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#4698 オミクロン株にワクチンの効果はあるのか? Jan. 20, 2022 [35.1 COVID-19]

 英国の研究機関がオミクロン変異株にたいして現在のワクチンの効果データを公表している。
 ワクチン接種者は未接種者よりも有意に死亡率が上がっている。ワクチンを接種すると死亡リスクが増大する、なぜこんなことが起きるのだろう?そのメカニズムは英国の研究機関もまだ明らかにしていない。
 英国のワクチン接種率は76%である。

2022-01-20s.jpg

 左の棒グラフから、
 ① 感染者 (42%:58%)
 ② 重傷者 (38%:62%)
 ③ 死亡者 (20%:80%)

 カッコ内の二つの数字は左側が、ワクチン未接種者、右側がワクチン接種者の割合である。
 ①を見ると、感染者の中でワクチン未接種者の占める割合が42%で、ワクチン接種者は感染者の58%を占めていると読めばいい。英国のワクチン接種者は76%だから、ワクチン効果がゼロだとしたらワクチン未接種者は24%であるはずだが、42%いるのだから、ワクチン未接種者は1.75倍の感染リスクがあり、ワクチンの効果は感染に対してはあると言える。
 ②は重傷者をワクチン未接種者とワクチン接種済みの人に分けたものである。これもワクチンの効果がゼロなら、(24%:76%)となるはずだが、未接種者の方が8%多いから、その程度は重症化を防ぐ効果があると言える、ワクチン未接種は1.6倍のリスクありということになる。
 ③の死亡者数データは、はワクチン効果がゼロだと仮定すると(24%:76%)だが、未接種者は20%だから、ワクチン接種をした人は死亡率が高くなるとデータが語っている。ワクチン未接種だと死亡リスクは0.8倍であり、ワクチン接種者は死亡リスクが1.05倍ということになるのだろう。死にたくない人はワクチンを打たぬ方がよいということだろうか。いずれにせよ、大した差ではない。だとしたら、ワクチンを打つことに意味はあるのか?

 このデータは「厚生労働省に聞いたら…ワクチン接種者の方が死亡しているデータが、英国で出ているのですが」という動画サイトにあったものである。厚生労働省は都合の悪いデータは公表しないと主張している。

 実際に厚生労働省へ電話で問い合わせているシーンを動画に撮っている。相手は厚生労働省の職員ではなく、問い合わせに答える専門知識のある作業を請け負った外部機関の人である。
 データは見たので、今度は理屈からワクチン接種の効果の有無を追いかけてみる。電話でのやり取りには、いくつか気になる論点があったので、二つにまとめてみた。
① 免疫には体液性免疫と細胞性免疫があり、ワクチンは体液性免疫でB細胞が抗体を産生することでウィルスが細胞に侵入するのを防ぐのだが、武漢株用にデザインされた現在のワクチンはオミクロン株にはほとんど効かないとその担当者が答えている。デルタ株はスパイク蛋白の変異が5か所だったがオミクロン株は30箇所に変異が生じているので、もはや効かないと答えていた。
②オミクロン株の変異が大きくて体液性免疫が働かないが、細胞性免疫が作用して重症化を防ぐと言っていた。細胞性免疫はワクチンには関係がない。キラーT細胞とヘルパーT細胞がウィルスが侵入した細胞を破壊することで重症化を防ぐ。電話に出た担当者は、ワクチンが産み出す抗体がオミクロン株に感染予防効果も重症化予防効果もないことを認めた上で、細胞性免疫が重症化を防ぐと言明している。なんと、理屈の上ではワクチンに効果がないので、話を細胞性免疫にすり替えているのである。

 つまり、理屈の上からはワクチン接種はオミクロン株には感染予防にも重症化予防にも効果がないということ。それどころか、英国の研究機関のデータが示すのは、ワクチン接種者は有意に死亡率が高くなるということだ。

 1/20の北海道新聞根室版によれば、根室市は小学生(1-5年生)の保護者に808人にアンケートを取り、集計している。ワクチン接種を望む保護者が4割を超えている。ワクチン接種を「希望している」のは42%で342人、「希望しない」が7%で55人、残りの51%は態度保留だろうか、記載がない。
 マスコミはワクチン接種に都合の悪いデータを報道しない、厚生労働省も同じだ。根室の小学生の保護者で、この英国の研究機関のデータを知っている人はゼロだろう。ワクチンの効果を疑問視するデータも見ないで、判断している人がほとんどである。死亡率データはワクチン接種者のほうが多いのである。なぜそうなるのか、専門家会議はちゃんとデータを見て、理由の究明をすべきだろう。
 ワクチンありきで、総理大臣も厚生労働省も専門家会議も、なぜか突っ走る。
 

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#4697 大谷真一先生ありがとうございました:市立根室病院眼科医 Jan. 20, 2022 [29. 道東の地域医療を考える]

 今朝の最低気温を見ると-4.4度、二十四節気で最終節で「大寒」、最も寒い時期とされています。それで数日前に載ったいささか寒い感じのした記事を思い出しました。前からそろそろと思っていましたが、そういう時期が来てしまったようです。

 旭川医大から元学長の好意で根室へ常勤医として赴任されていた市立根室病院の眼科部長大谷真一先生が2月1日の診療で退職されると1月15日の北海道新聞が報じていました。大谷先生は2015年6月に来られて、6年半精力的に診療と手術をこなしてこられました。白内障の手術だけでも毎週水曜日平均して5人くらいやってこられたようです。
 わたしも大谷先生がなされた白内障患者手術1500人のうちの一人です。6年間の先生の仕事の大きさを感じずにはいられません。老人人口が8000人ほどいますから、白内障患者や緑内障患者が多いのです。眼科はいつも混雑しています。
 白内障手術をしていただいて、わかったのですが、手術は4人のチームでなされますが、息がピタッとあっていました。点滴での麻酔だけですから全部聞こえます。手術が始まると水晶体が破壊されて吸引されると何も見えなくなり、終わると同時にプラスチックレンズを通して光が眼に入り、周囲がが見えます。あれは感激と驚きでした。
 手術機器もツァイス社製の最高性能のものでした。光学系はツァイスが最高です。ソニーのカメラがツァイスのレンズを使用しています。

(最大手の検査センターSRL八王子ラボで機器の購入を担当していた時(1987-89)に、ウィルス検査室の蛍光顕微鏡の半分以上くらいがニコンやオリンパス製だったのですが、それらを全部ツァイス社製のものに買い替たことがありました。入社してすぐに、東証2部上場審査要件で、暗礁に乗り上げていた経営情報系システムを8か月で稼働させ全社の予算編成を担当して、検査試薬の値引き交渉を提案し、製薬メーカーと直接交渉して毎年16億円ほどコストカットを3年間やったので、わたしは当時平社員でも権限が大きかったのです。経理担当役員Iさん(ガンちゃん)と専務のY口さんがたしの提案にはノーは言いません。オリンパスの2倍近い、ニコンの1.5倍の値段でしたが、性能がいい。世界最高性能のものを使わないと、最高品質の検査はできないし、なにより検査をしている人たちに最高のものを使っていい仕事をしてもらいたかった、単純な理由です。「え、全部ツァイスの蛍光顕微鏡にしてくれるのですか」とウィルス検査課の課長の驚いた顔が眼に浮かびます。)

 患者の側から見ると、同じドクターに診察してもらうのが安心なのです。いままでの病態を理解してくれていますから。わたしは白内障手術をしていただいたほうの眼は緑内障の前駆症状があり、年に2度経過観察中です。
 医師が変わると治療方針も変わることが多く、それで不安になる患者もいます。3年くらいの間に頻繁にドクターが変わって不安を抱いていた知り合いの患者さんの話を古里の戻って2年目くらい(2004年頃)に聞いたことがありました。そのときは自分が眼科で受診することなんかないと思っていました。ところが加齢とともに状況は変わりました、他人ごとではなかったのです。

 同級生の劇画家、神田たけしの五十周年展示会を見に行ったときだったか、大谷先生が奥様と男のお子さんと文化会館前で遊んでいるのを偶然おみかけしました。ああ、小さいお子さんがいるんだと思ったのと、先生がずいぶん背が高いので驚きました。一度、診察の合間に北海道の北部の方へ勤務が変わったら、適当な塾があるだろうかとお尋ねになりました。僻地の高校からは医大への現役進学がとっても困難であることを自身の進学で経験していたからでしょうね。やはり札幌がいい、札幌南高校がダントツに実績があります。そのようにお答えしたように思います。

 わたしの勝手な推測ですが、おそらくお子さんの教育が最優先事項だったのではないかと思います。そろそろピカピカの1年生、お子さんは札幌の小学校に通学と考えるのが合理的です。勝手なことを書いて申し訳ありません。根室の地域医療の未来を考えるときにとっても大切な論点なので、あえて言及させていただきました。

 市立根室病院では学齢期のお子さんのいるドクターはいないのでは?理由は簡単、根室は教育の僻地です、学力が低い。根室高校は偏差値45の高校です。首都圏の偏差値45の学校から国公立大学医学部の進学実績はゼロでしょうね。ありえない話なのです。根室は高校が1校ですから、生徒は玉石混交なのです。うまく育てたら、同レベルの難関大学に毎年3-5人現役合格者が出せるポテンシャルがあります。それが実現できていないだけ。たった一人ですが、7年通塾して国立旭川医大へ合格した生徒が昨年現れました。
 根室高校から、毎年国公立医大へ現役合格者が出せたら、あるいは大谷先生は市立根室病院勤務をもっと長く続けてくれたかもしれませんね。地域医療の充実を考えるときに、教育抜きでは打てる手が狭くなります。根室は地域医療を守るためにも、高学力の生徒を育てるべきです。わたしのブログには具体的な提案や、実際にやってきたことの記録が残されていますから、参考にしてもらいたい。

 ところで、大谷先生は旭川医大出身で、岡田医院の消化器内科専門医である岡田優二先生の後輩です。
 数年前に東京のメガネ屋さんで視力検査をしたとき、一度眼科を受診した方がいいと言われて、東京の住まいの近くの眼科クリニックを受診したら白内障との診断があり、手術を決めました。根室に戻って主治医の岡田先生に相談したら、腕のいい後輩が市立根室病院にいるから紹介状を書いてあげると言われて、お願いしました。分厚い紹介状を開いて開口一番、「岡田先生とどういうご関係ですか?」と問われ、「小さな塾をやっていて息子さんを教えています、それだけです」とお答えしました。
 なにかで岡田君の現役合格を知って、進学校じゃない道内の高校から現役で旭川医大へ合格するのはほとんど不可能なのだとおっしゃって、わがことのように喜んでくれました。

 次回の眼科の診察は出張医の方が担当してくれるようです。2/2から3月末までは出張医で対応と、新聞記事に載っています。異動の時期までのピンチヒッターが派遣医、4月からは常勤医のドクターが決まっているということでしょうね。眼科の患者にとってはありがたい。
 大谷真一先生、お世話になりました。


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