SSブログ

#4698 オミクロン株にワクチンの効果はあるのか? Jan. 20, 2022 [35.1 COVID-19]

 英国の研究機関がオミクロン変異株にたいして現在のワクチンの効果データを公表している。
 ワクチン接種者は未接種者よりも有意に死亡率が上がっている。ワクチンを接種すると死亡リスクが増大する、なぜこんなことが起きるのだろう?そのメカニズムは英国の研究機関もまだ明らかにしていない。
 英国のワクチン接種率は76%である。

2022-01-20s.jpg

 左の棒グラフから、
 ① 感染者 (42%:58%)
 ② 重傷者 (38%:62%)
 ③ 死亡者 (20%:80%)

 カッコ内の二つの数字は左側が、ワクチン未接種者、右側がワクチン接種者の割合である。
 ①を見ると、感染者の中でワクチン未接種者の占める割合が42%で、ワクチン接種者は感染者の58%を占めていると読めばいい。英国のワクチン接種者は76%だから、ワクチン効果がゼロだとしたらワクチン未接種者は24%であるはずだが、42%いるのだから、ワクチン未接種者は1.75倍の感染リスクがあり、ワクチンの効果は感染に対してはあると言える。
 ②は重傷者をワクチン未接種者とワクチン接種済みの人に分けたものである。これもワクチンの効果がゼロなら、(24%:76%)となるはずだが、未接種者の方が8%多いから、その程度は重症化を防ぐ効果があると言える、ワクチン未接種は1.6倍のリスクありということになる。
 ③の死亡者数データは、はワクチン効果がゼロだと仮定すると(24%:76%)だが、未接種者は20%だから、ワクチン接種をした人は死亡率が高くなるとデータが語っている。ワクチン未接種だと死亡リスクは0.8倍であり、ワクチン接種者は死亡リスクが1.05倍ということになるのだろう。死にたくない人はワクチンを打たぬ方がよいということだろうか。いずれにせよ、大した差ではない。だとしたら、ワクチンを打つことに意味はあるのか?

 このデータは「厚生労働省に聞いたら…ワクチン接種者の方が死亡しているデータが、英国で出ているのですが」という動画サイトにあったものである。厚生労働省は都合の悪いデータは公表しないと主張している。

 実際に厚生労働省へ電話で問い合わせているシーンを動画に撮っている。相手は厚生労働省の職員ではなく、問い合わせに答える専門知識のある作業を請け負った外部機関の人である。
 データは見たので、今度は理屈からワクチン接種の効果の有無を追いかけてみる。電話でのやり取りには、いくつか気になる論点があったので、二つにまとめてみた。
① 免疫には体液性免疫と細胞性免疫があり、ワクチンは体液性免疫でB細胞が抗体を産生することでウィルスが細胞に侵入するのを防ぐのだが、武漢株用にデザインされた現在のワクチンはオミクロン株にはほとんど効かないとその担当者が答えている。デルタ株はスパイク蛋白の変異が5か所だったがオミクロン株は30箇所に変異が生じているので、もはや効かないと答えていた。
②オミクロン株の変異が大きくて体液性免疫が働かないが、細胞性免疫が作用して重症化を防ぐと言っていた。細胞性免疫はワクチンには関係がない。キラーT細胞とヘルパーT細胞がウィルスが侵入した細胞を破壊することで重症化を防ぐ。電話に出た担当者は、ワクチンが産み出す抗体がオミクロン株に感染予防効果も重症化予防効果もないことを認めた上で、細胞性免疫が重症化を防ぐと言明している。なんと、理屈の上ではワクチンに効果がないので、話を細胞性免疫にすり替えているのである。

 つまり、理屈の上からはワクチン接種はオミクロン株には感染予防にも重症化予防にも効果がないということ。それどころか、英国の研究機関のデータが示すのは、ワクチン接種者は有意に死亡率が高くなるということだ。

 1/20の北海道新聞根室版によれば、根室市は小学生(1-5年生)の保護者に808人にアンケートを取り、集計している。ワクチン接種を望む保護者が4割を超えている。ワクチン接種を「希望している」のは42%で342人、「希望しない」が7%で55人、残りの51%は態度保留だろうか、記載がない。
 マスコミはワクチン接種に都合の悪いデータを報道しない、厚生労働省も同じだ。根室の小学生の保護者で、この英国の研究機関のデータを知っている人はゼロだろう。ワクチンの効果を疑問視するデータも見ないで、判断している人がほとんどである。死亡率データはワクチン接種者のほうが多いのである。なぜそうなるのか、専門家会議はちゃんとデータを見て、理由の究明をすべきだろう。
 ワクチンありきで、総理大臣も厚生労働省も専門家会議も、なぜか突っ走る。
 

にほんブログ村


nice!(0)  コメント(3) 

#4697 大谷真一先生ありがとうございました:市立根室病院眼科医 Jan. 20, 2022 [29. 道東の地域医療を考える]

 今朝の最低気温を見ると-4.4度、二十四節気で最終節で「大寒」、最も寒い時期とされています。それで数日前に載ったいささか寒い感じのした記事を思い出しました。前からそろそろと思っていましたが、そういう時期が来てしまったようです。

 旭川医大から元学長の好意で根室へ常勤医として赴任されていた市立根室病院の眼科部長大谷真一先生が2月1日の診療で退職されると1月15日の北海道新聞が報じていました。大谷先生は2015年6月に来られて、6年半精力的に診療と手術をこなしてこられました。白内障の手術だけでも毎週水曜日平均して5人くらいやってこられたようです。
 わたしも大谷先生がなされた白内障患者手術1500人のうちの一人です。6年間の先生の仕事の大きさを感じずにはいられません。老人人口が8000人ほどいますから、白内障患者や緑内障患者が多いのです。眼科はいつも混雑しています。
 白内障手術をしていただいて、わかったのですが、手術は4人のチームでなされますが、息がピタッとあっていました。点滴での麻酔だけですから全部聞こえます。手術が始まると水晶体が破壊されて吸引されると何も見えなくなり、終わると同時にプラスチックレンズを通して光が眼に入り、周囲がが見えます。あれは感激と驚きでした。
 手術機器もツァイス社製の最高性能のものでした。光学系はツァイスが最高です。ソニーのカメラがツァイスのレンズを使用しています。

(最大手の検査センターSRL八王子ラボで機器の購入を担当していた時(1987-89)に、ウィルス検査室の蛍光顕微鏡の半分以上くらいがニコンやオリンパス製だったのですが、それらを全部ツァイス社製のものに買い替たことがありました。入社してすぐに、東証2部上場審査要件で、暗礁に乗り上げていた経営情報系システムを8か月で稼働させ全社の予算編成を担当して、検査試薬の値引き交渉を提案し、製薬メーカーと直接交渉して毎年16億円ほどコストカットを3年間やったので、わたしは当時平社員でも権限が大きかったのです。経理担当役員Iさん(ガンちゃん)と専務のY口さんがたしの提案にはノーは言いません。オリンパスの2倍近い、ニコンの1.5倍の値段でしたが、性能がいい。世界最高性能のものを使わないと、最高品質の検査はできないし、なにより検査をしている人たちに最高のものを使っていい仕事をしてもらいたかった、単純な理由です。「え、全部ツァイスの蛍光顕微鏡にしてくれるのですか」とウィルス検査課の課長の驚いた顔が眼に浮かびます。)

 患者の側から見ると、同じドクターに診察してもらうのが安心なのです。いままでの病態を理解してくれていますから。わたしは白内障手術をしていただいたほうの眼は緑内障の前駆症状があり、年に2度経過観察中です。
 医師が変わると治療方針も変わることが多く、それで不安になる患者もいます。3年くらいの間に頻繁にドクターが変わって不安を抱いていた知り合いの患者さんの話を古里の戻って2年目くらい(2004年頃)に聞いたことがありました。そのときは自分が眼科で受診することなんかないと思っていました。ところが加齢とともに状況は変わりました、他人ごとではなかったのです。

 同級生の劇画家、神田たけしの五十周年展示会を見に行ったときだったか、大谷先生が奥様と男のお子さんと文化会館前で遊んでいるのを偶然おみかけしました。ああ、小さいお子さんがいるんだと思ったのと、先生がずいぶん背が高いので驚きました。一度、診察の合間に北海道の北部の方へ勤務が変わったら、適当な塾があるだろうかとお尋ねになりました。僻地の高校からは医大への現役進学がとっても困難であることを自身の進学で経験していたからでしょうね。やはり札幌がいい、札幌南高校がダントツに実績があります。そのようにお答えしたように思います。

 わたしの勝手な推測ですが、おそらくお子さんの教育が最優先事項だったのではないかと思います。そろそろピカピカの1年生、お子さんは札幌の小学校に通学と考えるのが合理的です。勝手なことを書いて申し訳ありません。根室の地域医療の未来を考えるときにとっても大切な論点なので、あえて言及させていただきました。

 市立根室病院では学齢期のお子さんのいるドクターはいないのでは?理由は簡単、根室は教育の僻地です、学力が低い。根室高校は偏差値45の高校です。首都圏の偏差値45の学校から国公立大学医学部の進学実績はゼロでしょうね。ありえない話なのです。根室は高校が1校ですから、生徒は玉石混交なのです。うまく育てたら、同レベルの難関大学に毎年3-5人現役合格者が出せるポテンシャルがあります。それが実現できていないだけ。たった一人ですが、7年通塾して国立旭川医大へ合格した生徒が昨年現れました。
 根室高校から、毎年国公立医大へ現役合格者が出せたら、あるいは大谷先生は市立根室病院勤務をもっと長く続けてくれたかもしれませんね。地域医療の充実を考えるときに、教育抜きでは打てる手が狭くなります。根室は地域医療を守るためにも、高学力の生徒を育てるべきです。わたしのブログには具体的な提案や、実際にやってきたことの記録が残されていますから、参考にしてもらいたい。

 ところで、大谷先生は旭川医大出身で、岡田医院の消化器内科専門医である岡田優二先生の後輩です。
 数年前に東京のメガネ屋さんで視力検査をしたとき、一度眼科を受診した方がいいと言われて、東京の住まいの近くの眼科クリニックを受診したら白内障との診断があり、手術を決めました。根室に戻って主治医の岡田先生に相談したら、腕のいい後輩が市立根室病院にいるから紹介状を書いてあげると言われて、お願いしました。分厚い紹介状を開いて開口一番、「岡田先生とどういうご関係ですか?」と問われ、「小さな塾をやっていて息子さんを教えています、それだけです」とお答えしました。
 なにかで岡田君の現役合格を知って、進学校じゃない道内の高校から現役で旭川医大へ合格するのはほとんど不可能なのだとおっしゃって、わがことのように喜んでくれました。

 次回の眼科の診察は出張医の方が担当してくれるようです。2/2から3月末までは出張医で対応と、新聞記事に載っています。異動の時期までのピンチヒッターが派遣医、4月からは常勤医のドクターが決まっているということでしょうね。眼科の患者にとってはありがたい。
 大谷真一先生、お世話になりました。


にほんブログ村

nice!(1)  コメント(4) 

#4696 小1のとき吃音があった:母が音読につきあってくれた Jan. 19, 2022 [65.b 成績下位層にかかわる問題]

 ハンドルネーム「つるはせんねん」とのお約束でしたので、吃音について私の経験を書きます。

 小1のときに、国語の時間に教科書を数行読まされました。緊張すると吃音(きつおん=どもり)が出ることがありました。2週間程度だったと思うのですが、母親が音読につきあってくれました。とっても楽しかったので吃音はすぐに治りました。それ以降は学校で本を音読するときに吃音はなくなりました。不思議ですね。

 小4になると、母が「北海道新聞のコラム「卓上四季」を読んだらいい」と薦めるので、読み始めました。最初の内は国語辞書を引きながらでしたね、最初の内は意味の解らない言葉がたくさんありました。当時の北海道新聞はルビがふってありましたから、国語辞典だけで用が足りました。3か月も読んだら、辞書を引く回数が減りました。読んで理解できる語彙数が急激に増えたんです。「卓上四季」だけでは退屈で、社説も読み始めたのですが、当時も今も政治経済に関する社説が多いので、社説の延長で1面と2面を読むようになりました。そして5年生に。だから、普通の小学生とは知っている語彙数が格段に差がついたのです。普通の大学生並みの語彙力を小6のときにはもっていたと思います。中3のときに全国学力テストがありましたが、そのときに社会科で学年トップ(550人中)だったのは、新聞の政治経済欄を読んでいたからです。学校では習っていないことが出題されていましたが、全部新聞の政治経済欄に記載されていたことばかりでした。場所が出てくれば地図帳で確認もしていました。現在の北海道新聞はルビがふっていないので、小学生には読みづらいものになっています。そう中学生が同じ勉強の仕方をすれば、いまでも学力テストの点数は95-100点とれるでしょうね。肝心な点は、学力テストの点数が欲しくて勉強したのではないことです。好奇心で新聞の社説と政治経済欄を読み続けたということ。
 社説や卓上四季は総ルビでもいいのではないでしょうか?小中学生に「新聞を読もう」なんて言いながら、ルビを振らないのはヘンです。読ませたくないのかと思ってしまいます。新聞が売れないのは新聞社の編集責任者や経営者が売れないような紙面づくりをやっているからです。ルビを触るだけで、対象読者層が拡大します。その上で、新聞を学習に利用してもらいたいと言ってください。

 吃音の出る子どもさんには母親が一緒に音読してあげてください。きれいに読めると楽しいのです。たくさん読むうちに、「先読み」の技が身についてきます。先読みとは、いま声に出している部分よりも先の部分を黙読して、単語や意味の区切りや文脈を判断しながら読み取り、声に出すときにそれをフィードバックするものです。だから、改行があってもよどみなくすらすら読めるようになります。高速音読が可能になり、意味や文脈の理解が格段にアップします。
 標準速度の2倍で読め、2倍で書くことができて、2倍の計算速度があれば、勉強時間は半分ですみます。実際には、高速になるのと集中力がアップしているので、もっと大きな差がついていますよ。トレーニングしないで、「読み書きソロバン」の速度が標準の半分だったら、成績下位30%に入って、なかなか抜け出せません。

 小学校のうちに育てたいのは、「読み・書き・ソロバン(計算)」という基礎的なスキルです。音読が一番重要ですよ。「書き」のトレーニングについては、友人の「アオ」が自分の子どもにやった方法がすばらしい。それはまた別に紹介します。
(「アオ」は三人とも光洋中学校から釧路湖陵に進学させ、二人は東京学芸大学へ、一人は東京理科大へ進学させてます。小学生低学年での彼の子どもへの家庭学習習慣の躾がすばらしい。)

 小学生のうちに育みたいのは、学習習慣です。「各学年×10分+20分」くらいがいい。勉強は本来は新しい知識や技術の習得ですから、達成感があり楽しいものです。学習と遊びは「楽しい」という共通部分があります。
 勉強は楽しいものだという体験を、毎日の家庭学習の中で育んだら、中学生になったら、なんにも言わなくても面白くて、楽しくて、勝手に勉強するようになります。
 中学生になって予習方式で家庭学習する生徒の大半は、成績上位20%に入っているように見えます。

(小学生のお子さんのいる方は、勉強のさせかた、家庭学習の躾(しつけ)方など教育に関して悩み事があれば、相談に乗ります。土曜日の3時半からが都合がよい、30分~60分程度を考えています。1対1ではやりませんので、お二人以上でお誘いあわせの上来てください。事前に連絡をいただけるとありがたい。ボランティア活動ですから塾への勧誘はいたしません。中高生の塾ですから、小学生は原則、教育相談のみにしています。)

<余談-1:読書との出遭い>
 新聞は4年のときに読み始めましたが、単行本の分厚いものをはじめて読んだのは、小6のときだったと思います。新卒で4年生の担任となった鶴木俊介先生(故人)に何か悪さをしたので「職員室までおいで」と呼ばれました。叱られると覚悟して行ったのですが、先生はシェークスピアの『リア王』を手渡しして、「読んでみたらいい」と貸してくれました。世界児童文学全集の中の一冊だったかもしれません。夢中で読みました。それ以来、文学作品も読むようになったのです。いまでも、感謝しています。
 光洋中学校の図書室に会ったSFものはあらかた読んでしまいました。『海底2万里』が一番面白かった。学級文庫にも文庫本のSF小説が何冊かありました。
 高校になると、哲学や経済学へ興味が移り、専門書を読むようになっていました。公認会計士2次試験の勉強も始めたので、受験参考書の近代経済学の本とマルクス『資本論』を読むようになりました。異なる学説を比較して読むスタイルはこのころからです。スタートは、小学1年生の時に母親がつきあってくれた音読でした。
 書くトレーニングはこのころ(高校2年)始まりました。公認会計士2次試験の答案練習で文章力を培いました。400-800字くらいでコンパクトに文章をまとめるスキルが身につきました。

<余談-2:緊張のコントロールは呼吸で>
 吃音は緊張することが引き金になったのでしょうね。自信がつけば緊張しなくなります。だから音読トレーニングが有効だったのだろうと思います。
 緊張は簡単に解除できます。お腹から息を吐き切ればいいだけです。吸気は自然の起こります、息を吐き切ったらもう吸うしかありません(笑)
 勝手に息が入ってくるので、もう1回お腹から絞り出すように吐き切ります。これで完了です。
 嘘だと思った人はやってみてください、本当だとわかります。ヨガや座禅でも歩行禅でも似たような呼吸をします。
 わたしは、人と議論するときに、大事な場面では呼吸をコントロールします。慣れたら一息でできます。相手の息の状態もよく見えるようになります。

<余談-3:読み・書き・ソロバンの速度の差>
 音読は早い人と遅い人では2倍以上の差があります。書く方は中1の生徒7人ほどで試した結果、2:5くらいです。計算速度実測で1:30でした。これが一番差が大きい。遅い人が5問題やるのに、最速の生徒は150題やってしまいます。この最速の生徒は、高校では塾へ来てませんでしたが、小樽商科大学へ合格しています。一番遅い生徒は標準速度の1/4以下でした。だから、同じ問題量をこなすのに何倍も勉強しなければなりません。毎日塾へ来て、勉強時間は3倍くらいいやってました。彼も道内の私大へ進学したと聞いています。
 珠算が3段以上なら、計算速度は標準の10倍以上あるでしょう。数Ⅱの定積分計算がとっても速くできます。
 

にほんブログ村

nice!(1)  コメント(2) 

#4695 英文音読トレーニング授業:ゆっくり、高速、微音読 Jan. 15, 2022 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 中3生はちょうど10人います。1月は中3生に教科書の音読特訓補習授業を毎週水曜日に2時間実施していますが、今週は1.5人でした。5-7時なのですが、最初は一人、6時になってから、推薦で帯広の高校へ進学する生徒が学校で面接トレーニングが終了して来たので、1.5人というわけです。一度誰も来ないことがありました。じつにもったいないと思います。英語が皆さん嫌いなようで、上手に読めないから音読トレーニングが嫌なのでしょう。ゼロあるいは1人になったらその月の音読トレーニング授業はストップと言ってあります。

 土曜日に高校1年の教科書『Vivid 1』を使って、やる気のある中3年生に限定して音読授業をしています。愉しいけどきついですから、水曜日の音読授業にちゃんと参加しない生徒には声を掛けません。無理ですから。
 暮れから始めました、札幌光星高校ステラコース受験の生徒用でした。1回2時間の授業で、先週は6 partsやりました。1月から中3生が一人増えたので、この生徒に参加するかどうか確認したら、やりたいというので、参加を認めました。水曜日の音読授業に2回参加した女子生徒です。
 数回音読して、語順通りに日本語にしていきます。後戻りしないで読むので速度が倍以上になります。

 どちらの生徒も慣れてきたのでやり方を変えました。
   ゆっくり音読⇒高速音読⇒微音読
 微音読とは唇をあまり動かさずに早口で読む技です。「ゆっくり音読」は一単語ずつはっきり音読します。「高速音読」は口を大きく動かし、舌も速く動かします。リエゾンあり、音の脱落アリ、結構いい運動になります。リスニングがよくなります。

 何度もやった後で、疲れたので、二人でやらせて聞いていました。二人の呼吸とリズムがピッタリ合うことがありました。なんだか巧みな合唱を聞いたようでうれしかった。微音読は標準的な音読の約3倍速です。

 日本語音読授業では、高速音読はやっていましたが、微音読トレーニングは授業ではしたことがありませんでした。先読みができるようになると、読む速度がアップして、内容理解の精度もレベルアップします。速く正確に読むほど、内容理解も深くなります。声に出して読みながら、その先も同時に読んで、区切りや意味の把握をしているからです。

 英語も先読みできるようになると、聞いていて意味が取りやすくなります。適切な箇所で区切って読むからです。「ゆっくり音読⇒高速音読⇒微音読」のサイクルでたくさん読まないと、英文の先読み技術は身につきません。まだまだ先ですが、目標を意識してトレーニングすることは、上達を速くします。
 今日は第5章のpart 2と3、第6章のpart1と2の4つをやりました。音読回数を増やしたので前回の2/3のペースです。3回目の授業で81頁まで終わりました。全部で9章、それと「reading」を入れたら141頁ありますから、おおよそ6割を消化しました。あと、16 parts分あるので、今のペースだとあと4回で、高校1年生の1年分をこなすことになります。音読スピードアップと語順通りに読解する技が身につくので、高校生になったら、英語の成績グーンとアップするだろうね。(笑)

 アンジェラ・アキの「The letter」という歌の歌詞が載っていたので、わたしはどんな歌か知らないので、1小節歌ってみてと言ったら、恥ずかしいからと照れてましたが、3度目に応じてくれました。家にカラオケがあってふだん歌っているようです。聴いたことのある歌でした。
 「笑いヨガ」の章もやったので、今日は笑い声の多い音読トレーニングになりました。来週は、片方が試験日でいないので、中止。再来週から再開です。1/29、2/5、2/12、2/19の4回、合計7回14時間で高校1年分の授業が終了します。

*微音読というのは、高速黙読の前段階です。TOSS北海道代表の水野さんが高速音読と黙読の間に「微音読」を挟むといいと教えてくれました。それを英文読みに利用しています。生徒にこの技をトレーニングするのは初めてですから、「実験」です。男子生徒は、初回のときに比べると微音読では3倍速になっています。男の子は寡黙で口が重い。だから「高速音読」「微音読」トレーニングが必要です。おしゃべり好きな女子は、「高速音読」や「微音読」もすぐに慣れて上手です。女の子にはかなわない。

 高校生のみなさん、英文微音読を試してください。英文の先読みができるようになったら、英検準1級くらいならゲットできるでしょう。

<余談:進路>
 今回から参加した生徒は、進路が決まっていません。だから、もしよければですが、国立看護大学を受けてもらいたい。誰かが大きな壁を乗り越えたら、それに続く者が何人か出てきます。
 十数年前に入試問題を見たことがありましたが、英語の問題が20ページほどありました。英文の難易度は高くはないのですが、分量が圧倒的に多かった。いまも同じかどうかは知りません。
 あの分量をこなすには、「微音読」と「先読み」スキルがあれば容易です。十数年前は1時間であれだけの英文を読み込むスキルをつけさせる指導法がわからなかった。
 どういう進路を選んでも、英語の試験はあるから、渾身の力でやってみたらいい。いままで根室高校生ができなかった分野を何でもいいから一つ切り拓けたらうれしいね、本気でチャレンジしてもらいたい。

(日商簿記2級(全商簿記1級相当)は根室高校1年生の普通科の生徒が11月に、事務情報科の生徒が2月の試験で合格しています。もう十年以上前になります。根室高校では過去に日商簿記2級に1年生で合格した事例はありません。普通科で日商簿記2級に合格した生徒は中3の12月から、事務情報科に進学した生徒は高校入試当日の夜から簿記を教えました。
 昨年3月に7年間教えた生徒が根室高校から現役で道北・道東推薦枠で2位で国立旭川医大へ合格しています。どうやればそれが可能なのかは、弊ブログに記録してあります。また別の新しい扉を開く生徒が現れるかもしれません。若い人たちの学力の伸びに驚かされます。)


にほんブログ村

nice!(1)  コメント(0) 

#4694 難関大学受験生はどちらを選択すべき?:札幌の進学校か根室高校か Jan. 15, 2022 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 弊ブログ「#4677」投稿欄での対話を途中から本欄ヘアップします。全体をお読みになりたい方は、#4677をご覧ください。テーマは、「根室から偏差値65以上の難関大学進学を考える」です。札幌の進学校を選択すべきか、それとも根室高校からか?そもそも根室高校から難関大学進学は可能なのか、という問題です。
 もうひとつ大事な問題をとりあげています。思考習慣とその副作用の問題です。中高と6年間の学習や思考習慣は、思考の鋳型を創り上げてしまいます。受験マシーン化した脳は柔軟性を失い、社会人になってから副作用が出ます。だから、中学生や高校生の時代の思考や学習スタイルがだいじなのです。どのような学習習慣や思考習慣を育めば、そういうことが予防できるのかについても思うところを書いておきました。

 ハンドルネーム「つるはせんねん」さんについて、簡単に紹介しておきます。根室にお住いの方で、お子さんが難関大学受験のために札幌の高校へ進学して勉強しています。根室高校からでは目標とする大学へは合格できないと判断したから、札幌の進学校を選択しています。
 昨年3月に根室高校から旭川医大(偏差値65)へ進学した生徒がいますが、同じ偏差値の旧帝大理学部進学が目標だそうです。根室高校からの進学実績はありません。
 札幌の同じ進学校を受験する生徒を昨年8月から、教えていますが、札幌の進学校でいま勉強している生徒と似たような進路を希望しています。根室高校からでは目標とする大学理学部への進学が著しく困難と判断したのだと思います。わたしは生徒の希望を叶えるために、中学最後の半年間伴走するだけ。
 根室で悩んでいる中学生たちとその親たちの参考になれば幸いです。
*青字は追記部分です。

-----------------------------------------------------

 さらにです。
 「放任」についてです。
 息子は自分なりにいろいろと情報を調べているようで、親ながら感心します。
 東大などの難関校に合格するには、親もかなり情報を集めたりなど、親子2人3脚で臨む必要があると。いわゆるお受験ママです。
 それで、聞いてみたのです。「お母さんにもそうやってほしいの?」と。
 そうしたら息子は「お母さんがそうなっても、おれは言うこと聞かないと思う。」と。
 「じゃあ、お母さんも別にやりたくないからやらない。」と伝えました。
 数年前に、根室高校から、現役で東工大に合格したお子さんがいたんです。たまたま知り合いで、買い物先でお母さんとお会いしたときに
「すごいですね!東工大に!」って言ったら
そのお母さん「東工大ってそんなにすごい大学なんですか?」って(笑)
 本人次第なんですね。もちろん、後押ししてくださる尊敬すべき師がそばに。
by つるはせんねん (2022-01-14 21:29) 

-----------------------------------------------------
つるはせんねんさん
根室高校から現役で東工大へ合格したのは2002年ですね。
東工大は偏差値62.5-65です。
わたしが古里根室へ戻って塾を開いたのが2002年11月でしたから、知りませんでした。
(2002年から2021年まで、根室高校から難関大学現役合格者は4人のようです。十年ほど前に一人旭川医大へ合格者が出ています。保健所の所長(医師)の息子さんだと聞いてます。20年に4人ですから、5年に一人にすぎません。)
たいしたものです。
そのあと東大へ現役合格した生徒がいます。2005年だったかな。授業が終わるとすぐ帰宅、学校行事にも不参加、受験勉強に専念でした。
一般論ですが、じつはそういうタイプが危うい。

5人の一橋大、京大理系、東大理三と同じ会社で仕事しました。
中高の勉強スタイルが社会人になったときに足かせになるケースが案外多いのです。7人の内、2人はノイローゼ、2人は仕事ができませんでした。京大理系もマネジメント力がまるでありませんでした。課長職から部長職になった途端に仕事で問題があって、降格になったと聞きました。同じ学術開発本部で一緒に仕事した人でした。人物はとってもよかった。マネジメント力がないと職位が上がるとダメになる人が少なくありません。
課長職なら問題がない。権限の範囲が狭いので責任も小さいから、マネジメント力が貧弱でもラインの課長職までならやれます。部長職になってこけるのは受験勉強を一生懸命にしてきた人にそういう傾向が強いのです。
ひとつたとえ話を入れておきましょう。
子会社の経営を任されて、赤字の会社を黒字にしなければならない。受験勉強で頭の固くなってしまった人は必死になってコストをカットします。すると社員の士気が下がり、売上が減ってしまい、ますます赤字を膨らませることになります。近道反応してしまうんです。経営全体を点検し、改善案を産み出すことができません。それまで誰もやったことがない仕事ですから、受験勉強でどんなに成果を上げて難関大学へ合格しても関係がないのです。

上場企業で高学歴の社員を見て、社会人になってからでは遅い、というのがわたしが古里で塾を開こうと思った理由の一つです。思考の鋳型が中高の学習スタイルで決まってしまうからです。
だから、柔軟な思考の鋳型が形成できるような指導を心がけています。良書を選んで音読指導に数年間を掛け、対話をするのはそういう配慮からです。簡単に答えを見ないで一見効率の悪そうは勉強スタイルを強いるのも同じ配慮からです。

中学生時代に日本語音読指導で仕込んでおけば、高校生になったら、良質の大学のゼミレベルの議論が可能になります。
受験勉強は、正解のある問題を扱うだけですから、てきぱきと処理できたらいいだけ、頭の良い器用な生徒はこなせます。
でも答えを見て、正解手順を覚えてしまうような勉強を6年間続けたら、どんな大学に合格しても、社会人になったらアウトというケースが多いだろうと思います。
大きな仕事は、それまで前例がない、そして正解もない、理系文系両方の専門知識とそれをベースにした縦横無尽な思考が必要になります。
そういう場に立った時に、戦える思考力を養うのが、わたしの指導の目標なのです。
だから、O君には市立根室病院の経営改善の仕方も、そして経営改善にはどのような専門知識が必要かも、授業の合間の雑談で教えてあります。わたしが医療業界でどんな仕事をしてきたのかも伝えてあります。
それらが必要になるときが来るかもしれないし、来ないかもしれない。わたしのやるべきことは種を蒔くだけ。
by ebisu (2022-01-15 00:18)  
------------------------------------------------
だいじなことは、根室で成績上位3%の能力の子どもなら、小4からスタートすれば、偏差値65の大学へ現役合格できることを実証し、そのやり方を記録しブログに残すことでした。O君はスタートが1年9か月遅れて、5年生の1月からのスタートでした。最後の方はちょっと大変でしたね。(笑)

根室の中学生は1学年180人ほどいますから、3%だと5-6人が毎年「みんなの大学情報」偏差値65の大学へ根室高校から現役合格可能なのです。
学校行事に参加して高校生活を謳歌しながら、レベルの高い読書もして、難関大学へチャレンジできるということ。

それには、小中高の先生たちの協力も必要です。3%の高学力の子どもたちの自学自習の邪魔をしないことが大切なのだろうと思います。
O君の事例に見るように、根室高校へ入学する前にすでに勝負はついています。宿題は免除して、授業中の自習も認めて、自由に勉強させてやったらいいのです。
そして、必要に応じて、これらの生徒たちにハイレベルな放課後補習を実施したらいい。短期間でいいのです。
物理と化学が普段の授業では足りなかったけど、2人の先生が二人の生徒の要望に応えて、一時期ハイレベルな放課後補習をして協力してくれてます。
学力の高い生徒が根室を見棄てて札幌の高校へ進学しなくても、根室から偏差値65の大学へ毎年合格者を出せるようにしませんか?
できますよ。

偏差値45の高校から、偏差値65の大学への合格なんて首都圏の公立高校ならありえない話なのです。
でも、根室高校の生徒は玉石混交です。磨けば光る生徒がいます。首都圏とは事情が違います。
偏差値65以上の大学へ毎年数名根室高校から現役合格出来たら、市立根室病院の常勤医不足は簡単に解消できるでしょうよ。赤字は劇的に減少します。
by ebisu (2022-01-15 00:37)  
-------------------------------------------------

「みんなの大学情報」偏差値65以上の大学が、文系、理系、医系に分かれてリストアップされています。
https://www.minkou.jp/university/ranking/deviation/
by ebisu (2022-01-15 00:43)

--------------------------------------------------

FB友の一人に岸田一隆・青学経済学部教授がいます。
もともとは原子物理の専門家でしたが、同じ東大の研究室の友人がオウムサリン事件で死刑になって、原子物理をやめたそうです。それにしても、専攻を変えて経済学を教えているとは驚き、多彩な才能の持ち主です。

人間は「受験勉強専用マシーン化」してしまうと、汎用性がなくなるようです。それ以外のことができない。それは脳がそういう思考の仕方に慣れてしまい、ひとつの「思考の鋳型」ができあがるからでしょう。社会人になってから壊すことはほとんどの人にはできないようです。

だから、正解手順を効率よく覚えて問題を手際よく処理するような習慣を育ててはいけないのです。中高生の時期は子どもは注意して育てないといけません。
良書を選び、さまざまなジャンルの本を読み、意見の異なる大人と対話を重ねる必要が中高生と大学生の時代にあるのです。
そうした経験がオウム真理教の教祖のような人物に出遭ったときにワクチン効果を発揮します。

ついでに、岸田さんの著書を紹介します。大学受験の国語問題で採り上げられたことがあります。
『科学コミュニケーション (平凡社新書)』

もう1冊
『青学発 岸田教授の「エネルギー文明論」 』2019/12/21』

by ebisu (2022-01-15 10:25)  

-------------------------------------------------

 塾稼業とは、札幌の進学校へ行きたい生徒がいたら、合格できるようなスケジュールでいつまでに何をやるのかを決め、そのスケジュール通りに事を運んでいくこと。根室高校から難関大学へ現役合格したいという生徒がいたら、その希望が叶うように、その生徒用の長期指導戦略を立案して、その通りにことを成し遂げることです。
 一昨年、12月に札幌市立旭丘高校へ進学したいと入塾した生徒のときは、ぎりぎり、生徒のやる気次第と判断しましたが、1月中旬には合格を確信するくらい、弱点だった数学と英語の力がついてました。楽しみにしていた旭丘高校の制服を着て、ルンルンで高校生活を楽しんでいるようです。他の生徒が彼女のインスタをみて教えてくれました。高校でもブラスバンド部に入ると言ってましたが、ピアノも上手な生徒でした。(1/15記す)

 札幌南高校は根室から受験する場合は、学区外5%枠(15人)がご合格定員です。札幌市以外の学区からの受験は実に厳しい。こんな地域格差は取っ払ってもらいたい。道内ナンバーワンの進学校には札幌市以外からはたったの15人しかとらないというのはひどい地域差別ですよ。(1/22追記)


にほんブログ村

nice!(1)  コメント(15) 

#4693 偏差値の誤解:進研模試とみんなの大学の偏差値比較 Jan.13, 2022 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

<更新情報>1/13朝10:17<データが語ること>追記

 「みんなの大学情報」で偏差値を見ると、北大医学部と旭川医大医学部、京大理学部は偏差値65で並んでいます。このレベルの学力の生徒は根室の市街化地域の中学校では入学してから卒業するまで学力テストは学年トップです。1年よりも2年、2年よりも3年と、学年2位との差が拡大していきます。もちろん、根室高校は入学してから卒業まで全国模試で学内トップ、そういうレベルの学力なのです。その出現確率は10年に一人以下といっていいでしょう。定期テストは眼中にありません。テスト範囲を暗記していたら高得点可能ですから、問題の難易度が低すぎて成績上位の生徒の学力の判定にはまったくといっていいぐらい役に立たないのです。ケアレスミスをいかに少なくするかの競争です。ばかばかしい。

 根室の生徒たちは根室高校へ進学して7月に初めて全国模試を受験して自分の学力を知ることになります。中学校で学年5番くらいなら、全国偏差値は50くらい、つまり100人中50番程度、大学受験生としては凡庸な学力ということです。

 7月の進研模試(ベネッセ)で全国偏差値が65だったと仮定します。「自分は北大医学部や旭川医大医学部、京大理学部のようなレベルの学校に合格できるんだ」と思う生徒がでてきます。理由は簡単、「みんなの大学情報」にそう載っているからです。河合塾の偏差値でも似たようなものです。進研模試だけが偏差値が高く出ます。

 共通テストで「みんなの大学情報」偏差値65をクリアする生徒は、1年次7月の進研模試では偏差値80前後でなければ共通テストで「みんなの大学情報」偏差値が65には届かないのです。偏差値80は受験者千人に一人、つまり上位0.1%です。45万人の受験者では成績上位450人ということです。偏差値65だと千人中97番目です。
*「#4070偏差値と千人中の順位対応表」
 
 なぜか?
 1年次7月の進研模試には全国の公立高校の普通科の生徒の大半が受験します。母数は45万人ほどいます。その中には公立進学校の一部が含まれていません。北海道なら、進学校の札幌南や北高が参加していません。中高一貫校公立進学校も参加しないし、私立の中高一貫の有名進学校もカリキュラムが合わないので参加していないのです。だから、成績上位の数万人が抜けているので、平均点が低く、偏差値が高く出てしまうのです。実際に共通テストを受験する生徒(昨年は53万人)の内、成績上位に属する一部の生徒たちが1年次の進研模試には参加していないだけでなく、共通テストを受験しない生徒が数万人含まれています。
 2年次になると、進研模試は大学進学希望者のみの受験になるので、受験者数が激減します。根室高校では1年次の受験者数120人弱に対して、2年次で受験するのは特設コースの40人のうちの35人くらいです(昨年3月の大学進学者数を根室高校ホームページで見ると48人、2021年4月の3年生の進研模試受験者数は36人)。就職や専門学校進学の生徒が抜けますから、平均点がアップするので、偏差値は1年次のときよりも低くなります。
 根室高校の昨年の進路実績をみると、偏差値60を超える大学への進学者は48人中一人だけ、ほとんどが偏差値50以下です。
 データから言えることは、根室高校からは偏差値60を超える大学へは現役合格が無理だということです。偏差値65を超える難関大学へ合格するには、1年次の7月の進研模試で偏差値80付近にいないといけないということ。それは、長期の教育戦略に基づいて、小学校と中学校で特別な学習の仕方をしてきた生徒だけになしうることです。高校へ入学してからではもう遅い。旭川医大医学部へ昨年3月に現役合格した生徒がそういう勉強の仕方を7年間やりぬいています。そういうわけで勝負は根室高校へ入学する前についてしまっています

 根室高校の今年の三年生の1年次7月のテスト結果は、学年トップが進研模試で偏差値65くらいでした。偏差値60-65の間に5人くらいだったと思います(根室の中学校で学年トップでも数人が団栗の背比べで、トップが入れ替わるようなら、こんな程度の学力レベルなのです)。1年次の偏差値から判断すると「みんなの大学情報」で偏差値65相当の難関大学へは合格できる生徒はいないということになります。
(北大で「みんなの大学情報」偏差値が65なのは獣医学部と医学部だけです。この二つをのぞく理系学部は偏差値60-62.5ですから、偏差値65以上を難関大学と定義すると、獣医学部と医学部だけ。それ以外の学部はそんなに難しくありませんよ。)


<データが語ること>
 2019年6月29日の進研模試データを見ると、国数英の3教科で全国平均が120.2点、根室高校の平均点は87.7点です。32.5点の差があります。このデータから言えるのは根室高校の偏差値は42くらいということ。英語が一番差が大きくて14.8点差です。国語は11.2点差、数学は6.5点差でした。1年生は高校へ入学してまだ2か月のときの全国模試ですから、中学校の英語授業に大きな問題の存在が示唆されています。

 わたしが古里根室へ戻ってきて塾を開いたのは2002年11月でした。中学校の学力テストの平均点のチャンピオンデータは柏陵中学校の165点(300点満点)でした。55%の得点率です。啓雲中学校が光洋中学校に統合されて、いま光洋中は1学年100名近い人数がいます。これは根室市全体の中学生の6割弱です。
 昨年度の3年生の学力テスト(500点満点)の平均点を並べてみます。
 4/14 201.7点
 9/15 206.4点
 10/14 197.8点
 11/10 180.7点
  合計 786.6点 平均196.7(39.3%)
 この20年間で一番いい時と比べると、得点率に16%の差があります。根室釧路管内の市街化地域の中学校で最低レベルです。
 不思議なことに根室の教育行政に危機感はありません。生徒も先生も長閑(のどか)なものです。いまや18年前の根室高校普通科の学力のある生徒は特設コース・クラスの40人の内、30人しかいません。「広報ねむろ12月号」に特設コースの1-3年生の座談会が掲載されています。やはり危機感ナシです。自分たちがどの程度の学力かわかっていません。お父さんやお母さんたちの時代の根室高校普通科の学力レベルにすら足りないのですが、「特設コース」という看板で大きな勘違いをしています。ぜひ、データを見てものをいう習慣を身に着けてください。社会人となったときにデータや事実に基づかない議論は相手にされません。
 そうですね、進路指導室の先生たちに過去20年間の1年生7月の進研模試の科目別平均点と3科目合計平均点、それと学年3番までの全国偏差値データをEXCELでもらったらいかが?それを折れ線グラフにしたら、いつ、何が起こったのかはっきりわかります。HP社の高性能パソコンが生徒に配布されていますから、自分たちでデータ加工したらいかが?そのうえで、学校の先生たちとこれからの根室高校をどう改革するのか具体的に議論してみてください。高校生はもう大人です。大人の議論はそういう風にやるのです。


<余談:学習スタイルの重要性>
 たかが受験勉強です。正解のある問題ですから、正解手順を覚えれば高学力の生徒たちは高得点できます。しかし、効率の良い、正解手順を覚えてしまう勉強を中高の6年間繰り返すと、「そういう頭」になるんです。
 民間企業に勤務あるいは研究者になってみたら、正解手順はないのです。民間企業では文系も理系もありません。大きな問題やプロジェクトは両方の専門知識を要求します。試行錯誤、そういう勉強の仕方をしてこなかった人は、学校を卒業してから苦労します。ほとんどの人がそれまで培った「思考の鋳型」を壊すことができないのです。
 解答を見ずに、独力で考え、答えを出してみてから、解答を見て、自分の思考過程と解答を比べる、そういう勉強スタイルを貫き、難易度の高い良質の本を読んだ者が、社会に出てから大きく活躍することになります。はっきり言いますが、こんな学習スタイルを貫ける生徒は滅多にいません。
 どのような本を読んでおいたらいいのかは、好奇心や性格にもよるので、これが絶対というものはありませんが、旭川医大に根室高校から現役合格した生徒と7年間音読トレーニングに使った本はリストアップしてあるので、参考にしてください。

 中高生のみなさん、そして大学生のみなさん、しっかり勉強してください。
 社会人のみなさんも、今から始めたっていいのです。

<統合後の根室高校生の学力低下>
 4年前だったかな、根室西高が閉校になって根室高校へ統合されました。そして特設コース1クラスが開設されています。2004年だったかな、根室高校普通科がめずらしく定員オーバーして数名が不合格でした、Fランク150点(五科目300点満点)で3人不合格になっています。いま特設コース40人の内、10人程度は五科目合計点が50%以下だと思います。つまり18年前の根室高校普通科の生徒よりも、現在の特設コースの生徒たちの学力は下だということ。進路実績を見たら一目瞭然、首都圏の大学進学者は1/10になっています。偏差値60を超える大学への進学者は昨年は1人のみ。進研模試のデータを20年前から並べてもわかりますよ。
 18年間根室高校で先生している人はほとんどいないでしょうから、知らないのでしょうね。
 根室高校の後輩たちの学力低下が悲しい。
 いい人材が欲しい地元企業も採用に困っているでしょうね。



にほんブログ村

日本語音読トレーニングで実際に採り上げた本の中から、七冊だけピックアップしました。最後にあげた二冊は難易度の高い本です。できの良い大学生用といってよいレベルの本です。
 これらの本を読んで、対話を重ね、さらに論説文を書くトレーニングもしてます。旭川医大の300点満点の小論文テストで295点でナンバーワンの得点だったのは、こういうことをしっかり積み上げたからでしょう。
 大学生は卒業までにこれくらいのレベルの本を十数冊読んでもらいたい。

読書力 (岩波新書)

読書力 (岩波新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/12/18
  • メディア: Kindle版
国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/20
  • メディア: 新書
すらすら読める風姿花伝 (講談社+α文庫)

すらすら読める風姿花伝 (講談社+α文庫)

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/21
  • メディア: 文庫
語彙力こそが教養である (角川新書)

語彙力こそが教養である (角川新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 新書
日本人は何を考えてきたのか 日本の思想1300年を読み直す (祥伝社黄金文庫)

日本人は何を考えてきたのか 日本の思想1300年を読み直す (祥伝社黄金文庫)

  • 作者: 齋藤孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2020/10/15
  • メディア: 文庫
新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2022/01/13
  • メディア: 文庫
近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻 (岩波新書)

近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻 (岩波新書)

  • 作者: 山本 義隆
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/01/20
  • メディア: 新書
 十数年間生徒全員に音読授業への参加を強制していたので、①~③までは、生徒全員が読んでいます。④以降は希望者のみ。私塾でこんな授業をしているところは道内にはないでしょうね。いい本をしっかり読むことで、読解力が大幅にアップします。

nice!(1)  コメント(0) 

#4692 英文音読トレーニング・ステップアップ:「英文読解七箇条」 Jan. 10, 2022 [49.1 英語音読トレーニング]

<更新情報>1/11正午「余談」追記
 今日は雲一つない晴天です。根室は昨日が成人式。昔は15日が「成人式の日」と決まっていました。もともとは「小正月の祝日」だったようですね。

 ニムオロ塾は祝祭日には関係なく授業しています。レギュラーの授業時間帯は5-7時、7時半から9時まで。4時前から来る生徒もいます。
 今日は4時から1時間英語音読レッスン。『Cutting Edge 2020』は第五回目の授業、テーマは「動物(quaggaという前半分がシマウマ模様、後ろ半分が馬という19世紀に絶滅した動物)」、語数は378 wordsです。
 音読して語順通りに和訳してもらいます。それでいままでは手一杯のようす。そろそろステップアップの時期です。どんな風に読み方の工夫をしているのか、今日は生徒に聞いてみることにします。漫然と読解を繰り返しても大きな進歩には長い年月がかかってしまいます。つねに、「もっと速く読める方法はないか?」「より深く読むにはどうしたらよいのか」と自分に問いかけながら、読解に集中する必要があります。

 生徒にどのような工夫の余地があるのか、どのように工夫したら、二つの目標をクリアできるのか問うてみたい。
 そのうえで、具体的に読み方を教えていきます。
 つまるところは日本語の本を読むのと同じなのです。少し違うのは英文は段落を区切って論旨を展開するのが論説文を書くお作法だから、段落のごとの論旨を追いかけなければならぬこと。日本語で書かれた文章は、英文のように明確に段落分けして論旨を展開する書き手が多くはないので、英文よりも厄介とは言えるでしょう。
 ようするに、日本語のレベルの高い論説文の論旨を的確に追いかけることができたら、英文読解にその技を利用すればいいだけのことです。だから、日本語で書かれた本を読むとき以上にはなりません。
 英文で高度な読み方を学んで身につけたら、日本語の本の読解も自然にレベルアップしているでしょう。

 要点を箇条書にしてみます。
 ①人が出てきたら何者なのか、該当箇所にアンダーラインを引く。
 ②機関名や団体名が出てきたらそれが何を目的とするものなのか説明箇所にアンダーラインを引く。
 ③キーワードが出てきたら四角で囲み、キーワードの説明箇所にアンダーラインを引く。
 ④書き手の独自の見解の箇所にはアンダーラインを引き、先頭部分に丸印をつけておく。
 ⑤論旨を追いかけるために必要な箇所にはアンダーラインを引く。
 ⑥重要な箇所にはアンダーラインを引き、先頭部分に◎をつける。
 ⑦いつ、どこでという二つの情報は重要なので楕円で囲んでおく。

 キーワードの置き換えはマークしておくなど、細かいことはいくつもありますが、この7か条で十分です。
 成績上位5%が対象のニムオロ塾の英語音読授業は、標準的な高校英語授業よりもハイレベルな読解授業です。大学院入試英語の下地作りといったあたりです。大学3年次の英字新聞授業や外書購読は、専門知識が必要になりますが、その前段階という位置づけになるでしょうね。
 普通の成績の生徒たちにはここまで要求しません、きつくて嫌になってしまいます。(笑)
 だから毎週水曜日に実施している、普通の成績の生徒対象の英語音読特訓授業は手加減しています。

 さあ、今日のトレーニング、生徒から何が出てくるのか、生徒に何が生じるのか、楽しみです。

<自分は二人いる:熱中している自分とそれを観察している自分>
 数学の問題を解くときには、問題を読み、それに全神経を集中させている自分と、そういう自分の姿を上から眺めて客観的に観察している自分を意識しています。議論するときにも同じ。ようするに、目の前のことに没入してしまっている自分と、それを客観的に観察する自分を意識します。
 そうすると、全方位から観察ができて、別な次元の工夫が出てきます。潜在意識の部分を使って思考しているような感覚があります。メタ認知とでも名付けたらいいのかな。ネットで「メタ認知」の検索キーでヒットしました。記憶をたどると、中学生の頃にはメタ認知能力を使ってました。
 国語や英語の勉強も数学も理科や社会の勉強の仕方にも共通部分があります。その中の一つがメタ認知能力の駆使です。

<余談:絶滅危惧種> 1/11追記
 この5番目の長文問題エッセイには、絶滅したクワッガというシマウマと馬のキメラのような種が出てきます。その種を復活しようとする団体があり30年以上もクワッガに似たシマウマ同士を交配して子どもを作っていますが、遺伝子的にはシマウマです。こういう人目を引く、美しい種は人間の興味の対象となり、たくさんの人々が関心を持ち、その「復元」や保存にお金を出しますが、地味な種には人々の関心が集まらず、人知れず絶滅していくことを書き手が心配していました。
 今朝(1/11)ラジオを聞いていたら、奄美大島の黒兎がやはりその愛らしさから関心を集め、保存運動が立ち上がっていますが、トカゲやイモリやカエルのような奄美大島固有の両生類9種類の内4種類が絶滅危惧種になっているのに、人々の関心が集まらぬことを報じていました。
 南アフリカで19世紀に乱獲で絶滅してしまったクアッガと似た事例が、現在の日本にもいくつもあることに驚いています。わたしたちにもつながっている話なのです。
 根室も、落石地区に固有種の植物がいくつもあるようです。おそらく両生類や小動物にも固有種がいま絶滅しかかっているものがあるでしょう。関心を持ちたいですね。


にほんブログ村
 

 線の引き方はこの本を参考にしてください。
三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫)

三色ボールペンで読む日本語 (角川文庫)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: Kindle版
三色ボールペン情報活用術 (角川oneテーマ21)

三色ボールペン情報活用術 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/09/10
  • メディア: Kindle版

nice!(1)  コメント(0) 

#4691 英語音読特訓:偏差値72札幌光星ステラコース受験 Jan.8, 2022 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 ブログ・ニムオロ塾は、難関大学や難関高校へ進学する人たちの受験勉強のやり方を記録してアップしています。後に続く人たちの参考のためにやっています。「いつまでに・何を・どのように」やればいいのか参考にしてください。昨年は、旭川医大へ根室高校から現役合格した生徒と札幌旭丘高校へ合格した生徒の学習記録をアップしています。国立旭川医大へ現役合格した生徒は小5の1月から、札幌旭丘高校へ合格した生徒は中学3年生の12月から通塾スタートでした。それぞれ「いつまでに・何を・どのように」やったのか記録してありますので、興味があったらお読みください。生徒の学力や性格、そして受験本番までの日数などに応じてやり方は変わります。

 さて、本論です。土曜日2時間、札幌光星高校ステラコース(偏差値72:北海道の高校で最難関)受験の中3年生に高1の英語教科書「Vivid 1」を使って英語の音読特訓をしています。12月25日が第一回目でした。1回目は「第3章part-1」まで終了、今日は「第3章part-2,3」「第4章part-1,2,3」「第5章part-1」まで、進捗度は38%。
(この生徒は昨年10月の英検で準2級に合格しています。)

① 新出単語の発音練習
② 一つの段落全部を生徒に読ませてチェック。
③ 今度はこちらが音読して見せる
④ 英語の語順通りに日本語にしていく(生徒)
⑤ 冠詞類や構文について質問・解説(わたし)
⑥ 意味を頭に浮かべながらシャドーイングし、次いで単独で音読させる
⑦ 教科書右側のページの練習問題をやってもらい答え合わせ。

 大体、こういう手順でやっています。初回はp.14~45まで32頁、2回目はp.46~64まで19頁でした。音読回数を増やすと時間がかかります。これくらいがこの生徒には好いようです。今回は各パートそれぞれ4回以上読んでいます。
  1-9章まで31 partsあります。今日のペースでやれば2時間で6parts消化できるので、最後のReadingを含めて、6回・12時間で、中3のトップクラスの生徒が高1の教科書1年分を消化できるということになります。こういう生徒は、中学校はもとより高校の英語の授業も退屈で仕方がないでしょうね。ジエット機に空を飛ばすに道路を走れというようなものです。

 3年間、そういう授業に脳が慣れてしまったら、学力の成長速度が鈍化して、「根室ではよくできる」程度の能力の生徒になって、「全国区」では通用しなくなってしまいます。
 毎日繰り返すことは習慣となります。習慣は数年間で性格の一部となるのです。遅い学習速度に数年間慣れてしまうと、脳は高速で回転しないようになります。難易度の高い問題へ独力でチャレンジできない脳になってしまいます。どういうことか具体的に説明しておきます。たとえば、高校2年生になって数Ⅲの学習を青チャートで始めたとしましょう。例題はなぞってやれますが演習問題は独力でチャレンジできなくなっています。独力で予習し、難易度の高い問題を答えを見ずにやり抜くというスタイルを造り上げてこなかったからです。ふだんの学習習慣学習スタイル思考習慣というのはそれほど大切なのです。
 では遅い授業速度、難易度の低い問題ばかり消化する授業に脳が慣れてしまわぬようにどうすればいいのか?脳が慣れてしまうのでそういう授業を傾聴してはいけないのです。授業時間がロスになるので、授業中は難易度の高い問題集を解くことに充てます。授業の邪魔はしませんが、先生の中には学力の高い生徒に無視されてプライドが傷つく人がいますから、教科担当の先生と軋轢が生じます。生徒のキモチになると「授業の邪魔はしないのだから、先生の方も勉強の邪魔はしないでもらいたい」ということなんです。そうしないと、根室高校から現役で難関大学へは合格できません。

 ①ご両親に教えてもらう
 ②独力で頑張る
 ③個別指導をしてくれる塾へ通って、コーチを受ける。
これら三つがわたしが頭に思い浮かぶ選択肢です。①のケースはほんとうに珍しいがあります。昨年、そういう中3の生徒が1人いました。ステラコースで勉強しています。②でやり抜ける生徒は、根室では30年に一人ぐらいしか出現しないでしょうね。
 残念ですが、学校の授業はこうした高学力の生徒に関しては、人材潰しになっています。速度が遅くて、授業で扱う問題の難易度がとても低いからです。高学力の生徒たちが育つような授業環境になっていません、逆に高学力の生徒の芽を摘むような授業になっています。授業中に難易度の高い問題集をやることを認めてあげたらいいのです。中学校の学力テストで五科目合計が400点を超えた生徒には無条件で認めていいと思います。科目ごとに学力テストの得点が90点を超える生徒にもOKを出しましょう。高校なら、進研模試で全国偏差値60以上の生徒に「特典」として認めます。宿題も免除です。自分でしっかり勉強してますから、宿題出す必要がありません。宿題をやるやらないの選択は本人任せでいい。学力の低い生徒はダメですよ(笑)

 集団指導ではこうした学年トップレベルの生徒の学力に見合った授業は不可能です。もちろん、わたしにだって、集団指導でこういう生徒に教えろと言われてもできませんよ。個別指導だからやれるんです。同時に7人までは大丈夫です。ああ、やりようはありそうです。他の生徒たちには集団指導して、学力の高い3人くらいの生徒に個別指導なら、同時にできます。低学力の生徒は10倍以上手間がかかるので、集団指導下で低学力の生徒に3名に個別指導は無理があります。わたしができないだけで、世の中にはそういうことのできる先生がたぶんいるでしょう。でも千人に一人以下だと思います。

 日本語の本の読書と同じで、高速音読ができるようになると、黙読速度もアップします。正確に読んでいるいるかどうかは、音読させないとチェックできません。高速音読ができて、語順通りに読解していくと速度は3倍になります。初回に比べると、抑揚、強弱がつけられるようになってきました。
 この生徒はどちらかというと、おしゃべり好きではなく、寡黙な生徒ですから、口が重い。英文を読むときも、あまり口を動かさずにモグモグやるから、はっきり聞こえてきません。だから、音読トレーニングは他の生徒よりも効果が大きいのです。音読トレーニングはある意味格闘技のようなものです、だいぶ楽になったと思います。この生徒は授業中に難易度の高い問題集『シリウス』を開いて勉強するなんてことはできない性格ですから、根室高校から難関大学へは現役合格不可能です。だから、札幌の進学校の選択がベスト。こういう生徒にも地元に残ってもらいたいが、難関大学への現役合格を棄てることになるので、勧められません。
 学力の高い生徒に見切りをつけられないように、根室の小学校、中学校そして根室高校は対応を考えるべきです。対応できなきゃ、高学力の生徒たちに見棄てられます

 高校1年の教科書を使った音読トレーニングのほかに、大学入試長文問題集の「cutting edge」の方は週4回本文の音読練習をしていますから、相乗効果が働いてきます。 来週は問題番号5,7,8,9をやります。
 1/22の1次選考試験までに11問やるつもりです。10問で高校3年生の英語教科書「Vivid-3」1冊分あります。内容は受験長文問題ですから教科書よりも難易度が高い。2月15日の本試験前に「cutting edge」は完了します。そのころには英検2級相当の英語力はついているでしょう。
 じつはもう一人、中3の生徒が参加する予定でしたが、ダブルブッキングだったようで、来られませんでした。前から予定が決まっていた様子。急だったからそういうこともあるよね。半年あれば、根室高校で英語は学年トップに躍り出そうな逸材に見えてます。目の錯覚ではないと思います(笑) 
 英語の得点が平均点付近でも、素質の高い生徒はいます。潜在的な能力が花を咲かせる機会を得られていないだけです。ほんとうにもったいない。

<発音記号を読みながら発音トレーニング
 
ものごとは基本が大切です。発音記号もその中の一つです。便利な電子辞書で発音をチェックしてもいいですが、発音記号が読めたらなおいいということはわかりますよね。教科書の各単元に出てくる新出単語には発音記号も書いてありますから、発音記号に注意しながら、単語を読んでいきます。2回の授業でこの生徒は慣れました。子音や母音の注意すべき発音はその都度トレーニングしています。thの発音がちゃんとできている生徒は珍しい。出てきた単語には二重母音のあるものが意外と多い、日本語発音では長音になっています。ヨーガは「ヨオウガ」、リモートは「リモオウト」、コントロールは「コントロオウル」、ビローは「ビロオウ」、ロールは「ロオウル」ソーラーは「ソオウラー」。今日出てきただけでもこれだけあります。

 それから、シンボルは「シンブル[bl]」チアフルは「チアフル[fl]...[ful]ではない」ケミカルは「ケミクル[kl]」、メデシンは「メデスン[sn]」、グローバルは「グローブル[bl]」、ボタンは「バトン[tn]」というように、子音と子音の真ん中に母音がありません。単語の発音も数十年かけて変化しているんですね。バケーションは「ベイケーション」になってます。バケーションと言えば、団塊世代は、弘田三枝子の「v-a-c-a-t-i-o-n~♪」(1962年)、元気な歌声を思い出します。

<余談:数学の進捗メモ>

 『Sirius 21』をやっていますが、昨日p.183をやっていました。最終章の「31.標本調査」はp.225です。1月末まで終わりそうもありません。立体図形の難易度の高い問題は端折らざるを得ません。過去問をチェックして、来週中に端折るページや問題を指定します。ほんとうは自分で選ぶべきなのですが、まだ半年目ですから、そういう自主性を育めていません、学習習慣や学習スタイルの問題、性格にもかかわってくる問題なので、3年くらいはかかるんです。7月下旬に「教育相談」に応じた時点で、そうした生徒の性格はわかっていました。独立性や自主性の錬磨は高校へ入学してからチャレンジすればいい。そういう意味で進学校の寮生活はこの生徒には意味が大きいと思います。これから都立の入試過去問で数学の問題を解く速度アップトレーニングをしておかないといけません。札幌光星高校の数学の入試問題は難易度は高くはありませんが量が多いのです。目一杯やってぎりぎりだね。他に、苦手の社会と理科は自力でフォローしている最中です。
 いまはとっても苦しい。楽しめるかな、スリリングでエキサイティングな1か月と1週間。(笑)
 やっても無理な生徒もいますが、そういう生徒に頑張れとは言わない、この生徒は自力で何とかできる生徒です。これから1か月で、飛躍的に学力が伸びるよ、自分の力を信じて全力で走り切ったらいい。


にほんブログ村


氷のキャンドルスタンド:高さ60㎝あります。暮れの20日ころに雨水受けのバケツにたまった水が凍ったので、ひっくり返してみました。雨だれ水なので気泡がいっぱい閉じ込められてきれいです。

DSCN6040s.jpg


DSCN6041s.jpg

nice!(1)  コメント(0) 

#4690 ザバス・プロティン Jan. 8, 2022 [36. 健康]

 今日はザバス・プロティン飲料の話を書こうと思う。
 ザバスを飲み始めたのは、Koderaさんが勧めてくれたからだ。粉末のものを購入して飲み始めたが、牛乳で溶かして飲むのが面倒で、半分も飲まぬうちに賞味期限が切れて棄ててしまった。ものぐさには粉末は向かぬと知った。
 それから3年ほどが過ぎて、昨年10月に札幌コープの宅配で、200mL×24個のパッケージが出ていることを知り、オーダーした。鉄分入りのヨーグルトも飲んでいるので、週に4-5回くらいの頻度で飲んでいる。
 11/23日からいままで、1か月半ほど、体重は62㎏前後が維持できている。スキルス胃癌の手術の後62.5kgになったことはないので、すこぶる体調がいい。
 教えているときも、あるいは英作文問題を作っているときにも、脳の疲労が小さく感じる。脳のスタミナが3-5時間くらいは持続する。ありがたいことだ。

 雪かきで筋力アップにもなっているのだろう。この200mLのパックは、わたしには合っているようだ。プロティン含有量は15g。
 何か副作用がないか、身体を「内観」しているが、いまのところ気になるほどの副作用は感じない。最近また24個入を3箱とった。

 左から、「イチゴ味」「ココア味」「バナナ味」
DSCN6023s.jpg

 わたしの好みはバナナ味だ。ココアとイチゴは最後の方が不自然な味付けの感じが残る。イチゴやココアやバナナを使っているのではなくて、なにかで「風味付け」をしているからそのように感じるのだろう。

<余談:飲む総量は一定>
 大麦若葉青汁、鉄分入り飲むヨーグルト、ザバス、お茶、カフェオレとだいたいこれら5種類を日常的に飲んでいるが、どれかを増やせば、どれかが減ります。胃のない私に飲める量はそれほど多くはありません。少量ずつ時間を掛けていただいてます。

*「#3834ザバスホエイプロティンの功徳


にほんブログ村

nice!(1)  コメント(2) 

#4689 コロナPCR検査保険点数が半分に Jan. 5, 2022 [35.1 COVID-19]

 COVID-19のPCR検査名は、SARS-CoV-2PCR検査であるが、いままで委託検査だと1800点(18000円)、病院内でやると1350点(13500円)だった。それが4月から700点に下げられる方向で検討されている。
 1年半以上前にSARS-CoV-2PCR検査は、検査センターの原価から考えて、500点が妥当だと弊ブログに書いた。下げないのは感染研と都道府県の衛生研究所で独占的に検査して、データを独占すると同時に法外な収入をあげようという「二重の利権」にかかわる問題であった。

 経緯は2020年5月5日の弊ブログ#4241「COVID-19検査:保険点数は500点でいい」拡大へ方針転換に書いてある。

#4241より転載
--------------------------------------------------
 東京都医師会センターが都内で40か所以上のPCR検査センターを立ち上げ、大手民間検査センター3社と契約済み。京都大学等からも保健所の縛りをなくしてPCR検査ができるようすべきと要望を突き付けられていた。国民からの批判が大きいので、専門家会議はPCR検査についての方針転換を表明せざるを得なくなった。人口10万人当たりでの数字を見たら一目瞭然。

(写真:読売新聞)

* https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%ef%bd%90%ef%bd%83%ef%bd%92検査数「他国より明らかに少ない」…政府の専門家会議、センター増設求める/ar-BB13zRTy?ocid=spartandhp#image=1

 保険点数の公表は3/5である。同日付で最大手臨床検査センターSRLは同日付で処理能力が1100テスト/dayであることを公表している。47都道府県の衛生研究所全部を合わせた実際の処理件数が3000-6000テスト程度である。
*道立衛生研究所
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/profile/about.html

 公表されたCOVID-19PCR検査の保険点数は1350点だから13500円、臨床検査名称はSARS-CoV-2PCR検査となったようだ。これは臨床検査学会が名称を管理し、SRLが事務局をしている日本標準臨床検査項目コードに付された正式名称なのだろう。すぐにネット配信されただろうから、全国の病院やクリニックのシステムはこのコードで動いている。準備は2か月も前に整っている。必要なプライマーの自家製造も2月初旬に体制を整えている。

<1350点の保険点数は異例、500点に切り下げるべき>
 ところで1350点というのは異例に高い点数になっている。衛生研究所の原価ベースに厚生労働省が設定したのだろう。従来の保険点数の価格帯からは500点くらいが「相場」である。大手民間検査センター3社はこの点数で十分に採算がとれる。老人を除き患者負担は3割だから1500円で検査できることになる。
 13500円のものがなぜ大手民間検査センターならどうして4割になるのかは簡単な話だ。1日当たり10テストと100テスト、1000テストではコストがまるで違う
 実際にそういうシミュレーションをして、新規導入項目の受託価格を決めていたことがある。研究部や特殊検査部の検査担当者がそれぞれ計算して、それをオーソライズするようないい加減な体制だった。研究部や特殊検査部の課長さんたちの相談に乗っていたことがある。会社の利益に大きな影響があるので、原価計算システムや予算システムと連動させた、新規導入項目や既存項目の販売価格決めのために利益シミュレーションシステムを1988年ころに構想していた。そんなシステムをもっている会社はいまでもないだろう。
 変動費は検査試薬代のみ。固定費はPCR検査機器の減価償却費そして人件費である。テスト数の桁が上がるにつれて、固定費負担は急減する。生産性が悪く、国内基準での精度管理体制である衛生研究所の検査コストは高くついて当然である。道立衛生研究所の感染症部のウィルス・グループは数人だろう。だから、検査数増大には耐えられない。実務上検査を制限せざるを得ないのである。各地の保健所とのやり取りが目に見えるようだ。まことに気の毒である。

<大手臨床検査センターの規模はケタ違い>
 大手臨床検査センターのSRLを例に挙げると、八王子ラボには800人前後の臨床検査技師がいるのではないか。1994年ころに調剤薬局事業をスタートさせるために調べたら70人を超える薬剤師がいた。PCR検査の導入は1988年ころにさかのぼる。製薬メーカー・ロッシュとPCR検査に関わるロイヤルティ契約をしたのは1990年ころのことである。わたしは学術開発本部スタッフで製薬メーカとの試薬の共同開発案件2個とPERT法による共同開発業務の標準化、学術情報部のラボ見学案内のうち海外メーカからの部分と異動する前から学術情報部長のKさんと臨床検査項目コードの産学協同プロジェクトにかかわっていた、私の提案で大手6社と臨床病理学会の産学協同プロジェクトとして始まった仕事だったからだ。忘れてた、沖縄米軍からの依頼で出生前診断検査の導入調整、慶応大学病院との出生前診断検査MoM値の日本標準値決定のための産学協同プロジェクトもこの時期にやってしまった。SRL側のマネジメントを担当していた。精度保証部のほうはCAPライセンス査察へ向けての準備作業の応援くらいなもの。大きな仕事はなかった。ああ、学術開発本部内の3部の業務3割カットなんてプロジェクトもわたしの担当だった。各人の業務の棚卸をして、優先順位付けした3割カットしました。特別忙しいという感じはなかった。多い時にはプロジェクトを5つ抱えていたこともあったから。毎週行われていた開発部の会議で担当者から報告があったのでロッシュのPCR検査ロイヤルティの話は記憶にある。ロッシュと契約する前にPCR検査が導入されており、その時には購買課で検査試薬の価格交渉とSRLの固定資産購入全部を担当していたので、最初のPCR検査機器はわたしが購入している。SRLにはかれこれ30年を超えるPCR検査の実績がある。研究部と特殊検査部への導入が早かった。わたしが八王子ラボの機器購入を担当したのは2年余だったが、それからあとでウィルス検査部でもPCR検査導入がされただろう。量が増えれば特殊検査部から、ウィルス部へ検査が移管される。だから、PCR検査経験者は少なくない。

<保険点数は半分以下に下げるべき>
 医療費はそれでなくても年々増大の一途をだどっており、減らすためにこの20年間で療養型病床数を20万ベッド減らしている。さらに採算の悪い地方の病院の統廃合によって20万ベッド減らす計画が持ち上がっている。
 患者負担は小さい方がいい、検査拡大に伴って、保険点数は500点に引き下げられるべきだと思う。心配なら、厚労省は大手3社に問い合わせてみたらいい。下げれば都道府県の衛生研究所は採算割れするから、やればやるほど赤字になり、都道府県の一般会計から繰入金を増やさざるを得なくなるだろう。生産性が悪いのだからやめたらいいのである。官から民へである。各地の衛生緩急所はパンディミックの初期だけ対応できたらいい。

<処理能力アップの必要日数>
 例えば、1000テスト/日から10000テスト/日への処理能力のアップには、SRLなら3週間程度かかる。PCR検査室増設用のスペース検討に2日、BSEL-3へ改造するのに発注から工事完了まで10日間、その間に必要な人数の人事異動発令とトレーニングをしたらいい。トレーニングには標準作業手順書を使えばいいだけ。RNAウィルスだから前処理に手間がかかる。異動で来る人たちはみなさん日ごろからルーチン検査をしていて検体の取り扱いには慣れているプロの職人であるから、およそ3日間のトレーニングでやれます。RNAウィルスPCR検査のベテランがすぐそばにいるのですから、問題が生じても対応できるでしょう。

<世界最高レベルの精度保証:CAPライセンスラボ>
 SRLは1988年ころ世界で一番厳しい精度管理基準CAPライセンスを取得している。国内基準ではなくて、一番厳しいCAPライセンスを基準としてやっている。2年ごとの更新・査察を受け入れているので、標準作業手順書は新規導入検査や既存項目の手順変更のさいには必ず提出されている。日本語と英文で精度管理部門が厳格に管理している。他の大手2社もあとから続いてCAPライセンスを取得しているので精度管理体制は同じだ。だから、国内基準の都道府県の衛生研究所よりもかなりレベルの高い精度管理体制になっている。

<検査を担当する人材確保も専用機器も制限なし>
 もちろん、機器の増設も必要だから、発注したらいい。PCR検査装置は単に温度を上げたり下げたりして増幅するだけの装置だからそれほど高額ではない。検査結果データを読み取るところがコンピュータ処理になっているだけ。
 大手臨床検査センター3社には検査要員に関する制限や機器の制限はない。

<余談:生徒たちがめんこい>

 ebisuはニムオロ塾で週に4日授業している。看護専門学校への進学を勧めた生徒たちはもう戻ってきて市立根室で働いている者もいるし、全道各地で看護師として働いている。いまニムオロ塾で看護学校への進学を目指して勉強中のものも数人いる。
 それぞれの病院で感染症患者を受け入れたときに、体調に異変を感じたら、すぐに新型コロナPCR検査を受けられるようにしてあげたい。
 大手民間検査センターはニーズが大きくなってもいくらでも処理能力を拡張できる。わたしは、知りうることをここに記して、大人の責任の一端を担いたい。そして状況が改善できるように祈る。


<msnニュースより抜粋>
======================

PCR検査数「他国より明らかに少ない」…
 政府の専門家会議、センター増設求める

 専門家会議は、日本の人口10万人当たりの検査数が187・8件で、イタリア(3159件)、米国(1752・3件)、韓国(1198件)など他国と比べると「明らかに少ない」と指摘。検査の陽性率は5・8%で他国と比べて低いことから、「潜在的な感染者を捕捉できていないわけではない」としつつも、都市部を中心に「検査待ち」が多く報告されたことなどに注目した。

 検査が進まなかった理由としては、▽発熱などの症状を訴える人からの相談を受け付ける保健所が業務過多である▽検査を担う地方衛生研究所の体制が十分でない――ことなどを挙げた。感染者の中には急激に重症化する人もいることから、検査を拡充し、早期診断と適切な治療につなげることが必要だと訴えた。

 その上で専門家会議は、医師が必要と考える患者を迅速に検査できるよう、保健所を介さずに検査ができる「地域外来・検査センター」の増設や、防護具の確実な調達、検体採取をする人へのトレーニングなどを求めた。
 厚生労働省によると、国内のPCR検査の実施可能件数は現在、1日約1万6000件。政府が目標に掲げる「1日2万件」には達しておらず、実施件数も1日最大で9000件程度にとどまっている。


======================


 こちらも是非お読みください
*新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音

デイリー新潮2020年05月02日06時32分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/dailyshincho/nation/dailyshincho-625938
======================

 新型コロナウイルス関連の報道では、数多くの医師がメディアに登場して、自身の知見を述べている。しかし、最前線で感染者たちと接している医師の話をじっくりと聞く機会は意外と少ない。実際にはその患者を診たことがない「専門家」(中には医師ではない者もいる)のオピニオンのほうが多く流布されている。現場からの声として紹介される多くは、治療現場の苦境といったところに限定されているようにもある。

 そこで今回、ある総合病院で新型コロナウイルスを実際に診察し、また現場の統括もしているベテラン医師に匿名を条件で本音を語ってもらった。匿名にした理由は「特におかしなことを言ったつもりはありません。同じように考えている医師も多いと思います。でも、ただでさえ忙しいのに、病院あてに抗議などが来るとたまらないから勘弁してください」というものである。

――お勤めの病院はどんな感じですか?

 現状をお話しする前に、平時の病院、医療がどうだったかを少しご説明させてください。 もともと日本は国民皆保険ですし、東京は医療へのアクセスが極めてイージーになっていました。中学生までは医療費ゼロですし、救急車を呼んでもお金は請求されません。欧米なら数万円は確実に取られます。それゆえ、子供を昼間病院に連れて来られないというだけの理由で、救急外来を夜間に普段使いするような親までいたのです。

 だからいつも病院が混雑していることが問題になっていました。一方で、開業医の先生を含めて医療機関側もそれで儲けていた、という面もあったことは否定できません。「どんどん来てください」とやって、医療費は国に負担してもらえばいいのですから。 ただ、新型コロナウイルスの影響で、普段は安易に病院に来ていた方が減ったので、全体としての患者数は減っています。 感染症や救急を担当していない病棟や医師はむしろ時間に余裕ができているようです。不要不急の手術も延期にしていますから。 1、2月に比べて3月の病院全体の収入は3割減というところでしょうか。病床の稼働率も10%ほど下がっています。 おそらくこれは開業医などでも同様でしょう。「売り上げ」が落ちて困っているところもあるだろうと思います。

 一方で、私たち新型コロナの担当医たちだけは忙しくなっています。うちの病院では新型コロナの診察を救急医が受け持つようにしています。その担当医らの仕事は、大雑把にいって1.5倍になっているという感じです。ただでさえ忙しかったところに、仕事が急増しました。
 私が若い頃は救急を専門とする医師は月15日くらい当直というのが当たり前でしたが、さすがに今はそうはいかないので、当直は月6〜8日くらい。週休2日は確保できるようにして、休日出勤の際には代休も取るように、という方針でした。
 これがさっき言ったように仕事量が増えているため、「当分、代休は取れません」という感じになっていて、実感としてかなりキツい日々が続いているのは事実です。
 私自身は現場の診療の他に、病院全体の感染症対策等々の仕事が増えました。省力化できたことといえば、テレビ会議が増えたので結果として会議の時短などが進んだことでしょうか。

――新型コロナに関しては、膨大な情報量が発信されています。この状況をどう見ますか?

 SNSで誰もが発信できるようになったことで、不安をかきたてる情報が溢れすぎている、という印象はあります。
 また地上波のテレビ、ワイドショーがセンセーショナルに伝える傾向があるのは良くないと思っています。たしかに政府の言う通りのことを流すのでは政府広報になってしまうので、良いことだとは言えません。 しかし、恐怖を煽って,今の対応が危険だと強調しすぎているように思います。
 現政権が嫌いなのかもしれませんが、それと医学の問題は別です。
 現在の政府方針、専門家委員会の方針は、専門的な知見のある人たちが議論して打ち出したものであり、相応の合理的な判断だと現場の医師から見ても思います。
 ですから煽られておかしな行動をとるのではなく、とにかく今の対策を守ってもらわないと,収束できるものもできなくなると思います.
 にわか専門家のコメントが全部間違っているとは言いませんが、大事なことをうまく伝えられていないと感じます。自称専門家はもちろん、芸能人の方などの不用意な発言でも、視聴者は扇動されます。
 外国の例を簡単に紹介するのも問題です。「海外ではこうだ」というのですが、それぞれの国によって医療レベル、保険制度、国民性、文化など異なる背景があります。だから安易に「あそこがいい」「ここがいい」という話ではありません。
「アフリカの〇〇ではこうだ」と言われても、その国は常に様々な感染症の脅威が存在する国かもしれません。その国の政策を参考にする、といっても無理があるのではないでしょうか。

――「何もしないと42万人が死ぬ」というシミュレーションも恐怖を煽っていたのではないでしょうか?

 あれはあくまでも「何も対策を講じなければ」という前提で、最悪の事態を示したのですから、「ステイホーム」を訴えるという点では良いのではないでしょうか。
「エアロゾル」感染といった言葉が独り歩きしたせいで、ちょっと勘違いがあるように思うのですが、基本的には空気感染ではなく接触・飛沫感染です。だからちょっと話をした程度であれば、問題はない。
 空気感染だと思うと「じゃあ空気がいいところなら大丈夫」という勘違いが生まれます。ここが心配です。
 たとえば「空気がいい」ゴルフ場に行く、公園でジョギングをする、というのは問題ないように思っている方もいるでしょう。
 たしかにゴルフ場でプレーするだけなら感染はしないでしょう。しかし、その前後に外食をしないでしょうか。ジョギングの最中に無意識にガードレールを触って、その手で顔を触り……となっていないでしょうか。
そういうリスクがあるからこそ、「ステイホーム」と呼び掛けているわけです。あくまでも個人的な、そしていささか楽観的な見方ですが、きちんと自粛をしていれば、あと1、2カ月のうちには良い状態が来るのではないか、と思っています。

――そうした報道に煽られて、検査や診察を求める患者さんが殺到していて、かえって病院が困っているとも聞きますが、どうなんでしょう? 

 確かに、必要とは思えない患者さんが検査を求めてくる事例はあります。直接こちらの病院には来なくても、かかりつけ医から紹介状をもらってきて、検査を求めるケースです。そういう人の中で検査を断られた人が、SNSやテレビで「検査も受けられない」と主張することもあるのでしょう。
 ただ、この間、数多くの新型コロナウイルス感染者を診てきた者として言えるのは、「この人は陽性だな」と思う人は検査に回さなくても、ほぼわかる、ということです。あくまでもその診断を確定させるために回すのです。病歴を聞き、問診をして、CTを撮り……といった診察の過程でかなりの確率でわかります。
 ところが、そうした経験のないお医者さんが、患者さんに強く言われたとか、あるいは患者さんサービスの一環で検査を求めるとどうなるか。結果として、本当に早く確定して欲しい人の検査スピードが遅くなります。
これが問題です。

――テレビに出ている「専門家」の強い主張の一つが、「とにかくPCR検査を増やすべき」というものでした。これはどうなのでしょう? 

 これは絶対に間違いです。少しでも専門知識がある人は、全くこれを望んでいません
 他国と日本が違うのはこの点で,本当に医師が疑った例にのみ検査をやっている点で感染の広がりをコントロールできていることは確実です。
 とはいえ確かに検査のスピードは遅かったから、そこは今改善を進めています。 ただし、誰彼構わず検査をオーダーできるような状況を作らなかったことは100%正しかったと考えています。
 日本のように国民皆保険の国で、なおかつ感染症に詳しくない町のクリニックのようなところまでもが、自由にPCR検査をできるような環境を作っていたら、間違いなく院内感染が多発していたでしょう。おそらくニューヨークやイタリアの比でない状況になったと思います。
「かかりつけ医」に相談することは否定しません。しかし、そこに多くの人が押し寄せたら結局クラスターを発生させかねません。そういう状況を作らなかった点では、当初、検査を絞ったことは決して批判されるようなことではないのです。
 現在報告されている院内感染にしても、慣れてない人が普段使わないような感染防御具を適切でない使用をしたがために他の人や患者に感染させる例があとを絶ちません。
 ドライブスルーでのPCR検査を増やせ、という意見についても、乱暴に思います。病院外での検査体制は進めたほうがいいでしょうが、やり方を間違えるとかえって感染者を増やすことにもなりかねません。

 別の観点から補足させてください。
 毎年のインフルエンザの流行の仕組みをご存じでしょうか。
 PCR検査が注目されることで「偽陽性」「偽陰性」といった言葉もよく目にされるようになったと思います。前者は「本当は陰性なのに陽性と出ること」で後者は「本当は陽性なのに陰性と出ること」ですね。
 実はインフルエンザの検査でも「偽陽性」「偽陰性」は一定の確率で発生します。日本では「インフルエンザかな?」となったらまず病院に行って、検査をしてもらって、タミフルを飲んで、ということが当たり前に思われている方が多いかと思います。
 でも実は、こんなことをしている国はそんなに多くありません。一つには先ほどから言っているように、医療費が高い国では、そのたびに大変な料金が発生するので、いちいち検査しない、という人が多いのです。また、タミフルは病気を治す薬というよりは、よくなるまでの期間を短くする(7日が5日半になる)という性質のものです。
 アメリカならば、この検査とタミフルだけで下手をすると500ドルはかかるでしょう。だから多くの人は「家で寝て回復を待つ」のです。私もそうしています。
 ところが日本は医療費が安いことに加えて、「休むなら証明書を出せ」という習わしが学校や企業にあるので、こぞって病院に来て検査を求めるわけです。
 問題は、インフルエンザの簡易キットの感度は7割から8割なので、2〜3割の人は本当は陽性なのに「陰性」という結果になります。
 その人たちは、病院のお墨付きをもらったということで、自由に動き回りますから、コミュニティの中で感染を広げます。実は、これが毎年のインフルエンザの流行の大きな原因なのです。今回のことを教訓に、「インフルの証明書がないと休めない」といったおかしな慣習はなくしてほしいものです。何にせよ具合の悪い人は休むべきです。結果としてそのほうが学校や職場のためにもなります。
 そして、今年、インフルエンザがあまり流行していないのは、多くの人が手洗い、うがいをして、なおかつちょっとでも具合が悪ければ、自ら行動を抑えるようにしたからです。その結果、「実はインフル」の人が感染を広めなかったわけです。
 話をPCR検査に戻せば、検査の無闇な拡充に反対している人たちが怖れているのは、インフル同様に、「お墨付きを得た、でも本当は陽性です」という人が感染を広めることにつながりかねないからです。
 よく韓国やイタリアのほうが日本よりも検査数が多い、といって日本を批判する人がいるのですが、これは話がまったく逆です。韓国やイタリアは最初に検査数を増やし過ぎたために、感染を広めてしまったのです。
「医療資源が無限にあり」「偽陽性の人でも全員どこかにちゃんと収容できて」「(偽)陰性の人が行動を慎んで他人にうつさないようにする」という前提がすべてそろっていれば、検査数をどんどん増やすのもいいでしょう。
 しかし、そもそも検査はそんなに簡単なものではありません。検査というのは少なくとも検体を取る人と、検体を検査する人の両者がいてはじめて検査ができるのです。仮に医師会の先生たちが頑張って検体をたくさん出しても、検査する人が増えなければ結果が出るのがより遅くなってしまいます。本当に必要な検査が滞るのです。
 もしも「やる気になればできる」と言い張る方がいるのなら、ぜひそういう人材がどこにまだ眠っているのかを教えていただきたいものです
 検査の技術の習得は一朝一夕にはできません。だから長期的な観点では、もっと日本はこういう検査もスピーディにできるようになればいい、と言われれば「その通りです」と答えます
 しかし、今まさに感染爆発を防ごうとしている時期に実現不可能なことを言っても仕方がありません
 テレビに出ている中でも、自称「専門家」ではなくて、本物の専門家の先生方もいらっしゃいます。そうした方に、「日本のPCR検査数は少ないのでは」とか「より検査体制を充実させられるといいのでは」と問えば、「そうですね」と答えるでしょう。それ以外の答えをしようがありません。

 しかし、それで「それみろ、やっぱりPCR検査が足りないんだ」と言い張るのはやめてください。
 繰り返しますが、現場で本当にこの病気を診ている医者で、もっと検査数を増やせ、などと言っている人はいないはずです。 

――ではなぜお医者さんの中で「PCR検査を増やせ」という声が根強いのでしょうか? 

 例年、この時期はインフルエンザの患者さんで病院、特に開業医さんは混み合うのです。経営のことを考えると患者さんがたくさん来るのは悪いことではないと考える先生もいるでしょう。今年はインフルエンザ自体が流行していませんし、万が一新型コロナウィルスに感染している患者に検査をすれば、感染のリスクがあるためほとんど行われていません。現在、新型コロナの診察はあまりやっていないでしょうが、一部の人にとっては「検査は怖いから検査センターにお願いするとして、診察は引き受けたい」といったモチベーションがあるかもしれません。
 そういう人にとっては、かりに「PCR検査センター」のようなものが出来れば、都合が良いかも……というのは穿った見方でしょうか。 

――「WHO」の関係者と名乗る方、ノーベル賞受賞者の方もPCR検査を増やすように主張していますが。 

 海外にいて、どのくらい日本の事情をご存じなのかわかりません。また、たとえノーベル賞を受賞された素晴らしい先生方であっても、必ずしも感染症やこの病気の専門家ではないので、仰ることがすべて正しいとはいえないと思っています。
 医学はそれぞれの科や専攻の専門性が高い分野なので、たとえノーベル賞受賞者であっても、専門外のことには確証を持って発言していないのではと感じることもあります
 なお、「検査、検査、検査」というWHOの事務局長の発言もいまだに曲解されている方がいます。あれはあくまでも発展途上国などで検査を軽視している国に対してのメッセージであって、日本などを念頭に置いているわけではありません。

――ただ、検査をまったくしないと不安だという気持ちもよくわかります。「37.5度が4日間続くまで様子を見る」と言われても、その間に急激に悪化したら……と不安になるのでは。

 気持ちはよくわかるのですが、熱だけが兆候とは限りませんし、本当に具合が悪くなったら救急車を呼ぶほうがいいと思います。新型コロナ以外でも、いろいろな病気がありえるのですから、本当に具合が悪い時はそうするべきでしょう。...


 続きはURLをクリックしてお読みください。これもご意見の一つではあると思います。現場で診療している医師や看護師さんたちにもいろいろな意見があると思います。

 

======================

<ebisuの感想>投稿欄の内容に少しつけ足しました
---------------------------------------
通りがかりさん

現場で新型コロナ感染症治療にあたっている医師の方のご意見ですね。ありがとうございます。
本文へ追記転載しました。

わたしにはうなずけるところもあるし、そうではないところもあります。

全体を通してみると、話に飛躍がありすぎます。当たり前のことですが、お医者さんにも視野の広い方と狭い方がいらっしゃるというだけ。
次の点は、私の書いたものをお読みいただけたら、納得頂けるでしょう。診療現場の医師とは言ってもすべてをご存じなわけではないのです。
以下は、PCR検査について言及してある部分を抜粋しました。大きな事実誤認です。
PCR検査をやる人材がどこに眠っているかについてですが、大手民間臨床検査センターにニーズに応えられるだけ十分な人材がいます。
--------------------------------
 もしも「やる気になればできる」と言い張る方がいるのなら、ぜひそういう人材がどこにまだ眠っているのかを教えていただきたいものです。
 検査の技術の習得は一朝一夕にはできません。だから長期的な観点では、もっと日本はこういう検査もスピーディにできるようになればいい、と言われれば「その通りです」と答えます。
 しかし、今まさに感染爆発を防ごうとしている時期に実現不可能なことを言っても仕方がありません
--------------------------------

自分が知らないということすらご存じないご意見です。実現不可能な話ではありません、大手臨床検査センター3社にはPCR検査がどれほど増えようとも、それに対応できるだけの人材がいます。現実にとっくに用意されているという話です。診療に当たられている感染症の一専門医の方が知らないのはしかたがないでしょう。しかし、専門家会議の面々はずっとこんなことも知らずに、2か月以上も時間を浪費してしまったのです。

ものごとは複雑、だからいろいろな人が意見を言うことが大事なのです。北大の西浦さんのシミュレーションについても言うべきことはあります。データを独占していることと、シミュレーションの前提条件が概要すら説明されていません。変わり目の実績データを20個ほどからy=a×1.115^xという計算式が導けます。途中までの計算値は西浦さんの複雑なモデルとそう違わないはずですが、90日を入れたら、東京都の人口をオーバーしてしまいます。だから、せいぜい30日か40日程度しか蓋然性がなさそうにみえます。モデル計算なんて前提条件の塊ででき上がっています。国内に感染症数値モデルの専門家は彼だけではないでしょう。追試できるような体制が好ましい。データの独占ではなくて公開が必要です。ネットの時代ですから、オープンな議論をしたらいい。

そしてもっと大きな問題があります。ことは感染症にとどまらない。1929年の世界大恐慌以来の「大恐慌」が始まっている可能性が大きいのです。とっくに医療人だけで議論できる問題ではないというのがわたしの意見です。グローバリズムの行き過ぎに対する反動であり、リカードの比較生産費説による国際分業体制の破綻です。経済の枠組みが、ポスト・コロナでは大きく変わります。外側に向かっていたベクトルが、一斉に内側に向かって収縮し始めます。

現場で感染症の治療に当たっておられる医師や看護師、そのほかさまざまな医療スタッフが働いています。そういう皆さんには敬意を表します。だからと言って、感染症の医師以外はこの問題を取り上げるなという意見には賛成しかねます。看護師さんも現在の過酷な臨床現場の状況を告発して医療がすでに崩壊していることを具体的に発信している方もおられます。
新しい事態に直面すれば誰だって間違えることはあります。専門家委員会だって判断を何度も間違えているのです。「37.5度、4日間の発熱が続いた場合」という条件を、批判をずっと浴び続けて、ようやく5/6から外すことになったようです。

感染症と言えば大きなトピックスは1988年ころのエイズ(HIV)騒ぎです。あのときも「エイズサーベイランス委員会」を当時の厚生省が組織しました。委員は感染症の専門家でした。医師からの報告書だけで感染数を把握してましたが。当初の数年間は全国で陽性者は100人未満。1988年かその翌年だったと思いますが、SRLではHIV陽性が毎日1-2件出てました。年間およそ500件です。他にも検査している用の多い検査センターがありました。当時は江東微研の検査数が多いという噂を聞いてました。陽性検体はウェスタンブロット法での確認検査をしてました。厚生労働省はSRLに問い合わせすら行っていません。エイズサーベイランス委員会が把握していたのは、実際の感染者の1/10以下でした。その数字をもとに判断して対策が遅れ、先進国で唯一日本だけがHIVが感染拡大するという情けない事態を招いたのです。専門家会議は32年前の大失敗に学んでいません。検査数を制限することでパンディミックを後押ししてしまったとわたしは見ています
HIVのときはネット環境も今とは違うし、現職だったから声もあげにくかった。いまは外側から知りうることを発言できます。新型コロナは経済にも甚大な影響を及ぼしつつある。1929年の世界大恐慌を上回る景気後退が進行しているかもしれないのです。感染症専門医という小さな村の中の議論だけではとっくに対処できない現実があります。

いろんな方の意見があっていい、読んだ方の判断にゆだねます。
この問題に関しては独断と偏見は避けたいのですよ。現場の医師の発言でも、ダメなものはダメ、事実誤認があれば指摘します。国民の健康と安全、そして経済がだいじですから。


by ebisu (2020-05-05 22:55) 

---------------------------------------

 2月下旬だったかな、感染症研究所OBの根路銘国昭という方への取材記事を読んだ記憶があります。「3月にも新型コロナのパンディミックが続いているなんてことを主張する人がいるが、ばかげた話だ。消えてなくなっている」と断言しておられた。新型であるにもかかわらず、内容を検討もせずに季節性インフルエンザと同じだと思っていたのでしょう。軽率な発言でした。この方、国際的にも著名な感染症学者だそうです。どんな専門家も、専門家だからこその間違いがでることがあるのです。それが小さなものなら無視していいが、被害を拡大させるような誤謬は見過ごせないのです。2/14のインタビュー記事です。わからないものを分からないとは専門家ほど言いにくいのではないでしょうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/根路銘国昭


**「コロナウイルス感染拡大は「3月までに終結」と大御所が断言する理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70375?media=bb

根路銘 テレビで4月、5月にさらに感染が広がるおそれがあると発言している人がいて唖然としました。コロナウイルスは気温が上がると生きていけないんです。もともと冬の寒い季節に活発になる風邪のウイルスなので、2月末から3月に入れば自然に終息すると私は見ています。


にほんブログ村
--------------------------------------------------


nice!(1)  コメント(0)