. House

  6月28日付のジャパンタイムズは、地球温暖化に関連する大気汚染を制限する法案が219対212のきわどい差で米国下院を通過したと報じている。(このニュースはワシントンAPの配信である)

  The vote was 219-212, capping months of negotiations and days of intense bargaining among Democrats. Republicans were overwhelmingly against the measure, arguing it would destroy jobs in the midst of a recession while burdening consumers with a new tax in the form of higher energy costs.

  共和党はリセッションのさなか、エネルギーコストが高くなることや新税の負担による消費への悪影響、失業者増大を懸念して法案に反対した。建前である。本音は経済界の反対だろう。炭素税などの新税や二酸化炭素排出削減を義務付けられることで、コストが高くなることや、その影響で消費量が落ち込めば、売上が減少する。売上減少は利益の加速的な悪化を招くので、ギリギリでやっている企業は損失が急激に拡大する。株価はさらに下がり、経営破綻に陥る企業が増えるだろう。
 そして新エネルギー関連ビジネスは既成勢力が独占できるわけではない。法案への賛否が僅差になったのはこういう事情がある。オバマ大統領の描く国家戦略とエスタブリッシュメントの戦いがあるのだろう。この法案に投じられた下院の票で見る限り、力はほぼ拮抗している。 
  *下院は民主党258、共和党177議席である。上院は56VS40.

  The legislation would require the U.S. to reduce carbon dioxide and other greenhouse gas emissions by 17 percent from 2005 levels by 2020 and by about 80 percent by mid-century. That was slightly more aggressive than Obama originally wanted, 14 percent by 2020 and the same 80 percent by mid-century.

 この法律は2005年を基準年として2020年までに17%温室効果ガスを減らし、2050年までに80%の削減を要求するものである。オバマ大統領が当初考えていた2020年までに14%という案よりも厳しいものとなっている。

 いよいよ、米国が温室効果ガス削減に動き出した。国内で厳しい規制基準の法案を可決し、施行して外交交渉においてヘゲモニーを取り戻すつもりのようだ。
 ブッシュは京都議定書に反対し署名しなかったが、そのツケが回って、地球温暖化外交において米国は指導力を失ってしまった。オバマは国内法案を梃子に気候変動問題で米国の指導力を回復しようとしている。米国の手に地球温暖化交渉の主導権を取り戻すための明確な戦略行動が今回の法案提出だった。米国は方針を転換した。
 日本は具体的な外交戦略をもたず、あっちをみたりこっちに気をとられたりと、もたついているように見える。日本の官僚も政治家も戦略思考が苦手のようだ。財政も年金も戦略がないから迷走する。「政策懇談会」や「政策グループ」はあっても「国家戦略研究会」がない。いつまでこのままにしておくのだろうか。

 同じAP発の記事がヤフー・ニュースに載っていたのでアドレスを貼り付けておく。
 http://news.yahoo.com/s/ap/20090626/ap_on_go_co/us_climate_bill


 2009年6月29日 ebisu-blog#629
  総閲覧数:121,860/582 days(6月29日12時20分)
 


暴風・雪・雨 [18. global warming]

暴風・雪・雨

 一年で一番寒いはずの2月中旬だというのに、根室で雨が降っている、いったいどうなっているんだ地球は。

 昨夜(2/13)から雪が降り始めた。21時半頃の気温はマイナス0.3度だった。夜中に風は暴風に変わっり、雪は雨になった。

 朝起きた頃にはまだ雨が降っていた。雨が小降りになったので10時頃に雪掻きをする。隣の人も歩道の雪掻きをしている。そこへブルトーザーが3台連なってきた。家の前に水をたっぷり含んだ雪塊が車道への通路をふさぐ。ママダンプに載せた雪が重い。まるで石でも入っているかのようだった。隣の人も車が出せなくなるので、車道への通路を確保するために、そちらへ回ってスコップを振り始めていた。
 今朝はこうして重い雪でたっぷり汗をかいた。お風呂に入ってビールを一杯、極楽極楽といいたいが、今日は仕事だから明日にしよう。結局、風呂のあとはお茶にした。

 2009年2月14日 ebisu-blog#547
  総閲覧数:79,101 
/446 days(2月14日13時10分

暖冬 湖に異変 サロマ結氷4分の1(北海道新聞) [18. global warming]

暖冬 湖に異変 サロマ結氷4分の1(北海道新聞)

 記録的な暖冬で道内の湖の結氷が大幅に遅れている。道内最大の面積を誇るサロマ湖(北見市、網走管内湧別町、佐呂間町)では結氷した部分が全体の四分の一にとどまるなど、例年、この時期に全面結氷しているはずの湖に異変が起きている。ピークを迎えているはずの各地の氷下漁は振るわず、冬の観光やレジャーにも大きな影響がでている。
 例年、1月下旬には厚さ20㌢ほどの氷が前面を覆うサロマ湖。しかし、今年は一部が結氷している程度だ。過去十年で全面結氷しなかった年は2004年と07年の二回あるが、サロマ湖養殖漁協の坂口耕一さん(33)は「今季のように全体の四分の三が凍らない湖は見たことがない」と驚く。
 2,3月にかけての氷下待網漁はスノーモービルが使えないため、漁船で網を仕掛けることになりそうだ。カレイは氷の下の暗がりを好むため、湧別漁協は「水揚げは例年の十分の一に減るだろう」と悲観的だ。
 また、湖が全面結氷しないと、湖口で集水を押し返す力が弱まり、流水の侵入を防ぐワイヤネットを乗り越えて流氷が入り込む恐れがあり、漁業者は「カキなどの養殖施設に被害が出なければいいが」と不安を口にする。
 サロマ湖の結氷の遅れは記録的な高温が原因だ。網走地方気象台によると、湖の一部がある北見市常呂町では1月の平均気温が平年より3.6度も高い氷点下3.5度で、1978年の観測開始以降、91年の同3.2度に告ぐ高さだった。
 高温は全道各地に共通している。1月の道内の平均気温(主要22地点の平均気温の平均値)は、91年以降、同年に注ぐ2番目の暖かさで、2月も平年を上回る状況だ。


 2月11日北海道新聞朝刊1面の記事である。航空写真には真っ青なサロマ湖が広がっている。地図には道内の湖が記入してある。道東では全面結氷しているのは内陸部の阿寒湖のみ。道北のクッチャロ湖、オホーツク海沿岸のサロマ湖、風連湖、内陸部の摩周湖、太平洋側の厚岸湖が部分結氷だと紹介されている。苫小牧近くのウトナイ湖も部分結氷である。

 これらの現象が単に今年が例外的に暖かいのか、それとも少しずつ温暖化しつつある兆しとしての現象なのかはわからない。しかし、地球規模で傾向的に温暖化しつつあり、それがオホーツク海沿岸に影響を及ぼしていることは否めないようだ。

 オーストラリア東南部での旱魃・異常高温(46度)・森林火災と東北部の異常長雨による洪水・集落の水没は衛星観測の結果関係があることが立証されている。
 南極圏からの南西の大気の流れが東南部を取り囲むように東南部沿岸を迂回しながら東南の風に変わり、水蒸気を吸い上げてフェーン現象を起こし、ついで東北部へと流れて継続して大雨を降らせている様子がはっきりと観測されている。
 地球気象シミュレーションによれば、温暖化は異常気象の程度を大きくするという。一部地域での旱魃と同時に他の地域での水害が起きると予測されていた。その通りのことがオーストラリアで起きているように見える。森林火災は4000平方キロメートルに拡大し、確認された犠牲者数も200人を超えた。

 2009年2月12日 ebisu-blog#541
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紋別に流氷接岸(2/10) [18. global warming]

紋別に流氷接岸(2/10)

 紋別に流氷が接岸した。例年よりも6日遅いそうだ。昨日、接岸し、今日は風に流されて沖合い7~8㎞を漂っているという。接岸日数が年を追って短くなる。
 根室の真冬日も1月はこの120年来、最小の6日を記録した。

 オホーツク海沿岸一体に地球温暖化に兆しと思われる減少が頻発するようになった。魚も獲れたことがないような南の魚までオホーツク海側で獲れて、いまでは漁師もそう驚かなくなっている。

 昨年3月14日のジャパンタイムズの記事を2月4日#519『流氷の減少は気候変動への警告だ』で採り上げている。アドレスは下記の通り。
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-02-03-1

 2009年2月11日 ebisu-blog#539
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オーストラリア森林火災 [18. global warming]

オーストラリア森林火災

 南東部のビクトリア州で数十箇所から火災が発生して、東京都の面積の1.6倍もの森林が消失したという。死者105名、750棟被害、30万ヘクタール焼失と北海道新聞夕刊に載っている。
 テレビニュースでは7日にメルボルンでは気温46度を記録し、乾燥が続いていた。油分を多く含むユーカリの木がすさまじい勢いで燃えている。森林火災は木の種類によってはあれほどの音を立てて激しく燃えるものなのだ。避難した住民が火の勢いの恐怖におののいていた。火の手が強くてあっというまに広がり逃げ遅れた人が大勢いたらしい。
 一方、北東部では雨が降り続いて、大規模な洪水が発生して、水没地帯が拡大している。南半球の衛星観測画像データによれば、東南部の乾燥と東北部の長雨は関係がある。南極からの乾燥した大気の流れ東南部を迂回してフェーン現象を起こし、海の水蒸気を吸い上げて東北部へ大雨を降らし続けている。

 地球温暖化の影響で、旱魃のところはいっそう旱魃がひどくなり、水害のところは水害の程度が増す傾向が強まるという。気候が両極端に振れることが地球規模の気象シミュレーションから予測されている。
 森林火災と大雨による水没地域拡大がどこまで広がるか、まだめどすらついていないようだ。
 地球温暖化に関わりがあるのでチェックしておく。

【2月10日追記】
 お昼のテレビニュースによれば、森林火災の死者は17人に達した。犠牲者の数は200人を超えるとの見方が出てきた。
 2009年2月10日 ebisu-blog#531
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