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#4702 根室高校から偏差値65の大学へ現役合格する勉強の仕方(1) Jan. 25, 2022 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

<最終更新情報> 1/27午前10時51分

 ハンドルネーム「通りすがり」さんのサジェッション「今の根室の教育環境を考えれば札幌の進学校へ放り込んだ方がよいように思えます」という一言は、いい問題提起でした。
 具体例として理科大の過去問の解説サイトを紹介してくれています。この手の「難問」は国語力がないと解けないので、偏差値45の高校の生徒には対応不可能だろうということ。普通の生徒にはその通りだと思いますが、田舎の偏差値45の高校には学年に数人の割合で学力の高い生徒がいます。育て方を間違わなければ、指摘のあった問題は「難問」ではなくなります。都会の進学校育ちの生徒はこういう読解力を要する問題が苦手になっているのではないでしょうか。
 どうやら田舎の偏差値の低い高校から難関大学を目指すのはデメリットばかりではなさそうです。メリットもある、ではそのメリットは何か、そういうとっても大事なことを含んでいるので本テーマは2回に分割して取り上げます。今回は、投稿欄での対話の再現です。
(引用の内、青字部分は付け足しました)
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 偏差値65以上というと国公立なら旧帝、私立は早慶、あとは医学部といったところでしょうか?
 正直、今の根室の教育環境を考えれば札幌の進学校へ放り込んだ方が良いように思えます。「鉄は熱いうちに打て」と言いますし。
 …というより、今の根室高校の環境は上位の大学(偏差値65以上の大学に限らず中堅国公立や上理・Marchなども)へ進学ということを考えたときにいい環境だとは思えないわけで。今の根室は学力が最下位、根室高校も1校体制になって入試が選抜としての機能を果たさなくなって久しい状況ですから。小中学校の惨状が根室高校に引き継がれている状況が容易に想像できるわけで、上位の大学への進学を目指すなら根室高校は選択肢にすら入らない…と思います。
 例として数学の入試問題(https://youtu.be/zW7XmXkbvFE)を上げますが、こういう問題を上位の大学を受けるとなったら解いていく必要があるわけです。数学の問題ですけど、かなり国語力が無いと途中でこんがらがってしまうでしょう。
by 通りすがり (2022-01-23 22:39)
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その通りです。
偏差値65以上の大学へ進学するには偏差値45の根室高校が選択肢に入らぬことはあたりまえです。
東京都立高校で偏差値45の学校から、偏差値65の大学なんて選択肢はないというよりも、偏差値が高い高校がいくらでもあるので、わざわざ偏差値45の高校を選ぶ必要がないだけでしょう。

道内では札幌南が圧倒的な進学実績を誇っていますが、学区外からは5%規制があって、札幌以外の地域からはわずか15名しか合格できないという事情があります。道教委はこんなバカげた規制はやめてもらいたい。

札幌南高校には寮がありませんから、ジジババが札幌に住んでいないと無理。

私学の進学校へ行ける生徒はわずかです。経済的な問題があります。大学進学と同じくらいお金がかかります。

だから、学力が高くても根室高校に通学せざるを得ない生徒が少数います。偏差値65を基準としたら、学年に3-5名です。でも、高校に入学してから受験勉強を始めるようでは手遅れです。

学力上位3%の生徒なら、お示しのサイトで解説されている程度の国語力を要する数学の問題なら、なんとかこなせる範囲です。
昨年、旭川医大へ現役合格した生徒は、小論文300点満点で295点の最高点を取っています。偏差値70超の高校の生徒よりも読解力や小論作成能力が高い。だから、数学も難易度の高い問題集でもほとんどの問題を独力で消化できます。
要は育て方だと思いますよ。
難易度の高い本を採り上げて、小学5年生から音読トレーニングすれば、高度な読解力は育てられます。実証できたと思います。採り上げた本は17冊、6年間かけました。並行して難易度の高い数学の問題集を消化していけばいいだけ。コンパクトな例題解説を読んで、すぐに受験レベルの演習問題を消化していくので、考えることになれています。7年間そういうスタイルで勉強してきたのですから。

根室高校だけの努力で、偏差値65超の難関大学へ現役合格が無理だということは事実です。高校へ入学する前にすでに勝負がついています。
根室高校の授業のレベルは、お察しの通り偏差値45にふさわしいものになっています。高校統合後はさらにレベル低下をきたしています。
数学の先生がお一人、2年生から受験問題を取り上げネットで解説をしてくれています。それすら共通テストレベルですから、偏差値65の大学へは無理でしょう。

とっても残念ですが、おおむね、あなたがおっしゃる通りです。まいったね。(笑)

根室には偏差値の高い高校はありませんから、選びたくても選べない生徒が学年に3-5人いるということ。
この地域に住んでいる大人が手を差し伸べないと、芽を摘んでしまうことになります。そうなっています。
教育環境の地域格差が重くのしかかっています。

実績は残した、そして戦い方も弊ブログに記録してあります。長期戦略を立案して戦えば、根室高校からでも偏差値65の大学へは合格できます。
学力の高い生徒が札幌の進学校へどんどん流出したら、根室の子どもたちの学力も根室高校の授業レベルも、底なし沼にはまってしまったかのように沈んでいくでしょう。
学力の低い生徒同士では教えあいもできません。
by ebisu (2022-01-24 00:29)
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通りすがりさんが例として挙げてくれた東京理科大の入試問題は確かに題意の読解の難易度の高い問題ですが、なぜあの程度の問題が、特別に難易度が高いと感じるのでしょう?

進学校で難易度の高い問題を、先生のスマートな授業で解説を聞いて消化してきたら、そういう「読解力貧困症候群」と呼べるような症状が現れそうです。なぜかというと、題意の読解を自分がしているのではなく先生がしてくれているからです
わたしの授業は学力が特別高くない生徒たちには、題意の解説を丁寧にしますが、上位3%の学力の生徒たちにはしないのです。だから、生徒はつねに題意を自分で読み取らないといけません
だから、例に挙げてくれた程度の問題は、なんともないのです。ふだん通りに題意の読み取りをすればいいだけ

こういう問題は進学校の生徒よりも、偏差値45の根室高校の生徒の方がよくできるでしょう。ただし、上位3%の学力をもち、難易度の高い問題集で題意の把握を一つ一つ積み重ねてきた生徒に限定されます。
数ⅡBまでは『シリウス』を使ってきました。『青チャート』よりも難易度が高く、演習問題数は10倍ほどもあるでしょう。一つも飛ばさず、全問やらせてます。
 旭川医大へ根室高校から現役合格したO君は教科書すら見ませんでした。『シリウス』のコンパクトな「例題解説」だけで理解してしまいます。読み終わるとすぐに演習問題やっていました。答えを出すまで解答や解説は見ません。普通の勉強のできるくらいの生徒ではこんな勉強の仕方はできません。ずっとそういうやり方で勉強してきたので慣れちゃってました。あるときこんなことを言ったのです。
「先生、教科書には僕が知りたいことが載っていません、シリウスには載っているんです。」
 例題のすぐ後に大学入試レベルの問題が載っているのですが、教科書の説明ではこういうレベルの問題が解けません。だから、中学1年生から教科書はほとんど開いていませんでしたね。折跡もついてません、まっさら。授業中も教科書ナシ、『シリウス数学』を広げて問題演習時間に充ててました。普通の先生には扱いにくい生徒だったでしょうが、わたしには素直で扱いやすいメンコイ生徒。(笑)
 札幌光星高校ステラコース受験生が8月から来ていますが、『シリウス数学』を同じ方式でやってもらっています。この生徒K君はO君とは性格が違うので、授業中は先生の説明を聞いています。たぶんあくびをかみ殺してね。(笑) 定期テストは4回とも100点、学力テスト4回の数学の平均点は96点。
ニムオロ塾へ来た7月下旬から、それまでの「教えてもらう勉強スタイル」だったのを、「自分で題意を読み取り、考える学習スタイル」へ切り替え中です。受験勉強のエキスパートにしてしまったのでは、大学に入ってから伸びません。物理学の研究者になりたいようなので、学習スタイルを切り替えると同時に、大学院入試に向けて高校で何を使ってどのように勉強すればいいのかも教えています。高校物理は米国の標準的な高校教科書を並行して読み、専門用語に慣れておいたらいいのです。HP社のプログラマブル・キャリュキュレータも使ってみたらいい。価格が5000円ほど上がって15412円になっています。日本語マニュアルもいいけど、英文マニュアルならなおいいかも。HP社の英文マニュアルは平明でわかりやすい。わたしは仕事で必要だったので、1978年からHP67(11万円:当時)、HP97(22万円:当時)、HP41cx、HP35sと使い続けています。もちろん英文マニュアルで。一度グラフィック機能付きのものも使ったのですが、それは数年で壊れてしまいました。41cxはいまでも使っています。HP社のこのシリーズを44年間も使っていることになりますね。41cxは1984年、SRL社へ転職したときに会社の経費で買いました。統計のアプリケーションソフトと本体で5万円ほどでした。38年間使い続けても大丈夫です。これがなければ、SRLは沖縄米軍から要請のあった出生前診断トリプルマーカ―の新規導入ができなかったでしょう。米国の学術論文に載っているデータから曲線回帰しなければプログラム仕様書が書けませんでしたね。沖縄米軍の司令官大喜びでした。法律で米軍の女性兵士が妊娠したらMoM値の検査が義務付けられていたのですが、1990年頃は国内でその検査をできるラボがありませんでした。違法状態を解消できたのですから喜んでいただけたわけです。米軍はは霧していて、協力のお礼だといって青森県三沢基地の米軍の臨床検査の外注先をSRLに変更してくれました。沖縄米軍の司令官は地位が高いようです。
 慶応大学病院のドクターとのトリプルマーカ―日本人基準値共同研究の際の多変量解析は、わたしの手に余るので研究部のF川さん、応用生物統計の専門家にお願いしました。彼は2つくらい歳下だったかな。必要な検査試薬はメーカー2社に話して、「学術研究目的」なので無償提供をしてもらいました。わたしが購買部長になってまた価格交渉を担当するかもしれないので、応じてくれました。6000人の妊婦のデータをそれぞれ3項目ずつ取ったので
、検査原価だけでも1億円を超えてます。こういう協力は、国内ナンバーワンの検査センターの社会的な責任だと理解していました。わたしは稟議書を1枚書いて、製薬メーカー2社へ話をつけて、慶応大学病院へ挨拶に一度行き、それ以降の手順の説明をしただけ。数か月間は学術開発本部のわたしあてに検体を送ってもらいましたが、その後はラボの担当部門に話して、直接受けてもらうようにしてます。数年がかりの研究になりました。そのときにできた日本人の基準値は20年間ほど使われました。白人よりも黒人が2割ほど基準値が高かった。日本人はその間に位置していると予想していましたが、外れでした。3割高かったのです。これは人類学的に見て、日本人のルーツは白人や黒人とは系統に違いがある証拠の一つかもしれませんね。こういうことにでくわすので、仕事って面白いのです。

個別指導ですが、1時間考えて解けなくても生徒は質問しません。夜もう一度考えてから寝てもらい、翌朝もう一度問題を見てもらうことにしていました
シリウス数Ⅱの問題で、ひとつだけ解答集のミスを見つけてくれたことがあります。そんなはずはとGRAPESで元の関数のグラフを描いて確かめたら、2次関数へ置き換えたときに条件に制約があり、解答にミスが見つかりました。
独力で解いてしまうのでほとんど質問がないのです。
どうやら本欄で採り上げたほうがよさそうです。

解けなければすぐに解答集の解説を見て、解き方を覚えるような勉強スタイルを中学生の時につけてしまったら、アウトです。難関大学の2次試験問題で大きな差がついてしまいます。
いい例を挙げてくれました。田舎の偏差値の低い高校で勉強しても、やり方次第で、都会の進学校の生徒に勝てる方程式がはっきりしてきました。7年かけて旭川医大へ昨年現役合格した生徒で実証済みでした。
by ebisu (2022-01-25 08:30)  

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 英語も特別メニューで指導してきましたが、やり方は弊ブログに残してあります。最後にやったのは、読解はハラリ『Sapiens』を50頁、そしてメール配信の英作文でした。ちょうど2年たちましたが、1万題の問題と解説が残りました。A4判で1300頁になっています。1月から、毎日の配信はやめて、週2回にしています。1回につき、平均して15題の「問題」と前回分の「解答&解説」になっています。月換算120題、年間1440題ですから、十分な量です。やってきて、質問のある生徒にはさらに詳しい解説をしています。1月から入塾した中3の生徒が食いつきがいいので、化けるかな?(笑)
 中3や高校生になると、もう本人次第です。やるかやらぬかは、本人が決めたらいい。本気でやる生徒はどこまで伸びるか予想がつきません。そういう生徒たちを何人も見てきています。だから、塾稼業は楽しく面白い。



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