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#4096 学力テスト総合A:17校データ比較 Oct. 5, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 このような学力テストデータは学校の先生たちも、市教委も見たことがないでしょう。学力向上対策の貴重なデータであるにもかかわらず、市教委や町教委はふだんの学力テストデータを集めていません。データに基づかぬ学力向上対策を繰り返しています。的外れになるので、効果がないのは当然のことです。

 #4091で9月に実施された学力テスト総合Aのデータ12校を掲載したが、17校集まったので、再掲載する。
 緑色は釧路管内の中学校、青色は根室管内、色のないのは根室市内の2校である。
 表1は五科目合計平均点と科目別点数を、表2は「得点-平均点」を表している。17校平均点よりも低いところは赤字で表示されている。
 別海中央中の社会科が36.8点、17校平均点よりも+7.5点とダントツに高いが、これはこの学校の社会科担任の授業スキルの高さを表している。幣舞中学校の数学も+7.4でダントツに高いが、先生のスキルが高いことが原因かどうかは確認できていない。スキルが低くてこんなに高い平均点にはならないことはたしかだろう。阿寒中の理科も+6.3と高い。
 根室市の柏陵中学校では理科でいつも高い平均点を誇る先生が昔いたことがある。小テストを繰り返して、記憶の定着を図っていた。教え方そして学力アップの方法として正攻法だと思う。こういう教員を評価すべきで、教え方を真似すべきではないのか?
 先生たちは頻繁に研修をしているはずだが、実績をあげられない者の御託を聴いていてはいけない。ふだんの学力テストの点数を学校別に並べてみたら、どの学校のどの先生の指導スキルが高いかは一目瞭然とわたしには思えるが、違うだろうか?
 根室市内の2校は残念ながら、17校中16位と17位(最下位)である。市街化地域のもう一校、光洋中のデータは入手できていない。

 わたしは平均点が低いことを、すべてその科目を担当している先生個人の教え方に帰するつもりはない、もちろん他にも原因がある。たとえば、根室は3年前から高校入試が1校体制になり、半数の生徒が勉強やる気を失っているという事実がある。勉強しなくても、根室高校へ全員が入学できる状況が3年前から始まった。道内のほかの地域で、高校2校体制から1校へ編成替えになるところは、根室の轍を踏まないでもらいたい。2校を統合して単位制の普通科へ移行するという、道教委の高校再配置計画への警鐘が鳴っている。高校が学級崩壊状態になるだけではない、中学生とくに学力下位層のいっそうの学力低下を招くことになる。人材の劣化は地元経済に深刻な影響を及ぼすことになるだろう。

 釧路根室管内の先生たちは、データを見て生徒の学力アップがどうしたら図れるのか議論してみてほしい。もちろん、それぞれの市教委や町教委も、教育長もデータに基づく議論をして、それぞれの地域の子どもたちの学力アップに寄与してもらいたい。余計なお世話なんだろうな。
 この表は「釧路の教育を考える会」のM木さんの協力で作成できたので、かれに感謝、わたしには集められないデータです。

    5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
1 阿寒中 153.2 44.4 33.1 23.2 28.6 23.9
2 幣舞中 151.0 42.9 35.1 28.8 26.2 20.8
3 中春別中 146.1 45.0 30.8 25.7 23.8 20.8
4 白糠中 145.3 42.4 29.6 25.6 25.9 21.8
5 遠矢中 141.6 39.5 28.9 24.6 25.9 22.6
6 別海中央中 137.6 40.4 36.8 21.9 21.6 21.9
7 鳥取中 137.0 39.9 30.6 21.5 23.1 21.8
8 大楽毛中 136.7 39.0 29.2 23.1 23.6 21.8
9 鳥取西中 135.1 40.8 28.2 23.6 22.2 20.3
10 原中 134.2 38.2 33.3 20.5 23 19.2
11 計根別中 132.0 42.2 26.6 20.7 22.5 19.9
12 共栄中 124.8 37.2 25.9 19.3 20.9 21.5
13 広陵中 121.4 38.6 24.9 18.7 20.5 18.1
14 川北中 121.0 39.9 27.2 17.5 20.2 16.2
15 中標津中 117.8 38.7 28.7 17.3 16.4 16.7
16 啓雲中 111.4 36.1 25.5 15.8 16.5 17.6
17 柏陵中 107.3 36.6 23.0 15.8 17.6 15.8
  合計 2254 681.8 497.4 363.6 378.5 340.7
  平均 132.6 40.1 29.3 21.4 22.3 20.0
               
  <(各データ)ー(平均値)>      
    5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
  阿寒中 20.6 4.3 3.8 1.8 6.3 3.9
  幣舞中 18.4 2.8 5.8 7.4 3.9 0.8
  中春別中 13.5 4.9 1.5 4.3 1.5 0.8
  白糠中 12.7 2.3 0.3 4.2 3.6 1.8
  遠矢中 9.0 -0.6 -0.4 3.2 3.6 2.6
  別海中央中 5.0 0.3 7.5 0.5 -0.7 1.9
  鳥取中 4.4 -0.2 1.3 0.1 0.8 1.8
  大楽毛中 4.1 -1.1 -0.1 1.7 1.3 1.8
  鳥取西中 2.5 0.7 -1.1 2.2 -0.1 0.3
  原中 1.6 -1.9 4.0 -0.9 0.7 -0.8
  計根別中 -0.6 2.1 -2.7 -0.7 0.2 -0.1
  共栄中 -7.8 -2.9 -3.4 -2.1 -1.4 1.5
  広陵中 -11.2 -1.5 -4.4 -2.7 -1.8 -1.9
  川北中 -11.6 -0.2 -2.1 -3.9 -2.1 -3.8
  中標津中 -14.8 -1.4 -0.6 -4.1 -5.9 -3.3
  啓雲中 -21.2 -4.0 -3.8 -5.6 -5.8 -2.4
  柏陵中 -25.3 -3.5 -6.3 -5.6 -4.7 -4.2
  17校平均値 132.6 40.1 29.3 21.4 22.3 20.0

(五科目合計点は各学校公表数字ですから、表の科目別平均点を合計しても「五科目合計点」にならない場合があります。全科目を合計してチェックしてみましたが、端数処理の計算誤差範囲を超えているとおぼしき学校が2校あります。)

 高校統廃合後の、根室の中学生の学力低下に驚いている。根室の教育関係者も地元経済団体も危機感をもってほしい。根室高校全入になって、中学生の半数程度が勉強する気を失っており、まだまだ下がりそうな気配だ。このままでは根室高校が学級崩壊する、いや始まっていると思った方がよさそうだ。学力テストの平均点から推しはかると、数学や英語の授業を聴いても理解できない生徒が半数生まれている。だから、高校の授業は生徒の学力に合わせて下げざるをえなくなっている。学力別クラス編成されている数学は、下位のクラスでは基本的な用語の解説すら端折られ始めた。説明しても無駄と考えているのか、たまたま忘れているのか…。例えば、「排反事象」等の教科書記載の基本用語。
 根室高校の進学実績も急激に悪化しつつある。状況は<余談>に書いておきます。
(昨年は五科目合計点が100点を切った中学校が2校ありました)

◎ 釧路管内と根室管内の市教委や町教委は、ホームページ上で(人数が10名以下の郡部校を除いて)学力テストデータを公表してもらいたい。だれもこのようにデータを比較してみていないのですから、せっかく学力テストをを実施しても、学校別・科目別の比較して使われないのでは、なんのための学力テストでしょう。それぞれの市や町別の平均点と標準偏差も掲載してくれたら、偏差値はそれぞれ必要な生徒自身で計算可能になります。そういうデータが蓄積されたら、進研模試の偏差値との変換表も作成可能になります。中学生の時から自分の全国レベルの学力を知ることができるようになります。高校に入学してから、大学受験勉強をスタートさせたのでは遅すぎます。目標とする大学と自分の現在時点の学力にどれくらい差があるのか、中学生の時に知るべきです。

<余談:根室高校の進学実績の変化>
 道外私大への進学者数は(平成27年度、平成28年度、平成29年度、平成30年度)(41人、12人、8人、5人)、3年間で1/8に激減しています四年生大学進学者数は(114人、80人、55人、42人)と半減してます
 市内の就職者数は(46人、41人、29人、36人)と3/4に減っています
 これでは、転勤族や学齢期の子どものいる医師は根室に赴任するのを嫌がるでしょう。劣悪と言っていい教育環境です。

(10/7 平成30年度のデータを追記しました。)


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麒麟

たまたまとあるサイトで今年実施された学力テストAの数学および理科の問題を見ました。根室市の中学の平均が3割を切っているとのことでしたので、それなりに難易度が高いのだろうかと思っていましたが、多少苦手な子でも教科書の例題の解き方や基本的概念の理解、太字の用語の暗記といった作業を着実に行うだけで7、8割はとれるのでは?という印象を受けました。
失礼ですが、いわゆるオフィスワークどころかアルバイトのルーティン業務を習得することすらままならず、短期離職を繰り返す子供が続出してもおかしくないと思います。
by 麒麟 (2019-10-06 10:25) 

ebisu

麒麟さん

都会の従業員数100-200人くらいの規模の中小企業を想定すると、正社員の事務職として採用できるのは成績上位10%程度です。女子の事務職は6倍の競争率ですから、9割が都会へ出て正社員事務職へ就くのが無理です。この規模の会社は入社試験で学力チェックします。上場企業への就職は夢のまた夢です。労働市場がいくら買い手市場になっても、こうした構造は揺るぎません。
東京で35年間暮らしたので、肌感覚でわかります。
成績が真ん中より少し悪い程度でも、高校卒業したら専門学校行って、都会で正社員の事務職に就けると思っている生徒が多いのです。
中学生のうちから、学力テストでどのくらいの点数がとれていたら、正規社員でオフィスワーカーとして働けるのか、教えてあげないと手遅れになります。
高校進学ではなくて、どのような社会人になりたいのかという視点からどのくらいの学力レベルが必要になるのか、中学生の時からそういう進路指導をしなければならない時代に変わってしまいました。

人材確保の点からは、地元企業の未来は悲惨です。優秀な成績で根室高校を卒業した生徒たちの大半が大学進学して戻ってきません。残りの人材でやらなければならない。つまり、真ん中くらいの成績の生徒たちが根室の町を支える主力部隊ということになります。数学の点数が15点前後(60点満点)の層が主力ということ。
地元企業への就職は今年3月のデータでは26人に激減してます。根室高校卒業生の15%しか地元企業に就職していません。地元企業が成績の良い若い人たちから見放されはじめたのではないか。
成績が中位以下では地元に残っても、正規社員の職に就けず、アルバイトや日給で転職を繰り返し、40歳代を迎えてしまいます。専門学校へ進学しても就職できなくて一時期戻ってくるのも増えてます。再勉強して資格を取り、また都会へ戻る子もいます。
40歳後半となれば親も定年退職、子どもが寄生できる余地がなくなります。
だから、平均的な学力が低下するというのは、町の将来を左右するほど重大なことなのです。

サケマス流し網漁が禁漁となり、秋刀魚が激減しています。水産資源が枯渇すれば、水産加工業者は原料確保できないから、工場の稼働日数が減ります。秋刀魚が来年も不漁なら、水産加工業者で閉鎖するところが出てきそうです。それは主力のアルバイト先がなくなるということを意味しています。
このままではあと10年もしたら、生活保護世帯が激増、時限爆弾のようなものです。

子どもたちの学力をアップして、都会でちゃんとした企業で働けるようにしてやらなければかわいそうです。
地元企業の経営改革を進めて優良な就職先を増やすこともやらなければならない。

上場を目指す意欲のある企業が現れてほしい。やりかたは教えてあげます。他人の言うことを素直に聴ける経営者がいる企業は伸びます。そういう企業に優秀な人材が集まる。
by ebisu (2019-10-06 16:34) 

JEEP

大都市圏(埼玉、東京、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫)の有名大学以上の私立大学は、定員厳格化で一般入試の難易度が上がっています。根室市内の学力低下が深刻という状況では、大都市圏の有名大学に合格するのも至難の業では、学力疎開もさらに進むのだろうと思います。


by JEEP (2019-10-10 11:29) 

ebisu

JEEPさん

なるほど。定員厳格化で首都圏の有名大学は難易度がアップしてますか。根室から首都圏の大学への進学者が減るわけです。
それにしても、わずか3年間で1/8は減りすぎです。
何とか盛り返してもらいたい。

by ebisu (2019-10-10 21:41) 

Anonymous

十数年前に根室市内の中学を卒業した者です。
当時は校内テストで5教科合計8~9割を超えてもまだ上に4~5人おり、その壁を超えることはなかなかできませんでしたし、うっかりすると下から抜かれてしまうくらいの環境でした。高校でも模試やテストの点数に皆貪欲で、必死に勉学に励んでいました。国立大学、有名私立大への進学者も非常に多かった記憶があります。貴ブログから現状を見ていると非常に悲しい状態ですね。全国的に大学まで卒業しないと就職がままならない環境であり、より勉学に励まなければならない中、逆行しているようにしか見えません。残念です。
by Anonymous (2019-11-03 17:15) 

ebisu

Anonymous(匿名)さん

投稿ありがとうございます。
年齢は20代後半ですね。あのころは柏陵中学校で学力テストの平均点が160点を超えたことがありました。140点台は普通でした。
いま柏陵中のデータをみていると、別の学校の気がしてきます。11年前だったかな、数人の生徒が授業中に騒ぐようになり、2年生になると3クラスへバラバラになり、それぞれ増殖してしまい、授業が時々聞こえなくなると、120点台へ平均点が下がりました。
その時よりもさらに下がっています。
高学力層はほとんど消えてしまったも同然の状態です。1-2名はいまでも高学力の生徒が各学校にいます。十数年前は各校に15人前後いました。

根室の子どもたちの将来が心配です。日本は大学進学率が50%、就職するのに普通のライセンスとなっています。
根室高校の大学進学実績は平成30年度42名/175名ですから、24%です。全国平均の半分にすぎません。そして中身は惨憺たるものになっています。
偏差値55を超えるのは早稲田と法政大学のみ、どちらも推薦です。早稲田は今年度から推薦枠がなくなりました。
95%が偏差値50以下の大学への進学です。上場企業への就職は無理です。
根室市教委は普段の学力テストデータを収集して、学力低下をモニターすべきです。そして自ら作った教育政策が学力テストデータにどのように現れているのか、検証すべきです。
子どもたちの学力低下は子どもたち自身の将来に深刻な影響を与えます。それだけにとどまりません、根室の地域経済を脆弱化してしまいます。

根室の関わるたくさんの人に子どもたちの学力低下を知ってもらいたい。事実を知ることから、現実的で具体的な改革がはじめられます。


by ebisu (2019-11-03 19:42) 

ebisu

Anonymousさんは校内の定期テストのことを書いていますが、思い出しました。

14年くらい前だったが、柏陵中学校の定期テストで、生徒が420点を少し超えたので、「今回は学年20番以内だろう」と思ったら、なんと23番でした。20番以内には入れませんでしたね。
その後、その生徒は北海道医療大学臨床心理学科へ進学しました。大学院へ進学すれば臨床心理士になれるのですが、1/3の狭き門に怖気づいたのか進学を断念。もったいない。
根室に戻って塾を開いたときの最初に来た数人の生徒のうちの一人(2003年に中3)も、同じ大学へ進学、「先生、大学院へ進学して臨床心理士になるからね」といってましたが、早く就職が決まり、大学院進学を断念。元気のいい生徒だった。

あの頃は定期テストで400点越えは市街化地域の3校では各校20人前後いましたね。
高校1校体制による競争意識の喪失というのは地域の生徒の学力への影響が大きい。
by ebisu (2019-11-03 20:42) 

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