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#4112 英語が苦手の高2生のための短期特訓10th:最終回 Oct.23, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

<更新情報>
10/23 朝8:35 デカルトに関する追記

 毎週水曜日に2時間、合計10回短期特訓補習授業をやってきた。最終回の今日はLesson8'Water: The Biggest Problem in the Century' を1ページ半やった。5-10回音読、すべてのセンテンスと節の文型を確認しつつ、読解を坦々とやる。今日は冠詞に焦点を当てた。
 たとえば、’The Biggest Problem’と’the Century’はなぜ定冠詞がついているのか。’Water’はなぜ無冠詞なのか、’all the water on the planet’ のwaterにはなぜ定冠詞がついているのかなど。単数無冠詞、不定冠詞、定冠詞、複数無冠詞、複数定冠詞が使い分けられたら、高校レベルを超えている。授業では無冠詞には空集合の数学記号「Ф」を用いている。数学の大好きな生徒たちだから、なじみのある記号が食いつきやすい。(笑)

 たとえば、次のような例文を挙げて、意味や使われる場面の違いを解説した。
a1) She goes to school by bike. 
a2)  My mother went to the school yesterday.

b1)   He has been in hospital for a month.
b2)   He goes to hospital.
b3)   He went to the hospital last week.

 長い文が出てきた、英語が苦手の生徒は長文が苦手で、なかでも長いセンテンスは見ただけでアレルギー症状を起こす。それもとりさらねばならぬ。この章の2番目の文がちょうど都合がよかった。

 You may think it quite natural that a waiter brings you a glass of water when you sit at a table in a restaurant in Japan.

 デカルトは、複雑な問題に遭遇したら、「問題をよりよくとくために、必要なだけの小部分に分割すること」とその著『方法序説』の中で、科学の方法「四つの規則」の2番目で述べている。数学でも英語でも応用できる至言である。やってみよう。
You may think+O
it quite natural that a waiter brings you a glass of water
when you sit at a table in a restaurant in Japan

 こういう風に三つに分けてしまうと、それぞれ簡単な文となる。
 ①のOとはObject(目的語)である。その目的語が②の節構造になっているだけ。thatを挿入して黒板に書いて見せたら、何人かが「それならわかる、なんでthat入れてくれないの?」、そんなに親切な文ばかりやったのでは、新聞英語はいつまでたっても高根の花になる。
 ②は受験英語の「it…that」構文というやつで第Ⅱ文型だ。itはthat以下であるあるから置き換えたらいい。「that以下は極めて自然なことだ」と言ってるだけ。
 ③のwhenで導かれる節は第Ⅰ文型、時を表す副詞句、たとえば、this morningやyesterdayと同じ役割だ。英語は語順が決まっていて、時の副詞句は文末にくるのが基本で、それ以外の位置に来ていたら、強調である。したがって、「日本のレストランでは席に着くと…」というだけ。長いセンテンスも三つに分解してしまえば簡単になる。
 数学が好きな生徒たちのために、大中小括弧で括って関係を明瞭にすると次のようになる。

 You may think [it quite natural (that a waiter brings you a glass of water)][when you sit at a           table in a restaurant in Japan].

 次のように、スラッシュを二か所に入れただけで意味がとりやすくなる。
 You may think / it quite natural that a waiter brings you a glass of water / when you sit at a table in a restaurant in Japan.

   第Ⅲ文型 「S+V+O+Place(=∅)+Time」のplaceに関する句が空集合になっている例である。
(日本のレストランでは、席につくとウエイターがコップに入った水をもって来るのが極めて当たり前のことにように思える)

 ジャパンタイムズの記事にはもっともっと長くて複雑な構文が出てくる。長くて複雑な構造の文が出てきたら、やってみせたように番号をつけて箇条書にしてしまうか、文の節構造ごとにスラッシュを入れたらいい。そのとたんに、ずいぶん簡単に見えてしまうだろう。

 はじめて仮定法の文が出てきたので、仮定法過去と仮定法過去完了の解説をして、1題、英作文してもらった。
 If oil were to run out tomorrow, we would be able to survive.  But if it were not for water, we wouldn't.  
(石油が明日枯渇してしまっても、わたしたちは生き延びられるが、水がなければ生きられない)
  アンダーライン部は成句である。
英作文問題:「太陽がなければ、何も生きられない」、「太陽」は無冠詞か、不定冠詞aか、それとも定冠詞theをつけるのか、よく考えること。

 生徒:if it were not the sun, anything can't live.

 惜しい!80点だ。can'tがcouldn'tになれば正解だった。わたしたちが住む太陽系には太陽が一つだけだから、the sunが正しい。
 昨日、並べ替えの問題をやっていた生徒が、正答率4%の問題に正解できたと喜んでいた。動詞にshowを使う問題で、授与動詞4文型は「動詞+人+もの」の語順が基本となんども説明していたから、身についたようだ。いままでできなかった問題が正解できてうれしい、それを繰り返すことで、楽しみながら成績がアップしていく。勉強はいやいややっても身につかないが、楽しみながらやる者は大きく成長する。だから、いままでできなかったレベルの難問に正解できたら、その都度大いに喜んだらいい。

 
これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。


 ところで、ベネッセのスタディサポート・テストがあったのだが、受講していた5人は全員前回よりも英語の正答率がアップしていた、わたしはとってもうれしい。
 進研模試数学が5人とも学年10番以内だが、英語が苦手で、英語の偏差値が38-48であった。来週、進研模試があるが、まだそれほど点数は伸びないだろう。2月の模試までには、英作文トレーニングを3回やるつもりだ。それが終了すれば、さらに15点アップする。
 何も言わなくても、最近は5人とも英語の教科書を開いていたり、それぞれいろんな問題集やプリントに取り組んでいる。勉強しているから質問も出る。こちらは、質問に応えるだけでいい。「英語も勉強しろ」と言わなくてよくなった。(笑)
 2月の進研模試では、数学の偏差値よりも英語の偏差値のほうがよくなる生徒が出ると思う。

 国数英の3科目とも上がった生徒が三科目合計点で学年5位に上がってきた。2月はこの生徒の目標は学年3位だ。先週聞いた志望大学が変わるだろう、もちろんランクアップとなる。
 他の4人も三科目合計点で学年10番以内に入ってきてほしい。
 半年後には英語が苦手だった5人のうち3人は英語の偏差値が60を超えているだろう、そうなったらとっても愉快だ。(笑)

 学年トップの生徒には、この特訓は不要で、’Sapiens’を読んでいる。授業の様子はカテゴリー「44-2 Sapiens」にまとめてあるから、偏差値80超を目指す人は利用したらいい。二次試験対策にもなるし、大学院入試の準備にもなる。
 この生徒は英検2級を受験したが1次試験はバンド+7で通過、2次試験(面接)も問題なしだ。英検2級クリアが条件になっている大学医学部があるので、クリアしておきたいということだった。
 481頁あるハラリの’Sapiens’邦題『サピエンス全史』を読み終わるころには、準1級に手が届く。準1級の問題集を並行してやっておけば、語彙力も問題がなくなる。Sapiens一冊だけで、高校3年の教科書のおよそ26年分の分量があるから、すごい分量だ。大学受験勉強でこんなことをやる生徒は全国にもほとんどいない。(笑)

 学力に応じた個別指導をすれば生徒は勝手に成長するのである。


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#4105 英語が苦手の高2生のための短期特訓9th Oct. 17, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 早いもので、英語が苦手の高校2年生のための10回の特訓も来週で終わりである。毎週水曜日、2時間の補習授業を飽きもせずによくがんばった。来週こそは辞書を引いて予習してきてもらいたい。(笑)
 釧路の病院へ通院して休んだ生徒が一人いるので、少し丁寧に書いておく。

 使用しているテクストは、3年生用のVividⅢ、Lesson4、part3と4である。先週やったところpart2の受動態が関係があるのでそちらの解説からはじめたい。

(1) The cellphone recycling program at the zoos is run by Eco-Cell, a company that designs a program of encourageing organizations to collect old electronic products.


 普通なら、次のように能動態で書いたほうが主語が重くなくていいから、そう書くべきだが、なぜ受動態を使って書いているのか考えてもらいたい。
  Eco-Cell runs the cellphone recycling program at the Zoos.

 Eco-Cellという会社の説明を続く文でしたいから、受動態を選んだのである。このほうがつなぎのよいことは能動文を先頭に置いてみたら、一目瞭然である。
 一般に受動態は、動作の主体に興味がないか、あえて言う必要がない場合に用いられるが、そのほかに文の前後関係から、この場合のようにつなぎが自然になる場合に採用される。江川泰一郎『改訂三版・英文法解説』にしっかり載っていたので驚いた。高校英文法解説書でもこういうことに言及しているものがある。英作文上、必要な知識であることは言うまでもない。

 この文に続く、次の文も、同じ理由で受動態が選択された。
(2) The collected phones are sold to refurbishing companies.
  Then these companies resell the phones in developing markets, such as Africa and Latin America.


 すべての文、そしてすべての節構造は文型を生徒たちに問う。3番目に挙げる文の文型はまぎらわしい。

(3) Eco-Cell sets up a collection point at the front gates of the zoos, and invites people to bring their old cellphones.

  [set up]は句動詞だから、これはⅢ文型である。[a collection point]が目的語になっている。前置詞句ではない。

 さて昨日の授業は、part3からである。

(4) And there is still another serious problem: the illegal miners kill animals, including gorillas, for food.

  [there is ~]は新情報の提示である。「別の問題がある」と述べて、具体的に[:]以下で補足説明している。

 その次の文のthat節の文型を生徒たちに訊いてみた。
(5)  It is said that  the conflict, the illegal mining, and the growing "bush-meat trade" have all led to a dramatic decline in the eastern lowland gorilla population.


 正解者なしだった。主語がやたら長いのである。[the conflict]は第2段落に書いてあった[the civil war内戦]の言い換えである。key wordはこの語のように、言い換えるのがあたりまえの作法だ。haveの前までが主語である。
 populationは「人口」とは訳さないでもらいたい。ゴリラなのだから「生息数」がふさわしい。「生息数」よりも「棲息数」を選びたい。生きている数ではなくて棲んでいる数と思うからだ。微妙にニュアンスが違う。
 次の文も文型を間違えやすい。
(6) The cellphone recycling program at zoos is effective because many people visit there.

  主節は2文型で誰も間違えないが、because以下の従属節は間違えやすい。there=at zoos と取ったらアウトである。there=zoosなのだ。だから、ここは3文型。
 I visit my aunt every summer. 
 I went to Kusiro last week. I bought some cloths there.

  「go+to+行先」であるのに対して「visit+目的語(行くところ)」である。visitは他動詞なのである。

(7)  Acutually, there is something more about the program.

 新情報提供の「there is ~」の肯定文だが、次のような文もある。

 Tell me if there is anyone who can speaks Spanish well.
  (だれかスペイン語を上手に話せる人がいたら教えて)

  anyは開いている、この文例では「誰でも構わないから、スペイン語上手に話せる人いたら教えて」
 この文例でsomeoneを使うと、「誰かいるでしょ、スペイン語上手に話せる人教えて」というニュアンスになる。
 「肯定文ではsome、疑問文ではany」というのは中学校まで。ニュアンスの違いをしっかり押さえよう。
 

 この文のあとに倒置文が出ている。

(8) "The objective is coservation education," says Sharon Dewar, a spokesperson for the San Diego Zoo, one of the Zoos carrying out this program.


 Sharon Dewar に関する補足説明を付け加えたいので、倒置している。文のつなぎへの配慮である。受動態の文例で示したことと同じである。
 「one of the Zoos carrying out this program」は直前の[the San Diego Zoo]の補足説明。

(9) Many people have old cellphones at home, and they don't know what to do with them.

 生徒たちはこの文が訳しにくかったようだ。中学生のときに習った「疑問詞+to不定詞」は覚えていた。
 I don't know what to do.(何をしていいのかわからない)
       〃            where to go.
       〃            when to go.
       〃            how to do.

 (家に古い携帯電話をそのまま家に置いている人多いいが、それをどう処分してよいのかわかっていない)

 知っていることと、使えることには距離があるから、さっそく埋める努力をしてもらいたい。

(10) Dewar says that the users should know this: cellphones contain dangerous elements, so they mustn't be thrown into a landfill.


 elementsは辞書を引かせた。「要素」と誰かが言った。もう少し考えてもらいたい。ここでは「元素」なのだ。theyは直前の「dangerous elements」と「cellphones」の両方の可能性があるが、わたしたちが捨てるのはcellphonesである。面白いのは、捨てるというのを、英語でも「投げるthrow」という語を使うということ。北海道弁と一緒だ。(笑)

(11) Now it's your turn to take action.  Cellphone campanies have also started programs to collect old phones, so it is easy to have yours recycled.


  「it's your turn:あなたの番です」は決まり文句だから、とっさに出るように30回口ずさんで覚えてしまおう。ここで大事なのは使役のhave。使役は「Oに~させる、Oに~してもらう」、受け身・被害は「Oを~される」(同書P.200、284)
 I had my bicycle repaired/stolen.  ⇒ My bicycle was repaired/stolen.


<受動態の文の補足>
 受動態の文はすべて1文型であったが、実際には3文型のものもあるので、簡単に説明しておく。
 4文型動詞の場合には受動態が3文型になることがある。
1.My aunt gave me this watch. (叔母がこの時計を私にくれました)
   (a) This watch was given to me by my aunt. Ⅰ文型
   (b) I was given this watch by my aunt. Ⅲ文型


2. She bought Jill a new sweater. (シルに新しいセータを買ってやった)
   (a) A new sweater was bought for Jill. Ⅰ文型
   (b) Jill was bought a new sweater.  Ⅲ文型

      …同書p.267 

 
 なお、Ⅴ文型の文は受動態にするとⅡ文型になるから、やって確認してみたらいい。


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#4098 英語短期特訓授業 8th:Lessen 4 Oct.2, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

<最終更新情報>
10/10朝9時 編集&EPROM追記

  今日は10回の短期特訓の8回目、コンゴ自然保護区内でも希少鉱物コルタン違法採掘と自然破壊がテーマである。全文、全節を五文型に分解して解説したが、ひとつやっかいな文に遭遇してしまった。まあ、見ていただこう。

(1)  This chaotic situation shows the miner business there is really unhealty.

 問題は文の構造理解である。意味さえ分かれば十分だと片付けてもいいが、面白そうだ。生徒の意見を聴きながら取り組んでみた。

  高校生は、"Show me the way to the station"(駅への行き方を教えてください)というような文例や「show+人+もの」のような授与動詞としての用法が頭に浮かぶのではないだろうか。showのあとに人が来ていないので、授与動詞ではないことはすぐに了解できるだろう。しかし、その次に’the miner business’ がshowの目的語だと思い込んだら厄介なことになる。もっと普通の文なのだ。showの目的語が節になっているが、thatが挟まれていないので勘違いしやすくなっているだけ。では、節の中、とくにthereの由来に注目して見てみよう。

① the miner business in protected parks in Congo is really unhealthy.
②   the miner business there is really unhealthy. 

  自然保護区内でのコルタン違法採掘ビジネスは不健全であるという①の文の「the miner business in protected parks in Congo」、場所を示すアンダーライン部分が②の文で場所を示す代名詞「there」に置き換わっただけ。文脈が論理的に読めていれば気がつく。当該文だけでなく、前のセンテンスとのつながりを見たら、thereの由来がはっきりする。そういう読み方に慣れてもらいたい。そして「the miner business」に定冠詞がついていることを見落としてはならない。これは単なる採掘ビジネスではなくて、前段に出てきている「違法採掘ビジネス」なのだ。そうするとthereもそれが行われている「コンゴの保護区」だとわかる。

 以上の説明から文(1)はⅢ文型である。showの目的語が節構造をなしているもっとも基本的な用例にすぎない。

<訳>
(この混沌たる状況をみれば、そこ(コンゴの自然保護区内)で行われている違法採掘ビジネスが本当に不健全であることは明らか)


 コルタンの違法採掘のために保護地区深く侵入し、森林に生息する低地ゴリラを殺して食糧にしたり、得た資金で武器を購入して内戦が激化してしまうという「混沌たる状況」がコンゴにはある。コルタンの市場価格は10/6現在14500/kgである。違法採掘によってコルタン1t手に入れたら、市場価格で1450万円である。半値で売っても大金が手に入る。100tも違法採掘したら、半値で売却しても70億円が手に入る。違法採掘がなくならないわけだ。精製してしまえばどこで採掘したコルタンなのか区別がつかないから、世界のどの市場で売ってもわからない。原産国証明のないコルタンは国際市場から締め出せばいい。コルタンはスマホの中に使われている、キャパシターの高性能原料である。電気を取り込んだり貯めたり、放出したりできる装置、基盤に組み込まれる小さな電子部品の一つである。古いパソコン、あるいは安いラジオなど、外側を外して基盤を観察してみたらいい。昔(40年ほど前)は、基盤を覗くと、丸いガラスで回路が透けて見えるROMがあった。ガラス越しに紫外線を当てたらROMに書き込まれた情報を消去できるから、新しいプログラムを再書き込み可能だ。回路が透けて見えるのである。虫眼鏡やルーペで拡大してみたらいい。あれば顕微鏡で回路パターンを見れたらもっと楽しい。
 好奇心は何かしらの発見を促すものだ、しかも連鎖反応を起こし、視野を広げてくれる。ネットで検索したら今でも手に入るし、使われてもいるようだ。思い出した、EPROMという。Eraserble Proguramable Read Only Memory
 ウィキペディアのほうには写真も載っている。
*http://e-words.jp/w/EPROM.html
**https://ja.wikipedia.org/wiki/EPROM


<和訳の小技>
 和訳するにあたって、無生物主語の場合は、主語を副詞句に訳すと、訳文が滑らかな日本語になるケースが多い。やりにくい時は、その方向で検討したらいい。2文そういうのが出てきた。

<迷いの原因:具体例>
 [there is ~]を存在を示す文だと勘違いしたら、しばらく彷徨(さまよ)うことになる。実際に彷徨った。主語がないことに気がつけば、迷路から脱出できる。では、主語は「the miner business」ではないかと補ってみるとおかしな文となってしまう。「there is the business really unhealthy」としたのでは、文の前半部との整合性が失われるだけでなく、「the miner business is really unhealthy」と書けばいいだけ。蛇足。
 簡単な文も、焦点が「there is ~」構文にあってしまうといけません。中高の英文法では「存在を表す構文」として何度も顔を出します。thereの使い方で最も基本的なのは場所を表す代名詞としてのthere、機能としては副詞句です。そこに気がつけなくなります。中高の英文法病、よく勉強した人ほど陥ります、いや罹(かか)ります。(笑)

<辞書を引くタイミング>
 今回は受動態の文が多かった。受動態の文の文型識別にはだいぶ慣れただろう。実際の文例を使って辞書を引くタイミングを教えた。たとえば、runやinvite、「走る」や「招待する」で訳文の意味が通じないときは辞書を引いて適語を探すこと。知っている単語ほど危うい。トレーニング用に具体例を3つ挙げておく。主語との関連で、意味が連想できる。連想してから確認用に辞書を引くのがベスト。

(2) The cell phone recycling program at the zoo is run by Eco-Cell, a company that designs a program of cncourageing organizations to collect old electronic products. 

(3) Eco-Cell invites sets up a collection point at the front gates of the zoos, and invites people to bring their old cellphones.
 
(4) The Congo has 80% of the world's known coltan supply.

  最後のsupplyの的確な訳語は高2の五人の生徒たちがもっている電子辞書には載っていなかった。文脈からいって「埋蔵量」である。英英辞典を引いたらあった。

supply: an amount or quantity of something that is available to use
  'Macmillian English Dictionary for advanced learners'

  一番最初に、ピッタリのものが載っている。

(4)訳:(コンゴには世界中で確認されているコルタン埋蔵量の80%がある)






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#4093 英語短期特訓授業 7th:Lessen 4 Oct.2, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 <毎週水曜日の英語短期特訓授業7回目>
 今日は根室高校では、1年と2年対象のスタディサポートの試験があった。ベネッセのテストで、生徒の話では難易度は進研模試レベルらしいだが、マークシート方式である。数学はできたが、英語は相変わらず歯が立たないようだ。仮定法が数題出題されていたらしい。仮定法は高校英語の最重要項目である。1年生の時の後半に習っているはずだが、4人とも手が出なかったと言っていたから、仮定法だけで2回ほど特訓の追加をすることにした。こうやって生徒とコミュニケーションしていると、弱点になっているところが具体的にあらわになるから、わたしのやるべきことも増えるのは自然なことだ。(笑)
 前回の進研模試よりはいい点数が出てくることを期待したい。

 今日の授業は高2の生徒4人が参加した。4人とも昨日は塾へ来て課題小冊子の問題を解いていた。一人が眠そうな顔をしているので、朝までやったのかと訊いたら、ほとんど寝ていないという。好い根性している。

 第4章のタイトルは”Can Cellphone Recycliing Help African Gorillas”(スマホのリサイクルはアフリカのゴリラを助けることができるのか?)となっている。
 高3の教科書をテクストに使っているが、中身の80%は中学英語である。「現在完了形+受動態」の文が二つ出てきたので俎板(まないた)にあげた。これは高校の範囲。

(1) Recently, more and more cellphones have been used around the world.
(2)  That has led to a huge increse in mining activities to get coltan, and as a result, the animal's habitat has been greatly reduced.

  10回ほど音読してから、一文ずつ文型を確認しているので、それが終わってから生徒に第何文型なのか問う。解説はその後。
 (1)は第1文型、(2)は重文になっており、前半部と後半部ともに第一文型である。
 現在完了は have+過去分詞
 受動態は  be動詞+過去分詞
 これらが合わさると、太字の部分が加算されて、「have+be動詞の過去分詞+過去分詞」となる。現在完了と受動態の和集合だ。二つの集合の席の部分が太字になっている。数学が得意な生徒たちだから、こういう説明のほうが頭に入るだろう。このように授業はつねに対象となる生徒に応じて変幻自在なのがあたりまえ。不思議だったのは中学校の数学と英語の授業、学校が違っても教え方は判で押したようにそっくりだった。8回見学してなるほどそういう授業をやっているのかと感心した。生徒の学力には関係なく、マニュアルに従って進行しているような授業だった。成績上位層がやる気を失うのは無理もないこと。成績下位層も理解不能。集団授業ではあれしか方法がないのだろうか。
 
 さて、受動態の現在完了文を能動態へ書き直してもらった。生徒の作業が終わってから解説する。

 We have used more and more cellphones around the world.
  They have greatly reduced the animal's habitat.

 なぜ最初の文はweが主語で、あとの文はtheyが主語なのかもよく考えてほしい。文脈が読めていれば理由がわかる。正解できた生徒はいなかった。いまの段階ではそれでよい。10回の特訓が終わったときにちゃんとしてればいいのだ。
 書き手は、主語には関心がないから受動態を選択して書いていることに注意。現在、過去、未来、現在完了と並べると、それぞれの使われるシーンの違いがよく理解できる。

 ① More and more cellphones are used around the world.
 ② More and more cellphones were used around the world.
 ③ More and more cellphones will be used around the world.

 ④ More and more cellphones have bee used around the world.

 日本語には現在完了形という形がないから、その用法には習熟しておいた方がよい。現在完了形は現在に関心の焦点がある。過去から継続している事象を現在に焦点をあわせた場合に用いる表現である。英文法用語を使うと相(Aspect)である、どの相を選択するかは英作文のときにとても重要なことなのである。

 だから、上記の①~④まで並べてニュアンスの違いと使われるシーンの違いを読み取ってもらった。

 次の文のほうがもっとわかりやすい。
 ① My uncle is rich.(成金ではなくて、代々続く金持ちの家柄かもしれない)
 ② My uncle was rich.(おじさんは金持ちだった、しばしば現在の状態とは違うことを裏に含んでいる。すなわち、now, he is poor)

 ③ My uncle has been rich.(おじさんは金持ちだ、(以前のあるときから、そして今も金持ちである))

 ④ My uncle will be rich.(おじさんは金持ちになるだろう⇒現在は金持ちではない)

 現在完了の文には期間をつけてみたら、そのニュアンスがもっとわかりやすくなる。
 My uncle has been rich since 10 years ago.(10年前から金持ちだ⇒10年前までは金持ちではなかったというニュアンスを含む、たとえば、2008年のリーマンショック後の混乱の中で株で大儲けしたのかもしれぬ。)

 わかりやすい例をもう一つ挙げておこう。
 I lost my wallet yesterday.(昨日財布を無くしちゃった⇒でも今朝見つけたかもしれない)
   I have lost my wallet. (I am finding it.)(財布なくしちゃった(今もない)(探してる))
  

  最初の文は「昨日財布を無くした」現在は見つかったかどうかは不明だが、現在も見つかっていなければ、現在完了文で表現するだろう。だから、過去形を使うと、いまは違う状態にあることを示唆することになる。
 形状からいうと、walletは「札入れ」、purseは小型のバックを意味している。


(3) The average lifespan of a cellphone in the U.S. is less than two years.

  気になったので、lessは比較級だが、その「原級」を訊いてみた。案の定、英語が苦手の生徒たちは忘れていた。関連単語とセットで覚えてしまおう。
  many  more  most
  much more most
  little less least
  few fewer fewest

  可算名詞につくのはlessではなくてfewerが正しいのだが、中学生や高校生の英語ではlessでもOKだろう。

 文型で難しい文があった。
(4)  Coltan is mined deep in the forests of the Congo, which are home to the world's endangered lowland gorillas.

  これは第1文型だ。deepは副詞なのだ。「コルタン(希少鉱石の一つで、スマホの部品、キャパシターの原材料に使われている)はコンゴの森林の奥地で採掘されている」、deepは場所を表す副詞句なのである。これはちょっとむずかしい。生徒に訊いたら、第2文型と答えた。次のような文なら迷わなかっただろう。
 Coltan is mined there.(コルタンはそこで採掘されている)

 thereもdeepも場所を示す副詞相当語句(adverbials)なのである。thereは頻出するが、deepの副詞はわたしも初めて見た。thereとdeepを置き換えてみるというようなことが、頭の中で臨機応変にできるようになればいいが、普通の高校生には無理だろう。

 これで7回、すべての文と節の文型を逐一検討しているのだが、このごろ4人合わせると8割ぐらい当たるようになってきた。一人一人見たら6割の確率かな。文型を手掛かりにして、別途、英作文のトレーニングを3回ほどやるつもりだ。

 現在完了形の文を使うシーンのおおよそが四人の生徒たちには理解できたら幸いである。後は参考書を読んで、問題集を自分で解いてみたらいい。そこまでやらないと知識は身についたものにならない。

 徹夜でテスト直前の夜勉強した生徒は、説明を始めると目が泳いでいた。音読を開始すると目が開いて、口がしっかり動いていた。そのうちに眠気が吹っ飛んだようだった。よく頑張った。


<余談:高1のときの英語授業>
 55年前、1964年の東京オリンピックのとき、根室高校1年生で沢井先生に1年間だけ英語を習ったが、文型の説明は1-2時間程度だった。すっと頭に入ってきた。そのあとの定期テストで先生は文型問題ばかり50問出題されたが、1問だけ間違えてしまった。それ以来、沢井先生はわたしを特別扱いした。半分以上正解できた生徒は50人のクラスに2人しかいなかったからだ。いま英語が苦手な生徒に教えてみて、文型はあんがい理解が難しいようだ。何が原因かまだわからない。学年トップの生徒には、文型の説明をほとんどしていないが、生成変形文法を用いた説明はしているから、2章分くらいの文型解説をすれば、間違えることはなさそうだ。そのうちに、暇な時を見つけて教えてみる。
 英語が苦手な生徒は文型の理解に時間がかかるが、英語が得意な生徒は簡単な解説をするだけで、ほぼパーフェクトな理解に至る、そういうことが言えそうだ。英語が得意か苦手かの「リトマス試験紙」に文型問題が使えそうだ。(笑)
 いまにして思うと、小学生の時からずっとビリヤード店のほうの店番を手伝っていたので、普段の日は勉強する時間がとれないので、興味のある科目は、授業で先生が説明したことを一つも聞き逃すまいと、集中して聴いていた。あのころにしかできない「異常な集中力」で聴いていたから、頭の中にすんなり入ってきたのかもしれぬ。授業を聴いているときの「目が怖い」といった先生がいた。真剣勝負と思って聴いていた。(笑)
 家業の手伝いに毎日時間を割かなくてもいい生徒たちに同じことを要求しても無理だから、何か別の方法を探す必要がある。

 沢井先生の英文音読は低音で、すばらしい声だった。根室高校のあと、釧路高専へ転任されたと噂に聞いた。中高大と10年間、英語を習ったが、沢井先生が最高だった。運がよかった。中高の6年間では4人の先生に英語を教えてもらった。最初の2年半習った先生は文法用語を一切使わないし文法の解説をしない人だった。3回音読して和訳したら、あとは雑談。お陰で、英語は自分で勉強しなければいけないと思い知った。数学の先生はアル中でいつも真っ赤な顔をして酒臭かったが、週に一度くらいは授業してくれた。わたしのクラスは2年間そういう先生が数学を担当していた。3年生になって担当が変わり、F田先生が毎時間ちゃんときて、黒板に図を描いて丁寧な説明をしてくれたので「神様」に見えた。F田先生が担当するまでに、自学自習の習慣がしっかりついていたので、鬼に金棒の気分だった。どんな先生もそれなりに成長を促してくれたので有難かった。

 大学3年次の時事英語の先生はお粗末だった。土曜日の授業だったが、前日のディリー毎日の社説をテクストに使った。どこかの大学院の英米文学研究科卒の先生だったと思うが、当時は為替が固定相場制から変動相場制に移行して、経済記事の社説が多かったので、手に余った。周辺知識も経済学や金融の専門知識もなかったから、受講している学生に誤訳をしばしば指摘された。文学作品ならもっといい授業ができたのだろう。
 外諸講読授業はM大学大学院会計学研究科卒の先生が担当してくれたが、専門なのにちょっとお粗末だった。会計学も英語も並の水準、ほとんど得るところはなかった。格調の高さどころか、日本語になっていないことが多くて先生の訳を参考にする必要はなかった。原価計算を担当してくれた小沢先生なら面白かったかもしれない。早稲田大学大学院商学研究科卒だった。授業が終わってから何度か話した、長引くと向ヶ丘遊園駅前の喫茶店まで付き合って議論してくれたこともあった。授業が終わった後で、1時間くらい学生相手に議論してくれる若手の先生が数人いた。経済学史の内田義彦先生のような大御所にはいくら無鉄砲な学生でも恐れ多くてやれない。(笑) 専修大学出身者で、若手のマックスヴェーバー研究者が一人いた。授業のあとで議論によく付き合ってくれたが、若くして急逝された。お名前が思い出せない。
 当時は岩波書店の英和中辞典を使っていた。持ち運びには不便、分厚くて大きくて重い辞書だったが、それでも英語の授業のときにはバッグにいれてもっていった。岩波の辞典だけでは足りないので、経済用語英和辞典も使っていた。本を買うお金を毎月送ってくれたオヤジとお袋に感謝だ。あの当時で、本代を別に1万円送ってくれた。高卒の初任給がまだ2万円弱の時代である。神田と高田馬場の古本屋街を大きなバックをもって通った。古本屋では新刊書が1割引きで買えた。オヤジとおふくろが、ビリヤード店や焼き肉屋、居酒屋をやって一生懸命に働いて送ってくれたおカネだから、だいじに使った。




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#4089 英語短期特訓授業 6th:"Gamification" Games May Save the Word Sep.25, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

  根室高校は前期・期末テストが9/3~6まであったので、英語の短期特訓授業は2週間休んだ。

 今日が6回目で、"Gamification" Games May Save the Word の続き、Part 3 である。用意しておいた「words order」のプリントを10分ほど説明してから、教科書本文講読授業を始めた。

 2文ずつ10回ほど音読してから、主語と本動詞を生徒に質問して、文型を確認しながら授業を進める。音読速度は上がっていく。
 次の文は2か所で引っかかった。

(1) Then, more than 100,000 people played the game and the puzzle was solved in just three weeks.

 「100,000」は英語では何と読めばいいのか、訊いてみた。英語が苦手の生徒たちだから、だれも答えられなかったので、順に書いていく。いま覚えればいいのである。本気でやれば進研模試全国平均レベルへはすぐに追いつき追い越せる。

  100: one hundred
  1,000:  one thousand
  10,000:  ?
  100,000: ?
  1,000,000: ?
  10,000,000: ?
  100,000,000: ?
  1,000,000,000: ?

  順に、ten thousand, one hundred thousand, one million, ten million, one hundred million, one billion.  

 「the game and the puzzle」と読んでしまって、意味がつかめない生徒がいた。この文は重文なのである。

① more than 100,000 people played the game
② the puzzle was solved in just three weeks
 これら二つの文がandでつながれただけ。英語が苦手な生徒たちは、文章をたくさん読んでいないから、案外こんなところで混乱を起こすものだ。たくさん読めば、いろんな事例にぶち当たり、そこで学ぶことができる。読め、読め、もっと読め。(笑)

(2)  According to research, people all over the world spend 3,000,000,000 hours a week playing online games.

 ここはうっかり読み間違えた。researchが無冠詞であることを見逃した。(1)の文に続けて、(2)の文の段落が始まるのだが、10万人が30億時間と読んでしまった。割り算をしてみたら、「30億時間÷10万人=3万時間/人」となる。そんなわけはないから、誤読とすぐにわかった。「世界中でオンラインゲームをしている人たちの消費時間を全部合わせると、週当たり30億時間になる」と言っているだけ。前段の10万人は関係がないのだ。「a week」は週当たりということ。「per week」と書き直してもよい。

 Part-3の冒頭の文の「were doing research」と2文目の主語である「the research」には、書き手の修辞上の考慮がある。「were researching」と書いたのでは、後の文で「the research」で受けられなくなる


(3)Scientists at Washington University were doing research to make new medicine, analyzing protein structures. However, the research was very difficult and required quite a lot of time.
 and以下の文の主語は前の文の主語と同じだから、省略されていることはだいたいの生徒が理解できるようになった。うれしい。
the research was very difficult .
②(the research was) required quite a lot of time.

 <Lesson 4
 Can Cellphone Recycling Help African Gorillas?>

(4) You may have heard that recycling cellphones helps save the earth.  But do you know how it works exactlly?  First of all, recycling can help reduce the amount of waste.  It can also prevent some chemicals contained in cellphones from polluting the envionment.

 主語と動詞を生徒たちに質問して、次いで文型を確認してから、和訳を試みてもらう。最初の文はⅢ文型だが、that節のなかの文型は1文型である。原形不定詞のsaveはhelpを修飾しているから、副詞的用法。ここが正解できた人は五人の受講者の中にはいなかった。

 「do you know how it works exactlly?」これは間接疑問文だが、itが何を受けているか質問してみた。Yさんだったかな、正解した。指示代名詞が何を受けているかを曖昧にしたら意味が分からない。名詞(単数)句を受けているから、「recycling cellphones」である。recyclingは動名詞であってcellphonesを修飾する分詞形容詞ではないのである。だから単数。それゆえ動詞は三人称単数現在形のworksとなっている。ついでに「works」の訳語も考えてもらった。workは基本単語で意味が多い。自分の日本語語彙の中から適当なものをピックアップしておいてから、辞書を引いて確認する。このほうがいきなり辞書を引いて、workの項目を読むより効率がいい。そして試験のときには意味の分からない単語がたいていは出てくるから、その意味を文脈から判断するのはふだんのトレーニングがモノをいうのである。授業では、このように辞書に頼らずに文脈から適切な日本語を類推するトレーニングも時々織り込む。

 「the amount of waste」を「大量のごみ」と訳した生徒がいた。生徒たちは全員電子辞書を使っている、そしてジーニアス英和辞典の4版か5版である。そういう用例が載っていたのだろう。この場合は、「ゴミの量」であるが、文脈で判断するしかない。シャープがいいのかそれともカシオ製品か、迷うな。カシオは単三乾電池で動くがスマートではない。一人がシャープのバッテリー残量表示がでなくなったといっていた。迷うね、ほんと。数年使えばゴミになる。「第四章 スマホ・リサイクリングはアフリカのゴリラを助けることができるか?」なんて書いてあるから、ますますためらいがでる。スマホに限らず、電子機器はなるべく長く使うものだけ買うべきなのだろう。電子辞書は毎年機能がよくなるから、まるで消耗品で、まだ成熟した製品とは言えない。永遠に成熟しないのかも。あれこれ考え、そして考えあぐねる阿呆一人。使い棄てたらいいのだ。電子辞書、
そろそろほしい。(笑)


 「prevent A from B」は受験では出題頻度の高い用例であるから、辞書の簡単な例文をそのまま書き写して、30回音読、10回書きとって暗記するように指示する。
 スマホに使われている希少金属のコルタンの話が出てくるので、スマホで調べることを宿題にした。


 中3のときに、教科書「Sunshine」で5つのRが出てきたことを記憶しているか、訊いてみた。五人で協力したら、全部上げられた。
● Reuse
● Recycle
● Reduce
● Repair
● Refuse

 一番最後のものがピンと来ないかもしれない。スーパで買い物したときに、「レジ袋はいりません」というのがrefuseである。

 今日も2時間ノンストップ、質問すると前回よりもだいぶ反応がよくなっている。きっかけがあれば、英語アレルギーの生徒も、好んで英語の勉強をするようになるようだ。生徒の反応の変わりようにこちらが驚く。(笑)
  苦労し甲斐のある生徒たちだ、めんこい。もっとはやくやってやったらよかった。

 10分ほど前に終わって、日本語音読授業の希望者の確認をした。明日から4人だけ週1・10回の音読トレーニングをする。12月初旬におわるので、メンバーを入れ替えて2回目の音読トレーニングを予定している。テクストは斉藤孝『語彙力こそが教養である』をとりあげる。精確に標準の倍速でテクストを読み切れたら、国語だけでなく、他の教科も予習に時間がかからないから、学力の底上げができる。音読トレーニングの効果は、基礎的なスキルであるだけにバカにならない効果がある。読めなかった漢字や熟語をまるで囲んで、あとで漢和辞典で字義や国語辞典で意味を調べる。そして10回書きとる。語彙力の拡張も目標の一つ。
 芥川龍之介『地獄変』が2冊あるので、1ページ半2人が競って音読した。一人がスマホのストップウォッチ機能を使って計測したら、1分5秒であった。高速音読では50秒が目標値だ。ルビを振ったテクストなので、振っていないテクストではだいぶ速度が落ちるだろう。希望者が多ければ、水曜日「1.5時間×5回」、4人までなら、毎週木曜日4時10分から50分まで。

語彙力こそが教養である (角川新書)

語彙力こそが教養である (角川新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 新書

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#4081 英語短期特訓授業 5th:"Gamification" Games May Save the Word Sep.11, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

<最終更新情報>
9/12朝9時追記:pとfの発音について

 高3英語教科書を使った、英語が苦手な高2対象の短期特訓授業は5回目である。前期期末テストがあったので2週間中止し、今日から再開した。
 Lesson 2のGamificationの章だ。
 いままで、本文を10-30回音読し、全文黒板に書いて、文型解説をしていたが、慣れてきたようなので、板書せずに口答で説明していったら、'part 1'と'part 2' を消化できた。速度が倍になったから、残り5回で3章やれるかな。
 数回音読した後、英語が苦手な生徒4人に節単位に区切って文型を訊いてみた。4人束になって正解が半分程度だった。これには苦笑。あまり復習していない様子。1人は高3教科書を第1章から順にやり始めたから、大きな変化が起きた、N君。英語の文法問題集に取り組み始めた生徒はH君。あとの二人はなんとか授業に出席している状態かな。マインド・セットが変わった様子が見えるのはこの4人のうちでは二人。
 音読は、最初はゆっくり、同じ文章を5回10回15回と回数がアップするごとにだんだん速度を上げていく。必死についてきているのがわかる。大きく口を動かすように言っても、実際にはほとんど動かせない者もいるから、ときどき子音の発音で具体的に口の動かし方と息の出し方を注意する。今回はpとfだった。おあつらえ向きにpとfが多く出てくる文があった。

 Participants put the data of their energy comsumption online.
 For example, some cars are equipped with a game function showing fuel effeciency.


 文型と意味解説をした後で、意味を頭に浮かべて5-10回音読する、イメージ音読と名付けている。弊ブログに投稿してくれていたHirosukeさんのメソッドである。30回音読10回書き取りというのは、英語の達人、ハンドルネーム「後志のおじさん」のトレーニング・メソッド。いいとこどりさせてもらっている。「学ぶ」の語源は俗説によると「真似る」ということらしいが、わたしはその通りにやっている。生徒たちの手本になればうれしい。ニムオロ塾の英語授業は日々進化している。(笑)
 いまにして思うことがある。ブログ投稿欄での議論はとっても役に立つことが多い。意見が違うほど学ぶことも増える。時におちゃらかしのあるのはしかたがない。そういう場合でも、議論につきあうことにしている。投稿者の知的レベルが文章に現れていることがある。そういう投稿者に付き合って対話していると、途中からまともな議論に変化することがある。それも愉しい。四国の阿波の国の住人で、面白い人がいた。使う言葉で四国出身者ということはすぐに分かった。だいたいは気真面目な人が多いようだ。たくさん投稿してくれた人ではkoderaさん、Hirosukeさん、後志のおじさんがそうだ。それぞれお得意の分野で一家言のもち主である。

 ゲーミフィケーションというのは聞きなれない言葉だが、たとえば、老人施設で考えられるのは、椅子に座ったり、椅子から立ったりするのを、圧力センサーでキャッチして、パソコンへ伝送し、スクリーン上に木を表示して、やった回数に応じて、木が成長していくというようなことである。ゲーム感覚で、老人の健康促進、あるいは病気予防を愉しくやろうということのようだ。
 電気節約事例では、電気器具ごとの電力消費量を知り、節電の量を競い合うことで、一番節電した人が優勝するというようなこと。
 車の燃費データをオンラインで伝送し、燃費向上を競い合うことも事例に挙げられていた。いまは可能性の話だろうが、そろそろ実現しそうだ。

 音読主体の授業なら、英語が苦手の生徒たちの緊張が切れることはない。2時間ノンストップであっというまに7時になっていた。授業はやりようだね、毎回いい集中力を見せてくれてるが、成績と連動するかどうかは、家での勉強次第だ。わずか2時間×10回=20時間で大きな効果が出るはずがない。1000時間投入できたら、成績は劇的に変わる。学年チップクラスに誰でもなれる。今回の特訓授業サービスの役割は生徒たちの家庭学習のきっかけ作りだ。

<余談:大学入試共通試験>
 生徒たちが、英語の入試制度がどうなるのか不安を口にしていた。
*「柴山文科相に批判の嵐 英語民間試験に異議の学生を強制排除
https://news.livedoor.com/article/detail/16993288/
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 現在、実施されているセンター試験に代わる「英語民間試験」には、高校生や保護者、学校関係者から「不公平」や「不透明」など懸念が噴出し、実施団体「TOEIC」まで離脱。「AERA」が実施した教員、保護者、生徒へのアンケートでは、「中止すべき」が72%、「延期すべき」が23%と圧倒的多数が「ノー」だった。
 ところが、柴山文科相は、16日付のツイッターで〈サイレントマジョリティは賛成です〉と根拠もなく、異論を一蹴。1人の賛成論者を取り上げて〈エキスパートはこう主張しています〉(17日付)と露骨なつまみ食いをした。
 さすがに、〈周りに賛成している人一人もいませんよ〉〈都合のよい声だけを取り上げ、誇張している〉と批判が相次いだ。

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#4067 英語短期特訓授業 the 4th:Steve Jobs Aug. 21, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

  毎週水曜日、ニムオロ塾はお休み、でも7月から、長文読解の短期特訓(10回を予定)をしている。
 高2対象の長文読解教材として、高3教科書「Vivid Ⅲ」を使っていることは前回も書いた。ハラリSapiensでも出てきた文例と似たものが、教科書にも載っていたので、紹介する。


 And yet his checkered life tells us that Steve Jobs did live his own life, listening to his own inner voice and following his heart and intuition.

  高校生には意味のとりにくい文章だろう。だが、重文が3個連なっただけの簡単な文である。強意のdidを外してシンプル・センテンスに戻してみる。
 Steve Jobs lived his own life.
 Steve Jobs listened to his own inner voice.
 Steve Jobs  followed his heart and intuition.

  主語が同じ場合は後続の文の方の主語は省略され、動詞は~ing形になり、動詞句になる。これが生成変形文法工程の自然な流れだ。
 受験参考書には判で押したように「分詞構文」が文頭の位置を占めている文例が載っている。しかし実際に出てくるのは、こういう風に、分詞句が後置されるものがほとんどである。後置されるから主語が省略され、分詞句となるのに、文頭に置いて主語を省略されたら、後続の文が出てくるまで、意味上の主語が何か不明となる。そういう文は気持ちが悪い。ジャパンタイムズで、たまに典型的な分詞構文の文が出てくるが、決まって日本人スタッフライターの書いたものだった。
 基本は後置であり、文頭にくるのは強調構文だと理解すべき。
 didはその後にくる事実を強調している。「自分の人災を生き抜いたこと」「内的な声に耳を傾けたこと」「自分の心と直感に忠実だったこと」の三つの事実を強調するために添えられた。
  文頭の接続詞 'and yet' の訳について一言。接続詞は文と文をつなぐ役割を果たしているから、前の文Aと後の文Bの意味内容が分かれば、それに適する日本語語彙を選べばいいだけ。思い浮かばぬ時、そして確認するときにのみ辞書を引けばいい。


(それでもなお、スティーブ・ジョブズの波乱に満ちた生涯は、かれが自分の人生を生き抜き、自分の内なる声に耳を傾け、情熱と直感に従ったことをわたしたちに告げている。)


 授業では文章一つ一つ検討し、何文型であるのか生徒とともに考えている。次の文のアンダーライン部がむずかしかったようだ。


 He must have had some regrets, because he had left much unfinished, still in his prime years as a businessperson.

 第五文型SVOCである。muchは名詞だ。「must+have+pp」は英語が苦手の生徒ばかりだから、だれも知らなかったので、解説した。受験英語では大事な項目だ。
 仮定法でもこの形がよく出てくる。たとえば、「shoud+have+pp」や「could+have+pp」の形で。学校で副教材に使っている分厚い文法書で該当箇所を読んでおいたらいい。
*pp:past participle 過去分詞

(スティーブ・ジョブズは依然として(最後の数年間は)事業家として全盛期にあり、幾ばくかの後悔があったに違いない。多くのことを未完のままにして世を去っている。)

 これで、アップルコンピュータの創業者、スティーブ・ジョブズの章を終わった。
 英語が苦手な生徒だけが対象だから、速度はゆっくり、4回かかった。今回は、ここに書いた部分を含めて、文法上説明しておいた方がいい事項がたくさん(おおよそ3倍)あった。

<余談>
  進研模試なら、この程度の英文がこなせたら、楽に偏差値60を超えることができる。Z会のテストは語彙の範囲も、英文の難易度もかなり上だ。だから、高校教科書程度では対策にならない。
 6月末に実施された進研模試の結果が出たようだ。学年トップの生徒はあいかわらず数英は学年トップ、国語だけが2位だった。本人はできが悪かったと反省しきり、数Aが北海道でNo.1だったことがひとつの成果。ベクトルを終わっており、数列も漸化式がほぼ終了しているので、数Bで模試を受けたかったと言っていた。ベクトルは自信があるようだ。難易度の高い問題をたっぷり解いたからだろう。手ごたえを感じている。
  根室高校は7月初旬に学校祭があり、1か月前から準備作業で生徒たちは大わらわだ。だから、ほとんどの生徒が進研模試の準備勉強時間を十分にとることができず、平均点にも影響する。
 11月の進研模試で、短期特訓授業を受けている生徒たちの英語の点数がどれくらい上がるか楽しみだ。

<余談-2>
 FB友が紹介してくれた本に無料ビジネスという項目があった。その目的は、評判や名声を勝ち取るためのものだそうだ。

 英語が苦手な塾生対象に無料の10回の短期特訓授業を始めた動機は、放っておいたらいつまでたっても英語の勉強をしないからだ。個別指導だから、好きな数学ばかりやって、嫌いな英語は数分の一しかやらない。(笑)
 そういう生徒たちに業を煮やしたことと、いま何とかしないと大学受験に間に合わなくなるので、危機感からの強硬手段が10回の英語読解トレーニングなのである。英文を理解できるようになれば、英文を読むのが愉しくなるし、英作文もできるようになる。そして社会人となってから、いつか英語でしか入手できない情報の多さにも気がつく。割のよい仕事にありつこうと思ったら、最先端の英語の文献やネット情報を読む必要がでてくる、そういう時代なのだ。
 わたしは42年前からそういう道を20年間ほど歩んだ。


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#4044 英語短期特訓授業(the 2nd) July 25, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 英語が苦手の高校2年生対象の2時間×10回の授業を始めたことは前回書いた。高3教科書をテクストに使っている。やっている個所は「Lesson 7」'A lesson form Steve Job's Life'である、アップルの創業者の生涯のダイジェスト版だ。スマホに夢中になっている高校生が対象だから、食いつきのよい話題の章を選んだ。
 4:30から30分間下調べさせてから、5時授業開始は前回と同じである。家でやらせて来るのがいいのだが、まだ無理、だから授業の直前に辞書を引かせている。今回は2回目でPart 2だが、2人新しいメンバーが参加しているので、初回の部分をざっと復習してからPart 2に入った。
 ふだん紙の辞書を使っているのは一人だけ、あとは電子辞書をもっている。忘れてきたのがいたので紙の辞書を貸してあげた。はじめて紙の辞書を引くので、なかなか目的の単語が見つけられない。紙の英和辞典を一度も使ったことのない生徒がほとんどである。このあたりが、30年前とはがらりと変わったところだろう。
 英語の勉強今昔物語とでも言いたくなるほど、変化している。いい方への変化もあれば、そうでは無さげな変化もある。昔と違って中学校の英語授業で英和辞典は使わない。そんなことでいいのだろうかと思うが、文科省の審議会に偉い先生たちが集まって決めたのだろうから、ドンデモないことでも何かそうしなければならない強い理由があるのだろう。専門家が集まるとしばしば世間の常識から大きく外れてトンデモないところへ着地してしまうから、こまったものだ。

 音読30回、書き取り10回は「後志のおじさん流儀」の英語学習法だ。だから、英語が苦手の生徒たち向けの授業では、まず一文ずつ音読を10-30回やってから解説する。長いものや読みにくいものは30回だ。
 第一段落の文章をそれぞれ20回ほど音読してから、冒頭の単語のonceの意味を6人の生徒それぞれに訊いてみた。文章はこのようになっている。
 Once in school, "I really just wanted to do two things," Steve remembered.

  各人にonceの意味を訊いてみる。Aさんは「1回」、Bさんは「一度」、Cさんは「かつて」。
 準備運動を兼ねて、「2回」って英語で何というの?と訊いてみた。誰かがtwiceと答えた。それではと全員に書かせてみる。ついでに「3回」「4回」「5回」、音で知っていても書けない生徒が多い。何しろ英語は苦手でふだん勉強していないからそれがそのまま表れる。すんなり書けたのは半分いたかな。紙を渡して5回書かせる。
 「後に続いている文と関連させて単語の意味を考えよう」そう伝えた。「二つのことがしたかったとスティーブは記憶していた」。二つのことは、その後の文で説明されている。4年生の時のことだとあとに続く文でわかるから、小学校に在学中のときの話だ。意味が分かれば、あとは自分が普段使う日本語に置き換えたらいい。「ずっと前、小学生の時のことだが」「むかし学校に通っていた時に」など、なんでもいい。
 この文は倒置されていることも理解してほしい。なぜ、倒置されるかも。

 Steve remembered "I really just wanted to do two things".

 これが、倒置前の元の文である。倒置されて前に移動した部分が強調されている。新聞英語でもよく出てくる表現である。
 「....., officials said.」「複数の関係筋によれば…」
 情報ソースを補足説明しているだけの機能を担っている。大事なことは情報ソースではなくて、中身の方だよと位置を変えることで書き手がサインを送っている。
 冠詞(と無冠詞)の使い方を列挙するとつぎのようになる。

 once in school
   once in a school

   once in the school
   once in schools
   once in the schools

 それぞれ使われるシーンと意味に違いがある。英文解釈上も英作文上も冠詞や無冠詞が適切に使い分けられたらいいね。日本語には冠詞がないから、こういう風に並べて、意味の違いや使われるシーンの違いについて解説してやらないと生徒には理解できない。10回の授業が終わったときには、生徒たちは冠詞の扱いにずいぶん慣れているだろうな。大学で他の外国語をやるときに効いてくる。それも楽しみの一つ。先を見て仕込んでおく。(笑)

 意味が理解出来たら、日本語の意味を思い浮かべながら、さらに音読10回。これが、ワンセット。日本語で意味をイメージしながら音読するというのは「Hirosukeさん流」だ。彼から学んだ。

 塾へ通っていない生徒たちと、高校を卒業してからずいぶん経って、英語をもう一度勉強してもいいかなと思っている、そういうあなたのために、Part2全文を引用しておく。(笑)
(名詞句にアンダーラインした)


 Once in school, "I really just wanted to do two things," Steve remembered.
 "I wanted to read books because I loved reading books, and Iwanted to go outside and chase butterflies."  What he didn't want to do was follow instructions.
  Somehow he felt different from his classmates at school.  Some of his teachers regarded him more as a troublemaker than as a special kid.


  Then, in the fourth grade, Steve met a wonderful teacher, Imogene Teddy Hill.  Within a few weeks, Mrs. Hill sized up this unusual student.  She even offered Steve a sweet bargain: If he could finish a math workbook on his own and get at least 80% right, she would give him five dollars and a giant lollipop.


  Later Steve recalls, "I'm 100% sure that if it hadn't been for Mrs.Hill in the fourth grade and a few others, I wold absolutoly have ended up in Jail".   Mrs. Hill was indeed "one of the saints" in his life.

  段落ごとに改行を入れた。

 chaseの意味も訊いてみた。「えらぶ」って答えた生徒がいた。それって、choice(名詞)だ。まあ、似ている、かすっているからいいね、ついでに脱線してみよう。動詞はchoose。これって、中2英語の範囲の単語だよと大笑いしたところで、紙を配って基本形、過去形、過去分詞形を5回書いてもらう。「あれ、どうだったけ」なんて言ってるやつがいる。(笑)
 不規則動詞がでてくるたびに5回書かせて方がよさそうだ。
 choose⇒chose⇒chosen
 ところで、chaseはカー・チェイスにもあるように、追いかけるだ。規則動詞だから、過去形は簡単だね、chasedでいい。では最後のdの部分の発音は?[z、d、t]のどれ?正解者なし。(笑)
 いいよ、いま覚えよう。発音が[s,k,p]で終わる動詞は[t]だ。liked、stopped。これら3つの子音で終わる単語、他に知ってたら挙げてみて?
 dressed、danced、kicked
 おう、なかなか反応がいい、うれしいね、ありがと。(笑)

  第一段落の次の文、主語「Some of his teachers」に注意して日本語にしてごらん。
 Some of his teachers regarded him more as a troublemaker than as a special kid.
 「数人の先生が」「何人かの先生が」と誰かが答えてくれた。「そんな日本語使っている?」と訊く。例えば、「何人かの先生がわたしをトラブルメーカだと決めつけた」というだろうか?3分ほど考えさせてから、「先生たちの中にはスティーブを特別な才能のある子どもというよりも、もめごとを起こす厄介な子どもとみなす人がいた」、これくらいがいい。意味をつかんだら、できるだけふだん使っている日本語に言い換えよう。トラブルメーカはマイナスイメージの言葉だから、それと比較されているのはこの場合はプラスイメージである。だから、特別な才能のある子どもと訳した。


 次の文はカッコ内の語を補わないとわたしには理解できない。それともこんな用法でもあるのかしら?寡聞にして知らない、間違いだと思う。

 What he didn't want to do was (to)follow instructions.

 生徒たち6人に、例によって、followの品詞と意味を訊いてみた。「ついていく」と真っ先に言った生徒がいたので、「動詞であるのはいいとして、他動詞の意味は目的語とセットで考えろと言ったはず、もう一度よく考えてごらん」、そう問いかけた。だれかが、「命令に従うだ」と声を上げた。
 「いいね!」、そう受け取って、もう一度要点を繰り返す。「単語を辞書で引くときは、他動詞なら目的語とセットで考える、他の品詞の場合は前後の単語や文脈も考慮して意味を絞り込もう、そして意味がつかめたら、今度はふだん自分がつかっている話し言葉に置き換えてみよう」。
訳:「スティーブがしたくなかったことは他人の指示に従うことだった」
  instructionsには複数を示すsがついている。先生たちはさまざまな場面で生徒に指示を出すから、そのようなシーンをいくつかイメージすればいい。
 聞き分けのない、自我本能の強い子だったわけだ。自我をコントロールする理性の座の発達が弱い子だった。それは生涯にわたって彼の性格を強く制限していたように思える。

 受講生6人に質問してみた。
 「太字にした箇所が二つあるが、あとのほうはなぜスティーブがそう思ったのか考えてごらん?」
 「最初に太字にした文章がじつはとっても大事なんだが、なぜこういう性格になったか想像してごらん?」

 こういうところは生徒たちに議論させたい、行間を読むトレーニングである。
 授業中に本を読みたくなったり、外へ出て蝶々を追いかけたくなる生徒。先生の制止を聞かず勝手な行動をとる、とっても厄介な子ども、それがスティーブ。
 なぜそういう性格になったのか。ポールとクララは結婚して9年間子どもができなかったので、生まれたばかりのスティーブを養子にした。うれしかっただろう、クララは本の読み聞かせに夢中になった。毎日毎日ステーブにたくさんの本を読んで聞かせた。機械工のポールはなんどもなんどもいろんなものを分解して元通りに組み立てて見せた。スティーブがキャッキャと喜ぶ姿が目に浮かぶ。ほしいものは何でも与えただろうことは想像に難くない。そういう育て方をしたら子どもはどうなるか?我慢のできない、わがままな性格が育ってしまう。それが小学生になったスティーブである。
 ヒル先生に巡り合わなかったら、学校でスポイルされて、ワル仲間に入り、ドラッグ、盗みとなんでもやっただろう。同級生にそういう人間が何人かいたに違いない。
 ヒル先生に巡り合わなければ、身を持ち崩して刑務所に入れられただろうとステーブ自身が述べている。

 教訓:よい子は創業社長にはなれない。わがままな奴には、事業を起こし信念を貫いて成功へと導く資質がある。それは他人の意見を聴かずに、己の信ずるところに従ってただまっしぐらに突き進む能力だ。


Steve Jobs / Steve Jobs: A Biography

Steve Jobs / Steve Jobs: A Biography

  • 作者: Walter Isaacson
  • 出版社/メーカー: Debolsillo
  • 発売日: 2019/08/20
  • メディア: ペーパーバック


Steve Jobs: The Man Who Thought Different

Steve Jobs: The Man Who Thought Different

  • 作者: Karen Blumenthal
  • 出版社/メーカー: Square Fish
  • 発売日: 2012/02/14
  • メディア: ペーパーバック
スティーブ・ジョブズ I・IIセット

スティーブ・ジョブズ I・IIセット

  • 作者: ウォルター・アイザクソン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/11/05
  • メディア: 単行本





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#4036 英語短期特訓開始:2時間×10回 July 17, 2019 [78-1Vivid 3短期特訓補習]

 高校2年生は数学ができるけど英語のできない生徒が多いので、毎週水曜日に10回長文読みの特訓をしてみることに決めた。放っておいたら苦手だからいつまでたってもやらない、いまやらなければ入試に間に合わない。短期間でいいから本気でやれば力はつく。
 英語が苦手の生徒たちが対象の特訓だから、教材はやさしく短いものがいいので、すぐに手に入る高3の教科書「VIVID Ⅲ」を使うことにした。初回の今日の授業には「第7章 Steve Jobs」を選んだ。中身に興味の持てる章をセレクトした。全員がスマホをもって毎日楽しんでいる。
 スティーブはアップルの創業者である、彼は生まれてすぐに養子になった。
 お母さんのクララがスティーブに毎日本を読んで聞かせている。母親が専業主婦、家にいて毎日読み聞かせをやるというのは、幼児にとって大事なことだ。1950年代は主婦の大半が専業主婦だった。働き方改革なんて言って主婦を労働力市場へ追い立てようとしているが、専業主婦で子どもの教育に力を注ぐことも外に出て働く以上に大切なことだというのが最初のページを読んでわかる。
 お父さんのかかわりも同じくらい大切で、いろんなものを分解してから組み立てて見せたのだそうだ。こんなことができるお父さんは100人に一人もいるだろうか?機械工だったからそういうことが得意だったのだろう。スティーブはこうして本に興味があり、機械いじりの好きな子供に育っていく。小学校の先生がユニークで、スティーブに大きな影響を与えるのだが、そこは来週やることになる。
 高3の教科書は分量が少ないが、若い人たちが興味をもてるような話題がいくつか載っている、昔の教科書は道徳やお説教臭い話が多く、内容に興味を引くようなものがほとんどなかったので、教科書を見て時代の変化を感じる、いい時代になった。でも、それで英語が好きになる生徒が増えたのかというとどうなのだろう。英語が苦手な生徒たちが興味をもてるような美味しいものだけ4つほどやるつもりでいる。どの章に興味があるか、そのうちに生徒たちの意見も聞いてみたい。

 今日は初回だから、ワード・オーダーも文構造も、文型も、代名詞が何を指しているかも、全文解説した。一つの文を10-30回読んでから解説した。そしてもう3度、文章の意味を頭に浮かべながら音読して次の文へと移る。ずいぶん手間のかかる授業だが、慣れたら同じ項目はだんだん説明を短くして、速度アップしていける。「はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子なくとも蓋とるな」、ご飯を炊くのと似た要領でいい。(笑)
 一つの文を10-30回音読させるのは、音読リズムに口と体が慣れてほしいからだ。投稿欄で英語の達人「後志のおじさん」が自分のトレーニング法を教えてくれたので、そのやりかたを踏襲している。ふだんの個別授業でこういうやり方はとれないので、休みにしている水曜日を特訓に充てることにした。文章によっては30回音読しないと英語が苦手な生徒たちはリズムがつかめない。子音の発音もついでにトレーニング、だんだん英語らしくなってくるのがうれしい。5回もやれば全部の子音の発音がスムーズにできるようになるだろう。しばらくは基礎の基礎を叩きこむことに力を注ぐのみ。
 2時間の授業を10回やれば、自分で辞書を引きながら、結構読めるようになるし、ある程度の英文も書けるようになることを期待している。よく読むことは、よく書くことに通じる。

  授業30分前にきて辞書で単語を引かせたのだが、adoptedを「採用する」や「養子」とノートに記入していた生徒がいた。-ed形なのに動詞と気がつかないで、名詞の方の「養子」を選んでいた。辞書を引き、せっかく動詞の項目を見ているのに、先頭のものを何も考えずに書き写した。それもこれもをまだ慣れないからだ。辞書を引く前に、品詞は動詞で、赤ん坊が主語だから、「採用する」は外れ、赤ん坊に関係する意味は何、と探せば、たいていの辞書には2番目にピッタリのものがある。主節のあとに来ている従属節は、主節の先行詞の補足説明だから、そこに「結婚してから9年間子どもが授からなかった」とあれもう辞書を引かずとも、「生まれてすぐに里子に出された」とか。「もらわれた」という意味に気がつく。米国ではこういう養子縁組に関して国家の補助があり、一人につき毎月5万円ほど補助金が支給されるので、ビジネスにしている人もいるらしい。10人引き受けたら補助金は毎月50万円を超える。日本では一人目は倍くらい出るようだ。人数が増えると減額になるのでビジネスにはなりがたい制度設計になっている。興味のある人は検索して、調べて投稿欄へ書き込んでくれたらいい。
 日本語のテクストなら、文脈を読んで意味を考え、その妥当性をチェックしながら読んでいるのに、英語になったとたんに文脈を読まない。日本語のテクストの先読みスキルの高い生徒は、英語を読むときにも自然に文脈のチェックをしながら、意味をとらえて読み進んでいる。だから読む速度も大きい。英文を読むときに「先読み」できるようになれば読書速度と精度が大きくアップできる。
 
 A baby boy was born on February 24, 1955.
  Soon he was adopted by Paul and Clara Jobs, who had been married for nine years but had not had a baby.


「生まれてすぐにジョブズ夫妻にもらわれた、ポールとクララの二人は結婚してから9年たつが子どもがなかった」くらいの日本語がいいだろう。自分が日常使う語彙や日本語の言い回しにまで落としたほうが訳が洗練されていい。

 主節は過去、従属節は過去完了、そのあたりも意識してもらいたいから、時間を表す直線図で解説した。数学の直線図が時間の順序を説明するには便利だ。原点0が現在、マイナス側が過去、プラス側が未来である。
 動詞の意味は主語と目的語があればセットで考えたいもの。同じ単語に名詞・動詞の両方あるものは多いから、まずはその文中でどの位置(主語・動詞・目的語・補語)にあるのか見極めて、品詞を確定してから辞書を引いてもらいたい。この場合は、赤ん坊の話が出てきて、代名詞の he が赤ん坊を指していることが分かれば、「採用された」なんて訳をするはずがない。授業の前に30分間辞書を引かせるので、次第に慣れてくる。10回の授業が終わるころには、わたしが辞書を引くのと同等のスキルになるだろう。具体的な事例を使って、トレーニングするのが一番よいのである。生徒たちは辞書の引き方すら習っていないようす。そもそも中学校で英語の辞書を使わないというのがわたしには理解できない。団塊世代は中学校の英語の授業では辞書を使っていたから、辞書の引き方を知らないという生徒はいなかった。文科省で専門家が集まって中学校の英語授業で辞書を使わない方針をずいぶん前に決めたのだろうが、専門家の議論はどこかピントが外れ、いろんなところに穴が開いてしまうものらしい。原発の専門家が、原発は安全だと言い続けて、世界史上最大の原発事故を招いたのによく似ている。


 She even taught him how to read before he started school.

  このスクールには冠詞がついていない。こういうところに注意して読むと、英語の読解力は格段に強化できる。細部をおろそかにする者は上達が遅い。He goes to school by bike. の文は自転車で「通学している」という意味である。お母さんが昨日学校に行ったは She went to the school yesterday. 行った学校が子どもが通学している学校なら、定冠詞のtheが必要だ。

 冠詞は四つある。「a、an、the、Ф(無冠詞)」、上述の文はФである。機能を表す場合には無冠詞であることに注意。Фは空集合を表す数学記号であるが、英語の授業でも数学のツールは便利がよいものだ。
 学校へは勉強しに行くということ。無冠詞の「 before started to school 」の意味は「就学前に」である。冠詞の理解と扱いは意味に深くかかわるし、英作文にもとても重要性が高い。そして日本語にない機能だから、日本人にはピンとこない。生徒たちには冠詞が精確に使い分けられるようになってもらいたいから、でてきた冠詞類は全部解説する。そこだけでも、きっと面白い授業になる。 

 3年生の教科書だから、途中で一文が5行の長いものがでてきた。こういう長い文の処理に不慣れなのである。アレルギーがあってみただけで身体が逃げているように見える。(笑)
 10回でアレルギー症状がでないように治療してあげる。

 今日来たのは四人、高1と高2の生徒である。全員へ高3の教科書をプレゼントした。もう3人いるが来週くるかな?その中には3年生も一人いる。参加するか否かは生徒自身が決める。わたしにできることは英語の苦手な生徒に短期特訓のスケジュールと目的を通知することのみ。

 ニムオロ塾で英語の特訓は初めてやる、英語のできない生徒対象で参加は自由、自ら進んでやる気のある生徒のみに参加資格を与える。毎週水曜日は休みだが、これから10回だけ生徒たちにお付き合いする。
 今日は30分予習させてから、授業を始めた。次は段落二つくらいは日本語訳を書いてきてもらう。陣の日本語訳と比べると何がまずいのか一目瞭然になるからだ。初回から私語しないで一生懸命に辞書を引いていたのでびっくり、そして嫌いな英語の授業が始まっても集中力がずっと続いていた、このまま走り切ってもらいたい。予習をしてきてしっかりやり通せば効果は小さくない。わたしが高校生なら受けたい授業を頭に描いてやっているから、中身は相当に濃い授業になっている
 体力使い切った感じがして、今夜は酒がことのほかおいしい。(笑)



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