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#4816 テスト範囲と学力低下の関係:根室高校 Aug. 31, 2022 [71.データに基づく教育論議]

<最終更新情報>9/1夜11:45 定期試験の難易度アップ、落第と定員枠の調整のススメ追記

 古里根室へ戻ってきて、小さな塾を開いてちょうど20年目ですから、ニムオロ塾もそろそろ終わりに近づいています。国立旭川医大(偏差値65、北大医学部や京都大学理系と同等)へ、一昨年根室高校から現役合格してくれた生徒は7年間のお付き合いでした。根室高校から難関大学への現役合格へのチャレンジはもちろん冒険でしたよ。でも、それなりの戦略を立てて7年間学習しました。貴重な記録ですからそのやり方は弊ブログに残してあります。いつまでに何をどのようにやったのか、後に続く者たちの参考になることを期待して記録し続けました。
 去年、今年と札幌の進学校へ進学した生徒がいました。二人ともガッツのある生徒でしたね。どちらの生徒もどういうわけか中高とブラスバンド部に所属していますが、今年の生徒は現役で京都大学理系は狙えそうです。昨年の生徒も北大なら問題ないでしょう。
 今年札幌の進学校へ行った生徒は、旭川医大へ根室高校から現役合格した生徒と、同じくらいの素質を認めました。
 一昨年、札幌の進学校へ行った生徒はそれ以上かもしれませんね。この生徒はニムオロ塾の生徒ではありません。通塾しないで柏陵中学校から札幌の進学校へ合格して順調に学力を伸ばしています。楽しみです。(笑)
 こういう学力の生徒たちが根室高校からでも、北大以上の大学へあたりまえに進学できる日が来ることをわたしは切に願っています。

 ところで、根室高校では前期期末試験が昨日(8/30)から始まっています。今週末9/2まで4日間がテスト期間です。今回は普通科の数学と英語のテスト範囲がどこまでだったのかと、学力低下がなぜ起きているのかを、データに基づいて具体的にとりあげたいと思います。
 どのような仕組みで何が起きているのかがわかれば、それを克服する工夫も必ず見えてくるものです。

 数学のテスト範囲は数Ⅰが「命題」の「条件の否定とド・モルガンの法則」p.61までです。全部で184頁あります。数Aは「確率の章」がテスト範囲に入っていませんでしたからp.32まで、全部で161頁あります。両方合わせると93/345ですから27.0%の消化率です。
 夏休みと冬休みと春休みを除くと、授業月数はおおよそ年間10か月ですから、8月末まで夏休みの25日間を引くと4か月で 4か月/10か月 、つまり教科書を40%終わっていなければなりません。現在のペースで授業すると3月半ばまで67.5%しか消化できません。後期は難易度が高い章が並んでいますから、基礎問題だけの内容の超薄い授業にならざるを得ません。2004年頃は、1/20までに数ⅠAを終了して、1/21から数Ⅱを授業でやっていました。この時代は大学受験しやすかったでしょう。
 今回のテストでは絶対値の問題は「むずかしいので」出題されないことになったようです。特設コース以外のクラスでは扱っていないという理由のようです。これらは生徒から聞いている情報なので、あとで実際のテスト問題で確認します。
(9/2確認。試験範囲は対偶の証明、63頁まででした。2ページ増えてもほとんど一緒なのでそのままにします。)

 なぜこんなことになるのかはいくつか理由があります。2校あった高校を統合したことで「全入状態」となり、普通科の7割前後の生徒が20年前なら根室高校には合格できない学力レベルの生徒だからです。
(団塊世代の頃は1学年約1000人、根室高校の定員は商業科3クラス、普通科4クラス、合計7クラスで350人でした。光洋中学校だけで1学年10クラス550人いました。元々が商業高校でしたから、商業科は2倍の競争率でした。だから、「根室高校卒」というだけである程度の学力保障になっていました。)
 高校統合後は、勉強しなくても根室高校に合格できるので、中3の学力下位層が勉強しなくなりました。そして学力の低い方に授業もテスト問題の難易度も合わせてしまいました。赤点で追試をする科目がどんどんなくなっていきました。どうせ進級させるので、追試をやる意味がないのでしょう。定期試験の難易度を上げて、30点未満は追試、それをパスできなければ落第させるというのも、学力アップの選択肢の一つでしょう。落第者の数だけ、翌年の募集定員枠を減らしたらいい

 元々、同じ教科書で教えることは無理なのです甚大な被害を受けているのは十数人いる高学力の生徒達です。統合前の根室高校に比べて、授業の進捗は著しく遅くなり、その内容も劣化していますから、独力で補う必要があります。統合前の根室高校の生徒たちに比べて、圧倒的に大学受験に不利になりました。後で採り上げますが、1年生が初めて受けた全国模試の平均点にそのことが如実に現れています。

 コミュニケーション英語は「FLEX①」を使っていますが、テスト範囲は第2章、p.44までです。教科書は10章186頁までありますから、消化率は23.7%です。現在のペースで授業をすると年度末までに59.1%、教科書の4割をやり残すことになります。これも、後半は速度を3倍にアップして、つじつま合わせをすることになるでしょうね。生徒の9割が急激な速度アップについていけないでしょう。つまり、ここでもさらなる学力低下が起きます。これはモノの道理ですよ。平均値でいうと、2.5倍速でやらないと教科書全部を追われませんが、そんな速度で授業したら、ついていけるのは上位1割の生徒だけです。9割の生徒にこの教科書は難易度が高すぎて合わないのです。どうしていいかわかんないまま、真ん中くらいの成績の生徒にピントを合わせた授業をした結果がこの授業速度なのでしょう。学力差が大きいので生徒にも教える先生にもずいぶんきついことになっているように見えます。

 就職試験だって例えば根室市役所は英語も数学も試験があります。上場企業ならSPIテストがあるのが普通です。就職だって進学だって、根室高校普通科卒業の生徒は他校の生徒たちに比べて大きな差がついてしまいます。

 現状、全国平均と根室高校の校内平均値がどれくらいの差がついているのか、6月下旬に行われたベネッセ模試の結果を表示しますので、ご覧ください。
 a:根室高校・校内平均
 b:全国平均
 c:a/b 校内平均の全国平均に対する割合
      a     b     c
 数学  16.3点  32.8点  49.6
 英語  19.3点  33.9点  56.9

 根室高校普通科の生徒は全国平均と比較すると数学は半分の点数、英語は57%の得点しかとれていないのです。統合前はどちらも平均点は20点を超えていましたが、統合後はひどい。今年のベネッセ模試の結果が一番悪いのではないかと思います。根室高校普通科の生徒で20年前の生徒たちの平均的な学力を有しているのは、「特設コース」40人中の25~30人くらいでしょう。
 それでも学力差が大きいことから、上位5-8人くらいは北大現役合格可能な潜在的な学力があります。高校生対象の塾で数英の両方教えているのはニムオロ塾だけで、それも来年春にはなくなっています。ウェイクフィールドが数学のみ教えています。
 いい時代です、高学力の生徒はユーチューブを利用して、独力で学習したらいい
 他方、根室高校は高学力の生徒10名の学力アップを保障するような放課後補習体制をとってあげられたら4いいですね高学力の生徒たちは、釧路湖陵をすっ飛ばして、札幌の進学校へ行ってます。根室高校へ進学したら、それほどレベルの高くない北大にすら現役合格できないと思っているからです

 この全国模試で根室高校の学年トップは全国偏差値60付近です。「みんなの大学情報」偏差値換算だと50以下でしょうね。得点だと150点(国数英の合計点)です。旭川医大へ現役合格した生徒は、高1の同じテストで偏差値76.7でした。
 「みんなの大学情報」偏差値65レベルの難関大学へ合格するためには、高1の最初のベネッセ模試で偏差値75クリアは最低要件です。全国の私立の進学校や道立の進学校(札幌南や北)が参加していないので、偏差値が10くらいは高めに出ます。

 学力全国模試の結果を見ると、学力差が大きすぎて、同じ教科書、同じテスト問題を課すのは無理なことがわかります。根室高校の先生たちだってきっと困りぬいていますよ

 地元企業経営者のみなさん、根室市議会文教厚生常任委員会のみなさん、根室市教委のみなさん、そろそろ本気で学力問題に向き合わないと、根室の地元経済の20年後は惨憺たることになりませんか?採用する人材の劣化で地元企業の半数が消えているなんてことに...。自然淘汰、それでいいのかもしれませんね。


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#4806 高1ベネッセ模試結果(2):根室高校の偏差値はいくつ? Aug. 14, 2022 [71.データに基づく教育論議]

 前回#4805の続編を書きます。根室高校普通科が全国の高校普通科でどういう位置を占めているのかデータで確認してみようというのが今回のブログの目的です。前回アップしたデータをもう一度ご覧ください。
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データを(校内平均、全国平均、全国平均からの差)の順に並べてみます。
   国語 (29.5, 37.6, -8.1)
   数学 (16.3, 32.8, -16.5)
   英語 (19.0, 33.9, -14.9)
3科目合計(64.9, 104.4, -39.5)
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 3科目合計点の校内平均が64.9です。生徒一人のデータがあれば、全国平均点と標準偏差が計算できます。
 偏差値の計算式は
   50+{(得点-平均点)×10}/標準偏差

 計算すると、標準偏差は40、全国平均点は105点です。
 この二つのデータから、根室高校の3科目総合平均点64.9を使って偏差値を求めると、40です。百校中84位の学力レベルですから、下から16番目と言った方がわかりやすいでしょう。
 進研模試の3科目合計・校内平均値データから、根室高校普通科の偏差値は40だと言えます

 つまり、根室高校で真ん中の成績の人の得点65点は全国偏差値40ですから、成績下位16%の学力です根室高校普通科で真ん中の成績というのは、お話にならないくらい低学力だということです。全国基準では、百人中84番ですから。こんなに学力が低くて、社会に出てから戦えますか?ほとんどがサラリーマン、そして非正規雇用、根室高校で真ん中くらいの人たちはとっても苦労すると思います。

 全国偏差値50を基準にしてみると、3科目合計点得点105点以上の人が該当しますから、15人ほどいそうですね。つまり、根室高校普通科の上位12.5%のみが全国平均を上回る学力だということ。
 全国偏差値60(上位16%)は145点ですから、この辺りが根室高校トップの成績でしょう。
 2018年のテストで学年トップ、2021年2月に旭川医大へ現役合格した生徒の偏差値76.7は、今回のテストでは三科目総合点で211点になります。64点の差があります。

 北大医学部や京都大学理系クラスの難関大学へ合格するには、最初のベネッセ模試で偏差値70を超えることが最低条件でしょう。それには、中学卒業までにどれくらい学力ん基礎を固めたかがモノを言います。
 偏差値60に届かない生徒は中学校の基礎に穴がいくつも空いています。だから、北大総合理系レベルの偏差値の大学(「みんなの大学情報」偏差値57、「ベネッセ偏差値」64-65)でもかなり厳しい。

 根室高校の面白いところは都会の偏差値40の高校とは違って、学力幅が大きいことです。例えば首都圏の偏差値40の高校は底辺校ですから、全国模試で3科目総合偏差値が60の生徒なんていやしません。42±5くらいのところに生徒の90%が固まってしまいます。そんな学校から国立大学医学部への進学なんてありえません。

 平均値を見ると底辺校ですが、学力幅が大きいので、5人くらいは北大総合理系に現役合格出来ても不思議ではないのです。そういう奇跡は一度も起きていませんが、昭和44年頃に浪人含めて7名が合格したことがあったようです。
 北大総合理系レベルなら、毎年5-10人くらいの現役合格者を出すことは、中高での育て方次第なのです


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#4805 高1ベネッセ模試結果(1):うーん! Aug. 13, 2022 [71.データに基づく教育論議]

 6月に実施した高1対象のベネッセ模試(進研模試)の結果がでてます。ショックです。

データを(校内平均、全国平均、全国平均からの差)の順に並べてみます。
   国語 (29.5, 37.6, -8.1)
   数学 (16.3, 32.8, -16.5)
   英語 (19.0, 33.9, -14.9)
3科目合計(64.9, 104.4, -39.5)

 数学と英語の校内平均が20点を切ったのを見るのは2度目です。数学の根室高校普通科の例年の平均点は20-23点くらいでした。数学は25点で学年20番/120人くらいでしょうね。
 高校1年の6月に実施した全国模試でこれほど数英の点数が低いというのは、中学校の授業や指導に大きな問題があるということです。授業や指導のありかただけではなく、高校が一校体制になって成績下位層が勉強しなくても根室高校へ入学できるようになって、実質全入体制が5年続いた結果でもあります
 教える先生たちもたいへんです。なんとか授業についていけているのは、20人ほどと言っていいのでしょう。定期テスト100点の生徒が53点でした。99点の生徒が39点、それほど、全国模試と定期テスト問題の難易度に差があるということです
 大丈夫かな、こんなに定期テスト問題がやさしいのでは、ふだんの授業はまるっきり受験対策にはなりません。大学進学を考えている生徒たちは、難易度の高い問題集で、学校より先に、独力で、予習方式で勉強を強いられます。大学受験という視点からは、学校の授業はあてにならぬということ
 でもね、難易度の高い問題集を独力でそれも予習方式でやれる生徒は1~2%しかいません。この学年の生徒では2人いましたが、両方とも札幌の進学校を選んでいます。札幌北高校と光星高校。だから、独力で難易度の高い問題集をこなせる生徒は一人かもしれません。ゼロの可能性すらあります。

 学年トップが何点かはわかりませんが、国数英の三科目合計300点満点で150点前後でしょうね。全国偏差値で60くらいかもしれません。偏差値60は上位16%ですよ。全国レベルで上位16%に入る生徒が一人しかいないということになります。おそらく、120~150点の間に根室高校普通科の上位8人ほどがひしめいています。
 2018年の同じ全国模試で、根室高校トップは三科目総合偏差値で76.7、数英2科目だと79.4でした。昨年、根室高校から現役で国立旭川医大へ合格した生徒です。弊ブログ記事#3805にアップしてあるのでそちらをご覧ください。
 千人中の順位表で比較してみると、偏差値76.7は4位、偏差値60は159位になります。4月から札幌の進学校で勉強している根室出身の生徒は偏差値70は楽に超えているでしょう。一人は8か月教えたので、どの程度の学力になっているかは手応えでわかります。シリウス数Ⅰと数Aをそろそろ全問解き終わったころです。根室高校生で前期中間テストで数Ⅰ100点の生徒はそろそろ2次関数を10頁ほど残してますから、ようやく半分です。差が開きました。勉強スタイルを変えないといけないのですが、5か月たちましたが、切り換えられていません。札幌光星高校へ進学した生徒は4か月ほどで切り換えてます。切り換えないと札幌光星高校進学は無理でしたから、7月末に楚お母さんと相談に見えたときにそう伝えました。どうしたら寮のある札幌光星高校へ合格できるかという相談で、入塾相談ではありませんでした。授業中は独力での演習中心、モノも言わずに鉛筆がコトコトとずっと音を立てていました。質問は8か月で3回あったかな?完全に独力でやり抜きました。札幌へ行って部活と勉強を両立させてます。同じスタイルでやっているはずです。偉い奴です。根室高校から京大理系か東大理系へ現役合格してもらいたかった。わたしは来年はもう根室で教えていませんから、引き留めませんでした。札幌におじいちゃんやおばあちゃんがいる生徒は札幌南か札幌北へ進学したらいい。いない人は寮のある札幌光星高校がおススメです。根室高校が上位10人ほどを対象にした進学システムを整備できるなら、こういう生徒たちはきっと根室に残って勉強してくれます。1昨年、根室高校からでも難関大学である国立旭川医大へ現役合格可能なことを証明してくれました。道北・道東推薦枠で現役トップ合格してます。

 ベネッセの偏差値では、北大総合理系は偏差値64-65です。「みんなの大学情報」の偏差値では57です。

 8人の生徒たちが北大総合理系以上難易度の大学に合格するためには、これから猛烈に勉強して偏差値をアップしなければなりません。根室高校が、10名弱の生徒たちの学力アップにどういうシステムを用意するのかも試されています。学校の進路指導に関するマネジメントの巧拙が問われています。

 それにしても、これではいけませんね。中学卒業の時点で、基礎学力に大きな欠陥を抱えている生徒が8割以上いることになります。2校体制だった道立高校を統合した後に、中学生の成績下位層が学習意欲を失いました。勉強せずとも根室高校へ合格できるからです。
 道立高校が2校の地域のみなさんは、統合されて1校体制になったら、生徒達の学力がガクンと低下することを覚悟してください。

 根室高校普通科の生徒たちの学力低下は、高校だけの問題ではないのです。中学校の高学力層が枯渇化現象を起こしているのと、低学力の生徒が肥大化していることが、先にあるのです。
 都会と一番差が大きいのは就学前教育でしょう。この点ではベテランの元小学校教頭のMさんと意見が一致しています。小学校に入学するまでに、本を読むこと、ひらがな、カタカナで文字が書けること、足し算・引き算ができること、鉛筆の持ち方や箸の持ち方を躾けることなどにかなり差があります。「読み・書き・計算」の基本は家庭で教えるお母さんやお父さんが教えてしまう家庭が都会には多いということ。
 だから、解決も簡単です。就学前の児童のいるお父さんやお母さんを対象に、就学前の「読み・書き・計算」を子どもにどのように教えたらいいのか、具体的に説明してあげたらいい。定期的に説明会を開催して指導方法に関する質問を受けてあげたらいいのではないでしょうか。

 根室教育長の波岸克泰さんや根室市教委は根室高校生の全国模試のデータも見て、具体的な教育政策を考えてもらいたい。根室の町を支えているのは、根室高校で比較的学力が高かった卒業生達です。それがすごいことになっています。このまま放置したら、根室の水産業は30年後はどうなるのでしょう?支える人材がいますでしょうか?
 地元企業の経営者のみなさんも、学力低下に目をつぶったままでいたら、人材難で経営はジリ貧、20年後には会社がなくなっているなんてところが増えますよ。古里の子どもたちの学力低下を放置してはいけないのです。業界団体で教育問題を議論しなければならない時期にとっくになっています。なにもしなけりゃ、それなりの結果が20年を待たずに現れます。地元企業が次々に経営破綻すれば、若者は職を求めてますます根室を離れていきます。

 ところで偏差値57の北大総合理系は「難関大学」には入らないでしょうね、そんなにむずかしくありません。北大では獣医学部や医学部が「難関大学(学部)」に入るのでしょう。

<次回予告>
 根室高校の3科目合計点の校内平均は64.9ですが、これは全国偏差値ではいくつでしょう?次回#4806で採り上げ、計算してみます。

<余談:文武両道のサッカー少年>
 2010年頃だったと思うが、光洋中サッカー部が数人入塾した。その中に一人、面白い生徒がいた。学年10位くらいだったと思うが、1か月教えて、学年トップがとれていないのが不思議だった。逸材はすぐにそれと知れる。
「学年トップとれるよ、その気でチャレンジしてみたらいい」と伝えると、すぐにトップになった。それから何度もトップだったので、1年生の終わりごろに、「自分の勉強スタイルでいい、塾へ来なくても成績は落ちないよ、好きなだけサッカーしていい」、素直だった。1年で塾をやめた。こういう生徒は勉強スタイルをこちら側がいじらないほうがいいのである。自分のスタイルで伸び伸びやらせたら、どこまで伸びるか面白いので、黙って見ていたらいいのである。独力で合格したほうが本人もずっと楽しいはず。
 高校生になっても部活と「文武両道」を貫き、早稲田大学商学部へ現役合格している。いま早稲田大学商学部の偏差値は67.5-70である。IY君のお陰で、根室高校には早稲田大学商学部の推薦枠ができた。一度、成績不良の生徒を推薦して、赤点が複数科目あって留年したため、推薦枠が取り消されたと聞いた。いま推薦枠があるのかどうかわからぬ。



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#4666 別海町に一般社団法人ができる:教育支援も目的の一つ Dec. 6, 2021 [71.データに基づく教育論議]

 FB上で、別海町の高橋宗靖さんと話していたら、今日(12/6)ある一般社団法人設立の事業説明会があるという。その事業目的の一つに、「教育支援」がある。教育は町づくりの礎だから、そこをテコ入れしないといけないと複数の地元企業が一般社団法人設立に動いた。
 別海中央中学校は根室支庁管内で普段の学力テストの平均点がダントツに高い。市街化地域では根室の光洋中学校と柏陵中学校が一番低い。釧路根室管内の17校でも根室の2校は最下位である。それでも、根室の地元経済人は子どもたちの学力低下に危機感がない。このまま放置すれば、人材難で根室の地元企業の半分くらいが20年後に消滅しているのでは?有能な若者がそういう経営の危うい地元企業への就職をますます敬遠するようになります。


 11/30の北海道新聞より
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10月で退任した寺脇根室教育長は、その退任の弁で小学生の国語の正答率がアップしたことを自画自賛しているが、算数と中学生の国語と数学の平均正答率には言及していない。中学生はいままで14支庁管内で平均正答率が最下位になったことはないのだが、国語も数学もどちらも全道最下位となってしまった。日高管内と宗谷管内が根室管内よりも前回までは下だった。ついに、最下位。根室管内で別海町は群を抜いてよい。根室管内の平均正答率を下げているのは根室の市街化地域の2校である。こうした事実に目を瞑ってはならぬ。
 別海町の教育長だった眞籠さんは別海町役場の職員である、しかも教育畑けではない。中央中学校長の青坂さんと二人三脚で学力をアップした。いま教育改革の旗を振っている釧路教育長の岡部さんも市役所の部長だったが教育関係ではなかった。具体的な政策を実行する立派な教育長だ。釧路の教育を考える会の会長の角田さんは釧路市役所経済部長から教育長となった人だ。岡部さんの採用時の上司が角田さん、釧路の教育行政の伝統は地元に生まれ育った人から人へとしっかり受け継がれていっているように見えた。
 根室では11月から新しい教育長波岸克泰氏に変わっているが、前回同様に道の教育庁関係者である。道の教育庁関係者が地方の教育庁に天下りして、実績をあげた例はあるのだろうか?市民は教育長を選ぶこともできないから新しい教育長にただ期待するしかない。前任者とは違って、最後に言い訳をしないように、任期の間はしっかり仕事してもらいたい。
 この15年ほどで何人の道の教育局関係の人が根室へ赴任してきたか数えるのも面倒なほどに入れ代わり立ち代わり、しかし任期が終わると一月後には根室にいないのが通例で、一人の例外もない。サラリーマン生活最後の席を温めるだけとなるのはいたしかたないのだろう。いや最後だからこそ、思う存分に仕事をしてもらいたい。人間関係を創り上げるだけで3年はかかるが、そのころには任期が終わる。
 わたしは釧路の教育庁の岡部さんとは話したことがある、別海町の元教育長の真籠さんともFB友で忌憚のない意見交換をしているが、根室の歴代教育長のどなたとも話したことがない。

 今や根室高校普通科へ入学する生徒のうち、17年前に定員オーバしたときの基準を適用すると、同じレベルなのは特設コース40人のうちの30人ほどである。その年度は300点満点で150点の生徒が3人不合格となっている。年度によってばらつきがあるが、いま学力テストでこのラインを越えられる中3の生徒は成績上位2-3割である。

 差し支えない範囲で別海町で設立される一般社団法人設立情報を公開します。
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今日(12/6)、出資予定者に事業説明会を実施します。
基本的には別海町内の企業に出資を頂きスタートします。
・自治体施設の有効活用
・地方移住支援、イベント企画
・教育支援事業
・健康、スポーツ事業 等々を目的に設立しました。
遠回りですが、やはり、教育支援は回り回って企業の根幹の人材育成に繋がると思います。
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旗振り役のお一人高橋宗靖さんを紹介
別海町高橋工業ホームページ

<別海町に誕生した教育支援団体紹介>12/9 FBより転載
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先日、一般社団法人マグネットプレイスを設立致しました。
10月下旬に設立趣旨説明会を開き、先日設立登記も終わったので、関係各位に事業説明会を実施しました。
主な事業概要としては、
・自治体施設の有効活用
・地方移住支援、イベント企画
・教育支援事業
・健康、スポーツ事業 等々を目的に設立しました。
その中でも本丸は教育支援事業です。
遠回りですが、教育支援は回り回って地域や我々企業の根幹の人材育成に繋がると思いますので、息の長い事業になりそうですが、自治体の補完団体になるよう頑張ります?
まだまだ出来たばかりで、なんの力もありませんが、猛烈な事業スピードで実施していきます。
今後、我々社団法人を応援してもらえる企業、個人に会員となって頂くように順次段取りをして参りますので、ご協力の程、宜しくお願い致します。_(._.)_
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#4639 根室教育長退任の弁を聞く Oct. 27, 2021 [71.データに基づく教育論議]

<根室市の教育長退任の弁について>

 中学生の学力は学力テストの平均点で見る限り、根室市内の中学校は釧路根室管内で最低レベルです。根室教育長が、全国学力テストで小学校の国語の平均正答率がアップしたと退任のあいさつ、北海道新聞に載っていました。根室の中学生の学力は釧路根室管内の市街化地域の17校では最底辺を低迷しています。いまでは別海町の中学校が断然学力が高い。
 根室市は現実を直視できない教育長が代を重ねています。前任者と同様に退任したらすぐに根室を去るでしょうね。もう、道の教育局からの教育長はいりません。根室管内には実績を上げた元校長が数人います。

10月26日根室地域版より
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寺脇教育長が退任あいさつ
「学力向上に光明」
【根室】市議会10月定例月議会は25日、本会議を再開し、31日付で任期満了となる寺崎文康教育長が退任のあいさつをした。
 寺脇氏は7年間の任期の中で、「長年の課題だった学力向上について、対話型の授業の取り組みを進めた。本年度の全国学力・学習状況調査の小学校国語で全道背筋を上回るなど光明が見えてきた」と振り返った。
 一方で老朽化した後者の改築や特別支援学校の誘致など「多くの課題について道半ばだ」と述べた。
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 寺脇教育長のこの弁では根室の子どもたちの学力向上面で功があったかのように聞こえてしまいますね。ほんとうでしょうか?
 不都合な事実には一切言及せずでしたね。こういう輩が政治の世界では増えていますが、どうやらわが古里の町の教育行政はそうした輩に浸食されてしまったようです。
 別海町は地元出身の町役場職員であった真籠さんが教育長になってから、教育改革を進めました。別海中央中学校の青坂元校長も学力向上やマネジメントに関しては凄腕のひと、そういう人たちの成果です。釧路ではいま岡部さんが教育長で頑張っています。やはり元釧路市役所職員です。最近議会ですごい答弁してます。「釧路教育長の議会答弁」をクリックしてご覧ください。

 令和3年9月17日の釧路新聞より引用。
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 西村雅人氏(共産党)は市が独自に行っている標準学力検査について、「児童・生徒を過度な競争に駆り立て、教職員の負担増にもつながっている」として、今年度限りで廃止するよう求めた。岡部義孝教育長は「基礎学力を測るもので、競争させる考えはまったく持ち合わせていない。また、結果に基づく授業改善は教師の本文と考えている」とし、「子供たちの将来の選択肢を広げるためにも基礎学力は欠かせないものである、やめる考えはない」と答弁した。
=================================
 何が何でも釧路の子どもたちの学力を向上させるんだという、岡部さんの強い決意がうかがわれる議会答弁でした。

 根室はいったい何をしていたのでしょう?根室市教委は普段中学校で年に3回(中3は5回)行われている学力テストデータすらモニターしてません。根室の市街化地域の中学校が、釧路根室管内で最低だなんて知りもしない。
 寺脇教育長が特別悪かったわけではありません、道の教育局から来た前任者たちの中にはもっともっとひどい人もいましたから。教育長の権限が大きくなりましたが、しょせん外様ですから根室の事情をご存じない。義務教育を担当している「根室人」の部長さんがいるはずですが、そこも同罪ですよ。地元に住み、暮らしていて、学力テストデータすらモニターしないで、有効な学力向上政策が立案できるわけもありませんから、もっと罪が深いかも。結局は、教育長が無能なだけではなくて、「根室人」が根室の子どもたちの学力向上へのブレーキになっているようにわたしには見えます。
 なにより、歴代市長が子どもたちの学力問題に関心が薄い。それをいうと、市民の教育問題への関心が薄いことまで言わねばなりません。

 「無為自然」、世の中はなるようになっているのでしょう。
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無為自然とは、
何もしないのではなく精一杯の努力をし、
あとは天地自然の宇宙の原理や変化を
そのまま受け入れる
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 2019年度の学力テストデータでは、根室市内の中学校、柏陵と啓雲が17校中最下位でした。光洋中はデータを入手できませんでしたが、同じレベルです。緑色をクリックすればデータを記載した記事へ飛びます。
*「2019年学力テスト総合A:17校データ比較

 啓雲中が光洋中に統合され、いまや光洋が根室市内の生徒数の半数を占めています。その学力の実態を10/9にアップしてありますので、こちらの合わせてお読みください。
 「#4624学力テスト総合A:根室の中学生の学力の実態」

<新任の教育長に関する情報>
 釧路新聞の記事によれば、道立教育研究所長の波岸克康氏が来月着任するようだ。
 いつまでこんな人事を続けるのだろう?根室の子どもたちの学力は、釧路根室管内ではもうこれ以上ないラインまで下がってしまっている。
 道新の取材記事を見つけました。
   「学校の統廃合はもう限界、地域守る鍵は住民参画
 中身を見たら、ICTを活用して遠隔授業で統廃合を進めたいという論のようだね。コミュニティスクールの普及も言ってるが、これは文科省の既定方針だからだろう。根室はほとんど進んでいない。
 道教育大旭川校出身、教員の経験ありだね。「純粋培養組」ということ、人材の幅が狭いように感じました。
 さて、根室で何かしたいことがあるのだろうか?
 


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#4580 中学校前期中間テスト得点分布表:学力向上の決め手は何か? July 7, 2021 [71.データに基づく教育論議]

 今日は七夕、朝から雨が降っている。伊豆熱海で土砂崩れがあったが、根室でも雨は3日間降り続いている。
 朝7時の気温12.5度、東南東の風7.6m/s、湿度100%
 もちろん床暖房が入っていて、室温は23度、別海牛乳を3分電子レンジで温めて、床にセット。これで4時間後にヨーグルトができあがる。
 さて、本題である。6/21実施の前期中間テストの科目別得点分布表を並べるので、根室の教育の現況に興味がある方はご覧いただきたい。

DSCN5176全科目ss.jpgDSCN5234全科目ss.jpgDSCN5246全科目ss.jpg

 左から、1年生、2年生、3年生の順に並べてある。
 科目は上から順に、国語、社会、数学、理科、英語、五科目合計点である。五科目合計点のグラフは途中で切れている。「0~250点」までしか表示されていないことをお断りしておく。

 ● 国語の得点の分布をみると、1年生は左へ寄っており、2年と3年生は右側へ寄っているので、隣同士の1年と2年を比べると線対称なグラフになっている。国語は母語である日本語だから、右側に寄るのがあたりまえで、左に寄っているのが異常だと判断してよい。1年生は国語力の低い生徒が多いということだ。あとで40点以下が何人で何%を占めているか数字をお見せする。

 ●3番目の数学の得点分布は1年生が高得点層が少ないのが特徴である。どの学年もフラットなグラフとなっており、他の科目に比べて得点下位層が多い。1年生だけ事情が違う。これもあとから具体的な数字を挙げて論じたい。

 ●5番目の英語得点は1年生が右側に偏ったグラフになっているが、これは英語をはじめたばかりで、問題が易しいから高得点層が多くなっているだけ。9月の期末テストは真ん中が高くなる。そして後期には現在の3年生のような分布に変わるだろう。英語の教科書の難易度が全学年アップしている。受け身や現在完了形は以前は中3で教えていたが、今年から2年生で教えることになった。中3では仮定法が新たな項目として入ってきている。昨年までは高校の範囲である。教科書の文字も小さくなり、内容が増えた。漫画でシーンを挿入した会話重視へ切り替わっている。各ページにはQRコードがつけられ、音声をスマホで聞くことができる。この点は大きな進化だ。発音の悪い先生がいても問題がなくなった。スマホで音読トレーニングする生徒が増えている、喜ばしい変化である。

 40点以下の人数を学年別・科目別に追ってみたい。
<1年生94人>
数学の平均点は40.0点、40点以下は43人、45.7%です。
英語の平均点は55.5点、40点以下は31人、33.0%です。
国語の平均点は50.3点、40点以下は34人、36.2%です。
この36.2%は小6の語彙力テストで50点以下の得点しか獲れないでしょうね。3人に一人の割合でそういう生徒がいます。まったく本を読まない層だと考えていい。
数学の40点以下の層と併せて考えると、国語や数学の授業が成り立ちません。
ところで数学のテスト範囲は「正負の数」「文字式」のみ。テスト範囲は計算の基礎だけですから、これができないと2学期以降は学習意欲をなくす生徒が増えます。とっても危うい状況です。
 日本語で書かれた本を使って音読指導をする必要があります。根室では小学校でも、中学校でも音読指導に力が入っていません。だから、中学生になっても、アニメのノベライズものくらいしか本を読んだことがないという生徒がほとんどを占めます。読もうという好奇心もないし、また語彙力がないので児童書以上の年齢相応の本が読めないのです。小学校を含めて根室の教育の在り方全体を見直す必要があります。あとで、具体例を挙げます。

<2年生95人>
数学の平均点は50.7点、40点以下は37人、38.9%です。
英語の平均点は53.6点、40点以下は38人、40.0%です。
国語の平均点は55.9点、40点以下は22人、23.2%です。
この23.2%は小6の語彙力テストで50点以下の得点しか獲れないでしょうね。4人に一人の割合でそういう生徒がいます。

<3年生107人>
数学の平均点は47.1点、40点以下は51人、47.7%です。
英語の平均点は42.5点、40点以下は57人、53.3%です。
国語の平均点は64.9点、40点以下は10人、9.3%です。
 英語の教科書が今年から分量も難易度もアップしているので、落ちこぼれが多数出そうです。学力テストだと平均点は30点台前半になるかもしれませんね。30点以下は高校なら赤点です。
 この学年は国語の平均点が64.9点ととても高いですが、問題の難易度が低かった可能性が大きい。柏陵中学校で一度、教科書準拠問題集の問題をそのまま出題して、平均点が7割を超えたことがありました。難易度が極端に低いテストは問題が大きい。生徒や保護者に誤解を与えます。9月の学力テストの平均点が60点近くなら、この学年の国語力はほんとうに高い。9月にはっきりしますから、3年生の国語については判断保留です。

<民間企業ならどのような対応になるのか?>
 課長職が科目担当と半期の課題設定をします。前期期末試験と9月の学力テストの平均点と、得点分布について目標設定をします。たとえば、1年生の数学なら、平均点を5点アップして、40点以下の層を43人から33人に減らすという数値目標を立てます。9月の学力テストでも同様の目標設定をします。そして9月に結果が出たら、評価します。未達の場合は原因分析と次の課題設定がなされます。成果を出せばボーナスの査定は上がるし、昇給昇格にも影響します。
 だからこんな事態をそのまま放置するということは決してありません。

 課題設定の際に、科目担当教員の「主張」を聴きます。部活指導で忙しくてできないという具体的な問題が俎板(まないた)に上がれば、部活を当分の間(例えば半年)週3回に制限します。これは管理職の仕事ですから、科目担当教員任せにはしません。具体的な現状データと目標値を挙げて、保護者のみなさんに説明します。理解と納得ずくで学力向上策を進めます。

<学力と地域の未来>
 5年前に1校体制になったので全員が根室高校へ入学できます。そして生徒たちの20-30%が地元へ就職しています。成績上位10%の学力層の生徒が戻ってくるのは年に1-2人ぐらいなものです。
 学力下位30%は都会へ出てもほとんどが非正規雇用の職しかありません。年収150-200万円前後です。家賃を払って自活はとても無理です。学力の低い生徒たちは進学しても卒業して非正規雇用だと親は仕送りを続けることになるでしょう。偏差値50くらいの大学でもその大学で成績下位グループはそういうことはふつうにあります。借金して進学した女子の中には、借金返済のために風俗で稼ぐ人もでてきます。悲しいことですが20人に一人がそうしているというデータもあるようです。戻って来れば、親に寄生してとりあえず飯は食えますが、キャリアをつめないまま年齢が増えます。30過ぎたら、もう正規雇用は無理、低賃金の非正規雇用を続けるしかない人が増えます。
 根室を支えるのは学力中位層ですから、五科目平均点が釧路根室管内で最低ということは、根室の町を支える担い手の学力が、釧路根室管内で最低ということになります。
 その学力中位層の得点はどれくらいでしょう。3年生の4月の学力テストで見ると、受験した105人中の中央値は190点です。38%の正答率のところが中央値(メジアン)ですから、これくらいの人材が主力で将来待ちを支えることになるのでしょう。
 教育こそがまちづくりの礎です。このまま放置してはいけないことはだれでもわかります。釧路・根室管内の他の地域はどうしているのか、すこし根室の外側に目を向けましょうよ。 

<国語力がすべての学力の基礎>
「読み・書き・計算」が学力の基礎であることはよく知られた事実です。そしてこれら三つは重要な順に並んでいます。国語力が最優先だということです。釧路市議会の月田議長(当時)は秋田県大館市の小学校を視察しています。2期目の釧路市教育長の岡部義孝さんも。
 別海中央中学校と根室市内の市街化地域の中学校は学力格差が広がっています。なぜ、広がったのか?別海町が学力向上のための具体策を実施しているからです。教育長と校長が一緒になって取り組んできたからですよ。好いところは学ぶべきです。
 ここに載せるのは、お隣の別海町の眞籠毅元教育長(2014年4月-2017年4月)としたFB上での最近の対話の一部です。
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全国学力テストのB問題(応用)で、白紙回答が多いと聞き、原因は質問の内容が理解できなかった、うまく言葉で説明できなかったためでした。つまり、国語力の低下なのです。秋田県の小学校を視察した時に驚いたのは、児童玄関の真向かいに、吹き抜けになった大きな図書室(図書館)がどーんとあり、専任の図書館司書が常駐していて、本の貸し出しを受ける子供たちが列をなしていました。コンピュータ管理をしているので、誰が、どのような本を何冊読んでいるか把握していました。1年生でも年間100冊以上は読んでいるとのこと。司書さんは授業にも参加して、宮沢賢治の世界を紹介したり、本を読む大切さを子供たちに話していました。近年では、新聞を活用した教育(NIE)も盛んに行っているとのこと。図書室に各社の新聞が常備されていて、授業用にも各社から寄贈されているとのことでした。学力向上の原点ですね。
...
秋田県横手市雄物川小学校です。横手市は秋田県の中でも学力の高い地域だそうです。現職の時に秋田県に視察に行かせた学校長等が、横手市の教育長と親しくなって、翌年別海町にお招きして講演やら教員との交流会を催してから、今も交流が続いております。横手市の現職教員を招いての「スーパーティチャー研修会」では、あっと言う間に別海の子供たちを引き込んでいった授業は圧巻でした。別海では横手方式を結構取り入れて頑張っていますよ
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 眞籠さんも釧路教育長の岡部さんも、地元出身者です。学力向上に力を入れている町は、教育長を道庁からもらっていません。お飾りではないからです。わたしが故郷に戻ってきてから、現在の寺脇根室教育長で5人目だったと思いますが、全員道の教育局の人です。一人の例外もなく任期が切れたら、お戻りになっています。つまり「腰掛」、これで教育改革ができるとは思えません。歴代市長が子どもたちの学力向上を軽視してきた証拠でしょう。
 眞籠さんの文章には小学1年生の読書量について言及がありました。横手市の雄物川小学校は特別な例であって、例外だという意見の方がいるかもしれないので、東京の事例を書いておきます。東京の幼稚園の年長さんだと、児童書を年間百冊くらい読んでいるのが半数くらいはいそうですね。幼稚園も親も読書習慣を躾けるのに一生懸命です。就学前にすでに大の本好きになっています。そういう準備を親がしなかった子どもは学校へ入学してから根室の子どもたちよりも苦労するでしょうね。


 小学1年生で百冊も本を読んでいる地域の子どもとほとんど読まない地域の子どもに小学校6年間で大きな学力差がつくことは誰にでもわかる理屈です。学力の高い地域はそういう具体的な仕掛けを作る努力や読書習慣を育む努力をしています。何もしないで学力がアップしているわけではありませんよ。だから、根室市内の子どもたちの低学力化の進行は、教育関係者や家庭での学習習慣や読書習慣を躾けそこなった親たちが産み出したものです。いわば「人災」ですから、そこに住んでいるわたしたちのやり方次第で改善できます。断じて「天災」ではないのです。よくしようじゃありませんか。自分にできることから始めましょう。わたしもそうしています。

 2019年のデータですが、別海中央中学校五科目合計点の平均142.6点、啓雲中111.5点、柏陵中108.8点でした。300点満点で30点を少し超える差がついています。根室の市街化地域の中学校は釧路根室管内の市街化地域の中学校でビリなんです。そんな事実を知らない保護者がほとんどでしょう。もちろん、学校の先生たちも、ふだん実施されている学力テストのデータすら見ていない根室市教委も、市議会文教厚生常任委員会のメンバーも知らないでしょうね。データは下記#4099にありますので、クリックしてください。


#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019




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#4550 学習習慣のない生徒はどれくらいの割合か?:in 根室 May 26, 2021 [71.データに基づく教育論議]

 ニムオロ塾は水曜日は休みであり、「ボランティア」の日でもある。今日は2時間高校3年生の英語音読指導をする。今月と来月は高3の生徒に教科書『VIVIDⅢ』をつかって、音読指導と長文読解トレーニングをしている。英語が苦手な生徒はこうしないと、いつまでたっても自分でやろうとしない、いやできないのである。どうしていいのかわからないのだ。音読しながら語順通りに理解する読み方を「伝授」したい。
 英語が苦手な生徒でも、2時間の授業で15回、合計30時間この音読と語順通りの読解トレーニングをやれば、後は自力で長文問題をやれるようになることを昨年の3年生5人が実証してくれた。数学は得意だが英語がとっても苦手だった生徒たちである。根室高校の英語の先生が同じことをやろうとしたら、部活指導を担当していたら無理だ。現実は部活の方が優先である、本業の授業よりも部活重視の学校のシステムができあがってしまっている。それは登攀不可能な絶壁のように聳(そび)え立って見えているのだろう。小さな私塾には簡単なことが、学校という組織では不可能になる、何たる本末転倒か?三人に一人くらいは部活を担当しない先生をつくり、やれるところから始めたらいい。

 極東の個別指導の小さな塾は現在生徒数17人である。最大1クラス7名までだが、入塾当初は数か月間毎日補習しないといけない生徒がいるので、これぐらいが望ましい。
 平均以下の学力生徒の学力アップに魔法はなく、手間が数倍かかるし、かけている。それでも、決められた日の決められた時間に塾へ来ない生徒は2割はいる。部活で疲れたとか、いろいろ言い訳はある。ようするに生活全般がルーズになっているのだ。個々の例は後で出てくるだろう。2002年に根室へ戻って塾を開いた当初は、野球部の生徒で、学力アップしたいので、部活担当の先生に申し出て、月曜日は部活を休み、まっすぐ塾に来て勉強した生徒がいた。半年ほどで見事に学力をアップ(数学と英語が両方とも50点以上アップ)した。ああいう生徒が少なくなった、いやほとんどいなくなったといった方が的を射ている。

 72歳になったから、そんなに塾を続けるつもりはない。70歳を目安にしていたからもうタイムオーバーなのだ。
 高3が6名卒業していって、四月からは十名前後になる予定を立てていた。じっくり1年間教えてリタイアしたいと。ところが案に相違して9名の生徒が入塾した。それぞれ課題を抱え重要な時期だ。
 70歳前後でやめるつもりだったので、2016年5月7日に縮小のために日専連ビルから自宅へ教室を移し、折込の宣伝はその前にやめ、電話帳での有料広告はもっと前にやめた。だから、新しく入ってきた生徒は全員「口コミ」である。卒塾生が社会人になって周囲の同僚へ紹介してくれたり、部活の先輩の親の紹介だったり、同級生に誘われたり、さまざまである。生徒たちや保護者の情報ネットワークは案外強力だ。そういうわけで予定したようには生徒が減らない。

 残り時間が少なくなってきたことは事実だから、データを挙げていくつか書き残しておきたい。

 通塾している生徒たちの学力分布はじつに広い。(笑)
 ピン(3月には根室高校から旭川医大へ現役合格を果たした生徒が出た)からキリまでという言い方は誤解を招く恐れがあるので、いくつか実測データを挙げてみたい。
 例えば、計算速度で見ると、ピンとキリでは1:30なんてことがある。速い者が30題やるのに、一番遅い生徒は1題しかできない。30倍の差があるのにはわたしも驚いた、計算力にはそれほど技能差が大きい。つまり訓練効果が非常に大きい分野だということ。計算能力をアップするには古典的なツールである珠算の効果がナンバーワンである。四則計算(加減乗除)の計算技能アップには珠算をやるのが一番効果が大きい。わたしは日商珠算能力検定1級取得者で半分の時間で合格点が取れるので、おおよそ全朱連の3-4段相当であるから、計算技能のアップに珠算のトレーニングがどれほど効果があるか経験で知っている。実用上は初段で十分である。珠算を習えば10人に1-2人は初段試験に1-2年で合格できる。(笑)
 日本語音読速度なら3倍くらいの差があるのは普通である。先読みできる生徒は、流れるように読めるので速度が大きく正確に読む。語彙力不足の生徒は漢字を飛ばし読みしているから、ところどころ内容が理解できないし、文脈が読めない。読みなれていないと、戻り読みが頻繁に生じて流れが止まるし、読んでも字面を追っているだけで、意味として頭に入ってきていない。音読させてよく観察すれば誰にでもよくわかることだ。そして速度が速いほど内容理解が深いということが起きる

(面白い生徒が一人いた。読書速度が一番速かった生徒である。わたしの本棚から面白そうな本を持ち出しては「先生これ借りていい?」と小説から哲学書まで片っ端から読んでいた。1週間ほどたつと感想を言って返却する。もって行った本に関連のする好奇心をくすぐった文庫本を買ってはわたしのところへもってきて「これ面白かったから先生も読んでみたら?」ともって来る。なるほど、本を選ぶセンスがいいことが分かった。わたしが選ばないような若者向けのゲームが話題の小説は何冊かそうして読んだ。この生徒は芸術方面のセンスが抜群に良かった。英語と数学は嫌いで、何のために塾に来ているのかわからないが、生物など自分が好きな他の科目を塾で独習していた。本が好きだから、小説を原書(『風と共に去りぬ』とダーレンシャンの蜘蛛の出てくる小説)で読もうと誘ったが、2度チャレンジして、10頁ほどで2度とも挫折。受験勉強はゼロ、動物が大好きでいろんなものを飼っていた。それで農業大学校へ進学した。農業試験場に勤務したいと言っていたので国立大学卒業でないと無理と伝えた。帯広畜産大へ進学したいので英語を教えてと、農業大学校2年生の夏に来た。一日数時間教えただけだから、合格は無理だと思っていたら、帯広畜産大へ3年次編入試験に合格、そのまますんなり卒業。運の強い子だ。現役で帯広畜産へ合格したのと結果は同じことになった。
 ブラスバンド部と写真部で活動し、習字は「学生チャンピオン」の腕前、Y字バランスのできるほどの身体の柔軟性もある。とっても面白い生徒だった。漫画家になれば年間1億円以上稼げるのではと思うほどそちらのセンスがいい。眼から描き始めるので表情が生きている。あれは一流の漫画家にしかできない技だ。周りに特別に絵の上手な同級生や劇画家になった者がいるので、どの程度の力量かはその友人と比べることで判断できる。本の虫恐るべし、この生徒が読書速度が一番速かった。自分の才能を持て余しているのではないかな。どんな人生を選択することになるのか、選択肢が多すぎる。(笑))

 視写
速度
(たとえば、北海道新聞のコラム「卓上四季」を書き写す)でも速い者と遅い者では2倍の差(最速の生徒で14分、一番遅かった生徒は27分であった)がある。意味のカタマリごとに脳に一時記憶して、一気に書ける生徒は視写速度が大きい。一語一語見て書く生徒はとっても遅くなる。英語のライティングでも同じことが起きる。
 これらはすべて、過去に実測したデータをもとに書いている

 たとえば、「読み・書き・計算」能力が標準より2倍あるものと半分の者では、前者が1時間勉強したら、後者は4時間勉強しないと追いつけない
 実際には読み書き計算能力に秀でた者ほど勉強するのが楽しくて、集中して長時間勉強する傾向があるから、学力差は年々拡大していく。小学校で6年間、中学校で9年間そういう差が広がり続けたら、高校3年間でもさらに学力差が広がってしまうことは想像に難くないし、実際にそういうことが起きている。小学1年生と2年生の時の家庭学習習慣の躾がとっても大事だということ。そこで失敗している親が多い。そこで失敗したら、中学生までに6年間家庭学習しないという習慣がついてしまう。勉強の愉しさは家庭学習して、知らないことが分かったことが喜びとなったときに実感できるが、そういう経験がないまま6年間を無為に過ごして、中学生になる。厄介なのは読書や家庭学習習慣がないことが6年間も続けば、それがその子どもの性格になるということ

 本も読まない、家で勉強する習慣もない、テストの1週間前だけ勉強する生徒はおそらく根室では中学生に半数くらいいるだろう。親やジジババが育てたように子は育っている。もちろん、しっかりと家庭学習習慣を育んでいる親もいるが、生徒の学力分布から推して10%程度だろう。首都圏と比べると極端に小さい。

 個別指導している17名の生徒たちのうち、数学の勉強を自力ではできない者は6名(35.3%)。これは入塾当初そうだった生徒でいまはそうではないものを含んでいる。
 家庭学習しろと言われても途方に暮れるだけで、どうしていいのかわからない。中学生なら、小学校の分数計算や少数の四則演算までさかのぼって、穴だらけになっている知識を埋めてやらなければならない。生徒の自尊心の問題があるので、中学校の問題集を使ってそれをやるのである。文章題の解き方も、文章を図や表にするところから教える。文章からいきなり式は立たないからだ。できる生徒は描かずともそういうことを頭の中でやっている。高校生では関数の問題を解くのにグラフの概形を描くのはあたりまえだ。小中学生だって、表や図を書けなければ文章題は解けない。
 もちろん学校の授業でも、表や図の書き方は教えているはずだが、しかし、見て理解したことと自分が独力で適切な表や図を書けることは違う。学力テストの結果である得点通知票から学力分布を読むと、そこまでトレーニングがなされていないということだ。先生たちだってわかっているはず。しかし、そういう低学力生徒の学力アップはとてつもなく手間がかかるので、逃げている。部活指導の方がずっと楽なのだ。音読指導と計算トレーニング、そして表や図の書き方の「伝授」はとっても手がかかる。でも、それでわかるようになったときの生徒はじつにいい顔をしている。

 家庭学習習慣がまったくない生徒が多いのは根室の特徴だろう。入塾当初に普段の学習習慣のない生徒は8人(47.1%)である。「ふだん学習習慣がない」というのは、試験直前と試験期だけ勉強する生徒を含んでいる。だからゼロではないが、試験期間を除けば、部活三昧で家庭学習をしないとか、家に帰ってくるとスマホをいじってなんとなく時間を潰し、疲れ切って寝てしまう、そういうタイプが多い。
 もちろん、そういう生徒たちは読書する時間もない。読書は精神年齢を引き上げる効果があるが、読書をまったくしない生徒たちは、語彙力不足で授業で先生の使う言葉が理解できなくなる。授業が理解できなければ、退屈なので授業中に私語をすることになる。授業中に歩く生徒すら出てくる。言ってもまるで言うことを効かないので、先生も注意することに疲れて、放置するようになる。いまや根室高校でもそういう学級崩壊状態が見られるようになってしまった。時々、先生の説明が聞こえなくなれば、授業内容が理解できない生徒が増える。語彙が貧弱だと、適切な漢字に頭の中で変換できずに意味がわからなくなる。「けいようしはめいしをしゅうしょくする」と中学校の先生が国語や英語の時間に説明したとしよう。「就職」という漢字を頭に思い浮かべた生徒は、意味が理解できない。本を読まない生徒は語彙が貧弱で、こういうことが頻繁に起きる。「形容詞は名詞を修飾する」と適切な漢字に変換できて初めて意味が伝わるのである。それがモノの道理というものだ。
 高校生になると教科書のレベルが上がる。とくに現代国語Bには難解な評論が出てくるが歯が立たない。アニメのノベライズもの程度しか読んだことのない生徒に高度な評論が独力で理解できるはずがないのである。数学の問題文の題意の読み取りは、国語の読解力とはちょっと違った特殊な部分があるが、それも基礎は日本語の読解力が支えている。
 語彙力については、『中学入試【小学3~6年生用】文章が読める!わかる!書ける! 言葉力ドリル実践編』(学習研究社 2008年初版刊)を中3の生徒たちにやってもらった結果の点数データが、弊ブログのどこかにある。「先生、そんなのできるに決まってるじゃん(笑)」、やってみたら真っ青、「おれたちこんなにひどいのか」。この時やってみた4人の生徒が全員50点以下、いや50点台が一人いたかな。授業を聞いてもわからないのはあたりまえです。
 
 生徒たちの読書力がどの程度かについてもデータがある。
 ふだん本を読む習慣のない生徒は6人(35.3%)である。この生徒たちは先生の説明の2割くらいは理解できない。2割理解できなかったら、話の文脈を読むことができない。つまり、先生の説明がほとんど理解できないということだ。語彙力が貧弱で聞き取った言葉を頭の中で適切な漢字に変換できないからである。
 わたしたちは日本語で考えているだけでなく、音声言語を瞬時に漢字に置き換えることで意味を理解しているのだ。

 日本語の優良なテクストを選んで、日本語の音読指導を十数年間やってみたが、数年前から希望する生徒だけに変更した。トレーニングしたくない生徒があらわれ、そういう生徒に無理強いしても仕方がないことに気がついた。希望者だけだから、学力の高い生徒は難解なテクストを選んで読解スキルをアップする。学力の低い生徒は学力や生徒の語彙力に応じた本を選ぶ。生徒がもっている読書力のレベルにあったテクストを選べる。
 ここでも学力の低い生徒の音読指導は十倍以上の手間がかかる。こんなことは学校ではやりたがらないだろう。部活を半分くらいやめてグループ別に音読指導体制を敷かないといけないことになる。それほど根室の生徒たちの読書力は深刻な問題を抱えている。程度の問題はあるが、全国の中学生に起きていることだろうと思う。

 かくして、根室の市街化地域の中学生の学力テストの平均点は、釧路管内と根室管内18校で最底辺にある。中標津町や別海町の中学校よりも下である。別海中央に比べたら、かなり下なのだ。別海町は教育長も保護者も先生もこの数年間教育への関心が高かった。真籠教育長や別海中央には青坂さんという校長がいた。根室にも佐藤さんという啓雲中学校の校長が荒れ放題だった学校を大石先生と立て直した。要するに人なのだ。別海中央中学校と根室の市街化地域の3校は2年前に五科目300点満点で平均点が30点以上開いていた。いまもその差は変わらないだろう。

 生まれ故郷の子どもたちの学力が振るわないのは何とも歯がゆい。 だからこそ、今自分にできることを坦々とやるのみ。昨年1月14日からネット配信を始めた英作文問題と解説集は740回分、5550題出来上がっている。4判の紙で760頁書き溜まった。そういうことだから、英語の授業の内容に関しては今年が最良のものになりそうだ。
 生徒の人数が予定通りにはいかないことも含めて塾稼業は楽しいのである。何か工夫しろということか。(笑)

<釧路根室管内18校の学力テスト平均点比較データ>

#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019

#3038 今日からスタート:新教室を写真で紹介 May 7, 2015



<参考>
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<6. 日本語音読トレーニング:国語力が学力の基礎>
 最後に、日本語音読トレーニングで5年間に読破した本のリストを挙げておく。件(くだん)の生徒は高1で日本語音読トレーニングは終了している。17冊、レベルを上げながら、たっぷりやった。
 生徒と交代で輪読するし、速度を変えて読むので、スキルス胃癌を患い胃と胆嚢を全摘出したわたしには、体力への負荷が大きい。だから、この2年間は本気でやろうという生徒にだけ対応している。休みの水曜日に日本語音読トレーニングを充てていた。昨年は1時間でへとへと。寄る年波には勝てません、年々体力が落ちてます。でも、まだがんばれます。(笑)


〈日本語音読リスト〉…
*#3726 
日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18-1

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<7. 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石

○『羅生門』芥川龍之介
○『走れメロス』太宰治
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
 『五重塔』幸田露伴
 『山月記』中島敦
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者)

◎『福翁自伝』福沢諭吉
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者)

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生でも語彙力上級者レベルにふさわしいテクストである。平均的な語彙力の大学生には手が届かぬ。
 音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが、2年前から希望者のみに限定している。本気でやる気にならないと効果が小さいので、お互いに時間の無駄。)

・・・
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#2983 書き取りスピードアップ・トレーニング Feb. 18、2015

#2111 成績下位層 中2の国語力は小4以下の現実 Nov. 1, 2011 

#2621 中3学力下位層の読み書き能力:大谷翔平「文武両道」 Mar. 18, 2014

#2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014 

小学生の語彙力  #877 Jan.24, 2010

#3482 問題消化スピードの差の現実 Dec. 17, 2016


 

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#4516 日本が目指すべき教育改革:学テ五科目合計平均値167.4点/500点満点 Mar. 25, 2021 [71.データに基づく教育論議]

<最終更新情報>3/25午後7時半 <教育政策が目指すべきはグローバリズムではない>追記

 啓雲中学校1年生の2月学力テスト得点通知票を見て平均点の低さに驚いた。五科目合計の平均点が167.4点だった。2018年の2月の学力テストで柏陵中の2年生が164.3点だったがそれ以来である。
科目別にみると数学の19.2点がひどい。


学年 実施年月日 国語 社会 数学 理科 英語 合計
1 2003/11/11 47.3 50.3 51.7 62.6 63.5 275.4
2 2005/2/3 58.2 48.0 36.7 50.8 45.6 239.3
1 2020/11/11 53.1 49.2 27.4 26.8 43.6 200.1
1 2021/2/5 41.0 36.7 19.2 35.1 35.4 167.4

 2003年の1年生は275.4点だから同じ11月で比べても18年間で75点も下がっている。
 数学の得点分布を見ると、
 20点以下 11人
 21-40点   5人
 41-60点   7人
 61-100点 5人
 
 テストを受験したのは28人(57.1%)であるが、この階層は分数や少数の四則計算すら怪しい。中学校では授業でそんなことは教えないから、落ちこぼれたままになる。そういう学力でも全員が根室高校へ入学できるから、学力の低い生徒はますます勉強しなくなる。この学年は昨年11月の学力テストで五科目合計平均値が200.1点であるが、勉強をあきらめた生徒が増えたのではなく、たまたまテスト問題の難易度が高かったために平均点が下がったと思いたい。だが、数学が27.4点から19.2点に下がったところから判断して、方程式の文章題や図形、そして統計の問題という思考力が必要な分野が多くなっているから、もう授業にはついていけない生徒が半数以上いる、それで平均点が下がったと考えた方が妥当だ。
 国語の平均点が41.0点であるのは危険信号だ。大人の語彙を用いた日本語が通じない生徒が半数以上いるだろう。もちろん授業も理解できない。頭の中で適切な漢字へ変換ができないからだ。

 2020年の3年生対象の学力テスト総合Aの釧路根室管内15校の平均点のデータがあるのでそれをご覧いただきたい。根室の市街化地域の3校は集められたデータで最下位グループを構成している。
 光洋中学校のデータがないが、年度によって偏差はあるが、3校は似たり寄ったり、団栗の背比べ。
 2018年は18校のデータがある。

<教育政策が目指すべきはグローバリズムか?>
 こういう中で、文科省は2025年度の大学共通テストから6教科30科目から7教科21科目へ変更し、プログラミングが増える。プログラミングを教えることのできる教員が揃えられるのだろうか?大学ですら少ない、そして足りているとは思えない。小中高へタブレットや端末を配布したが、学校サーバーの管理技術者がいまですらいない。机上の空論で政策決定をしてはいないだろうか?
 英語は小学校から正規の教科に四月からなる。中1から動詞の過去分詞形まで習うようになるらしい。英語アレルギーが増えることになりそうだ。教育制度改革によって学力格差はさらに拡大する。半数以上が落ちこぼれるだろうが、そういう低学力層が働けるような単純作業はシステム化やシステムと機械化の融合で仕事がなくなったし、海外へ工場が移転してしまって久しい。これからも知的労働の一部がAI支援によって削り取られていく。教育改革で大量の低学力層を産み出し、彼らが就くべき単純労働がますます減少する社会になる。社会不安が増大し、人口が減少するということだ。
 すべての学力の基礎部分である日本語の読解力や運用スキルがスマホが普及する中で劣化している。そういうところはほったらかしで、グローバリズムに悪乗りする形で「教育改革」が押し進められ、制度が目まぐるしく変わっていく。文科省は一体どのような経済社会の建設を目標に教育制度改革をやろうとしているのか?
 わたしの眼には、グローバリズムを追認し、それに必要な人材をやっきになって供給しようとしているように見える。GAFAとその支配下の企業群に優良な人材を供給するために教育制度改革をするようなことになってしまいかねない。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」を輸出し、農業や水産業、そして工業の生産システムを世界中の開発途上の国々へ輸出すべきではないのか。それでグローバリズムは止められる。
 そう考えると、現在の教育政策は真逆だろう?
 日本の国家戦略目標はグローバリズムに加担することではない、それを打破するところにある。グローバリズムは一部の勝者と99%の敗者を生むシステムだ。経済格差の拡大と、GAFAなどの巨大企業へ第1次産業も第2次産業も支配される経済社会の到来を意味する。ブラックホールが周りの物質を呑み込んでいくように。いま止めないと止めるのが困難になる。巨大なことはそれ自体が悪だ。どちらの側につくのか日本が判断を求められている。
(グローバリズムに対立する概念としてはリージョナリズム(地域主義)がある、別項でその概念を検討してみるつもりだ。国民国家とリージョナリズム、中央集権とリージョナリズム、いくつか異なる場面でリージョナリズムが語られてきた。)

<釧路と根室市議のコンタクト>
 昨日、釧路市議の大越拓也さんが根室に来ている。数検の関係者を伴なって、根室市議や教育関係者とミーティングしたようだ。
 釧路は西ロータリークラブが数検受験料を負担して、地域の子どもたちに数検受験を薦めている。数年間支援活動をやっている。当初は学校を借りて試験会場にしてボランティアが支えていた。根室はふるさと納税で資金が潤沢だ。数検につぎ込むお金は微々たるもの。

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仕事とは別に一人の住民として社会貢献活動に取り組んでいる公務員をたたえる「地域に飛び出す公務員アウォード2013」に釧路市の大越拓也さん(37)が選ばれた。全国でわずか4人、道内からはただ一人の受賞となる。地域の大人たちが子どもを見守りながら育てる「てらこや」の活動が高く評価された。
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 ところで啓雲中学校は4月から光洋中学校へ統合される。根室の市街化地域は2校になる。柏陵中が1学年50人以下だから、数年後には1校体制になるだろう。そこへ向けて準備をすべきだ。

 続編は#4517です。

#4517 教育政策におけるグローバリズムとリージョナリズム考 Mar. 26, 2021



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#4420 根室の市街化地域の2中学校の学力テストデータ Dec. 7, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 中学3年生対象の学力テストは、9月から11月まで、3回(学力テスト総合A⇒総合B⇒総合C)行われています。実質的に北海道の公立学校の標準学力テストです。それにもかかわらず、全道の平均値も偏差値も計算されていないような貧弱なものです。いつまでこんな学力テストを採用しているのでしょう。公立中学校の学力テストが受験生のニーズを満たさないので、学力増進会の道コン(北海道学力コンクール)を受験する生徒が4割もいます。平均点も全道偏差値も順位も計算されています。こんなにニーズが高いのですから、道教委は現在の学力テストを廃止して、道コンに切り換えたらよいのです。道立高校普通科でベネッセ全国模試を採用していないところはないでしょう。どうして中学校はこんなにかたくななんだろう。
 根室のある中学校で学年トップの生徒が、「根室市内では何番目なのだろう?」「全道では何位なのだろう?」、道コンを受けなければ知り得ません。高校生になってベネッセ模試で全国レベルの高さを初めて知るんです。半年以上はなすすべがない。北海道の田舎の高校生は大きく出遅れてしまうんです。進学に圧倒的に不利です。大人がちゃんと仕事しないと、このように子どもたちに被害が及びます。

 根室市内の中学生の学力の現状がどれほど惨憺たるものであるのかご存じない方が多いので、根室市内の市街化地域の2校の学力テストデータを公開します。根室市教委はこのデータすら見ていません。まともな教育政策などあるはずもない。

柏陵中            
  国語 社会 数学 理科 英語 合計
A 32.1 21.1 19.7 16 19.7 108.6
B 32.9 21.9 24.9 19.8 17.1 116.6
C 38.4 22.5 15.2 16.6 21.9 114.6
模試Ⅰ           0
合計 103.4 65.5 59.8 52.4 58.7 339.8
平均 34.5 21.8 19.9 17.5 19.6 113.3
             
啓雲中            
  国語 社会 数学 理科 英語 合計
A 29.3 21.6 14.1 13.1 17.2 95.3
B 26.8 22.4 17.1 17.5 14.7 98.5
C 33.6 24.3 11.6 15 19.1 103.6
模試Ⅰ           0
合計 89.7 68.3 42.8 45.6 51 297.4
平均 29.9 22.8 14.3 15.2 17.0 99.1
             
柏-啓 4.6 -0.9 5.7 2.3 2.6 14.1

 もう一つの市街化地域の光洋中学校は総合Bが119.8点、総合Cが121.2点です。昨年の学力テスト総合Aの釧路根室管内18校の比較データがありますが、五科目合計平均点が120点を下回ったのは、根室の3中学校のほかは標津中と中標津中だけです。昨年に続いて、今年も根室市内の市街化地域の中学校が最下位です。

 60点満点のテストで国語の得点が30点以下の生徒は啓雲中では18/41(43.9%)を占めています。柏陵中学校の得点通知票はだいじな得点階層別人数が掲載されていないので分布がわかりません。啓雲と同じ様式で公表してもらいたい。

 学力テストで国語の得点が半分以下の生徒の国語力がどういうものか、紹介します。『中学入試小3~6年生用言葉力ドリル』の問題を10年くらい前から国語の点数が半分以下の生徒に実施してます。中学校の学力テストで国語が30点以下の生徒は、小3~小6用の語彙力テストで60点獲れないのです。語彙力が小4並の生徒が啓雲中3年生に半数いるということ。4月になれば全員が根室高校生ですから、根室高校新入生の3人に一人はそういう語彙力レベルです。根室高校の先生たち、たまったもんでないだろうな。高校統合後は授業のやり方をまったく変えないといけないのですが、すでに5年たったが、変わらない。生徒の語彙力低下に気がついていないのでは?授業中に語彙解説をしないといけませんよ。 データに基づかない教育政策がいかにばかげて効果のないものであるか、根室の子どもたちが低学力にあえぐという犠牲を払いながら、実証して見せてくれています。根室市教委や根室市議会はそのことをよく認識して、学力テストデータを分析して本来やらなければならない仕事をまっとうしてもらいたい。

 たとえば、「形容詞は名詞をシュウショクする」、先生がこう喋ったとします。中3になっても語彙力の小4並の生徒は「就職」「修職」などと書きます。実例ですよ。五科目合計点が学年平均を超える生徒でもいるんです。脳内で適切な漢字に置き換えられなければ、意味が理解できるわけがありません。高校1年生にルビ付き教科書の採用は文科省の仕事です。道教委は要望書を出してもらいたい。
 柏陵中学校は国語の平均点が啓雲より4.6点高いので、48.8%はいないでしょうが、3人に1人くらいはいそうです。根室高校にそういう語彙力レベルの生徒が全員合格しています。
 新入生の3人に1人は、教科書の漢字にルビを振り、さらに語彙の解説を各ページごとに載せなければ、予習なんて不可能です。授業で先生が話しても理解不可能です。これが現実です。中学校の先生たちどういう対応しているのかな。
 高3になればずいぶん語彙力は強化されますが、『言葉力ドリル』で80点を超えることのできる生徒は7割いるでしょうか。

 数学と英語の点数に開きが大きい。柏陵中は1月中に教科書を全部終われそうです。啓雲中は無理そうですね。遅い。授業の進捗管理が甘い。授業の進捗管理の巧拙は生徒の学力に影響します。スキルの低い先生は概して進捗管理も下手です。今日、生徒にどこをやっているのか確認してみます。後で追記しておきます。

 今年の学力テスト総合Aの15校比較があります。大楽毛中が25点も下がってます。年度によって落差が激しい学校があります。

 これじゃあ、市立根室病院へ学齢期の子どもを抱えたドクターが赴任してくる筈もありません。

<余談>
 高校3年生の一人がこんなことを言いました。

 「根室高校へ入学して、二人の友だちが話しているのをそばで聞いたら、(使われている語彙がむずかしくて)さっぱりわからなかった。焦りました。」
 その友達の会話ですが、一人は学年トップの生徒です。日本語音読トレーニングで15冊読んでいます。大人とのコミュニケ――ションにとっても慣れています。大人と話すときは言葉遣いを自然に切り替えています。
 ゲームに時間を費やして本を読まない生徒は多いのですが、中学生の時に読書習慣がないと、中3で小4並の語彙力しかないということになります。
 国語辞書を一度も引いたことがないという中3は3割以上いるでしょう。本は読まない、国語辞典も引かない、ましてや漢和辞典など見たこともないでは、語彙が増えるはずもないのはモノの道理です。(´;ω;`)
 十数年間やっていた日本語音読指導を復活するしかありません。どんな本を選んでやっていたかは、#4350にリストが、そして実際の指導の仕方は#4124にあります。


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#4385 学力テスト総合A:15校科目別データ比較 Oct. 15, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 今日10/15、学力テスト総合Bが実施されている。公立学校中3生対象の、事実上の道内一斉学力テストである。
 表にある15校中で当別中学校だけは釧路・根室管内ではない。
 科目別データを単純合計した数値を「5教科合計」に使用しているので、学校が配布している得点通知票記載の「5教科合計」と数値にずれがある。

    5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
1 教育大付属 204.4 42.5 38.4 42.9 38.1 42.5
2 当別 152.7 38.1 31.2 28.0 26.2 29.2
3 鶴居 149.8 37.3 26.7 27.4 28.8 29.6
4 富原 146.0 37.5 30.0 24.0 27.2 27.3
5 庶路学園 143.3 37.8 27.5 24.7 24.9 28.4
6 中春別 136.4 39.7 24.1 21.5 21.1 30.0
7 青陵 133.4 36.6 28.1 22.5 21.2 25.0
8 美原 130.8 31.3 29.5 23.7 23.3 23.0
9 広陵 123.2 33.3 24.3 22.2 20.7 22.7
10 鳥取西 122.6 33.8 24.1 21.7 19.6 23.4
11 春採 113.8 33.9 22.6 19.5 16.8 21.0
12 中標津 112.0 33.2 23.9 18.3 16.8 19.8
13 大楽毛 111.2 33.8 24.4 20.1 13.7 19.2
14 根室柏陵 108.6 32.1 21.1 19.7 16.0 19.7
15 根室啓雲 95.3 29.3 21.6 14.1 13.1 17.2



 6年前の啓雲中学校の学力テスト総合Aの5教科平均点は何点だったと思います?130.7点です。6年間で35点も下がっている。校長のマネジメント力と教科担当の先生の技倆が平均点強く現れることは紛れもない事実。それらを管理監督しているはずの市教委や教育長のマネジメントの技倆もその地域の子どもたちに学力にすくなからぬ影響を与えている。大人たちがそれぞれの仕事の責任をきっちり果たすことで、低学力は解消できる。
 光洋中学校のデータが入手できていないが、2校と変わらないと思う。つまり、根室の市街化地域の3中学校は、釧路根室両管内で最低レベルの学力ということ。これではまちづくりもへったくれもあったものではない。20年後30年後の根室の町を支えなければいけないのは、いまの子どもたちなのだ。教育に手を抜いたら、町の未来に夢を描けない。大人が教育に関心を持つべきだ。
 転勤族は学齢期の子どもを連れて赴任するのを躊躇(ためら)うだろうし、市立根室病院へは、給料が高くても学齢期の子どもを抱えた医師が赴任してくるはずもない。
 地元企業の経営改革だって、相応の学力がなければやりうるはずもない。
 この町が抱えている問題の多くは、教育問題に行きつくのである。

 データを見る限り、根室市教委の教育政策はまったく成果がない。

 昨年のデータをご覧になりたい方は、以下の記事をクリックしてください。

#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019

#2900 学テ総合ABCで全国平均レベルはどれくらいの得点か  Dec. 10, 2014

#4108 学力崩壊のメカニズム:学力テスト総合B柏陵中学校 Oct. 19, 2019








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