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#4948 ベトナム人技能実習生の死体遺棄事件と立法の趣旨 Mar. 24, 2023 [8. 時事評論]

 ベトナム人の技能実習生レイティ・トゥイ・リン(24)が昨年11月に、双子の子供を産んだが死産だったという。遺体をダンボール箱に入れて放置したので、死体遺棄罪で逮捕されて裁判になっている。

 死体遺棄罪は日本の分化とか伝統的な価値観や宗教感情を前提につくられた。一般人の宗教的感情に反する行為だからこそ、死体遺棄の罪に問える。ベトナム人の技能実習生は日本に来て1年余だから、言葉もままならぬし、相談する相手もいなかったので、死体遺棄罪に問えるのかというのが裁判の争点になっている。ベトナム人技能実習生を死体遺棄罪に問うのはこのような立法の趣旨に反するのではないかという疑問がある。
 被告は遺体をタオルでくるんで丁寧に扱ったと主張している。

 まことに不幸な事件で、被告に同情を禁じ得ない。技能実習生の受け入れにはこのようなことについても細心の注意を払わなければならないが、技能実習の受け入れ監理団体は給料のピンハネばかりしていて、こういう相談に乗っていないことも明らか。技能実習生受け入れに関する法律を改正する必要があるのではないだろうか?
 たとえば、50人以上の技能実習生のいる監理団体には、50人ごとに実習生たちの言語を話せるコンサルタント要員を一人置くという風に。

 今日判決が出るらしい。どのような判決が出るのか注目したい。


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ebisu

朝日新聞デジタルニュースから抜粋転載
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 死体遺棄容疑での逮捕から、2年4カ月。全国から集まった無罪を願う声も、リンさんや弁護団を後押しした。

 弁護団は昨年、最高裁に提出する意見をネットで公募した。国内外の出産経験者や産婦人科医らから、「(有罪とするのは)理不尽だ」などとする127通の書面が集まった。

 意見書を送った一人で、2~8歳の3人の子を育てる神奈川県の渡辺小百里さん(36)は、無罪判決を受け「本当によかった。意見が少しでも判決に反映されたと信じたい」と安堵(あんど)した。

 緊急帝王切開の末に出産した経験から「孤立出産で死産なら、リンさんはなおさらつらかっただろう」と考え、死産時の母親の心身をきちんと理解してほしいという意見を書いた。

 「リンさんだけでなく、すべての女性に関わる問題。孤立出産前に支援の手を差し伸べられる社会であってほしい」とも話した。
by ebisu (2023-03-24 21:39) 

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