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#4696 小1のとき吃音があった:母が音読につきあってくれた Jan. 19, 2022 [65.b 成績下位層にかかわる問題]

 ハンドルネーム「つるはせんねん」とのお約束でしたので、吃音について私の経験を書きます。

 小1のときに、国語の時間に教科書を数行読まされました。緊張すると吃音(きつおん=どもり)が出ることがありました。2週間程度だったと思うのですが、母親が音読につきあってくれました。とっても楽しかったので吃音はすぐに治りました。それ以降は学校で本を音読するときに吃音はなくなりました。不思議ですね。

 小4になると、母が「北海道新聞のコラム「卓上四季」を読んだらいい」と薦めるので、読み始めました。最初の内は国語辞書を引きながらでしたね、最初の内は意味の解らない言葉がたくさんありました。当時の北海道新聞はルビがふってありましたから、国語辞典だけで用が足りました。3か月も読んだら、辞書を引く回数が減りました。読んで理解できる語彙数が急激に増えたんです。「卓上四季」だけでは退屈で、社説も読み始めたのですが、当時も今も政治経済に関する社説が多いので、社説の延長で1面と2面を読むようになりました。そして5年生に。だから、普通の小学生とは知っている語彙数が格段に差がついたのです。普通の大学生並みの語彙力を小6のときにはもっていたと思います。中3のときに全国学力テストがありましたが、そのときに社会科で学年トップ(550人中)だったのは、新聞の政治経済欄を読んでいたからです。学校では習っていないことが出題されていましたが、全部新聞の政治経済欄に記載されていたことばかりでした。場所が出てくれば地図帳で確認もしていました。現在の北海道新聞はルビがふっていないので、小学生には読みづらいものになっています。そう中学生が同じ勉強の仕方をすれば、いまでも学力テストの点数は95-100点とれるでしょうね。肝心な点は、学力テストの点数が欲しくて勉強したのではないことです。好奇心で新聞の社説と政治経済欄を読み続けたということ。
 社説や卓上四季は総ルビでもいいのではないでしょうか?小中学生に「新聞を読もう」なんて言いながら、ルビを振らないのはヘンです。読ませたくないのかと思ってしまいます。新聞が売れないのは新聞社の編集責任者や経営者が売れないような紙面づくりをやっているからです。ルビを触るだけで、対象読者層が拡大します。その上で、新聞を学習に利用してもらいたいと言ってください。

 吃音の出る子どもさんには母親が一緒に音読してあげてください。きれいに読めると楽しいのです。たくさん読むうちに、「先読み」の技が身についてきます。先読みとは、いま声に出している部分よりも先の部分を黙読して、単語や意味の区切りや文脈を判断しながら読み取り、声に出すときにそれをフィードバックするものです。だから、改行があってもよどみなくすらすら読めるようになります。高速音読が可能になり、意味や文脈の理解が格段にアップします。
 標準速度の2倍で読め、2倍で書くことができて、2倍の計算速度があれば、勉強時間は半分ですみます。実際には、高速になるのと集中力がアップしているので、もっと大きな差がついていますよ。トレーニングしないで、「読み書きソロバン」の速度が標準の半分だったら、成績下位30%に入って、なかなか抜け出せません。

 小学校のうちに育てたいのは、「読み・書き・ソロバン(計算)」という基礎的なスキルです。音読が一番重要ですよ。「書き」のトレーニングについては、友人の「アオ」が自分の子どもにやった方法がすばらしい。それはまた別に紹介します。
(「アオ」は三人とも光洋中学校から釧路湖陵に進学させ、二人は東京学芸大学へ、一人は東京理科大へ進学させてます。小学生低学年での彼の子どもへの家庭学習習慣の躾がすばらしい。)

 小学生のうちに育みたいのは、学習習慣です。「各学年×10分+20分」くらいがいい。勉強は本来は新しい知識や技術の習得ですから、達成感があり楽しいものです。学習と遊びは「楽しい」という共通部分があります。
 勉強は楽しいものだという体験を、毎日の家庭学習の中で育んだら、中学生になったら、なんにも言わなくても面白くて、楽しくて、勝手に勉強するようになります。
 中学生になって予習方式で家庭学習する生徒の大半は、成績上位20%に入っているように見えます。

(小学生のお子さんのいる方は、勉強のさせかた、家庭学習の躾(しつけ)方など教育に関して悩み事があれば、相談に乗ります。土曜日の3時半からが都合がよい、30分~60分程度を考えています。1対1ではやりませんので、お二人以上でお誘いあわせの上来てください。事前に連絡をいただけるとありがたい。ボランティア活動ですから塾への勧誘はいたしません。中高生の塾ですから、小学生は原則、教育相談のみにしています。)

<余談-1:読書との出遭い>
 新聞は4年のときに読み始めましたが、単行本の分厚いものをはじめて読んだのは、小6のときだったと思います。新卒で4年生の担任となった鶴木俊介先生(故人)に何か悪さをしたので「職員室までおいで」と呼ばれました。叱られると覚悟して行ったのですが、先生はシェークスピアの『リア王』を手渡しして、「読んでみたらいい」と貸してくれました。世界児童文学全集の中の一冊だったかもしれません。夢中で読みました。それ以来、文学作品も読むようになったのです。いまでも、感謝しています。
 光洋中学校の図書室に会ったSFものはあらかた読んでしまいました。『海底2万里』が一番面白かった。学級文庫にも文庫本のSF小説が何冊かありました。
 高校になると、哲学や経済学へ興味が移り、専門書を読むようになっていました。公認会計士2次試験の勉強も始めたので、受験参考書の近代経済学の本とマルクス『資本論』を読むようになりました。異なる学説を比較して読むスタイルはこのころからです。スタートは、小学1年生の時に母親がつきあってくれた音読でした。
 書くトレーニングはこのころ(高校2年)始まりました。公認会計士2次試験の答案練習で文章力を培いました。400-800字くらいでコンパクトに文章をまとめるスキルが身につきました。

<余談-2:緊張のコントロールは呼吸で>
 吃音は緊張することが引き金になったのでしょうね。自信がつけば緊張しなくなります。だから音読トレーニングが有効だったのだろうと思います。
 緊張は簡単に解除できます。お腹から息を吐き切ればいいだけです。吸気は自然の起こります、息を吐き切ったらもう吸うしかありません(笑)
 勝手に息が入ってくるので、もう1回お腹から絞り出すように吐き切ります。これで完了です。
 嘘だと思った人はやってみてください、本当だとわかります。ヨガや座禅でも歩行禅でも似たような呼吸をします。
 わたしは、人と議論するときに、大事な場面では呼吸をコントロールします。慣れたら一息でできます。相手の息の状態もよく見えるようになります。

<余談-3:読み・書き・ソロバンの速度の差>
 音読は早い人と遅い人では2倍以上の差があります。書く方は中1の生徒7人ほどで試した結果、2:5くらいです。計算速度実測で1:30でした。これが一番差が大きい。遅い人が5問題やるのに、最速の生徒は150題やってしまいます。この最速の生徒は、高校では塾へ来てませんでしたが、小樽商科大学へ合格しています。一番遅い生徒は標準速度の1/4以下でした。だから、同じ問題量をこなすのに何倍も勉強しなければなりません。毎日塾へ来て、勉強時間は3倍くらいいやってました。彼も道内の私大へ進学したと聞いています。
 珠算が3段以上なら、計算速度は標準の10倍以上あるでしょう。数Ⅱの定積分計算がとっても速くできます。
 

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