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#4924 次の日銀総裁はどんな人?:植田和男71歳 Feb. 12, 2023  [8. 時事評論]

 新しい日銀総裁に植田和男氏が決まったという。wikiをみると、マクロ経済学が専門で、宇沢弘文や小宮隆太郎、浜田宏一に師事したようだ。ピッカピカのリフレ派である。どうしてこんなに偏った人を続けて選ぶのだろうか?

 浜田宏一と言えば、日銀白川総裁を黒田東彦に変えれば3か月で物価2%上昇が実現できると公言したことがあった。異次元の金融緩和を安倍晋三元首相に吹き込んだ人。
 結果は惨憺たるものだった。2013年3月20日に黒田は日銀総裁に就任したが、10年かかっても2%のインフレターゲットは達成できなかった。所得が上がらなかったからだ。そもそも金融政策だけで2%のインフレターゲットが実現できると考えるのがおかしい。現実を見ると、マクロ経済学そのものが破綻しているように見える。それなのに、また同じ学派を日銀総裁に起用した岸田総理の見識が問われても仕方がないだろう。
 統一教会問題で筆頭に挙げられる萩生田氏は政調会長へ「栄転」、同じく統一教会とのかかわりの深い細田衆議院議長はそのまま居座り、LGPT問題では統一教会と同様の見解を国会で述べ、荒井秘書官がそれを敷衍してオフレコの記者会見、マスコミの批判を浴びて更迭せざるを得なくなる。
 寺田総務大臣は11/21に金銭問題で、その前には山際経済担当相、葉梨法務大臣の3人が1か月の間にドミノ辞任している。自分の取り巻きを安易に大臣にしたためだとも言われている。どうも、岸田総理というのは人を見る目がないようだ。
 話を日銀総裁人事に戻そう。後ろに浜田宏一がいて、黒田東彦、植田和男と日銀総裁が替わっても、金融政策は変わらない。

 そもそもなぜ経済学者が日銀総裁に就任したのだろう?財務省OBか日銀出身者がいままでは日銀総裁になってきた。異次元の金融緩和を10年も続けてきて、まったく効果なし。2%のインフレターゲットは、国民の所得が上がらないので不可能。でもいまさら失敗だったとは言えぬ。財務省や日銀内部には、ついに日銀総裁に成り手がいなくなったように見える。

 異次元の金融緩和で、円安は進むし、銀行は青息吐息である。平成元年の時価総額世界のベスト10企業には日本の銀行が5社(日本興業銀行、住友銀行、富士銀行、第一勧業銀行、三菱銀行)も入っているが、いまやベスト50社をみても日本企業でランクインしているのはトヨタのみ。日本の大手銀行はいまや見る影もなくリストラを繰り返している。

 財務省OBも日銀出身者も火中の栗は拾いたくないのかもしれぬ。今回の人事は財務省がそれくらいの危機感をもっているということか。

 日銀が国債買い入れをやめたら、金利を上げないと、市場で国債はさばけない。市場で売れなければ日本政府はデフォルトに陥る。このまま月間20兆円のペースで買い入れを継続したら、円の国際的な信認が崩壊しかねない。ようするに出口戦略が描けないということ。誰がやっても不可能、手遅れ。

 さて、できるだけクラッシュを小さくするにはどんな手がありうるのか? 
 手品のような手はないのだから、日本経済がダメージを受けるのは覚悟のうえでやるしかない。まず長期金利を段階的に2%にまでアップし、国債の金利を市場にゆだねよう。5%くらいまでアップするかもしれないが、円高になり物価上昇は緩慢になる。
 円の信認が崩壊し、外国為替が160円/ドルになって物価がさらにアップ、預金封鎖による預金への課税や株式への課税、不動産課税が起きるよりずっとましだ。政府の借金は国債だけでも発行残高は1000兆円を超えた。数百兆円規模の課税になるだろう。その際に効率よく課税するためには住基コードの普及が必要です
 預金の名寄せにも、保有している株の名寄せにも、不動産の名寄せにも、住基コードが使われます。財務省は日銀破綻・財政破綻の用意がほとんどできています

 首都圏直下型地震、千島海溝を震源とする巨大地震、東南海巨大地震が明日起きても不思議ではない。蓄えどころか、政府は巨大な借金を積み上げてしまっており、一世代は苦労が続くから、人口減少はとっても都合のいい政策に見える。
 そうしてみると、人口減少に有効な対策を打てず、何もできない無為無策が最善の政策となっているようだ、「神の国日本」の七不思議のひとつに数えてよい。神風が吹いている。

*「#4922 日銀の国債買い入れ月間最高額を記録」


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tsuguo-kodera

 こうなるとよそうしていました。インフレ率2%でなく、超インフレを彼らは望んでいるのです。そのために今の緩和策を続けます。その間は後期高齢者医療保険、介護保険を上げます。相続税もあげ、子育て、子ども食堂にお金を回す。税制改革は軍備と防災を望む声でしかたないと思わせる。戦前戦後の生活を考えたらすぐ予想できることです。
 さて自分として私はどうするか。甘んじて姥捨て山に行きましょう。本当に世の中は阿保ばかり。ごまめの歯ぎしりをさせて貰うと、量子コンピュータでDXで済んでしまいます。だから今、友人のICT教科書をお手伝い。でも私の本と同じで読んで分かる人は日本広でも片手の指程度だと思います。(笑)

by tsuguo-kodera (2023-02-13 07:25) 

ebisu

koderaさん

おはようございます。
koderaさんは、周りに戦争を生き抜いてきた人たちが多くいたのではないでしょうか。しかも知的なレベルの高い叔父さん叔母さん。
その人たちの人生に戦争が大きく影を落としていますから、戦争前夜から戦争へ、そして敗戦へという経路がよく見えていらっしゃる。

夢物語だった量子コンピュータも実用段階に入り、市販のものまで出現するような時代になりました。もちろん個人では価格が高すぎて買えませんが、そのうちに劇的に価格が下がってスマホのようなことになるのかもしれませんね。スマホが量子コンピュータにつながっていればいいだけですから、そんなに遠い未来のことではありませんね。

発行残高が1000兆円を超えてしまい、さらに日銀の買い入れが加速し、制限が外されてない状態を考えると、もうどうにもなりません。ただ受け入れるのみです。米国は発行額に制限があるので、それを超えてしまうとデフォルトを起こします。連邦政府職員の給料が支払えなくなります。だから、歯止めがありますが、日本にはそれがありません。政府が戦前や戦時中と同じですね。海軍や陸軍予算GDP2%なんて、中身の議論もしないで平気で予算編成するように変わりました。自民党国会議員の中には戦争経験者で強い反戦の信念をお持ちの方が何人もいたのですが、もう現役を引退されて、そういう議員がいなくなりました。そういう事情もあり軍事費拡大にブレーキがなくなったのです。
国民がそうした政府の一連の動きに危機感をもっていないように見えます。戦前⇒戦中⇒敗戦を周りの人たちを通して「経験」していないからでしょうね。いまこそ歴史に学ぶ必要があるのでしょう。

ところで、ICT教科書作成のお手伝いをしているのですか、いいですね。
わたしたちはあと何年やれるかわかりません、そういう年齢です。
それでも、なにかに打ち込めるチャンスがあり、若い人たちをバックアップできる、そういうことを大事にしたいと思います。
わたしにできることはささやかなことですが、いま愉しんでます。

今日は、12/13にインプラントの埋め込みをやったところに義歯を入れてもらいます。最近、膝に違和感が少しあります。要注意です、ポンコツですから無理しません。(笑)

by ebisu (2023-02-13 10:13) 

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