#4175 ようやく対数関数に… Feb. 5, 2020 [52. 数学]
根室高校2年生、数学最上位のガンマ1・クラスが先週「対数関数」に入った。2/18(火)から学年末試験が始まるから、微分・積分の章はテスト範囲に含まれないことになるだろう。
クラス編成は次の6段階。
1.ガンマ1
2.ガンマ2
3.ベータ1
4.ベータ2
5.アルファ1
6.アルファ2
クラス編成は次の6段階。
1.ガンマ1
2.ガンマ2
3.ベータ1
4.ベータ2
5.アルファ1
6.アルファ2
数Ⅱはすでに選択科目になっており、「ベーシック数学」を選択履修している生徒もいる。「高校統合」の影響で学力格差が拡大したから、数Ⅱの授業を理解できない生徒がおよそ半数要るのだから、やむを得ない措置だと思う。根室西高校では数Aが2年時の選択科目だったから、およそ半数とみられる成績下位層はそういうレベルに落ちてきている。アルファ・クラスは旧根室西高校生の中の数学が苦手な学力層といって差し支えないだろう。(2年生はガンマとベータ・クラスだけが数Ⅱ履修で、アルファ・クラスは「ベーシック数学」の選択履修組のようだ。)
アルファクラスの生徒は小学校・中学校ですっかり数学アレルギーになった生徒たち。高校普通科の標準的な数学授業を聴いてもチンプンカンプン、だからといって、理解できるところまで勉強しようという意欲の残っている生徒はごく少数。独力では学習できないから、先生の手助けがいる。そういうわけで放課後個別補習が必要になるが、やったところで、数学嫌いになっているので、参加する生徒がほとんどいないと思う。塾へ通うにも、高校生に数学を教えている塾は根室に二つだけ、受け入れられる人数はきわめて限定的である。英語に至っては高校生対象の塾はニムオロ塾ひとつのみ。なかなか難しい教育環境にあるというのが根室の現実。
普通科「特設コース」がガンマ1とガンマ2に分かれている。最上位、ガンマ1クラスの授業進捗がこんなに遅れるのは理由がある。
授業の進捗を他のクラスと同じにしないと、テスト問題の作成に困るし、下位クラスの生徒が努力して上位クラスに食い込むときに、進度が違っていたのでは、授業についていけないという事情がある。最上位のクラスが「微分・積分」の章を終わっており、ガンマ2クラスが対数関数までだと、不都合が起きる。学年末ならほうっておくという選択肢もあるが、前期中間テストや前期期末テスト、後期中間テストでそういう事態が起きたら、実務上困る状況が生まれる。普通科という同じ枠組みで授業をする限り、山登りと同じで、一番遅い人に合わせて登らなければならないのである。標準速度で登れば、普通科の8割の生徒があえなく遭難するだろう。
(γクラスとβ1とβ2クラスは試験問題が一部異なっているようだが、試験範囲は同じである。さらに下のα1とα2クラスがある。学力格差がこれだけ大きい生徒たちを、同じ教科書で教えること自体に無理がある。高校統廃合の失敗例と言ってよい。統廃合検討委員会の面々は、客観的な学力データに基づかぬ議論をしていたということ。委員の委嘱・打診をされても、できもせぬ仕事には首を突っ込むな、この現状を見ろと言いたい。被害者は根室の子どもたちである。)
大学受験を考えたときに、理系学部選択の生徒たちが微分・積分をやっていないというのは、大きなダメージである。学校の授業の進捗には無関係に、受験に間に合うように予習して難易度の高い問題を解いているのは、115人中たった2人の生徒だけ。
学校は、まるで小学生にするように、生徒たちに毎週数学の宿題プリントを課して、やらせている。生徒の自主性や自律性を育てるという目標と、やっていることはまるでちぐはぐ。それでも、そうせざるを得ない、学力低下という事情が背景にあるのだろう。
根室西高校と根室高校を統合してから3年がたつが、この3年間、学力崩壊現象を起こしているように見える。「普通科単位制」の「統合」を道内のほかの地域でやったら、結果は同じことになるだろう。統廃合を主導した道教委の責任も小さくはない。
(統合ではなく、生徒の集まらない高校は「廃校」にすべきなのだろう。そして、合格最低点を公表したらいい。そうすれば、成績の悪い中学生は勉強するよ。「週に5-6日間部活三昧、勉強せず」、なんて生徒はいなくなります。文武両道、普通科で勉強したければ300点満点の五科目合計点で120点、商業科なら90点はどうだろう?15年前には、定員オーバーで普通科の合格最低点が150点を超えた年度もあった。)
こういう環境の中で、大学進学を目指す生徒は、強靭な精神と不屈の向学心をもって挑まなければならないのだろう。その次に位置している学力層の生徒たちがいる。そういう数人の生徒たちと2番手の学力層の生徒たちと教科担当の先生たちとの間に「何か新しい連携」が生まれたら、この数年間、絶対数も進学先の大学の入試難易度も低下し続けているが、大学進学実績を変えられるのではないか。
アルファクラスの生徒は小学校・中学校ですっかり数学アレルギーになった生徒たち。高校普通科の標準的な数学授業を聴いてもチンプンカンプン、だからといって、理解できるところまで勉強しようという意欲の残っている生徒はごく少数。独力では学習できないから、先生の手助けがいる。そういうわけで放課後個別補習が必要になるが、やったところで、数学嫌いになっているので、参加する生徒がほとんどいないと思う。塾へ通うにも、高校生に数学を教えている塾は根室に二つだけ、受け入れられる人数はきわめて限定的である。英語に至っては高校生対象の塾はニムオロ塾ひとつのみ。なかなか難しい教育環境にあるというのが根室の現実。
普通科「特設コース」がガンマ1とガンマ2に分かれている。最上位、ガンマ1クラスの授業進捗がこんなに遅れるのは理由がある。
授業の進捗を他のクラスと同じにしないと、テスト問題の作成に困るし、下位クラスの生徒が努力して上位クラスに食い込むときに、進度が違っていたのでは、授業についていけないという事情がある。最上位のクラスが「微分・積分」の章を終わっており、ガンマ2クラスが対数関数までだと、不都合が起きる。学年末ならほうっておくという選択肢もあるが、前期中間テストや前期期末テスト、後期中間テストでそういう事態が起きたら、実務上困る状況が生まれる。普通科という同じ枠組みで授業をする限り、山登りと同じで、一番遅い人に合わせて登らなければならないのである。標準速度で登れば、普通科の8割の生徒があえなく遭難するだろう。
(γクラスとβ1とβ2クラスは試験問題が一部異なっているようだが、試験範囲は同じである。さらに下のα1とα2クラスがある。学力格差がこれだけ大きい生徒たちを、同じ教科書で教えること自体に無理がある。高校統廃合の失敗例と言ってよい。統廃合検討委員会の面々は、客観的な学力データに基づかぬ議論をしていたということ。委員の委嘱・打診をされても、できもせぬ仕事には首を突っ込むな、この現状を見ろと言いたい。被害者は根室の子どもたちである。)
大学受験を考えたときに、理系学部選択の生徒たちが微分・積分をやっていないというのは、大きなダメージである。学校の授業の進捗には無関係に、受験に間に合うように予習して難易度の高い問題を解いているのは、115人中たった2人の生徒だけ。
学校は、まるで小学生にするように、生徒たちに毎週数学の宿題プリントを課して、やらせている。生徒の自主性や自律性を育てるという目標と、やっていることはまるでちぐはぐ。それでも、そうせざるを得ない、学力低下という事情が背景にあるのだろう。
根室西高校と根室高校を統合してから3年がたつが、この3年間、学力崩壊現象を起こしているように見える。「普通科単位制」の「統合」を道内のほかの地域でやったら、結果は同じことになるだろう。統廃合を主導した道教委の責任も小さくはない。
(統合ではなく、生徒の集まらない高校は「廃校」にすべきなのだろう。そして、合格最低点を公表したらいい。そうすれば、成績の悪い中学生は勉強するよ。「週に5-6日間部活三昧、勉強せず」、なんて生徒はいなくなります。文武両道、普通科で勉強したければ300点満点の五科目合計点で120点、商業科なら90点はどうだろう?15年前には、定員オーバーで普通科の合格最低点が150点を超えた年度もあった。)
こういう環境の中で、大学進学を目指す生徒は、強靭な精神と不屈の向学心をもって挑まなければならないのだろう。その次に位置している学力層の生徒たちがいる。そういう数人の生徒たちと2番手の学力層の生徒たちと教科担当の先生たちとの間に「何か新しい連携」が生まれたら、この数年間、絶対数も進学先の大学の入試難易度も低下し続けているが、大学進学実績を変えられるのではないか。
*#4168 根室高校進路実績H27-30年度比較 Jan. 16, 2016
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-01-16
わたしは、学科編成をこのままにする限りは、割り切るしかないと思う。入試得点で振り分けたら、年度の途中でガンマ1クラスの入れ替えはなし、12月末までに全部の章を終わるスケジュールで授業をする。
教育こそが根室の未来の礎である。根室の教育関係者はもっと教育に関心をもつべきではないか。高校の進路実績データ、授業の捗状況、普段のテスト内容、全国模試での根室高校生の位置の変化をデータに基づいて把握しておくべきだ。中学校で実施している学力テストの平均点はひどく低下してしまっているし、得点分布も、上位層が枯渇化現象を起こしていることは、数十回も弊ブログでデータを挙げて紹介して、警鐘を鳴らしてきた。
根室市教委はいまだに、根室市内の中学校の学力テストデータすら見ようとしない。根室の市街化地域の3中学校は、釧路市内と根室管内の中学校の中で最下位グループをなしている。別海中央中学校よりも平均点が毎回はるかに低いし、中標津の中標津中学や広陵中学に比べても低い。
根室市教委と根室市議会文教厚生常任委員会は、データに基づく議論をされたら如何?チコちゃんに叱られます、「ぼーっとしてんじゃねえよ!」ってね。(笑)
根室で生まれて育つことが、大学進学するときに大きなハンディになってはならぬ。これは根室に住む大人たちの責任だよ。とくに教育関係者の責任が重大であることは論を俟たない。数値目標設定して、ちゃんと仕事しよう。
*#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
<余談:クラス編成替えについて>
仮に中学校の学力テストで60%以上の得点層がギリギリで標準的な普通科の数学授業を理解できるとしたら、11月7日の学力テスト総合Cデータで判断すると、柏陵中学校が66名中8名、啓雲中学校が46名中5名である。合計すると112名中13人ということになる。根室高校への出願は176名(普通科114名、商業科43名、事務情報科19名)だから、そのうちの12%とすると20名だということ。
数学の得点が26点以上の層が2校で25人(22.3%)だから、出願した176名(定員200名)のうち40名しかいない。ほぼ普通科特設コース・クラスの人数と一致している。
だから、普通科特設コースの35人のうちの20名ほどが中学時代に数学の学力テストで60%超の成績であるといえそうだ。ガンマ1クラスだけしか、標準的な難易度の教科書で、1月20日ころまでに教科書全章を終える学力がないということ。
ガンマ1クラスは入学当初の成績でメンバーを固定し、2年当初に行うクラス編成替えは年度末までの成績でやればいい。ふだんの定期テストは学力に応じて問題を別にできる。クラス分けの基礎データは7月と11月と1月に行っている全国模試の合計点数を利用したらいい。
2006年のころの根室高校普通科1年生は、数Ⅰ&Aの授業は1月20日までに終了し、21日から数Ⅱをやっていた。いま、1年生が教科書を終わるのは学年末テストギリギリのはず。明日、生徒に訊いてみよう。1か月遅れている。普通科の生徒の学力格差が大きすぎて、進度を一番学力の低いクラスに合わせるからだろう。やはり、学力データを無視した、無理な統合案だったと言わざるを得ない。道教委主導の「単位制普通科への移行案」に対抗する選択肢が考えつかなかったのだろうと思う。市長の諮問委員会方式というのが諸悪の根源、オープンな場で衆知を集めて議論すべきではないのか?
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-01-16
わたしは、学科編成をこのままにする限りは、割り切るしかないと思う。入試得点で振り分けたら、年度の途中でガンマ1クラスの入れ替えはなし、12月末までに全部の章を終わるスケジュールで授業をする。
教育こそが根室の未来の礎である。根室の教育関係者はもっと教育に関心をもつべきではないか。高校の進路実績データ、授業の捗状況、普段のテスト内容、全国模試での根室高校生の位置の変化をデータに基づいて把握しておくべきだ。中学校で実施している学力テストの平均点はひどく低下してしまっているし、得点分布も、上位層が枯渇化現象を起こしていることは、数十回も弊ブログでデータを挙げて紹介して、警鐘を鳴らしてきた。
根室市教委はいまだに、根室市内の中学校の学力テストデータすら見ようとしない。根室の市街化地域の3中学校は、釧路市内と根室管内の中学校の中で最下位グループをなしている。別海中央中学校よりも平均点が毎回はるかに低いし、中標津の中標津中学や広陵中学に比べても低い。
根室市教委と根室市議会文教厚生常任委員会は、データに基づく議論をされたら如何?チコちゃんに叱られます、「ぼーっとしてんじゃねえよ!」ってね。(笑)
根室で生まれて育つことが、大学進学するときに大きなハンディになってはならぬ。これは根室に住む大人たちの責任だよ。とくに教育関係者の責任が重大であることは論を俟たない。数値目標設定して、ちゃんと仕事しよう。
*#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
<余談:クラス編成替えについて>
仮に中学校の学力テストで60%以上の得点層がギリギリで標準的な普通科の数学授業を理解できるとしたら、11月7日の学力テスト総合Cデータで判断すると、柏陵中学校が66名中8名、啓雲中学校が46名中5名である。合計すると112名中13人ということになる。根室高校への出願は176名(普通科114名、商業科43名、事務情報科19名)だから、そのうちの12%とすると20名だということ。
数学の得点が26点以上の層が2校で25人(22.3%)だから、出願した176名(定員200名)のうち40名しかいない。ほぼ普通科特設コース・クラスの人数と一致している。
だから、普通科特設コースの35人のうちの20名ほどが中学時代に数学の学力テストで60%超の成績であるといえそうだ。ガンマ1クラスだけしか、標準的な難易度の教科書で、1月20日ころまでに教科書全章を終える学力がないということ。
ガンマ1クラスは入学当初の成績でメンバーを固定し、2年当初に行うクラス編成替えは年度末までの成績でやればいい。ふだんの定期テストは学力に応じて問題を別にできる。クラス分けの基礎データは7月と11月と1月に行っている全国模試の合計点数を利用したらいい。
2006年のころの根室高校普通科1年生は、数Ⅰ&Aの授業は1月20日までに終了し、21日から数Ⅱをやっていた。いま、1年生が教科書を終わるのは学年末テストギリギリのはず。明日、生徒に訊いてみよう。1か月遅れている。普通科の生徒の学力格差が大きすぎて、進度を一番学力の低いクラスに合わせるからだろう。やはり、学力データを無視した、無理な統合案だったと言わざるを得ない。道教委主導の「単位制普通科への移行案」に対抗する選択肢が考えつかなかったのだろうと思う。市長の諮問委員会方式というのが諸悪の根源、オープンな場で衆知を集めて議論すべきではないのか?
2020-02-05 17:18
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