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#4376 物理の授業昨日(9/28)教科書全部終了:すごいね Sep. 29, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 根室高校普通科高3の物理の授業が教科書全部をやり終えたと聞いて、びっくり。最速だが、「すっ飛ばし」はしていない。
 問題演習時間もたっぷりとっていたし、板書は無駄も漏れもない、ノートはそのまま受験勉強の復習に使えるようなレベル。なぜこんなに早く終われたのか不思議だとは実際の授業を受けた生徒の弁。
 速度をあげたら、生徒のほとんどが落ちこぼれるのだが、この先生の担当クラスはそうはなっていない。


 2年時の時、数学授業は遅れに遅れて微分積分の章は手をつけられずに終了している。3年次になってからやっているが、受験には大きなハンディになってしまった。3年生のある生徒が、「インテグラルって記号最近知りました」なんて発言してます。(笑) 学校の授業速度に合わせて勉強していたらいままではこんなことになるケースがあったのです。授業の進捗管理の巧拙が進学実績に影響していることは論を待たないでしょう。ふるさとへ戻って来て塾を始めて17年がたちましたが、推薦が増えて、一般入試で合格できる生徒が減っているように感じています。推薦枠合格が何人で一般入試合格が何人かは学校のホームページを見てもわかりません。一般入試合格を別表示してもらえたら、学力低下の実態が明らかになるのでしょう。道外への大学進学がこの数年間で激減したことだけははっきりしています。
(2年生の数学の授業(ガンマクラス)は今年はとっても速い。もう指数関数に入っているから、11月には微分積分の章に突入だ。冬休み直前に教科書全部を消化し終わるだろう。共通試験レベルの問題もプリントでやっている。自力で予習できる生徒は3人未満。全部消化し終わったら、復習がまるまる2か月間できる。)


 それにしても、物理の先生、すごい、お見事。受験勉強に力が入っている生徒たちが喜んでました。


<余談:これからの授業に関するアンケート>
 これから何をやってもらいたいか、生徒の希望をアンケートで収集したという。毎回受験問題を1題やるという選択肢はありきたりだが、何もやらないという選択肢があったようだ。やりたい科目の受験勉強をやってよしということ。



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#4371 学力テスト総合A:C中学校に異変アリ Sep. 18, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 9/10実施、学力テスト総合Aの得点通知票を9/15に見た、事務処理が速い!
 五科目合計点が百点を切っている。コロナで授業開始が遅れたことも影響しているだろうが、どの程度かはわからない。百点を切れば学力は赤信号である。
 右端は「2019年平均点-2020年平均点」である。全科目マイナスとなっている。


  2019年 2020年 20-19
国語 32 29.3 -2.7
社会 25.4 21.6 -3.8
数学 16.2 14.1 -2.1
理科 24.2 13.1 -11.1
英語 19.9 17.2 -2.7
合計 117.7 95.3 -22.4


 平均点の五科目合計が22.4点下がった。95.3点という五科目平均点を始めてみている。百点を切ったのは何度か見たが、過去18年間で一番低かったのは2018年10月実施の学力テスト総合BB中学校の90点であるから、2番目かも知れない。最近は、百点を切ることがそんなに珍しくなくなったので、ああ、またかと思うだけ。あまりの低学力に感覚が麻痺してきたようだ。しかし、釧路根室管内18校のデータでみると根室の市街化地域の3校は最下位なので、愕然とする。


 200点を超えている生徒が一人(昨年の学力テスト総合Bデータを見ると3人/42)だけいる。トップの生徒だ、230点に近い得点だから、トップは例年に比べて得点に遜色がない。161-200点までの階層に3人しかいない。昨年は5人いた。学力上位層がさらに減少している。学力上位層が枯渇化現象を起こし、底辺層が肥大化しているのは高校統合の結果である。
 2005年だったか、普通科が定員オーバーしたときの合格最低点はFランク150点を超えていた。その150点を基準にすると、41人中6人のみ。根室高校普通科特設コースですら、3年次の学力テスト総合Aで五科目合計点が150点に満たない生徒が4割ほど含まれることになる。120人の普通科の生徒のうち100人ほどが旧根室西高校の生徒と同等の学力ということ。


 数学の点数分布をみると26点以上は4人/41(9.8%)である。15点以下は22人/41人(53.7%)。学力テスト総合ABCの3回で一度も30点以上を取ったことがなければ、高校普通科の標準的な数学授業を独力では理解できないだろう。
 市内全体は170人ほどだから、4倍するとおおよそ市内全体の推計ができる。だから、市内全校を併せても、高校普通科の標準的な難易度の数学の授業を独力で理解できるのは16人未満ということになる。普通科特設コースの生徒ですら半数以上が独力で数学の授業を理解できないということになるが、現実はその通りである。高校1年生が受験しているベネッセ全国模試の根室高校普通科の生徒の数学の平均点は毎年20点付近である。全国数学の平均点は32-36点、標準偏差が18点前後だから、偏差値で見ると根室高校は42付近である。全国に高校が100校あるとすれば80番である。


 何が起きるか?高校側は授業の難易度を下げるということになるし、実際にそうなっている。しばらくの間必修だった数Bが選択科目になって久しいだけでなく、統合後に数Ⅱは選択科目になってしまった。2年生の低学力の生徒用には「ベーシック数学」という科目が設定されている。中身は内容のほとんどが中学校の復習に近い。

 入学してくる生徒の学力が低ければ、高校の授業は生徒の学力に合わせて難易度が低下していく。とめどなくそういう現象があらゆる科目で起きているということ。
 
 高校卒業までに習得する英単語数は3000語であるが、学習指導要領の改訂に伴い、来年から4000~5000語に増えていく。日本という国の高校授業の難易度は高い方へ向かっている、教育と倫理が国の礎だから。
 しかし根室高校の現実は低い方向へと流れだしてとめられないし、教育行政には止めようという意識すらない。データすら見ようとしないのだから。

 根室の町の未来は子どもたちの学力にかかっている。
 根室市教委も教育長もは普段の学力テストのデータすらモニターしていない。
 根室市議会文教厚生常任委員会のメンバーは、普段実施されている学力テストデータくらいはモニターして、学力問題を議論してもらいたい。
 学力問題に一肌脱ごうという市議さんはいませんか?いましたら、ebisuまで連絡下さい。


#4096 学力テスト総合A:17校データ比較 Oct. 5, 2019 


 クリックすれば、#4096へ飛びます。せめて一覧表をご覧いただきたい。17校中、根室の柏陵中と啓雲中は最下位です。光洋中はデータがありませんが、ほぼ同じでしょう。
 根室管内では別海中央中学校がダントツに五科目合計点が高い。昨年の学力テスト総合Aは137.6点でした。過去数年間高い点数を維持しています、校長の腕次第ですよ。(笑)


<余談:学力問題への無関心が生み出すもの>
 道庁の職員は根室振興局への赴任が決まれば、子どもの教育について考えざるを得ないでしょう。民間企業の社員だってだった同じです。「子どもの教育どうするの?」と奥さんに問われたら答えに窮します。

 市立根室病院も同じです。就学期の子どもを抱えているドクターは常勤医にはいらっしゃらないのでは?市立根室病院へ赴任したら、自分の子どもを医者にすることは無理と考えるのは自然です。かくしていつまでたっても、市立根室病院の常勤医不足は教育問題がボトルネックとなって解消できません。
 もうすぐ、そういう常識を覆すことができるかもしれません、できたらうれしいですね。根室の町にも希望の光が見えるのか、期待しています。




9/29追記:中標津町立広陵中学校 124.5点(国語33.3、数学22.2、社会24.3、理科20.7、英語22.7)






 

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#4222 根室高校進路実績データ&高1英語特訓授業開始 April 14, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 根室高校の直近5年間の進路実績データをご覧ください。


  H27 H28 H29 H30 R令和元
国公立 23 14 11 7 15
道内私大 50 54 36 54 70
道外私大 41 12 8 5 22
合格者合計 114 80 55 66 107
大学進学者数 56 49 44 42 57
生徒総数 193 188 146 175 211
市内就職 46 41 29 36 32
大学進学率 29.0% 26.1% 30.1% 24.0% 27.0%

 H30年に比べるとR元年の国公立大学合格者は倍増したがH28年並みに戻っただけで、H27には及ばない。合格者合計には複数校合格者が含まれているので、「大学進学者数」が実際に大学へ進学した人数である。これをみるとH27年度とR元年の合格者数はほぼ同じになっている。
 国公立大合格者の中には北大が一人はいっているが、一浪生と聞いている。小樽商科大学が2名合格している。1名はサッカー部のI君だ。中学時代は数学がよくでき、とくに計算の速い生徒だった。道外の国公立は秋田・埼玉・静岡・弘前大の名前がある。
 北大合格者人数1の右肩に(1)とあるが過年度生が1名と読んでいいのだろうか。そう読むと、道外私大に明治大学が2名いるがこれは右肩に(2)とあるので両名共に過年度生ということか。道外私大は法政大学へ3名合格しているところが出色だ。1名は推薦枠であるから、2名は一般合格者だろう。
 大学進学率は24.0%~29.0%である。全国平均値は50%を超えているから、半分程度と言える。教育に関心の薄い地域であることと、極東の町だから大学進学者はすべて地元から出て通わなければならないという不便さが大学進学率の低さの主要な原因だろう。

<根室高校の「教育改革」紹介>
 根室高校は数学を学力別に6クラス編成にしているが、授業進度もテスト問題も今年度から別にすることになったようだ。旧根室高校並みの学力の生徒が普通科の半数を占めている。その低学力の生徒と最上位のクラスの生徒たち対象の授業進度を合わせると、たとえば2年生が最上位のクラスも微分積分の章に手が付けられないで年度を終了するという悲惨な結果を引き起こすことになった。四月のいまやり残した微分積分の授業をやっている。今月いっぱいかかる、その反省を踏まえての改革なら大歓迎。
 2年生のコミュニケーション英語は教科書の半分しか消化できなかったが、これも改善してもらいたい、楽しみにしている。

<高1対象英語特訓授業>
 明日から毎週水曜日高1の生徒たち相手に音読中心・文型解説中心の英語の特訓授業を開始する。英語が苦手な生徒が多いので、徹底的に音読を繰り返し、全文・文型解説する。4回やったら1か月休み、合計12回が特訓授業の目安。
(子音の発音は息が日本語の3倍以上強いから、マスク着用だね。換気さんも2台回しっぱなしにする。子音発音トレーニングは口の形を見せなければいけないので、音読のときだけはわたしはマスクを外す。3回ほどやれば子音の発音はマスターできるから、その後はわたしもマスク着用のまま音読や文型解説する。根室で4/29まで武漢コロナ感染者が出ないことを祈る。)
 事情を知らない生徒の一人が「先生、特訓授業は別にお金かかるんでしょう?いくらかかるんですか?」と訊くので、「昨年高2の生徒を対象に10回の英語特訓授業をやった、英語嫌いの生徒には効果の高い授業だからどうしてもお金払いたいなら受け取るよ、高級寿司店と一緒で価格は時価だ」と言って一緒に笑った。昨年は9月ころから5人の生徒対象だったが、そのうちの一人が先週ラインで配信している英作文問題9題のうち5題正解だった。これには本人もわたしもびっくりだった。「英作文できるようになった!」って大喜び。レベルは英検準1級程度の作文問題だ。彼女は進研模試英語偏差値が45くらいだった生徒、今日も長文問題をしっかりやっていた。えらい!こういうことがあるから、英語特訓授業が愉しいのである、塾長の道楽だから愉しませて。
 いま新高1の生徒たちのために文型中心英作文問題を作っている。今週末からラインで配信できる。3年生には週4回、毎回5題出題して、解説している。1月14日からはじめたので、すでに200題を超えた。あと2か月ほどで異色の英作文参考書1冊分ほどが書きあがる。読めて書けたらあとは聴き分けられたらすばらしい。リスニングは生徒たちがもっている学校の長文問題集に2次元バーコードが印字されているものがあった。最近は教科書にも二次元バーコードが印刷されたものがあるから、それを読み込んで音声を聞いて同調音読を繰り返したらいい。もちろん、市販のリスニング教材でも効果の高いものがたくさん出ているから、自分で選んで2つくらい買って両方使って、効果が高いと思うほうで徹底的にやればいい。

<来年の進路実績への不安と期待>
 学校は数学の授業進度と定期テスト範囲や問題を学力別クラスごとに別々に変更している、塾は数学は得意だが英語が苦手な生徒たちのアレルギー反応を消そうと、昨年に続き英語の特訓体制を組む。それぞれいま自分にできることをやる。
 さて、来年の進路実績はどうなるのだろう。中学3年次の学力テストでは昨年の3年生よりも平均点がだいぶん低かった学年である。高校生になってから学力が伸びた生徒が散見される。53年前に根室高校を卒業したわたしは期待してるよ。思いっきり駆け抜けたらいい。1年後には大学進学で根室から離れて暮らすことになる。将来戻ってくるのはわずか数名だろう。いいよそれで。わたしは根室高校卒業して首都圏の大学へ進学し、幸いなことに大学院で高校時代からのテーマの研究もできた。それから仕事、結局35年間東京暮らしをしてから古里へ戻ってきた。(笑)

*根室高校進路実績
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/index.php?page_id=31



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#4185 根室高校学年末テスト範囲に異常あり Feb. 21, 2020 [71.データに基づく教育論議]

<最終更新情報>
 
2/23朝8時

 2/18からはじまった根室高校の学年末テストが今日(2/21)で終了する。
 数学Ⅱのテスト範囲は三角関数、指数関数、対数関数まで、「5章 微分と積分」は試験範囲に入っていないし、まだ授業もやっていない。卒業式と高校入試が入るので、授業ができるのは実質2週間程度、もう時間がないから、さっとなぞって終わったことにするのだろう。理系大学進学者は困ったことになる
 12年ほど前には、数Ⅰを1/20までに終了して、1/21からは数Ⅱをプリント授業でやっていた。あの根室高校普通科はどこへ行ってしまったのか?数Ⅱの内容は数Ⅰに比べて盛りだくさんだから、根室高校の平均的な学力の生徒たちは前倒しでやっておかないと間に合わないという意識が、当時の先生たちにはあったのだろう。ちゃんと微分積分をやっていた。大きな流れを俯瞰すれば、そういう配慮がなされなくなり、3年前の高校統廃合の失敗も重なり、入学してくる生徒たちの学力が急激に下がってついに学年末テスト前に微分積分の章に手が付けられないという事態を招くほどひどくなってしまったということなのだろう。後述するが、体制の立て直しは可能だ。学校統廃合のときに具体的に準備しておくべきことがあったが、統廃合検討委員会の面々は市内の中学生の具体的な学力データを見ておらず、準備がなされなかっただけ。人災である。見識のない者たちが身の程を知らずに委員を引き受けると、こういう「災害」を引き起こす。データを提示して、根室高校の数学や英語や国語の先生たちと、学力格差拡大に対する対策を具体的に話し合うべきだった。わかったふりが一番いけない。

 コミュニケーション英語は第6章83頁までが学年末試験範囲だが、教科書は「10章+リーディング2個」+「listen & speaking 5個」で169頁あるので、半分しか消化してない。1年生は8章、121頁までが試験範囲になっている。151頁まであるから、1年生は80%の消化率である。
 年度当初に授業計画案は各担当が作成して、教頭や校長がチェックしているはずだが、このありさまでは機能しているとは思えない。機能しているなら、職員会議で蜂の巣を突っついたような議論がなされているはず。

 なぜ授業の進捗管理が悪いのか、考えてみる必要はあるだろう。とくに2年生の英語は異常である。こんなひどいのは見たことがない。保護者はこういうことにはモノを言っていい。学校をよくするためには必要な批判である。PTAは面と向かって言いづらいだろうが、こういう重大な情報を子どもを通して知りうるのだから、次に入学してくる生徒たちのためにモノを言わなきゃだめだ。言えば、学校側だって真剣に改善に取り組むはず。

 担当の先生たちの味方も少しは試みたい。数学は理由がわかる。3年前の無責任な高校統合によって学力格差が拡大したが、習熟度別クラス編成とクラス・メンバー入れ替え制度はそのまま、それが原因だろう。進度を合わせないと共通試験ができない。クラスによって3割くらいは問題の難易度が違うもので実施している。現場の先生たちはこういう風に試行錯誤している。
 数Ⅱは進度を遅いクラス(ガンマ2、ベータ1、ベータ2)に合わせることをあきらめるべきだ。最上位のガンマ1クラスの数Ⅱは12月末で終えるスケジュールでいい。最上位クラスに限っては、速度重視、ついてこれないものは振り落としていい。そして学期途中でのクラス・メンバー入れ替えはガンマ1クラスの生徒が授業についていけなくなって、申し出た場合にのみ(一方通行)認める。学期の途中での「相互入れ替え」はベータ1とベータ2の間でのみ行う(ベーシック数学のアルファ1とアルファ2は科目が違うからもちろん別扱い)。これは運営上の大きな政策転換ですから校長の仕事です。
 英語についてはお味方できない。どういう授業をやれば1年間で教科書半分しかやれないことになるのかわからない。わたしには想像のつかない理由がなにかあるのだろう。
  昨年10月から、2時間10回の特訓授業を実施。対象は高2の生徒5人、数学は得意だが英語が大の苦手の生徒たちに高3の教科書を使った。20時間で4章消化できた。音読中心、各文5-20回の音読、そして全文文型解説している。20時間あればそれだけできる。音読中心だから無駄話は少ない。(笑) 50分授業なら24回分だから、96回の授業が確保できれば、2年生の英語が苦手の生徒でも三年生の教科書、「コミュニケーションⅢ」全部を終われる。では実際の授業時間数は学習指導要領ではどうなっているのか?
 コミュニケーション英語Ⅱへの配当時間は4単位、1単位35時間(50分授業)だから、年間140時間の授業時間が確保されている。こんなにたっぷりあるのに、学年末試験の前までに教科書半分の消化率というのはわたしにはさっぱりわけがわからない、当惑している。
*学習指導要領解説「英語編」より:「標準単位数」
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/01/29/1282000_9.pdf

 このままでは、学力が下がるし、受験にも影響が大きい。英語の教科書が半分しか消化できない、数Ⅱで学年末試験までに微分積分の章をやれないなんて、ひどい話だ。そういうことと直接関係があるかないかはわからぬが、この3年間進学実績が下がりっぱなし。

 現時点で、高校生に数学と英語を教えている塾は根室にはニムオロ塾しかない。個別指導で月火木金の4日間だけだから、生徒数は20名前後が限度です。根室の町には十分かもしれない。
 学校の授業が大学受験にマッチしてなければ、独力で勉強するかネットで無料のユーチューブ授業で勉強するか、Z会の教材で学習するか、塾へ行くしかないが、中学校の学力テストで平均点(300点満点で110点付近)以下の生徒が自立的に学習するわけもないし、普通科に入学してくる生徒の2/3は標準的な普通科の授業についていける学力をもっていない。150点以上でなければ、普通科の標準的レベルの授業についていけない。120人中40人いるだろうか?
 ニムオロ塾が4月から新規に受け入れられるのは数人のみ、いつのまにか高校生が8割を超えてしまう

 そういう厳しい教育環境事情があるのだから、生徒たちのために、来年は英語も数学も、1月末までに教科書を全部終わるように改善してもらいたい。..... m(_ _)m
 学校教育が基本、塾は小さな補完機能を果たしているにすぎぬ。

 町の礎は人、人を創るのはまずは教育、そして大人になったらまっとうな仕事を繰り返してスキルを上げること。根室の最高学府は根室高校、その根室高校の教育がダメになるなら、町は衰退するしかなくなります。昨年根室市内に就職した根室高校卒業生は36名、彼ら・彼女たちが根室を支える主力です。大学を卒業した者たちはほとんど戻ってきません。高校教育が地元企業と地元経済にとってどれほど重要かわかります。教育問題を放置しておいて、人材が採用できないなんて嘆く資格なし。
 市民や市議や市長が、そして地元企業経営者たちが教育に関心をもてば、なんとかなできるはず、自分たちの町は自分たちでなんとかしよう。
平成30年度卒業生進路実績:

http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=3103
 
市内の企業に就職する若者が減っています。経営改革をせず、旧態依然の地元企業が若者から見放されつつあるということ。将来に希望の持てる企業に人材は集まるもの、だから、地元企業は経営改革を怠ってはいけない。決算情報の公開、予算制度の導入、業績とボーナスのリンクくらいは最低限のことにすぎぬ。経営者は夢を語り、夢を実現する経営能力を磨け渾身の力で学ばなければならないのは、新入社員よりも、企業経営者である、そのことに異論のある人はいないだろう。その点では塾の先生も同じ。自ら学ばずして生徒たちに「勉強しろ」「勉強が大事」なんて台詞は言えぬ。

*#4014 教育と地元企業の経営改善こそが町の未来の決め手 Jun. 9, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-06-09

 #4175 ようやく対数関数に… Feb. 5, 2020
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-02-05




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#4156 日商簿記2級合格者2名:根室新聞より Dec. 25, 2019 [71.データに基づく教育論議]

<最終更新情報>
12/26日朝9:40 根室市の生産年齢人口推計を追記

 11月の日商簿記2級検定試験で、根室高校商業科3年生の男女2名(田村舞恋さん、鈴木魁君)が合格したというニュースが12/21付根室新聞に載っていた。2月に同学年の生徒が一人合格しているから、3年生で日商簿記2級のホルダーは3名になる。立派なものだ。2月に2級に合格した生徒は1級を受験しているはずだが、6月と11月は不合格だったのだろう。あと2月がある、それがラスト・チャンス。全力でトライしたらいい。
 63歳の再任用教諭が指導したと書いてあった。選択授業で週6時間勉強したとある。そんなにたくさんとれることに吃驚。それならなんとでもなる。

 55年前の団塊世代のときの入試は、商業科は2倍の難関。1年生で簿記、2年生で会計が必修、工業簿記が選択科目で週2時間か3時間だった。3年次の簿記関係科目は授業がなかった。日商2級も1級受験も学校のホーのサポートはゼロ、独力で勉強した。3年次の6月に日商1級受験はトップクラスの生徒のみ、合格実績なし。3年次の6月に受験したが10点ほど足りなかった。当時は3年次で日商2級合格者は2番手クラスの成績の生徒たちだった。入試倍率2倍の時代といまでは商業科の生徒の学力が大きく違う。
 
 根室高校では1年生で日商2級合格した生徒が2人いる。最初の一人は普通科の1年生の中村君、2008年11月の検定試験で合格した。2人目は2009年事務情報科の木村君だ。どちらも1年生で合格、全道でもほとんど例がない。中村君は2級の受験勉強をしながら高校入試2位で合格している。木村君は部活に一生懸命で勉強には熱心でないタイプだったから、本気でやるつもりがあるなら入試の夜から簿記を教えると伝えたら、やるという。「事務情報科は本職だから、普通科の中村君に負けるようでは情けないよ」とけしかけた。4月になって部活をとろうか迷っているようなので、「簿記を採るのか部活を採るのかはっきりしろ」と迫った。それで迷いが消えた。1年で日商簿記2級合格をを狙うのに、片手間ではやれるわけがない。道楽で教えるのだから、中途半端は嫌だった。
 中村君は中3の4月から簿記の勉強を始めた。暇だったから勧めた。医者になりたいという希望があったから、病院経営に役に立つだろうと思った。3度目に合格した。経緯は弊ブログにあるから、気になる人はお読みいただきたい。木村君は1度目は6点足らずに不合格、2度目で合格している。
*#449 根高1年日商簿記2級に合格(根室新聞)
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2008-12-18-1


 「日商簿記2級」と右側の検索ボックスに入力すれば、詳細な経緯に言及した数本の記事が出てくる。

 木村君は6種目1級で卒業していった。そのつぎに五種目1級を揃えた生徒は中学3年の時に学力テストで190点台だったので、普通科へ進学するつもりと思っていたら、商業科へ進学した。入学した後に知った。かれに簿記は教えていない。商業科へ進学することを知っていたら、教えたのに…日商簿記検定1級合格者が出たかもしれぬ。もったいないことをした。
 木村君は推薦で北海商科大学へ、中村君は北海道教育大札幌分校へ。中村君は普通科で日商簿記2級だから、明大商学部へ進学できたはず、そのこともあって中3のときから簿記を教えた、いろいろ事情があったのだろう。ふたりともとっくに卒業して社会人だ。

 今回日商2級に合格した生徒の入試での得点は1年生の2月に日商2級に合格した木村君より良かったはず。だから、うまく指導できたら、1年次で日商2級合格する生徒が出るよ。そうすれば、指導次第で残りの2年間で日商1級合格者が出てくるよ。3年次での日商2級合格なんてところで満足しないで、生徒も先生もチャレンジを続けてもらいたい。

 中村君に簿記の指導をしたのは週に1日だけ、シャープな生徒だった。数学と英語も教えていたから、簿記だけにそんなに時間はさけなかった。本人の努力の賜物です。
(東証一部上場企業の統合会計システムについては生徒の興味のある範囲内で多少解説をしたかもしれない。とくに購買在庫管理システムと原価計算システムと会計システム、これら3つのシステムのリンケージが面白い。1984年に統合システム開発を担当したから、これらのシステムについては精通している)
 木村君は「本職」だから、競争心を煽ったら同じ中学校の中村君へメラメラと対抗心を燃やした。それを利用したのが幸いした。どちらの生徒もよく勉強する生徒でした。
 やる気のある生徒は毎年数人いるということ。それを伸ばせないのは教える側の問題です。

*#3965 根室高校2年生日商簿記2級合格 Apr. 17, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-04-17-2


<根室新聞記事>
SSCN3261.JPG

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<余談:旧態依然の市役所職員のコネ採用>
 女生徒の方は根室税務署に就職が決まっていると記事にある、そして根室振興局も合格している。根室市役所のみ不合格。
 根室市議会は、市役所の採用試験のチェックをした方がいい。何年たっても自浄効果は期待できないようだ。採点結果を第三者がチェックしないと、いつまでたってもコネ採用がなくせないのかね。高校3年生たちは疑っているよ、うわさが飛んでる、だから市政のチェック機関である市議会が疑惑を払拭したらいい。
 市議会は市役所職員採用の不正にかかわった管理職は懲戒免職処分とするという根室市条例を制定したらいい一つ一つ具体的な手を打つことで、透明な市政が実現できる
 なにも手がうたれなければ、3年生は根室の大人たちと何十年たっても変わらぬ悪弊にに幻滅してしまう。優秀な者たちは、都会へ進学してなかなか戻ってこない。高校3年生の時に具体的な事例を目撃して市役所の職員採用の実態を知っているからだ。

 生徒たちは知ってる、「コネがないと合格できない」って。部長クラスのコネがあれば合格できるらしい。困るのは、学力の高い生徒たちが市役所に就職できないことだ。2014年度の採用試験では、成績上位の生徒が3人市役所に採用になったことがあった。弊ブログで、採用者の点数をチェックしたほうがいいとなんども書いた年である。また復活しているようだから、そろそろそういう悪弊は根室のためにならないから息の根を止めるつもりで、市議会が動いてもらいたい。「試験⇒採点」に市議が立ち会えばいいだけだ。採点結果とかけ離れた採用にはモノを言えばいい。若者たちが、夢と希望をもって暮らすことのできる町にしたいものだ。

 「オール根室」なんていって、それぞれの業界人たちが自分たちの利害に固執して補助金がらみの仕事で各メンバーがズルしているから、市役所で採用のズルがあっても経済諸団体はモノが言えない。市政と各業界のもちつもたれつの関係が何十年間も続いている。それも、そんなに長くは続かぬ、ようやく先が見えてきた。「オール根室」という一部の者たちが共倒れになるだけ。予算規模は藤原前々市長が140億円台にまで減らしたのに、200億円規模に膨らんでしまっている。絵に描いたような放漫財政である。その間に人口は3.4万人から2.6万人へ8千人も減っている。釧路の2倍の速度で人口減が進んでいる。
 最近数年は毎年600人も人口が減っている。20年後には根室の人口は15000人以下になる。なのに49000人の人口規模のときよりも大きくして市役所の建て替えをやるというんだ、キチガイ沙汰です。一度建てたら50年間使うんでしょ。氷見市のように廃校にする学校を一つ、10億円の予算で耐震工事の済んでいる学校のリホーム工事をやって20年間しのげばいい。そのあとで、市の人口規模に合った庁舎を建てるべきではないのかね。人口に合わせて設計すれば、20年後は建坪が半分で済むよ。


 釧路教育を考える会には市役所の部長職だったものが数名いるが、「コネ採用?」根室はいまだにそんなことしてるのと驚いてる。
 そろそろ、悪弊の一つ一つににメスを入れよう。根室に住む大人の責任です。

<生産年齢人口縮小>
  生産年齢人口が毎年1.358%減少しているので、人手不足の時代が来てしまっている、全国平均値で見ても2040年には2015年をベースにすると29%(8174万人-5807万人=2367万人)も生産年齢人口が減少する。根室は人口減少の度合いが全国平均よりも大きいから、もっときつい状況になる。経営改革をしない地元企業は優秀な地元人材を雇えなくて、次々に消滅していくだろう。

 データは次のサイトから拾って計算した。毎年の人口減少率は1-(2015/8174)^(1/45)=1.358%
*https://www.mlit.go.jp/common/001123470.pdf

 全国平均値ではなくて、根室の推計値をみたいでしょう。
 社会保障・人口問題研究所の地域別推計値を使うと、2015年度の根室市の生産年齢人口は15573人、わずか25年後2040年のそれは7447です。地元の会社の半数が生き残れるでしょうか?

 根室市は全国平均値のおよそ2倍の速度で生産年齢人口が減少し、2040年の生産年齢人口(15-64歳)は半分以下になります。人口減少を前提に根室市のあらゆる計画を見直すべきです
*http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/3kekka/suikei_kekka.xls

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#3026 これが根室の教育長の発言、何かの間違いでは?:釧路新聞より Apr. 16,2015
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2015-04-16


 #4152 PISA読解力15位の衝撃:なぜ? Dec. 17, 2019
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#4152 PISA読解力15位の衝撃:なぜ? Dec. 17, 2019 [71.データに基づく教育論議]

<最終更新日時>
12/18朝8:25

 今朝、7時台のNHK第一放送聞いていたら、PISA(学力到達度調査)で(日本の15歳が)OECD中、読解力15位(前回8位)と言っていた。年々下がっているのだが、これはPISAの問題傾向がこの数年間で変わったことによるらしい。大量の情報から、自分に必要なものを読み取る、批判的に読む、人の意見を精確に読む、読んだことに対する自分の意見を文章にまとめる、そういう力を測定するように、読解力の問題が構成されているのだそうだ。数年前から、出題傾向がそういう風に変わっているという。インターネットの時代だから当然だね。

 「作者はどう考える?」なんて設問で、出題者が自説あるいは自分の解釈を強要するような日本の国語テストとはまるで違う。慥かな論拠があって、論理的な整合性がとれていればOKですから、採点視点がまるで違います。問題意識の斬新さや切り口の鋭さが現れていたら最高でしょうね。大学で哲学教えている友人が、そういう採点しているって、言ってました。

 思索を深めるのは哲学が有効です。PISAの読解力テストで高得点を挙げるには、哲学がベースにないといけません。日本の中学校や高校の国語の先生は哲学の素養がないから、この手の指導は無理、専任教員を置いて高校で哲学を必修科目にすべきです週に2日は授業時間を7時間にして哲学に充ててもも好いじゃありませんか。中学校でも週に1日は7時間授業にして、テクスト選びがたいへんそうですが、哲学系の本の音読トレーニングをやったらいい。そういう環境下で先生を育てて、全国に配置するとしたら、30年はかかります。
  大学共通入試問題を記述式に変えればなんとかなるなんてことは、答えのある受験問題を一生懸命に解いた小利口な人の考えそうなことです。文科省は何度もそういう「改革」を繰り出して、結果が出せません。いい加減に気がついたらどうなんでしょ。

 ヨーロッパでは高校生には哲学が必須科目になっています。それどころか、フランスでは国語のテクストに『方法序説』を使っているそうです。これはデカルトのバリバリの哲学書、「方法」とは科学の方法のこと、科学の方法とはいったいなんなのだろうというデカルトの考察を一度読んでみてください、こういう本をフランスの高校生が国語の時間に読んでます。どれほど理解しているかはわかりませんが…デカルトは哲学者であると同時に数学者でもあります。関数の平面座標、あれデカルト座標ともいいます。

 十人十色、百家争鳴という言葉があるように、人の意見はさまざま。自分の意見もその中の一つ。相対的に物事を見るとか、意見と事実を分けて考えることもとっても大事なこと。科学史や歴史を見てごらんなさい、時間がたつと通説は崩され、新しい説が具体的な論拠や新しい理論をバックに現れてきます。いつでも、どこでも真であるというのは数学くらいなものです。


 わたしは、高校時代に公認会計士2次試験の参考書を読み答案練習を始めていたので、論理的な文章を読むことも書くことも、その時にトレーニングしました。当時の試験科目は7科目、「経済学」もありました。好奇心から経済学や哲学の専門書も高校2年から読み始めたので、例えば、経済学は公認会計士2次試験科目にあって、近代経済学(主として限界効用学説とケインズの有効需要と乗数理論
)だったから、学説のバランスをとるために高校図書室でマルクス『資本論』(労働価値学説)を読みました。そして会計学は学説の異なる二人の学者の著作を読むようにしました。高校生の時に異なる学説を両方頭の中に共存させて、比較思料するという学習スタイルが身につきました。相対立する学説や通説への疑問が頭の中で共存しています、そういう状態を何年も維持すると思考が次第に深くなっていきます。こうして世の中にはまだ答えのない問題を考え続けます。答えが見つかるか見つからないかはわかりません。ひたすら考え続けます、見つけたら新しい理論が生まれます。赤字の企業を黒字にするような企業経営改革も似たような作業ですがずっと簡単です。答えのない問題を発見し、独力で考え抜くこと、そういう思考スタイルがようやく国際的に推奨される時代になったということでしょう。どうやら50年先を歩いていました。(笑)

 受験勉強なんて答えのはっきりしている狭い範囲で学習していたら、社会に出てから行き詰まります。知識を問う問題なら、もうAIには勝てません、「東ロボ君」で実証済みです。しかし、東ロボ君は文章の意味理解がネックになって、偏差値が57付近で頭打ちになっています。
*「東ロボくん」が偏差値57で東大受験を諦めた理由
[https://diamond.jp/articles/-/108460
 知識を問う問題や計算問題には圧倒的に強いが、文章の意味理解が苦手な東ロボ君。笑えるのは中高生には東ロボ君以下の文章読解力の生徒が多いという事実です。
 時代がこれからさらに大きく変わり、社会が要求する能力が変化しています。複雑なそして抽象的な表現の文章でもそれを精確に読みとって考えること、答えのまだ見つかっていない問題を考え続け、新しいものを生み出す能力、そういうスキルが問われる時代になっているのです。計算も既存の知識ベースで答えの見つかる問題もすでにAIに勝てません。そこは人間の分野ではなく、AIに任せるべき分野、さまざまな分野の仕事がつぎつぎにAI[にとって代わっていきます。

 大学生は、しっかりした学者のゼミで鍛えられたら、上述したような(文章の意味理解、思考の型、答えのない問題を考え続ける)スキルが身につきます。
 でも、社会科学系の分野では北海道の大学にはそういうレベルの先生はほとんどいないかもしれない。しっかりしたというのは、その分野で日本で三本の指に入るということ。47都道府県あるから、その中に日本で三指に入る人がいるというのは、なかなかあり得ないことでしょう。優秀な学者は首都圏に集まってしまいます。

 比較的たくさん本を読んでいるはずの文系の学卒でも、50代になっても自分の意見しか世の中にはないような人がたまにいます。異なる他人の意見を受容できない、知的には片輪のようなものです。

 本を批判的に読むというスキルは、ゼミで先輩たちと議論する中でも鍛えられます。早稲田の政経出身者でマックスウェーバーの著作をとりあげたゼミで勉強したハンドルネーム「後志のおじさん」がなかなかすごい人でした。ちゃんと議論できる。指導教授が誰だったのか訊きそびれました。

 もちろん、大学に行かなくたって、さまざまなジャンルの本を読むことで、こうしたスキルは身につきます。最初は書き手の意見に沈潜し、そして次第に批判的に読めるようになる。
 文系分野の専門家は、自分の専門分野の本はスキミング(skimming)するだけで内容が理解できるので、十倍速でもそれなりに読めちゃいます。専門分野は最低二つ、できれば三つも五つももっちゃいましょう。なるべく、離れた分野がいい。いずれつながりだしますから。文系の人だったら理系分野、理系の人だったら文系分野、ということ。

 わたしが謦咳に接したのは市倉宏祐教授(哲学・学部のゼミ、ヘーゲル研究とサルトル研究の専門家、のちにパスカルの研究もしておられました)、内田義彦教授(経済学史。学部の授業)、増田四郎教授(西洋経済史・元一ツ橋大学長)の3人、もちろん、それぞれの分野で一流の学者でした。とくに増田先生の授業は院生たった3人だけの超贅沢な特別講義、ありがたくって授業のたびに冷や汗かいてました。(笑)


 一流の学者と対話を重ねても、相手に呑み込まれないだけの鮮烈な問題意識と思索の深さが必要です。三人の先生たち、すでにどなたもいらっしゃいません。弟子たちが、それぞれの分野で活躍しています。背中を見てその学風から学ぶんです。手を取って教えてくれるなんてことはありゃしませんよ。学ぶんだったら、一流の学者の背中から学べ、というのがわたしの意見です。若い者は東京を目指せ、東京には一流の学者が集まっています。闇を照らす炎に虫たちが集まるように、優秀な学生も一流の学者の下に自然に集まってきます。そういう場(fields)で自分を磨いたらいい。ふるさとへ戻るのはさらに社会経験を積んでからだ。

*PISA読解力テスト
https://news.livedoor.com/article/detail/17480531/

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[日本、PISA読解力ランキング「過去最低」これだけ改革して、なぜ…? 「読書離れ」は止まったはずなの]

読解力「15位」の衝撃

2019年12月3日に、2018年に実施されたPISAの最新結果が発表され、参加した79の国・地域の中で日本は「読解力」で15位、「数学リテラシー」で6位、「科学リテラシー」で5位となり、いずれも前回の2015年調査よりも順位・スコアが後退した。

…学力が低下するのではないかという心配を心から解消するためには、親や教師が一丸となって読書教育を推進する必要があると思う。なぜなら、読解力はすべての学力の基礎だからである〉(有元秀文[国立教育政策研究所総括研究官・当時]「読書教育の曙光」、「図書館雑誌」Vol.97, No.6(2003年6月号)、377,378ページ)

このように、PISAのスコアがトップであるフィンランドと日本の子どもを、読解力と読書量から比較し、「日本の子どもは読書量が足りないから読解力が低く、記述式の問題が書けないのだ」と結びつけている。

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#3026 これが根室の教育長の発言、何かの間違いでは?:釧路新聞より Apr. 16,2015
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#4139 学力テストと定期テストの難易度の差 Dec. 5, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 全国学力調査で北海道の平均正答率は全国47都道府県で42位(小中学生合算)管内は道内で離れ小島のような位置で、最低を記録した。その根室管内で、普段の学力テストの結果を見ると、根室市内が最低ラベルにあるのだ。(弊ブログ#4130の14支庁「管内の平均正答率の分布」表参照)
*学力調査。都道府県別正答率ランキング
https://education-career.jp/magazine/data-report/2019/ranking-achievement-test-2018/

 ふだんの学力テストの平均点と定期テストの平均点を比べると、いろいろなことがわかる。まず、比較表をご覧いただきたい。(データはC中学校)

<学力テストデータ>        
  5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
4月 117.5 32.0 25.4 16.0 24.2 19.9
総合A 111.5 36.1 25.5 15.8 16.5 17.6
総合B 106.6 27.9 24.4 14.4 20.9 19.0
総合C 113.2 34.4 23.6 16.9 17.9 20.4
平均 112.2 32.6 24.7 15.8 19.9 19.2
標準偏差 3.9 3.1 0.8 0.9 3.0 1.1
百換算SD 6.5 5.1 1.3 1.5 4.9 1.8
             
             
<定期テストデータ>        
  5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
前期中間 266.6 55.3 63.7 43.8 52.5 51.3
前期期末 241.5 45.2 63.9 37.8 43.2 51.4
後期中間 273.2 47.9 60.6 57.2 57.7 49.8
平均 260.4 49.5 62.7 46.3 51.1 50.8
標準偏差 13.7 4.3 1.5 8.1 6.0 0.7
             
             
<難易度指数>          
  5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
難易度指数 0.72 1.10 0.66 0.57 0.65 0.63
*難易度指数=百点満点換算学力テスト平均点/定期テスト平均点


 中3の学力テストは60点満点だから「百換算SD」は「百点換算値での標準偏差値」を表すように補正しているから、定期テストの平均点の標準偏差と直接比較していい。青字で示された数学の標準偏差値を比較すると、学力テストは1.5点と幅が小さいのに、定期テストは8.1で5倍以上もばらつきが大きい。なぜ、定期テストの標準偏差が大きくなったのかは、定期テスト3回の平均点の推移を見たら一目瞭然である。過去3回の定期テストの平均点は、「43.8⇒37.8⇒57.2」で、最大値と最小値に19.4もの開きがある。学力テストは4回やっているが「最大値―最小値」は2.5点に過ぎない。つまり、学力テストは難易度が一定しているとみることができる。反対に、定期テストは難易度がその都度大きく変わったということ。
 定期テストの初回は、計算問題がほとんどだから平均点が年間を通して一番高いのが普通だ。難易度をそのままにして6月の定期テスト問題をつくったように見える。1回目の定期テストは「第1章多項式」と「第2章平方根」の一部だから、計算問題がほとんど。2度目の定期テストは「第2章平方根」の後半部と「第3章2次方程式」である。2次方程式の文章題はとくに苦手な生徒が多いから、平均点は下がることになる。これも毎年のことだ。慌てたのか、3度目の定期テスト(11月実施)の難易度を下げたようだ。平均点が+19.4点もアップしてしまった。 
 4回の学力テストの平均点は表にあるように15.8点、百点満点換算値では26.3点であるから、定期テスト3回の平均点46.3点に比べて20点も低い。そういう状況下で、数学担当の先生は問題の難易度設定に右往左往しているのではないか、お気の毒である。
(英語の定期テスト標準偏差が0.7点でとっても低いのは驚きです。英語の先生はテスト問題作りの名人のようです。こんな範囲には収められませんよ。平均点が50.8点±0.5点です!ありえない精度にコントロールされてます。その一方で、学力難易度指数は0.63ですから、定期テスト問題の難易度は学力テストに比べて格段にやさしいものになっています。これでは生徒の学力が低いままに固定化されてしまいます。定期テストの難易度をあげながら、平均点が下がらないような授業ができたら素晴らしい。)
(国語の難易度指数が1.1になっている。定期テストのほうが学力テストよりも難易度が高いということを表している。うん、なかなかだな。79か国で実施されている2018年度実施の学習到達度調査(PISA)では日本の15歳の高校生の読解力は8位から15位に大きく後退しているから、国語教育が読解力の点から見直されなければならない。根室の子どもたちの日本語読解力もスマホが中学生に普及し始めた11年前から急激に落ちている。)


 生徒の学力分布がいまのままで、学力テスト並みの難易度設定したら、得点は25点未満のところに集まってしまい、成績をつけるのに実務上困ることになるから、定期テストの難易度を下げざるを得ないのではないか?

 学力テストの点数が10点に満たない生徒は、1時間の放課後補習のあとでなければ部活参加を認めなければいいのだが、そんなことを数学担当の先生二人だけでやれるわけもない。校長や保護者の了解がなければできない相談だ。
 校長権限でもできそうなものだが、そういうことを実施した校長は、根室へ戻ってきてから16年間一度もみたことがない。同じ学校での校長職は2-5年くらいなものだから、その間は波風を立てずに無事に通り過ぎればいいと考えるのはあたりまえのことだろう。かくして、根室市内の中学生たちの全国学力調査の平均正答率が、全国42位の北海道で、さらに14支庁管内で根室支庁管内が最低となり、そして根室市内の市街化地域の3中学校は、別海中央のはるか後塵を拝し、中標津町の2校よりも低いという、まことに無念な状況に立ち至っているのである。

 数日前に届いた『広報ねむろ12月号』のなかに「ねむろ市議会だより」があり、9月定例議会での各議員の質問要旨が載っているが、お一人も根室の中学生の低学力問題を論じた方がいないのはまことに寂しいことである。低学力を放置したら、根室の地元産業は人材不足から必然的に衰退の度を早め、消えていく企業が増え、人口縮小が加速するだろう。藤原市長⇒長谷川市長⇒石垣市長と人口減少は、この十数年間年間400人前後から600人前後と増えている。釧路の2倍の速度で人口減少がとっくにはじまっている。

「根室市議会=文教・厚生常任委員会」のメンバーは委員長が工藤勝代議員、副委員長が久保田陽議員、委員は橋本竜一議員、久保田浩昭議員、田塚不二夫議員、滑川義幸議員の6名で構成されている。
  釧路市議会は、基礎学力保障条例を制定し、子どもたちの学力アップが地域経済の活性化に寄与すると、教育問題を積極的に議会で採り上げ、釧路市教委と激しい議論を戦わせている。
 その釧路市の中学校3年生の学力テストの五科目平均点は根室市内の市街化地域の3校に比べて、20点ほど高い(300点満点)。根室市内の3中学校の基礎学力はすでに崩壊しているのだ。そうした事実を、根室市長も根室教育長も根室市教委も根室市議会も経済諸団体も、だあれもとりあげない根室の不思議。

 根室の子どもたちの学力をどうやって底上げしたらいいのかについては弊ブログで具体案を採り上げている。市議会文教厚生委員会がオープンな場で市民と率直な意見交換をする日が来ることを祈っている。根室の子どもたちの学力低下は、権限をもつ大人たちが少しずつ配慮し、児童・生徒の親たちがともに協力すれば、なんとでもできることなのだ。わたしの役割はデータに基づいた分析と提案をし、小さな私塾で生徒たちを教えることだけ。

<アフガンの中村哲医師>
 ペシャワール会の中村哲医師がアフガニスタンで銃弾に倒れた。かれは干ばつで多数の子どもたちが不衛生な水を飲まざるをえなくて、次々に病気になって死んでいく様を見続け、井戸を数千掘り続けた。そして荒野に20㎞もの距離に灌漑用水路を建設し、その周辺を麦畑とすることで、200万人の人たちが、故郷で食べて行けるような世界を実現した。そうした努力が難民の増大を防ぎ、テロを防ぐのである。
 千数百もの井戸のお陰で、衛生的な水が確保され、子どもたちの病気(赤痢など)も激減した。そういう活動を30年も続けて来られた、偉い人だと思う。アフガンの現状を人として見捨てておけなかった。写真からは柔和な表情の奥に、一人でも頑としてやりぬく、強い意志を感じた。

朝日新聞ニュースより転載

NGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)が4日、突然の銃弾に倒れた。苦しむ人たちに向き合い、医師の役割を超えて農業支援にも活動を広げていった中村さん。現地・アフガニスタンでも高く評価されていただけに、交流があった人たちは「なぜ」と言葉を失った。
 福岡市のペシャワール会事務局で4日、記者会見した広報担当理事の福元満治さん(71)は悲痛な面持ちで「正直、信じられない。無念でしかたない。この事業は中村哲という人物でなければできなかった」と語った。
 干ばつにあえぐ大地に用水路を造り、1万6500ヘクタールの農地を潤した。現地の住民は中村さんに「畏敬(いけい)の念を持っていた」という。「30年以上やって現地の信頼が一番のセキュリティーだった。(事件は)アフガンのことを思うとありえないこと」。今後の活動については、「あくまで続けるのが中村医師の遺志であると思っている」としながらも、「事業を拡大していくのはなかなか難しいのではないか」とも話した。
 中村さんは「自分は好きで勝手なことをしているので、家族には迷惑をかけたくない」と周囲に話していたという。妻の尚子さんは報道陣の取材に「いつも家にいてほしかったが、本人はこの仕事にかけていた。いつもサラッと帰ってきては、またサラッと出かけていく感じでした。こういうことはいつかありうるとは思っていたが、本当に悲しいばかりです」と話した。 

*https://www.msn.com/ja-jp/news/national/中村医師の妻「いつかありうるとは思っていたが…」/ar-BBXLWPg?ocid=spartanntp

*井戸掘り
https://blog.goo.ne.jp/musshu-yuu/e/b3a5ea05d7ca0222c41e48c97297d30b

*#4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-22


 #4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか? Nov. 20, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20

 #4127 学力テストは教員の力量の評価:元釧路市議会議長月田さん Nov. 17,2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-17-1


*#4119 全国学力調査の現実:根室は14支庁管内最低 Nov. 9, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-07-1



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#4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 令和元年の全国学力調査で根室管内が北海道14支庁管内で最低であることがわかった。データは弊ブログ「#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか?」をご覧いただきたい。根室管内の中で、根室がとくに低学力であることは普段の学力テスト結果からわかっている*。
 そのことはレーダーチャートの形からも判別がつく。根室管内の学力調査結果を科目別・分野別に小学校8本(8分野)、中学校11本(11分野)に著したレーダチャート**があるが、中学校では1市4町の中で根室が最悪である。別海町よりも、中標津町よりも、標津町よりも、羅臼町よりも、根室市のほうが面積が小さい。レーダチャートにあらわされた面積が大きいほど全国平均値へ近づく。
*https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20
**http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/r1/R1_478_488nemuro.pdf?fbclid=IwAR11_faRky5Pk44EmRF6Wi_MUNPALcLesiAsXV0OdW5JYMzBd6v8xlc0Qag


 このままではいけないと思うのはわたしだけではないだろう。根室の子どもたちの7割が都会へ出て行ってしまうが、放置すれば低学力のために非正規雇用で貧困から抜け出せなくなる。地元経済も人材難からさらに地盤沈下を続け、20年後には地元企業の半数が消滅しかねない。それはさらなる人口減少の加速を招くことになる。

 さて、そういう現状を打開する具体策を考えてみたい。根室市・別海町・中標津町の小学校と中学校の生徒数や教員数データをEXCELで整理したので並べて御覧に入れる。

<小学校>          
  学校数 学級数 生徒数 教員数 生徒/学級 生徒/教員
根室 8 72 1051 105 14.6 10.0
別海 8 77 914 109 11.9 8.4
中標津 4 67 1233 94 18.4 13.1

<中学校>          
  学校数 学級数 生徒数 教員数 生徒/学級 生徒/教員
根室 7 41 615 93 15.0 6.6
別海 8 41 465 90 11.3 5.2
中標津 2 29 681 52 23.5 13.1


 小学校は1クラス当たりの平均生徒数はたったの10人である。世の中、30人学級にしろと騒いでいる地域があるが、根室はとっくに30人を切っており、平均するとその1/3だから、一クラス当たり生徒数を少なくすれば、成績が上がるという巷に流布する迷信はまったく事実と違っていることがわかる。

 問題を簡単にするために、根室市内の小学校を花咲小学校の場所に新校舎を建てて、1校に統合したとしよう。1クラスの人数を25人としたら、43クラスである。校長と教頭が13人いるが、これは2人に減らせる。必要教員数は「クラス担任46人+20人+2人(校長と教頭)=63」が妥当な線だろう。
 算数の「量と測定」の正答率が全国平均の半分以下だから、算数の専任担当を10人加配すると、必要教員数は73人である。さらに放課後補習担当に5人配置すれば78人となる。
 現有教員数は105名だから、「105-78=27」人減らしても大丈夫だ。根室の小学校を1校に統合すれば、27人は他の地域へ異動して戦力にできる
 無料のスクールバスを朝と放課後各地域へ回す。放課後は時間をずらして3便にする。この費用は、人員を削減することで捻出できる。地方公務員の平均年収は600万円だから、「600万円×27人=1億6200万円」が浮くから、無料スクールバスをこの一部を転用して運行する根室交通を使えば、公共交通網の維持に役立つ。じつに美味しい話ではないか。道教委と根室の公共交通網維持、ウィンウィンだ。
 ちなみに、団塊世代のときの花咲小学校は生徒数が2000人ほど、わたしの学年は1クラス60人、6クラスあったから、1学年360人だった。光洋中学校は1クラス55人編成で10クラスだったから、1学年550人。全校生徒は1500人ほど。だから、1校に統合しても小学校で7割、中学校で4割の規模に過ぎない

 同じことを中学校で考えてみよう
 根室市内の中学校を1校に統合したとしよう。1クラスの人数を25人としたら、25クラスである。校長と教頭が13人いるが、これは2人に減らせる。教頭の成り手がいなくて困っていると聞くが、そういう問題もついでに解消できる。統合後は25クラス、中標津町の29クラスより4クラス少ないから、必要教員数は中標津町の現有教員数を利用させてもらおう。教頭と校長は2人でいいから、50人である。「93-50=43人」が余剰人員となって浮いてくる。43人のうち20人は学力強化要員として根室中学校に配置し、23人は根室市外へ異動できるから、浮いてくる人件費は「600万円×23人=1億3800万円」となる。市街化地域の各学校では長期病欠の教員が1-2名いて、穴の開いた授業に免許外の先生がフォローせざるを得なくなっており、その負担が一部の先生にかかって共倒れになりかねない状況にある。統合すれば、20人加配できるから、そういうリスクを解消できる。
 中学校も無料スクールバスをだして送迎しよう。その費用は浮いた人件費の一部を使う。そして、余剰になった人員を、根室管内で学力の低い地域である中標津町・標津町・羅臼町の学校へ加配してあげたらいい。

 予算の増額もいらず、人員増も必要なしでこんな結構なことが現実にできる
 もう、小学校の先生たちに算数授業を任せていてはだめだ。小学校には算数専任の先生と中学校にはコンピュータと通信回線メンテナンス用の専任教員も配置して、授業内容をがらりと変えてしまおうタブレット端末を全員にもたせて先進的な授業も導入したいそして放課後補習体制をしっかり組もう国語は小学校低学年で週9時間の授業時間のうち2時間をルビを振った文学作品を中心としてテクストを選び音読授業に使おう国語と算数教育を充実させたら、根室市の子どもたちの学力は大きくアップできる。全国平均正答率なんてずっと下になるだろうよ。

 統合後の校長は学力アップ・マネジメントができる人を選びたい

<「学力アップ特区」実現の手順>
 全国学力テストで全道14支庁管内で根室管内が最低の正答率を記録し、根室管内でもとくに根室市の小中学生の平均正答率が低いのだから、それを理由に「学力アップ特区」申請をしよう。根室市長と根室市教育長、根室市教委が北海道教育庁根室教育局と交渉したらいい。根室市内の教員のみなさんがバックアップしてくれたら、市長や根室市教育長がやりやすいだろう。根室市議会議員のみなさんにも協力してもらいたい。地元経済諸団体も協力願いたい。何が何でも根室っ子の学力を上げるんだという、根室の大人たちの覚悟が問われている。
 なせばなる、具体的な提案をして、北海道教育庁と文科省に認めてもらったらいい。
 これで道内の小中学校の統廃合が進めば、予算の増額なしに教員不足問題が解消でき、教員の質の低下が食い止められる。北海道教育庁や文科省にとっても好い話だろう

<参照資料>
 小学校算数「量と測定」分野が全国平均正答率の半分以下国語は偏差が小さいのに中学3年生の国語の「読む」「書く」「話す」が8割前後中学数学「資料の活用」「関数」が60%未満「図形」と「式と計算」分野が70%前後であることが、教科分野別レーダチャートで読み取れる。
 「Ctrl」キーを押しながら「+」キーを3度叩けば画面を拡大できる。「-」キーを3度叩くと元に戻ります。右へスクロールすると中学校が、そして別海町が同じ順序で、次いで中標津町が、そして標津、羅臼と続きます。
*http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/r1/R1_478_488nemuro.pdf?fbclid=IwAR11_faRky5Pk44EmRF6Wi_MUNPALcLesiAsXV0OdW5JYMzBd6v8xlc0Qag



 全道14支庁管内で根室管内がまるで離れ小島のような状態で最下位であることが次のグラフでわかります。小学校国語以外は一番左側にあるのが根室管内です。これも同じ操作で拡大できます。
写真の説明はありません。
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<余談:総人口と子どもの数>
 根室と中標津と別海の人口は、令和元年10月末データでは、
 25,204  23,339  15,013人
 この順序で小学校の生徒数を並べると
 1,051  1,233  914人
 中学生数は、
 615  681  465人

 何が言いたいかというと、人口の少ない中標津町のほうが小学生も中学生も根室市よりも多いということ。そして人口が根室市よりも1万人少ない別海町の子どもの数が案外多いということ。総人口サイズは根室の60%なのに、小中学生は根室の1,666人に対して、別海町1379人、82.8%だということ。別海町は子どもの数が多い25年後にはこれら3自治体で根室が一番人口が小くなってしまう可能性がある


*北海道教育庁根室教育局のホームページに資料が載っているのでそれを利用した
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/nky/R1_nemuro-kyoikuz.pdf

#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか?
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20


 #4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 #4122 学力テスト総合B学校別比較データ:釧路管内8校と根室管内6校  Nov. 13, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-13




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#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか? Nov. 20, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 全国学力テストのデータを見ると、根室管内は小学6年生は国語11番、算数最下位の14番中学3年生は14支庁管内で飛び離れて最下位に位置している。
 釧路管内は小学校国語で3番目、算数では5番目なのに、中3国語で13番、数学で12番と著しく「落下」している。十勝管内と比べると、小学校では釧路のほうがダントツに好いのだが、中学3年生は十勝を仰ぎ見ることになる。この表は、道教委作成のものに釧路の友人のM木さんが赤丸をつけてくれたものだ。十勝管内と釧路管内の子どもたちが、小学6年では釧路のほうがいいのに、中3になると逆転してしまう、その有様がグラフだとこんなにはっきりわかる。数字だけ見ているのとは印象がまるで違う。
写真の説明はありません。
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 フィンランドは人口550万人、義務教育と後期中等教育に携わる教員の数は66000人である。人口は北海道と同じだ。北海道の小中学校の教員数を検索してみたが、データがなかった。数を比較してみたかった。それにしても北海道と福井県だけが教員数のデータがないのはなぜ?僻地校が多いから全国平均よりはずっと教員数が多いに違いない。根室市内で30人学級のところはいくつあるだろう、ほとんどが30人以下である。
 道教委のデータは次のようになっている。表にまとめてみた。
*http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksk/chosa/gakkou-i/2018gakkou-i.htm

  教員数 生徒数 生/教
小学校 19,014 241,748 12.7
中学校 11,304 122,758 10.9
高校全日制 6,983 83,930 12.0
高校定時制 433 2,377 5.5
合計 37,734 450,813 11.9

 都道府県別小学校の教員一人当たり生徒数は北海道が39位。
*https://ecitizen.jp/Ssds/Indicators/_E0510301
 北海道の教員一人当たり生徒数は47都道府県中41番目である。
*https://retu27.com/prefecture_ranking.html?fid=152#i-2

 根室市の小学生は8校生徒数1051人、校長と教諭合計で105人ですから、教諭一人当たり小学生徒数は10.0人。中学校は7校615人、校長と教諭で合計86人ですから、教諭一人当たり中学生徒数は7.2人。どちらも全国平均よりも25%程度少ない。学級数は小学校72、中学校41ですから、小学校のクラス当たり平均生徒数は14.6人、中学生は15.0人です。世の中30人学級にしろだなんて騒いでいますが、根室はその半分です。小中学校を統廃合したら、教員人数は7割で十分です。つまり、余剰分を学力強化に回せるということ。北海道教育庁と話し合う材料にできると思います。
*北海道教育庁根室教育局のホームページより
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/nky/R1_nemuro-kyoikuz.pdf

 私立を含めて40,000人だとすると、おおよそフィンランドの6割の体制である。フィンランドは学卒ではなくて、大学院修士課程卒をこれだけ養成しているのだから、国が教育に力を入れているのがどれほどか理解できる。日本は学校の授業へのコンピュータの導入もとっくに後進国になってしまった。たとえばタブレット端末を授業で毎日使っている学校は道内にはほとんどないのではないか。機器や通信設備のメンテナンスができて、プログラミングのできる専任教員の配置が必要だが、そういう体制を作ると今から取り組んでも人材の育成に20年以上かかるだろう。

 フィンランドの後期中等教育とは高等学校と職業学校を指すもののようだ。高校から大学へは直接いけない。高校⇒職業学校⇒大学あるいはポリテクニク(高等職業専門学校)というコースになっている。
 教員の資格は教育関係の修士号取得者となっているから、教員の質は高いようだ。フィンランドはPISAでは数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーで最上位を占めていたことがあるが、近年は三つとも最上位から脱落している。フィンランドで低学力層が増えているのはなぜだろう。教員の質が高いだけではダメかな、なにか他にも要素がありそうだ。
*フィンランド教員数・資格要件
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/023/siryo/attach/1378640.htm
**https://ja.wikipedia.org/wiki/OECD生徒の学習到達度調査
***https://www.huffingtonpost.jp/satoshi-endo/japan-pisa_b_14095374.html

 地域の未来を担う子どもたちが高い学力を身に着けるには、高い学力の教員が必要だという命題が真だとしよう。
  教員の学力が高い(P)⇒ 生徒の学力が高い(Q)
  (教員の学力が高ければ、生徒の学力は高い)

 高校1年の数学「命題と論証」で、Pは仮定Qは結論PならばQは命題だと習う。この命題がだとしよう。この命題の対偶は「nonQ⇒ nonP」である。命題「P⇒Q」が真なら、その対偶ということになる。
  生徒の学力が低い(nonQ) ⇒ 教員の学力が低い(nonP)
  
(生徒の学力が低ければ、教員の学力は低い)

 全国学力テストで、北海道は全国平均以下の地域である。その北海道14支庁管内で根室の中3は国語も数学も最下位、英語は13位だが最下位の宗谷管内とほとんど一緒、正答率46.8(宗谷管内)と46.9(根室管内)だ。
 ふだんの学力テストの結果から、根室管内で根室市内が中標津町や別海町よりも低いことがわかる。
*#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-11


 根室の中学校の先生たちは北海道教育大釧路分校出身者の比率が高い。地元だから当然だろう。札幌出身者で釧路管内や根室管内の僻地校で勤務したいなんて学生がいたらめずらしい。だから、政令指定都市の学校採用試験に受からない人たちが、集まることになる。中にはそうではない人もいるがごく少数だろう。郡部校に勤務してトイレが水洗でないことに驚いたという話を、二人の人から聞いたことがある。根室高校だって水洗になってどれほどたつのか。FM根室で対談した根高の進路指導室の先生が赴任した当時水洗でなくて困ったと言っていた。奥さんが都会生まれで水洗トイレしか使ったことがなければ、ぽっちゃんトイレと聞いただけで亭主の赴任に反対するだろう。教員を確保するためにはこういうことにも気を使わないといけない時代なのである。ただ来てほしいでは人材を確保できない。都会よりも快適な住宅を用意して当たり前なのだ。都会よりも快適な生活がおくれることがはっきりしていたら、採用試験への応募は増え、採用された教員のレベルも上がる。
 過去には縁故採用も多かったと聞く。なにもしなければ僻地には他では合格できない学力レベルの人たちが多く集まる。受け入れる側にも努力が必要なのである。

 教員の出身校別のデータは釧路管内と根室管内の自治体の教育委員会がもっていると思う、わたしには具体的な数字がどうなっているのかわからぬ。
 北海道教育大は全国の都道府県の教育大で最下位グループ。その北海道教育大には札幌分校、旭川分校、函館分校、岩見沢分校、釧路分校がある。函館と岩見沢はすでに教員養成をしていないらしい。教員は「計画養成」するような仕組みになっているから、函館と岩見沢はもうその必要がないということだろうか。
 入試偏差値の序列は、
  釧路分校<旭川分校<札幌分校
 中学校の数学と英語の管内別正答率を見たら、この通りの序列になっている、怖いね
  釧路管内<上川管内<石狩管内
 旭川は旭川医大があることが大きい。31年度の進路実績を見ると、現役生で16人、過年度卒で5人合格している。看護学部は現役9人だ。地元にあるからこそ、これだけの人数が進学できる。中学生の学力の底上げに貢献しているだろう。

 釧路分校出身者でも優秀な先生はいる。中学理科の先生でお一人優秀な先生を知っている。どの大学も上位3%は優秀な学生がいるだが、平均的な学力レベルは入試偏差値に現れているのではないだろうか

 全国学力テストの結果は根室管内の中3の正答率が北海道14支庁管内で最下位であることを示している。グラフで見たように、極端に離れている。
 どうやら、対偶は真であるようだ。つまり、全国学力テストで根室管内の子どもたちの平均正答率が低いということは、先生たちの学力が低いということだ。授業力と年間授業計画を計画通りに運ぶマネジメント能力を一度点検すべきだろう。

 下位グループを見ると根室、宗谷、オホーツク、日高管内で構成されている。これら管内に共通するのは教育への関心が低いこと、オホーツク管内を除いて大学がないこと。中3をみると根室管内がかけ離れて最下位にいることがわかる。

 処方箋ははっきりしている。教育への関心を高めること、そして優秀な教員を採用することが問題解決の道だろう。市議会で学力に関する議論が盛んになされるようでなくてはいけない。経済諸団体内部でも地域の子どもたちの学力が話題にならなくてはいけない。地域の未来は、それを担う子どもたちの教育にかかっている。

 学力差がはっきりしているのだから、長期的には釧路分校出身者の割合を下げることも考えたほうがいい。小中学校の統廃合をすれば、長期的に調整が可能だろう。だが、道教育大釧路出身者の割合を減らしても、その隙間を埋めるのは、他では合格の難しい学力の教員志望者ということになるだろう。花咲線も釧網線もそのうちになくなるだろうから、ますます僻地化が進む。なんとしても子どもたちの学力低下を食い止めなくてはならない。

 あきらめる必要はない、北海道の平均正答率を超えるぐらいのことはそうむずかしいことではない、現有教員で十分にやれる問題はやり方である。釧路の友人のM木さんがFB上で次のような具体的な提案をしてくれている。

①基本問題しかやらない授業をあらため、難易度の高い問題も授業で採り上げる
②定期テストの問題の難易度が低すぎるから、標準的なレベルに改める
③過度なプリント授業を廃止する
④授業の進捗管理を徹底する
⑤「すっ飛ばし」をやらない

 これら五項目を徹底するだけで北海道平均正答率は超えられる。放課後の個別補習をしなければ救えないから、根室管内の先生たちが、学力向上に取り組もうとしたら、大変な労力が必要になる。自分たちが教えている生徒の学力をなにがなんでも上げてやるという「覚悟」のほどが試される。部活制限についても保護者と向き合わなければ、低学力の生徒たちを集めて放課後補習なんてできはしない。上にはみ出した生徒と下にはみ出してしまった生徒たちには学校外での教育(私塾)も関係してくる。子どもたちの学力アップには地域の協力が必要だということ。
 「中小企業はオヤジ(社長)次第」というが、学校は規模が小さく小企業だ。だから、校長のマネジメント次第でなんとでもなる。学力アップ・マネジメントができる人を校長にしたらいい。マネジメントのできない人が校長になったら子どもたちが犠牲になる。
 7~8割の生徒が根室から離れて都会で暮らすことになる。低学力だと都会に出てもつける職業が制限され、非正規雇用が多くなる。都会で非正規雇用、年収150-200万前後では暮らせない。現状を放置すると、都会へ出て行った根室っ子のうち、3人に2人がそういうことになりかねない。ほうっておいていいわけないでしょ。
 
 

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#4127 学力テストは教員の力量の評価:元釧路市議会議長月田さん Nov. 17,2019 [71.データに基づく教育論議]

 11/16付の月田さんのブログを紹介する。

*http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51882790.html?fbclid=IwAR3XkUuvno1_QvNOdxt8aCmIW8YVTBkZjrmV-65nZKZV8RRf9U5IcnibDm4
=============================
午前は、出張報告書の作成。
 何だかんだ2時間以上を要します。

 午後は、釧路の教育を考える会(角田憲治会長)
 拡大役員会を開いて、現状の課題について協議しました。

 焦点は、全国学テにおける結果の評価。
 まずは全国平均に対して、-3P以上下回る学校に共通する問題点について。

 当会の認識は、全国学テの結果は決して子ども達の評定ではないということ。
 教員の授業力を始めとする力量に対する評価が数値化されたものと見ています。

 そして、校長の指導力。
 ゼネラリストとして、客観的な指標に基づく評価がなされるべきでないか。

 さらに、全国学テにおいて全国平均以上を達成した学校名を公表すること。
 顕彰することで、全体のモチベーションが上がるのは間違いない、と。

 これに関連して、教科ごとの年間指導計画は何故市教委が定めないのか。
 各教科書会社が示している目安を踏襲することに大きな問題はなく、学校に委ねる特別な根拠はない。

 加えて、問題解決型学習の見直しです。
 検証改善委員会が、ピント外れのPDCAサイクルを回していることと関連するのですが、「分かる」重視ではなく「できる」レベルの底上げです。

 その他、幅広く議論は盛り上がりました。
 監視役として期待されている以上、言うべきことはきちんと言わなくてはなりません

 忠言耳に逆う。
 今さら、体制に阿(おもね)るつもりは全くありませんので・・^^。


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 月田さんの政治信条を転載します。この通りに行動しています。2011年5月からだから、もう8年のお付き合いになる。
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【政治信条】
今ここにある問題を解決するために、また未来のために今やらなくてはならないことを、逃げないで断乎としてやり抜く!
-----------------------------------

 全国平均に対して、根室管内は小6(国語-2.9、算数-6.2)、中3(国語-8.3、数学-10.2、英語-9.1)で、全道14支庁管内で13番目とはかなりかけ離れて、ビリである。その学力最低の根室管内で根室市が一番低いことはふだんの学力テストからわかる。
(学力テスト総合A18校データと学力テスト総合B16校比較データをご覧いただきたい。)
 弊ブログ#4119に釧路新聞に載った記事が張り付けてある。全国平均と根室管内平均も科目別に表になっている。
*#4119 全国学力調査の現実:根室は14支庁管内最低 Nov. 9, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-07-1

 根室の市議の中にもこういうブログを書く人が現れてほしい。釧路は青年会議所や、ロータリークラブや、中小企業家同友会などの経済団体の人たちも、「釧路の教育を考える会」のメンバーであり、教育について発言している。もちろん、釧路市議会は教育論議で花盛りだ。

 根室はどうしてこんなに教育への関心が薄いのだろう?だから、根室管内は全道14支庁管内で一番学力が低く、その根室管内で根室市が一番低いということになってしまっている。それでも、危機感がない。町の未来は、子どもたちの教育にかかっているというのに。

 各自治体の首長さんたちは、根室管内1市4町で「学力アップ合同委員会」を組織して、データを分析して、学力アップに有効な教育政策を立案し、実行、そして検証したらいい



<北海道教育委員会作成のグラフにみる根室管内の子どもたちの学力>
 
一番左端にあるのが根室管内です。こうしてグラフで見ると、びっくりするほど、他の地域とかけ離れてます。根室だけ左端で仲間外れの感があります。まるで交通網から外れて孤立している集落のようです。国語がとくに酷いのは何か原因がありそうです。国語がアップすれば、他の2科目も差が詰まるのかも?
 数学は全体に分布がばらけています。それでも根室が一番左端です。
 根室は他の地域に比べて、幼児英語教育の盛んな地域ですが、普段の学力テストデータを見ても平均点が低い。学力テスト総合Bのデータを見てください
  「Ctrl」キーを押しながら「+」キーを3回たたくと拡大できます。「Ctrl」を押しながら「-」キーを3度叩くと元に戻ります。

 
グラフのばらつきから判断すると、国語が3科目で一番標準偏差が小さいのに、根室管内ははるか左側に位置している。他の管内に比べて極端に国語の正答率が低い。
 数学も英語もばらつきは似たようなものです。数学は全道平均を超えているのが4支庁管内ありますが、いずれも大学のある地域です。英語で全国平均正答率を超えたのは石狩と十勝管内のみ。

 国語で全国平均正答率を超えたのは5支庁管内、数学と英語は石狩管内のみ。札幌からの交通のアクセスがよいところほど正答率が高い傾向があります。僻地は交通アクセスが悪いだけでなく、学力も低くなるということ。日高線は風前の灯火、花咲線もいずれ廃止になります、釧網線もなくなる。道路だけで大丈夫かな?

写真の説明はありません。

 
小学校6年生の国語は14支庁管内中11番目、それがどうして中学3年生になると14支庁管内最低になってしまうのか、どうして3年間でこんなに差がつくのか、この地の中学生の教育に大きな問題が潜んでいそうです?学校と家庭の学習習慣のしつけと高校統合による高校入試競争の消滅など、手を打たなければいけない問題がいくつも出てきそうです。
写真の説明はありません。


*
#4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 
#4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019 
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 #1526 釧路の教育を考える会 May 24, 2011




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