SSブログ

#4554 根室高校旭川医大現役合格者入試成績は2位 June 2, 2021 [65.a-1 旭川医大現役合格者の軌跡]

<最終更新:6/4朝8時半 末尾に7年間の音読指導の中身を追記>

 2月に根室高校から国立旭川医大へ現役合格者が出たが、入試成績は2位だった。トップは過年度生だから、現役生ではトップ合格したということ。

 本人へ送付された「医学科学校推薦型選抜(道北・道東選抜)試験成績」票によれば、合格者10名中2位。トップレベルの成績での合格である。

 道北道東推薦枠での入試に26名が応募、半数が問答無用で共通テストの成績で足切りされ、残り13名が課題論文試験と面接試験を受けた。それぞれ配点は300点。この生徒は課題論文が300点満点中295点。個人面接が200点だった。総合点の得点率は80.1%。
 個人面接のテーマはリモート医療だったよし、聞いてもらいたいところが話題に出なかった様子。(笑)見事に予想が外れたのにこの成績は立派です。
 小論文の作成能力の高さが窮地を救ったようです。この生徒は根室高校からの依頼でコラム用の「合格体験記」を書いてemailで提出済みですが、それが秀逸です。生徒に配るはずだったのに、まだ配布されてないようです。後輩たちの勉強の仕方や受験戦略の役に立つのに、何をためらっているのだろう?現3年生に医学部進学予定の生徒が一人いる。指導上も大変参考になるはず。(2022年4月に根室高校ホームページにアップされました)
(一部上場企業で購入協議書を1000枚以上審査した経験のあるわたしが、「秀逸」というくらいのできです。自分が起案した仕事の文書類は千を超えてます。パソコンで作成した文書は、連番が付してあり、プリントアウトして紙のファイルに保存してあります。)
 課題論文で満点に近い点数がとれたのは、音読トレーニングでレベルを上げながら、17冊の本を読んだことが利いている。良質のインプットがなければ、論理明快な文章は書けるものではない。ちゃんと消化できているということがアウトプットの成果からわかる。コラム用の「合格体験記」の方は小寺流「四項目箇条書法」でしっかり構成されていた。課題論文でも同水準のものが書けたはず。小論文を書くには実に有効なやり方です。課題論文については稿を変えて思うところを述べます。
(実際の音読リストは末尾に貼り付けておきますので、参考にしてください。)

 根室高校普通科は偏差値45の道内の普通のレベルよりもだいぶ下の高校である。偏差値45というのは100校中、下位1/3だから、おおよそ66位。
 そんな高校からでも、7年間長期戦略を立ててちゃんと勉強すれば、トップレベルで国立大学医学部現役へ合格する道があることが実証してくれた。物理や化学は2か月ほど担当の先生が数人の生徒を対象に放課後授業を組んでくれたことも明記しておかねばならない。私塾と高校の先生がタッグを組めば、毎年こういう生徒が出現する。高校へ入学してからではもう遅い、長期の教育戦略が不可欠なのだ。長期受験戦略と書かないところがミソ、そんなところにターゲットを置いて指導はしません。もっともっと先を見ています。音読リストにもそれが如実に現れています。

 地域医療の未来はその地域に住む者たちがデザインできるし、デザインを実現もできる。あきらめてはいけない、なせばなるのだ。見事にやりおおせてくれた生徒に乾杯!
 
 国立旭川医大医学部の学費がどれくらいかかるのか参考までに書いておく。 

①入学料 28.2万円
②授業料 53.6万円/年 6年間で321.5万円
③学友会費 10.4万円(6年間分)
④教科書代 20万円/年 6年間で120万円
⑤学生会費 2.1万円(6年間分)
 合計  482.2万円

 卒業するまで6年間ありますが、文科系の私大(4年間)の授業料並の学費です。知らない人が多いでしょうね、もちろんわたしも知りませんでした。(笑)
 医学部と言えば学費がとてつもなく高いので経済的に無理だと判断している保護者や生徒が多い。国立大医学部は経済的なハードルが低いのです。だから、医学部進学に特別な経済的なハードルはないのです、文系私大と学費に差がない。あるのは学力だけですよ、根室の子どもたち、考え直して、選択肢に入れてみませんか?


<余談>
 この生徒とは小5の1月からだから7年余の付き合い。地域医療問題については中学生のころから授業の合間に議論してました。開業医の息子ですから、家庭でもそういう議論はしていたでしょう。一緒に生活してるから、見聞きしていることが大きい。

 SRLへ入社3年目に「臨床診断支援システム開発と事業化案」を書いて、200億円の概算予算でフィジビリティスタディを創業社長の藤田さんに認めてもらいました。経営会議の正式決定です。血液疾患の診断プロところが複雑で専門医を育成するのがたいへんだと東京医大の藤巻先生からお聞きして、先生の診断プロトコルをエキスパートシステムへ移すつもりでした。そのためには臨床検査項目コードの標準化やカルテの標準化が必要で、10個のプロジェクトのパートチャートを描き、仕事を分割しました。
 臨床検査項目コードは臨床検査大手6社と臨床病理学会臨床検査項目コード検討委員会の数年にわたる共同作業で、日本標準ができてもう25年ほどになります。標準臨床検査項目コードをもっている国はいまだに日本だけ。重要なインフラですから、この分野では日本はいまだに世界の最先端にあるといえます。他の国で臨床診断システムを開発しようとしても、標準臨床検査項目コードのないことがネックになります。保険点数の改定が2年ごとになされていますが、改定された保険点数はSRLの事務局から臨床検査項目コードとセットになって配信されています。全国の病院やクリニックのパッケージシステムがこのデータをとりこんで動いています。30年前には保険点数が改定される都度、全国の病院で手作業による入力がなされていました。
 NTTデータ通信事業本部と2度ほど打合せしましたが、通信速度やコンピュータの性能が要求仕様を満たすのは30年後とそのときは判断しました。まさか、15年で要求水準が満たせるほどコンピュータの処理速度や通信速度が大きくなるとは思いもしませんでした。半年ほどフィジビリティスタディしてあきらめました。構想が10年以上早すぎました。日本の医療が世界の最先端へ踊りだす大きなチャンスでした。
 血液疾患でエキスパートシステムができたら、患者の多い生活習慣病を取り込むつもりでした。全国の大学病院と、疾患別の専門病院のネットワークができれば、例えば根室のような地方の医療機関もそこへ接続すれば、ベテランの診断プロトコルを手軽に利用できるし、誤診が劇的に減らせます。なにより、臨床研修医としてへき地医療を担当しても、このシステムはベテランの診断手順があるので、そのまま専門医育成の教育支援ツールとして利用できるのです。
 たとえば、病理診断分野です。大学病院の病理医が年間に診断する検体は数が知れています。民間検査センターでは大学病院の数百倍ものデータがあります。グレーゾーンの病理サンプルもAIのディープラーニングによって学習させれば、診断制度を飛躍的にあげられます。人間の眼では識別できないほど微細な差異がコンピュータ上では鮮明に区別できます。確定診断のついている病理画像を大量に読み込んでディープラーニングすればいい。
 SRLには世界最大の染色体画像解析データがあります。あれをDeep Learningしたら、面白いことが山ほどわかる。学術論文の宝の山。福島第一原発事故の「不都合な真実」もデータが炙(あぶ)り出します。

 根室の地域医療だけでなく、全国の地域医療に貢献するような広い視野を持ち続けて勉強に励んでほしいと思います。それが、あなたとわたしが根室という古里を通して出遭った意味だと思うのです。
 

#4483 根室高校から旭川医科大学現役合格:おめでとう Feb. 10, 2021


<参考>
------------------------------------------------
<6. 日本語音読トレーニング:国語力が学力の基礎>
 最後に、日本語音読トレーニングで5年間に読破した本のリストを挙げておく。件(くだん)の生徒は高1で日本語音読トレーニングは終了している。17冊、レベルを上げながら、たっぷりやった。
 生徒と交代で輪読するし、速度を変えて読むので、スキルス胃癌を患い胃と胆嚢を全摘出したわたしには、体力への負荷が大きい。だから、この2年間は本気でやろうという生徒にだけ対応している。休みの水曜日に日本語音読トレーニングを充てていた。昨年は1時間でへとへと。寄る年波には勝てません、年々体力が落ちてます。でも、まだがんばれます。(笑)


〈日本語音読リスト〉…
*#3726 
日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18-1

---------------------------------------
<7. 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石

○『羅生門』芥川龍之介
○『走れメロス』太宰治
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
 『五重塔』幸田露伴
 『山月記』中島敦
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦(数学者)

◎『福翁自伝』福沢諭吉
◎『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』山本義隆(物理学者)

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生でも語彙力上級者レベルにふさわしいテクストである。平均的な語彙力の大学生には手が届かぬ。
 音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが、2年前から希望者のみに限定している。本気でやる気にならないと効果が小さいので、お互いに時間の無駄。)

・・・
---------------------------------------

 件(くだん)の生徒が音読指導で読んだ本のリストです。本の中身についても問題に気がつく都度、議論を重ねてきました。大学の良質のゼミ並みの内容をもってました。北大ではこういうレベルの学部のゼミはおそらくないでしょうね。
 わたしは学部では哲学の市倉宏祐先生のゼミに、大学院では3人で西洋経済史の増田四郎先生(元一橋大学学長)の授業を受ける機会に恵まれました。どちらもその分野では当時日本でナンバーワンの先生です。
 この生徒はやっているうちに慣れてきて、高校生になってからはそういう大学の学部ではトップレベルのゼミでやるような議論ができた特別な生徒です。
 だから、ご褒美に最後の本は西田幾多郎『善の精神』にしようかと考えていました。医学部に進学したら、哲学書なんてカタい本は読む機会がないだろうと思ったからです。でもやめました。興味がそっちへそれたら、思索にふけることになるのでとても時間を食います。好奇心が強いから危ない。(笑)
 それで、山本義隆『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』を取り上げました。π中間子理論で日本人初のノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹がもっともノーベル賞に近いと評した優秀な学生でした。この本は語彙が難解な本です。全共闘議長に担がれた彼は、東大へ残れませんでしたね。時代の流れです。岩波新書のこの本を1冊読むだけで、知の巨人、本を書く職人としての彼の力量がはっきりと読み取れます。若い時に本物の知識人とまみえることは大事なことです。だからこの本を選びました。とてもカタい、めちゃカタい。(笑)



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。