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#4676 発達障害と学力アップ① Dec. 21,2021  [47.5 発達障害]

 発達障害という言葉を耳にするようになってから久しい。どいう分類になっているのかネットで検索してみる。
 3分類した図が見つかった。NHKのサイトである。

pic_about02発達障害s.jpg

 さて、この図にはアスペルガーがないがどこかに入るのだろうか?
 疑問がわいたら、更にネット検索してみよう。⇒ 政府広報オンライン「発達障害って何だろう?」がヒットした。

01_01 アスペルガーs.jpg

 広汎性発達障害、ADHD、LDの3分類となっていて、広汎性発達障害の中に自閉症スペクトラムとアスペルガー症候群がある。この図の方がよさそうだ。

 自閉症スペクトラムは言語の発達に顕著な遅れがみられるが、アスペルガー症候群の人には言語の発達に遅れはみられないところが違う、そして知的な遅れは見られない。コミュニケーション障害がどちらにもあるが、その在り方が違います。
 東京で大学院生の3年間「個人指導」の進学塾で教えていた時に、最初の生徒の中に自閉症スペクトラムの生徒が一人いました。算数教えるのに、コミュニケーションできないので、「あいうえお」の発声訓練からやりました。口を動かさないで喋るので、何を言っているのか聞きとれませんでしたので。努力できる生徒でした、辛抱強く2年浪人して私立大医学部へ進学してます。
 高校生で陽気なアスペルガー君がいますが、おしゃべり上手です。知能は標準よりもいい、興味が極端に偏るだけのことです。時々独りよがりな発言をしますから、こちらから問を投げかけて、どこが独りよがりなのか自分で気づいてもらうようにしています。この生徒とは、言葉のやり取りが楽しいのです。(笑)

 LD(学習障害)の生徒は1割はいそうで、彼ら・彼女たちは学習の基本技能に問題を抱えています。読み・書き・計算が標準速度の7割以下ですね。
 それも個々バラバラです。読むのは普通にできても、書くのと計算が著しく遅いというケースがあります。

 北海道新聞の「卓上四季」をいうコラムを使って書く速度を計測した結果では、16-18分が標準速度です。中学生で20分を超える生徒は、授業中に先生が黒板に書いたものをノートに写していると、話がまったく頭に残りません。話を聞くことに集中すると、書く速度が遅いので、ノートが取れないということになります。だから学力は平均より低くなりがちです。一番遅かった生徒は26分かかっています。トレーニングして20分くらいまで短縮できたところでやめました。一度だけクラスで定期テストの数学が一番になったことがありました。手間は10倍くらいはかけてます。標準速度の生徒が1時間で消化できる問題数に3時間とか5時間かかります。理解力も小さいので手間を惜しみなくかけたらいいのです。定期テストの数学なら、クラスで2-5番くらいまでなら、本人にやる気があればなんとかなります。
 計算速度は中1の生徒6人で試したことがありますが、速度差は30:1です。「読み・書き・計算」では計算速度の差が一番大きい。計算力アップには小学生低学年で1-2年くらい珠算を習わせるのが一番よろしい。公文式も陰山先生の百ます計算もいいですが、算盤(そろばん)はその10倍の効果があります。
 「逆九九」がすらすら出てこない生徒は割り算がとっても苦手になりますので、小2のときに繰り返し言わせましょう。小学校の先生は逆九九教えない方の方が多いようです。家庭でやれますから、お母さんやお父さんがチェックしましょう。九九を逆から高速で言うだけです。

 読む方の技能は、音読させてみたらすぐにわかります。速度の遅い生徒は「先読み」ができません。声に出して読んでいる部分の先を同時に頭の中で読む技です。折り返しのところがわかるような読みをしている人は、先読みができていません。先読みしながら、意味の区切りを判断していますから、音読速度が大きくなるのはあたりまえです。先読みをしている間は脳は並列処理をしています。実際に声に出している部分をパッと見て記憶し、記憶に基づいて音読しながら、同時に読んでいる先の部分を黙読しています。同時にやっているのですから、脳の活動は倍以上になります。音読トレーニングで脳が活性化できます。脳には短時間記憶するワーキングメモリーがあります。本の虫の子どもは本に夢中になることで、ワーキングメモリーの拡張を小学生のうちに成し遂げています。本を読まない生徒は、ワーキングメモリーが未発達のまま中学生になりますから、英語の単語の暗記が苦手とか社会科や理科の暗記モノが苦手というようなことが起きます。暗記が苦手というのは、ワーキングメモリーが未発達な子どもに現れる現象だと理解していい。トレーニングである程度は取り戻せますが、小学生の時にワーキングメモリーを十分に発達させた子どもに学力ではなかなか追いつけません。
 高速音読ができるようになったら、「微音読」をトレーニングします。かすかに唇を動かすだけでさらに一段ギアを上げて読みます。トレーニングで上達します。珠算の暗算は頭の中の算盤を動かしていますが、実際の手でやるよりも高速になります。手という物理的な制限がなくなるからです。微音読も声に出して読んだのでは追いつけないような高速になると、唇の動きがついていけませんので、かすかに動いているだけです。微音読に慣れたら、もう高速黙読ができます。一人、黙読の猛烈に速い女子がいました。一人で本を読んでいる時間が長かった。自然に身につけたものでした。わたしの本棚から次々に本を引っ張り出しては、もって行って読んでました。簡単な本ばかりではありませんでしたね。好奇心の強い生徒でした。塾をしているといつどんな生徒に巡り合うかわかりません。(笑)
 小学生低学年から夢中で本を読んでいる子は、先読みの技を自然に習得していますから、教科書を数分読むだけで、予習ができるので、高学力になります。
 根室の子どもたちで、中学生のうちに予習の習慣のついている子どもは1割以下です。なぜそうなっているのかというと、本を読む習慣を親がつけなかったからです。そういう点では、学校の読書指導にも問題があります。根室の校長先生たちはやり方を知らない。秋田県のある小学校では卒業するまでに百冊以上の本を読む生徒があたりまえになっています。学校ごとの蔵書や読書指導に図書館司書をおいて、しっかりやっています。だから、全国学力テストで学力も高くなります。根室の小中学校でやっている「朝読書」では読書力はアップできないのです。ただの手抜き仕事ですよ。音読指導は手間がかかります。ニムオロ塾では15年間生徒に授業の15分前に来てもらってやり続けました。効果の大きいことが分かったので、希望の生徒への指導に切り換えました。音読指導は体力が必要なのです。
 小学校低学年のうちに本を読む習慣のついた子どもは、語彙が急速に拡大しますから、使用語彙の難易度の高い本を階段を駆け上がるように読み漁ります。いままで読んでいた本のレベルでは語彙レベルが貧弱に感じて、もっと語彙の豊かなものが読みたくなります。学力の高い子は家庭教育でもつくれるんです。読書習慣の躾を小学校低学年で育めばいいのです。

 読み書き計算の3技能は基礎学力を支えるの三本の柱ですから、発達障害との関連、とくにLD(学習障害)との関係を中心に、数回採り上げるつもりです。

*「第三期大館市読書推進活動計画」


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