SSブログ

#2586 福島県で小児甲状腺癌患者が7人増えて33人に Feb. 8, 2014 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 福島県の「県民健康管理調査」で、小児甲状腺癌が7人確認され、累計33人となった。

道新ニュース
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/519653.html
---------------------------------------------

甲状腺がんの遺伝子解析 原因解明へ福島医大

(02/07 02:03)

 東京電力福島第1原発事故の放射線による健康への影響を調べている福島県立医大が、18歳以下の子どもで見つかった甲状腺がんの原因を解明するため、手術で切除したがんの組織の遺伝子を解析する研究を始めたことが6日、分かった。

 福島県の「県民健康管理調査」では、従来考えられていたよりも甲状腺がんが見つかった割合が高い。県立医大の鈴木真一教授は「子どもや保護者から『なぜがんになったのか』と聞かれるので、説明できる根拠を見つけたい。患者の同意を得ながら丁寧に進めていく」と話している。

 甲状腺検査は、福島県で原発事故発生当時18歳以下の全員、約37万人が対象。
---------------------------------------------

 産経ニュースによれば、3月11日以降4ヶ月間の被曝線量も計算していると書いてあるが、一体どうやって測定あるいは計算したのだろう?
*http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140207/dst14020716130006-n1.htm

 この調査をしている福島医大は以前に放出放射能量をチェルノブイリの1/60として推計値を出していた。四つの原発が爆発事故を起こしメルトダウンしているのに、チェルノブイリよりも放出放射能量がすくないということは信じがたいことだ。

 3号機はオレンジ色の閃光が走り、真っ黒な煙(1,4号機の爆発は真っ白い煙)を噴き上げたから水蒸気爆発は考えられず、おそらく核爆発だっただろう。原子炉の上部が吹き飛んだようだ。3号機が爆発したあとの瓦礫の中には原子炉格納容器の黄色い構造物が写っていなかった。爆発を起こした他の原子炉建屋には黄色い構造物がはっきり写っていた。いまさら3号機の原子炉格納容器が吹き飛んでいますなんて、本当のことは言えないのだろう。事態はマスコミや三種類の事故調査委員会によって報道されているよりもずっと深刻なのである。
 3号原子炉格が吹き飛んでいたら、3号機だけでチェルノブイリを上回る放射能が撒き散らされたと考えざるをえない。使用していた燃料は燃料でプルトニウム(半減期2.3万年)を含んでいる。数キロ先からプルトニウムを含む燃料片が発見されているのは、3号炉の原子炉本体が吹き飛んだ動かぬ証拠だ。それ以外にどういう説明があるというのだ。どの委員会の調査報告書にも数キロ先からプルトニウムを含んだ燃料片が発見された理由の説明がない。
 あらゆる事象や対策を3号原子炉が核爆発を起こしたという前提で見直さなければならない。チェルノブイリを上回る放射能を撒き散らしたなら、対策はまったく違うものになる。
 原子炉再稼動なんて議論は3号原子炉の核爆発という事実によって吹き飛んでしまう。政府や東京電力が怖れているのはそのことだろう。
 原子力行政に関連する膨大な利権がなくなる。予算だけを見ても一々挙げるのが嫌になるくらいいろんな種類の補助金が絡んでいる。原発を誘致した村・町・市はそういうお金に負けたのだ。お金よりももっと大事なものがあるということを痛みとともに知った。二葉町の住民はふるさとがなくなったのである。ほんとうにお気の毒だ。他の村や町や市で同じことを起こしてはならぬ。

-----------------------------------
-----------------------------------
*3号炉のある原子炉建屋が爆発した映像やその後のいろんな角度からとった映像はネットから消えつつある。
 この写真では3号建屋は瓦礫の山になっているが、原子炉格納容器の黄色い構造物が確認できない。わたしは爆発で吹き飛んだのだろうと考えている。
http://www.google.co.jp/imgres?imgurl=http://stat.news.ameba.jp/news_images/20110514/14/29/3c/j/o040002643goki.jpg&imgrefurl=http://news.ameba.jp/20110513-77/&h=264&w=400&sz=28&tbnid=rzI9IUXUUhWE0M:&tbnh=121&tbnw=183&zoom=1&usg=__ExenAZ40SnXcwZPSV2HPGXO8SZs=&docid=WVTasxXiaUH-RM&sa=X&ei=h5_1Uun7BpGYkgXP1YAw&ved=0CDIQ9QEwBA
**水蒸気爆発なら白い煙のはずだが、3号機は爆発時に黒い煙を上げている。2枚の写真あり。
http://www.google.co.jp/imgres?imgurl=http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110314-832700-1-L.jpg&imgrefurl=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110314-OYT1T00313.htm&h=377&w=500&sz=18&tbnid=AAyfx3r3zHAoTM:&tbnh=140&tbnw=186&zoom=1&usg=__roMOiNpqtk18GYOhUgKEEW8dCTQ=&docid=3ifRpUHjC51E_M&sa=X&ei=h5_1Uun7BpGYkgXP1YAw&ved=0CCwQ9QEwAQ
***真っ黒い煙が立ち上っているのが写っている
http://www.google.co.jp/imgres?imgurl=http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/maachang/20110329/20110329114205.jpg&imgrefurl=http://d.hatena.ne.jp/maachang/20110329/1301366709&h=300&w=450&sz=13&tbnid=Yw1GO16HJtpcaM:&tbnh=121&tbnw=182&zoom=1&usg=__Pe57a4aSujgBxVyHXGV-YcFl3eM=&docid=8nfXrze8FdkGvM&sa=X&ei=h5_1Uun7BpGYkgXP1YAw&ved=0CDQQ9QEwBQ
-----------------------------------
-----------------------------------

 短期間で甲状腺癌が多発し始めているということから、福島第一原発事故はチェルノブイリよりも放出放射能量が多かったという推論が成立つ。これがまっとうな推論というものだ。このことから予測できることは5年目辺りから甲状腺癌患者が数十倍に増えるということ。
 小児甲状腺癌が通常の百倍もの率で出現しているが、これを福島第一原発事故とは関係なしという假説を立てるなら、その原因を論証すべきである。結局、「関係なし」という假説は論証できない。こういうのを統計学では帰無仮説と呼ぶ。「関係なし」が論証できなければ統計学的には「関係あり」なのである。断っておくがこれは因果関係の証明ではない。

 甲状腺癌で摘出手術を受けると、甲状腺ホルモンが体内でつくれなくなるから、医師の管理の下で死ぬまで甲状腺ホルモンの投与を受けなければならない。
 放射能によって発生するのは甲状腺癌だけではない。「白血病、固形腫瘍、他種のガン、免疫システムの低下、妊娠合併症、先天性奇形、流産」等の多発が予測される。

 人口比でみると、いままでの百倍もの甲状腺癌患者が福島県で発生しているのだから、福島第一原発爆発事故による放射能の影響と考えるのが素直な推論である。因果関係の立証が不可能なことを承知しているのだから、できるのは疫学的な調査に限定される。その点から見ると、33人というデータは10万人以上を調査しての結果だから、統計的に有意であり、次のような假説を立てて、対策を練らなければならない。

 患者の出現の仕方がチェルノブイリよりも早いので、撒き散らされた放射能量がチェルノブイリよりも大きいという假説が成立ち、いままで60分の1としてきた放射能放出量の計算をチェックしなおすべきだということ。事態はまったく異なるシビアな様相を呈することになる。この假説では原発の再稼動はあまりにも危険すぎてできなくなる。
 チェルノブイリのデータによれば、5年目から甲状腺癌が多発するから、現在の数十倍の甲状腺癌発生の発生を前提に対策を考えること。この点からは未成年者や結婚適齢期にある女性やそのパートナーの80km圏外避難措置が正しい。因果関係の議論や調査は避難措置のあとでゆっくりやればいい。住民を80km圏内においたまま「調査・研究」は生体実験に等しい。

 結論は単純明快、福島第一原発から80km圏内から子どもたちを退避させるべきだ。今の状態は政府と東京電力と福島県立医大による人体実験の様相を呈している。原発事故による被災保障をしたくないし、原発再稼動をしたいから、事実にフタをして80km圏内からの避難措置をとらないのだろう、ひどい話である。日本はとんでもない国になってしまったようだ。

 福島原発事故とは関係ないと言っているが、100万人に一人の割合でしか発生しない小児甲状腺癌患者がすでに33人。18歳未満の子どもは34万人だから、小児癌は確率的には1人しか発生しないはず。100倍の発症率である。
 まもなく3年がたつが、34万人の子どもたちすべての検査が終了したわけではない。検査が進めばこれからも増える。

 遺伝子が傷つくと自分が病気になるだけではない、子孫に影響する。
 福島県立医大が原発事故との因果関係を否定しているが、統計学的にいいうるだけで、因果関係が立証できるわけはない。このような調査をやっている間に患者はどんどん増えていく。いま急いでやるべきことは18歳未満の子どもたちの避難と、これから子どもをつくる世代の避難である。

 これから日本の未来を担うはずの若い者たちが傷つき倒れていく。事故は収束しておらず、環境中に排出され続けている放射能は減らず拡散するだけ。そして汚染地域は今日も広がり続けている。
 耳を澄ませてごらん、足音が聞こえないか?次の深刻な原発事故が時々刻々近づいている。
 原子力発電所の再稼動は、次の原発事故をかならず招来し、日本人の遺伝子を傷つけ、国力を衰退に確実に導く。わかっているのにとめられぬ現状を何が何でも打破したい。

 次の世代を担う者たちのために、原発再稼動を止め、すべての原発を廃炉にしよう。
 膨大な量の使用済み核燃料の処理という大問題をすでに抱えてしまっている。この問題から逃げることはできない。
 もうだまされない、原子力発電所は日本には要らない。

 
-------------------------------------

*#2470 魚の放射能汚染(2) 'Experts play down fish radiation fear' Oct. 30, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-30

 #2467 魚の放射能汚染(1) 'Experts play down fish radiation fear' Oct. 29, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-27

 #2420 打つ手なし:Abe offers no plan for water at Fukushima Sep. 25, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-24-1

 #2415 '1,130 tons of tainted rainwater dumped at nuke plant' Sep. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-22

 #2413 次の原発事故のために(10):重要な問題は汚染水漏れではない Sep. 18, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-19
'Tanks, not leak, main problem at Fukushima'

 #2406 嘘か実か:「状況は管理されている東京は大丈夫」と安倍首相 (JTより) Sep.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-13
'Abe's nuke assurance to IOC questioned'

 #2387 次の原発事故のために(8):トリチウムの問題 Aug. 29, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-29
'Tepco testing tainted earth at No. 1 plant'

 #2377 次の原発事故のために(4):小児甲状腺癌18人に  Aug. 21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-21

 #2325 次の原発事故のために(3):Tyroid cancer hits 12 kids in Fukushima: Jun. 8, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-08

 #2324 次の原発事故のために(2) :福島県で12人が甲状腺癌 Jun. 7, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-07

 #2323 次の原発事故のために(1):甲状腺癌と情報操作?:U.N. experts see no increase risk of cancer … Jun. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06

 #2340 米国の現実:核廃棄物は管理不能 Jun. 25, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-25

------------------------------------------------
------------------------------------------

*#1506 3号機爆発は使用済み燃料の即発臨界爆発だったという假説 May 7, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07-2

*#1463 「福島第1原発3号炉はもう無い
:東京電力社員退去要請の意味」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06

*#1462 「裸の王様:原子炉圧力容器は破損している 論より証拠、よく写真を見てごらん
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05

**#1460 「原子炉圧力容器損傷か?:写真で検証」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-03-1

------------------------------------------------------



にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(1) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1