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#5240 日銀保有国債の実質評価損は9.4兆円:日銀発表 May 30, 2024 [95.増え続ける国債残高]

 弊ブログでは、日本銀行保有国債の実質評価損と債務超過問題を数年前から取り上げてきましたが、日銀自身が保有国債の実質評価損額を公表し、大手マスコミが取り上げるようにようやくなりました。

 今朝(5/30)に朝日新聞記事によれば、日本銀行保有国債の実質評価損が9.4兆円に達しました。
 昨年3月末は0.3%台の金利でしたが、今年3月末は0.7%台へ0.4%アップしただけですが、実質評価損は9.3超円も増大しています。
(今朝の長期金利は1.025%ですから、これで計算すると実質評価損は15兆円を超えていますね。)
 3月末の日銀の純資産額がわからないので、代わりに上期の純資産額を見ると純資産額は4.4兆円ですから、すでに4.9兆円の債務超過状態です。
 
 日銀がこんな状態では、円の国際的な信認が崩れてしまって、超円安状態(昨日の終値は157.63円/$)が続いているのもうなずけます。中央銀行が実質経営破綻している国なんて日本以外にはありません。

 一方で、、日銀保有のETFは74兆円ですから、現在の株価はGPF(年金機構)と日銀の「管制相場」ですよ。いずれこのETFは市場で売却処分しなければなりませんが、売却したら株式市場は大暴落必死です。日銀が上場株の約10%を持っているということ自体が異常です。
 昨日の日経平均は38,556.87円ですが、保有株式の売却で30,000円に下落すれば、20兆円の損失が発生します。だから、暴落を恐れて、日銀はETF売るにについても売るに売れないのです。

 朝日新聞の記事の中に、政策金利(公定歩合:短期金利)が2.8%になれば、1年後には日銀当座預金への金利支払いと国債受取利息の差が拡大し、日銀は債務超過になるという言及がなされています。

 アベノミクスとマクロ経済学の末路です、もう手遅れ。あんな世迷言を信じた国民が半数以上もいたのですから。たわいのない特殊詐欺に簡単に引っかかるほど馬鹿だったということです。これからお利巧になりましょう。

 弊ブログの中から経済学の勉強教材を材料を提供します。21世紀の新しい経済学の誕生です。扉を開くキーは数学とビジネス倫理、マネジメント、職人仕事の四つです。



#5117 公理を変えて資本論を演繹体系として書き直す① Nov. 18, 2023

#5120 公理を変えて資本論を書き直す② Nov. 28, 2023

#5124 資本論の論理構造とヘーゲル弁証法 Dec. 5, 2023

#5125 公理を変えて資本論を書き直す③ Dec. 8, 2023

#5127 公理を変えて資本論を書き直す④:生産性とマネジメント視点の重要性

#5128 公理を変えて資本論を書き直す⑤:生産性シミュレーション Dec. 11, 2023

#5132 公理を変えて資本論を書き直す⑥:生産性アップと労働価値説 Dec. 20, 2023

#5138 集中力と「仕事(=遊び)⇔労働」概念:NHK地上波「スタニスラフ・ブーニン」を見て Jan. 1, 20

#5207 歴史的順序と論理的順序:『資本論』の論理的破綻と新しい経済モデルについて Apr. 8, 2024 



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#5239ぽんぽこタヌキとキャンキャンキツネの前代未聞の選挙戦 May 27, 2024 [8. 時事評論]

 8年前に、ぽんぽこタヌキが都知事に当選した時、キャンキャンキツネが表敬訪問してほめちぎっていた当時のニュース録画を、どこかのテレビ局が流していました。
 そのキツネがキャンキャンキツネが今度はぽんぽこタヌキをこき下ろして、吠えまくっています。都知事選挙に立候補するのだそうです。
 8年前は人を見る目がなかったのでしょうね、反省の弁はありませんが、いまもそうでなければ幸いです。
 組織の長としては我の強すぎるところが気になります。自我を抑えられたらいいのですが、「自我本能」ともいいますから、五十数年間育てたものはもう乗り越えようがないのかもしれません。

 我の強い石原慎太郎都知事が2期目に新銀行東京を立ち上げて1400億円をどぶに捨てたことを思い出します。銀行経営や貸付実務なんてことにまったく関心がない人が、人気取りのために大きな事業をやろうとしても、頓挫するのは目に見えています。マネジメントができないのですから。それどころか誰に任せたらいいのかも判断ができません。
 大きな組織での実務経験のない人が、大きな組織の長となって仕事をすると、しばしば絵に描いた餅のような政策を強引に推し進めます。だれも止められない。
 キツネさんだけでは申し訳ないから、タヌキさんの事例も挙げます。東京オリンピックの予算オーバーもそうした事例の一つでした。元々は石原慎太郎都知事の時代に立ち上げた事業でした。タヌキさんは築地の豊洲移転も2転してます。通勤地獄を解消するために地下鉄を2階建てにするなんて言う荒唐無稽な公約もありましたね。
 一度、タヌキさんが公約に掲げた事項をリストして、一つ一つの実現程度を評価し、点数をつけて並べてみたらいかがでしょう。そうすれば、タヌキ都政リセットの意味が明確になります。

 思い起こせば、支持基盤のない本物の無所属の「意地悪ばあさん」が1995年に都知事選挙に立候補して当選した時に、つくづく都知事選挙は知名度が最重要だと知りました。知名度の低い者は泡沫候補同然ですから、中身なんてどうでもいいのかもしれません。

 学歴詐称疑惑という濃厚なスープが大好きなぽんぽこタヌキと「(スーパーコンピュータの問題で)2番ではなぜいけないのですか?」と叫んでいたキャンキャンキツネのどちらも、都知事にふさわしい人材とは、どんなに贔屓目にみても、見えませんよ。
 キツネさんは、二重国籍問題を隠蔽したままです。いくらなんでも現在は解消しているでしょうけど、国会議員であった期間に二重国籍の疑いがあるのですから、みずから正直に説明すべきでしょう。タヌキの某国大学首席卒業と似たような問題に見えます。

 どなたが都知事になるのでしょうか?
 いずれ首都圏で直下型の震災が起きて、1000兆円の被害が想定されています。国は借金を1300超円も積み上げて、それも年々膨らみ続けています。巨大自然災害が数十年ごとに全国各地で起きる日本で、首都直下型地震が明日にも起きるかもしれないのに、オリンピックにうつつを抜かして、首都圏震災が起きたときの備えの資金がまるっきりないのです。
(災害復興資金も国債の新規増発に頼るしかありませんが、果たして国債の発行ができるでしょうか?日銀引き受けはアウトですから金利を大幅に上げるしかない。3%程度で収まるはずもありません。日銀保有国債も株も下落し、巨額の債務超過が明らかになります。円の国際的信認が根底から崩れます。)

 大阪も同じですね。万博なんてしている場合じゃありません。東南海連動型地震が起きたらどうするのでしょう?

 立憲代表はどうしてキャンキャンキツネの立候補を止めなかったのでしょう?こんなことを繰り返していたら、次の国政選挙に影響が出やしませんか?党指導部の大局観のいい加減さに飽きれて、有権者の40%もある浮動票が離れます。あの人だけは大嫌いだという有権者が多いのです。党内の論理は浮動層には通用しませんよ。

 パーティ券での資金集めを幹部2人が屁理屈付けて強行しようとしましたが、世論の批判を受けて屁理屈は木っ端みじん。東大法学部卒の小頭のいい男は、自分の利害が関係すると途端に大局の判断を誤ります。屁理屈の主は日本最大のスーパーの創業者の御曹司と党代表でした。キツネさんの二重国籍問題に「あなたには説明責任がある」と党代表はなぜ言えないのでしょう。同じ口で他党の裏金問題をあげつらっても説得力がありません。

 目が覚めてもらいたいと思いますが、腐りきってしまっているのかもしれませんね。
 でも知名度なら、ぽんぽこタヌキとこんこんキツネは抜群です。
 かくして、タヌキとキツネの化かしあいの始まり始まり...
 
 わたしは、どちらもノーサンキューです。
 政党とわたしたち東京都民の良識が問われ続けています。

 炎上市長の安芸高田市長の石丸伸二さん(42歳)が立候補を表明しました。いま名前が挙がっている中で都知事の実務がやれるかもしれない可能性のあるのはのはこの人ぐらいかな。知名度の差はいまのところいかんともしがたいようです。
  彼に関する「現代ビジネス誌」の記事を6/7朝見つけたので、紹介します。小頭のよい男にありがちなタイプでした。これで政策立案やその実行に使える頭脳の容量が1/3以下になるでしょうね、とっても残念です。

*「都知事選に出馬表明した安芸高田市・石丸伸二市長は「恫喝裁判」「73万円踏み倒し裁判」で相次ぎ敗訴…!それでもSNSで大絶賛される若きエリートの「実像」」

<余談-1:石川かおり
 例えばですよ、石川かおり(40歳)という国会議員がいます。キャンキャン叫びませんし、穏やかで感じのよい語り口の人です。こういう人を都知事候補に擁立するにはどうしたらいいのでしょう?
 人柄がよくて、政策センスもいいだけでは都知事としての仕事で活躍は期待できませんから、政策を立案し、実行を管理できるブレーンが3名くらいいたらいいと思います。
 机上の空論ではなくて、実行可能な政策を立案し、それを実行管理するのは、マネジメントそのものです。民間企業でそういう仕事に長けた人材が立憲民主党にはほとんどいないように見えます。松下政経塾出身者は大事な30歳代で責任ある仕事をした経験がありません。大事な時期に、お勉強ごっこをしていたのですから。
 マネジメントに長けた人材がいませんから、常に机上の空論をかざします。だから、政権をとってもすぐに自滅しました。頭を下げて、そういう人材を抱えることができるか否かが、大人の政党への脱皮のカギに見えますがいかがでしょう?

<余談-2:党内事情>
 立民の国会議員たちは狐さんの都知事立候補に喜んでいるようです。党内でも誰からかまわずキャンキャン吠えるので、邪魔だったようですね。党内の持て余し物を都知事に立ててどうするのでしょう?この党も東京都民をバカにしてます。パーティ券に関わる裏金問題で屁のような改革案しか出せない自公とどれほどの違いがあるのでしょう?

「蓮舫氏の都知事選出馬で思わず喜んだ立憲議員らの〝本音〟 国政出戻りを避けるべく一致団結」
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一方で、大注目となった蓮舫氏の転身に「良かった」と話すのは立憲関係者だ。「朝の速報で思わず笑顔になりました。ある議員も会うなり笑顔で『良かった』って」と明かした。

一体、何が良かったというのか。蓮舫氏の攻撃力がなくなるのは痛手ではないのか。「蓮舫氏は国会で追及型の質問を担当してくれるのでその点はありがたい。しかし、実は党内でも国会で見せる姿と同じなんです。議員同士で打ち合わせをやると、『そんなんじゃダメなんじゃないか』と詰めてくるタイプ。それがなくなるのは良かったなあと」(同)

国会での厳しい追及は国民にとっても有益なもの。だが、蓮舫氏には同じノリで党内議論もやってしまう生真面目さがあるという。「負けたら衆院にくら替えっていう話もあるんですか? いや、そうならないためにも絶対に勝ってもらわないといけない」(同)と、国政出戻りを避けるため党内は勝利に向け一致団結しそうだ。




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#5238 新しい経済理論と経済社会のデザイン May 24, 2024 [A2. マルクスと数学]

 どんな現代の経済社会も、それを担っているのは企業ですから、企業の経営哲学とビジネス倫理が明確なら、世の中はずっと住みよくなりそうです。
 たとえば「売り手よし、買い手よし、仕事する者よし、世間よしの四方よし」、昔からある「三方よし」に言わずもがなの「仕事する者よし」を付け加えてみました。
 日本やドイツには職人が多い国ですが、職人は仕事の手を抜きません、ただただ好い仕事をするために存在しています。

 経済学を根本から考えなおし、新しい経済社会のデザインをすることが私のライフワークでした。書き溜めたものをピックアップして、書いた順番に並べるたで、興味のあるかたはお読みください。全体像が見えてきます。
 とくにマルクス経済学者のみなさんに読んでもらいたい。異論や意見が頂けたらありがたいと思います。


*#3436 フェルマーの最終定理と経済学(序):数遊び  Oct. 13, 2016

  #3437 フェルマーの最終定理と経済学(1):純粋科学と経験科学 Oct. 15, 2016


  #3438 フェルマーの最終定理と経済学(2):不完全性定理と経済学 Oct. 18, 2016


  #3439 フェルマーの最終定理と経済学(3):整理作業-1   Oct. 19, 2016


#4660 数学と経済学の体系構成の方法 Nov. 27, 2021


#5098 職人の仕事「千年の和釘に挑む」:NHKBS番組 Nov. 1, 2023


#5117 公理を変えて資本論を演繹体系として書き直す① Nov. 18, 2023

#5120 公理を変えて資本論を書き直す② Nov. 28, 2023

#5124 資本論の論理構造とヘーゲル弁証法 Dec. 5, 2023

#5125 公理を変えて資本論を書き直す③ Dec. 8, 2023

#5127 公理を変えて資本論を書き直す④:生産性とマネジメント視点の重要性

#5128 公理を変えて資本論を書き直す⑤:生産性シミュレーション Dec. 11, 2023

#5132 公理を変えて資本論を書き直す⑥:生産性アップと労働価値説 Dec. 20, 2023

#5138 集中力と「仕事(=遊び)⇔労働」概念:NHK地上波「スタニスラフ・ブーニン」を見て Jan. 1, 20

#5207 歴史的順序と論理的順序:『資本論』の論理的破綻と新しい経済モデルについて Apr. 8, 2024 



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#5237 シャドーイングしやすいテクスト May 23, 20242024 [49.1 英語音読トレーニング]

  NHKラジオ英会話の音読回数が10,000回を超えたことを#5235に書きました。読み慣れてはきましたが、シャドーイングしやすいテクストとそうではないテクストがあります。昨日と今日の文がそれ。
 昨日5/22は、
①テクストを見て2回音読
②1.0倍速(120 words/分)シャドーイング、2回
③1.2倍速(144 words/min)シャドーイング、16回
④1.3倍速(156words/分)シャドーイング、7回
⑤1.4倍速(168words/分)シャドーイング、10回
⑥1.5倍速(180words/分)シャドーイング、18回

  読みやすいというか、リズムがいいというか、ゴロがいいというか、音読しやすい文でした。180words/分でシャドーイングすると、時間短縮になります。この日は55回読むのに34分くらいでした。

 今日5/23は、
①テクストを見て3回音読
②1.0倍速(120 words/分)シャドーイング、62回

 こちらの方は、何か引っかかりました。読みづらいのです。だから、シャドーイング速度を上げずにいつもより10回多く読んでみました。無理せず、回数を増やして、何とかスムーズに読めるようになればいいのです。なんとなくリズムの合わない対話文でも、ちゃんとこなせるようになりたいと思います。だから、こういう読みにくいものは、スムーズに読めるまで回数を増やすことになります。

 このように英文には調子のいいものと、自分のリズムには合わないものがあり、シャドーイング速度にこんなに影響します。理由はよくわかりません。いろいろなものをたくさん読むうちに、自分が苦手とする英文のリズムがわかってくるのでしょう。それと同時にそうしたものを普通に読みこなすスキルも育つのでしょうね。

 今日のテクストは聞き取りにくいところが一か所ありました。"the name of the restaurant"と言いう名詞句ですが、"of the"が”/əðə/ ”と発音されてました。ofは弱音になるときは/ə/と発音されることがよくあります。
 "He loves to party"の"to"は/tə /と発音されていました、弱音です。lovesの/z/という発音の直後の/tu/は強勢ですから言いにくいのでしょうね。toに続いてparty/ˈːr.t ̬i/のp音は破裂音でここは強く音を出しますから、なおさらです。強・弱・強のリズムになっています。
 シャドーイングの好いところは、文字を見ないで音のリズムに浸りきってお手本の音をコピーできることです。文字を見ると、ナレータの朗読の音の微妙な変化に鋭敏に反応できずに文字を読んでしまいます。
 
 最初にテクストを見ながら放送を聞いて、弱音部分にマーキングしています。弱音の箇所は速度が大きくなって、2語がカタマリになって1語のように発音されたり、リエゾンが生じたり、音があいまいになったり、音が消失したりと変化が多いのです。調子の弱いところが精確にコピーできれば、さらに英語らしい音になりそうです。


 ところで、アガサ・クリスティの小説"AND THEN THERE WERE NONE"(Lexile 570L)の朗読トレーニングを3/21から中止していましたが、暇なので今日再開してみました。0.9倍速(155words/分)で音がよく聞き取れます。NHKラジオ英会話の音読トレーニングに集中していたので、しばらくご無沙汰、2か月ぶりでしたが、音読が前よりずっと楽になっています。
 小説の朗読はレベルが高いように感じます。登場人物によってはナレータは訛(まな)りを使い分けていることがあります。それはそれで面白いのです。NHKラジオ英会話とは出だしの子音の強さが違います。いろんな人の英語を聞いたり、真似したりしているうちに、いろんなことが理解できるようになるのでしょう。
 暇なときにぼちぼちやることにします。

 読みやすかったものと読みづらかったもの、NHKラジオ英会話の昨日のテクストと今日のテクストをアップします。
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Yoshi Hi, Barbara. How’s it going?
Barb Fine…Yoshi. Yoshi is your name, right?
Yoshi Yes, thanks for remembering!
Barb I didn’t. You’re wearing your office ID.
Yoshi Oh, ha-ha. By the way, who was that older man you were talking to?
Barb Older man? Oh, you mean Deepak. He runs an Indian restaurant a really good one.
Yoshi You like Indian food, eh?
Barb Doesn’t everybody?
Yoshi I guess so.

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Yayoi Raj, how does it feel to be back here?
Raj : It’s like I never left.
Yayoi Yeah, you’ll always be a member of our company.
Raj : Thanks, Yayoi. So, we’re going out for dinner later, right?
Yayoi Yes, but Jonas can’t make it. He loves to party, but he caught some kind of cold.
Raj : Oh, I hope he feels better soon.
Yayoi Me, too.
Raj : So, what’s the name of the restaurant?
Yayoi I forgot the name. I’ll text you later.
Raj : OK, thanks.

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 否定疑問が「意外・心外・同意を求める気持ちなど、色濃く感情を表す形」だということは、音読トレーニングを始めるまで知りませんでした。知ってからは”Doesn’t everybody?”(皆さんそうではありませんか?)のような否定疑問文を音読するときに、自然に感情がこもるようになりました。大西泰斗先生に感謝しています。

<余談:Lexile指数
 レクサイル(レクシル)指数とはネイティブの子供を基準として、本の難易度(語彙の大きさや文章の難易度)を種類分けしたものです。"AND THEN THERE WERE NONE"は570ですから、ネイティブの小学3~4年の語彙力・読書力で読めるということのようです。英検なら3級レベルに位置していました。
  高校1~3年生の英語の教科書スラスラ読めても、このアガサ・クリスティの小説の語彙範囲には届かないと思いますので、合点がいきません。構文理解は高校3年生までの英語力が必要ですし、語彙範囲は高校教科書で出てくる範囲を大きく超えています。英検3級では仮定法すら出てきませんから、英文法の観点からも英検3級の範囲を超えているように見えます。
 でも、国際的に通用している本の評価基準ですから、一応念頭にはおいておきます。
 ハラリの”Sapiens”はレクシル・スコアはいくつなのでしょう?難関大学入試に出てくるレベルの英文です。

 比較のために日本人の小学四年生の語彙力を考えると、よく本を読んでいる子で、半分くらいるルビのふってある児童書と大人向けの本の中間なら、読みこなせていますが、大人の小説を読んでも読めない漢字が続出ですから、意味が理解できない文章が続出することになります。とくに漢字の語彙が追い付きません。読み飛ばしや誤読が頻繁に起きています。たとえば、医師である夏川草介の『神様のカルテ』を典型例に挙げておきます。読めない漢字をチェックして、ルビを振ってあげてます。1冊やれば、同じ著者の書いたものはずっと読みやすくなりますから。ルビが振ってあれば、意味が解らない語は国語辞典を引けばいいのです。この本には医学用語が頻出します(笑)。ペンネームからもわかるように夏目漱石の著作も知らないとなかなか読めたとは言えないような本です。『枕草子』も本の中で話題の上ります。だから、大人の本への橋渡しを、周りの大人がしてあげる必要があります。
 漢字検定も漢字の語彙力を拡張する好い手段の一つです。好奇心の強い本好きな子どもたちにとって一番よいのは、総ルビの本を増やすことでしょうね。少なくとも名作は総ルビの本を増やしてもらいたい。そうすると、本を読むことで語彙力を強化できます。それが一番自然な語彙拡張の王道でしょう。

 結論は、欧米の普通の小学四年生が大人の小説である"AND THEN THERE WERE NONE"を読みこなす読書力があるというのは、今の段階ではわたしには疑問符がつきます。本好きで、できのよい子は別でしょうね



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#5236 MTBで3.6度の坂を登る:心房細動起こさぬように... May 22, 2024 [36. 健康]

 坂を急いで登っている途中で3度心房細動が起きました。小走りで登ったときが2度、マウンテンバイクで8~10km/hで登ったときの計3回です。
 今日、MTBで試してみました。速度を3.5~5km/hにして、ギア比は1:1、勾配の緩いところは6km/h、これなら息切れしませんでした。歩いて登るより楽です。下りは45㎞までしか出しません。見通しが悪いところは30km以下の落とします。ブレーキなしだとこの坂なら60㎞出そうです。

 国土地理院の版のベクター版の地図で計測したら、800m走って50mの標高差があります。
 使い勝手のよい地図です。区間を指定して、距離や断面図が計測出来ます。
 ぜひ使ってみてください。
 地理院地図Vector|国土地理院 (gsi.go.jp)
 「国土地理院vector版の使い方」

 これが今も乗っているブリジストン製のMTBです。ギアはフロントが3枚、リアが7枚の21段変速車です。空気圧は4.5bar。車体は頑丈で重く、少しくらいの段差は平気で斜め横断できます。タイヤの幅が5.5㎝もあります。ブレーキもディスクブレーキですから、利きが好い。一番軽い設定だと、前と後ろのギア比は1:1で軽いのです。上り坂はこの車が楽でいい。T字路を向こうから右折してきた車に左折の進路をふさがれてフルブレーキして、空中で1回転したことがありました。フルブレーキの際にはお尻をサドルから外して後方へずらしますが、右折車がセンターラインを早く超えて、進路をふさぐコースをとるとは思わなかったので、クルリッと1回転して、受け身はしましたが、縁石に大腿部を打ち付けました。痛かった。みるみるはれ上がってきました。骨折したかと思いましたが、立てましたね。
SSCN1271s.jpg

 このロードバイクは写真を撮った1か月後に廃車しました。ミヤタ製の最初のガーボンフレーム車です。細いタイヤで空気圧は10bar、MTBの2倍です。ロマンの硬さがそのままハンドルに伝わってきますから、時速50㎞以上だとその振動がたまらなく”おいしい”のです。路肩を走って小石を拾い簡単にパンクすることがあります。アスファルト路面の亀裂も幅が5㎝もあると要注意でした。間に草の生えているところを走ります。車がほとんど通らないコースを選んで走っていたので、そんなことが可能でした。
 オヤジの形見だったので30年間大事に手入れして使っていました。これでこの坂は上れません。ギア比が無理なのです。この坂を登ることを想定していたので、MTBのほうを引っ越してきたときに持ってきました。これくらいの下り坂だと短い坂でもトップギアで時速60km出てしまうので、都会では危なくて乗れません。タイヤが細いので、フルブレーキでは姿勢をまっすぐにしていても、滑って流れます。何度かに分けてブレーキングしてました。冬の自動車の運転と一緒です。すぐには止まれません。時速50㎞以上で転んだら、よくて大怪我です。痛いのは一瞬、すっとあの世に行けるかもしれませんね。
DSCN6894s.jpg



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#5235 英語音読10,000回のススメ May 19, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 大西泰斗先生担当の、NHKラジオ英会話のを音読教材に利用しています。音読回数が、5/17に10,000回を超えました。昨年10月中旬からスタートでしたから、7か月間かかっています。
  もともとの動機は、小学生に音読中心で英語を教えてみようということでした。小4から7年間で英検準1級にチャレンジするには小学4・5・6年で基礎固めをどうやればいいのか、教えながら試してみたかったのです。そういう意味では、この記事は実験観察記録の一部です。わたしにとって教えることとは、生徒だけではなく、自らもチャレンジの部分があることです。背中で教えているのかも。

 10,000回目を超えたところで振り返ると、効果は大きく分けて二つありました。
①リスニングがよくなった
②気持ちを込めて同調音読ができるようになった

 音読しているだけで、「英語耳」がよくなりましたね。一音一音正確に発音できるようになれば、耳は自然にそれらの音を聴き分けています。
 毎週金曜日は「今週のレビュー」なのですが、月~木曜日の本文に対して、三択の質問があります。これがきれいに聞き取れるようになりました。主語と助動詞・動詞と目的語や大事な前置詞句に集中していたら、リスニングにミスが激減しました。映画も日常会話がだらだらと続く映画なら、ずいぶん聞き取れるようになり、英語の台詞を楽しめるようになりました。「おや、この表現はラジオ英会話でも出てきたぞ!」というのがだんだん増えています。それはとっても愉しい。
 
 金・土・日曜日は、「今週のレビュー」で各曜日の本文を15回ずつ音読しています。
 日曜日で各本文を累計100回読むので、センテンスの頭の部分を聞いただけで、文章がスラスラ出てきます。お手本の朗読にかぶせるように、つまり同調するように音読してます。
 そのシーンに浸り込み、発話者の心理にも同調しながら音読するように変わりました。ビジネスマンが足繁く通っている占い師のおばさんへ恋愛相談をしているシーンでは、相談者の不安な気持ちを感じながら同調音読しています。シーンをありありと想像することと、気持ちの表現が大事なのです。
 女性の声の秋乃ろーざさんは曜日ごとのシーンの人格によって声音やトーンを使い分けています。毎回見事な読み方です。

 今週のテクストから紹介すると、月曜日は女のアンドロイド役です。トーンの高いかわいらしい声で話しています。火曜日は占い師のヒロコです。低いトーンでゆっくりと自信たっぷりに語りかけます。水曜日は考古学者のブレンダン・ピーコック教授の姪のマナ役で、小学生なのか高いトーンでかわいらしさを出していました。木曜日はピアノ教師のミズ・ストラビーンスキー役です。落ち着いたトーンで語り掛けます。

 ときどき、高いトーンで真似て音読しています。男と女の声ぐらいは慣れてきたら使い分けられるようになります。かわいらしい声を真似ると、マナの気持ちが心の中に再現されるように感じます。気持ちがこもるような音読に変わると、文章がそのまま意味のカタマリとして頭にすっと入ってきます。それが心地いいのです。

 チャンクごとに「小さな休止」を入れて読むようになりました。チャンクを次々につなげて文章を紡ぎ出していく心地よさを感じながら目をつぶって同調音読してます。
 例えば、こんな風に...

 Coworker : I finally / replaced my laptop!  I’ve been wanting / this model / for a long time.
 You:Good for you!  You can work / more efficiently / now, / cant you? 
 You:By the way, can you explain / what’s so special / about that model?

 早口音読((180~216 words/分))のお陰で、ノーマルスピード(120 words/分)で読むのに大きな余裕が産まれています。余裕があるので、チャンクごとに「小さな休止」を意識して、コピーできるようになりました。1万回で山の中腹のあたり、見晴らしのいい場所に出た気がします。山頂は頭上の雲の中、まだまだ見えません。もう少し登ってみます。音読20,000回の眺めも見たい気がします。登っているのは標高599mの高尾山(初心者用ハイキングコース)かもしれませんね(笑)

 大学共通テストの英語リスニング問題や都立高校レベルのリスニング対策にも、10,000回音読は効果が大きいと思いますので、中高生のみなさんにおススメしたい。「夏休みの1か月間、毎日1.5時間やれば50~60回/日」、1500~1800回集中的に音読できますよ。
 この2週間ほどは喉に負荷が小さい声の出し方が自然にできるようになりました。毎日55回のペースなら、いまでは問題ありません。途中で声を涸らせたことがありました。声の量を搾って口パクで対応していました。
 10,000回の音読で、英文を頭から語順通りに読むことに慣れるので、戻り読みをしなくなり、読書スピードも確実にアップします。

 NHKラジオ英会話講座は日常会話ですから、語彙については範囲が狭いのです。語彙数を増やすために、自分の興味のある分野の本をたくさん読んでください。英字新聞や本を読めば、語彙数は飛躍的に増えます。

 わたしは、経済学と(管理)会計学分野が学問としては専門家ですから、この分野の専門書は学生時代から英文文献を読み慣れているのでほとんど辞書なしで読めます。経済学関係の翻訳モノの専門書を原文と対比しながら読み、文脈から判断しておかしいと感じたときに、「巧いな」という箇所と、「どうもヘンだ」という箇所がいくつも出てきて、決め手になる方法はないかとしばらく探しました。偶々であった生成変形英文法の専門書を読んで、深層構造に分解することで、文意が間違いなく解釈できることを知りました。それからチョムスキーの著作を2冊読んでます。この分野は言語学と理系分野のキメラですから、両方の分野を消化できる専門家がおらず、日本では英文学者の安井稔先生の翻訳が『文法理論の諸相』が1冊あっただけでしたので、チョムスキーの著作そのものと彼の理論を解説した本を専門書を読むしかありませんでした。日常会話と違って、専門書を正確に読まなければいけないときは、生成文法が唯一と言っていいくらい、有効な手段です。高校生でも理解できるレベルのほかの著者による解説本の翻訳書もあるので、そういうものを探してみてください。きっとあなたの役にも立ちます。


 仕事でシステム工学関係の先端の英語で書かれた専門書を読んですぐに使っていたので、この分野の英語の専門書も時々辞書を引きながら読めます。SEというよりはKEでしたね。経営情報システム分野では1980年代半ばころには国内トップレベルのスキルを有していました。この分野は日本では扱える学者がいませんでした。1984年に"Accounting Information System"という600ページくらいの本を読みました。SRLへ転職して、経営情報系システム開発をした際に、とっても役に立ちました。国内には参考になるシステムがありませんでしたから。
 医学分野もSRLで仕事していた時に、予算管理担当者として提案した、検査試薬の価格交渉(20%ダウン)を予定通りやり遂げ、寝耳に水で八王子ラボへの異動辞令がでて購買課で仕事、検査機器の購入や共同開発を担当して、それぞれの検査担当やメーカーの営業担当者から、測定法に関する文献を提供してもらい、片っ端から読んで質問させてもらいました。「職権」をフルに利用してました。空き時間を利用して図書室でNature やScienceそしてSRLで定期購読していた20種類ほどの医学専門雑誌類を濫読していたので、少し読めます。学術開発本部で、製薬メーカーと検査試薬の共同開発の仕事をしていた時には、先端の医学雑誌を読んで語彙を増やさないと仕事にならなかったので、ありがたかった。シャニムニ読んでいるうちに「慣れが生じる」ので、その分野の論文の読書力が自然についてくるし、視野も拓けてくるものです。
 それぞれの分野の専門用語を一通り覚えてしまったら、専門書の方が語彙や文章が平易でずっと読みやすいのです。アガサクリスティの小説のような語彙の豊富な文学作品っぽいものの方がずっとむずかしい。
 実用上は必要な範囲の語彙を知っていたらいいだけです。何でも辞書なしで読めて話せて書けるほどの語彙力なんて必要ありません。作家とさまざまな分野の専門家を一人でやるようなものです。そんなことで人生を無駄にはしたくはないでしょう。もっと他にもやるべきことがあります。

 日常会話の分野だけが必要なかったので、語彙や定型表現に不案内でした。大きな穴が開いていたので音読トレーニングでパッチを当てたというわけです。
 知れば知るほど好奇心が湧いてくるので、多読や濫読の時期が誰にでも訪れます。好奇心という川の流れに身を任せたらいいだけです。気がついたときにはきっと大海原を泳いでいますよ。多読をやめて、本を選んで、問題意識を絞った読み方をするようになります。本の選択眼が慥(たし)かになり、考えることが増えますから、レベルの低い本を避けるようになります。

<余談:英作文問題作成>
 NHKラジオ英会話を編集し直して、英英辞典から単語の解説を付け加えて、英作文問題を作成して週に2回授人ほどの人にメールで配信しています。
 6月号を昨日5/18入力し終わりました。NHKラジオ英会話は毎回80ページ文です。
 6月号の入力が終わったところで、1746回、A4判で2046ページになりました。9月末までやるつもりですから、1902回になりますね。
 1069回目の解答・解説と1070回目の問題を先ほど送信しました。あと8年間メールで配信できる英作文問題が9月末に完成します。12月で配信ストップするつもりですので、在庫が山積みになります。(笑)
 NHKラジオ英会話を編集して英作文問題にしているので、基本は和訳の日本語の方から英作文することになります。英検準2級レベルだと相当きついでしょう。ラジオ英会話の日本語文をスラスラ英訳できるようになれば、英検準1級は語彙力を強化するだけでクリアできるでしょうね。
 さて、普通の学力の小学生が高校1年生で英検準1級にチャレンジするには、「何を、いつ、どのように」学べばいいのか、そんな道筋を見つけたいと思います。

 ところで、NHKラジオ英会話には副教材として『ラジオ英会話サブノート』というものが別冊で四月から発売になっています。小学生が英文法と英作文を同時に学ぶにはとてもよい教材ですから、おススメします。

*#3436 フェルマーの最終定理と経済学(序):数遊び  Oct. 13, 2016

  #3437 フェルマーの最終定理と経済学(1):純粋科学と経験科学 Oct. 15, 2016

  #3438 フェルマーの最終定理と経済学(2):不完全性定理と経済学 Oct. 18, 2016

  #3439 フェルマーの最終定理と経済学(3):整理作業-1   Oct. 19, 2016




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#5234 循環器診察:心房細動 May 18, 2024 [28. 医者と患者のコミュニケーション]

 突発性の心房細動が起きて、3/29から循環器専門医の診察を受けています。
 最初に診察してもらったドクターからは、カテーテル・アブレーション手術という治療法があるので、ユーチューブ動画を見ておいてくださいと指示がありました。心臓エコーで心房が拡張していないかチェックして経過観察ということになりました。薬は二種類、線溶系の薬剤と心房細動を止める効果のあるものです。
 2度目に診察してくれたドクターは女医さん。てきぱきした人でした。心臓エコーの結果が出ていたのでそれを診て、いまのところ異常なし、OK、経過観察ということになりました。

 その後一度だけ心房細動が起きました。標高差80mの上り坂をMTBでいつもは4~5㎞/時で上るのを、2倍の速度で上ったら、途中で脈拍が170くらいに上がりました。時速を4km/時に落として家に戻り、横になったら、2分くらいでおさまりました。脚の筋肉量が増えているので、速度が上がるのですが、抑えないといけません。

 振り返ってみると、最近、3度心房細動が起きたのはどれも坂を上っている最中でした。自転車が1回、時々駆け足で歩いて登っているときが2回、はやい速度で歩いても登りは心臓に負荷が大きいのでしょう。
 理由がわかったので、原因を取り除きます。急いで登らない、それだけで、仮説が当たっているなら心房細動はおきないでしょう。

 3回目の診察はまた別のドクターでした。カテーテルアブレーションを3度勧められました。前の職場の仲間にアブレーションをした人、Kさんがいて2度やっていると伝えたら、「効かないことがある」とドクター。心房が肥大しないうちに手術を受けたほうがいい、3~4日間の入院だと強いおススメ。前に診察してくれたドクター二人とはだいぶ意見が違うように感じ、「いまはまだ手術は考えていません」と返事しました。この日のドクターはすぐにも手術しないといけないような診断でした。少し強引に感じたのです。尿管結石を2度やっているので、コンピュータで画面から、あるいはカルテでそれを読んだのかもしれません。薬剤よりはカテーテル・アブレーションがこの患者には適しているという判断はありえます。いろいろ考えてくれてのおススメだったかもしれません、でも二つ返事で「はい、手術を受けます」とは言えませんでした。わたしにしてみれば経過観察中ですから。「余談-2」で書きますが、退院後の生活の質の維持への不安もあります。
 胃がないので、午前中の薬剤服用はお腹の調子と体調を悪くし、心房細動を止める薬の方だけ半分量にして飲んでいることを伝えました。ちょっとお冠でしたね。勝手なことをするなというニュアンスがありあり。もっともなことだと思いました。患者が勝手に服薬量を減らしたら治療に責任が持てませんから。とくにイグザレルトの方は勝手に中止したら心房細動が起きたときに血栓が脳に飛びかねません。飛べば、脳血栓を起こしますから、とても危険なのです。不整脈の自覚症状がなくても、さすがにイグザレルトを中止しようとは思いません。その時は事前に専門医に相談します。

  薬剤は線溶系の薬がイグザレルト錠、不整脈を防ぐものがプレカイニド酢酸塩錠です。前者は血栓ができないように抗凝固作用のある薬で、後者は不整脈を防ぐもの。どちらも副作用が強いので注意書きがあります。朝食後に服用した後、胸部に不快感があったのと、脈に変な影響を感じたので半量に減らしました。そんな副作用があったときはすぐに医師に知らせることと書いてあります。副作用の点は話しましたが、同じ投薬量を処方しようとするので、半分にしてもらいました。不整脈が起きていると自覚症状がありますが、それはありません。登りの坂道を急がなければOKなのです。イグザレルトも肝臓や腎臓に副作用が出る可能性があります。尿管結石を2度やっているので、この薬剤も危ういのかもしれません。不整脈や心房細動が頻発するなら、ドクターのおススメのようにカテーテル・アブレーションを選択すべきなのでしょう。
 イグザレルトは線溶系の薬ですから、脳出血のリスクを高めるのではないかと懸念しています。脳梗塞を防ぐために脳出血を起こしては元も子もありません。三十数年前のことですが、上司のお母さんが、夜になって具合が悪いから早く寝ますと言って、朝になったら亡くなっていたことがありました。微量の脳出血が死因でした。

 2006年に巨大胃癌とスキルス胃癌の手術後、TS1という抗癌剤の服用で、主治医と何度も相談して、1クール休んだり、量を減らしてしのいできました。白血球が減少して副作用が大きすぎて身体のダメージがひどかったからです。「再発の可能性があります」と主治医。逆隔離入院の必要があるほど、一時白血球数がダウンしました。薬剤の中断でしのぎました。

  薬の飲み方は体調ともバランスを考えないといけません。


 その都度、ドクターが変わるのでこちらの体調や、心房細動が起きるタイミングの話を毎回診察してくれるドクターに説明するのは時間がかかるので、しませんでした。
 診察の都度、毎回ドクターが変わると、コミュニケーションがむずかしいものですね。

 坂の上りを急がなければ、心房細動は今後は起きない可能性があるので、それで収まれば、カテーテル・アブレーション手術はもとより、薬もやめたいのが本音です。
 もちろん、心房細動が頻発するようなら、アブレーションを選択肢に入れるつもりです。
 次回のドクターはどんな人が来るのかな?


<余談-1:尿量測定>
 水分摂取量が追い付かないと尿管結石を引き起こす可能性がわたしにはあります。
 腎機能に異常は感じていませんが、2度の尿管結石があるのでイグザレルトを服用しているので、ふだんの尿量を確認しておこうと、ペットボトルをカットして、100mlごとにメモリをつけて、7日間データを取りました。ペットボトルに毎回排尿して、量を確認し、トイレに流してペットボトルを2度水洗い。それを繰り返しました。1回当たりの量は110~280mLでした。
 1日当たりの尿量は700~1100mLでした。1000mLを超えたのは1度だけ。ほとんどが900mL付近でした。

 身体のどこかに異常を感じたら、ドクターに説明しないといけませんので、ふだんの自分の客観的なデータは必要なのでしょう。
 発汗が増え、水分摂取量の増える夏になったらまた7日間測定してみます。

<余談-2:入院手術の影響>
 3~4日間の入院だと体重が2~3㎏減少しそうです。体重2kg戻すのに1年かかります。食事量と水分量を大目に、軽い運動で筋肉を増やするか手がありません。胃と胆嚢がないので、そして横行結腸も一部切除しているので、水分量や食事量を増やすのはなかなかたいへんなのです。
 医者の側から見れば、だからこそ、元気な今のうちにカテーテル・アブレーションをすべきだという所見になるのでしょうね。
 体重が減ると内耳に影響が出て、自分の声が頭蓋骨に響くのです。人の話が聞こえにくくなるし、英語の音読も声が頭蓋骨に響いて不快になります。体重2kg減少するとこれが常態になりそうで嫌なのです。

 でも、普通の状態で不整脈がでたり、急坂を急いで登っていないのに脈拍数が分速190に上がるようなら、術後の生活の質が下がることを覚悟で、カテーテル・アブレーション手術を受けます。


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#5233 歯科:月次チェック May 18, 2024 [39. インプラント治療]

 今週は歯科の月次チェックをしてもらいに行ってきました。
 歯科衛生師さんが、「どこか異常を感じたところはありますか?」といつのも挨拶代わりの問診に「どこもいたくありません」と答えます。
 「うがいしてください」
 嗽液を渡され口の中を消毒します。新型コロナ以来、ずっとこの消毒作業は続いています。効果のほどはともかく、お互いに安心なのでしょう。

 「きれいに磨けていますよ」
 毎月クリーニングしてもらっているので、歯垢も固まる暇(いとま)がないのだろう。歯がどこも痛くないというのはありがたい。もちろん歯ぐきからの出血もない。
 毎月チェックしてもらえるのはありがたい。

 歯が健康だとお腹の具合もよい。この一月ほどで、今日だけ午前中少し下った。朝食前に食べたヨーグルトの量が多すぎた。(笑)

 午前中の下痢がほとんどなくなったので、体重は7日間移動平均値で59.0㎏になっています。3か月前に比べて1.5㎏増えました。

 先ほどNHKラジオ英会話6月号を編集して英作文問題を作り終えました。4日間で完了、最速です。#1746回、2046ページ(A4判)。「塵も積もれば山となる」はほんとですね。



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#5232 中国の過剰生産問題とグローバリズムの終焉 May 13, 2024 [A2. マルクスと数学]

 中国製造業の過剰生産能力が問題になっていますが、槍玉に挙がっているのは新産業分野です。たとえば、EV車、太陽光パネル、通信、半導体関連です。
 これらの先端産業分野は欧米が危機感を持っているから、槍玉に挙げられているのでしょう。
 実は住宅建設も過剰生産ですが、これは直接欧米経済への影響はありませんから他人事です。しかし、巨額不良債権処理を決定したら、金融面で影響は避けられないのでしょうね。

 習近平政権は中国に過剰生産問題はないと火消しに躍起になっていますが、無理もないところがあります。理由は、共産主義の国には過剰生産問題は理屈の上ではあり得ないからです。
 商品の価値はそこに投下された労働量で決まるので、いくら生産してもかまわないのです。ところが、生産性が上がり、生産能力がアップすれば、実際に商品の過剰は生じます。
 建設途中で放棄された高層住宅群は労働価値説から考えると、それは労働が投下された商品生産です。ところが買い手はローンを組んでお金を先払い、建物は未完成のまま放置ということが起きています。そんな未完成の建物は市場では買い手がつかない。つまり商品としての価値がありません。こんな卑近な例からも、投下労働価値説は間違いだということがわかります。労働価値説が誤謬だということは、その前提の上に展開されている「資本家による労働者の搾取」という論も破綻するということです。マルクスの経済理論は市場を前提にすると現実には成り立たない妄想の産物だということです。彼は生涯にわたって、労働とかマネジメントをしたことがありません。頭の中で妄想していただけでした。でも『資本論第一巻初版』を出版した後、第二巻の草稿を書き進めて気がついたのだろうと思います。だから16年間沈黙を守って、『資本論第2巻』を出さずに亡くなっています。バカなエンゲルスが遺稿を編集して『資本論第2巻』と『資本論第3巻』をマルクスの死後に出版しました。

 マルクス『資本論』は経済理論としては矛盾、その結果論理的に破綻してます。経済的理論の基盤のない共産主義社会は経済社会としてはありえない幻想ということになります

 こうした政治体制と経済構造の捻じれは、中国では共産党が経済的に人民を搾取し、弾圧するという歪みとなって表れています。たとえば、地方から上海や北京に出てきた労働者たちは、「農村戸籍」で差別されています。都会で都会戸籍の人と同等の社会保障すら受けられません。大学進学でも農村戸籍の者たちは差別されています。
 何という皮肉でしょう、労働者は行政機構にも企業経営者にも文句すら言えません。言ったら警察が介入して逮捕されます。どういうわけか労働組合運動は共産主義の国では不可能です。
 企業経営で成功した者たちと、政治セクターに強いコネのある者たちが経済的な勝利者となり、そうではない者たちは貧困のどん底にあえいでいます。労働者のための国家であったはずが、生活改善を訴える労働者にや若者たちに警察や軍隊が牙をむく国家となっています。それが共産主義中国の政治体制と経済の捻じれの現実です。

 中国でも企業経営者はニーズのない商品が価値をもたないことは容易に理解できますが、政治セクターでは理解不能なのではないかと思います。それはマルクス『資本論』が投下労働価値説をとっているからです。政治セクターはマルクスの理論を否定すると自らの存在理由を失うので、否定できないのです。労働が投下されてつくられた商品は価値を持つというのが、政治セクターで仕事している人々の理解でしょう。マルクスの経済学説を否定することは中国共産党の自己否定につながりますから。共産党政権の経済理論上の正統性がなくなります

 ところが、市場のニーズを超えて生産された商品は無価値です。経済人には容易に理解できても、政治セクターの人々には無理です。そこで捻じれが起きています。捻じれとは何か、その一つが過剰生産にまつわる問題です

 国内で起きている高層住宅開発の大失敗、過剰供給問題は、その開発に地方の政治セクターが絡んで融資を行って開発を促進したことに起因します。経済の問題に政治セクターが絡むことでこのような問題が起きています
  日本でも類似の問題はありますね。東京オリンピックや大阪万博にまつわる建造物の大幅予算超過。市町村の第三セクターの赤字問題、政府関連外郭団体予算にまつわる問題など。半導体事業会社への兆円単位の補助金もそういう類のひとつでしょう。

 中国の生産能力はこの30年間ほどで飛躍的に増大しました。生産性が飛躍的に上がったことによって、新産業分野で過剰生産問題が起きています。国内市場だけではパイが小さすぎるのです。製造業の分野によっては世界市場の半分くらいを満たしうる生産能力をすでに手にしています。
 たとえば、太陽光発電パネルの生産能力はダントツに世界一で、すでに世界市場を席巻しています。電気自動車もそうなるでしょう。製造技術や生産性はすでに中国が欧米を上回ったいそうです。中国は国内の生産過剰から海外市場への販路を拓かないと経済発展が望めない、そういう曲がり角に来ています。
 欧米は経済覇権が中国へ遷ることを看過できません。

 グローバリズムは中国にとって最も有利な市場経済の在り方です。米国から、経済的覇権が中国へ遷る時代にわたしたちは生きています。中国の覇権を阻止するためにはグローバリズムをとめるということが選択肢に一つになっています。それは同時に米国が覇権を失うことでもあります。

 時代の要請から、わたしたちはグローバリズムの終焉を模索する必要があります。

 そうした視点から眺めると、日本が実にいい位置にいます。幅の広い、そして高品質な製品をつくるさまざまな製造業が日本にはあります。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」というビジネス倫理もあります。
 日本の職人仕事と文化、さまざまな製造業のシステムとビジネス倫理を開発途上国に「輸出」したらいいのです。貿易は自国で清算できないものに限定します。欲望を抑え、つつましい生活をすれば、SDGsは可能です。
 四百年前から商道徳が根付いた日本にしかできないことだと思います。日本人は欧米や中国を向こうに回して、開発途上国と連帯し、グローバリズムと戦う肚(はら)を固めるべきではないでしょうか?

<余談-1:五反運動
 習近平氏の最側近である陳一新氏が中国共産党の幹部育成学校機関誌に「五反運動」を呼びかける記事を寄せています。毛沢東が1950年代初頭に行った「三反運動」や「五反運動」への回帰を促すものです。
●『反転覆』(政権を転覆させない)
●『反覇権』(覇権国家に対抗していく)
●『反分裂』(中国を分裂させない)
●『反恐怖』(テロを取り締まる)
●『反間牒』(スパイを取り締まる)
 この運動指示も共産主義という政治体制と実際の経済(資本主義)の捻じれを表す現象です。経済理論としては成立しえない共産主義経済社会を幻想のまま維持するには、労働者(人民)の弾圧しか手段がないのです、何という皮肉でしょう。共産党の正当性に異論を唱える者の自由を奪い、収容所送りにして強制労働させて「矯正」するしか手段がないのです。共産党が生き残るためなら何でもありです。


*#5207 歴史的順序と論理的順序:『資本論』の論理的破綻と新しい経済モデルについて Apr. 8, 2024 

#5132 公理を変えて資本論を書き直す⑥:生産性アップと労働価値説 Dec. 20, 2023

#5128 公理を変えて資本論を書き直す⑤:生産性シミュレーション Dec. 11, 2023

#5127 公理を変えて資本論を書き直す④:生産性とマネジメント視点の重要性

#5125 公理を変えて資本論を書き直す③ Dec. 8, 2023

#5124 資本論の論理構造とヘーゲル弁証法 Dec. 5, 2023

#5120 公理を変えて資本論を書き直す② Nov. 28, 2023

#5117 公理を変えて資本論を演繹体系として書き直す① Nov. 18, 2023

#5138 集中力と「仕事(=遊び)⇔労働」概念:NHK地上波「スタニスラフ・ブーニン」を見て Jan. 1, 20

*#5098 職人の仕事「千年の和釘に挑む」:NHKBS番組 Nov. 1, 2023


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#5231 発音しないofの例 May 12, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 ofは意味の薄い前置詞だから、音読のときにも弱音で/əv/、さらに弱くなると/v/音が脱落して/ə/と読まれます。もっと弱くなると読まれずに、ofのある箇所に休止が入ります。


 5/10のNHKラジオ英会話を聞いていたらそんな事例にぶつかったので紹介します。
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 北海道旅行中に、鹿のマークの道路標識を見つけた友人があなたに質問しています。

Friend : What does that sign say?
You : It says you should be careful of* deer and other animals when driving.

* このofは放送では読まれていません。音楽の休符記号が入っていると思ってください。ofは意味の薄い前置詞なので、音も薄くなり、しばしば/ə/と発音されます。それがもっと薄くなると発音されずにその部分に小さな間が空き、そこで一瞬切れた感じになります。deer以下はcarefulの説明(「説明ルール:説明は後ろに置く」)ですから、ofの音が脱落しても意味が通ります。ネイティブは「注意すべきだ...鹿と他の動物に」というふうに了解できるのです。
 ところで、わたしの住んでいた極東の町にも鹿のマークの道路標識は存在してます。ときどき鹿と車の衝突事故があります。鹿と接触事故を起こして怪我、車は全損。翌年同じ日にまた鹿と衝突なんて人もいました。80km/hで走っていたら、飛び出してきた鹿をよけきれません。大きな角のついた牡鹿と衝突したら大事故になります。サイクリングしているときに、道路の真ん中に堂々と立っている牡鹿が目に入りました。慌ててとまりました。鹿が林の中へ移動したのを確認してから走り抜けました。大きかった。あの大きな角で体当たりされたら、死んでしまいます。
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 英語音読トレーニングをしているとこういうことに気がつきます。昨年10月中旬からスタートし、NHKラジオ英会話の文を毎週100回読んでいます。今日で9635回クリアです。もうすぐ、10,000回を通過しそうです。
 勉強になります。耳(リスニング)がとってもよくなりました。字幕を参照しながら、映画の台詞を愉しんでいます。最近は、映画を見ることが語彙拡張や表現(このフレーズはこういうシーンでこのように使うという類)の学習になります。



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