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#4616 市立根室病院「経営改善を」:画期的な監査意見 Sep. 17, 2021 [31.市立根室病院経営改革メモ]

<最終更新情報>9/18朝8:40 <余談-2>追記

 3月14日の北海道新聞16面から。
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根室病院「経営改善を」
 監査委員、市に意見書
【根室】市監査委員は、2020年度の各会計決算に対する意見書を市に提出した。市立根室病院の病院事業会計決算について、以前として一般会計から多額の繰入金があることから「スピード感をもった行動力で経営改善を」と求めた。
 意見書は中本明代表監査委員と波多雄志監査委員が9日、石垣雅敏市長に手渡した。
 病院事業会計は4100万円の黒字となったものの、一般会計から15億6700万円(19年度比8900万円減)を繰り入れている。新型コロナウィルスの感染拡大の影響で入院患者数、外来患者数とも、前年度比10%減となり、医業収益は同8200万円減の29億円となった。「早期に『市立病院新改革プラン』を作成し、持続的かつ安定的な医療体制が構築されるよう望みます」との意見がついた。
 一般会計についてはふるさと納税が「貴重な財源」になっている一方、経済の長期低迷は人口減で「市税収入は多くを望めない」と指摘。産業育成や企業誘致などによる安定的な雇用の拡大を求めた。水産業の養殖放流事業にも「多くの予算が使われているが、放流後の資源管理は現状でよいのか」と疑問を投げかけた。(武藤由美)
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 公的会計基準では4100万円の黒字だが、民間会計基準で損益計算書を組みなおしたら、15.2億円の赤字と言うこと。もう何年も前から繰り返し弊ブログに書いているが、市の広報では民間会計基準で作成した損益計算を公表すべきだ。黒字だと市の公報に記載したら、市民は病院経営が本当に黒字だと誤解してしまう。実態は年間15-16億円の赤字をつづけているのだ。広報には誤解を生まないように、民間会計基準でほんとうの姿を載せるべきだ。
*「#2922「広報ねむろ1月号」市立根室病院決算を斬る」」

 もう何年も前のことになるが、中小企業家同友会が弊ブログが市立病院が15億円も赤字だと嘘を言っている、市の広報では黒字だと元病院管理課長である市議の本田さんへ病院決算の解説を依頼したことがありました。
本田さんは資料を作成して、中小企業家同友会で講演をしてます。それで、中小企業家同友会は市立病院が年間15-16億円の赤字であることを知ったはずですが、その後何の発言もない。根室の企業家として、そして経済団体として、市政に対して言うべきことがないのですか?
  中本明代表監査委員がこのことを監査意見で明記したのは2度目です。市政に物申すと周りからいろいろ言われるのが根室の常、それを承知で中本さんは書いています。
 このことからわかるのは、中小企業家同友会の主要なメンバーは、市立根室病院の決算資料を独力で理解する専門知識や学力がないということです。そして市側に不都合な事実にはいつでも目を瞑りだんまりを決め込むということです。じつに情けないとわたしは思います。
 根室市内の中学生の学力は、残念なことですが、釧路根室管内で最低です。最低なのは子どもたちだけではなさそうです、地元企業家の経営や財務に関する専門知識や学力もまた相当に低そうだということ。学生時代も碌に勉強せず、社会人となってからも研鑽を積まず、地元企業家同士が集まって閉鎖的な集団を形成しているから、日本標準経営からのズレも感じられず、視野狭窄に陥るのです。それを「オールねむろ」と自称しています。
 中学生の学力では根室市は別海町に大きく水をあけられていますが、企業家や教育長を見ても同じことが言えます。FB上でTさんや眞籠元教育長と議論することがあります。しっかりしてます。考え方のしっかりした大人のいる町は子どもたちの学力も高くなるようです。釧路の教育長も、最近市議会でいいことをおっしゃっています。昨日の釧路新聞に掲載されているのであとで弊ブログで採り上げます。教育行政という点でも、根室は釧路市や根室管内の別海町に大きく劣っています。それが、結果として子どもたちの学力テストの平均点に現れてしまっています。
 中学3年生の学力の現状をデータでご覧ください。
*#4099学力テスト総合A18校科目別データ比較 Oct.11, 2019

 中小企業家同友会の有力メンバーが市の予算から毎年「支出」を受けているからでしょうね。持ちつ持たれつなのでしょうが、一市民という立場から見るとひどい話ではありませんか?
 市の予算と密接な関係があるのは商工会議所も同じですよ。水産業界も同様。もちつもたれつ、根室の地元経済界は、市政批判を一切口にしない。「オール根室」なんて自称していますが、中身はこういうことですよ。
 市議会も同じです。根室の地元経済諸団体は根室の未来なんて考えていません、自分たちの既得権益を守ることと、市政を恣意的に利用することだけしか関心がなさそうに見えます。
 しかしね、そんなことをしていたら、経営体質の変革なんてできっこない、そんな地元企業は地元の若者から見棄てられます。

 このように、一部の地元企業とその集まりの経済団体が市政ともちつもたれつだから、市立病院経営への批判も、経営改革への提言もまるで起こらない、その結果どうなったか?市立根室病院の赤字は2013年1月に建て替えられてから毎年15億円以上の赤字を続けており、一向に改善されません。建て替え前は8-10億円の赤字でした。市側の試算では建て替え後の赤字は最大値で11億円と計画上はなっていました。担当部署がいい加減な数字合わせをしたということです。
 市議会文教厚生常任委員会でも市立根室病院の巨額赤字が取り上げ検討されているという話を聞いたことがありません。改善不可能ならしかたありませんが、改善できますよ。具体策を議論すべきです。7年間で100億円も赤字が出ています。事実を知って、しっかり対策する、それが根室っ子の心意気というものじゃありませんか?

 ふるさと納税制度がなくなれば、地域医療が維持できなくなります。仕事中に亡くなった財政課長のKさんがとても心配していました。

 ふるさと納税制度は悪法です。住民税を都会から吸い上げ特産品のある地方へ流しているだけ。それで「ふるさと納税」をした人はタダで特産品を手に入れられるという、実態は合法的脱税です。このようなカラクリで、住民税が特産品購入代金と諸経費に4割くらいも消えてしまっています。
 菅氏の提案だったが、かれは間もなく総理大臣の座を追われます。反対していた総務官僚を左遷してまで強引に導入して今に至るまで続いていますが、ふるさと納税制度は遅かれ早かれ廃止が検討されるでしょう。いまのうちに、赤字額を5億円程度減らしておかないと、間に合わないことになりかねません。

 赤字を5億円程度減らせば、市側の実質負担は1-2億円程度です、残りは国からの補填で賄えます。その具体的な方法は弊ブログでなんどか述べています。

 市の代表監査委員の中本明は根室高校同期です。元大地みらい元専務理事、監査委員としていい仕事してくれてますね。彼がこういう意見書を書いたのは2度目です。四年前にも同じ趣旨の監査報告書を書いています。市側は前回は監査報告を無視しています。今回もそうするのでしょうか?
 市議会がフォローすべき事項ですよ。そんなこともできないから、市議定数をさらに削減すべきという声が市民の間に上がるんです。中本さんの監査意見をバクアップする市議が数名現れてもらいたい。
 中本さんは、余計な忖度なしないで、代表監査委員として書くべきことを書いた。根室高校同期にこういう人材が居てうれしい。

*3606市立根室病院事業会計監査に関する意見書」

*3230市立根室病院事業会計「基準外繰入金」につい

<余談:北海道新聞根室支局に敏腕記者アリ>
 いい記事ですね。市立病院の決算データを精確に読み込み、適切なコメントを書ける記者が配置されたのはもう十数年ぶりでしょうかね。武藤由美さんとおっしゃる。偉いね、素直に褒めます。額面通りに受け取ってください。

<余談-2:地域医療を支える医学部進学者を毎年出す方法>
 長期的な観点からは、常勤医を増やすことが収益改善の重要なポイントである。根室高校から毎年医学部進学者が出たら、その内の何割かは根室へ戻ってくる。市立根室病院は給料が高いので大きなインセンティブになる。子どもの教育問題を解決してやったら、根室出身者でなくても30代や40代の医師が根室に定着するだろう。
 国立医科大学の授業料は6年間で360万円で、文系私大よりも安いから、金銭面では大きな問題がない。今年、国立旭川医大に根室高校から現役合格者が出ている。小中高と根室で学んだ生徒が国立医科大学へ進学した初めてのケースである。やり方は弊ブログに書いてある。この生徒は小5の1月からニムオロ塾で勉強し始めたので、高2、高3の2年間、きつかった。しかし、小4からスタートすれば、もっと余裕をもって合格できる。1年9か月早い、小4の四月からのスタートなら、札医大や旭川医大や北大医学部へ根室から毎年数名の進学が可能だ。
 そういうレベルの生徒は年度によってもばらつきがあるが、毎年2-5人いる。もう少しわかりやすく言うと北大総合理系以上の難関大学へ合格できる資質をもった子どもは1学年にそれだけいるということ。具体的なやり方を知らず、そういう生徒たちを育てそこなっているだけ。肝心な点は受験勉強を小4の四月からスタートさせること。
 わたしは具体的なやり方を示し、生徒とともにやって見せた。記録も弊ブログに残してある。わたしがニムオロ塾をやめても、誰かが真似してやってくれたらいい。似たような環境と教育システムを、根室の大人たちが知恵を絞って根室の子どもたちに提供してあげたらいい。地域医療の核を担う人材群は教育に関係する大人たちが協力すれば創れるのである。地域医療を担いきる具体的なやり方は授業の合間に教えてある。30年長期プログラムはすでに動き始めた。ここまで持って来るのに7年を費やした。
 でも一人ではたいへんだ、30年間で十数人いれば、根室に盤石な地域医療が保障できる。


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#3570 中標津町立病院は年間15.2億円の赤字: 根室は? July 22, 2017 [31.市立根室病院経営改革メモ]

<更新情報>
7/23 朝8時25分 <余談-1:地域医療とebisuの人材育成>へ追記
7/24 朝8時35分 <余談-2:「読み・書き・そろばん」>へ追記
7/26 朝8時30分 <余談-1>へ「日本的情緒がこころのセンター」を追記
7/27 朝8時10分 <余談-2>へ追記 「構造化数値シミュ
レーション」

  北海道新聞7月22日の根室地域版にお隣の中標津町の町立病院赤字問題が載っていた。
  中標津支局の古谷記者さん、地域医療の現実問題とそれに真正面から取り組む中標津町民を取材したいい記事だね。よい比較材料だから、根室支局の記者さんも市立根室病院の経営問題をとりあげてもらいたい。継続して両方の支局でとりあげ、シリーズ記事になれば中標津町民にも根室市民にも、そして両方の公立病院経営改善にも役に立ちそうだ。
  地域医療がどうなるかは町の未来にとって大きな問題である、関心を失ってはならない。

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  町立病院 利用実態把握へ
    中標津 町民アンケートを実施
      町議会特別委 運営委員と懇談

【中標津】町立中標津病院の財務改善や医療スタッフの安定的確保に向けた調査を行う、「病院の近未来を検討する特別委員会」(鈴木克弘委員長、7人)は21日、町役場で第4回の会合を開き、町の諮問に基づき病院経営に提言する町民らでつくる運営委員会のメンバーと懇談した。
 同病院の経営は厳しく、2016年度には町の一般会計から15億2856万円を繰り入れている。鈴木委員長は6月に西村譲町長や丁子清院長と懇談し、常勤医の不足や病床利用率の低迷など同病院が現在抱える課題を確認したと報告。運営委員会の実施状況などの聞き取りを行った。
 運営委員からは「チェック機関である議会が経営改善に向け、厳しい目を向けることが必要」「病院の悪口をいうだけでなく、問題意識を共有することが大切」との意見が出た。鈴木委員長は「解決には時間がかかる」運営委員会を後押ししながら、町民間に病院を応援するという機運を高めていきたい」と述べた。
 特別委員会では、同病院の利用実態や要望を把握するため、町民向けにアンケートを実施する。アンケート用紙は町内会や商工会、農協などを通じ、随時配布される。8月中に集約し、実態把握や改善策の検討に役立てる。(古谷育世)
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  市立根室病院は建て替え後、年間17億円前後の赤字が出続けているから、毎年一般会計から赤字相当額を繰り入れて補填している。9月に市議選が行われるが、18名の現市議の一人(共産党)が引退、新人一人が立候補の予定だという。このままだと全員無投票当選になる。根室の停滞を打ち破る意志と気力のある若い人が3名ほど立候補してくれたらありがたい。
  求職活動中の若者も市議立候補を考えてみたらいかが?


<余談-1:地域医療とebisuの人材育成>
  病院問題をとりあげることがめっきり減ったので、コメント欄で読者の一人から数か月前にお叱りをいただいた。もっともだと思うが、すこし弁解をしておきたい。
  ebisuはふるさとのためにいまできることをやろうと思っている。年間5億円程度の赤字縮小なら、必要な権限があれば可能だったかもしれない。10年で50億円だから長期的に考えれば少なくない。4種類の業種5社の経営改善を経験しているが、その都度やり方が違っていた。現場に入って見れば何をどうすれば経営改善ができるのか自然に具体策が見えくる。仕組みややり方を変えることで赤字会社を高収益会社にできたケースがほとんど。赤字会社は赤字になるような仕組みややり方で仕事をしている。ようするに経営のやり方がまずいのである。ダメな会社に共通するのは具体的なビジョンのないこと。そしてビジョンを実現できる複数の分野に専門知識をもつ仕事人がいないこと。結果を出すのに三年以上かかったことはないから、機会があれば協力しようかと思ったこともあったが、こういう仕事はもう体力的に無理、時間切れである。だから、病院経営問題への興味が薄れそして発言が減った。問題を指摘するときは、その解決の具体策も同時に考えることにしている。故郷に戻って15年目、齢を重ねることで守備範囲が狭くなった、みったくないから無理はしない。
  現在の仕事は塾稼業、地域医療に関しては看護専門学校や薬学部、医学部進学希望の生徒を育てることで故郷における自分の役割を果たすことができたら幸せと考えるようになった。
  安定した収入が得られるから看護専門学校志望の生徒は途切れることがない。看護専門学校へ奨学金制度(根室市条例)の充実(月額10万円×36か月)のお陰で、看護学校への進学を薦めやすくなった。根室高校から看護専門学校へ進学する生徒は毎年15名ほどに増え、そのうちの1-3割は戻ってくるだろうから、市立根室病院は正看護師の不足に悩むことがなくなった。
  運のよいことに、医学部進学希望の生徒を三年半前(2014年1月4日)から指導している。中3の現在も学力は順調に伸びており、最近の定期テストでは五科目合計点493点をとった。初体験だった四月の300点満点の学力テストは270点に少し足りなかったがこんなもので十分だ。難易度の低い北海道の学力テストでこれ以上点数を上げる必要を感じない。学年一番にこだわるなと言い続けてきたが、本人はどうしても気になる様子で、中学校の定期テストと学力テストはずっと学年1位を続けている。田舎の中学校で学年トップをとることにさしたる意味はなく、最難関大学医学部受験に焦点を絞って勉強させたいのだが、頑固な生徒でebisu先生は手こずっている。(笑)  わたしは首都圏での自分の経験と最適と思う教育戦略にもとづいて指導するが、指導を受ける側の生徒にも自分の考えや意地がある。そういうわけでぶつかるのは仕方がない。摩擦を起こしながらその都度折り合いをつけている。
  国立難関大医学部への進学には小4から勉強をスタートするのが標準的教育戦略である。そういうスケジュールから見るとこの生徒はスタートが2年遅れた。しかし、頑張って遅れを取り戻しつつある。
  現在、数学はセンターレベルの数1問題集をやっており、首都圏の中高一貫進学校とほぼ同じ進捗状況だろう。高校2年生で数Ⅲを終了するスケジュールだ。まだずいぶん先のことだが、高校最後の1年間は難関大学受験用の問題集や視野を広げるためにそれをすこし超える大学教養レベルのテクストで好奇心のままに学習したらいい。
  英語は高校受験用の問題集を夏休み中に終了する予定で、そのあと高校教科書3年分を9-12か月で消化する。並行して中級レベルの英文法問題集「Grammar In Use」をやらせるつもり。そのあとは、ジャパンタイムズの面白そうな記事を選んで一緒に読むことになる。量をこなさなければ読めるようにならない。
 日本語音読トレーニングは13冊目で、レベルを上げて福沢諭吉『福翁自伝』を使用している。それが終われば和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』、哲学書である西田幾多郎『善の研究』を読むことになる。中学生全員が対象だったが、自分が中高生ならこういう授業をしてほしいというところに焦点を合わせてやる補習授業に2年前に切り替えた。ところで、この生徒の弱点は、文学作品や短歌や俳句を読んでも、言葉から情景が浮かんでこないことである。こころのセンターには情緒があるが、この生徒の心のセンターには日本的情緒が希薄に見える。どういうことかというと、「古池や カワズ飛び込む 水の音」「枯れ枝に 烏の止まりたるや 秋の暮」という句を読んでも、「それがどうしたの?」となる。こころのセンターに日本的情緒が希薄になっている生徒が増えているように感じる。こういうタイプは、文学作品や短歌、俳句を読んでもこころの琴線に触れるものがないので感動も好奇心も生じない、したがってこういう作品を読んで楽しむということがない。古典講読が弱点になるので、ほうっておいたらセンター試験の国語で90%超の得点は無理、なんらかの対策が必要となる。いまのところ打つ手が見つからぬ。読ませてもつまらないし、問題集を解かせても苦痛になるだけ。「子曰く、これを知る者はこれを好むものに如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(『論語』 子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者)。国数英、三科目すべからくこのようにありたいものだ、さて、どうしたものか?
(日本人のこころのセンターに日本的情緒があることは藤原正彦『国家の品格』の「第四章 情緒と形の国、日本」「第六章 なぜ情緒と形が大切なのか」や大数学者である岡潔先生の著作を参照。数学研究の鍵も日本的情緒にあり、同感。)
  読書速度を2倍、読解力を2倍に引き上げることができれば、標準的な受験生の1/4の時間で半分くらいの科目が学習可能になる。だから音読トレーニングで学力全般が上がらないはずがない、当たり前のことをやっている。
 来年高1になって7月の進研模試で国・数・英の三科目でそれぞれ80%超が当面の目標だ。それをクリアできれば、3年次にはセンターレベルの難易度なら三科目とも90%を超えるだろう。
  最難関の大学医学部へ60%程度の合格率までもっていけたら、どこを受験するかは当人次第。根室の医療の三十年後は、優秀な生徒たちをいまどのように教育するかで大きな部分が決まるのではないか。
  20年後にどのような構想で地域医療の充実に挑むかも、授業の合間にwhat if question で伝授できたら面白い。この生徒が根室やその周辺の地域医療を変える大きな構想を温めていたら実現できるチャンスがいつの日か訪れる。地域医療の未来にいままでにはなかった選択肢を20年後に一つ残すためには…わたしが故郷でこの数年のうちにやっておくべきことが見えてきた。

  自分が納得のできる仕事をすること、誇りのもてる仕事をすること、生き甲斐をもって仕事に取り組むこと、仕事の手を抜かぬこと、それがプロではないか。そこへ日々近づけたら嬉しいが、理想と現実に大きな距離を感じながらの精進。最近は体力の衰えから脳のスタミナが短時間で切れ、限界を感じている。齢をかさねるとどこかで体力の範囲内で勝負せざるをえなくなる。

<余談-2: 「読み・書き・そろばん」>
  最近2か月間に学習意欲の高い中学生が3人入塾した、どれほど化けるか楽しみだ。6月に入塾した二人は期末テストで苦手だった数学で実績を上げ、数学に自信がついたようす。よかったね。
 先週入塾した生徒はスタミナがありそうだ。12月に入塾した珠算3段の中2の生徒と『語彙力こそが教養である』をテクストに隔週の音読トレーニング授業を受けている。これは1時間半ノンストップだからかなりきつい、気持的には気が抜けないから「格闘技」である。並行して毎週20分ほど『福翁自伝』の音読トレーニングにも参加している。
 基礎学力を上げるにはこのように迂回したほうがいい。「読み・書き・そろばん」の「読み」のスキルを上げるには音読トレーニングの効果が高い。音読スキルがアップすると国語と社会科の点数がはっきり上がる。読書スキルとこれらの間に何か因果関係があるのだろう。
  計算スキルは「読み・書き・そろばん」だから、文字通りそろばんが一番効果が高い。根室高校から東大現役合格を初めて果たしたY田さんは高校時代に商工会議所珠算能力検定1級に合格している。Y田さんのお父さんは根室支庁長から根室市長となった人である。
  ebisuも高校時代に日商珠算能力検定1級に合格しているから、計算は抜群に速いし、数字のセンスもよいほうだ。高校2年の時には半分の時間で合格点をとれた。小学生にはそろばんを習わせたらよい。日商珠算能力検定1級の問題を半分の時間でやれたらおそらく全珠連3段相当だろう。ebisuよりも5歳年下の女の子たちは数人全珠連5段がでている。根室の珠算は曙町の高橋珠算塾塾長が全道トップレベルに育て上げた。わたしはその塾で2番目の日商1級合格者であった。社会人になってから経営管理で暗算スキルがたいへん役に立った。What-if Questionで3ケタの概数で経営シミュレーションを暇ができると頭のなかで頻繁に繰り返していた。数字が関連をもって頭のなかに配置され、どこかの数字が動けば関連する数字を書き換えていく、暗算だからいつでもどこでもできる。あるていどまとまると、紙やホワイトボードに書きだしてKJ法方式で相互の関連を確認した。頭のなかをホワイトボードに書きだし、対象化することであらためて気がつくこともある。ここまでやっておけば、具体的な実行プランを PERT chart に展開できる。システム化に伴う実務設計もそれによって浮く人員の使い方も、新規事業に必要な投資や人員の手配もこうして日常的に頭のなかで繰り返される構造化数値シミュレーションに支えられていた。
こうした数値の構造化は事業部単位や部門単位の予算編成管理を20代のころから責任者として経験させてもらったことやKJ法や PERT chart に習熟したために起きた干渉現象だったのかもしれない。ある程度の規模の会社の予算編成は「全社⇒事業部門⇒部門⇒課・営業所」などの組織構造を反映して構造化されているので、予算編成、予算管理、月次経営分析、四半期経営分析、半期経営分析、年次経営分析、5年間年次経営分析、長期計画などの実務を担当することで、自然にそうした思考パターンができあがっていったように思える。産業用・軍事用エレクトロニクス輸入商社のセキテクノトロンでさまざまな管理手法を開発した。25ゲージ、5つのディメンションで構成された経営分析レーダ・チャートは1979年にHP97とHP67を利用して開発した。25項目の経営分析指標をベースに総合偏差値を計算して経営評価のできるシステムである。この経営分析システムはSRLでは1991年に子会社経営管理に役に立った。79年に開発したシステムをEXCELに乗せ換えたのである。これでレーダ・チャートを手描きする必要がなくなった。各社の経営総合評価が総合偏差値で可能であり、それを5つのディメンションと25項目に分解できるから、目標管理にも使えた。SRLは1984年に中途入社早々から上場準備の統合システム開発と全社予算編成・管理を任せてくれた。仕事があってこそスキルや能力が伸びる。異質な仕事を同時にやるのが能力開発に効果的だったように思える。
  こうした仕事のスタートは根室高校の部活予算編成と部長や副部長を呼んでやった予算折衝だった。当時の生徒会会計は予算編成と帳簿の記帳、決算実務を一人で担当していた。2年生の秋に次年度の予算編成作業がはじまる。交渉相手は1年先輩の各部の部長と副部長、よいトレーニングになった。その延長上に数十億円規模や数百億円規模の企業の予算編成・管理実務があった。規模が違ってもわたしには同じに見えたから、仕事を任されるたびに古巣へ戻ってきた気がした。産業用エレクトロニクス輸入商社統合システム開発と並行して予算編成管理・経営分析をしていた期間が5年、SRLでは最初の2年間やはり上場準備の統合システム開発と並行して任された仕事である。20代、30代はいくらでも仕事ができる。やり方を変えればルーチンワークの仕事量は業務によっては1/100、全体で見ても1/3以下にできるものというのがわたしの実感である。だから、仕事で「忙しい」と言ったことはたぶんない。のめりこむので楽しい。のめりこめずにブツブツ不満をつぶやいたり言い訳に終始する人が気の毒だった。
  年商1000億円の会社なら億円単位でのコントロールでしっかりした経営管理ができる。事業部別や部門別予算管理も3ケタの精度で必要にして十分である。年商100億円なら1千万円単位でOK、年商10億円なら百万単位のシミュレーションで経営管理ができる。上場会社の経営管理はおおむねそれくらいの精度でなされている。


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<最近音読トレーニングで読んだ本3冊>

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/20
  • メディア: 新書
日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/03/01
  • メディア: 単行本
語彙力こそが教養である (角川新書)

語彙力こそが教養である (角川新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 新書
  音読授業ではとりあげなかったが、『国家の品格』を読み終わった後に、『世にも美しい数学入門』をあげた。好奇心をくすぐる良書であるから、数学が好きな生徒諸君にぜひ読んでもらいたい。

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/04/06
  • メディア: 新書
  大数学者岡潔先生の『春宵十話』は中学生にはちとむつかしいが、数学好きな生徒におススメします。

春宵十話 (角川ソフィア文庫)

春宵十話 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 岡 潔
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2014/05/24
  • メディア: 文庫



<これから音読トレーニングで読む予定の本>
  気が変わるかもしれません。
  最初の本だけ、音読トレーニング現在進行中。


新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/10
  • メディア: 文庫
古寺巡礼 (岩波文庫)

古寺巡礼 (岩波文庫)

  • 作者: 和辻 哲郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/03/16
  • メディア: 文庫

この辺り(『風土』)から、たぶん普通のレベルの理系大学生の手に負えなくなります。ハイレベルな読解能力を必要とします。

風土―人間学的考察 (岩波文庫)

風土―人間学的考察 (岩波文庫)

  • 作者: 和辻 哲郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/05/16
  • メディア: 文庫

  これは哲学書ですから、西洋哲学の周辺知識が必要です。思考力や読解力を研ぎ澄ますトレーニング材料と思えばいい。

善の研究 (1979年) (岩波文庫)

善の研究 (1979年) (岩波文庫)

  • 作者: 西田 幾多郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/10
  • メディア: 文庫

#3230 市立根室病院事業会計「基準外繰入金」について Feb. 5, 2016 [31.市立根室病院経営改革メモ]

 市長が病院事業基準外繰入金について答弁拒否をしたと#3227へ投稿がありました。「基準外繰入金」なんて、なんのことかわたしたち一般市民には理解不能と思えるので解説します。

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世の中が「負の連鎖」が続いている

しかし根室の「負の連鎖」は深刻レベルになっている
議会が基準外繰入金の公開を拒否という答弁があったらしいです。
参考URL:http://nimuoro.lekumo.biz/honda/

ふるさと納税で全道2位という新聞報道があった。
約10億円近くの泡銭で何をするのか?
気になる?気になる!?気になる!!
by 相川始 (2016-02-05 08:00)
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 「議会が基準外繰入金の公開を拒否という答弁があったらしいです」、これは「議会で」ということでしょう、校正ミスだと思います。
 URLは本田市議ブログでしたが、該当の箇所を見つけられませんでした。市長が基準外繰入金の公開拒否というのは驚きですが、これは秘密でもなんでもありません。

 わたしは平成18年度の市立病院決算書がほしくて当時の市役所財政課を訪ねたことがあります。係長が出てきて決算書のコピーを渡してくれました。内容の確認をしたいので10分間ほど時間が取れるかと訊いたら、快く承諾してくれて、いくつかの質問に丁寧に答えてくれました。
(苗字に覚えがあるので尋ねてみたら、私の家の裏庭と係長の生家の裏庭がつながっていました、狭いものです。その後財政課長となり公務中に亡くなりました。根室に脳外科があったら助かったかもしれません。)
 以下そのときの質問を紹介して、以下平成18年度の市立根室病院事業決算書から基準外繰入金の解説をしたいと思います。

 医業収入には3項目あります。
 (1)入院収益 12億3368万円
 (2)外来収益 11億4944万円
 (3)その他医業収益 1億4446万円

 この三番目の「その他医業収益」が国庫基準外繰入金に該当します(企業会計基準でこういう項目を売上収益に含めて計上したら、粉飾決算と認定されます)。
 国庫基準外繰入金は、道からのものと根室市の一般会計からのものと2種類あります。
 医業外収益項目中からピックアップしてご覧に入れましょう。
 (2)一般会計負担金    3739万円
 (3)道補助費         109万円
 (4)一般会計補助金  7億4639万円

 国庫基準内繰入金と国庫基準外繰入金の両方を合わせても8.9億円にすぎません。これが実質的な病院事業の赤字額です。
 現在これが17~18億円(国庫基準内繰入金は9-10億円規模)に膨らんでいます。

 国庫基準内に赤字を減らせばいいと本田市議がブログに書いていますが、これはちょっと問題があります。国庫基準内補助金が基準が変更になり現在は9-10億円に膨らんでいます。国庫基準は随時変更があるので、これを赤字許容額にすることはできません。
 当面の目標として、平成18年度の赤字額程度に赤字削減をするというなら是認できます。長谷川市政以前に赤字額を縮小するということなら当面の目標として納得できます。

 繰入金の推移を見れば一目瞭然ですが、病院事業赤字額は長谷川市政の8年間で経営改善どころか真逆の結果を出し続けて、うなぎのぼりに増大しています。年間赤字額は2倍になりました。

 市の広報でも繰入金を病院の経常収益に参入していますが、こんなことを企業会計でやったら粉飾決算となります。公的会計基準による決算書は粉飾決算そのもので、こんな報告で企業の経営実態を判断できる市民は一人もいないでしょう。だから夕張市は突然に財政破綻したのです。民間会計基準での決算を義務付けていたら、夕張市の財政破綻はなかったでしょう。

 市議会がやるべきことは、民間会計基準で市立病院事業決算報告と経営改善目標値の公知(広報根室へ掲載)の義務付けを市議会で決議することです。そうすれば、すべてが明るみに出ます

 経営改善をするのに社員に決算データを隠す民間企業はありません。決算データを公開するところから経営改善が始まります。予算もそれぞれの部門に割り当て、内容を検討させて積み上げます。こういう当たり前のことを何一つしていないのが市立根室病院です。基本に忠実に仕事をすれば、それがそのまま経営改善になります。難しいことではないのです、当たり前のことを当たり前にやるだけでいいのです。ずっと市役所勤務で、経営改善の基礎知識も経験もない長谷川市長もまだいるのかどうかわかりませんがS参事にも荷が重すぎる仕事です。結果が証明しています。すなおにどうすればよいのか知識と経験のある者に訊けばよいのです。訊く度量すらないから赤字を減らすどころか、拡大し続けています。

 根室の企業は社員や従業員へ決算情報を公開していない企業がほとんどでしょう。そういう企業に未来はありません。決算情報を公開し、積み上げで予算を決めて、予算を達成したときの利益配分についても社員に約束をする。企業経営としては常識です。
 優秀な人材を確保したければ、市立根室病院も根室の地元企業も経営スタイルをあらためる必要があります。ずっと根室にいると時代から取り残されてしまっていることに気がつきません。

 浜中農協の石橋さんのように、浜中にずっといても時代の先端を走り続けている人がいます。
 根室の経営者にも札幌に何店お店を出し、東京丸の内にまで出店した花まるの清水さんという人もいるんです。清水さんは稲盛和夫の経営塾に飛び込みました。
 石橋さんと清水さんに共通しているのは一生懸命に学ぶ人であるということ。人生のある時期に一生懸命に学ばない奴はダメということ。



*#3227 毒を食らわば皿までも 日銀マイナス金利導入 Jan.30, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-01-30?comment_success=2016-02-05T09:14:10&time=1454631250


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<追記>11時55分

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ebisuさんへ

H議員の記録の中に

【市長答弁】
・当面の目標は基準外繰入の圧縮。
・現状、15から16億円くらいの繰り出しであるが、このうち基準外繰り入れは6億円程度である。
・管理者はこの6億円を限りなく0にすることを一つの目標として、この圧縮に取り組んでいるが、中々圧縮できない状況にある。
・当面は、3億円程度の圧縮を目標にしたいと病院の目標も受けている。
・ただ、市民にこのような状況をすべて知らしめることには良し悪しもあると考える。
・医師のモチベーションの問題等もあり、情報公開に関しては、管理者等と充分に連携を図り対処するよう努める。

とある。
圧縮の目標と情報公開に関して記載されています。
視点を変えると、医師のモチベーションを守るため、情報公開しないと言っているのと同じです。
by 相川始 (2016-02-05 09:29) 

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#2545 帰省した薬科大学生と飲む Dec. 29, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

 今日(29日)で中3の5日連続計20時間の冬季特訓が終わった。数学と英語、それぞれだいぶ点数を上げた者はうれしそうな顔をしていた。
 総合ABCの最高点と今回やった過去問5回の最高得点(数学)を比較してみたら、1人平均11点(60点満点)アップしていた。2月半ばまでに数英2科目で一人平均30点アップが目標値だ。
 やれば点数は短期間で上げられる。今回はできなかったが、きちんとトレーニングを重ねたらやれそうだとわかった問題にチェックをさせたから、これから5日間毎日復習して点数が取れるように努力せよ。1月4日から、復習の成果をチェックする。

 昨日、薬科大学の4年生が顔を出してくれたので、酒を飲みながら話しをした。かれは根室に戻ってくるつもりなのだが、市立根室病院の経営形態が定まらないと困る。雇用条件が不安定な企業に好んで就職するものはいない。
 地方公営企業法全部適用になると事業管理者を定めることになるが、現体制のまま権限を強めたら院内は滅茶苦茶になるだろう。
 3月に退職したK医師、6月にS医師が退職した、そして12月にはM医師が退職。わずか15名の常勤医師のうち三人が9ヶ月間に相次いで退職するのは異常であり、マネジメントがうまくいっていないようである。院長や参事の恣意的な病院運営に嫌気して辞めたという話が医師の間に広まっている。これでもオブラートに包んで書いているつもりだ、ebisuは根拠のないことは書かない。
 3月に結審した医療訴訟では病院側の全面敗訴で9千万円の賠償金を支払ったが、その原因はマネジメントにあったと新聞報道、北海道新聞だったか根室新聞だったか記憶が定かではない。

-------------------------------------

  この医療訴訟については弊ブログで取り上げた。
*#2258 地域医療をめぐって: お二人の方からのコメント Apr. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-09

 弁護士さんのブログでも当該医療事故訴訟をとりあげて解説している。
市立根室病院,血管内治療により出血し心タンポナーデとなって死亡した ...

medicallaw.exblog.jp/20296028/

2013/04/17 - 毎日新聞「根室病院医療過誤訴訟:入院男性死亡、根室市が遺族と和解 9080万円支払いへ」(2013年3月28日)は,次のとおり ... 同地裁は第三者の医師に鑑定を依頼し、「バルーンサイズの選択ミスで、止血方法にも問題があった」などとして  ...


  • 根室病院医療過誤訴訟:入院男性死亡、根室市が遺族と和解 9080万円 ...

    mainichi.jp/area/hokkaido/news/20130328ddlk01040230000c.html
    2013/03/28 - 根室市の市立根室病院に入院していた同市内の男性(当時54歳)が死亡したのは、 医師が心臓冠動脈からの... ... 額を上回った。 同病院は「医療事故はあってはならないこと。安全管理対策と情報開示を徹底したい」とコメントした。【本間浩昭】  ...

  • -------------------------------------

     このような体制のまま経営形態を変えても年間17億円もの赤字額が減るわけではないし、2011年度の院長の出張が160日という例にも現れているように、経営形態を変更して院長権限を強めたら歯止めがなくなり恣意的な病院運営がますますひどくなるだけ。

     市議会文教厚生常任委員会は薬剤師確保のために、薬学部に進学する生徒の奨学金を増額するように市条例案の一部修正を提案したようだが、病院運営現状を改めずに経営形態を変更したら、雇用条件が不安定になるから、ふるさとに戻りたい薬学部の学生が二の足を踏んでしまう。
     ニムオロ塾では看護学校へも何人も進学しているが、三人に一人ぐらいは戻ってきて市立病院で働きたいという希望の者がいる。

     地方公営企業法全部適用⇒独立行政法人⇒民間病院へ身売り

     このようなスキームが見えているのでは、ふるさと根室に戻ってくるものはほとんどいなくなる。市議会文教厚生常任委員会が肝心カナメなところになると物が言えないのはどうしてか?

     市立根室病院は根室の地域医療を支える中核病院である。いまコストカットを徹底しないで経営形態を変えたからと言って、「経営改善=赤字縮小」ができるはずもないから、地方公営企業法全部適用への経営形態変更はすぐに行き詰る。毎年17億円(昨年度の赤字額)もの赤字を垂れ流す病院を独立行政法人へ切り換えられるわけもないから、民間病院へ身売りか、診療機能の大幅縮小あるいは廃院ということになりかねない。

     そのような事態を招かないためにも、病棟別・診療科別月次損益計算を導入し、内部監査制度を整備し、外部監査を導入して、恣意的な病院運営ができないように制度的な保障をつけておくべきだ。




    -----------------------------------------


    *#2544 市立根室病院経営形態の変更:地方公営企業法全部適用は来年か Dec. 27, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-27-1

     #2530 病院事業へ外部監査導入も選択肢の一つ  Dec. 15, 2013
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-15-1?comment_success=2013-12-27T20:57:10&time=1388145430

    *<4年前にも外部監査の必要について言及しています>
     養老牛温泉夜話(7)番外編 <根室市大企業論> #791 Nov. 8, 2009 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-11-08-1

     #2513 市立根室病院の経営状況について:財政再建特別委は機能しているか?  Nov. 28, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28

     #2505 根室市 財源不足7億3500万円 Nov.20, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

     #2473 市立根室病院を外部の医師はどうみているか? Nov. 1, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-01-1

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    #2530 病院事業へ外部監査導入も選択肢の一つ  Dec. 15, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

     市立根室病院の赤字が前市長時代に比べて2倍以上に膨らみ、昨年度は17.2億円もの巨額になっている。市債の新規発行枠を8億円と決めていた市財政も、いつのまにか枠を外したようで24億円に拡大し、市財政は悪化しつつある。

     年間売上の範囲内(25億円)に収めるべきだというコンサルタント提案を無視して、総事業費70億円もの巨費をかけて病院建て替えを行った。療養病棟がないという地域医療上の欠陥を覆い隠すために、老健施設の30ベッド増床に国基準(1ベッド当たり200万円)の15倍もの9億円の補助金を支出した。いままた、明治公園の再開発をやろうとしている。市議会の承認を得ているので全部合法的だが、市議会が市政チェック機能を果たせていないようにみえる。

     わずか数年の期間にこれだけ病院事業の経営状況が悪化するのは、理由があるはずだが、市議会でも少しも明らかにならない。
     たとえば、病院事業には市議の監査役がいるが、もちろん専門家ではない。本を何冊か読み専門的な知識がなければ監査業務をやれるはずがない。だからさまざまな組織に監査役あるいは監査人がいるが、決算書にメクラ判を押すだけという例が多い。そういう監査を繰り返しているとたががゆるんで不正が起きることになる。市立病院は事務長で一度経験しているはず。
     病院内部には内部牽制組織もない。病院長と参事がやりたい放題という声が病院内部やお辞めになった医師たちから聞こえてくる。

     だれもチェックできない現状を打開するには病院事業に外部監査を導入すればよい。公認会計士による外部監査を行えば経営のチェックはできる。
     内部監査も並行して行えばよい。外部監査人と内部監査業務担当者が連携して経営を正常化していくという方法がある。

     根室市の財政を市議会がチェックできないなら、これも専門家による外部監査を導入したらよい。市議会で決議し、予算をとればいい。

     BS放送の放送大学で「組織運営と内部監査」という15回シリーズの講座が今日からはじまっている。日曜日13時から45分間の講座だ。監査業務に携わっている人や、監査業務に興味がある人はDVDに録画して勉強したらどうだろう。
     根室市の財政にとっては市立病院の赤字拡大は最重要な問題のはずだから、監査について大学レベルの専門知識が必要だ。

     自分達で町をよくしないといつまでたってもよくならない。努力なしにいい町はできぬのはあたりまえ。補助金頼みのビザなし交流を柱とする北方領土返還運動もあなた任せの根性なし、ベトナムへサンマ輸出も市役所頼みの意気地なし、市立病院建て替えも老健施設増床も補助金頼み、ビザなし交流のための埠頭整備と送迎施設建設も市財政の悪化を理由に100%国の補助金を当てにする厚かましさ。なんでも他人様を当てにし、自分達で努力しようとしない。ホイド根性がすっかり身についてしまっている。他人頼みや補助金頼みはすっかりやめてしまおう。地道な努力の尊さを知るべきだ。10年20年努力すれば町はまるでちがったものになる。

     市政チェックや具体的な提案という市議の仕事をまっとうするには、専門知識がいくつも必要だから、持ち合わせがないならそれぞれ関係する本を十数冊ずつ買い求めて勉強するしかない。報酬と仕事はセットであるというのは世間の常識というものだから、ふるさとのために、ぜひ努力してもらいたい。そういう真摯な姿で仕事に取り組む市議をebisuは応援したい。副業市議だから勉強するヒマがないとか、専門書を読む基礎学力がないとかいう言い訳はしないでほしい。わたし達選挙民は、あなたたちが職責を全うすることを信じて投票したのだから。

     さて、根室市議たちのなかで何人がこの放送大学講座を見るだろう?



    *#2513 市立根室病院の経営状況について:財政再建特別委は機能しているか?  Nov. 28, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28

    *#2505 根室市 財源不足7億3500万円 Nov.20, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20

    *#2473 市立根室病院を外部の医師はどうみているか? Nov. 1, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-01-1


     2009年11月に外部監査の導入に弊ブログ#791で言及しているのでお読みいただきたい。

     養老牛温泉夜話(7)番外編 <根室市大企業論> #791 Nov. 8, 2009 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-11-08-1





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    #2473 市立根室病院を外部の医師はどうみているか? Nov. 1, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

     下記の弊ブログにたくさんのコメント(ebisuの書いたものも含めて26本)が寄せられたので、本欄へアップして紹介します。

      #2442 市立根室病院の経営改革をどうやるか(1) Oct. 9, 2013
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09

     投稿された方々の中には、内容から何名かドクターをおぼしき人の手になる物のようです。根室の外にいる医師たちが市立根室病院をどう見ているかを知るためにも貴重なコメントです。

     前市長時代には年間8億円前後だった赤字額が昨年度はついに2倍の16億円を超え、今年度は軽く20億円を超えそうです。なぜこんなに毎年赤字が拡大するのか、よほどの放漫経営がない限りこのような事態は考えられません。原因の一端にも言及があります。

     経営の責任が誰にあるのか、外部の医療人がそこのところをどう見ているのか、そして根室の地域医療がなぜ危機に瀕しているのか、冷静な頭で考えてみてください。

     いつの日か、市立根室病院のドクターたち数名と根室市民が胸襟を開いて地域医療の現状と未来を語り合う日があるといいですね。総合文化会館で、日曜日に数時間のんびりと語り合う、いいですねえ。

     なお、コメントに反論があれば匿名でけっこうですから投稿してください。きちんと本欄へアップして取り上げさせてもらいます。
     子ども達やお年寄りのために、病気を抱えている友人たちや親戚、そしてここに住む自分のために、消えかかっている根室の地域医療の未来を取り戻したい、そういう願いで書いています。

     最初のZAPPERさんのコメントは#2442の本分をお読みいただければ、意味がわかります。
    ================================

    母屋でおかゆをすすりながら、離れではすき焼きを喰っている。
    塩爺の名言が思い浮かびます。
    by ZAPPER (2013-10-09 23:05) 
    ================================

    ZAPPERさん、こんばんわ。

    塩爺、懐かしい名前です。
    根室市役所は昼休みに消灯しています。
    その割には、総額70億円の市立病院新築、統廃合せずに市街化地域の3小学校と3中学校の耐震改修、老健施設30ベッド増床に9億円の助成金交付、特養へも30ベッドほどの増床に5億円の助成金、すでに決定済みの明治公園再開発など、やたら建築関係予算がばら撒かれています。
    計画では減るはずの市債残高が増加に転じており、この数年間歳出規模が20億円ほど膨らんでいます。

    こんなに短期間に建築予算を増やすことに市議会はチェック機能を果たせません。
    市議報酬は月額31万円にボーナス、そのほかに調査費のようなものが出ているのでしょう。
    根室の地元企業で働くのと比べてみたらいいと思います。
    年間何日市議会が開かれており、時給換算したら何万円になっているのか自ら計算してみたらいい。

    市議は報酬に匹敵するような仕事をしてみせるべきです。
    by ebisu (2013-10-10 00:08)
    ================================

    >市議は報酬に匹敵するような仕事をしてみせるべきです。

    そんなこと100%無理な事を承知でEbisuさんは”虚しい”期待を書いていますね。いや、むしろ反語と捉えるべきでしょうか(笑)。

    市立病院に関しての諸悪の根源に付いては、或る議員は知っています。少なくとも問題の本質には気が付いている筈です。しかしもう4年近くも知らぬ振りを続けて来ました。彼の議会での活動を見ると、病院問題には触れていますが、それはどうでも良い上っ面をアリバイ的にさらっと流しているに過ぎません。その数年間で病院の土台はどんどん腐食が進んでいます。それは新病院に成ったからと言って止まりません。
    かって市立病院は「ハードが老朽化しているから今時患者が集まらない」との言い訳に終始していました。確かに隣町釧路の大病院は何処もハードは当時の根室よりはマシでした。

    ここで私事ですが、先日所要で札幌に行った折、何年振りかで北大病院を覗いてみました。食事をしにレストランを探していてびっくり。高天井の広大なホールの周りにはコーヒーショップやコンビニ、レストランが取り囲むように並んでいます。それこそちょっとしたミニコンサートが開けそうな空間です。「患者さんがゆったりと休める」と言う”目的”なのかも知れませんが、柱の横の椅子に座り高い天井を見上げながらふと思いました。

    「そりゃあどんな建物でも新しく綺麗な越したことはない。しかし”病院”にとってそれは必要十分条件な筈はない。確かに今時は”現代風”は必要不可欠かも知れないが、しかし時代がどんなに変遷しようとも変わる事のない医療の本質は、それは病院の構造物や機械類と言うハードではなく、mustなのは病院と言う存在を構成する人的要因=つまりソフトなのだ」

    根室の隣町の病院は、先日20億円余りを掛けて新病院に生まれ変わりました。医師も一人二人は増えたようです。しかし仕事内容が飛躍したと言う住民の喜びの声は聞こえて来ません。外科医の数が増えたにも拘わらず整形外科も外科もまともな手術は??

    つまりは”病院”とはそう言うことです。大事なのは、先ずは構成する医師やスタッフそれぞれのレベル、向上心と努力、そして息の合ったチームワークに他なりません。そのヒューマンネットワークがあちらこちらで綻びていては、どんなに豪華な入れ物に変えた所で所詮は飾りに過ぎません。
    病院と言う大きな組織の中でそのヒューマンネットワークの要(中心)がいい加減だと、病院と言う”存在”はばらばらに崩壊してしまいます。

    もう何年も前から根室市民の誰もがうっすらと気付きながら、敢えて触れようとしない市立根室病院の”癌”です。
    (敢えて”癌”と表現したのは、外科的に摘出すれば”延命可能”だからです。たとえ進行癌であっても、化学療法や放射線治療、更には免疫療法など駆使した集学的治療を施せば未だ間に合うかも知れませんので)。
    by 心配性 (2013-10-10 09:04)
    ================================

    部門別損益計算や経理規程がないことにビックリ。

    ただ部門別損益計算より、部門採算経営を導入する方が良いとも考えますが、どちらにしても経営の基本的項目もできていない状態が現状なのでしょう。

    前院長は赤字が多すぎて院長職を解雇されたという話も聞きます。それを考えると現院長になってから赤字が増加し続けている。でもいまだに院長でいる。不思議です。

    H議員のblogでも不思議なことが記載されていた。
    新病院時にWindowsXPのパソコンを導入するという不思議。そして新病院1年も経過しないのに電子カルテ導入の案件があるみたいな内容だした。

    正直あきれて物も言えない状態である。
    by 相川始 (2013-10-10 09:31) 
    ================================

    とある外科医さんの意見です。

    ◆地域の公立病院の難しいところ◆
    http://kekimura.blog.so-net.ne.jp/2013-10-06


    by Hirosuke (2013-10-10 11:41)
    ================================

    「心配性」さんへ

    >>市議は報酬に匹敵するような仕事をしてみせるべきです。

    >そんなこと100%無理な事を承知でEbisuさんは”虚しい”期待を書いていますね。いや、むしろ反語と捉えるべきでしょうか(笑)。

    仰るとおり100%無理だと承知していますが、あえて書いています。かくあれと。

    >市立病院に関しての諸悪の根源に付いては、或る議員は知っています。少なくとも問題の本質には気が付いている筈です。しかしもう4年近くも知らぬ振りを続けて来ました。

    この点も経緯はその通りでしょう。だから、今回選挙で票が一番下がってしまいました。選挙民はかれの言動を冷静にみているようです。前回は新人議員でしたから、期待が高かった、裏返すと長年市議をやっている人たちには市民はまるで信をおいていない。
    今回選挙で2人新人が当選しましたが、2回目の選挙で票を減らさないように市議活動に専念してほしいと思いますが、どうでしょう?
    これでだめなら、根室には市議の仕事を担える能力と高い志を抱いた人材がいないということです。市議会は機能不全。
    市議が恣意的な市政チェックをしなければ根室市は夕張市の後を追うだけ。
    ハコモノやイベントにうつつを抜かし、市長も市議会も一緒、ブレーキのない車に市民は乗せられていたようなもの、いや外側から見れば。市民もそうした市長や市議たちと一蓮托生だった。ほろびる町はほろびる理由がある。

    繰り返しますが、市議がいつまでもその仕事をまっとうできなければ、市債残高が膨らみ、市立病院は20億円前後の赤字を毎年垂れ流しつつ市財政が破綻します。
    現在だって、プライマリーバランスを考えたら、20億円の歳入不足。
    市長と市議会が率先して根室市を食いつぶす、そう思っています。だから、次の世代に、心根がまっすぐで、志が高く、基礎学力のしっかりした者たちを地元に数人残すために東京から戻ってふるさとで私塾をやっています。

    別海は20億円で済んだのですか、根室の70億円とは比べものになりませんね。別海も100ベッド近くあったでしょう。根室の7割強のサイズなのに、金額は3割でできている。このことからも市立根室病院がコストを無視した法外な新築だったことが明らかです。コストカット意識がありません。建築業者にとっては実に美味しいお客様に根室市はなっています。老健施設へも特養へも他の市町村では例のないほど高額の補助金をだしました。子供の数がこの10年間でも4割も減少しているのに、一度失敗した明治公園にまたアスレチック施設を造ったり、建物を建てたりと再開発案がびっくりするようなスピードで進んでいます。
    この案件も市議会がとめないとアウトです。
    元大地みらい信金理事長が委員長です。いわば出入りの業者と結託した市政運営、元理事長殿は再開発委員会の委員長ですが営業活動のようなもの。再開発でさらに市の借金が増えますが足りないお金は地元信金からというのは夕張市と同じ構図です。
    市議会の責任は大きい。
    これがとめられないようでは、根室市は夕張市の後を追う。

    ニムオロ塾の塾生の何人かが30年後の人口1.5万人になった根室を立て直すのに一生懸命に仕事をしているでしょう。
    数人いれば十分です。

    >大事なのは、先ずは構成する医師やスタッフそれぞれのレベル、向上心と努力、そして息の合ったチームワークに他なりません。そのヒューマンネットワークがあちらこちらで綻びていては、どんなに豪華な入れ物に変えた所で所詮は飾りに過ぎません。

    建物は建物にすぎません。医師たちの人間関係や仕事のやりがいといったソフトウェアが先か経営管理制度の構築が先かは、鶏が先か卵が先かを論ずるようなものです。
    あえて突き放した言い方をします、ふるさとですが根室は僻地です。ですから医師も学校の先生も優秀な方々はメッタに来たがりません。そういう方はマレです。

    でも、そういう中にもいい先生はいらっしゃる。前院長も含めて根室にもっと長くいるつもりだった医師も数人知っています。
    僻地の根室に住んでいるうちに愛着がわいて根室に骨を埋めてくれた先生もお二人知っています。
    一人は根室のそろばんを一時は全道トップレベルに育て上げてくれた高橋尚美先生です、もう一人は根室高校で先生をしておられた山田先生、郷土史研究家でした。
    わたしの親父も生まれは釧路、育ちは旭川、根室で結婚して根室に骨を埋めました。40前後で一輪車に乗れる人たちのほとんどはオヤジから一輪車の乗り方を習った人たち。60歳になってから本を見ながら練習してあっというまに本やビデオを見ていろんな技を身につけていました。北海道では最高齢の一輪車乗りでNHKが3度取材しています。資格のない者が子ども達に一輪車を教えてはいけないといわれて、体協の資格をとりましたね、それには地元の先生たちの応援がありました。ありがたいことです。
    話しが脱線したようです。
    僻地の根室は子ども達の学力も低く、子育て世代の医師が根室へ赴任するのは著しく困難です。

    昔も今も30年後も医師確保はむずかしい。だからこそ、恣意的な病院経営は排除しておきたいのです。誰が院長になっても、だれが市長になっても、病院経営が市民にオープンなかたちでなされるようにタガをはめておきたい。それが経営改善であり、基本的な経営管理制度の構築なのです。
    だから、数回のシリーズの「病院の経営改革をどうやるか」は回を追うごとに具体的になっていきます。
    誰かがやろうとしたときに、デザインできる能力をもった人材がこの町にはいませんので、書き残しておきます。どなたかワードファイルにコピーして保存し、将来役に立ててください。知らない者や経験のない者にやれといってもとてもむずかしい。コンピュータシステムと原価計算を含む簿記と管理会計学や経営管理について、具体的で実践的な専門知識と経験が必要な分野だからです。

    >もう何年も前から根室市民の誰もがうっすらと気付きながら、敢えて触れようとしない市立根室病院の”癌”です。

    わたしも知っていますがブログ上で書かないことがいくつもあります。例の9000万円支払った医療裁判のことも関係者から直接聴いて、事情がどうだったのかは承知しています。現院長に責任が大きいことも。しかしブログでは具体的なことを書いていません。他の医療事故、胃の手術で肝臓動脈を傷つけ大出血した医療事故も複数のルートからそのときの状況を聞いて承知しています、たまたま聞こえてきました。現場はずいぶん慌てたようです。処置できませんでした。
    病院に一度だけ医療事故の件は問い合わせましたが、情報公開拒否です。年度単位でも、診療科別の件数すら出しません。もちろん内容も資料を出しません。その年から唐突に医療事故件数のみ公表するようになりました。まずいと思ったのでしょうか?
    ブログで具体的な話しを書けば根室の地域医療が一時的に吹っ飛ぶ話しです。だから、重大な医療事故があるにも関わらず書けない。件数が多いわけではありませんが、ある。診療科別・月別医療事故は市議会に委員会を設けてチェックすべきですが、チェック能力のある市議がいないかもしれません。

    前院長の退職の経緯も含めて、最近おやめになった医師の方の本音も人づてに聞こえてきます。市長や歴代の何人かの事務長、他の関係者などのことも。耳というのは不便なものですね、いろんな声が聞こえます。なんとかしたいと思いつつ、部外者に出来ることは、こうして限定された情報を発信することだけです。
    具体的な内容を公表すれば癌の摘出と一緒に患者(市立根室病院の診療機能)が危篤状態に陥ります。快復まで2年くらいの混乱があるでしょう。
    吹っ飛んでもいいのかもしれませんが、爆弾にスイッチを入れるようなものです。そういう「勇気」はわたしにもありません。
    最近聞いた病院関係者の院内でそれなりに権限をお持ちの方の「愛人問題」も経営に悪影響、医師の定着にすら大きなマイナスになっていますが、これも噂の範囲ですから誰とは書きません。こういう噂は広がりますから、院内では承知している人も少なくないでしょう。

    困ったとき、窮地にあるときは、原理原則に還れ、です。まともな民間企業の経営管理ツールを導入して診療科別・入院病棟別の予算管理制度をスタートさせ、院内及び市民へ情報公開することが大事です。規程類も整備されるので、恣意的な経営がやりづらくなります。
    いいことばかりではありませんから、一時の混乱はあります。ですが必ずよくなる。

    今のままでは癌を一つ摘出したところで、元の木阿弥になりませんか?
    病院長の問題も確かに大きい、そして市長の地域医療政策にも問題がある。
    例年選挙の年ですが、市長が代わって副市長が市長になっても同じことでしょう。人材がいない。
    外科手術ができる人材すらいないのが根室のありさま。
    ツケはいずれ回ってきます。根室市は窮地に立つ。夕張化が避けられない。

    わたしは根室の再生は30年後と見ています。このままだめになることは仕方がないとも思っています。
    しかし団塊世代の一人として、言うべきことだけは言っておきたい。
    それも抽象的な話しではなくて、具体的なビジョンと達成手段を書き残して起きたい。後から来る人の参考になることがあれば幸いですが、なくてもそれはそれ、根室の運命ですよ。

    前院長を追い出すように画策した市長と現院長、そして当時の事務長、その他。前院長追い出し問題は根室の地域医療に深く関わる大問題でした。
    前院長当時は旭川医大の医師撤退にも関わらず、赤字の幅は10億円以下でした。よくがんばって地域医療を支えてくれました。それだけにあの追い出し劇は、ふるさと根室人には恩も義理もないと全国に発信したようなもので、たいへん残念です。医療の世界は狭いので、こうした悪評判は医師の間にあっという間に広まりました、それが医師確保をさらに困難にしています、もっとほかのやり方があったはず。

    長くなりました、具体的な地域医療ビジョンを市議会が議論する日は30年後かもしれません。

    by ebisu (2013-10-10 11:53) 
    ================================

    相川さんへ
    こんにちわ、いい天気ですね。

    わたしは診療科別、病棟別の部門損益計算をして、部門の責任者とスタッフにいくら赤字が出ているのかを承知してもらいたい。まずは事実を知ることです。

    予算を部門別・月別に編成すれば月次で部門別の予算管理ができるようになります。責任もハッキリします。

    >前院長は赤字が多すぎて院長職を解雇されたという話も聞きます。

    これは事実に反しています。わたしも何度か資料を整理しましたので、検索していただければ各年度の実質赤字額がわかります。おおむね10億円以下でした。昨年度は16億円、今年度は20億円を超えます。

    >それを考えると現院長になってから赤字が増加し続けている。でもいまだに院長でいる。不思議です。

    急速な赤字拡大は現院長です。その原因も一部はハッキリしています。それも弊ブログでいままで何度か書いてきました。長くなるので今回はコメント欄で再説しません。悪しからず。

    院内システムについては入れたばかりのシステムの廃棄が生じそうです。4億円程度はかかっているのではないでしょうか。残念な損失です。これをやったら、今年度赤字は24億円を超えるかもしれません。
    でたらめなシステム導入をするからこういうことになる。病院建築仕様を決める前に電子カルテシステムの実務フローをデザインすべきと何度も書きました。言うことを聞かないからこんなとんでもないことになります


    by ebisu (2013-10-10 12:34)
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    Hirosukeさんこんにちわ

    素敵な情報ですね。
    公立病院は、いい院長がいても、人事権がない、事務長や管理職が短期間でころころ代わる、これでは経営改革はできない。その通りですね。
    しかも異動で回ってくる管理職たちは医療にはまったく知識がないし、経営の経験もない。例えば港湾関係から異動してきた管理課長殿。2年で他の部署へ異動ています。

    学生へのお土産代の項だけはまったく事実が違います。学生は来ません、しかし、いろいろなところから「赴任打診」&見学があります。夏に集中しているそうです。根室は日本で一番涼しいですから。
    予算に不自由していることはありません。ふんだんにお使いいただいています。交通費も含めて丸抱えのケースもあるかに聞いています。当地は花咲蟹でも有名ですから、お土産の予算も決して少なくありません。市議会の皆さん、こんな隅っこ突っつかなくていいですよ。
    医師確保がしたいですからね、足元を見られます。(笑)
    そんなことで医師が確保できるとも思えませんが、大目に見るしかありません。

    by ebisu (2013-10-10 12:44) 
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    前院長は赤字が多すぎて院長職を解雇されたという話も聞きます。それを考えると現院長になってから赤字が増加し続けている。でもいまだに院長でいる。不思議です。

    前院長の交代劇のシナリオは、ほぼEbisuさんが説明されている通りです。根室市と言う”妾”が”旦那”を札医大に変えた方が医師が集まる(全面的にバックアップしてくれる)と踏んだ市長が強引に北大出の前院長を辞職に追い込んだと聞いています。だから予定通り札医大出の現院長の体制に成り更に赤字が増えても(システム的に赤字の増加は当たり前)現院長には御咎めが有りません。その裏では、院長が大学のバックをちらつかせて・・・と言うような芳しく無い話も聞こえて来ます。(もし大学が総引き揚げのような事態にでもなれば、市立病院は殆どの医師が居なくなります。)

    まさかこの様な事態に立ち至るとは市長は考えていなかったのでしょう。全てを一つの大学に託すことは一見無駄が無く合理的に見えますが、気紛れな大学がその気に成れば地方の病院の一つや二つは直ぐにすっ飛びます。

    根室市の管理者はあまりに医師を知らな過ぎます。医師や大学に対する不勉強さには呆れる程です。その事は今や日本中に知られています。何でも金で解決出来ると思っている。しかし人間の世界は、決して金が全てではありません。

    金(70億近く)で作った新病院ですが、その中心に一番大事な”心(魂)”が見受けられません。

    正に、「仏造って魂入れず」ですね。

    by 心配性 (2013-10-10 12:55) 
    ================================

    ・・・ちなみに、リース物件でしょうから契約期間(通常5年ないしは6年)の残存期間分のリース代を一括し払う契約になっています。つまりリース金額の80%ほどの特別損失がでます。
    by ebisu (2013-10-10 13:36) 
    ================================

    ebisu さんへ
    こんにちは、本当に良い天気です。

    確かに診療科別、病棟別の部門損益計算するのが経営手法としては正しいと考える。どちらにしても経営改善するには民間の力を導入するしかないかと考える。

    前院長を追い出すように市政が画策した自体が凄い問題です。市政が来て頂いている医師の頬に手袋を投げている状態だったのですね。
    私が聞いた噂話では、院長を交代させる為、医師招聘能力不足と赤字責任などの適当な理由に挙げて、院長を交代させたと聞いていました。

    それにしても、市立根室病院は昔から何も変わっていないのですね。
    そして今も根室の悪評が広範囲に拡散中なのですね。
    by 相川始 (2013-10-10 15:17)
    ================================

    前院長のA医師は北大のご出身。
    市長は常勤医確保がたへんなので札医大からの全面支援がほしかった。
    院長になりたい現院長と思惑が一致、追い出し決定。

    旭川医大が引き上げたのが2,007年4月1日、そのあと常勤医5人体制でA医師は144ベッドの市立根室病院と根室の地域医療崩壊を食い止め、渾身の力で支えてくれました。

    根室市としては恩義のある方です。
    それなのにずいぶんと失礼な扱いをしました。
    非礼にならないような配慮の仕方があるはずですが、イージな道に目がくらんだ市長にはそういうことができませんでした。

    その当時の様子がこのURLに載っています。
    http://consultanta.web.fc2.com/Nemuro.html

    一つの医大に頼り切ることは非常に危険なことなのです。東京医大の引き揚げ、旭川医大の引き揚げと2度も痛い目にあっているのに、またぞろイージーな方法に流れてしまう、この愚かさ。
    URLに示したA企画が主張しているように、具体的な勤務条件をオープンにして募集すれば、僻地ではあっても数年間なら赴任したい医師は案外いるもの、この意見にはebisuも賛成です。

    イージーなことをすればツケがたまるもの、一日交替の派遣医増加で経費は急膨張し、病院事業赤字は急激に膨らみました。年間赤字額が8億円程度だったのが11億円台になり、そしてついに昨年度16億円を超える年間赤字を出してしまいました。そして今年度、電子カルテシステムを導入すると、昨会計年度(2013年2月頃に)入れ替えたばかりの院内システムが廃棄処分となり、ほとんどリース契約総額の4億円前後の特別損失が出かねない状況です。病院建物仕様を決定する前に、電子カルテシステムの実務フローを設計すべきで、それが外来診察室のデザインと広さに影響することは、弊ブログで何度も書いてきたことです。わたしの意見を無視したためにおきる損害です。誰のために仕事をしているのですか、すこしは専門家の意見に耳を傾けるべきです。
    昨年度導入したシステムのリース契約総額を決算資料で確認したいのですが、まだ入手できていません。

    こういうバカなことをいくつも積み重ねて赤字が雪だるま式に増えました。札医大にとっては根室市立病院はドル箱となったのです。独立法人となった医大は稼がないと大学の運営に支障をきたす、だからこちらもお金になるイージーな方法に飛びついてしまいます。人間は欲には弱いものです、それだからこそ小欲知足のこころが大切。濡れ手に粟はどこかに無理が生じてしまう、いけないことです。
    悪影響が道内の他の病院に出始めています。いわば根室発のウィルスです。
    カラクリは機会があれば書くかもしれません。

    H市議だってそういうことはご存知でしょう。
    資料は一杯アップしてくれていますが、肝心の赤字拡大の主要な原因については言及を避けているようです。
    活動報告会を開催していらっしゃるのだから、市民へ説明してほしいと思います。
    仕事は正直に誠実に、そして自分のためではなくふるさとのために。これはほとんどH市議のキャッチフレーズですので、たいへんなことは承知していますが、どうかその言葉通りに行動してください。人としてのプライドの問題がかかっています。だまってみつめている選挙民が何人かいます。

    by ebisu (2013-10-11 10:03)
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    >例の9000万円支払った医療裁判のことも関係者から直接聴いて、事情がどうだったのかは承知しています。現院長に責任が大きいことも。しかしブログでは具体的なことを書いていません。他の医療事故、胃の手術で肝臓動脈を傷つけ大出血した医療事故も複数のルートからそのときの状況を聞いて承知しています、たまたま聞こえてきました。現場はずいぶん慌てたようです。処置できませんでした。

    この9000万の心カテ事故以降も心カテでの死亡例が在ったようです。その両方に絡んでいると噂されている医師は今は根室に居ません。

    胃の手術で肝臓動脈云々は、手術した外科が消化器外科で血管吻合に不慣れでしたので、穴を開けた深部動脈の修復が出来ず夜中まで掛かり、その時の患者さんへの負荷が原因で拙い予後になったとの事です。その時の外科医は、これもまた根室には居りません

    Ebisuさんがお書きに成っていない内科のトラブルで、経皮的胆管ドレナージテューブが抜けてしまい腹膜炎を起こし不幸な転機を辿られた患者さんも居るようです。
    その行為者が他の患者さんの気管挿管でミスって食道に入れてしまい、結果的に呼吸抑制により亡くなった患者さんも居るそうです。その医師も指導すべき立場の医師も根室から去っています。

    市立根室は、「ミスのやり逃げ」、そして「金の取逃げ」のようです。

    P.S.Ebisuさんへ
      この書き込みが貴ブログには不適切と思われましたら、   削除OKです。
    by 闇の仕置き人 (2013-10-14 17:17) 
    ================================

    闇の仕置き人さんへ

    内容は事実を把握されて書かれているようですから、弊ブログのコメント欄から削除はいたしません。

    クレームがあった場合には、コメント欄で具体的な反論をしていただきます。
    それで管理者のebisuが納得できれば、理由を書いて削除ということはありえます。

    市立根室病院は建物だけでなく診療内容も、経営状態もよくなってほしいです。
    そういう思いで病院問題、地域医療問題をとりあげております。
    ご協力に感謝申し上げます。
    by ebisu (2013-10-15 00:50)
    ================================

    おもしろいですねこのブログ。知人から聞きました。

    院長はいつまで勤めるんですか?
    院長が変わらなければ誰も市立根室を相手にしませんよ。

    それにしても、道央では市立根室は院長が悪いとのみ話されてますが、
    裏事情がこんなにあるんですね。

    わかっていることは、どんな裏事情があれど、院長が変わらなければ道内からの常勤医確保は不可能ということです。
    院長のみならず、行政がこれだけ腐っていたら、どんな医師も嫌気指しますよ。
    そんなこともわからないんですね根室市行政は。


    原発巣摘出と周辺病巣同時処理が必要なんですね。

    by 道央医師 (2013-10-25 08:08) 
    ================================

    道央医師さんへ

    >おもしろいですねこのブログ。知人から聞きました。

    それが地域医療が崩壊しそうな根室に住んでいるのでちっとも面白くないのです。
    7年前にスキルス胃癌で全摘していますし、寄る歳なみで健康に多少不安アリですから。
    不安の目でじっと見守っている住民は半数を超えているでしょうね。
    なにせ2.8万人の内の8000人が老人で、おまけに療養型病床ゼロの町ですから。歳をとったら病気を抱えて地域医療政策が貧困な根室にはもうこれ以上住んでいられないとばかりに、札幌に500万円ほどの中古マンションを買い求めて、引っ越す老人が増えています。とくに退職公務員の方が多いとも、経済的な事情が関係しているのでしょうね。

    >わかっていることは、どんな裏事情があれど、院長が変わらなければ道内からの常勤医確保は不可能ということです。
    >院長のみならず、行政がこれだけ腐っていたら、どんな医師も嫌気指しますよ。
    >そんなこともわからないんですね根室市行政は。

    仰るとおりかと思います。
    18人もいるのに市議会もまったく市政チェックができないという状態では、お話になりません。

    >原発巣摘出と周辺病巣同時処理が必要なんですね。

    類は友を呼ぶで、現院長を市長が強力にバックアップして、前院長を退職に追い込んだ経緯がありますから、原発病巣は市長・参事・院長の三人。
    数年前に問題があって依願退職なさった事務長と現参事と市長は○○トリオだったかな、巷の噂ではなにかネーミングがつくほどの仲良しとのこと。

    「原発病巣摘出」という句をみて、泊原発の廃炉のお話かとカン違いしました。(笑)

    手術をするのは市議会の役目ですが、手術のできないおヤブ医者でないことを祈ります。
    ほうっておけば患者(根室の地域医療)は死の危機に瀕するでしょう。
    手遅れで、夕張市立病院のようにガラガラポンで、民間の診療所になるのかもしれません。

    初コメントありがとうございます、どうか今後もご贔屓に...。

    あ、他にドクターがお二人あなたと同じ意見のようです。原発病巣の三人を摘出しなければ地域医療の未来がない、常勤医の招聘にも差し支えていると仰っています。診立てが同じです。
    by ebisu (2013-10-25 12:23) 
    ================================

    既に前院長の頃から各大学の教授たちの間では「市立根室」と言う名前はタブーだったようです。それも医師たちに対してではなく、市長や事務長などの札びらで相手の頬を叩くやり方に対してです。およそ医師ほど良しに付け悪しきに付けプライドの高い人種は居ません。まして教授などは尚更です。その相手に対して鼻先でせせら笑うような態度では、まとまる話が壊れるどころか、日本中の津々浦々に「市立根室は出入り禁止!」が当然でしょう。

    その市側と結託した現院長の人となりについては、結果的に”道央医師”さんが仰る評判通りでしょうね。

    現在病院内には現院長の引き下ろしを企む勢力が有るようです。しかしそれは政治家の権力闘争のようなもので、市民のためと言うより、自分が院長に取って代わろうとする欲望に過ぎないようです。面白い事に、その志半ばで根室を去った医師たちの殆どが現院長と同じ医大の出と言うのが、何とも奇妙な偶然ではあります。


    by 傍観者 (2013-10-26 16:52)
    ================================

    傍観者さんへ

    そういえば、北大医局の関係者らしき方から、「西へはこないでくれ」というような書き込みがあったことがありました。そういう事情があったのですか。
    根室市長と病院事務長が出入り禁止だったとか、どこまでほんとうかわからないと思っていましたが、どうやら噂は本物だったようですね。

    適当な時期を見て、コメント欄の情報を本欄へアップしようかなと考えています。
    病院経営改革について、さらに突っ込んだ具体策をブログ上で検討するつもりです。
    by ebisu (2013-10-27 01:00)
    ================================

    市議会は市立病院問題について相も変わらず的外れな総論論議に終始している。病院が今日の事態に陥った原因について、最大の原因は市当局と病院管理者の当事者だけが良ければ良いと言う癒着であることは”自明の理”なのに、今年度の質問もご覧の通りのザマである。

    漏れ聞こえて来る話では、現在病院内には反主流派(反院長派)の医師が何人か居て市議会議員と共闘しようとしているらしい。特にこのブログにもしばしば登場する若手のH議員が期待の星のようだ。しかし、彼ら(反院長派)の期待を一身に担って再選された彼の議員は、今回最大派閥入りし病院関係部門の委員長に成り市長に”爆弾”を投げるかと思いきや、病院のコンピューターシステムがどうの、ボランティアが集まらない云々・・・。
    まあ期待する相手を見誤るレベルの反主流派の見識では、到底市長と病院長、参事とのタッグチームを倒すことは出来ないだろう。下手をすると「あいつを倒したら今度は俺が院長だ!」などとバトルロワイヤルにも成りかねぬ。
    プロレスの観客なら「それも一興!」と喜ぶかも知れぬが、他ならぬ根室市民はどんな気持ちであろうか。
    でもまあ、自分たちが認めた(選挙はしていないがリコールもしていない)首長がやることなので、市民も一蓮托生なのかも。

        「根室よ、さようなら。夕張よ、今日は」

    by 彷徨い人 (2013-10-31 08:41)
    ================================

    彷徨い人さんへ

    根室は仰るとおりの状況です。
    「他ならぬ根室市民」の一人であるebisuは地域医療の崩壊を危惧しています。

    一度壊れたほうが病気を治すためにはいいのでしょうね。
    H市議に変革の旗振り役を期待するのは気の毒かもしれません。根室で何ごとかを変えるためには、町を牛耳っているやから全部を敵に回すことになりますから、不都合が大きい。何せ小さな町です、住み慣れると人間もスケールがチーサクなるようです。
    根室のこどもたちに言いたい、根室の情けない大人たちのようにはなるなと。

    Boys be ambitious!

    (カンマなしです。亜型接続法 subjunctive で読んでください。
    弊ブログ「仮定法」にあります。)
    by ebisu (2013-10-31 13:19)
    ================================

    クラーク博士は島松を去る際に、馬上で「Be ambitious,boys!」と別れを叫んだと大学入学後に聞いたことが有ります。口語とすればこちらの方が自然な気もします。因みに北大に「札幌農学校は蝦夷ヶ島」と言うフレーズで始まる応援歌が有りますが、その中に「be ambitious boysと」と言う一節が有ります。こちらの説は、北大の資料に裏打ちされた確かなものと聞いています。
    懐かしい余談です。
    by 昔、北大生 (2013-10-31 22:34) 
    ================================

    なるほど、そういう説もあるのですか。
    別れの挨拶としては、こちらのほうが偉そうでなくて親近感がもてそうです。

    >因みに北大に「札幌農学校は蝦夷ヶ島」と言うフレーズで始まる応援歌が有りますが...

    「蝦夷ヶ島」とは大時代でいいですね。(笑)
    by ebisu (2013-10-31 23:22) 
    ================================

    ちょっとネットで検索してみました。北大恵迪寮のストームの3番にクラーク博士の名前が出て来ます。


    http://103keitekiryosai.web.fc2.com/data/storm.html
    by 昔、北大生 (2013-11-01 11:22) 
    ================================

    市立根室病院の医師に関する噂は色々取り沙汰されていますが、その中でも給料に関する部分が黒い疑惑の焦点でしょう。元々北海道地域医療振興財団のHPに掲載されている道内公立病院の医師給与(最大値は概ね院長の給料)の中でも根室はトップクラスの高給ですが、実際にはそれ以上の医師が多いとの噂です。つまり基本的には医師の給料も根室市の公務員規定に準じて支払われる筈ですが、採用時に市側と個別交渉して上乗せしている可能性が考えられます。
    まあ世の中、売り手と買い手の駆け引きは常に有るわけですが・・・。それをどこまで認めるかは、それぞれの病院や経営する地方自治体の考え方に依ります。しかしだからと言って「某医大系の医師を優先的に採用するために他大学卒の医師より年収を500万上げている」などの噂が飛び交う事態は如何なものでしょう。それはすなわち、「某医大系以外の医師の採用は極力阻止する」と言う意図に他なりません。勿論どの医師にとっても就職の機会は均等でなければなりません。
    個別の医師に関しても色々な噂が流れていますが、ここでは敢えて言及しません。それは根室市議会の仕事です。それを聞けば、皆さん「えっ、そこまでなの?」と驚くでしょう。だから市議会は「全てを表に出せば地域医療(病院)は崩壊する」との危惧から決して真相に近付かないようです。
    by 闇の仕置き人 (2013-11-01 11:45)
    ================================

    昔、北大生さんへ

    URLクリックしてみました、紹介します。

    >三.
    >札幌農学校は蝦夷ヶ島 クラーク氏
    >ビーアンビシァスボーイズとコチャ
    >学府の基(もとい)を残し行く コチャエ コチャエ

    たしかにボーイズは後ろについていますね。

    by ebisu (2013-11-01 12:18)
    ================================

    闇の仕置き人さんへ

    突っついたら何が出てくるかわかりませんから、おっかなくて触れられないのでしょう。
    わたしもおっかなびっくりです。

    根室市民が実態を知る必要があるので、せめて本欄へアップするくらいのことはします。
    by ebisu (2013-11-01 12:22)
    ================================

     まずいと思われた関係者の方々はぜひ考えと行動を改めていただきたい、この地に一緒にいるのですから、協力・協働できないわけがありません。まずは話し合ってみることです。

     ふるさとのために、住んでいる根室のために、こどもたちのために、病を抱えた親のために、病気の友人やお年寄りのために、地域医療改革に協力できる市議はいますか?


    *#2472 グループホーム根室落成式 と補助金問題 Nov. 1, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-01


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    #2460 町立松前病院内紛劇に思う:市立根室病院のありさまと比較 Oct. 23, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

     町立松前病院が揺れているが、根室とは事情が正反対。
     
      どこが違うのかというと、太字の部分がまったく異なる。かたや町立病院経営を黒字化に導いた事務局長、そしてわがふるさとの市立根室病院経営赤字を2倍(16億円)に膨らませた前事務長が参事職として事務長の上に君臨、そのような「暴挙」にすら異論をさしはさまない根室市議会、世の中の常識から遠く隔たる極東の不思議の国、根室。同じ北海道でも、松前町と根室市はこんなにも違う。
     「通年」市議会、それも改革だが一番肝心なのは議論のナカミ。


    10/22付け北海道新聞14面第2社会欄より
    http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/499353.html
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    常勤医、10人中7人辞意 町立松前病院院長に追随 前事務局長人事で町、議会と対立

    (10/22 00:12)

     【松前】地域医療の先駆的な取り組みで知られる町立松前病院(渡島管内松前町)で、その中心的存在の木村真司院長(49)が先月末、辞職願を提出したのに続き、21日までに副院長ら6人も追随し、常勤医10人中7人が来春で退職の意向を示す異例の事態となっている。石山英雄町長は慰留に努めるとしているが、院長らの町や町議会への不信感は根深く、渡島西部の地域医療を揺るがしかねない状況だ。

     木村院長の辞意の原因は、同病院の前事務局長の人事をめぐる町議会や町との対立。院長は、病院経営の黒字化などに尽力した前事務局長を評価し、今年3月末の定年の際、継続雇用を望んだが、町議会や町はこれに反対した。「資質に疑問がある」などが理由としているが、背景には前事務局長と町議会の一部との人間関係の摩擦があるとされている。

     院長は4月、自らの裁量で前事務局長を非常勤嘱託員として再雇用。撤回を求める町議会との溝は深まり道が仲裁に入ったものの、処遇を明確化する条例改正案を町議会が否決したため、前事務局長は9月末で任期切れのため退職となり、院長は同月27日、石山町長に辞職願を提出した。

     これを受け今月4日には八木田一雄副院長(42)ら2人も辞職願を提出。その後も外科部長(60)ら4人が続き、来年3月末で退職の意向を示したのは院長を含め計7人となった。<北海道新聞10月22日朝刊掲載>

     

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     北海道新聞さん、地域医療に関するいい記事をありがとう。根室に住んでいるわたしたちも参考にしたい。
     ついでと言ってはなんだが、病院事業の決算が全会一致で市議会で承認されたから、町立松前病院と比較して市立根室病院のありさまを市議の面々がどのように考えているのか、根室支局は直撃取材してほしい(親子二代で60年間北海道新聞を定期購読している読者の一人からのお願い)。はて、地域医療問題の委員会はあったかな?

    (病院建設特別委が中途半端なまま空中分解してから地域医療政策を論ずる常任委員会があるのかどうか、さっぱりわからぬ。
     仕事には権限と責任が伴う。与えられた権限を駆使して、仕事の責任を全うした上で、報酬が与えられる。報酬はやった仕事に対する対価である。報酬にふさわしい仕事をし、市議としての責任を全うしてもらいたい。
     世のため人のため、ふるさとの未来のために働こう。
     わたしはそういう気持ちで11年前にふるさとに戻った、そして小さな私塾の塾長としてその通りの仕事をしている。ブログでの「激辛」情報発信も同じ気持ちからだ。)



     #2455 避けて通れぬ問題 :市立根室病院経営改革  Oct. 19, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-18-1

     #2442 市立根室病院の経営改革をどうやるか(1) Oct. 9, 2013
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09


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    #2455 避けて通れぬ問題 :市立根室病院経営改革  Oct. 19, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

     前回は部門別損益計算制度が経営管理の基礎的な制度であることを解説した。市立根室病院は部門損益計算がなされていない。これでは経営管理や予算管理ができるはずがない。入院病棟別・外来診療科別の部門損益計算システムについてはさらに具体的にとりあげるが、今日は別の問題をとりあげるので、市民のみなさん、市議会議員のみなさんはよく考えてもらいたい。

     病院の赤字額が毎年増え続けて久しい、前市長時代は概ね8億円前後だったが、それが11億円台になり、昨年度は17億円弱、今年は20億円を軽く超えることになりそうである。これらの影響で、計画上は減るはずの市債残高が24億円も増えている。これもツケを後の市長や市職員や市民へ回す行為だ。にっちもさっちも行かなくなって、自らが決めた市債発行枠8億円の縛りすら外してしまった。

     どうしてこういうことになるのか、主な原因の一つに札幌医大への過度な依存政策があるように思える。「適度な依存政策」だって選択肢にはあるだろう。経営がこれだけ急激に悪化するのは通常は放漫経営が疑われる。いくら赤字を出しても市の一般会計から全額が補填されるなら経営改善が進むはずがない。
     数年前に旭川医大が撤退し、北大にはいろいろと不義理や失礼なことがあったために、市長も事務長も出入り禁止状態があったときく。前院長退職の経緯に関わる問題、小児科でも産科がらみで問題が起きた。だから、札医大しかないというのは根室市の行政側の不手際の集積のためであり、自ら打てる手を狭くしてしまったという、まことに愚かな話しだ。

     いま病院内部では常勤医の数名が自分のコネクションを通じて医者を何名か紹介しているようだが、札幌医大へ傾斜したい院長と参事が拒否しているという。こういうことは市長の了解ナシにはできないことだ。
     常勤医の皆さんの協力があり、採用条件を明示すれば、医者は集められる。

     なぜこういうことになるのか?イージーな道を歩きたいからである。医者集めはたいへんだから、特定の医大に依存したがるのはわからぬでもない。しかし、根室の地域医療の歴史を振り返っていただきたい。東京医大の撤退、旭川医大の撤退、その都度たいへんな痛手を受け、危機に見舞われてきた。そろそろこういう地域医療のあり方は改めるべきではないのか。イージーな道を選択すれば当然ツケ(事業赤字の拡大)も回ってくる。
     道内の各大学と礼を尽くしてきちんとしたお付き合いをお願いするしかない。北大、旭川医大、札幌医科大はみな北海道の地域医療に責任をもっているから、可能な範囲で協力をお願いすればいい。そのうえで、市独自の医師募集をやればいい。担当診療科、夜勤日数、諸手当、帰省費用の病院負担、学会へ出席時の扱いと手当てなど、細かく条件を提示すれば、僻地根室であっても集められるとは専門斡旋業者の弁である。

     常勤医を雇わずに札医大からの1日交替応援を頼むと、常勤医一人分の仕事に人件費はおおよそ年間換算で7000~8000万円かかるような仕組みになっている。つまり、常勤医を派遣するよりも、こちらの仕組みに乗るほうがずっと収入を増やせるのである。この金額には往復の交通費(飛行機代とタクシー代)も含まれている。市議の皆さんはご存知か?
     常勤医を増やせれば事業採算は改善できるが、札医大に嫌われたくない気持ちは理解できないわけではないが、こういうことはほどほどにやるべきだろう。内部の不和を招くような強引さは慎むべきだ。

     病院内部の医者が常勤医で市立根室病院へ赴任希望の医者を紹介しても、替えてしまったら、札医大の収入が減る。札医大からの支援がほしい院長と参事は紹介された非札医大系の常勤医をいれたくない、だから拒否していると見られている。

     こんなことをやっているから、病院内部は医師間の冷戦状態が続いている。診療にも影響しかねない。
      医療事故の扱いについては大丈夫か。事故扱いしなければ事故調査委員会にすらかからない仕組みにはなっていないか?ebisuが何を言っているのか当事者にはわかるだろう。噂の範囲といっておく。

     わたしは一大学に市立根室病院の運営を任せるようなことはすべきではないと考える。過去の事例を見てもその弊害は明らかだ。大学側の都合で突然の撤退がいつでもありうる。
     選択肢は二つある、根室の地域医療の未来がかかっているから、どちらをとるのかきちんと議論すべきだ。

     根室市はどういう地域医療政策をとるのかまず市議会で議論してもらいたい。できたら日曜日に市民討論会を総合文化会館で開いてもらいたい。
     根室の地域医療に関心のある市民は自分が投票した市議へ働きかけよう。
     「ebisuの提案のように、地域医療に関する市民討論会を開いてほしい」と。

     だまっていたら、根室市の財政破綻や夕張のように市立病院の診療所化を引き起こしかねない。
     地域医療の未来はわたしたち住民が決めようじゃないか。
     常勤医の皆さんと市民が地域医療政策について率直に話し合えば、病院経営は改善できるし、赤字も大幅に減らせるだろう。いい地域医療がほしければ、住民が積極的に参加するしかない。傍観していたら根室の地域医療は早晩つぶれる。

     さあ、根室に住んでいるあなたはどちらを選ぶのですか?自分やじっちゃんばっちゃん、年々年老いる親、そして子どもや孫のために、いまやるべきこと、できることがある。


    *#2442 市立根室病院の経営改革をどうやるか(1) Oct. 9, 2013
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09

    *#2473 市立根室病院を外部の医師はどうみているか? Nov. 1, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-01-1

      #2513 市立根室病院の経営状況について:財政再建特別委は機能しているか?  Nov. 28, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28


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    #2442 市立根室病院の経営改革をどうやるか(1) Oct. 9, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

     7月末に病院へ問い合わせたが、いろいろあって回答が来たのが9月26日。それで再度不明な点をメールで質問するも、議会対応で忙しいことを理由に回答がなされていない。

     わかったことの一つは、部門別損益計算がなされていないことと経理規程がないこと。やっていない理由は配賦計算ができないからだという。
     社員が100人を超えるような民間会社では、部門別月次決算はあたりまえのことだ。予算も部門別・月別に編成されて、全社予算が部門別・月別明細をもってつくられる。各部門長は自分のところて作った予算に責任がある。

     これがないのでは、部門別の採算はわかるはずがないし、予算統制責任が誰にもなくなるから予算管理もできない。だから、市立根室病院は昨年度16億円強の赤字を出し、毎年数億円もの予算差異を出し続けて、足りない分を根室市の一般会計から補填するという情けないことになっている。
     事務長の役割の半分は根室市の一般会計予算から足りないお金を補填してもらう調整役だ。予算管理がしっかりしていればこんな仕事はなくなる。自らやることを放棄した経営改善の外部委託もまったくおかしいし、こんな小規模の病院で参事役なんて役職員がなぜ存在するのかわたくしには理解できない。各自が余計な仕事を抱え込んでいるか仕事の仕方が悪いからだろう。こういうことも赤字を膨らませている要因の一つだ。

     団塊世代で首都圏で仕事をしてきた者たちの中には優良な専門知識と経験を積んだ者がいる。そういう者たちがふるさとに戻ってきたら、町の改革にとっては貴重な人的資源となる。利用しない手はない。団塊世代はボランティアでこれから数年間社会のお役に立ってから消えていけばいい。心を開け、閉鎖的になるな。
     ぐずぐずして問題の先送りばかりやっていると、雪だるま式に問題が大きくなっていく。市立根室病院事業赤字は前市長時代の2倍の16億円に膨らみ、今年度はさらに増大して20億円を超える。最後は根室市の財政破綻と苦難の二十数年間が待ち受けている。市職員の半数はリストラ、残った人も給与30%カットが現実である。どうやったらいいのかわからなければ、わたしのように経営管理の専門知識と経験をもった市民の協力を仰げ。

     二つ目は経理規程がないことだ。民間会社は中小企業でもきちんとしたところは経理規程をもっている。会社の勘定とオーナーの勘定を峻別することはもちろん、支出権限についても予算内と予算外の権限表をもって仕事をしている。予算外の支出についてはその都度稟議書を起案して金額に応じて権限者あるいは機関が決定を行う。すべて文書になって残る。
     かように民間会社では予算内と予算外外支出についての権限と責任が明確になっている。

     こういう規程類や制度、そしてそれを支えるシステムを作ることが、恣意的な支出と、この数年間で2倍の16億円に膨らんだ赤字を縮小するために必要な経営改革の第一歩である。
     経営管理の基本を外すから赤字額が膨らみ続ける、新建物や更新した設備類の償却負担で今年度の実質赤字額はは20億円を超えることになるだろう。

     数回のシリーズでこの問題を扱う。根室市議会議員の皆さんは弊ブログを読んで、しっかり市政チェックの責を果たしてもらいたい。
     

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    (メモ:所要時間15分) 

     


    #2353 根室の地域医療改革(1):医療事故と業務監査 July 12, 2013 [31.市立根室病院経営改革メモ]

      市立根室病院の経営改革について、シリーズで意見を述べてみたい。初回は医療事故と業務監査である。わたしは以前市立根室病院の医療事故について市役所に資料請求をしたことがあるが、内容は一切明らかにならなかった。明らかになったのは件数だけ。これでは情報公開の意味がない。

     少し大きな会社になると、その会社が製造部門をもっているとかならず品質管理部門が存在する。それは工場部門とは独立の組織となっている。工場長の下に品質管理部門を置くと、仕事の権限上品管部門の独立性が損なわれ、機能が弱体化するからである。

     事故は如何なる組織でもある。福島第一原発事故を振り返るまでもなく、どこでも起きる問題だ。市立根室病院でも心臓カテーテルで事故があったが、今年の3月に病院側が全面敗訴し根室市は9000万円の賠償金を支払った。
     新聞の取材報道によれば組織上の問題つまりマネジメント上の問題があったというが、そのごマネジメント上の問題が解決されているのか明らかでない。

     では医療事故については実際にどのようなチェックがなされているのだろう?病院に医療事故に関する規程があって、それの基づいて処理がなされている。
     なにかが起きたとして、それが医療事故かどうかは誰がどのようにして判断するのだろう?グレーゾーンはどう処理されているのだろう。私たちが安心して市立根室病院で診療を受けるためにはそうした手続き的な事柄はオープンになっていなければならない。

     独立した品質管理部門をもたない病院内部の判断だけで、医療事故かどうかを判断するのは危うい。意図的に「医療事故ではない」という判断を組織上の権限をもつ者が下した場合には実際には医療事故に該当していても医療事故として扱われないケースが出てくる。グレーケースを病院長とは独立の組織あるいは専門知識のある第三者がチェックする体制がのぞましい。こういう機能を内部牽制という。

     内部規程どおりに実務が行われているかをチェックするためには業務監査が必要である。根室市と取引関係がなく、業務監査知識のある人がその任に当たるのが理想だろう。
     一握りの者の恣意的な判断や恣意的な病院運営を避けるために、市立根室病院に業務監査を導入すべきだ。そして業務監査報告書は根室市民にオープンにされなければならない。

     業務監査に関する専門知識をもつ市民はほとんどいないだろうから、市長が市立根室病院の経営を改革しようという意欲が少しでもあるなら、ボランティアでわたしが2年間だけやってあげてもいい。しかしその気はないだろうから、市議会で市議たちが決議してくれたら、市長がいやと言ってもやれる。

     昨年度の赤字は約17億円、今年度の赤字の額が20億円を超えようとしているから市立根室病院の経営改革を急がなければならぬ。このままだと市財政が破綻しかねない。
     市長は自ら設定した8億円の限度枠を超えて、今年度24億円もの市債を新規発行して赤字のツケを先延ばししている。昨年度も限度枠を超えて借金が増えている。
     次の世代へのツケ回し、こういうおろかなことはやめるべきだ。ツケ回しを避けるためには職員人件費をカットしてやらなければならない。おおよそ80%カットになるだろう、それほど市財政は悪化している。現実から目をつぶってはならない。

     内部の自浄作用は期待できないことがこのシリーズで明らかになる。外部の者が市立根室病院の運営をチェックする体制を整備して、病院経営を健全なものにする「外圧」をかける必要がある。内部に改革の芽がないわけではないが、繰り返し押しつぶされている。そういう状況をみて、赴任した医師があきれて病院を離れるケースも起きているようだ。業務監査はそうした恣意的な病院経営に対する有効な牽制となるだろう。腕のよい医師に長くいてもらうためには健全な病院経営がなければならない。
     市議選が近いが、市議たちはこの問題に対する意見を表明してもらいたい。「業務監査の実施」は根室の地域医療改革の突破口となるだろう。

     住みよい町にしたいな、そのためにはそれぞれができることをやればいい。住んでる人のたった10%がそうしたら現実は大きく変えられる。案外簡単なんだ、それが何十年たってもできなかったのが根室、そろそろ変えよう。
     

    *#2327 わけのわからぬ「根室市の家計簿」(2) :いい町はこうやってつくる  June 9, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-09-1

     #2296 地域医療対話(4): 経営の問題点がよくわかる一覧表  May. 13, 2013  
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-12-3

     #2318 わけのわからぬ「根室市の家計簿」(1):広報ねむろより Jun. 2, 2013 
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-02





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