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#4965 近畿日本ツーリスト16億円詐欺事件 May 2, 2023 [8. 時事評論]

 近畿日本ツーリストがCOVID-19対策をめぐり、複数の自治体に、人件費を過大請求してお金を受領していた事件が報道された。内容はワクチン接種に関するコールセンターや接種会場の運営など。
*「近畿日本ツーリストの過大請求、86自治体で最大16億円 コロナ関連事業で人件費水増し」

 近ツリは過大請求分を返納すると発表している。なぜ旅行業者の近畿日本ツーリストが、ワクチン接種に関するコールセンターや接種会場の運営業務に携わることができたのだろう?まったく不可解だ。

 もう一つ解せないのは、刑事事件であるにもかかわらず、警察が動いていないこと。この事件は刑法第246条の詐欺罪に該当する。詐欺罪の構成要件は「人を欺いて財物を交付させた」場合である。

 この会社は社内にコンプライアンスに関する機能はないのだろうか?担当者が一人でやったことではない。86もの自治体に過大請求したのだから、実務を考えると数十人の管理職が必要な書類に決裁印を押している。だから会社ぐるみの詐欺事件といってよいだろう。コンプライアンス委員会があるなら、それが機能しなかったのだから、機能するように改善すべきだ。
組織図を確認してみたが、コンプライアンスに関する委員会等はなかった。コンプライアンス担当役員もいない。監査役の下に「監査役室」があるがこの組織は業務監査を担当しているのだろうか?上場企業で業務監査は日常的になされているはずだが、機能しているようには見えないから、スキルの高くない人が業務監査をしていたのかな。それとも会計監査機能だけ?監査機能が形骸化しているのか?)

 コロナ関係では給付金のバラマキが行われたので、不正受給事件が後を絶たない。政府のこうしたお金のだし方自体にも問題がありそうだ。書類が整っていたら出金するという、形式だけのチェック。

 儲けられるなら、なんでもありという経営姿勢に一番の問題がある。「浮利を追ってはいけない」という伝統的な日本の商道徳に反する経営姿勢である。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
 日本の伝統的なビジネス倫理だが、これにも反している。
 コロナという災厄に日本中が見舞われているときに、こうした詐欺を働くことを日本人は「火事場泥棒」といって固く戒めてきた。近畿日本ツーリストのような、観光産業では大手企業が、こうした詐欺に手を染めるというのは実に情けない話である。

 福島第一原発の際にも、熊本地震の際にも、家に鍵をかけて避難した住人を尻目に、泥棒に入る人たちが続出した。

 これだけの会社ぐるみの不祥事だから、近畿日本ツーリストの取締役は全員辞任したらいい。そうすれば、政治家も国会答弁で嘘八百が言いにくくなる。

 取締役には相互に業務の監視義務があるのだが、本件は「善良なる管理者の注意義務違反」だから、株主は取締役全員を被告とする損害賠償裁判を起こしたらいい。
 これから株価が下がり、株主に損害を与える結果になるだろう。
 これから1年間は近畿日本ツーリストを利用しないくらいの対応が必要だね、お灸をすえないと体質が変わらない。業績悪化がいい薬になります。
 近畿日本ツーリストが倫理観が欠如している企業だったら、取締役はだれも責任取らないでしょう。刑事事件として立件されもしなければ日本はアウトです。堕落したのは政治ばかりではなく経済(企業経営者)もということになります。

*近畿日本ツーリストは「KNT-CTホールディングズ」という持ち株会社になっている。

 近畿日本ツーリストの定款



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コメント 4

tsuguo-kodera

 切り口見事な職員技、流石です。
 私はボケ老人の1人エコチャンバー。多分これはその筋の事例です。日本中、蔓延しています。新しい挑戦事業はその筋の友好会社がkoderaの65番目の法則かも。仕方ない。世界中です。
 アメリカは潰れるからましなのかも。日本は継続するから動きが遅い。私の目の黒い内には変わりません。子供や孫が哀れですが、所詮この世は裸で生まれ裸で死ぬ。仕方ないと私は諦めています。随時随所楽しまざる無し。南無大師金剛遍照。
by tsuguo-kodera (2023-05-11 08:34) 

tsuguo-kodera

 訂正です。職員ではなく職人です。失礼しました。
1人エコチャンバー。子供と犬と遊ぶこと。遊びが最も大事だと最近つくづく思います。
by tsuguo-kodera (2023-05-11 08:48) 

ebisu

koderaさん

おはようございます。
「所詮この世は裸で生まれ裸で死ぬ」

どこかで聞いたセリフですが、名言ですね。わたしもそう思います。

低賃金の非正規雇用を転々とするしかなく、親から受け継いだ財産もない人たちはおそらくそうは思っていないでしょう。

子供に学力をつけるために、両親がさまざまな配慮をしてくれたことは無視できない事実です。
そんな両親のもとに生まれ育てられたことをありがたいと思っています。文字通り「有難い」ことです。

それでも、人は裸で生まれ裸で死んでいきます。

延命治療の実態は、意識がほとんどなくなって、治る見込みはないのに経管栄養で生かされ続けること。これは残酷です。腎臓機能が衰え、水分を排出できなくなると、細胞の一つ一つが水でパンパンに脹れます。患者は自分の意志を伝えることができません。そして腎機能が停止して死に至ります。見ている家族のほうも辛い。腎機能が止まれば3日で死にます。
食べられなくなったら、胃婁(いろう)は不要、ターミナルケアで枯れるように死ぬのがいい、苦しくありません。「餓死」状態です。人間は自分で食べられなくなったら自然に餓死するのです。それがモノの道理です。
どんな死を望んでいるのか、紙にしたためて家族にわかるようなところへ保管しておきます。
自宅で亡くなった場合は死亡診断書の問題もあるので、掛かりつけのお医者さんに来てもらわねばなりません。
相談して約束事を決めておけば、あとは憂いなく生を楽しめます。
自宅で亡くなる場合には、死亡診断書がないと「不審死」扱いで司法解剖されます。老人が枯れるように死ぬのに司法解剖は不要です。「転ばぬ先の杖」でしょうか。

ところで今朝地震がありましたね。千葉が震源のようですが、震度5強の地域が少しあっただけ。能登半島珠洲市の震度6強とは大違いですから、家屋の倒壊はない。
いずれ、大きな地震が来るのでしょう。それでも、関東から人が絶えることはありません。人間は存外しぶとい。関東大震災後100年たちますが、この繁栄ぶりは震災なんてまるでなかったかのようです。(笑)

by ebisu (2023-05-11 09:10) 

ebisu

ハイ、わかってました。何の支障もありません、読み替えてました。
わたしもよく漢字変換ミスしてます。

ところでテニスボールを使ってキャッチボールの相手して遊んでます。やっているときは何もかも忘れて無心ですから、愉しい。
by ebisu (2023-05-11 09:16) 

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