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#5294 心の動きをコピーをしてみた Sep. 29, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 NHKラジオ英会話講座を利用して、昨年10月中旬から音読トレーニングをしています。今日で20,990回音読しました。

 今週の音読トレーニングのポイントは、「話者の心の動きをとレースしながら声に出すこと」にしていました。ナレーターのDavid Evansさんと 秋乃ろーざさんの朗読を聞いていると、物語の登場人物の心の動きが、声の表情としてはっきり出ているのです。この心の動きをコピーしないと、二人のナレーターの朗読にちっとも近づけないことに気がつきました。
 具体例で説明します。
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● 宇宙船オメガ・スリーのメーガンとアントンが、ロンドン近郊を歩いています。でも、それは彼らが知っているロンドンではありませんでした。


Megan Lets go to that tall building opposite the river.
Anton Its really old. In fact, all of the buildings are old-fashioned.
Megan Maybe this is some huge historical theme park or a movie set.
Anton Ill take some photos. Wheres my smartphone?
Megan The phone in your pocket is yours, right?
Anton Oh, right Commander!  Watch out for that horse and carriage!
Megan This cant be a movie set. Its way to real.
Anton I agree. Maybe weve traveled back in time?
Megan Come on, Anton! Stop joking.

<日本語訳>
Megan: 川の向こう岸にある、あの高い建物まで行きましょう。
Anton: とても古い建物ですね。そう言えば、他のどの建物も古めかしいです。
Megan: たぶん、歴史的な物を集めた大きなテーマパークあるいは映画のセットかもしれませんね。
Anton: 写真撮っておきます。僕のスマホはどこだったかな?
Megan: そのポケットに入っている携帯電話は、あなたのものじゃないですか?
Anton: ああ、そうです船長! あの馬車をよく見てください!
Megan: これは映画のセットなどではないわ。あまりにも本物のよう。
Anton: そのとおりです。もしかしたら、僕たちは過去に戻ってしまったのでしょうか?
Megan: まさか、アントン! 冗談はやめてちょうだい。
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 メーガンは宇宙船の船長で、アントンは操縦士です。火星へと飛び立ったのですが、途中で地球と通信が切れてタイムスリップして、宇宙船はなぜか英国のテムズ川河口へ着水します。
 アントンは宇宙船を操縦しながら、テムズ川を遡行します。そして景色がなんだかとっても古めかしいことに気がつきます。そう告げるアントンに、メーガンは映画のセットか大掛かりなテーマパークだろうと言いますが、心には不安が萌しています。なんだか景色の様子が古めかしくておかしいとメーガンも思っているのです。着水し、アントンが無線信号がまったく受信できないことを船長のメーガンに報告してから、不安が少しずつ大きくなっています。潜水艦機能もある宇宙船は河口を遡上し、適当な場所を見つけて二人は上陸します。アントンはスマホで写真を撮ろうとしますが、気が動転しているのか、自分のポケットにスマホが入っていることにすら気づかず、「スマホはどこ?」なんて頓珍漢なことを言い出しました。メーガンは「あなたのポケットの中にあるでしょ」と応じますが、アントンは平静に見えても実際はふだんとは様子が違っていると判断。想定外の状況ですから、上司であるメーガンの不安が伝わっています。
 そこへ人を載せる籠のついた馬車が疾走してきて、メーガンが轢かれそうになります。大声で「馬車が走ってくる、危ない!」とアントンが叫びます。メーガンが気づいて慌ててよけます。ビックリして素早く動いたので息が上がっています。そんなこともナレータは息遣いで表現しています。
 今度はメーガンも映画のセットではありえないことに気がつきました。「まるで本物のよう」と述べています。それを聞いてアントンが「タイムスリップしたのかもしれない!」と言います。メーガンはこんなときに冗談はやめてくれとアントンに哀願しています。状況がアントンの言う通りかもしれない可能性が出てきたので不安なのです。
 メーガンは宇宙船の船長ですから、今後の対策や方針をアントンに示し、何をすべきか指示しなければなりませんから、操縦士のアントンとは責任の重さが違います。そうしたことも、ナレーターお二人の声の表情から読み取れます。名人芸ですね。今までこうした細部には気がつけませんでした。音読2万回で耳がよくなっているようです。

 これは9/26放送のLesson 119のダイアログです。読むときに、心の動きを意識してみたら、いままでよりずっと本物らしくコピーできました。間の取り方とか、スクリプトにはないため息もコピーします

 音読するときには、登場人物の心の動きを意識しながら、プロのナレータの見事な技をコピーしてみましょう音読回数が20,000回を超えて、新たなステージが見えてきました

 音読の前に「Words & Phrases」に目を通します。それからナレータのお手本を聞きながら音読し、5回目くらいに心や感情のコピーがようやくできます。あとの35回は、いくぶんかボリウムを絞って心や感情の動きと音声の同調を身体に沁みこませていくだけです。

 ところで。音読回数のカウント方法を3日前から変更しています。ダイアログが約80 wordsですから、80 wordsを1単位として音読回数をカウントします。
 月曜日から木曜日まで、
 ダイアログ本文  80 words×40回=3200 words
 文法問題(3題) 40 words×40回=1600 words
 金曜日から日曜日まで
 ダイアログ本文 4つ×80 words×10回=3200 words
 週末問題2題  2題×40 words×30回=2400 words

 週当たり、
(3200+1600)×4日+(3200+2400)×3日=36,000 words
 36000words/80words=450回

 月単位に換算すると、1800回/月です。年間21,600回/年
 
 次の1年間で、もう少し上手になれるでしょう。大学時代の友人のH君は落研でした。落語のテープ聞いて一生懸命に真似していました。英語の音読も同じですね。ある企業の銀座本社で仕事していました。一関の呉服屋さんの長男だった、どうしているかな。
 40,000回をクリアしたときに、どういう景色が見られるのか、楽しみです(笑)

<余談-1:複合小説>
 物語が5話くらい同時進行しながら、関係をもってきます。
①考古学者がタイムカプセルを発見する物語、
②ロキシーという日系の娘ロキシーがジジババのいるロンドンへ留学する物語、
③アンドロイドをつくったスタイン博士とアンドロイドのジーニーの物語、
④ラーメンと将棋が好きな宇宙人が出てくる物語は、宇宙人のゼイトックスが地球を去り、東京でラーメン店を経営しているCarolynの物語へ進展しています、
⑤沖縄で観光客相手にビジネスを始め(ダグ)と(シホ)のカップルの物語、
⑥ピアノの先生であるストラビンスキーと生徒セイイチロウの物語、
⑦家庭教師のアオイと高校生の生徒であるレンジの物語、
⑧不動産営業をしているキャリアウーマンのバーバラの物語、
⑨同じ会社で働いているジョナスとヤヨイの物語...
 おやおや、ずいぶんたくさん同時進行していますね。いくつかが関係してつながっています。
 こんなに楽しい物語構成、どのように収束させるのでしょう。夢枕獏は『キマイラ』シリーズの登場人物それそれの別の物語を次々に書いていきましたが、やり方がどこか似ているように感じています。物語としても面白い。

<10/1アクセスの多かった弊ブログ記事紹介>
#4576 シュリーレン現象:夏目サイエンス・カフェ June 23,2021



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#5291 "The movie is a bit hard to follow." Sep. 25, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

  表題の英文は、NHKラジオ英会話9/25放送テキストに掲載されていた文です。
 大西泰斗先生の解説を引用したあとに、生成英文法で解説して、比較してみたいと思います。
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 The movie is a bit hard to follow .
(この映画は、理解するのがちょっと難しいのです)
 hard(難しい)、easy(簡単な)など難易を表す形容詞も、「何が難しいのか・易しいのか」についてto不定詞で説明を続けることができます。この文の特徴的な形に注意しましょう。follow(~についていく)の目的語が空所(□)となっており、その空所が主語のThe movie と一致してfollow the movie(映画についていく)という意味関係を作っています。「この映画はどういった映画なのか」に焦点が当たる文。It is a bit hard to follow the movie.と言っても似たような意味となりますが、こちらは単に「この映画についていくのはたいへんだ」。映画の性質を述べたキーセンテンスとはニュアンスがかすかに変わります。

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 The movie is a bit hard.「この映画はちょっと難しい」という文に、どのように難しいのかの説明であるto follow「ついていく→理解する」のがというフレーズがついているだけ。「説明ルール:説明は後ろに置く」が適用された例だという説明です。

 生成変形文法で解説すると、
  a. We follow the movie.
  b. It is a bit hard.
  c. It <we follow the movie> is a bit hard.
      It <for us to follow  the movie> is a bit hard.
      It is a bit hard for us to follow the movie.
      It is a bit hard to follow the movie.
  d. The movie is a bit hard to follow.

 aとbの二つの文が、五段階の文法工程を経て、dの文ができあがります。
 文の意味は深層構造(deep structure)にありますから、cの4番目の文とdの文は深層構造が同じ(a+b)なので、意味は一緒です。しかし、表層構造(surface structure)は異なるので、「ニュアンスの違い」が生じます。
 文法工程指数の高い複雑な、そして圧縮された文が出てきたときには、深層構造へ分解してみたら、移民取り方を間違えることが少なくなります。慣れてくれば、これくらいのものなら頭の中で瞬時に基底文(=深層構造)に分解処理できます。

 チョムスキーの生成文法で説明するとこんなに面倒くさいのに、大西泰斗先生の「説明ルール:説明は後ろに置く」で解説するとずっとシンプルになります。英作文のときには、大西先生の説明の方が便利なことがわかるでしょう。
 大西先生の目指しているのは、喋れる英語です。瞬時に口から英文が出るためには、決まり文句は100回音読して、丸ごと暗記してしまえと言ってます。決まり文句を集積した袋が大きくなるにしたがって、英会話が楽になるそうです。いつのことでしょうね(笑)

 音読はリスニング力へ少なからぬ影響があります。昨日、録画しておいた『スノーデン』というノンフィクション映画を見ましたが、半分くらいは聞き取れました。PRISMというシステムを使って、米国NSA(国家暗線保障局)が全世界のインターネット通信を傍受している機密ファイルを暴露した映画です。スノーデンはFBIやCIA、NSAでそうした仕事に深くかかわっていた人です。 あなたのパソコンのカメラをハッキングして、いつでも起動、部屋の内部を覗くことができます。インターネットメールは全部盗聴されます。個人名を入れると、その人がSNSやメールで誰とつながっているのか、どのようなサイトを閲覧しているのか、すべて検索できます。もちろん電子決済や買ったもののリストまで、すべて検索できます。米国はそういうシステムを実際に運用していました。ドイツ政府が抗議したことがありました。各国の大統領や首相のメールや電話も盗聴されていました。もちろん日本の総理大臣も、防衛大臣も、外務大臣も、ありとあらゆるインターネット情報が閲覧・盗聴・検索可能なシステムでした。ロシアも対象でした。
 憲法が禁じている個人情報の盗聴をNSAが公然と行っていること、そうした仕事に携わっていたことに憤りを感じ、マスコミを通じて、PRISMで集められた膨大な機密情報を公開したので、国家反逆罪、スパイ容疑でスノーデンは国際指名手配されています。終身刑がまっているので、米国へは帰国できません。覚悟の上での内部告発でした。NSAが憲法違反を行っていることを内部告発したら、終身刑あるいは死刑です。巨大な権力の憲法違反にたった一人で立ち向かった。高い年収と機密情報を扱うことや監視システムを開発することに関わる大きな権限、そうしたものをスノーデンはすべて棄てました。
 ロシアへ政治亡命し、かつての恋人リンゼイと暮らしているそうです。


<e-mailを利用した英作文配信>
 大西泰斗先生がご担当のNHKラジオ英会話を英作文問題に編集して、e-mailで月曜日と木曜日に配信しています。先ほど#1108回目を送信しました。
 10月分のテキストは9/20に編集・入力を終わっていますので、#1954回、A4判で2320ページになりました。これから9年間配信を継続できますが、最後に教えた生徒たちが大学受験ですから、配信は今年いっぱいで終了します。
 面白いので、#2000まではつくるつもりです。


#2348 アングロサクソンの世界支配:データマイニング・プログラム July 6, 2013

#2402 米英が暗号システムをすり抜けすべてのインターネットメールを読んでいる Sep. 10, 2013



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#5288 湊かなえ「C線上のアリア」から Sep.23, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 標題は朝日新聞連載の小説です。
 主人公の叔母さんの弥生と亭主の公雄が近所の電器店へ寄るシーンです。電器店の店主と公雄はかつて同級生でした。これは弥生さんがつけていた日記です。
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 12月12日
 公雄さんと近所の電気屋さんに行った。階段用の電球を買うためだ。...
 …
 「よう、公雄。おまえのために最新式を仕入れてきたぞ聞いてみろ」
 店の御主人がそう言って公雄さんの頭にヘッドホンをかぶせると、カセットでもこんなにいい音なのか、と公雄さんは目を見開いて驚いた。
 …
 「弥生もほら」
 公雄さんはヘッドホンを外し、わたしの頭にかぶせてくれた。メアリー先生の家で聴いた、カーペンターズの曲だった。ヘッドホンで音楽の曲を聴くのは初めてで、最初は耳がくすぐったかったけれど、慣れてくると、耳から入った音はいつもと違い、脳みそを経由して英語だと認識することなく、料理中に気がつけば、口ずさんでいる鼻歌のように、直接口からこぼれていった。
 店の御主人の拍手で我に返った。
 「すごいじゃないか、出張中の通訳の人より、きれいな発音だ」
 公雄さんはわたしにそう言うと、店の御主人に「妻はイギリスの先生に英語を習っているんですよ」と、自慢げに話してくれた。
 店内は寒かったのに、わたしの頬はどんどん火照っていった。
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 公雄は英国出張して戻ったばかり。弥生は高卒で、そのことを姑からときどきなじられて嫌な思いをしますが、公雄と一緒に英語の詩集の翻訳を楽しむような生活をしています。音の響きの好い美しい日本語に英語を置き換えるのは、とってもむずかしいことで、公雄は弥生の日本語のセンスが好いことに気がついています。そうしたトレーニングの積み重ねが弥生の言葉に対するセンスを磨いているということが背景にあります。もちろん、毎週メアリー先生のところへ通って、英語を習っていることが、弥生の口と耳をよくしています。
 カーペンターズの歌はテンポがゆったりしてとっても聞きやすいのですが、それにしても、歌を聞きながら、そのまま口ずさめるというのはすごいことですね。
 
 いま、NHKFM放送(5時から)でビートルズ特集を放送そています。"Let it be"が流れていましたが、ところどころ聴き取れません。これが鼻歌になってすっと口からこぼれたら感激です。(笑)

 歌詞を貼り付けます。
*【歌詞/和訳】Let It Be / The Beatles

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When I find myself in times of trouble
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom
Let it be


トラブル時に自分を見つめ返しているときに、
母が私のところにやってきて、
ためになる言葉を教えてくれるんだ。
「そのままにしておきなさい」と。


And in my hour of darkness
She is standing right it front of me
Speaking words of wisdom
Let it be


暗闇の中にいるときは、
母は僕のすぐ目の前に立ち
ためになる言葉を教えてくれるんだ。
「そのままにしておきなさい」と。


Let it be, let it be
Let it be, let it be
Whisper words of wisdom

Let it be


そのままにしておきなさい、
そのままにしておきなさい。
魔法の言葉を囁くんだ。
「そのままにしておきなさい」


And when the broken hearted people
Living in the world agree
There will be an answer
Let it be


そして、世界中に住む心に傷を負った人々は、
「そのままにしておくこと」が答えだと知っているんだ。


For though they may be parted there is
still a chance that they will see
There will be an answer
Let it be


彼らは離れ離れになってしまうかもしれないが、
そこには彼らが再会できるチャンスがまだある。
その答えはきっと「そのままにしておくこと」だろう。


Let it be, let it be
Let it be, let it be
yeah, there will be an answer
Let it be
Let it be, let it be


そのままにしておく、
そのままにしておく。
その答えはきっと「そのままにしておくこと」だろう。
そのままにしておく・・・


Let it be, let it be
Whisper words of wisdom
Let it be


そのままにしておきなさい。
魔法の言葉を囁くんだ。
「そのままにしておきなさい」


Let it be, let it be
Let it be, let it be
Whisper words of wisdom
Let it be


そのままにしておきなさい。
魔法の言葉を囁くんだ。
「そのままにしておきなさい」


And when the night is cloudy
There is still a light that shines on me
Shine until tomorrow
Let it be


空が曇っている時、
そこにはまだ僕を照らす光がある。
明日まで光輝くだろう。
「そのままでいてくれ」


I wake up to the sound of music
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom
Let it be


音楽サウンドで目が覚めて、
母が僕のところにやってくる
ためになる言葉を教えてくれるんだ。
「そのままにしておきなさい」と。


Let it be, let it be
Let it be, let it be
There will be an answer
Let it be


そのままにしておく、
そのままにしておく。
その答えはきっと「そのままにしておくこと」だろう。
そのままにしておく・・・


Let it be, let it be
Let it be, let it be
There will be an answer
Let it be


そのままにしておく、
そのままにしておく。
その答えはきっと「そのままにしておくこと」だろう。
そのままにしておく・・・


Let it be, let it be
Let it be, let it be
Whisper words of wisdom
Let it be


 


そのままにしておきなさい。
魔法の言葉を囁くんだ。
「そのままにしておきなさい」


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 気になる訳語が2つあるので、書き留めておきます。
 Mother Maryは「母」ではなくて、「聖母マリア」のことです。Let it beの訳語は「あるがまま」がよさそうです。困難に遭遇した時には、耳を澄ますと「あるがままを受け入れよ」と「聖母マリアが語る叡智の言葉」が聞こえてきます。苦しみから救うためにやってくるのは「母」ではなくて「聖母マリア」なのです。聖母マリアの口から出た言葉だから、「words of wisdom=叡智の言葉」なのです。聖母マリア信仰は多くの人々の間に広がっています。慈愛と救いの象徴だからでしょう。ルルドの奇跡では聖母マリアが出現し、ベルナデッドに語り掛けます。歌詞の中に出てくる、次のフレーズは聖母マリアの出現と彼女の言葉そのものなのです。ビートルズの歌の中にはとっても宗教的・哲学的なものがあるようです。ビートルズは若いころにインドへ旅行して、ラヴィ・シャンカルのシタール演奏を聞いています。ジョージ・ハリスンがシタール演奏を習っていますね。インド音楽だけでなくインド哲学にも多少の興味があったのかもしれません。若いうちは好奇心が旺盛ですから。

Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom
let it be
She is standing right in front of me
Speaking words or wisdom
let it be

聖母マリアが出現し、
叡智の言葉を語ります
あるがまま(を受け入れなさい)
聖母マリアはわたしの前、右側に立っています
そして叡智の言葉を語ります
あるがまま(を受け入れなさい)


 困難にぶつかったときには、「あるがまま(を受け入れよ)」という聖母マリアが語ったフレーズを囁いてみてください。
 困難な状況に陥ったとき、苦しいとき、そんなとき、この歌がこころにすっと沁みてくると思います。

<今日9/23一番アクセスの多かった弊ブログ記事>
*#3036 人柄:釧路の教育を考える会・会長 角田憲治さん May 1, 2015


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#5284 英語音読2万回クリア Sep. 15, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 NHKラジオ英会話講座を利用して、昨年10月中旬から音読トレーニングを始めたが、今日で20,040回をクリアしました。ちょうど11か月かかっています。
 ところで、喉への負荷を軽減したほうが好さそうなので、そろそろトレーニング量を20%ほど落とそうと思っています。

 まず、現状のトレーニング量をワード数と音読回数の両面から分析してみます。
 月曜日から木曜日のダイアログ本文が平均して80words、「Grammar in Action」で英作文3題が40words。金曜日の英作文が4題で70words。一週間の音読ワード数は、
 (80words+40words)×4日+70words=550words/week

 これが月に4回だから、
 550words×4回=2200words/month
 年換算値は12倍だから、26400words

 2020年に高校の英語教科書のワード数を数えたとき、おおよそ1年は3500words、2年生が4500words、3年生が5500wordsでした。高校3年間でやる教科書本文は合計13,500wordsです。だから、高校教科書3年間分の2倍を百回、音読したことになります。

 数年前に比べると高校教科書のワード数が増えている可能性があります。
 小学校で英語が正規の科目になったので、中学校の英語の教科書の内容に大きな変更が起きています。2~3割、分量が増えたのではないかと思います。だから、高校の教科書も量が増えているかもしれませんね。
 中1の英語教科書を確認しましたが、スマホで教科書に載っているQRコードを読み込むと音声が流れます。音読トレーニングに最適です。スピードコントロールができないのが難点ですね。音声の方が英文が多くて、何カ所か本文にはないものが出てきますが、巻末の方にスクリプト全文が載っています。(光村図書"Here We Go!")
 
 NHKラジオ英会話を教材に音読トレーニングをすると、1年間で高校3年分の2倍、6年間分を読むことになります。各百回読んでいるのが現在のペースです。高校3年間の2倍の量の英文を、それぞれ百回音読したということ。

 ペーパーバックで1ページ330wordsとすると、わずか80ページ分です。大した量ではありませんね。

 来月から、80回(現在100回)に減らします。音読に慣れたので、それで十分です。
 月曜日から木曜日まで、ダイアログと英作文を各50回、金・土・日にそれぞれ10回ずつで30回、合計80回となります。金曜日の英作文4題70wordsをそれぞれ30回ずつ、金・土・日の3日間で90回です。 

 千日(3年)のトレーニングは必要でしょうね。ピアノ、バイオリン、習字、絵画、タイピング、ビリヤード、珠算など、どのような習い事でも、毎日トレーニングを繰り返して千日間熱心にやれば、誰でもある程度のところへ到達します。筋の良し悪しは個人の資質にも関係があり、成果が一様に出るわけではありません。珠算を例にとれば、3年間で3段へ到達できるのは百人に一人ぐらいです。でも、初段ならほとんどの人が到達できます。
 もちろん「指導スキル」も関係します。ビリヤードも同じです。トレーニング・メニューと理論的な検討がとっても大事になります。プロの腕の良いコーチについて、素質が高ければ、百人に一人は3年でプロテストへ合格できるでしょう。そういうレベルのトレーニング・メニューをもっています。
 アーティステック・ビリヤードで世界2位の町田正先生のお父さんから教えていただいたものに、スリークッション・世界チャンピオンだった小林伸明先生から教えていただいたセミプロの技術指導用の図面を加えて、約50枚ほどあります。

 英語音読へ話を戻します。2万回で音読しているときの気分が変わりました。「主語を置いたらすぐ動詞」、そして「説明ルール」で説明を付け足していく、英作文しているような気分で音読しています。そんな読み方に自然に変化したということ。
 同じ系統の言語ですから、ドイツ語音読やリスニングも楽になるでしょうね。単語がひとつひとつ粒だって聞こえてくるように変わります。耳や脳の言語処理機能にじんわりと変化が起き始めているように感じます。


<9/15日曜日に多く読まれた記事>
#5003 新型コロナmRNAワクチンの正体⑨:半減期デザイン仮説 Jun. 24, 2023

<9/17火曜日に一番多くアクセスのあった記事>
#4622 根室の中学生の進路と学力問題:高校進学で流出 Oct. 2, 2021 


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#5280 notの読み方 Sep.1, 2024  [49.1 英語音読トレーニング]

 昨年10月半ばから、NHKラジを英会話講座を利用して始めた英語音読トレーニングは今日で18,840回になりました。

 金~日曜日は月~木曜日の復習回に充てています。日曜日が最終の最終回で85~100回目ですから、台詞はほぼ覚えています。自然に登場人物の気持ちになり切って、台詞を音読できるようになっているのがうれしい!
 1.1倍速で(132 words/min)で気持ちを載せて台詞が言えるようになります。

 Lesson 96回のダイアログから、登場人物の気持ちになり切って気がついたことを書きます。
 糖尿病患者のヨシとドクターの会話です。

Yoshi  Doctor, Ive lost five kilos since I started going to the gym.

Doctor Thats good news. But youre not in the clear yet.

Yoshi  Whats the problem?

Doctor Its your blood sugar. Its still too high. Do you eat a lots of sweets?

Yoshi  Well, just a little ice cream after dinner.

Doctor You have to cut down on the sweets.

Yoshi  But Im going to the gym to burn it off.

Doctor Good. Keep that up. But thats not enough. Cut the ice cream out too.

Yoshi  OK.


 日本語訳

Yoshi  先生、僕はジムに通い始めてから5キロもやせました。

Doctor それはよかったですね。でも、まだ心配がないわけではありません。

Yoshi  何が問題なんですか?

Doctor それはあなたの血糖値です。まだ高すぎます。甘いものをよく食べていますか?

Yoshi  ええと、夕食の後にアイスクリームを少しだけ。

Doctor 甘いものは減らす必要があります。

Yoshi  でも、僕はそれを燃焼するためにジムに通っているんです。

Doctor いいですね。それは続けてください。でもそれでは十分ではありません。アイスクリームを食べるのも、やめることです。

Yoshi  わかりました。


 But that's not enough.(でもそれでは十分ではありません)のところのnotはとても強く読まれています。
 その強さの程度を文字の大きさで示すと、こんな感じです。
 But that's not enough.

ナレーターはnotの前に小さな休止を入れて区切って読んでいます。その結果、notはさらに強調されて聞こえます。

 ドクターがシムに通ってトレーニングするだけでは、血糖値が下がっていない、それだけでは足りないので、運動した後に食べているアイスクリームもやめるように言うのですから、かなり強い指示です。ドクターの気持ちになり切って台詞を読んでいたら、ごく自然に小さな休止が入り、この拍が強くなります。音読トレーニングを11か月間積み重ねることで、凡夫にも、そういうナレータの技がようやくわかるようになったということかもしれません。耳の好い人や小学生はずっと早く上達できます。

 ヨシの最後の台詞の「OK.」も、夕食後のアイスクリームを毎日食べたいのですが、血糖値が下がっていないので、ドクターの指示を渋々受け入れるしかない、うんざりした気分がありありと出た読み方をナレーターがしています。
 ヨシの気持ちになれば、自然にそのように音読できます。そういう境地に到達するまで、18840回の音読が必要でした。

 音読トレーニングを習慣化してしまえば、どうってことがなくなります。努力しなくてはいけないのは最初の数か月間です。自転車も漕ぎ出す最初は、大きなトルクがかかりますが、動きだしてしまえばペダルはずっと軽くなるし、スピードも違ってきます。その爽快な感じを全身(目と耳と口と脳そしココロ)で愉しむことですね。ドーパミンが分泌されるのが自覚できるようになります。learningと遊びは究極のところ一緒なのですよ(笑)孔子はそのことを次のように言っています。

「これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」

<余談:t音の変化>
 Keep that up.というセリフが出てきます。音がつながって「ザラップ」と読みます。
 これには音の変化のルールがあります。以下は発音記号です。
 /ta/ ⇒ /la/  ラ
   /ti/ ⇒ /li/  リ
   /tu/ ⇒ /lu/ ル
   /te/ ⇒ /le/ レ
   /to/ ⇒ /lo/ ロ


 「タチツテト」が「ラリルレロ」に変わります。
 that up /ðæt/ + /ʌp/   ⇒  /ðæp/  ⇒   /ðæp/ 


<9/1アクセスの多かった記事3つ紹介>
#3751 進研模試偏差値と得点の目安 Jun. 7, 2018 [71.データに基づく教育論議]
#3395 Z会Vテストで全国レベルを知る  Aug. 20, 2016
#4177 大人の恋愛事情:鈴木杏樹さん Feb. 7, 2020

<9/3アクセストップの記事>
 弊ブログの読者は教育へ関心の高い方が多いようです。教え方はさまざまです。TOSSのように授業技術の錬磨と共有を目標にしているグループ、秋田県大館市の教育長のように一人も取りこぼさないことを目標に授業を組み立てる方もいます。荒れたクラスを制御するスキルの共有は新任の先生にとっても、ベテランの先生にとっても重要なスキルですし、大舘の教育長が「一人も取りこぼさない」というのは、授業で「共感と協働」を重視しているからこそ実現可能なのでしょう。できる生徒ができない生徒を教えることで、取りこぼしは劇的に減少します。小学校で担任をしてくれた鶴木俊介先生もそういう方でした。目標や理念の相違が授業に反映します。小学校では特に、教える技術が重要になるのは当然でしょう。

 ところが、大学では、教える技術は問題にすらなりません。教える技術の重要性は小学校が最大で、中学校や高校へ進学するにつれて、その重要性は減少していきます。学年が上がるにつれて、教科の専門性と深い学識や思索の力が重要性を増していきます。
 それでは、小学校と大学をつなぐ授業はどのようにあるべきかということが問題になります。

 数学が得意な生徒たちが集まる国立高専の生徒に分数式が苦手な生徒が多いというトピックを採り上げて、いま小学校算数で、何をどのように教えておくべきかを探ってみました。
 教育に関して、こういう具体的な議論が増えることを願っています。8年前の記事です。

#4011 高専の新入生は数学ができない? Jun. 2, 2019



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#5278 "t"音の脱落、強調のcannotなど Aug. 25, 2024  [49.1 英語音読トレーニング]

 三つの単語が1拍で読まれることがあります。音読するときにこういう箇所はそこだけ、3秒戻しやその文をAB間リピートで何度も聞いて確認する必要があります。リスニングも同じ、「3単語1拍」はむずかしいですからね。
 8/21放送のNHKラジオ英会話Lesson 93のダイアログから例文を挙げます。

 The time capsle they found at that school.
(例の学校で見つかったタイムカプセルのことです)

  All I know is that it was burried in 1865.
(わたしが知っているのは、それが1865年に埋められたってことだけよ)

 アンダーライン部は /ðæt/ /ɪt/  /wɒz/ ですが、これが一塊になって1拍で読まれます。
  /ðæ・tɪt・wɒz/ ⇒  /ðæ・tɪ・wɒz/
 赤い2番目のt音が脱落してました。2単語を1拍で読む例は頻出しますが、3単語を1拍で読むのは発音も頻度が少ないので、慣れるのに時間を要します。だから、「3単語1拍」は発音もたいへんですが、「初見」でのリスニングもなかなか難しいのです。ディクテーションしてみたら聴きとれていないことがわかります。日本語なら、カタカナへの表記はできるが、監事には置き換えられない状況です。つまり、意味がとれないということ。だから、多量の音読をして、たくさんの事例に遭遇し、慣れるしかないということです。

 8/23放送分、Lesson 95の文を紹介します。
 運転免許をとったと息子にお母さんが忠告するシーンです。

 Congratulations. But remember that you cannot be too careful when you drive a car.
  You should bear in mind that accidents can and will happen. Safe driving is the key.
 (おめでとう。でも車を運転するときには、慎重になりすぎることはないと覚えておきなさい。事故は起こりうるし実際に起こるものだということを心に停めておくべきよ。安全運転が大切よ。)

 「remember=bear in mind」です。続けて出てくる文章で同じ表現は使わないのが英語のルールです。語彙が少ないとみられて、文章が稚拙と判断されますから、言い換えるのが普通です。
 1行目の文章中で、cannotがつかわれています、can'tとするのが普通の会話ですが、ここでお母さんはcannotと短縮せずに言ってます。これはnotを強調しているからですよ。音読をしているとこういうことがよくわかります。読みながら、can'tとしない理由が自然にわかるようになります。「慎重になりすぎることはな~い」、そんな感じです。
 アンダーラインを引いた最初のthatは/ðæt/と発音していましたが、2番目の方のthatは/ðæ/で、t音が脱落していました。これを/ði/と発音すると、次にaccidentがあるので、定冠詞のtheだと誤解されますね。ナレータは細かいところまで配慮して実に的確に読んでいるようです。
 最近はこういう細かいところがようやく聴きとれるようになってきました。

 今日で、NHKラジオ英会話の音読回数が18,240回になりました。あまり進歩はしませんが、毎日トレーニングするのが習慣となりました。30,000回を超えるあたりで、もう少しよくなるのでしょう。珠算も3年間はトレーニングしないと技が身につきませんね。5年間普通にやれば、能力が少しあれば全珠連の3~4段クラスの腕前になりますから、身についた技は一生ものです。ビリヤードも同じですから、ピアノなどの楽器類の演奏もそうでしょうね。高齢になると、指の動きや暗算能力ははっきり落ちます。トレーニングを続けていたらそんなことはないでしょう。30年間ほどビリヤードをしていないので、エアーで構えて腕を振ってみましたが、肘が安定しません。これでは昔のハンディでは撞けませんね。腕が落ちているのがはっきりわかりました。(笑)

 中高生のみなさん、夏休みに英語音読トレーニングにチャレンジしてみましたか?
 いつ始めてもいいのですよ。
 日本語訳の方から、英文を書いてみるのもいい英作文トレーニングになります。

 英語で書かれた本を選んで、ノートに写し、解説を入れながら、一文一文、翻訳して、翻訳書の日本語と比べてみるのも、大変勉強になります。幕末の尾形洪庵の適塾で、福沢諭吉が塾生にやらせていた学習方法です。大学院受験生におススメ出来ますね。サマリーを日本語で書いてみるのも好いトレーニングです。大学院入試でB4判にびっしり書かれた英文を翻訳する問題が出題されました。文字数から判断して、試験時間の1時間で全訳は無理と判断し、抄訳しました。採点結果を聞いたら90%ということでしたので、正解でした。訳文は英文の1.5~2倍くらいになってしまいます。時間に制限があっては、キレる日本語(短い日本語)には訳出できません。
 ところで、英語でサマリーを書けたら、英検1級をかなり超えているでしょう。もちろんその分野の周辺知識がないとそんな高度な技は駆使できません、勉強には限がないんですね。(笑)
 目的に合わせて、どこまでやるか目標を設定するのがいいようです。英語の学者になるのと経済学者になるのとでは、英語の学び方や目標が違ってくるのは自然なことです。

<文例追加>
 8/26放送のLesson 96から。糖尿病でジムに通って減量している男性患者と主治医の会話です。
  
 Well, just a little ice cream after dinner.
(ええと、夕食のあとにアイスクリームを少しだけ)
 you have to cut down on the sweets.
(甘いものを減らす必要があります)
 But I'm going to the gym to burn it off.
(でも、僕はそれを燃焼するためにジムに通っているんです)
 Good. Keep that up. But that'd not enough.
(いいですね、それは続けてください。でもそれでは十分ではありません)

 1拍3語、「バー・ニッ・ツォフ」と読まれていました。"bur/ni/toff"、これを聞いて「burn it off」を復元するのは難しい。次の「ザラップ」はよく出てくる「1拍2語」の例です。これは難易度が高くありませんね。


<余談:デジタル教科書>
 デジタル教科書を採用している学校が数%あるようですが、大半はQRコードで音声情報をスマホでダウンロードできる機能のついた紙の教科書です。スピードコントロール機能がついていないので、不便です。デジタル教科書の方はスピードコントロール期の機能のがあるそうです。
 小学校で5年生から英語が正規の教科となったのに伴い、中学校の英語の教科書ががらりと様変わりしています。近いうちに具体例を挙げて、便利な機能や問題点をリポートします。



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#5273 ヒロト・イングリッシュ・ワールドと演繹体系(1) Aug. 17, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 大西泰斗先生のNHKラジオ英会話講座を英作文演習問題へ編集して、塾生へメール配信を始めてから5年が経ちます。九月号で、1902回、A4判で2251ページになりました。
 昨年10月から、音読トレーニングを初めて、今日(8/16)で17,480回です。少しは進歩したのでしょうかね?

 さて、今年の四月号から、この大西先生のラジオ英会話講座の趣が変わりました。「単純なものから複雑なものへ」展開がなされており、ゆるい演繹体系的な展開になりました。

 大前提は「英語は配置の言葉」だということ。「主語位置に置けばそれは主語」なのです。次に現れるのは、「指定ルール:指定は前に置く」「説明ルール:説明は後ろに置く」という二つのルールです。そして3番目に、基本文型をベースに据えて、「単純な英文からより複雑な英文へ」の旅が始まっています。
 
 四月号では、これら二つのルールと基本文型が説明されてました、
 大西先生の基本文型は、次のようになっています。
1.他動型
2.自動型
3.説明型
4.授与型
5.目的語説明型

 受験参考書で解説されている基本5文型の分類とは少し違っています。
1.は第Ⅲ文型、2.は第Ⅰ文型、3.は第Ⅱ文型、5.は第Ⅴ文型と第Ⅲ文型のミックスです。授与型は第4文型そのままです。

 大西先生のこの基本文型の分類の順序は厳密に言えば、「単純なものからより複雑なものへ」という順序にはなっていません。最初に展開される基本文型「1.他動型」は目的語を伴なう文型ですが、言語コーパスではこれが一番多いのです。ここは頻度順に並べたように見えます。一番出現頻度の多い文型を第一番目に持ってきたのではないでしょうか。「2.自動型」が一番単純な基本文型です。

 受験参考書では前置詞句は基本文型の要素にはなりませんが、大西先生の基本文型では文の要素になる場合があります。たとえば、目的語説明型で場所や時間を表す前置詞句が目的語の次に来るものも「主語・述語」の関係やイコールの関係にあれば、基本文型の要素として扱われています。例えば四月号46頁に目的語説明型の次の例文が載せられています。
 I saw him in the living room.
(彼がリビングにいるのを見ました)
 これは受験参考書では、第Ⅲ文型ですが、大西先生の基本文型では、目的語説明型の文となります。「him=in the living room」という関係で、himの説明語句ととらえるからです。「説明ルール:説明は後ろに置く」が基本文型よりも優先的な位置に置かれていることがわかります。

 実は、第Ⅲ文型の文の一部を、これら5つの基本文型の外に置いています。大西先生は「リポート文」と命名しています。高校標準英文法では「間接話法」に分類されています。大西先生は視点が違っているのです。大前提の「説明ルール:説明は後ろに置く」で眺めると、「他動型」には分類できないのです。
「主語の思考・発言・知識などを述べる非常に頻度の高い文」(Lesson 11)で、これは「説明ルール:説明は後ろに置く」が産み出したものだと説明しています。
 I heard that you like roses.
(あなたが薔薇が好きだと聞きました)

 hearの目的語であるthat節をhearの説明語句と捉えるところが標準的な英文法と相違しています。例えば江川泰一郎『英文法解説』ではこの文例なら「間接話法」に分類され、第Ⅲ文型です。
 大西先生はこれを他動型とはみなしていません。hearがなにかを動かしているわけではないからでしょうね。「他動型は、「動詞+目的語」の配置で、「動詞の働きかけが目的語に直接及ぶ」ことを表します」と定義しています。他動詞の中で、思考系あるいは伝達動詞は「他動型」には含めていないのです。
 think、know、tell、sayなどがリポート文に使われる代表的な動詞です。...四月号60ページ

 江川泰一郎『英文法解説』p.468には伝達動詞として次のものが挙げられています。
 say, tell, add, admit, answer, boast, claim, complain, deny, explain, insist maintain, object, promise, protest, remark, remind, reply, report, suggest, think, warn, whisper. 

 主語は固有名詞や代名詞のものから、冠詞のついた名詞へ、そしてto不定詞句や動名詞句は、さらにそれらに場所や時間の修飾語のついたものへと、単純なものから複雑なものへ展開がなされています。
 それらに加えて、「指定ルール:指定は前に置く」の具体例として副詞や助動詞が採り上げられています。

 少し先走って、九月号Lesson 89のダイアログから文例を一つピックアップします。

 I am happy that you are happy, Doctor.

 これはアンドロイドのジーニーが、ドクター・シュタインへ自分の気持ちを伝えた言葉です。
 生成文法では説明のしようがありませんが、いまではこういう文はすんなり理解できます。
「博士に喜んでいただけるなら、私もうれしいです。」

 受験文法では第Ⅱ文型ですが、that節の説明が難しい。しかし、「説明ルール:説明は後ろに置く」に慣れてしまうと、意味がそのまま理解できます。ジーニーが「わたしは幸せだ」と言った理由や原因を説明した文だということが、見ただけでわかってしまいます。慣れというのはパワーがありますね、百回音読の効果でしょう。

 大西泰斗先生の英語レッスンは、百回音読、英作文、そして話す英語へ導くのが目的です。そのための英文法なのですが、全体がホンワカした演繹的な説明になっているので、身体が慣れて、しだいに自然に反応するようになってきますから、英文を理解するときの、脳への負荷が小さくなります。その効果で、読む速度がアップしてます。

 とっても興味深いので、日を置いて、3回ほど同じテーマで採りあげるつもりです。

 大西先生の英文解説の方法は、デカルトの「科学の方法 四つの規則」の第3番目の通りの展開「単純なものから複雑なものへ」に適っているように見えます。ユークリッド『原論』のように厳密な演繹的な体系ではありませんが、ホンワカした演繹体系をもつ英文解説を初めて見ている気がしています。
 数学以外の分野で、演繹的な体系展開にチャレンジした学者はまだいません。そういう仕事を大西泰斗先生が英語学習法の分野で果敢にチャレンジしているように見えます。

 デカルト『方法序説』「科学の方法 四つの規則」を採り上げた弊ブログ記事を紹介します。

*#5207 歴史的順序と論理的順序:『資本論』の論理的破綻と新しい経済モデルについて Apr. 8, 2024
 
 該当部分だけピックアップしておきます。
<補遺:デカルト『方法序説』>
 デカルトは科学者であると同時にデカルト座標で夙(つと)に有名な数学者であり、「われ思うゆえにわれあり」で高校生にも知られている哲学者でもある。こういう多分野にわたって学問研究をする学者がなかなか現れないから、視野狭窄のまま、解決の糸口が見いだせないのである。
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<デカルト 科学の四つの規則>
まだ若かった頃(ラ・フェーレシュ学院時代)、哲学の諸部門のうちでは論理学を、数学のうちでは幾何学者の解析と代数を、少し熱心に学んだ。この三つの技術ないし学問は、わたしの計画にきっと何か力を与えてくれると思われたのだ。しかし、それらを検討して次のことに気がついた。ます論理学は、その三段論法も他の大部分の教則も、道のことを学ぶのに役立つのではなく、むしろ、既知のことを他人に説明したり、そればかりか、ルルスの術のように、知らないことを何の判断も加えず語るのに役立つだけだ。実際、論理学は、いかにも真実で有益なたくさんの規則を含んではいるが、なかには有害だったり、余計だったりするものが多くまじっていて、それらを選り分けるのは、まだ、下削りもしていない大理石の塊からダイアナやミネルヴァの像を彫り出すのと同じくらい難しい。次に古代人の解析と現代人の代数は、両者とも、ひどく抽象的で何の役にも立たないことだけに用いられている。そのうえ解析はつねに図形の考に縛りつけられているので、知性を働かせると、想像力をひどく疲れさせてしまう。そして代数では、ある種の規則とある種の記号にやたらとらわれてきたので、精神を培う学問どころか、かえって、精神を混乱に陥れる、錯雑で不明瞭な術になってしまった。以上の理由でわたしは、この三つの学問(代数学・幾何学・論理学)の長所を含みながら、その欠点を免れている何か他の方法を探究しなければと考えた。法律の数がやたらに多いと、しばしば悪徳に口実を与えるので、国家は、ごくわずかの法律が遵守されるときのほうがずっとよく統治される。同じように、論理学を構成しているおびただしい規則の代わりに、一度たりともそれから外れまいという、堅い不変の決心をするなら、次の四つの規則で十分だと信じた 第一は、わたしが明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないことだった。言い換えれば、注意ぶかく速断と偏見を避けること、そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、なにもわたしの判断の中に含めないこと。 第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。 第三に、わたしの思考を順序に従って導くこと。そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識まで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと

 そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること。
 きわめて単純で容易な、推論の長い連鎖は、幾何学者たちがつねづね用いてどんなに難しい証明も完成する。それはわたしたちに次のことを思い描く機会をあたえてくれた。人間が認識しうるすべてのことがらは、同じやり方でつながり合っている、真でないいかなるものも真として受け入れることなく、一つのことから他のことを演繹するのに必要な順序をつねに守りさえすれば、どんなに遠く離れたものにも結局は到達できるし、どんなにはなれたものでも発見できる、と。それに、どれから始めるべきかを探すのに、わたしはたいして苦労しなかった。もっとも単純で、もっとも認識しやすいものから始めるべきだとすでに知っていたからだ。そしてそれまで学問で真理を探究してきたすべての人々のうちで、何らかの証明(つまり、いくつかの確実で明証的な論拠)を見出したのは数学者だけであったことを考えて、わたしはこれらの数学者が検討したのと同じ問題から始めるべきだと少しも疑わなかった

  デカルト『方法序説』 p.27(ワイド版岩波文庫180 *重要な語と文章は、要点を見やすくするため四角い枠で囲むかアンダーラインを引いた。

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#5269 集団指導と個別指導のスキルの違い:英語音読トレーニングの愉しみ Aug. 5, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 昨年10月中旬から始めた、NHKラジオ英会話を利用した音読トレーニングの回数は今日で16680回です。
 すっかり、生活習慣に組み込まれました。
 同調音読で、ぴったりラジオ音声に重ねて音読するのは、息がピタッと合う瞬間が気持ちが好い。
 
 まだ下手くそです。20,000回をクリアするころにはもう少しマシになっているかもしれません。毎日坦々とトレーニングします。
 3年間続けたら、英語のリズムが、いまよりしっかり身体に沁みこみます。初見で 150~170words/minでスラスラ音読できるようなれたらうれしい。3年間はかける必要がありそうです。
 7/29Lesson日放送分の"Lesson 81"は、ピアノの先生のストラビンスキー先生に生徒のセイイチロウがどうやったらベートーベンのピアノソナタが上手に弾けるようになるのか質問をしています。ストラビンスキ-先生は次のように答えます。
Ms. Stravinsky: In order to succeed, you need two things.
   (成功するためには2つのことが必要です)
  One is a plan.(一つは計画を立てることです)
Seiichiro: OK. So what's the other thing?
  (わかりました。それで、もう一つは何でしょう?)
Ms. Stravinsky: Time. Lots of time.
  (時間です。たくさん時間をかけることです)

 ソロバンも3~4段の腕前になるには6年ほどかかりました。だらだらやっていたら合格しません。数学は計算力が高い方が有利です。珠算の暗算トレーニングをしている人には、計算力ではしていない人はかないません。計算精度と速度が段違いになります。積分や数列の計算では四則演算の量が多くなるので、計算力のある生徒は有利です。計算に入ればほとんど脳を使わずに、計算できます。どのような手順で解いたらいいのか、解法戦略の検討に脳を集中できます。ある方向で解法を組み立ててダメなときには、その視点を脳から消すのがコツがいります。消さないと、その視点に囚われて、別の解法が見つからないことがあります。

 友人にTOSSの授業の上手な先生がいます。お一人は5段といったかな、とっても授業が上手で、名人の域です。全国に20人いますでしょうか?10年ではあんな境地には到達できないのはよくわかります。30年の研鑽がその背後に垣間見えます。トップレベルのお二人は、水野さんと青坂さんです。素晴らしい伎倆の持ち主です。
 学校の先生ですから集団授業の技です。学習指導要領に忠実に、そして教科書を徹底的に使い倒します。それはそれは見事なものです。

 わたしは個別指導で23年間生徒を観察して、別の技を磨きました。学力の低い生徒と高い生徒でスキルを使い分けています。お二人の集団指導の名人の技術(学級運営を含めたスキル)を比較してみることで、個別指導の技の特徴がよく理解できるようになりました。感謝しています。

 学力の低い生徒は、どこで躓いているのか「診断」が必要です。診断がついたら、治療方針が決まります。そして実際に直していきます。医者の仕事と一緒です。数学は何年もさかのぼって、躓いたところを見つけ出してそこから教えます。たとえば、中学生で計算ミスの多い生徒は、九九もチェックします。逆九九が言えなかったり、九九のどこかの段の特定の場所に言い間違いがあることがあります。そこを見つけて治さないと、いつまでたっても計算ミスが頻出します。分数や少数の乗除算がパーフェクトにできない中1の生徒は20~30%います。数題やらせてチェックすればいいだけ。特別なことはありません。基本的な計算ルールを数題やらせてみてチェックするだけ。
 ところが、学力の高い生徒への対応はまったく違います。数学の場合は教科書を使う必要のない生徒もいます。難易度の高い問題集のコンパクトな解説を独力で読み、難易度の高い問題を予習方式でやらせながら、様子を観察します。そして質問を受けるだけです。質問する問題がどれかやどのような内容の質問かはあらかじめ知りようがありません。だから授業計画を立てるということができません。
 ある生徒がこんなことを言ったことがありました。
「先生、教科書には僕の知りたいことが書いてありません。『シリウス』には僕の知りたいことが書かれています。」
 この生徒の数学の教科書は中学の3年間と高校3年間、新品のままでした。国立大医学部受験でしたから、地もtの偏差値45の高校からのチャレンジですから、授業時間を無駄にはできませんでした。塾用の難易度の高い問題集『シリウス』を解いていました。おとなしくしていますが、無視されていると感じた先生にはさぞご迷惑だったでしょう。競争相手は同じ学校にはいません。全国の進学校で難易度の高い教科書で授業を受けています。それに匹敵する状況を自分で創り上げる必要がありました。先生たちとトラブルが何度も起きました。それを乗り越えて、現役で国立大医学部に現役合格したので、いい経験になったと思います。突出した生徒を理解できる先生はすくない。

 そういうわけで、質問を聞いて、どの程度の学力なのか判断できます。ときどき、数学的概念の拡張や、帰納法による一般化をやってみせることはあります。先の見通しをもつためや数学的な思考に慣れてもらうためです。中学校の確率のところで、高校のパーミュテーション記号やコンビネーション記号を使った計算法は生成上位層の生徒達には解説します。
 学力の高い生徒ほど、指導することが少なくなります。同じ生徒でも、学力が上がってくると質問が目に見えて減りますから、どの程度の学力の高さに到達しているかがよくわかります。
 数学の体系は演繹体系ですが、教えるのは帰納的にやった方が、生徒自身の発見が多いので好いのです。学力の高い生徒ほど質問が少なくなりますが、質問の内容を観察しながら、どこまで教えるか判断します。学習指導要領はまったく考慮しません。例えば、小学生でも単位系が絡む問題は、数値計算と単位計算にばらしてやって見せます。学力の高い生徒はその方が計算の理屈がよくわかります。だから、質問があれば生徒自身の能力に最適な教え方をその都度考えます、「反応する」といった方が適切ですね。あらかじめ何をどのように教えようという「構え」はありません。「反応する」だけです。数Ⅲで複素平面が出てきますが、理系進学者には必要な分野です。文系受験の生徒にも、数学の世界が広がるので学んでおいてほしいと思います。標準的な問題集のほかに1冊複素平面を扱った問題集をやっておけば、計算だけでなく、意味がつかめてきます。どこをどのように教えるという授業計画はありませんが、計算手順だけでなく、教える方は意味までしっかりつかんでおかなくてはなりません。いつ質問が出てもいいように、常に学んでおく必要はあります。それが「教える」ということだと思っています。そうした努力ができなくなったときには、塾をやめるつもりでいました。でも、ありませんでした。生徒を観察し、質問を受けながら、ずっと学び続けていました。
 授業はさまざまな学年が混じっていますし、同じ学年でもやっているところや、使っている問題集が違っていることもあります。教科書準拠問題集から質問する生徒もいます。とにかく、授業計画はいのです。生徒の質問に反応するだけ。
 学力の低い生徒は教科書を予習しておくと学校の授業がわかりやすいので、ほとんど全部を質問するなんて生徒もたまにはいます。付き合いますよ(笑)なるべく早い時間に来てもらいます。早い時間は生徒が少ないので説明時間が取れますから。自宅でやるようになってからは、机は7つ、座卓に3人これが2階の教室でした。16畳のスペースです。1階に机が3つ、自習用に用意してありました。定期試験が近づくと、生徒が来る頻度が増えるので、自習スペースが必要になります。

 英語は別ですよ、教科書を使います。教科書の音読が英語力アップに大きな効果があります。正しい発音で、120 words/minで読めたら、十分です。正しく発音できれば、英語は聞き取れます。速く・精確に読めれば読解力が高くなるのは日本語の場合と一緒です。江戸時代から言われているように、学力の基礎的なスキルは「読み・書き・ソロバン」なんです。これは優先順位も表しています、「読み」のスキルが一番重要です。だから、英語は音読中心でやりましょう。(笑)
 光村図書の中学英語教科書を見ました。素晴らしいの一言です。英語に関する学習指導要領が大きく改訂されていますので、その線に沿ったものになっているのでしょう。1年生の教科書では、聴きとりにくい子音の発音がセットで聴けます。pigとbig、capとgap、topとdog、sitとzip,fanとvan...という具合です。QRコードによる音声サポートは、各章の本文だけではありません。ゲーム感覚で楽しめるように多彩な音声がついています。内容・分量が極東の町で使っていた”Sun Shine”の1.5倍くらいありそうです。
 上位16%の生徒は、教科書中心で独学で学べます。スマホを使って音読トレーニングしたらいい。教科書がとっても進化しました。中学校の英語の授業は今までとは劇的に変わるでしょうね。発音の悪い先生に当たっても、QRコードでナレーターの音声を利用して、音読トレーニングすれば先生のあたり外れによる差がつきません。
小学生でも英検5級に合格(合格最低点は50点付近)できれば、光村図書の中学英語教科書を使って独学で英語の学習できますよ。中学3年間の英語教科書をやって、英検の問題集を1冊解いてみたら、小学生でも英検3級にチャレンジできます。同じ方式で、高校英語教科書を利用して学習すれば、中学卒業までに英検2級に合格できます。後は多読で語彙を増やせば、高校卒業前に英検準1級を手にできるでしょう。やってみてください。

 生徒と一緒で、教える側も日々精進で、英語と数学と日本語の指導スキルを磨くのに20年ほどかかりました。(笑) 成績上位16%の学力の生徒なら、小4からスタートすれば、半数くらいは国立大学医学部にチャレンジできるでしょう。高校1年生で数検準1級と英検準1級にチャレンジできます。大学入試2次試験に小論文テストがあれば、圧倒的に高得点できます。日本語音読授業はそれほどパワフルです。
 「読み・書き・そろばん」というぐらいですから、「読み」が一番大事なのです。深く読める生徒には、学校の授業がほとんど不要になります。難易度の高い問題集の解説を読むだけで、独力で学習できるようになります。「自主的」「自律的」な学習が文字通り実現できます。わたしは、時々生徒の鋭い質問に反応すればいいだけです。

 上位10%の学力の生徒は、数学なら、教科書は必要ありません。説明があまりにも冗長なのと、基本事項しか書かれていないからです。
 数学の教科書を使う必要がないということは、教科書を使った標準的な数学の授業は聞く必要がないということです。上位10%の生徒の学力に標準的な難易度の教科書はまったく合わないのです
 集団授業では、教科書を使って、丁寧に教えることが求められます。それは上位10%の学力の生徒たちをスポイルすることで成り立っています。15人くらいなら3グループに分けて、グループ指導が可能です。やり方はあくまで個別指導です。成績下位の生徒が10人なら、これは手間がかかって教えきれません。成績上位10%の生徒達なら、何人いても教えられます。質問の数が少ないですから。

 学力上位10%の生徒達なら、英語は、たとえば高校3年間の教科書を9か月で教えきれます。週に2時間で大丈夫です。これは実際に音読中心で授業してみた結果です。高校英語教科書を9か月で全部やり終えたら、英検2級の合格ラインはクリアできます。準1級は語彙拡張が課題となり、多読や文構造を解析した精読が必要になります。中3で高校3年分の教科書をクリアして、英検2級に合格して、語彙拡張に励み、高校1年生で英検準1級にチャレンジできたら、大学入試共通テストの問題レベルなら、受験時には180超の得点が可能です。

 日本語の音読指導がむずかしいでしょうね。良書を17冊選んで15年間やってみました。基本は斉藤孝先生の「三色ボールペン方式」です。素読方式、センテンス2つずつの輪読、段落ごとの輪読、著者の意見と対立する別の意見の可能性、そして自分の意見の対比など、自然に大学のゼミレベルの授業になります。音読で使ったリストは弊ブログ内を検索すればすぐに出てきます。
 内容の濃い本や語彙レベルの高い本を読まないと、読解力や作文の表現力が伸びません。だから、何を目的に、どのような本を読むかがとっても重要です。十代のうちに語彙の豊かな本や、内容レベルの高い本を数冊選んでしっかり読んでください。たくさん読む必要はありません。大学へ入ってから濫読したらいいでしょう。もちろん、小中高と濫読してもかまいませんが、難易度の高くない大学へ進学することになるでしょう。時間は有限で、誰にとっても一日は24時間です。だから、とくに高校生の時期は読むべき本を厳選すべきです。

 生徒の方の側から考えると、先生は集団指導の優れたスキルと個別指導のスキルを併せ持っているのが、おそらく理想でしょう。両方必要なのです。日本は人口減少時代に入ってしまっているので、生産年齢人口がいずれ半減します。そのときに、上位16%(偏差値60以上)の子どもたちをどのように育ててきたかが問われます。

*#5214 小中高生と本の語彙の六段階難易度別クラス分け April 19, 2024


<余談:教えてほしいと頼まれたら”否”はナシ>
 学年トップの子には、同級生に教えてほしいと頼まれたら、全部受けてしまえ。深くわかってないとやさしく教えることはできないし、困っている同級生を助けるのは学年トップの生徒の当然の義務だ。”ノブリス・オブリージュ”という言葉がある、と伝えていました。
 同級生どころか他校の生徒で中学から札幌の進学校に行った生徒にまで、「明日の9時から30分」なんて時間を決めて、スマホとパソコン両方使って教えてあげてました。自分の勉強の時間を割いても、しっかり対応してました。
 自分は学年トップだから、学力の低い同級生とは別だと、「自他弁別能」を育ててはいけないのです。適切にサポートする人がいれば、同じところへ上ってこれる、我も人も同じという「平等性智」「無差別智」を育てるように仕向けました。
 なにより、コミュニケーション能力が育ちます。人にわかるように解説できるというのは、社会人になったときにとっても大事な能力なのです。
 人気者になっていました。

 わたしは、根室高校を卒業してから50年ぶりに同窓会で会った同級生の女子がいました。「あのとき親切に工業簿記を教えてもらった、うれしかったわ!」と隣に座って思い出すように言ってました。わたしは覚えていません。頼まれたら何人もに教えてましたので。(笑) おかげで余分にモテました。「情けは人の為ならず」という言葉が高校卒業して50年経って、よくわかりました。ほんとうの話です。

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〈日本語音読リスト〉…
*#3726 
日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18-1

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<7. 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』 
○『声に出して読みたい日本語②』 
○『声に出して読みたい日本語③』 
○『坊ちゃん』夏目漱石 斉藤孝の音読破シリーズ
○『羅生門』芥川龍之介 音読破シリーズ
○『走れメロス』太宰治 音読破シリーズ
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 音読破シリーズ
 『五重塔』幸田露伴 音読破シリーズ
 『山月記』中島敦 音読破シリーズ
●『読書力』斉藤孝 
●『国家の品格』藤原正彦 
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳 
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤孝 

『語彙力こそが教養である』斉藤孝 
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者) 

◎『福翁自伝』福沢諭吉 
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者) 

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎はトップクラスの高校生に使った本である。大学生でも語彙力上級者レベルにふさわしいテクストである。平均的な語彙力の大学生には手が届かないかもしれない。
 音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが、2年前から希望者のみに限定している。本気でやる気にならないと効果が小さいので、お互いに時間の無駄。)

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 根室市教委さん、令和5年度の全国学力調査の結果を見ました。根室の子どもたちの国語の読解力が落ちていますね。日本語音読指導をやればいいだけです。手間はかかりますが、飛躍的に読解力をアップできます。算数や数学の文章題も点数が著しく低い。これも問題文の読解力が低いという問題が横たわっています。

#130 成績不振の生徒から学ぶ 2,008年3月10日




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#5264 小さな休止に注意して英語音読してみよう July 28, 2024  [49.1 英語音読トレーニング]

 昨年10月中旬から始めたNHKラジオ英会話を利用した音読が、16080回になりました。この一週間は1.0倍(120 words/min)と1.1倍速でトレーニングしていました。あいまいな部分は0.95倍速にしたら、はっきり聞こえたフレーズもあります。たとえば、"my bucklet list"(やりたいことリスト)が1.0倍速だと「バカリスト」に聞こえてましたが、0.95倍速にすると、「バケッツ・リスト」とt音が弱く出てました。

 チャンクのカタマリごとに小休止が入っている例を紹介します。そこを聞き逃すと、意味が不明になります。理由は後で...

Bob  Wow, Sally, this is another great portrait.

Sally Thanks, but I havent finished it yet. Do you know who this is?

Bob  Isnt it Jeannie, the android girl?

Sally Yes. Im glad it looks like her.

Bob  It rally does. Its good to see youre friends with Jeannie.

Sally Shes really nice. I enjoy talking her.

Bob  What do you ladies talk about?

Sally She likes talking about fashion.

Bob  She does wear very nice clothes to class all the time.

 Bobの3番目の発言の箇所がそれです。
 it's good to see you...
 このように聞いてしまうと、「あなたに会えてうれしい」となりますが、「you're」の部分は弱拍になっており、「16分休符」くらいの小さな休符がseeとyouの間にあります。「あなた(サリー)が、ジーニーとお友達であることがわかって」うれしいのです。it以下の節がseeの目的語であることが、小さな休符に気がつけばすんなり意味の明確な英語として聞こえてきます。

 その前のSallyの発言である、
 I'm glad it looks like her.
 ここにもgladとitの間に16分休符があります。小さい休符であることと、itが弱拍になるので「グラディット」と、小さな休符を聞き逃しました。

 同じセンテンス内の通常の休符を「四分休符」とすると、小さな休符はそれの1/4程度に感じるので「16分休符」と書きました。
 「16分休符と弱拍のセット」はリスニングにとってとても重要に感じました。

 日曜日の音読は90~100回目ですから、シャドーイングがとっても楽です。リテンションも問題ありません。英作文とシャドーイングが混ざったような感覚です。日本語訳しないで、英語がそのまま入ってきます。

 中高生のみなさん、せっかくの夏休みですから、同じ文章を百回音読してみてください。QRコード付きの教科書が多いので、それを利用してみたらいかがですか?定期テストのときにはテスト範囲の文章はほとんど頭の中に残っていますよ。無理に暗記する必要はありません、シーンを思い浮かべてひたすら音読するだけでいいのです。

<余談:異常な暑さ>
 今年は暑い。今日は7月28日ですが、最高気温は37.7度でした。7月に36度を超えた日は12日です。57年間で東京の最高気温は5度ほども上昇しています。
 気象庁の海面水温実況図を見ると、九州南岸と四国南岸の100km沖の海水温が30度あります。房総半島の海水温は25度を超えていますね。
 湿った大量の空気が日本沿岸を取り巻いているので、台風は勢力を拡大しながら上陸、線状降水帯が各地で多発しそうな海水温の分布です。日本海沿岸も28度くらいの濃い目の茶色になっています。

*海面水温実況図


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#5258 数値で見た英語音読トレーニング:ワード数とトレーニング時間 July 17, 2024 [49.1 英語音読トレーニング]

 昨年10月中旬から始めたNHKラジオ英会話を利用した英語音読回数が今日(7/16)15,000回になりました。
 分速132~180 wordsでスムーズに音読できるようになりました。最初の2か月くらいはラジオ英会話の分速120 wordsでも速いと感じてました。
 今回のブログでは、9か月間のトレーニング量をワード数と時間で測ってみたいと思います

 NHKラジオ英会話は月~木曜日がそれぞれ別々のダイアログが載っています。金曜日はまとめの日で、月~木曜日のテクストが読まれます。わたしは、それぞれを105回(1週間で105回です。月~木まで各60回、金土日の三日間でそれぞれ45回)読んでいます。1.0倍速だと120 words/minですが、その時の気分で、1.5倍速の180 words/minまで上げてやっています。高速音読とシャドーイングを織り交ぜてやります。単調だと飽きるからです。th音やs音、w音、r音など随時選んでそこに注力して音読しています。これも飽きずに楽しくやるためです。

 さて、9か月間トレーニングしてきましたので、どれくらいのワード数になったか計算してみます。
 4(日/週)×80 words×4週×9か月=11,520 words
 このほかに英作文問題が3題ありますので、それは50回読んでいます。
 4(日/週)30 words×4週×9か月=4,320 words

 「11,520+4,320=15,840 words」となります。高校英語教科書が3年間で約13,500 wordsですから、それよりは少し多いのですが、たとえば、ハラリ"Sapiens"に換算すると15,840 wordsはたった53ページ分です。
 分速150~180 wordsでの音読や180 wordsでの黙読には慣れますが、分量は本当に少ないのです。語彙も日常会話のごく狭い範囲のものです。それでも、限定された範囲の語彙でできた文章を読めて、書けることは重要です

 スキーマという概念があります。これからそういう用語を使って説明するので、定義を書いておきます。

「スキーマとは,過去の経験や外部の環境に関する構造化された知識の集合である。長期記憶に貯蔵されている,出来事,行為,事物などについての一般的知識のことをいう。スキーマの概念はバートレットBartlett,F.C.(1932)によって心理学に導入され,その後多くの研究者によって展開されてきた。「心理学事典」から一部引用」」

schema /ˈskiː.mə/ noun [ C ] plural schemata specialized

a drawing that represents an idea or theory and makes it easier to understand 
(考えや理論を表し、それを理解しやすくする線描画)

 スキーマには本からの知識だけでなく、経験から獲得した知識も含まれています。日本人なら、漫画の本からテレビ、映画、ニュース、SNS、周りの人との会話、趣味や娯楽の範囲のもの、あらゆる雑多なものが含まれるということです。
 そうとらえると、英語を母語とする人々が持っているスキーマを普通の日本人がもつことは不可能に思えます。ネイティブの20歳がそれまでに積み上げてきた周囲の人々との会話もスキーマに含まれていますから、日本人の20歳が同じ量の英語での会話を持てるのかと経験できるのかと考えただけでも、無理があります。子供のころから海外で育てば別ですが、そうすると日本語のスキーマが貧弱になります。そういう海外帰国子女を数人見ました。日本語での授業に支障のないバイリンガルも一人だけいました。慶応女子高校へ進学しています。ほんとうに珍しケースです。だから、1日24時間しかなく、日本語の会話の量と同じだけ英語での会話を、普通の能力の日本人の子供が、スキーマとしてもつなんてことは不可能ではありませんかね。
 9か月間、英語音読トレーニングを積み重ねても、普通の能力の日本人がネイティブのスキーマと同等のものを作り上げることは不可能と断言していいでしょう。単行本でわずか60ページに満たない量を全部身につけて、読み書きできたとしても、砂浜にある砂の量と掌に載っている砂粒を比べているに等しいのです。

 でも、わずかの量でもそれを百回繰り返すことは、日本語のスキーマにごく微量の英語のスキーマを付け加えることにはなります。とりあえずはそれで十分ですよ。日本で暮らしている日本人が、ネイティブの高校生並みの速度で音読や黙読できるだけでもすごいことなのです。わたしたちは日本語の本や新聞はスラスラ読めるのですからね。

 夏目漱石は漢学の素養がありますから、中国語のスキーマをもっていました。英国留学で自分の身長ほどもノートを書き溜めていますから、英語のスキーマもかなりの量になったでしょう。三つのスキーマをスィッチングしながら使い分けたのか、それともそれらが融合した結果なのか、彼独特の文体やユニークな漢字の使い方が文章スタイルに現れています。「六つかしい」なんて当て字が出てきたときにはのけぞりました。
 システム工学では、3~5に物事を分類します。6つになるときには階層構造に分割します。6つになると「六つかしい」のです。(笑)
 
 英語を母国語とする人たちと同等のスキーマが必要なのは、英語の専門家と同時通訳くらいなものです。それは専門家にお任せ。普通の学力のわたしたちには必要ありません。
 本を読む速度とリスニングはできれば150~180 words/minくらいは欲しい。その程度なら、たった9か月間かけてNHKラジを英会話でトレーニングしたらいいだけです。


 今度は、トレーニング時間量を1.0倍速(120 words/min)で計算してみます。ダイアローグは40秒で読まれていますので、
 40秒×100回×4日×4週×9か月=576,000秒=160時間
 NHKラジオ英会話は15分ですから、音読だけでなくそれも聞く時間が必要です。
 15分×4日×5日×4週×9か月=10,800分=180時間
 あわせて、340時間です。

 最近は平均すると1.3倍速で音読やシャドーイングしてますから、「対話文60回音読+英作文3題50回音読+英作文問題練習3題」で合計55分くらいですから、月に30日とすると30時間弱/月です。9か月間では約248時間となります。

 夏休み+冬休み+春休み=60日

 このうち50日間を音読トレーニングに当てるとすると、1日1時間として、7年間かかります。だから、春・夏・冬休み以外の305日は毎日10回・10分間音読トレーニングしたほうがいいですね。それで年間50時間稼げますから、合計で年間100時間です。のんびりやっても2年半で15,000回音読達成できますよ。小5から音読トレーニングできたらいいですが、中学校の3年間だけで15,000回クリアできます。高校入試のときには150~180 words/分の速度で日常会話文が読めるようになっています。都立高校入試標準問題なら満点に近い得点が可能になっています。もちろんリスニング力も音読トレーニングの副次効果でしっかり強化されてます。

 並行して発音トレーニングも試してください。リスニング力が飛躍的に伸びますから。弊ブログ#5257と#5256で理由と具体的な方法を紹介しています。

 時間があれば、日本語訳の方から英文を生成してみたらいいのです。そのまま英作文トレーニングになります。わたしは時々やっています。「読み・書き・そろばん(計算)」は基本スキルです。

 中高生のみなさんは、数学も勉強しないといけないし、日本語の運用能力を磨くために日本文学も百冊ぐらいは読んでおいた方がいい。論説文も新書版のものを高校卒業までに50冊ぐらいは読むべきです。日本語読解力と作文力があらゆる科目の基礎です。教科書は日本語で書かれていますよ。読んでスラスラ理解出来たら効率よく勉強できます。「読み・書き・ソロバン(計算)」速度が標準の2倍なら、あなたは一日に48時間あることになります。学習時間は、「読み・書き・ソロバン」の速度と精度を上げることで、自分で生み出せるということ

 もうすぐ夏休みです。今年の夏だけ、英語の音読トレーニングをしてみませんか?高校1年生で英検準1級合格を目標に勉強してください。準1級は語彙範囲が広いので、英字新聞や興味のある英語の本をそこそこ読む必要があります。高校1年生で英検準1級にチャレンジできるぐらいなら、大学入試共通テストの英語で190点超とれるでしょう。数検も高校1年生で準1級にチャレンジしましょう。小4からやればそんなにハードル高くありませんよ。
 ところで、NHKラジオ英会話で音読やシャドーイングを15,000回やれば、日常会話の多い映画なら台詞がずいぶん聞き取れるようになります。
 でも、音読の方は上達している気がしませんね。お手本のダイアログは、プロのナレーターが読んでいるので、とっても臨場感がありますが、それがコピーできません。お話にならない。ナレータがうますぎます。

<余談:会話文音読の限界>
 NHKラジオ英会話はダイアローグ(対話文)ですから、語彙の範囲が狭いのです。そして会話文ですから書き言葉に比べて、文章が簡単です。頻用表現を百回音読でスキーマに次々に放り込めばいいだけ。
 だから、ハラリの”Sapiens”のような人類史に関する本は読めるようにはなりません。人類史や宗教や経済学に関する周辺知識と語彙が必要です。書き言葉ですから、修辞法も凝った文章が時々顔を出します。高校2年生の授業で採りあげたときはチョムスキーの生成文法を使って解説してました。
 こういうレベルの本を50頁精読すると、英文の読解力が大きく伸びます。

 わたしは経済学の専門家ですから、経済学の専門書は読めます。管理会計や会計情報システムに関する専門書も仕事で使っていたので、読むのに不自由がありません。システム工学関係も仕事で最先端の開発をしていた時期があるので、英語の本で最先端情報を吸収していました。仕事で必要で、翻訳が出るまで待てないのです。製薬メーカーと医学関係も検査試薬の共同開発をしていたことがあるので、この分野の専門雑誌群も辞書を使いながら読めます。
 ジャパンタイムズは十数年間読んでました。英字新聞記事は少なくとも経済学部卒の専門家が書いているので、たとえば、経済なら経済学の専門用語に不案内だったり周辺知識がないと理解できません。(それもスキームの一部なのでしょう)

 一例を挙げておきます。大学3年生の時に外書講読授業を履修したのですが、土曜日の授業で、テクストは前日の金曜日の英字新聞「ディリー毎日」の社説でした。固定相場制が揺らぎ始めていたときで、経済関係の社説が多かった。ある日、M大学院英米文学研究科卒の先生はforeign exchange rateを「外国交換比率」と訳しました。もちろん、意味が分かっていません。「外国為替相場」と訳すべきなのですが、彼の語彙にはなかったのでしょう。そんな誤訳が毎回頻出してました。専門用語や周辺知識がないと翻訳は無理なのです、そう、スキーマが問題になります。だからこういう記事は商学部や経済学部などの学生の方が精確に読めるんです。

 専門分野はそれぞれ専門用語を1000~5000くらい覚えてしまえば小説よりも簡単になります。わたしにはアガサ・クリスティーの"AND THEN THERE WERE NONE"の方がよほど難しい。小説ですから、書き言葉が多くて、ラジオ英会話にはお目にかかれない語彙が頻繁に出てきます。(笑)
 この小説の朗読CDは分速173 wordsです。かなり速くて、最初のうちは0.8倍速でないと聴き取れませんでしたが、NHKラジオ講座英会話で1.5倍速(180 words / min)で高速音読とシャドーイングしたら、ずいぶん聴き取れるようになりました。



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