#4943 SVB経営破綻の原因と日銀の類似点 Mar. 15, 2023 [8. 時事評論]
<更新情報>3/16 <金相場>追記、クレディスイス銀行経営不安追記
3/10にシリコンバレー銀行(以下SVBと略記)が経営破綻し、数日たった今、理由が明らかになってきました。損失のでた理由は二つ。
(1)保有債券が今年に入ってからのFRBの金利上げで損失を出した。
(2)不動産担保証券(MBS)の値下がりで損失を出した。
SVBが保有している財務省証券(日本では国債)が利上げで、巨額評価損が出たことと、資金難でリーマンショックでも問題となったMBSを売却することで資金調達して、巨額損失が出たことによる。
米国会計基準では、保有債券は時価評価ですから、売却するとしないとにかかわらず、金利が上がれば債権は値下がりして、評価損あるいは売却損を計上することになります。その損失の額が大きければ、預金者はリスク回避のために自分の預金を引き出し、他の銀行へ預けるので、急激に資金難に陥ります。
SVBは増資によって資金難を解決しようとしましたが、急激に株価が下落する局面では増資しても必要資金が集められません。
SVBは新興企業から預金を預かり、それを米国財務省証券やMBSへ投資していました。企業は資金繰りが苦しくなると、まず預金引き出しを行います。それが殺到すると、支払い準備が足りなくなります。必要資金をねん出するために、保有している米国財務省証券やMBSを売却しますが、金利上昇で値下がりしているので、必要資金が集められないだけでなく、売却によって巨額損失が発生します。
SVBは新興企業から短期の運転資金を預かって、長期投資をしていたために、支払資金がショートして経営破綻しました。
リーマンショックの引き金になった不動産担保ローンはいまだに大した規制も受けずに、大手を振ってまかり通っていたのですね。規制当局は何をしていたのでしょう?リーマンショック時の反省が薄いように感じますね。
さて、我が国の中央銀行である日銀の国債保有額は昨年12月末で564兆円になり、発行額の半分を超えました。日銀は保有国債について、利上げで国債価格が下落しても評価損を計上しなくていいようになっていますが、世界の常識(国際会計基準)はそうはなっていませんから、国際的な投資機関は日銀が保有している国債の実質的評価損を計算します。
日銀が金利を上げられないのは、巨額評価損が発生するからで、それを国際的な金融機関がどのように判断するか知っているからでしょう。
計算の簡単化のために保有している国債の金利をゼロとし、長期金利が3%にアップしたとしましょう。日銀保有の国債の残年数を7年とすると、評価損は次の計算式で求められます。
564×(1-1.03^7)=-129兆円
日銀の自己資本額は40兆円ほどですから、この前提条件では80兆円の債務超過になるでしょう。
わたしが日銀総裁でも、国際金融機関の反応が怖くて長期金利を米国並み(3.6-4.0%)にする勇気はありませんね。
1月と2月で40兆円ほどさらに買い増しているでしょうから、今年度末には600兆円を超すでしょう。新しい日銀総裁に就任する植田さんは、前任者である黒田さんのゼロ金利政策見直しはできないでしょう。とても怖くてそんなことはできません。
でも、発行済み国債の半分以上を中央銀行が買い入れているというのは異常な事態ですから、いずれ日銀とともに、日本政府が国際的な信用を失い、破綻が来ます。そのときは、国民への被害額もっと大きくなります。
預金封鎖による預金への課税そして保有株式や不動産への課税がなされます。そのときに住基ナンバーが重要な役割を果たします。預金は住基ナンバーで簡単に名寄せできますし、株式はとっくに電子データになっているので、課税が簡単です。不動産登記も電子化が進行中です。これらすべてが日銀経営破綻、政府財政破綻処理に向かっての準備になっています。
1946年2月16日に、大蔵大臣が預金封鎖を発表しています。財務省は預金封鎖や株式市場封鎖の具体的なシミュレーションを秘密裏にしているでしょう。
国民が対抗できる手段は一つはありそうです。金を保有することです。金は本源的な貨幣ですから、なにがあっても大丈夫ですよ。ただし、保管はたいへんです。盗まれないように万全の備えをしてください。
わたしですか?そんなにたくさんないので、心配してません。政府の無策にあきれています。老後のわずかなたくわえをあなたたちの無策をあがなうためにどうぞもって行ってください。
<金相場は?>
田中貴金属店での店頭渡しで、9100円/gですから、ずいぶんと値上がりしましたね、1970年代は2000円/gしなかったのですから。1kgの延べ棒10本で10kg、9100万円です。保管は貸金庫がいいですね。
1975年は1616円/gでした。1973年からの金相場の推移をご覧ください。
<クレディスイス銀行が経営不安>3/16
スイス中央銀行が7.1兆円の資金供給を発表。ヨーロッパ株式市場は金融株を中心に下落。
にほんブログ村
3/10にシリコンバレー銀行(以下SVBと略記)が経営破綻し、数日たった今、理由が明らかになってきました。損失のでた理由は二つ。
(1)保有債券が今年に入ってからのFRBの金利上げで損失を出した。
(2)不動産担保証券(MBS)の値下がりで損失を出した。
SVBが保有している財務省証券(日本では国債)が利上げで、巨額評価損が出たことと、資金難でリーマンショックでも問題となったMBSを売却することで資金調達して、巨額損失が出たことによる。
米国会計基準では、保有債券は時価評価ですから、売却するとしないとにかかわらず、金利が上がれば債権は値下がりして、評価損あるいは売却損を計上することになります。その損失の額が大きければ、預金者はリスク回避のために自分の預金を引き出し、他の銀行へ預けるので、急激に資金難に陥ります。
SVBは増資によって資金難を解決しようとしましたが、急激に株価が下落する局面では増資しても必要資金が集められません。
SVBは新興企業から預金を預かり、それを米国財務省証券やMBSへ投資していました。企業は資金繰りが苦しくなると、まず預金引き出しを行います。それが殺到すると、支払い準備が足りなくなります。必要資金をねん出するために、保有している米国財務省証券やMBSを売却しますが、金利上昇で値下がりしているので、必要資金が集められないだけでなく、売却によって巨額損失が発生します。
SVBは新興企業から短期の運転資金を預かって、長期投資をしていたために、支払資金がショートして経営破綻しました。
リーマンショックの引き金になった不動産担保ローンはいまだに大した規制も受けずに、大手を振ってまかり通っていたのですね。規制当局は何をしていたのでしょう?リーマンショック時の反省が薄いように感じますね。
さて、我が国の中央銀行である日銀の国債保有額は昨年12月末で564兆円になり、発行額の半分を超えました。日銀は保有国債について、利上げで国債価格が下落しても評価損を計上しなくていいようになっていますが、世界の常識(国際会計基準)はそうはなっていませんから、国際的な投資機関は日銀が保有している国債の実質的評価損を計算します。
日銀が金利を上げられないのは、巨額評価損が発生するからで、それを国際的な金融機関がどのように判断するか知っているからでしょう。
計算の簡単化のために保有している国債の金利をゼロとし、長期金利が3%にアップしたとしましょう。日銀保有の国債の残年数を7年とすると、評価損は次の計算式で求められます。
564×(1-1.03^7)=-129兆円
日銀の自己資本額は40兆円ほどですから、この前提条件では80兆円の債務超過になるでしょう。
わたしが日銀総裁でも、国際金融機関の反応が怖くて長期金利を米国並み(3.6-4.0%)にする勇気はありませんね。
1月と2月で40兆円ほどさらに買い増しているでしょうから、今年度末には600兆円を超すでしょう。新しい日銀総裁に就任する植田さんは、前任者である黒田さんのゼロ金利政策見直しはできないでしょう。とても怖くてそんなことはできません。
でも、発行済み国債の半分以上を中央銀行が買い入れているというのは異常な事態ですから、いずれ日銀とともに、日本政府が国際的な信用を失い、破綻が来ます。そのときは、国民への被害額もっと大きくなります。
預金封鎖による預金への課税そして保有株式や不動産への課税がなされます。そのときに住基ナンバーが重要な役割を果たします。預金は住基ナンバーで簡単に名寄せできますし、株式はとっくに電子データになっているので、課税が簡単です。不動産登記も電子化が進行中です。これらすべてが日銀経営破綻、政府財政破綻処理に向かっての準備になっています。
1946年2月16日に、大蔵大臣が預金封鎖を発表しています。財務省は預金封鎖や株式市場封鎖の具体的なシミュレーションを秘密裏にしているでしょう。
国民が対抗できる手段は一つはありそうです。金を保有することです。金は本源的な貨幣ですから、なにがあっても大丈夫ですよ。ただし、保管はたいへんです。盗まれないように万全の備えをしてください。
わたしですか?そんなにたくさんないので、心配してません。政府の無策にあきれています。老後のわずかなたくわえをあなたたちの無策をあがなうためにどうぞもって行ってください。
<金相場は?>
田中貴金属店での店頭渡しで、9100円/gですから、ずいぶんと値上がりしましたね、1970年代は2000円/gしなかったのですから。1kgの延べ棒10本で10kg、9100万円です。保管は貸金庫がいいですね。
1975年は1616円/gでした。1973年からの金相場の推移をご覧ください。
<クレディスイス銀行が経営不安>3/16
スイス中央銀行が7.1兆円の資金供給を発表。ヨーロッパ株式市場は金融株を中心に下落。
にほんブログ村
2023-03-15 14:14
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0