#5242 スマホの警戒音の驚き目が覚めた June 3, 2024 [12. 自然災害への備え]
すぐにテレビをつけて確認すると、能登半島が震源地でM5.9、深さが10㎞と浅発地震であることがわかりました。それなら局部的な話ですが、震源地付近の揺れは大きく、震度5強。
ヤフー地震ニュース
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3日午前6時31分頃、石川県能登地方を震源とする地震があり、石川県輪島市や珠洲市などで震度5強を観測した。気象庁によると、この地震による津波は、若干の海面変動があるかもしれないが、被害の心配はないという。震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・9と推定される。
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極東の町は千島海溝や北海道東沖の地震の巣を抱えているので、震度5クラスの地震に10年に一度くらいは見舞われますが、5強だと冷蔵庫が動いたり、食器棚が倒れたり、本が本棚から飛び出したりします。命に別状はありませんが後片づけがたいへんです。
東京にはまったく揺れがありませんでした。
気象庁から地震予報が発令されると、スマホに自動的につながり警報を発するようになっているのですね。スマホの位置情報を確認処理して、警戒警報を発令したのでは間に合わないのでしょう。
地震警報システムにそうした限界のあることをふだんから丁寧に説明してもらえたらありがたい。
離れたところから志賀原発を移した映像では、カメラがずいぶん揺れていました。浅発地震の震源地が原発付近の活断層で起きたらアウトですね。そうでなくて幸いでした。
元旦の地震で、建物の耐震性は落ちているので、被災地のみなさんはさぞ怖い思いをしたのだろうと思います。震度5強でも、耐震性が落ちた建物は崩壊しかねませんから。
<余談:気象庁の予測誤差が大きかった>
気象庁はM7.4を予測して、地震警報を発令したようだ。実際にはM5.9だから、1/32の規模だったわけだ。
そんなに大きく外れるものなのですね。逆のケース、つまりM5.9と発表して実際にはM7.4が来たら、32倍ですから、とんでもない被害が起きるでしょうね。そのようなことが起きないように、マグニチュード予測数値に高下駄をはかせていると読むべきなのでしょう。今回の予測値は極端に高く出てしまい、下駄が並みの下駄ではなくて、高下駄であることがバレてしまった。p波からのマグニチュードの予測精度がもっと上がると好いですね。
FNNプライムオンライン気象庁は“M7.4”の地震を予測…3日朝の『緊急地震速報』はなぜ広範囲に発表されたのか 震度予想などで条件
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3日朝、石川県で5強を観測した地震では、名古屋など広範囲にわたって緊急地震速報が届きました。発表の条件や、発表された際にとるべき行動について調べました。
広範囲に発表される主な条件は、「最大震度5弱以上が予想される地震」で、「震度4以上が予想される地域」となっています。
今回では、気象庁はマグニチュード7.4の地震を予測したため、広範囲にわたって緊急地震速報が発表されることになりました。
東海地方では、岐阜県飛騨地方が震度5弱程度、岐阜県美濃地方や愛知県西部、三重県北部は震度4程度が予想されたため、緊急地震速報が発表されています。
#5176 能登の被災地へ冬山用寝袋を...:高齢者の住民は困っている Mar.1 2024 [12. 自然災害への備え]
冬の能登の被災地はいま、避難所が閉鎖になって別の避難所への移動を迫られて困っています。
たとえば、避難所に指定された小学校が解除となり、近くの中学校への移動を指示されますが、中学校もすでに避難民であふれている状態で受け入れてもらえません。当たり前ですよね。市の方の職員にどうすればいいのか聞いても、避難所に指定されている中学校と直接交渉してくれというだけ、被災現場の行政もお手上げなのです。
それで被災者は赤や黄色のラベルを張られた壊れた家へ戻り始めています。車での寝泊まりもせざるを得ません。これが能登半島沖地震被災者の「B面」ということなのだろう。能登の冬は寒い。
家は壊れ家財道具は滅茶苦茶になっていますから、片づけないと寝る隙間がありません。高齢化率が50%を超えているので、お年寄りが雪の残っている中、片付け作業をしています。作業は延々として捗りません。野口さんはSNSで誹謗中傷されながら、8回現地へ行って被災者たちの話を聞いています。ボランティアの助けが欲しいとお年寄りたち、切実です。災害ボランティアは被災地へ入っていけなくて、その活動は著しく制限されています。道路が開通して、ボランティアが活動を始めた地域がありますが、そこですら移動に時間がかかって、実際の作業時間を2~3時間しか確保できていないのだそうです。
それで野口さんは、ボランティアが寝泊まりできるように、七尾市にテント村の設営をしようといま努力しているところだと言います。行政の手が届かずに放置される状況が発災2か月後で新たに生まれています。
民間団体がいまやれることをしないと、能登の被災者たちは3月も困窮の度合いが大きくなります。
寝袋はすでに8800届けています。2月中旬になって、避難所が閉鎖になって壊れた家へ戻ったお年寄りたちから、寝袋が欲しいと、野口さんの事務所へ要請が相次いでいます。
しかし、国内の冬山用の寝袋の在庫は国内にはもうないので、海外調達を検討しているようです。
寒いと眠れません。このままだと、疲労が重なって災害関連死する人が増えます。2週間ほど前に、女房殿がテレビで災害報道を見ながら、
「たいへんだねえ、生活クラブへ、そしてみずほ銀行から支援金振り込んでおいたよ」
ボランティアに参加できるほどの体力はありませんから、自分たちにできる範囲で好い。寒い中で震えて今夜も眠れない人たちがいることをすこしだけ想像してみましょう。
スポニチに掲載された野口健さんのインタビュー記事を紹介します。
*「野口健氏、被災地は「ボランティアが足りない」 “現地入り”を叩くネット民にチクリ「萎縮しないで」」
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アルピニストの野口健氏(50)が、X(旧ツイッター)を更新。能登半島地震の被災地を支援する中で「ボランティアが足りない」と体感したと言い、自身の思いを語った。
野口氏は現在、自身の過酷な登山経験から、被災地に必要と思う寝袋やエアマット、携帯ウォシュレット、ソーラーランタンなどを被災に届ける活動を行っている。
そんな中、「被災地はボランティアの数が過去の災害に比べ圧倒的に少ない」と感じていると告白。この日、「SNSに萎縮 災害ボラ諦める人も」と報じられたニュースを引用し、「半島だけにアクセクしにくい、渋滞が激しかったなど、様々な要因があるかと思いますが、しかし“萎縮”される必要はありません」と呼びかけた。
ボランティアによるマナーがたびたび話題になる中、「もちろんボランティアにもマナーや決められたルールを守る必要はあります」とした上で「独りよがりの行動はむしろ迷惑になりますが、ちゃんと調べて、準備をしてからボランティアに参加されれば大変、助かります」と説明。 「SNSでの誹謗中傷で萎縮」と報じられた点については、「しかし、今はそんな事を気にしている場合でもないのだろうと。ルールやマナーをきちんと守ってさえいれば少なくとも被災された方々から批判されることはない」と主張。
「SNSでの誹謗中傷の大半は部外者によるものだと過去の経験から感じています」とし、「僕も何度も“売名行為”云々と書き込まれてきましたが、しかし、被災地に通ってこの現場を前にしたらそんな誹謗中傷に構っている余裕は全くなくなります」と明かした。
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<余談-1:冬登山用寝袋の備蓄の必要性>
政府はこれから冬の災害に備えて寝袋を備蓄する必要があるのだろう。国内の在庫が1万足らずだから、首都圏や東南海地方、北海道や東北で同様の災害が起きればその数十倍を超える寝袋と断熱マットが緊急に必要になる。
「備えあれば患いなし」
<余談-2:道路は2か月たっても寸断されている>
道路の復旧を急がないといけないが、工事はなかなか進まない。これから建物を建て替えたり、耐震補強をすることになるだろうが、資材の調達もたいへんだ。
大阪万博で使っている重機で被災地の復興に使えるものはそちらへ回すべきではないのか?木材で回廊をつくって半年後に壊すなんてプロジェクトは止めて、被災地へ建築資材を回せないのか?半年後に壊してしまうトイレに「2億円?」、こういう深刻な災害が起きたのだから、即中止だろう。復興必要人材も資材も重機も不足が深刻だ。いまだに2万世帯近くの水道がとまったままである。水道工事の専門要員でないとできない仕事だから、人員を揃えるだけでも復旧工事は至難の業だ。
戦国時代の戦にたとえると、負け戦の撤退戦です。信長は一番機転が利いて戦に長けた秀吉を撤退戦で使ったことがありました。「金ヶ崎の戦い」といいます。命じられた秀吉は、十中八九は捨て駒にされたようなもの、でも見方を変えると「おまえの真価を試してやる、やってみろ」ということ。
吉村大阪府知事殿、決断が遅れれば遅れるほど、傷が深くなるよ。プロジェクトを中止するというのは大仕事です。仕事がよほどできる者でなければなしえません。おやりになったら?
明日にでも大阪で大災害が発生したら、大阪府知事はどんな顔で救援要請するのでしょう?能登半島の被災は他人事ではないのです。
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#5154 大災害時の内部留保の重要性 Jan. 30, 2024 [12. 自然災害への備え]
石川県は高齢者割合が45%ととても高い。
民間企業で働く人たちや自営業の人たちは、売上がゼロになれば給料は出ません。公務員だけは災害でも収入が保障されます。とりあえず金銭面で生活には困らない。
民間企業でも同じことができないものでしょうか?
日本の大企業は内部留保が厚いのが特徴です。株価も一株当たりの純財産が一つの指標になっているぐらいです。
わたしは、売上がゼロとなっても2年間は従業員を食べさせていけるだけの内部留保が必要だと思っています。
日本列島は地震や津波、火山噴火や台風、集中豪雨による川の氾濫や土石流被害など、災害が多い場所なのです。
災害に備えて、日本人は貯蓄をするのが先祖代々習慣となっています。たくわえがあれば、災害の後、家を再建できるし、「売り手よし、買い手よし、従業員よし、世間よしの四方よし」で信用を大事に商売していたら、事業も再開できます。散らばった従業員も戻ってくれます。
売上がゼロになっても、2年間従業員に給料を支払うだけのたくわえ(内部留保)があれば、なんとかなります。
たとえば、首都圏で直下型の震災が起きて首都機能がマヒしたら、数百万人が地方へ散らばって、1年間、収入が保証されたら、復興ははるかに容易になります。
上場企業は大災害時には、内部留保を吐き出す具体的な復興対策を立案して、公表してもらいたい。そういう企業へ有能な若者が集まるでしょう。
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#5146 マイナンバーカードは被災地で機能しているか? Jan. 14, 2024 [12. 自然災害への備え]
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1日に発生した能登半島地震は最大震度7を記録し、日本海沿岸などで大津波警報が発令された。亡くなった方々や安否不明となっている人たちの数が日に日に増えていくなか、河野大臣は4日にXを更新。そして《能登半島地震において被災されたすべての方々に心よりお見舞いを申し上げます》と前置きすると、こう呼びかけた。
《マイナンバーカードをお持ちの方は、スマートフォンからマイナポータルにログインすることで、御自身の過去の医療情報を確認し、普段飲んでいる薬の情報を避難所等で医師と共有することができます》
さらに《スマホにマイナンバーカードを搭載した方は、マイナンバーカードを読み取らなくてもマイナポータルから御自身の過去の医療情報にアクセスし、薬の情報を共有することができます》と続けている。
河野大臣のポストに対して、《マイナポータルってそんな機能もあるんですね》《急だったから、スマホやカード類の貴重品は持ち出しても、お薬は持って出るのを忘れることがあるし、日数が経てばお薬が無くなるから、こういう時こそマイナカードですね》《カード本体がなくてもアカウントさえあれば必要な情報が手に入る。やっぱりデジタル化はどんどん進めるべきだよなぁ》と、活用法に納得する人も多い。
いっぽうで、河野大臣の投稿に対して否定的な声も。河野大臣はスマホを通してマイナンバーカードやマイナポータルを災害時に利用する方法を伝えているが、いまだ石川県内では電波の状況がよくない地域が存在するためだ。
総務省は、5日7時の時点でNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクでは七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町で、楽天モバイルでは七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町、能登町、宝達志水町の一部で通信障害が発生していると発表している。
また、北陸電力は5日の午前10時点で、石川県内でおよそ2万7200戸が停電していると発表。復旧の目処は立っていないという。
そのため、河野大臣の投稿を疑問視する声もこう上がっている。
《被災された方にそんな余裕があるとは思えず、電波も電源もない中どうしろと?》
《お薬手帳は紙でも電子でもありますから…反映も即時ですけど…電気、通信網が確保できていないと利用できないですよね…》
《被災で停電が長引いた場合、当面はアナログ手段しか使えなくなります。そういう時の為にも、アナログ手段も残す方法を検討して頂けないでしょうか》
そもそもこの投稿自体、電波が入った状態でないと確認できない可能性が高い。災害時の通信、電力の問題は、マイナンバーカードの非常時の活用における今後の課題となるだろう。
https://news.yahoo.co.jp/.../470baea5a77e33bc7416ea90b5fe...
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#5139 地震大国ニッポン:大阪万博の建築資材を使えないだろうか Jan. 3, 2024 [12. 自然災害への備え]
大阪万博中止して、建築資材や重機や人を被災地へ回せたらうれしい。北陸は関西の隣である、関西人には隣の災害を見過ごすことのできない人情味あふれる人が少なくないはず。阪神淡路の大震災の時(1995年1月17日)には全国からボランティアが駆け付け、支援の手が差し伸べられた。
日本は地震と火山噴火の大国だから、日本人は繰り返し起きる自然災害の中で生き抜いてきました。政治や行政は災害への備えをもう一度見直してもらいたい。
たとえば、首都圏で大震災が起きたら、水洗トイレは使えなくなります。水道が止まるだけでなく下水処理もアウトになります。下水処理場はまるで化学プラントですからね。東京都内の公園に百万か所のトイレを設置しようと思ったら、たいへんな仕事です。10万箇所ぐらいしかトイレが用意できなければ、震災後の数か月間どこで排泄するのでしょう?そこいらじゅうウンコだらけ、夏だったら衛生上もすごいことになります。悪臭が漂い、ハエが大量に育ちます。
下水が使えないから、公園につくるのは昔ながらの「ポッチャン・トイレ」かな?それでもないよりはずっとましです。水洗トイレしか使ったことのない世代には「ポッチャン・トイレ」の利用は無理かもしれません。
しばらくは、おそらく1~3か月間は、お風呂にも入れません、洗濯もできません。飲み水を手に入れるのも何時間も並ぶことになります。
ああ、太陽電池で動くポンプを備えた井戸を掘って、カランを十数個つけておくことも必要ですね。10万か所もあれば、ずいぶんと助かります。飲料水用の井戸と飲めない水の井戸が区別できるようにしておかなければなりませんね。
都内で、被災者の大半を収容できる仮設住宅建設は無理でしょう。数か月あるいは数年間は、数百万人が地方への移住しなければならなくなる可能性がありますね。そして同時に職の問題が生じます。職を失いたくないですから、大半の人がそのままとどまるでしょうね。備えとして何をどこまでやれるのでしょう?
首都直下型地震がいつ襲うのか誰にもわかりません。それは突然やってきます。
今回の能登半島地震で、被災地復興の何ができて何が不可能なのか、しっかり検証して、備えを固めなくてはいけないのではありませんかね。政治家からも行政からも具体的な提案が出てくることを期待しています。
もちろん、首都圏に住んでいるわたしたち自身も考え、備え、行動する必要があります。まずは、東京都の対策を知ることから始めてみようかな。
*東京都の地震対策
**ドキュメント動画
やはり、避難所でトイレの問題が起きています。水を流せないので、使えません。臭気が建物の中に漂っているようです。家がつぶれた人が多いので、これから数か月間の避難所暮らしになりそうです。トイレの問題は深刻です。野グソをするしか手がなさそうです。首都圏んだと野グソをする場所もありません。
やはり、井戸の掘削と太陽電池パネル利用で、電気モータでくみ上げられるようにしておくべきですね。とりあえず都内10万か所。トイレは備えをどうしたらいいのでしょう?
<ニュースからの拾い物>
・3年前の地震で壁にひびが入っていたが、年金暮らしのパート従業員で修理ができずにいたが、今度の地震で全壊してしまった。建て直しはできない。…69歳男性
・つぶれてしまった1階に母親がいたが、助け出せず、津波が来るので避難しろと言われて、ビルの屋上から火の手が自宅を包みこむのを見ているしかなかった。
・3日目なのに救援物資が届かない。
・つぶれてしまった1階に妻がいるが、消防の頼んでも手が回らないと言われて...男性・老人
・避難所で飲み水もままならない、すべての物資が不足している...七尾市
・家の前にフルーシートが置いてあったので使ったら、高額請求された...また聞きの情報、七尾市
・アスファルトは各地でめくれあがったり、20㎝ほども罅割れ、土砂崩れ箇所も多い
・4日夜になっても、余震がおさまらないので、倒壊家屋からの救助が困難
・体育館に畳を敷いてその上に布団1枚で寝ているので、体が冷えて腰痛が悪化している⇒暖房がない
・4日のお昼になって初めておにぎり1個をもらったお年寄りの男性、「水がないので、米があるけど食べられない」と訴えていました。
・ボックス型の簡易トイレが二つ欲しい...氷見市の20人ほどを収容している避難所の要望、トイレが一つしかないので
・4日「午前8時現在、県内の14の自治体で依然断水が続き、輪島市内の温浴施設では避難者が生活用水に使う水を汲んでいました。」
・5日正午までに震度1以上の地震が799回あり。
・歯磨きができないことが大きなストレスになります(東日本大震災の被災者)
・【 カイロ 】暖かいものを身に着けていられるのであると大変助かります(東日本大震災の被災者)
・【 肌を保湿できるクリームや乳液 】・入浴できない状態が続くと 指先も頬もひび割れてきます 栄養状態も悪かったので よく指先が裂けました(同被災者)
・【 生理用品 】必ず必要です(同被災者)
・死者126人。発災後124時間で90歳代の女性が救出された、意識もはっきりしている(1/6朝日新聞)
・1/5午後11時台に震度6の余震あり。林官房長官は確認に時間がかかり発表が遅れたと説明(テレビ報道)(前日震度6と気象庁が発表したことがあり、数時間後に震度3に訂正した経緯があってのことだろう。珠洲市の地震計が調子がよくない?)
・余震は震源の深さが10㎞付近ととても浅いので、揺れが大きいのが能登半島地震の余震の特徴のようだ。
・7日午前8時までで、震度1以上の地震が1149回ありました。(正午のテレビ放送)
・幹線道路8割が復旧、残りは大規模な土砂崩れなどがあり、相当の時間がかかる見込み(正午のNHKテレビ)
<余談:昨年2月のトルコ大地震と比較>
2023年2月6日にトルコでM7.7の地震があり、56000人が死亡している。能登半島地震のM7.6とほぼ同規模の地震だが、こちらの死者数はいまのところ70人台だから、1/800の人的被害にとどまっている。
日本がいかに地震被害に強いのかがわかる。建物の構造が違う。木組みで地震に強いし、耐震強度基準もこの30年間ほどでさらに改善されている。
地震大国は備えでも世界ナンバーワンなのだ。それでもまだ足りない。
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#5091 岡本綺堂と泉鏡花の関東大震災記録 Oct. 22, 2023 [12. 自然災害への備え]
NHKラジオ朝6:45からの番組を聴いていた。泉鏡花の震災記録「露宿」と岡本綺堂の書き残したものが取り上げられていた。
岡本綺堂は1923年9月1日の関東大震災で千代田区麹町の家も蔵書も34冊にも及ぶ日記も、一切合切消失している。麹町に住んでいたが、震災後の火事が起きても一時小さくなり、風上でもあったので大丈夫だろうと何も持ち出せずに避難した。鏡花だったか綺堂だったか、上野の博物館で何かを見ていた時に地震があったが、上野の博物館の建物には窓に少し被害があっただけ、家にも帰れずのんびりしていたら、その内に騒がしくなった。地盤の軟弱な地帯は甚大な被害が出ていることに、数時間は気がつかなかった。地震当日麹町六番町は火災が起きていない。余震が何度もあり、麹町周辺の火災がひどくなるのは翌日以降である。
家が崩れたときに焼死した者、たとえば家の梁が外れて挟まって焼死した者は震災の直接の死者だが、数日後に亡くなったものが実に多いことを書き留めている。震災関連死である。
麹町六番町のすぐ近くの四番町まで炎症が広がったので、鏡花は一時宮城前広場へ避難する。そこには大店の貨物が積み上げられ、仮設のテントが張られて番をする者たちがいた。そこにいたときにテントの中から、男女の声が聞こえる。「ここへ泊っていけよ」「そんな...厭々」、そのあとすぐにキスの音が聞こえてくるなんていうこともあったと『露宿』に記している。
神戸大震災でも東北大震災でも、避難所でのレイプが問題になった。1923年の関東大震災の折には「口説き」⇒「合意」なんて粋な手続きがふだんとかわらずにあったようだ。「援助交際」を彷彿とさせる「give&take」な関係は存外に古くからあるのかもしれぬ。文を使わして口説き、返歌があってから、女の元へ夜中に通うなんて王朝文学が千年も読まれてきたのだから、セックスの儀式に「口説き」と男女の合意が欠かせないのは日本の性風俗そのものかもしれぬ。避難所でのレイプは人間の品が落ちたようでいただけない。そうしたやり取り、コミュニケーションすらできない人間が増えているのだろう。
女も男もトイレに困ったそうだ。泉鏡花はよほど品の良い人らしかったようで、おしっこがしたくなり、妻の行きつけの美容院へ駈け込んで小用を足したなんてことが『露宿』に書いている。立ションはしない人だったようだ。
岡本綺堂も麹町だが、鏡花とは番地が違うようで、焼け出されている。家財道具も蔵書も、17歳の時から書き溜めた35冊の日記も一切合切消失した。
再び関東大震災が起きれば、水と電気は止まる。下水処理場は「化学プラント」のようなもので、水と電気のいずれかが止まれば、機能しない。数か月間そういう状態が続くだろう。一部の公園に災害対策用のトイレが設置されているが、あんなのはやった振りのようなもので、いざ震災が起きれば数が少なすぎてほとんど役には立たない。家庭のトイレも下水処理場が止まればアウトだ。流す水がないので、臭気がたちこめ、すぐに使えなくなる。下水道も地割れのある所では断裂して地下水を汚染するだろう。
せめて飲み水は100m以内に1ッ箇所は使える井戸を用意してもらいたい。太陽光発電で動くポンプも設置してくれたら、井戸の周辺の住民がどんなに助かるかしれない。1300万都民に半年にわたって給水車で水を運ぶなんてことは誰がどう考えても不可能だろう。
ところで木曜日からジェット水流の口腔洗浄機を使っているが、すこぶる気持ちがいい。口腔内の清潔の保持に欠かせない道具にたったの四日間でなってしまった。関東大震災が来たら、水が手に入らなくなるし、電気もアウトだ。この口腔洗浄機も動かない。歯を磨く水さえ確保するのに不自由になるだろう。口内の衛生が保てなければ、胃のないわたしは腸へ雑菌がそのまま送られ、腸内細菌叢がガタガタになる。食事も不自由になり、水分摂取もままならないようになったら、とても生きてはいけない。2週間くらいで動けない状況に陥るだろう。食事が摂れずに枯れるように餓死するのはちっとも苦しくありません、そのまま受け入れたらいいだけのことです。...穏やかな震災関連死ならありがたい。
病弱な年寄りは生き延びられない。大震災を生き延びても、そのあと数か月の間に、たくさんの年寄りがなくなるだろうから、遺体は積み上げて野焼きするしかない。しまいにゃ臭いにもなれます。しばらく辛抱してください。
人口が多くて空き地が少ないからトイレがたいへんなことになります。野グソになれるのが一番ですが、人の通るところでの排便にも慣れるのでしょう。非常時は非常時の対応、できないことを数えるよりも、やれる方法でやる、たくましくやるしかありません。
極東の町から1967年に東京へ来ました。板橋区内のある商店街で買い物して小路を抜けようとしたら、前を歩いていたお婆さんが、ひょいと着物の裾をたくし上げて、中腰で放尿しました。あれには驚きました(笑)
高校生の時に、極東の町の現在イオンのある裏側の坂を歩いて登っていたら、上の方で根室高校の制服を着た女の子が急にしゃがみました。すると、幅5㎝ほどの水が坂道を下ってきました。水源はスカートの中、すれ違う時にしゃがんだまま、真っ赤な顔してました、まだ水が流れていました。男の子はおしっこを途中で止めることができますが、女の子はおしっこを途中で止められないのです。近くにトイレがなくて、どうにも我慢できないときは、年齢を問わず、平時でもやれますよ。生理現象ですから冷やかしちゃいけません、それがエチケットです。あれは、ちょっと寒くなった初秋の黄昏時の思い出。
でもね、震災後に活躍してくれる可能性の高い若い人たちがちゃんと生き延びられるように最低限の備えはしてもらいたい。
<余談:与謝野晶子訳源氏物語草稿>
与謝野晶子は千代田区富士見に住んでいて震災に遭う。外堀へ避難したが、駿河台の文化学院が火災で焼失し、そこに保管してあった源氏物語の草稿を1万枚余を失っている。毛布で財を成し小説家でもあった小林天眠から依頼があり、1909年から23年まで書き溜めた草稿が灰燼に帰した。晶子は震災後文化学院の焼け跡をどんな思いで眺めただろう。大事なものは土の中深くに埋めておけばよかったと後悔しきりであった。ようやく震災から12年がたってから、「新新訳源氏物語」として出版された。後に、与謝野晶子の次男が小林天眠の娘と結婚している。
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*「#5088資本論の論理と背理法:労働価値説の破綻を証明」
#4936 首都直下型地震関連死者数はどれほどになるのか? Mar. 5, 2023 [12. 自然災害への備え]
首都圏(1都6県)には4299万人が住んでいます。総人口の34.3%です。仮にこのうち老人が25%だとすると、1074万人です。このうちの30人に一人が震災関連死すると35.8万人になります。
特別養護老人施設や療養型病床、精神科へ入院している老人たちを考えると、水と電気の確保がなければ、次々に亡くなるでしょう。お風呂に入れることができず、おむつ交換すらできない状態が数か月間続いたら、現場は地獄です。看護師さんもヘルパーさんも逃げ出したくなります。震災直後の3か月間は、看護師さんやヘルパーさんたちも被災しており、交通も遮断されているので、半数も集められないでしょう。3か月そういう状態が続いたら、収容している人たちの何割かが死ぬでしょう。
300ベッドの療養型病床の病院を想定してみます。ふだんでも毎月5-10人がなくなりますが、看護師やヘルパーさんの半数が震災で通勤不能になると仮定すると、寝たきりの患者に30分ごとに寝返りを打たせるなんてことができませんから、褥瘡を抱える患者が激増します。水もないから見る間に悪化していき皮膚が崩れ骨が見えるようになります。褥瘡から感染症を引き起こして苦しみながら1か月しないうちに亡くなるでしょう。患者の2割は3か月以内のなくなる可能性が高い。家族は遺体を引き取りたくても手配ができないし、火葬場へ運べません。夏場だったらたいへんです。すぐに遺体は腐り始めます。医療廃棄物の収集車も回ってこれません。
入院していない老人も避難所やテント、車の中で暮らすなどして、水分補給や食事が十分には摂れませんので、弱い人から衰弱して死んでいくのはどうしようもありません。
弱者は老人だけではありません。妊婦は出産予定の病院が稼働していない可能性が大きい。否応なしにリスクの高い出産になります。混乱が半年も続いたら、震災翌年は出生者数が激減するでしょう。
赤ん坊はミルクの確保がたいへんです。赤ん坊とお母さんたちが困らぬように備蓄が必要です。紙おむつもたくさん必要になります。
老人用の紙おむつは、半年間でどれぐらいの量が必要なのか、特別養護老人ホーム、療養型病床群の病院、精神科で老人看護をしている病院,グループホームなど施設ごとに必要量を積み上げ計算しておきます。
備蓄コストをたっぷりかけないといけませんね。備蓄の保管場所の選定もして、倉庫をつくって保管を始めなきゃいけません。そうした拠点の一つに別海町の牧場跡地を利用したらいい。平均で200町歩の規模ですから、倉庫を建てていくらでも保管できます。東北や九州にも必要です。できれば関東周辺にも。
<自立して運転できる井戸水のくみ上げシステム>
太陽電池のような自立型の電源確保とそれとつながった井戸水のポンプの設置が明暗を分けます。百メートルの升目に一つくらいはあったほうがいい。
用意があれば地震関連死者数を1/10以下に減らせるかもしれませんね。飲み水だけでなく、食器や食材を洗う水、身体を清拭する水、トイレの水なども衛生上不可欠です。
下水処理がストップするので、どれくらいで回復できるのか、また備えができるのか、具体的なシミュレーションが必要です。わかっていないことが多いからです。
下水処理場の電源も太陽電池や風力発電設備を用意しておきたい。上水道のパイプの断裂や下水溝の断裂も起きるでしょう。専門の技術をもった要員はどれくらいいて、普及にどれほどの日数がかかるのか、被害の程度を3段階ぐらいに想定して、計算してみてもらいたい。
スマホへの給電設備も井戸の周囲に設置してもらいたい。
<百万人を3~6か月間避難させる準備>
全壊と全焼する家屋が61万棟と試算されていますから家を失う被災者は百万人を軽く超えます。首都圏直下型地震は人口が密集しているので家屋の被害は甚大です。マンション1棟が全壊したら、数十から百を超える家族が家を失います。
海上に停泊している船舶から大型ヘリで、3~6か月間避難したい希望者の輸送を行いたい。百万人としたら、大型ヘリは何機いるのだろう?
1機92人が最大積載量だというが、手荷物もあるので50人くらいで計算してみよう。一日5往復できるとすると、百機で何人運べるだろう。
50人×5往復×100機=25000人
40日かかって百万人が運べる。大型ヘリ百機、災害対策用に備蓄・要員の訓練を常時やらせたい。仮設住宅用のコンテナハウスの輸送に10機必要だから、110機の備えが必要だ。
住宅を失った被災者が百万人全国の各地方の公営住宅や空き家へ3~6か月間避難できれば、被災地の負荷が軽減できる。
全国の都道府県や市町村の公営住宅にすぐに使えそうな空き家がそれぞれどれくらいあるのか、平時に調査して、リストアップしておかないと非常時に役に立ちません。リストをつくり、外観と内装の写真をつけて整理しておきたいですね。
<輸送用大型ヘリと海上ヘリポートの国内開発の必要性>
参考までに挙げておきますが、南海トラフ地震では、全壊・全焼家屋は209万4000棟と予測されています。災害対策用輸送大型ヘリコプター100機は最低限の用意であることが理解いただけるのではないでしょうか。武装の必要はないので、日本で開発したらいい。開発後の実際の運用で上がってくる問題を分析して改良ができます。現在自衛隊で運用している大型輸送ヘリはボーイング社の製品で、「武装ヘリ」です。災害大国日本で開発したら、
いいものができそうです。陸上交通が寸断されて使えないのは東北大震災でも明らかですから、ヘリの離発着は海上でやらなければなりませんので、10~20機くらいを積載できる艦船も開発の必要があります。10機積載型なら10隻、20基積載型なら5隻が必要です。
<輸送用ヘリの保有台数>
令和2年の防衛白書によれば、陸上自衛隊CH-47J/JA(輸送定員55人)が53機、海上自衛隊は輸送用ヘリの機数はゼロ、航空自衛隊はCH-47Jが15機、合計68機しかありません。300機ほど必要ですから必要量の1/4もありません。輸送用ヘリだけでは間に合いません、パイロットの育成が急務であることがわかります。
災害救助用として100機保有台数を増やし、パイロットを200人増員して訓練してくれたら、安心感が違ってきます。
<火事場泥棒や強姦の横行を防ぐための具体的な段取り>
東京都の試算では23,000人が地震で亡くなります。ずいぶん少ないなという印象がします。地震関連死者数の推計計算や数値公表はありません。何も対策をしなければその数十倍が1年以内に地震関連死するでしょう。
阪神淡路大震災での災害関連死は意外に少なく、921人です、盗み、強姦が横行してます。火事場泥棒は撃ち殺したっていいと、当時ビートタケシが発言しています。
<遺体の焼却・川流し>
焼却場の処理能力をはるかに超える死者は、川や海へ流すか、数百体単位で野焼きするしかなさそうです。そのための燃料確保も必要になります。公衆衛生上、緊急の問題です。準備がなければとても迅速な対応はできません。
<備えがあれば被害は1/10にできる>
現実的で具体的な備えがあるかないかで、地震後の首都圏のありさまはまったく違ってきます。
東南海大地震や千島海溝を震源とする四百年に一度の巨大地震は、人口が稠密ではないので首都直下型ほどの深刻な被害は出ないでしょうが、事前にシミュレーションして、対策を考え、準備はしておくべきでしょう。
備えには、個人でするものと、都道府県や国がやるべきことがあります。
<国会・都道府県議会。市町村議会の役割>
さて、都議会も国会も大阪府議会も北海道議会もそんな議論はほとんどないようです。議論しなければ災害は来ないと言わぬばかりのありさま。これから50年間にこれら三つの巨大地震と大津波が日本列島を襲う可能性が大きい。しっかりした政治指導者を選んでおかないと、痛い目を見るのは彼らを選ぶ国民自身です。
総理大臣、都道府県知事、市町村長のやるべきことも少なくありません。
<災害による人口減の加速>
わたしは2006年7月にスキルス胃癌と巨大胃癌を併発して、胃と胆嚢の全摘、浸潤していた胃周辺のリンパ節切除、浸潤していた横行結腸の一部切除手術をしているので、水分補給や食事が摂れなくなると、すぐに衰弱死します。食べる気もなくなるでしょうから、穏やかに死ねます。地震が起きてすぐだと、遺体の処理に家族が困るでしょうから、ひと月後くらいに衰弱死するのがちょうどよさそうです。
若い人たちは、しっかり生き延びて、巨大地震後に人口縮小下で平和に暮らしてもらいたい。
人口半減が案外早く来そうです。人口が半分になれば、大災害があっても影響は半分以下になります。危険な土地は住宅を建てる必要がなくなるので、台風や集中豪雨などの水害にはいまよりずっと強靭になるでしょう。百年のビジョンをもって、さまざまな災害を考慮した街づくりや国造りをしたいものです。
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#4935 人口増大は国土脆弱化を招き人口減少は国土強靭化に寄与する Mar. 3, 2023 [12. 自然災害への備え]
住宅地が足りなくなるので、埋め立て、山林伐採と宅地造成が行われる。山のふもとの傾斜地が迫っているようなところを開発せざるを得ない。谷間を埋めたら、台風や集中豪雨の際には造成地は川になる。地盤が軟弱だから、地震や大雨で土砂崩れが起きたくさんの人が亡くなる。
人口が増えれば、遊水地は宅地になったり、道路が増えてアスファルトでふさがれ、地下水の流入量が減り、地盤沈下が生ずる。地下水の取水が禁止あるいは制限されて、井戸がなくなる。巨大地震が起きたときには水の確保に井戸がないということが起きる。
人口増大と国土強靭化は二律背反しているように感じる。人口が増えれば増えるほど、自然災害や戦争の時の被害が大きくなる。
江戸時代の日本の人口は3000万人と言われている。現在はその4倍であるが、国土は自然災害にずいぶん弱くなったと思ってよい。安全な空き地は少なくなり、危険な場所でも宅地開発されて、きれいな住宅が並んでいる。
高層住宅、なかでもタワーマンションが水害に弱いことはすでに証明済みだ。人口が現在よりも増大していけば、都会にはタワーマンションがさらに林立することになる。
関東大震災が起きれば、水も電気もガスも下水も数か月ストップしてしまうだろう。首都圏の人口が半分なら被害はずいぶん小さくなり、対策もまるで違ってきそうだ。
首都直下型地震では、全焼・全壊する家屋は61万棟と予測されている。10万戸の仮設住宅や仮設テントでは全然間に合わないが、それらを建てる場所が首都圏に見つかるだろうか?そうした場所の選定がなや準備がなされているなら幸いである。公園の一部にはトイレを増設できるような整備がなされているところがある。公園の半数にはそうした整備が必要なのではないだろうか?
一番大きな問題はおそらく水である。上水道と下水道だ。飲料水確保のために、地下水くみ上げ井戸が100m置きくらいに一つは必要だ。カランは20個ほどは欲しい。太陽電池でポンプを稼働させ、水をくみ上げる。
下水はどうなる?糞便を排出しない人間はいない。下水処理は一種の化学プラントである。野糞をしようにも野原が周辺になければどうする?家のトイレは糞便であふれかえる。水がなければ流せないし、下水処理場は機能停止だから流すわけにはいかない。もし流れたとしたら、未処理のまま川に放流され、数か月間河川は糞便川となるだろう。そのまま海へ流れていく。
四季の美しい日本列島は、火山、地震、津波、台風、集中豪雨、風雪害などの自然災害の多い場所でもある。
人口は少ない方が、被害は小さくできるし、危険なところへ住宅を建てる必要もなくなる。
人口縮小はさまざまなインフラ維持のコストを小さくすると同時に、インフラの縮小をしていかなければならない。拡大再生産に慣れたわたしたちが、縮小再生産を円滑に行うのはとっても困難である。ノウハウの蓄積がゼロに等しいからだ。日本人の想像力が試される。
例えば、交通インフラである。北海道ではいまですら鉄道の維持は困難だし、都市間をつなぐバス路線も経営は青息吐息である。人口が半分になってコストに低い交通インフラをどのように創り上げるか、地域住民の生活維持にかかわる重大問題がここにある。
地域医療も人口が半分になったら、現在の体制での地域医療は維持が不可能である。過疎地域の医療を支えるために、診断手順をプログラム化したエキスパートシステムが疾患ごとに必要になる。治療も遠隔手術のようなシステム整備がなされなければならない。どうやら、人口半減を前提とすると、地域医療はかなり高度化したシステムが必要なことがわかる。
交通インフラもおそらく同じことだろう。
社会福祉も根本から仕組みを見直さないと大きな問題を引き起こすのではないだろうか?
水や下水や電気やガスが止まれば、特別養護老人施設や療養型病床群の病院へ入院しているお年寄り、精神病院で介護されているお年寄りたちのほとんどが生き延びられないだろう。地震災害後の混乱の中で、受け入れ先が見つかるとは思えぬ。
人口縮小という状況下では学校の再配置、再編成、統廃合も必須である。古里の根室市の中3年生は20年前は400人ほどだったが、現在は180-200人程度で、20年間で半減している。さらに20年先には1学年100人を割ることになる。現在中学校は5校あるが一つで十分だ。高校は現在の道教委の基準では1校維持できるぎりぎりになる。数年以内に根室管内の他の5校との統廃合が問題になる。過去20年間の人口縮小は根室市の個別的な問題だったが、これから20年間で起きる問題は根室管内一市4町に関わる広域の問題である。
これから20年間で地元企業の半数は人材を補充できずに消えてなくなる可能性が大きい。
(20年後の根室市の人口は15000人(現在24000人)を割っているだろう。市庁舎は人口45000人の時に建てられたが、現在建て替え中の新庁舎の面崎は旧庁舎の2倍だ。人口増大を前提にした建て替えに見える。)
人口縮小は人口増大とはまったく別な困難を産み出すことになる。
それでも、地球の資源が有限であることを考えたら、人口減少は不可欠の命題に思える。6000万人の人口を前提にして、社会や経済のデザインを試み、そこへ向けて長期戦略を策定しなければならないのだろう。日本人の叡智を集めなければ到底かなわぬ大きく困難な課題である。
<仮設住宅の備蓄とコンテナハウス>
ところで、地震対策としてコンテナ形式の仮設住宅の備蓄をしてもらいたい。地震が起きてから仮設住宅が整うまで数か月かかっている。1万戸ほどの備蓄があってもよいだろう。いま起きそうなのは、首都圏直下型地震、千島海溝で5500年に13回起きた巨大地震と大津波、東南海連動型巨大地震と大津波。大きなものだけでもこれら3つは明日起きても不思議ではないのだが、仮設住宅備蓄の備えはない。
別海町がコンテナハウスの備蓄に最適かもしれない。別海町の牧場は平均的な規模で200町歩(200ha)もあるから、牧場を廃業した跡地を使えば、コンテナハウスの備蓄倉庫の場所の問題はなくなる。製造メーカーも別海町にあるから、100個ほど製作して保管コストがどれくらいかかるか、国から補助金を引き出して実証実験してもらいたい。災害用仮設コンテナハウスの機能の改良や維持保管自体が一つのビジネスになる。
問題は災害勃発時の被災地への輸送である。コンテナ船が用意できなければいけない。被災地では道路が寸断されているので、近くの港から、自衛隊の大型ヘリで空輸することになるだろう。民間企業には大型ヘリの備えはないから、自衛隊にどれくらいの機数があり、災害用に何機振り向けられるのか、シミュレーションが必要だろう。1万戸のコンテナハウスを1か月で運ぶには、1機あたり4往復/日として10機だと30個、風の小さい日が1か月間で半数とすると、「10機×4回×15日=600個」となるから、20機あっても1200個/月しか運べない。6000個/月を考えると、100機の大型ヘリが必要になる。大型災害対策用にこれくらいの準備がないと間に合わぬということ。ふだんから、パイロットを育成し、機体を準備し、整備していなければ到底かなわぬ規模である。だから具体的なシミュレーションと長期戦略が不可欠なのだ。
災害が起きてから、仮設住宅の設置場所を探したり、自衛隊との調整に手間取るのでは被害拡大を最小限にできない。事前の現実的で具体的なシミュレーションが必要で、その過程や結果の公表が、国民の安心につながる。
次回は首都直下型震災が起きたときの、老人の震災関連死が半年間でどれくらいになるのか、いくつか假定を置いて試算してみたい。震災による死者数よりも、理由があって、震災関連死者数は数十倍になる可能性があるが、東京都の想定にはないから、備えもないということだ。備えができないから、想定していないのかもしれない。東京オリンピックなんて、何と愚かなことをやってしまったのだろう。東京都民は石原慎太郎を東京都知事に4回も選んでしまったのだから、都民が愚かだったということか。他の候補を選んでも代わり映えしなかったのかもしれない。その後の3人の東京都知事を眺めてつくづくそう思う。1期の在任期間すらまっとうできなかった者が二人いた。
NHKの2019年11月15日の公表データでは震災による推定死亡者数は23000人である。震災関連死に関する推計データは見つからなかった。
全壊する建物は82200棟、これに火災の被害を受けて住めなくなる建物112,200棟が加わり、20万棟弱になる。東京都の被害想定を前提にすると、必要な仮設住宅はコンテナハウスに換算すると数十万棟ということになる。いまのままでは数十万人が仮設住宅にすら入居できずに、数か月間生き延びなければならない。弱いものから数十万人が死んでいくだろう。次回は老人問題に絞って震災関連死について述べたい。
災害関連死について防災新聞の記事を貼り付けておきます。
*災害関連死について
3/3配信された関連記事
*「毎年70万人」勤労世代げ減り、60代自衛官が90代を守る...人口激減が招く「恐ろしすぎる未来」
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#4730 昨夜の福島沖地震:M7.4 深度60km Mar. 17, 2022 [12. 自然災害への備え]
牡鹿半島南南東沖60㎞、震源地の深さも57kmである。2011年の東北大地震が27kmだったのに比べるとずっと深い。だから大きな津波が起きなかった。
ユーラシアプレートの下に太平洋プレートが沈み込んでいるが、深いところにある太平洋プレートの方が震源である。地球を半径1mの球にたとえると、深さ1cmのところで起きた地震。
根室が揺れ始めたのは11時37分頃だった。ゆっくり長い間揺れるので、2011年のあの地震を思い出したが、揺れている時間が半分程度だったので、少し安心した。
東京は207万戸が停電したが、午前3時には復旧していた、対応が速いね。
東北自動車道は道路にひび割れが起きて、数か所で補修が必要なようだ。縦に溝ができていたり、横一直線に地割れが生じているのがテレビでわかった。あれくらいなら、数日で復旧するのだろう。物流網が途切れないことが何より大事である。
千島海溝を震源とする巨大地震は5500年で13回、前回起きてからすでに400年以上たっているから、明日起きても不思議ではない。20mの津波が道東太平洋沿岸を襲う。海岸近くの地層を調べることで、巨大地震とそれによって引き起こされる大津波が周期的に来ることはわかっているが、それがいつなのかは誰にもわからない。だから、備えが必要なのだろう。
新幹線は緊急停止装置が働きストップしても脱輪している。直下型の地震でなくて幸いだった。直下型で浅いところで起きる地震では緊急停止装置が間に合うだろうか?
日本は温泉や火山や豊かな海産物など自然に恵まれているが、それは自然災害と表裏一体なのだ。いざというときには、どういう手順で避難して、災害が復旧するまでどうやって過ごすか、確認しておくべきなのだろう。1か月分くらいの食べ物や、数日分の飲み水くらいは備えておきたい。
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#4485 福島県沖地震M7.3と四百年に一度の巨大地震 Feb. 14, 2021 [12. 自然災害への備え]
*朝日新聞ニュース
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発生は13日午後11時7分。震源は福島県沖で、震源の深さは55キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・3。震源が深いことから津波の発生は確認されていない。
宮城県蔵王町と福島県国見町、相馬市、新地町で震度6強を観測し、北海道から中国地方までの広範囲で揺れを記録した。
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東北大震災の震源地と陸地の半分くらいの距離のところが今回の震源地である。東日本大震災の震源域が太平洋プレートと日本列島の境界域を震源とするものだったが、今回は距離がずっと日本列島寄りだから、太平洋プレートが日本列島の下部に入り込んだ深いところで起きたと考えられる。震源の上に大陸棚が載っているので津波も起きなかった。震源の深さが10km程度の浅発地震で都市部に近いと、甚大な被害を出しただろう。関東大震災がそうだった。
海でも浅発地震は大きな津波を起こす。今回は津波も起きなかった。不幸中の幸いである。福島県や宮城県のみなさんはぞっとしたに違いない。
震度6の市町村が多数あった、怪我人が100人弱、死者はゼロ。
【四百年に一度の地震】
千島海溝を震源とする大地震が四百年に一度起きていることがわかっている。いつ起きてもおかしくない。地層に砂の堆積層が5500年間で13回残されているという。20mクラスの大津波が北海道東部の太平洋沿岸を13回襲った痕跡である。予想されるマグニチュードは8.8超である。昨日の地震の32倍のエネルギー規模ということ。
大津波を引き起こしたということは千島海溝沿いで比較的浅いところで地震が起きたということだ。避難時間がどれくらいあるかは、以前計算して計算値をアップしたことがあるが地震発生後20分で津波が道東沿岸を襲う、新幹線より速い。
根室の太平洋岸は、200-500mも歩けば30mを超える高い台へ避難できるから、大きな地震を感じたらとにかく高台へ避難すれば、奪われるのは物的な財産だけにとどめられる。
釧路の教育を考える会に関わっていたので、釧路の人たちと親交がある、釧路が心配だ。高台は海の近くに何か所かあるが狭い。一箇所避難用建物の建設計画があったと記憶するが、人口から判断すると数十箇所必要になる。近くの高台へのアクセスを確保する必要があるのだろう。湿原は奥深くまで広がっている。現実的な避難計画と準備が急がれる。
M9.0の四百年に一度の巨大地震と大津波は明日来るかもしれぬ。準備があれば人的被害は1/10以下に抑えられる。もちろん、おカネも積み立てておくべきだ。釧路市財政も根室市財政も借金を減らし、地震対策積立金を難関予算額と同等額くらい、平時に積み立てておくべき。国の補助金が7割とすると根室市の財政規模なら地元負担3割で、700億円弱の復興資金を借金せずに投下できる。命さえあれば、財政的にはびくともしない。
ふるさと納税資金はいわばあぶく銭、400年に一度の巨大地震と津波は必ず来る。無駄なことにお金を使っている余裕はない。両方の市長や市議会は具体策を考え、実施に移しているのか?
400年に一度の地震と大津波という危機を目前にして、自分が市長や市議会議員であることの使命と責任をよく考えて行動してもらいたい。
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