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#3965 根室高校2年生日商簿記2級合格 Apr. 17, 2019 [63. チャレンジ(教育)]

<最終更新情報>
4/19 朝9:00

 根室高校商業科2年生が日商簿記2級に合格したと北海道新聞に載っていた。次は日商簿記1級へのチャレンジである、ぜひ合格してもらいたい。日商簿記1級は2級に比べてはるかに高い山で、2級合格者の10人に一人程度しか合格できない。どう攻略するか戦略がだいじだ、あとで触れておくので、参考にしてもらいたい。久々に現れた優秀な生徒だから、先生たち、日商簿記1級合格へ向けてだいじに育ててください。
 ところで根室高校側への取材では過去10年間では2年の合格者はいないと記事にあったが、その通りだ。

 ただし、1年生で2名の合格記録があるが二人とも商業科ではない。ちょうど10年前と11年前の2度である。
 2008年11月に普通科1年生のN村君が日商簿記2級に合格している。中3の11月くらいから簿記の勉強をはじめて1年間で合格した。そして2009年2月に事務情報科1年生のK君も日商簿記2級に合格した。K村君は入試当日の夜から簿記の勉強を始めたから11か月で合格している。1年生の日商簿記2級合格記録は根室高校の歴史でこの二人だけである。潜在能力の高い生徒は毎年数名いるから、ようは育て方次第である。
 高校側で取材対応した先生は10年前のことだから知らなかったのかもしれない。古い先生なら知っていただろう。

 事務情報科のK村君は6科目1級ホルダーとなって卒業し、推薦で道内の大学へ進学した。普通科のN君は日商簿記1級にチャレンジしたいと言ったがとめた。かれが北大医学部受験をするつもりだったからだ。進研模試の国語は小樽商大へ進学したS田さんと交替で学内トップ争いをしていたから、国語の能力は十分だった。日商簿記1級の記述式問題もクリアできただろう。だが北大受験と日商簿記1級受験の両立は無理と判断して簿記のほうをやめさせたから、それ以降は簿記を教えなかった。かれは結局、北海道教育大札幌校へ進学した。N村とK村はふたりともとっくに社会人だ。どうしているかな?勉強を続けていてもらいたい。

 日商簿記2級の次は、日商簿記1級である。簿記と工業簿記は計算問題であるが、会計学と原価計算に論説問題が出題されるので、2級とは違った能力、作文(論説文作成)能力が求められる。計算能力だけで日商簿記2級までは合格できるが、まったく異なる種類のハードルがまっているということ。国語能力の高さが求められる。
 日商簿記2級に合格してから、商業簿記と工業簿記にそれぞれ150時間、会計と原価計算にそれぞれ250時間、合計800時間の受験勉強時間確保が合格ライン突破の目安だ。国語能力の低い生徒は2倍の時間を投入しても、合格ラインに達しないだろう。
 同級生のH勢が根室高校商業科を卒業した年の11月に日商簿記1級に合格し、短大を卒業した年に税理士試験に合格、以来東京有楽町で税理士事務所をやっている。学生時代に高田馬場駅前のアパートに住んでいたN野先輩のところへ行ったついでにそこから歩いて10分ほどのH勢のアパートへも遊びに行ったら、壁にA3判の紙に書きつけたサブノートが所狭しと貼ってあった、暗記のためにそうしていたのだろう。それを見て気合と成長を感じた、そして自分が別の道を歩み始めていることに気づいた。
 そのころわたしは経済学と哲学にのめりこみ始めて、公認会計士二次試験受験への興味を急速に失いつつあった。高校時代はあんなに夢中になって公認会計士2次試験参考書を読み漁って勉強したのに、いやそうだったからこそ、その向こう側に本当の学問、勉強の領域のあることがわかってしまった。突き抜けてしまった感覚があった、もう元には戻れぬ。18歳の時に人生の選択肢、公認会計士になるという中学生以来の夢を捨てたのである。マルクス『資本論』を超えよう、頭の中にはそれしかなかった。商学部会計学科の会計学関係の授業はレベルが低くつまらなかったので学部を超えたゼミ、哲学者市倉宏佑先生の一般教養ゼミの門をたたいた。東京の大学には一流の先生がいらっしゃる。経済学史で日本では当時ナンバーワンの内田義彦先生の授業もとった。大学院では一ツ橋大学元学長の増田四郎先生に院生3人で特別講義をお願いした。増田四郎先生は西洋経済史の大家だった。後に一ツ橋大学・学長になった阿部謹也先生は一番弟子である。増田先生がかれの話をするときはとっても嬉しそうだった。学風を受け継いでくれた、そして優秀だったからだろう。増田四郎先生の学風に触れたおかげで、階級闘争史観から脱却できた。緻密な実証研究積み上げの尊さを学んだのである。気がついたら、自分の研究テーマに必要な先生たち三人にもれなく巡り合うようになっていた、天の配慮としか思えぬ。

 答案練習には小寺さんの四項目箇条書法が参考になるだろう。例題を百題ぐらいそれぞれポイントを四項目の箇条書にまとめ、それをもとに作文するようなトレーニングが有効だ。小寺さんの書いた本が日商簿記1級攻略の武器になる。5冊あったのですが、高校生にあげちゃいました。ひょっとして1冊あるかもしれません。…探したらありました。1冊しかないのでプレゼントはできませんが、貸すことはできます。

 日商簿記2級合格までの勉強のやり方、スケジュールを二人の生徒について弊ブログに記録を残してあるので、受験するつもりのある人は参考にしてもらいたい。

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根室まで来てくれた小寺さんの著書ですが、すでに絶版です。
*#3277 進路選択と就活のために: 『夢こそ生きる力』 Apr. 29, 2016
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-29

『総合力アップのためのガイドブック 夢こそ生きる力』
 原作小寺次夫、編集鈴木朗、イラスト鈴木萌花(高校1年生)、2016年4月15日発行、
 出版社「星奈のお店」、本体1200円+消費税
   ISBN978-4-9908905-0-6
*http://www.seina-shop.com/
 
http://www.seina-shop.com/service/book.html

#3872 文章作成の要諦:リンボウ先生 Dec. 5, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05

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*#235 日商簿記2級 1年生チャレンジャー  July 27, 2008
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-07-26-1

 
#239 日商簿記2級 1年生チャレンジャー(2) July 31, 2008
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-07-31

 #273 
1年生 日商簿記2級トライアル(進捗状況)
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-08-26

 #400 
日商簿記検定試験(11月16日)
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-11-16

 #403 
高校1年生2級合格者はでるのか?日商簿記検定試験結果(速報)
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-11-17

 #423 簿記2級1人合格(商工会議所簿記検定試験結果:確報)
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-11-29

 #448 早い!高1で中村君日商簿記2級合格(北海道新聞より)
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-18

 
#449 根高1年日商簿記2級に合格(根室新聞)
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-18-1

 
#1305 根室高 資格取得で成果:5科目1級取得者はK君
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-17-1

 
#1404 全国商業高校協会検定1級3科目以上」倍増24人(1) Mar. 4, 2011
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03

 
#1442  うれしい知らせ :北海道教育大札幌校合格の電話あり Mar. 24, 2011 
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-24

 
#2579 いろいろある進路選択肢:普通科+日商簿記検定試験2級⇒明大商学部 Jan. 31, 2014
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#2994 大学時代に何をしておくべきか(1) Mar. 8,2015
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