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#4367 電子決済「ドコモ口座」開設詐欺 Sep 11,2020 [8. 時事評論]

 NTTドコモの電子決済サービスの「ドコモ口座開設」手続きの本人確認がルーズだったために、詐欺被害が発生している。丸山誠治ドコモ副社長は「ご迷惑をお掛けし深くおわびする。本人確認が十分ではなかった」とアナウンスしたが、まるで他人言のように聞こえた。信じられないようなお粗末な本人確認手続き、詐欺被害に遭ってもあたりまえ、社内のセキュリティチェック機能がないのではないか?
ドコモ口座詐欺、未開設でも欺被被害にあうことが明らかに、SNS上で注意喚起広がる
 NTT子会社副社長にはこの程度の人材しかいないのか?まるでマネジメントができていない、正直いって驚いた。
 なぜああいう物言い(被害の救済については具体的なことをひとつも触れない、「ドコモ口座」開設システムを造るに際して社内のセキュリティチェック機能についても具体的な言及がない)になるのか、一利用者からクレームがあっても聞き流せばいいと思っているのだろう。万が一訴訟を起こされても、会社には顧問弁護士がついており、訴訟にいくらでもお金をつぎ込めるし、そのコストは経費扱いだから、ちっとも痛くない。このような背景があって社内のセキュリティ・チェックは甘くなる。世の中で頻繁に起きている詐欺手口すら想定しない愚かなシステムができあがってしまう。


 口座とパスワードとメールアドレスがあれば、ドコモの電子決済専用口座を開設できる。口座とパスワードが情報が出回っていることは承知の事実。口座開設時に本人手続きを厳格にしないと詐欺に遭うのはあたりまえ。あの大会社のドコモが…ど素人の集団じゃあるまいし、セキュリティ意識がなさすぎ。


 1980年代中頃に臨床診断支援システム開発とその事業化を夢見て、予備調査をしたことがある。標準フォーマットを産学協同プロジェクトで検討し、標準化して光カードをカルテにできないか検討した。そのころは光カードと電子チップ埋め込み型のカードが開発されて広がりだした時期である。フランスはすぐに電子チップ埋め込み型のカードへシフトしたが、日本の銀行は磁気カードのまま、容量の問題もあって暗証番号は数字の4ケタ、これが電子チップ埋め込み型になってもいまだにスタンダードである。電子チップになったのだから、桁数には制限はないし、簡単なプログラムだって書き込めるだろう。いくらでもセキュリティを強固にできるはずなのに、なぜか旧態依然の部分が残っている。インターネット詐欺師にとっては日本は天国だ。
 銀行システムは大手2行が合併したときにも大問題になる。どちらのシステムに統合するのか、両方併存でわけのわからないものになりがちだ。根本から作り直しはほとんどのケースでやれてないだろう。ましてや、セキュリティに視点を置いたシステム全体の見直しなんてできている銀行はあるのか?全銀システムというのがあるらしいが、そこの仕様から見直す必要があるのでは?世界で稀に見る脆弱なパスワードの数字4桁というのは全銀システム仕様ではないのか?

 1990年代中頃、暗号システム開発のエンジニアと話をした。日本の銀行システムはセキュリティが脆弱すぎるとあきれていた。「裸で情報が流れている」から、ネット上で口座番号とパスワード情報を簡単にピックアップできる、犯罪になるからしないだけだと笑っていた。当時は米国の暗号キーに関する輸出制限があって、256ビット以上の暗号キーを使う暗号システムは日本へは輸入できなかった。日本に住んで、日本に法人を作ってそこで開発すればOKである。優秀なエンジニアに見えたし、製品の性能は圧倒的に良かった。数十枚の画像情報を暗号処理するのに1秒程度の処理時間、性能がよすぎて、暗合関係の専門書を見ても暗号キーの強度が大きいにもかかわらず、処理時間が短すぎて仕組みが見えず不安もあった。
 臨床治験データの原始データ保管に暗号強度の大きなシステムの導入を考えていたので、何社かと話し合いをしていたときの一コマである。

 情報の安全に対して日本人や日本の企業はのんびりしすぎてる。せめて、いまある詐欺の手口を防ぐくらいの意識をもってセキュリティ対策を施してもらいたい。

 デジタル通貨が言われ出しているのに、これではドコモも銀行システムもまるで信用できない。ひどい話だが、被害に遭えばそれを取り戻すのは「自己責任」ということになる。現金決済が最強のセキュリティであることが見直される。
 ドコモに問い合わせたって、木で鼻を括る様な返事しか返ってこない。カード決済でもそうだが、詐欺で失われたお金を取り戻すのは容易ではない。カード会社や銀行との交渉事が待っている。
 弊ブログ#4362でデジタル通貨のリスクを取り上げている。次のようにリスクに言及した。


「デジタル貨幣の弱点は銀行口座番号とパスワードを盗まれたらあっというまに預金がゼロになること。この種の犯罪をとめる手立てはない。預金はそれが消えてもすぐには見えない。預金がゼロになる、あるいは盗まれてなくなる心配をずっとし続けなくてはならないし、安全対策は自己責任となる。安全対策を完璧に実施できる人がいるだろうか?デジタル通貨は極めてリスキーなのだ。」


#4362 デジタル通貨の未来:今日は全道停電を引き起こした胆振東部地震の日 Sep. 6, 2020


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#4366 ライン配信方式「英作文千本ノック」: Sep. 10, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

とつぜん思い立って、1月中旬から始めたライン配信方式での英作文特訓は8か月がたちます。昨日は110回目の英作文問題を配信しました。
 大西泰斗先生のNHKラジオ英会話の本文と解説をそのままWORDにタイピングして、生徒との対話授業で付け足すところがあれば、加筆しています。問題を追加することもあります。要は臨機応変にやっているということ。

 NHKラジオ英会話のテキストは単なる材料なのです。英検準2級と英検2級に初めてトライしてどちらもハイスコアでクリアした生徒に最適で良質なものを選びました。読解は高校教科書を全部やった後に、ハラリのSapiens原書講読授業で英文読解力アップトレーニングと並行して、リスニング対策として会話文をやっておく必要があったからです。Sapiensはすでに1年間やっています。左サイドバーのカテゴリー欄に「44-3原書講読講座Sapiens」に授業で生徒から質問のあった文章の解説で面白そうなものを選んでアップしてます。生成変形文法に基づいた解説になっていますが、50ページまでやり続けて生徒はやり方を熟知してますから、教えることはもうほとんどないと思います。後は意味のチャンクごとにスラッシュを入れながら、頭から読み解いていけばいい。速度は2倍くらいにはなるでしょう。もう下地はできあがっています。下地作りまでがわたしの役割で、あとは興味のある分野の洋書を選んで好きなように読めばいいのです。もちろん、Sapiensの続きを読んだっていい。50ページまででおおよそ16500語ですから、高校3年の英語教科書「Vivid Ⅲ」の3年間分の分量です。精読に1年と1か月間かけました。これからはスピードアップ・トレーニングへシフトします

 英作文にNHKラジオ英会話を選んだ理由の一つは、担当の大西泰斗先生の英語指導法が認知論に基づく新しいアプローチだったからです。イメージを中心にした語彙理解や英文法は最近20年くらいで指導法がずいぶん進化したと同時にポピュラーになりました。

 でも、教材がよくても、問題文をライン配信しても、自力でやってこない人には効果が小さいのです。大西先生の解答と解説を翌日午後10時に配信するのでそれを見て正解を知るだけ。たしかに文法や語彙の勉強にはなります。

 ライン配信した翌日に英作文をやってきた生徒には、15分くらいで答え合わせと正解の英文がどれほどコンパクトですぐれたモノであるかがわかるような解説を心がけています。最初の3か月は冠詞を中心にノックしました。冠詞が変わるとニュアンスが変わります。日本語にない機能なので理解がむずかしいので、具体的な文章に即して解説するのがいいのです。

 冠詞類A={無冠詞(∅)aanthe}、名詞類B={名詞の単数形と複数形}とすると、集合Aと集合Bの4×2の多対多対応です。a, anと複数名詞の組み合わせだけはありえません。30年前は冠詞に関する参考書が、一つだけありましたが、満足のいくものではありませんでした。役に立ったのは、Alan S.Brender 'THREE LITTLE WORDS A, An, The'のみでした。この本でトレーニングしてようやくわかった気がしました。
 著者や話し手が冠詞を操ることで脳内にどのようなイメージを創り上げているのか説明しています。書き手や話し手が脳内につくりあげたイメージを精確に自分の脳内に再現するのが文章に理解だと生徒に伝えています。ライン配信の作文問題をやってきた生徒は3か月で冠詞類の使いかたに迷いがなくなったようです。呑み込めたのです。3%くらいはまだ届かない部分があります。たくさん読んで事例にぶつかり、その都度考えるでしょう。それで十分です。そこは塾の役割ではありません。
 英作文問題を翌日やって来れば、大西泰斗先生の解説にさらに付け加えた解説をします。そこが対話方式の個別指導の強みなのです。半年もたつころには3-4割くらいがテキストそのままの文、それ以外も正解文例はあるので、正答率は8割ほどに上がりました。
 肝心なのは良質のテキストを使うことと、対話方式での解説、これが「英作文千本ノック」を動かしている車の両輪です。

 英語の学習においても視野を広く持つことは大切です。古ゲルマン語がドイツ語と英語に分化したのは5世紀ごろではないかと推測されています。英語はゲルマン語に属しており、近縁関係にあるドイツ語と文法規則が類似しています。英語で理由のわからない事項は、ドイツ語の文法と比較すると、その理由がはっきりすることがあります。
 高校分野で新しく出てくる仮定法はドイツ語では接続法です。なぜ、I wereなのかは英語の範囲では説明がつきませんが、ドイツ語の接続法を例に挙げて説明すると納得がいきます。動詞に接続法第2式をいう変化形があります。仮定法について投稿欄で議論があったときに、英語とドイツ語の達人「後志のおじさん(ハンドルネーム)」が指摘しました。彼は、ゲルマン語系の言語であることを意識して思考する人でした。
 もう一つ付け加えると、知覚動詞とともに使われる動詞が基本形であることも、ドイツ語文法を見ると納得がいきます。知覚動詞は助動詞などとともに「準助動詞」なので、動詞の基本形とセットで使われます。ドイツ語では「基本形」とか「原形」とは言わずに、「不定形」と言います。
 I see them play tennis.
 Ich sehe sie Tennis spielen.
 もちろん生徒の学力を無視してこんな説明はしません。生徒が疑問を感じて質問すれば答えます。あるいはこの生徒ならここまで説明したほうがいいと感じたら、高校英語あるいは大学の教養課程の英語の外側へ躊躇なく踏み込みます。だから、対話型の授業が楽しい。
 英語とドイツ語の文を比較してみると、英語で知覚動詞のseeは動詞の原形playを伴なう理由がよくわかります。英語の勉強を英語という狭い視野で考えていると、答えの出ない問題にいくつも突き当たります。
 生徒はいつ・どのような質問をするかわかりません、だからごまかさずに答える用意はしておかなくてはならないのです。わからないときは「わからないので調べて次回説明します」と答えるほかありません。真摯に調べることで、自分の知識が広がると同時に今まで知っていた知識が別の新しいつながり方をします。シナプスが伸びて別の立体構造に組みあがるのが手に取るように実感できます。だから、教えるということは学び、すなわち自分の知識構造を組み替えるとか再構築するということと等価です。 

 すでに実施・消化したのは110回分、約800問題。昨夜第220回分を作ったので、おおよそ1650題が20回分ずつ小分けされたWORDファイルにおさまっています。打ちっぱなしにするとタイプミスが出ますから、校正がたいへんです。自分で校正してミスがないだろうと思っても、翌日生徒から「こことここにタイプミスがあります。・・・ということだと理解してやってきました」、そんな場面はしょっちゅうです、とってもありがたい。本にしてすでに450頁ほどの分量になっていますが、300回までやれば2000題、年内に600頁を超える英作文問題・解説集になります。基本は大西泰斗先生、それに生徒とわたしが少し付け加えて出来上がります。
 言いたかったことは、NHKラジオ英会話のテキストは単なる材料でして、このトレーニングの本質部分は生徒がつくりあげた英作文をまな板に上げて、15分間の対話形式の授業によって「切れる英文」へと仕上げることにあります。
 塾で問題プリントを渡してその場でやらせたら、1-1.5時間かかる授業がライン配信して家庭学習でやるか、学校で暇な時間を見つけてやってくることで、1115分間ほどの対話授業に短縮できるのです。それを週4回やったのですから、効果が大きくないはずがありません。でも、週1でもいいでしょうね。
 英語の指導はとっても手間がかかりますし、生徒本人の努力を要求します。どちらが欠けても成立しません。
 わたしの理想は、自分が中高生だったら、こういう塾で学びたいというところにあります。このごろようやく近づいてきたような気がしています。


<余談:思いがけぬ効果あり>
 「英作文をやり始めてから、並び替えの問題にミスがなくなりました」とは生徒の弁です。英作文トレーニングを積んだことで、文例が頭の中にたくさんあり、並び替えが間違っていると、違和感が働くのです。そして複雑な構文はハラリSapiensでたくさん出くわしています。鬼に金棒。

<余談-2:ドイツ訛りのような英語>
 1988年ころに染色体画像解析装置を3台購入したことがあります、もちろん、仕事ですよ。臨床検査会社で機器購入を一人で担当していた時のことです。英国のエジンバラ大学と画像解析装置開発会社の共同研究でできた製品です。エンジニアがしばらくいて現地組み立て調整していました、彼の英語はドイツ訛りのようなゴツゴツした英語で聴き取りやすかった。スコットランド人の彼の英語にはゲルマン語系の匂いが強かったのでしょうね。染色体に関する分厚い専門書を書いている副社長にラボ内で講演してもらいましたが、こちらは見事なセレブの英語、歌うような話し方でした。ああ、思い出しました、IRS(Image Recogunition Systems)という名前の会社でした。輸入総代理店は日本電子輸入販売、担当はS野さんだった。S野さん、お陰でいい仕事させてもらいました。有能な営業マンだった、元気にしてるかな?
 ニコンの子会社のニレコ社と染色体画像解析装置の共同開発をやっていたのですが、ニコンのレンズと当時最高速の画像処理用コンピュータであるマジスキャン社の製品を使っても、1検体1時間以上の性能が実現できませんでした。これでは顕微鏡写真を撮って染色体を大きさの順に並べて切り貼りしたほうがまだ早い。採算上お話になりませんでしたので、ラボで機器購入を任されてすぐに整理することに決めました。それまでの開発費を支払って染色体課と検査管理部にあきらめてもらいました。その直後に、虎の門病院に30分で4検体処理できる染色体画像解析装置があるという情報があり、連絡を取って、サンプルを持参してテストさせてもらいました。特殊なサンプルでなければそんなスペックは無理と思ったからです。なんと20分で5検体処理できたので、すぐに導入を決めました。ラボ管理部のO形さん、染色体課長のI原さんと三人でサンプルをもって虎の門病院を訪れました。なぜ、そんなに高性能だったかは弊ブログのどこかに書いてます。世界第2位のレンズメーカの子会社との共同開発でしたから、レンズにこだわった、それが間違いの元でした。データ入力に使っていたのはCCDカメラ、データ処理用に使っていたのは自作のボードコンピュータ、マッピングではなくてプリント基板でしたからおそらく100万円程度のコストでした。量産体制でのコストに見当がつけば、価格交渉やそれ以外の条件ツケ交渉がスムーズにやれます。ここまでの線なら利益が十分に確保できるから、製造メーカに飲めるだろう、輸入総代理店にはこういう情報と条件提示をすれば、営業マンが担当役員のyesを引き出せるだろう。実際にそうしましたし、こちらの思惑通りの仕事仕事になりました。
 産業用エレクトロニクス輸入商社で6年間働いていた時に、技術部で開発していたマルチチャンネルのマイクロ波計測器の開発にタッチしていたので、開発エンジニアとしょっちゅう話す機会があって、プロトタイプの作り方や量産段階への移行、関連コストについては専門知識があったので的確な判断ができました。商社としては初めての自社製品開発でしたから製品のプロトタイプの開発費や量産段階の原価計算のトレースを任されていました。社内の業務についてもいくつかコンピュータシステムを設計し、実務フローデザインやプログラム仕様書を書いていたので、プログラム仕様やプログラム開発のどれくらいの工数がかかるかもいくつか前提条件を置いて考えます。製品の実物を見ただけで、コスト構造や開発手順のおおよそが具体的に見えてしまいます。どこで何が役に立つかわからないものです。
 マジスキャンは当時2000万円くらいしたのではないかと思います。それがコスト100万円ほどの自作のボードコンピュータで十分。データの入り口にCCDカメラを使っていました。それで後処理工程が簡単になってました。
 いまSRL八王子ラボで何台動いているのだろう?当初3台だったから、倍にはなっているでしょうね。日本最大の染色体画像解析データがSRLにあります。染色体研究にこのデータを使えば宝の山です。学術論文がいくらでも書けるでしょう。患者の式別データにマスキングして、外部の研究者がこのデータにアクセスできるようになることを期待します。


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Three Little Words: A, An, and the (A Foreign Student's Guide to English Articles)

Three Little Words: A, An, and the (A Foreign Student's Guide to English Articles)

  • 出版社/メーカー: Delta Systems Co Inc
  • 発売日: 1991/08/01
  • メディア: ペーパーバック

 amazonを見るとペーパーバックで62頁となっているので、わたしの持っているのとは違いますね。
 マグロウヒル出版社が1991年に出した5刷で185頁あります。書名もカッコの中が違っています。(A Systematic Approach to Learning English Articles)となっています。
 どうやら、英語を外国語として学ぶ学生用に1/3程度に簡略化した本のようです。



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#4365 水曜日:英語特訓授業 Sep. 9, 20204 [63. チャレンジ(教育)]

 毎週水曜日は仕事はお休みだが、4月から英語が嫌いな生徒用に、教科書の音読と読解トレーニングをしている。偶数月は1年生対象、奇数月は2年生だが、2年生で英語特訓授業希望者は二人のみ。3年生に希望者がいれば受け入れている。
 2年生の一人は生徒会で来られず、もう一人も奇数月が2年生だということを忘れたのだろう、来なかった。長文読解の苦手な3年生の2人がこの授業に参加している。この二人は受験でお尻に火がついているので、熱心だ。
 2年生が来れば2年生の教科書「Vivid Ⅱ English Comunication」をやるのだが、3年生だけだからVividⅢを使うことにした。昨年9月から3か月間特訓授業をして5章/9を消化しているので、やりたい章を聞いたら、「Lesson 6 Etymology: Wonders of Words」を挙げたので、そこをやることにした。

 この章は語源がテーマである。
 salaryの語源がラテン語のsalarium(塩貨幣(いわゆる商品貨幣))に由来し、sausageはラテン語のsalsicium(塩漬けの肉)に由来する。どちらのラテン語もsalを含んでおり、saltを意味している。つまり、塩saltが共通の語源というわけ。

 Part 2ではポジティブな意味とネガティブな意味への意味の歴史的変遷が取り上げられる。Part 3では意味の拡張や一般化と、意味の縮小あるいは狭隘化が取り上げられている。数学で数概念の座標概念の拡張や一般化(公式化)がなされるが、数学が得意な二人にとってはわかりやすい話だ。


 学校ではまだ1章しかやっていないようだ。プリント主体の授業で教科書はほとんど取り上げない方針なのだろうか。教科書を繰り返し音読し、意味をつかんでまた繰り返し音読することは英語学習の基本だ。だから、特訓授業では3-5回読んでから、文型と意味の解説している。後戻りせず、頭から英文を読むトレーニングを教科書の文を使ってやっている。通訳が使っている方法だ。後戻りする普通の読み方に比べて、読む速度は2倍以上に簡単にアップする。
 スラッシュの入れ方が問題で、慣れてきたら意味のカタマリをなるべく大きくとって読んでもらう。スラッシュのいれ方は意味のカタマリ(chunk)ごとに入れる。トレーニングを積まないと、どこまでが意味のカタマリをなしているのかわからないものだ。次第に慣れてくるから辛抱強くついてきたらいい。
 週1回水曜日2時間の授業で、ひたすら音読と頭から読み込む作業を続ける。大きな声で高速音読するから、少々眠くても、眠気なんか吹っ飛んでしまう。
 今夜はよく眠れるだろう。わたしも水曜日の夜は程よい疲れでよく眠れる。2時間つき合ってくれた3年生二人、ご苦労さん。

(ここまで文書作成時間:20分)


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#4364 定期テストの点が取れない:C Sep. 9, 2020 [52. 数学]

 #4359で紹介した生徒が定期テストをもってきた。その得点は平均点に達しなかった。なぜ?

 原因を突き止めたくて間違えた個所をチェックしてたら、この2週間ほど徹底的に穴潰ししたはずのところが元に戻ってしまっていた。30点ほどそれで失っていた。ひとつづつ「これはこの前こう解説したあの事例...」、いくつかピックアップしたら様子がヘン。悔しくて、不甲斐なくて、嗚咽している。「くやしぃぃぃ!」なんて一言もいわないが、心の声が聞こえてきた。
 たとえば、三角関数をtの式に置き換えて処理した問題があった。実際の式は少し違うが以下のようなもの。
 y=-t^2+2t-2

 平方完成する前にマイナスをかけてしまった。t^2-2t+2としたのである。単なる式の展開と方程式は区別しろと、xを使った2次式で、数日前に具体例で方程式の場合と式の展開の場合を説明してあった。2次の項の係数が2/3のようなとき、式の展開なのに3倍して分母を払ってしまっていた。そこは理解したのだろう。ところが、三角関数の2次関数でしかもxではなくてtの式へと文字が違うだけでそして2/3ではなくて―t^2と係数がマイナス1になっただけなのだが、試験中のストレスで違ったものに見えてしまったようだ。
 そういう「隙間」に陥ったときに長年習慣になっている式の展開と方程式の解き方の混同が顔を出してしまう。中学生の時から4年間かけて習慣化して身についてしまった癖は数年かけなければとれない場合がある、性格を直すようなものだから。でも、時間をかけて治せる。この手の問題を繰り返し解いて、癖を消してしまう。相当量の問題をこなす必要がある。大丈夫だ、そのための個別指導である。かならず、数学の得点は高い所で安定する。

 全国模試では英語の偏差値が一番低かった。発音はとってもいい、しかし文字の書き方に独特の癖がついてしまっている。nとtがそれぞれhとℓに見える。学校の先生も塾の先生も、どうして注意しなかったのだろう。わたしは珠算を習っただけでなく高校生の時に高橋珠算塾の高橋尚美先生に頼まれて汐見町の分塾で生徒50名ほどを教えていた経験があるから、誤読の生じるような数字の書き方はとっても気になる。また仕事でシステム開発をしていたので、プログラム仕様書を書くのに数字や英文字で誤読の生じるような書き方はしない。生徒にも誤解の生じない字体で文字を書くように指導している。いったんついてしまった癖をとるのは本人が意識して正しい文字を繰り返し書いて、身体に染み込ませるしかない。このままでは入試のときにペケにされても仕方がない。
 2月から、ライン配信で改訂版の「英作文千本ノック」をやることになる。さて、どこまで化けてくれるか楽しみだ。いや、本人にやるつもりがあるのだから、こちらの指導の仕方が問われる。
 いくつになっても、教えるって言うのはチャレンジだ、だから楽しい。


おまけ:投稿欄でのやり取りが楽しかった記事です、話題の中心は数学。タイトルはここで採り上げた生徒の発言です。

#4072 「先生、土日やってないんですか?」 Aug. 31, 2019


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#4363 地産地消地廃の原則:使用済み核燃料問題 Sep. 7, 2020 [14. 原子力発電]

 夢の高速増殖炉「文殊」の廃炉が決まったのは2016年12月だった。1985年の着工以来、31年間1兆円の巨費を投じても一度も電力を生み出せずに、繰り返し深刻な事故を起こしてようやく廃炉が決まった。
 ナトリウムを使った高速増殖炉は英国では火災事故を起こしてとっくに廃止を決めていた。フランスの高速増殖炉SPXスーパーフェニックスは2006年から廃炉作業が始まっている。廃炉作業は冷却用のナトリウムの取り扱いが難しいので30年かかるそうだ。空気に触れれば発火するし、水に触れたら爆発する。日本政府は文殊の廃炉と同時に「試験炉」の設置を決めている。

 夢の「核燃料サイクル」計画はついえた。

 水道のどこかがこわれて蛇口から水があふれだしたら、元栓をとめてから故障の原因を調査し修理するのはモノの道理だ。原子炉稼働を停止し、使用済み核燃料についての処理と処分についての議論が必要なことは論を俟たない。
 議論百出のようだから、「地産地消地廃」という考えを提起したい。

 原子力発電については「地産地消」が崩れている。事故を起こした福島第一原発の消費地は東京である。これを「地産地消地廃」の三点セットで考えようということ。「地産地消」になっていない現状はそのまま受け入れるとして、新規原発については三点セットでないと認めぬことを法律に明記したらいい。原発が必要だという市町村はないだろう。
 大電力の消費地の住民が、原発はとっても危険だから自分たちの地域には設置してほしくない、もっと危険な高濃度核廃棄物の最終処分地も他で検討してもらいたい、そんな自分勝手が許されてはいけない。「地産・地消・地廃」を原則にしていろいろ考えた結果、原発がノーならコストが高くついても受益者負担でいい、他の電力供給体制を整備しよう。


 原発を稼働させていままでため込んだ使用済み核燃料は再処理して嵩を小さくして保管するしかない。高濃度核廃棄物が生まれる。それをどうするかの議論の土台に「地廃」を据える
 国会議事堂地下に1%を、各都道府県議会施設あるいは都庁等の施設の地下に3%を、原発施設のある市町村に10%を札幌市や東京都のような大電力消費地に30%を、そして残りの46%の保管方法と最終処分地について議論したらいい。
 大陸プレート四枚がせめぎ合う場所にある日本列島で、10万年単位で地下埋設地で安全な場所などあるわけがない。根室半島だけ見ても5500年間で13回の千島海溝を震源とする巨大地震による大津波の痕跡が地層に残っている。長さ300kmの断層が25mズレるとM8.8の巨大地震が発生する。
 10万年後の日本列島がどういう形になっているか誰にもわからない。それは他の地域でも同じことだ。

 根室市は水産業と酪農の町である。最終処分地になり、福島のような事故が起きれば、放射能汚染で水産業も酪農も壊滅するだろう。年寄は被爆してもしかたがない、しかし放射能感受性の高い子どもたちは甲状腺癌を多発し、内部被爆によって引き起こされるあらゆる遺伝子傷害を背負いこんで暮らすことになる。これは悲惨だ。
 万が一高濃度核廃棄物から大量の放射能が漏れたら、故郷を失うことになる。そういう覚悟がいる厳しい議論を始めなければならないのだろう。

「福島の子ども甲状腺がん検診「縮小」にノーベル賞の益川教授らが怒りの反論! 一方、縮小派のバックには日本財団」

**千島海溝巨大地震、400年前に24メートルの津波 北海道東部に残る痕跡で推定

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#3792 四百年に一度の巨大地震が千島海溝付近で起きたら:仕事は段取り8分 July 26, 2018



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#4362 デジタル通貨の未来:今日は全道停電を引き起こした胆振東部地震の日 Sep. 6, 2020 [A5. 通貨の未来]

 NHKラジオ朝7時台の番組を聞いていたら、デジタル通貨に関する本の著者・澤大学教授中島真志さんが出てきて面白い解説をしてくれた。
 ビットコインのようなデジタル通貨が紙のお金にとってかわるかに見えたが、いまは「暗合資産」に分類されて、投機の対象となっており、通貨としての未来はないことがはっきりしてしまった。投機商品は通貨にはなり得ない。いま有力なのはFB社が計画している通貨「リブラ」である。これは各国の中央銀行の抵抗にあって、実現がいまのところ暗礁に乗り上げている。後で論ずるが通貨主権の問題がある。その虚を突いてデジタル人民元の準備が整ったようだ。中国の高官が相次いでアナウンスしているという。2022年北京冬季オリンピックで大々的に宣伝・実施になるようだ。中国は2014年ころからデジタル人民元の検討に入っている。中国の意図は明らかである、デジタル通貨の覇権を握ることで、人民元を世界貨幣に押し上げようとしている。
 通貨は、綺麗な貝殻などの商品通貨として現れ、金属技術が確立すると金属貨幣の時代へ変わる。鋳造技術がよくなるとコインや小判のような鋳造貨幣へ進化し、近代国家が現れると紙幣通貨の時代へと移る。時代時代で、最先端の技術を駆使して貨幣はその姿を変えてきた。それゆえ中島氏は、デジタル通貨への移行もまた必然だと主張する。ここまでが中島氏の解説である。

 デジタル通貨への移行が必然として、中身がどうであるかが問われる。いくつかの問題が予想される。
 三つ気になることがある。
●一つは通貨主権の問題である。
●二つ目は紙幣との関係がどうなるか。
●三つめはデジタル貨幣のリスクである。便利なものはリスクも大きい。

 通貨主権の問題:貨幣がすべてFB社の発行する世界貨幣「リブラ」に切り替わったと仮定すれば、問題点が明瞭になる。たとえば、日本政府は国債発行が困難になる。国債の金額表示は単位がリブラになるので、金利は金融市場の相場にゆだねることになる。1000兆円もの国債を超低金利で発行などできるはずもない。すぐに日本政府財政は破産することになる。国債発行に抑制が働くからそれはそれでいいのかもしれない。デジタル世界貨幣の出現は、各国中央銀行が金利政策のフリーハンドを失うことを意味する。これは国家主権にかかわる問題である。赤字国債の発行は相応の金利を支払わなければならない。金利操作による景気浮揚策も株価操作も失うということ。
 紙幣との関係:2018年9月6日(偶然にもちょうど二年目)の胆振東部地震による北海道全域の停電が教えてくれている。たった3日間の全道一斉停電だったが、お金は下せないし、コンビニでモノを買うときにも紙幣でなければ、支払いができない。日本のような自然災害の多い国では、経済の安全を確保するために全部をデジタル通貨にはできない。紙幣やコインが残るだろう。
 リスク:デジタル世界貨幣には三つの欠陥がある。
 現物がない。日本では上場株式がすでにデジタルデータに切り替わっている。もし、大気圏へ核ミサイルの攻撃があれば、世界中の電子機器が破壊されてしまう。そのとき、デジタルデータでしか存在しない通貨も消滅してしまう。
 デジタル貨幣の弱点は銀行口座番号とパスワードを盗まれたらあっというまに預金がゼロになること。この種の犯罪をとめる手立てはない。預金はそれが消えてもすぐには見えない。預金がゼロになる、あるいは盗まれてなくなる心配をずっとし続けなくてはならないし、安全対策は自己責任となる。安全対策を完璧に実施できる人がいるだろうか?デジタル通貨は極めてリスキーなのだ。
 デジタル通貨はカード支払いと同じ弱点をもっている。お金の管理のできない人が半数くらいいそうだ。カード破産はデジタル通貨になればもっと範囲が広がるだろう。紙幣やコインなら持っているお金が減れば、だれでも抑制ができる。だがデジタル通貨は目に見える通貨はないから管理が難しい。

 どうやら国家主権の問題を置き去りにしながら、便利さと(送金)コスト等の安さゆえに、多少の安全性を犠牲にしつつ、否応なしにデジタル世界貨幣が生まれる時代にわたしたちは生きているということ。
 ヨーロッパでは戦乱に明け暮れて、国家が消滅するなんてことが起きてきた。そういう時に備えて、宝飾品や金をもつのがあたりまえ。紙の通貨をもって逃げても、発行している国家が消滅すれば一文無しになる。だからEUができて、€という通貨が生まれた。ユーロなら国が消滅してもEUという発行元には瑕がつかない。

 貨幣の虚構性は紙幣からカードへそしてデジタル貨幣へとさらに拡大しつつあるその虚構性の膨張に反比例するように、現実の世界貨幣として金が機能するいまでも世界貨幣は金、究極の貨幣は金なのだ。安全資産として金こそが最強の通貨である

 日本政府は今年度100兆円もの新規国債を発行する。残高は1000兆円を越える。日銀は金利が上がっても、保有している上場株が値下がりしても、債務超過になる。そのときに通過円がどうなるか知れたものではない。リスクヘッジは自己責任である。預金を3割減らして金地金でもち、政府財政破綻や日銀債務超過に備えるしか選択肢は思い浮かばない。上場企業がリスクヘッジのために、その預金を外貨に切り換えたり、金地金を購入して貸金庫に預ければ、金相場は高騰するだろうし、為替相場では円がとめどなく安くなる。輸入品の価格が高騰することになる。あらゆる原材料が一斉に値上がりし始める。
 財務省がある朝、預金封鎖を宣言して、それまでにためていたお金を召し上げなんてことが起きる。実際に1946年2月16日に起きている。新円切り換えがなされ、それまでの通貨は使用不能になった。
 庶民の対抗手段は銀行預金の1/3を金に切り換えるぐらいなものだ。不動産価格は人口減少で長期低落は避けられないから、リスクヘッジにならない。金地金は自宅に保管すると盗難のリスクがあるから、その管理もなかなかたいへんである。
 金市場は世の中の動きに敏感である。大きな戦争や感染症パンディミックが起きれば金相場が跳ね上がる。年初には1オンス1500ドル付近だったのが9月には1900ドル台へ急上昇している。もちろん、新型コロナの影響とみてよいのだろう。
 新型コロナ・パンディミックで金相場が急上昇すると読んで金買いに走った投資家は短期間で大儲けしている。ドルがデジタル人民元に負けても、日本政府が財政破綻して預金封鎖をしても、真の世界貨幣である金で保有する者は資産安全性は盤石だ。

 日本政府が心配すべきは、領土領海だけではない、通貨に関しても中国への警戒を怠ってはならぬし、対抗手段を具体的に準備すべきだ。国債を膨らませている場合ではない

<余談:出でよ通貨戦略立案のできる人材>
 首相官邸に官僚が集まっているが、忖度のお上手な者や私利私欲のちっちゃな輩ばかりで、具体的な国家戦略を練ることのできるスケールの大きな人材がいない。こういう時に菅総理大臣と安倍政権から引き継いだ官邸官僚で時間をロスすることになるのか。大きな人災だ。
 ここまで書いてもピンとこない人がいるだろう。森友学園問題、加計学園獣医学部問題、桜を見る会問題で文書改竄や廃棄が組織的になされ、そうした犯罪にかかわった官僚たち谷査恵子、佐川理財局長などが異例の出世を遂げている。違法行為に手を染めてまで忖度する官僚が出世するような官邸運営をやれば、国家百年の計を考える官僚は官邸には近づかないだろうし、育たない。

 自民党員のみなさん、国家30年の計をよく考えて、有能な人材を総理・総裁に選んでもらいたい。…健全な保守主義者の願い
 ああ、党員でも今回の総裁選には投票権がなかったんだ。

(文書作成時間40分)

<余談-2:自然災害と通貨>
今日は2年前に胆振東部地震が起きて3日間全道停電になった日である。コンビニもスーパーもレジが停止した。
●四百年に一度の千島海溝を震源とする地震は明日起きても不思議ではない。
●1923年の関東大震災以来首都直下型地震が起きていない。間もなく百年である。明日、首都直下型地震が起きてもだれも驚かぬだろう。
●富士山が噴火すれば首都圏は降灰が数十センチ降り積もり、飛行機は全面ストップ、電車も麻痺、道路交通や水道や電気へも甚大な影響がでるが、それも明日起きても不思議ではない。1707年の宝永大噴火から300年以上が過ぎている。
●東南海連動型地震が懸念されている。巨大津波が太平洋岸を襲う。原発は無事ですむのか?宝永の大噴火は東南海を震源とする巨大地震、宝永の大地震の49日後に起きた。
 デジタル通貨になった未来にこうした大災害が起きたらどういうことになるのか、想像してもらいたい。
 備えあれば患いなし

 地元の信金の大地みらいさん、資金運用先がないなら、資産の何割かを金地金の運用へ切り換えることを検討したらいかが?信用金庫にかかわる法律との兼ね合いがあるだろうから、無理かな?



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アフター・ビットコイン―仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者―

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  • 作者: 中島真志
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/11/10
  • メディア: Kindle版

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#4361 光洋中学校体育祭 Sep. 5, 2020 [87.根室の話題]

 昨日(9/4金曜日)、光洋中学校でミニ体育祭をやってました。午前中だけでしたが、保護者の方々が100名くらいは見学していたようです。コロナコロナで楽しみな学校行事がゼロになってはかわいそう、規模縮小して実施したのでしょう。工夫してます。
 昨日11時の気温は20.6度。南南東のカゼ4.0m/s、湿度87%
(市街化地域の3中学校の体育祭は、いつもは7月10日ころに開催されています)

 三年生のリレーが最後の種目でしたが、転倒事故が起きました。見ているすぐ前で起きたので10mくらいの距離だったと思いますが、視界の右端に転倒する生徒が見えてました。転んで後転したときに首をひねったのがはっきり見えてました。そのまま動けない様子。担架で本部テントに運ばれて行きました。5分程見ていましたが、遠くからは身体が動かせないように見えたので心配しました。念のために病院でちゃんと検査して、ケガはなかったようです。よかった。
 先生たちも生徒の安全確保がたいへんです。気が抜けません。ご苦労様でした。

①ほとんどの人が立ったまま見学してました。
西側から撮っています。右に白く見えているのが本部テントです。
DSCN4006s.jpg


②大縄跳びです
勢いよく飛ぶので土煙が立ってます。縄を回す人はとってもたいへんそうです。DSCN4012s.jpg


③だんだん勢いがよくなっています
後ろから四番目の赤いベストの生徒はとっても高く飛んでます。頭の位置が高い。DSCN4013s.jpg


④リレーです
1年生と2年生では体格が全然違いますね。顔の真ん中付近にペイントくっつけてだれかわからないようにしてます。顔に何かつけて走っていたのではありませんから。バトン渡すときにちょっと込み合ってます。DSCN4027s.jpg


⑤このリレーは三年生かな、だいぶ大きい
3年生は2クラスですが、これを半分ずつに分けて、4グループでの対抗リレーでした。だから、バトンタッチの場所は一番込み合ってました。一緒に走るグループの数が多い方が見ているほうも、やっているほうも競争が激しくなるので楽しい。
カーブのところでバトンを受け渡すので身体が斜めになっていますから、接触したら重心が崩れて転倒しそうです。直線コースの真ん中でバトンを受け渡すとこんなふうに身体は斜めにならないでしょうね。念のために4グループでバトンの受け渡し実験を数回繰り返した見たらいかが?変更案が思わぬ欠陥をもっていることはありうることですから。

DSCN4030s.jpg


<缶蹴り・鬼ごっこ・ドッジボールの思い出>
 10年くらい前は、光洋中学校の生徒がバス通りの一本裏の道で、缶蹴り遊びをしていました。10人くらいで男女交えてはしゃいでましたね。缶蹴りや鬼ごっこをして遊んだ子どもたちは、走り方が違います。缶をケリに行くときも缶をけった後も全力で逃げますから。(笑)
 小学校卒業までは、近所の同じ年齢の女の子たちを集めていまの道銀のところがドッジボールができるくらい広い空き地だったので、そこでかくれんぼ、ドッジボール、缶蹴り、鬼ごっこして遊んでました。梅ヶ枝町3丁目角の菓子店「緑」のヤッコ、洋裁店のユッコ、理髪店のマーちゃん、花屋のケイコ、みんな懐かしい幼馴染です。ケイコの甥っ子がFB友、いいやつです。(笑)
 小学生の内は男女で体力差がそれほど大きくありませんから、一緒に遊べるんです。遊んでいるところが、それぞれの家から見えるので、安心・安全だったのでしょう。暗くなるまでよく遊びました。ユッコが一番お転婆だった。どうしてるかな。
 10年くらい前にヤッコは癌でさっさと逝っちゃった。あんなにたくさん遊んだのに年頃になってからは、話す機会がなかった。お空の向こうでヤッコは缶蹴りして無邪気に遊んでるかも。ヤッコのお父さんが、ビリヤードで一緒に遊んでくれた。男の子がいなかったので、かわいがってくれたのだろう。







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#4360 英作文千本ノック:第200回問題・解説作成、1500問題 Sep. 5, 2020 [49-4 英作文トレーニング]

 にわかに思い立ち、今年1月中旬から「英作文千本ノック」をスマホでライン配信方式で始めた。わたしはいまだにガラケイなので、メールで塾生の一人に送信すると、それをラインに乗せてメンバーにばらまいてくれる。

 昨日第200回目の問題と解答・解説を作り終えた。いま203回目に手を付けている。すでに来年2月分まで作成済み。
 NHKラジオ講座「英会話」の文例と解説を使わせていただいている。多少味付けすることはあっても基本はそのまま。大西泰斗先生の解説がいままでの受験参考書にはないもので素晴らしいからだ。
 英語のよくできる生徒には、ハラリのSapiensを使って「原書講読」授業をしている。これは長文対策用である。左サイドバーのカテゴリー欄に「44-3. 原書講読講座 Sapiens(41)」があるので、そちらをクリックしてもらえば、授業での解説内容がわかる。生成文法に準拠した授業で、大学3年次の外書講読授業レベル。大学院受験に対応できるレベルだろう。実際の受験にはその分野の専門書を数冊読む必要はあるが、読めるだけの英文読解力はつく。たとえば、医学専門書のほとんどはSapiensよりも構文がやさしい。周辺知識を蓄積すればそう苦労なく読める。わたしは仕事で2年間ほど、20誌ほどの英文の医学専門雑誌に目を通していた時期がある。大学院での専攻分野は経済学だから、経済学関係の本はもとより、3社で数年間統合システム開発を担当していたので、システム開発関係の専門書や会計情報システムに関する専門書も原書で読んでいた。日本ではこういう複合分野の最先端の専門書はこなせる学者がいないのか翻訳されないから、仕事では原書で読まざるを得ないのだ。チョムスキーの構造言語学関係の著作も翻訳がないので興味に任せて原書で読んでいる。どの分野の大学院へ進学するにも、構文に関してはハラリのSapiensで十分。専攻する分野の本を数冊読んで専門用語を蓄積しておくのはあたりまえだね。 
 弊ブログへの或る投稿者からの情報によれば、今年から大学入試にハラリの著作が出題されているらしい。ハラリの本は世界的なベストセラーで難易度の高い英文が詰まっているから、難関大学の入試問題作成担当の先生が取り上げやすいのかもしれぬ。
 読解はこれでいいとして、会話文も出題されることはあるので、英作文トレーニングは会話文主体で英作文問題をつくることにしようと考えていたら、NHKラジオ英語講座の「英会話」がよろしいように感じた。これがすらすら書けるようになれば(英検には英作文の出題はないが)、準1級相当の英語力は十分に身につく。

 平均7.5問ほどあるので、200回分だと1500題の問題と解説ができた。面白いので300回、2000題超ぐらいまで継続することにした。「英会話」の本文と解説をタイピングしているだけでもわたしにも勉強になって面白いのである。ヤメラレナイ・トマラナイというのが本音。
 200回までで来年1月分まである。残り100回分は使わないかもしれないが、2月からは2年生対象にこの問題を40回分ほど英検3級程度の学力の生徒でもやれるように、ヒントを入れて改作するつもりだ。300回まで問題を作り、解説をタイピングすれば、わたしのほうの作文スキルがアップしそうだ。(笑) 教えているのか学んでいるのかもうわからぬ。教えること=学ぶこと、混然一体で分けられない。

 英語の苦手な1・2年生用にはいま第Ⅲ文型のみの英作文トレーニングを実施している。分量は3年生に比べて1/10ほど。準備運動くらいのつもりでつき合ってもらっている。もちろん、強制ではないから、やりたくない生徒はやってこないが、ちゃんとやってくる生徒の英語力は格段にアップすることになる。
 高校生は大人扱い。家でも勉強しなければ塾に来る意味がないから休塾を勧めることはあっても、勉強しないからといって叱ることはない。いつまでも人に言われてやるようでは話にならぬ。


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(文書作成時間:20分)

①紫陽花は鮮やかな青紫から脱色したように白っぽくなってきました。早く褪色するもの、ゆっくり色を落とすもの、人間と一緒です。

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②よく陽の当たる花がさきに色褪(いろあ)せるようです。

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③真っ白だった時のことを思い出してあげましょう。みんなそういう時があった。

DSCN4039s.jpg


④グズベリーの実は大半が落ちました。
鳥がついばんでくれたら、種は遠くの地で根を張るかもしれません。

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⑤バラ科のハマナスは長いですね、日のよくあたる上の方にまだ数輪が残っています。次々に咲く。

地上高2.5mくらいのところに咲いてます。

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 写真を見ていただきありがとうございます。


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#4359 どういうわけか成績が学年4位に急伸した女生徒 Sep. 5, 2020 [52. 数学]

 あたりまえのことだが、いい大学へ進学したくて小学5年生から熟へ来る生徒もいれば、成績が振るわなくて塾へあわてて来る生徒もいる。事情は人それぞれ違っているが、いくつかの類型パターンには分けられる。
 大学を目指して小学校から来る者、成績不振なので心配している親に言われて中高生になってからしかたなく塾へ来る者。看護学校へ進学を予定しているが、学力に不安があるので慌てて高校3年生になってから来る者、同級生が通塾しているので、同じ塾へ行ってみようかと思う者。通塾の動機はさまざまだが、こうした類型パターンに分けることのできる生徒は多い。

 昨年8月下旬から来ている高校生がいる。通塾の動機は数学の成績が下がり始めたからだ。独力ではもうやれない、助けが必要と判断したようだ。高校生になった子どもの勉強の世話を焼ける親は稀だ、それで塾を探す。
(高校生対象の塾はたった二つだけ。数英両科目を教えている塾はニムオロ塾しかなくなった。最盛期の昭和43年ころは人口が4.9万人、いまは2.5万人に激減、高校は一つになり、実質的に高校入試が消滅したようなもの。中学生の勉強の動機、「根室高校に進学したい」は消滅した。全員が根室高校進学を保障されている。中学生の通塾はいまでは珍しい。)
 来てからしばらくは全国模試の数学が50番目くらいだった。このままでは「特設コース」のAクラスから外れてしまうと生徒自身が焦っていた。気持ちはわかるよ。しばらくして数学だけは20番以内へ。そして10番台前半へと全国模試の成績アップは順調に見えた。だが、定期テストでは全国模試の結果に見合わぬ点数をとることがある。成績が安定しないのはどこかに陥穽(あな)があって、そこでつまづくからだ。だから、どこに穴があるのか見つけなければならない。
 ちょうど1年たち、この前受験した模試で学年4番になったと喜んでいた。苦手の筈の国語も得点がよかったので、国数英の三科目でも学年4位だ。まわりはだれもそんなにアップしたことを知らない。ネットでパスワードを入れて自分の成績が確認できただけで、個人成績表はまだ届いていない。わたしも彼女のスマホで全国模試の結果を確認しただけ。
 前々回も数学は偏差値が60に近かったので期待はしていたが、「よすぎ」、「できすぎ」と笑った。
 たしかにまぐれだろう。だが、前々回偏差値が60に近く、今度は63.8だから、あながちまぐれとも言えないのである。2度も続けて偏差値が高いのは、ある程度力のついてきた証左である。定期テストよりも全国模試のほうが問題の難易度は格段に高いから、「定期テストー20」くらいが全国模試の点数となる。英語は全国平均点に2点足りないから偏差値50にちょっとだけ足りぬ。まだしばらくダメだろう。英語にまとまめて投入する時間が確保できない。この生徒はいろいろやっていていまとっても忙しいのだ。年を越したらLine配信の「英作文千本ノック」に参加できるかな?いまのところ文型でタイプ分けした基礎英作文も一度もやってきたことがない。(笑)

 今週根室高校は前期期末テストを実施したが、この生徒は数Bの数列の漸化式のところの式の整理が苦手なので、説明してほしいと要求があった。解答を見てもどのような処理をしてこうなるのかわからないと本人が言うので解答集の当該箇所をみた。因数分解と分数が混じっており、ちょっと複雑な処理をしなければいけない、ここだったのか、分数計算が関連するところで混乱することが分かった。式の展開をしている途中で、分母と同じ数をかけて整数の式にしてしまう。式の展開と等式の違いがわかっていなかった。つまり等式の概念が理解できていなかった。これも今回しっかり解説した。数字の分数計算ならやれても、文字式になったとたんに違うものに見えてしまう生徒は多い。数字の式のときと同じ計算規則でやればいいのだが、なぜか混乱して自分独自の計算ルールを編み出して適用してしまう。こういう生徒は個別に診て今まで積み上げた知識を整理してやらないといつまでも混乱から抜け出せない。集団指導では救えないタイプである。
 数Ⅱの軌跡のところも、平方完成するときに、カッコの中が分数になると途端にヘンな計算をしだす。計算が分数交じりで複雑になると途端にエイヤと計算規則を超越してしまう。複雑な計算のストレスに弱い、やはり分数計算に問題があった。高校生だから、ちゃんと説明すれば理解できるが、手間がずいぶんかかった。曖昧になっている計算規則は頭の中で、複雑な計算になった途端に独自の計算規則へ突然飛んでしまうように習慣になっているから、それを外さなくてはいけない。間違えた個所を使って、繰り返し正しい計算の規則を説明し、その習慣化されてしまっている”ワープ”を消すのが大変なのだ。好い点数が獲りたくてすなおによく聞くからめんこい。(笑)

 三角関数も範囲だったが、n・sineΘ/3やΘのところが(Θ+π/2)という類のグラフがかけないというので、これも丁寧に解説し、何度も描いてもらった。y軸が0や±1の箇所はΘの値を記入しないといけないが、これも分数計算を伴なう。
 厄介だったのはtanΘのグラフである。これもΘのところが分数だったり、(Θ-π/3)だったりするとどうやってよいのかわからなくなっていた。計算を繰り返して、何度も描いてみたら、なんとかやれるようになった。試験本番で完璧にやれるようになるのは、理解しただけではダメで、怪しいところは何度も繰り返しやってみて、手に覚えこませなければならない。家でもやっていれば成果を期待してよさそうだ、ぎりぎりだったから家でなんども練習する時間がとれただろうか?80点獲れたら素晴らしいと思う、80点をクリアできれば、自信がついてじきに90点獲れるようになる。

 塾用問題集シリウスのコンパクトな解説を見ただけですっとできる生徒もいる。手間のかからない生徒である。ときどき質問が出るからそれに応えるだけで十分。その生徒は数Ⅲ青チャートを5か月でやり終えたが、質問は10個もあっただろうか?問題集の例題を見ただけですぐに演習問題が解けてしまう。だから、余計な説明はしないほうがいい。
 偏差値70を超えている生徒でも学力や理解力は勉強のさせ方で3年5年とたつうちにまるで違ってくる。塾への依存心を植え付けてはいけない。予習方式で小5の1月からやってきてから、高校生になったらシリウスのコンパクトな解説を独力で読むだけで理解は十分で、あとは自力で問題演習に取り組んでいる。だから、難易度の高い問題でわけがわからなくなったときだけ、生徒の質問に丁寧に応じてやるだけでいい。手とり足取り教えたら、教えてもらわないと理解できないタイプに育つ。
 依存心が強い生徒は質問があっても、どこがわからないのか確認しただけで「あと5分だけ考えてみろ」ということがある。複雑そうなので面倒くさくて思考停止し質問する生徒もいるからだ。もうすこし「わからない」という状態を我慢出来たら、案外、正解に到達できる。そのあたりの見極めが個別指導の楽しいところ。子どもたちの理解力は千差万別だから、学力や理解力にあった教え方を工夫すればいいだけ。

 教えてその時は理解できても、家で学習しない生徒はお手上げである。翌週、また似たようなことを教えることになる。スマホの虜になってしまった生徒たちから、帰宅してから10時までは取り上げてもらうように話し合っても数日で、たいがい破綻する。自覚を俟つしかないこともある。休みが多くて休塾を勧告して、実際に1年間休塾扱いした生徒もいる。

 成績が急伸したこの生徒は全国模試の数学の点数はいいのだが、定期テストが模試の点数くらいしか獲れない、めずらしいタイプ。普通は全国模試が60点を超えたら、定期テストは90点越せるのがあたりまえである。まだそこは無理だろう、ワンステップ必要だ。そんなに簡単にいままでの習慣を消すことはできない。何年もかかって身についてしまった習慣を消し去るのはそれほど困難なのである。でも、もう克服すべき課題ははっきり見えているから、今回の定期テストは80点越えを期待している。

 小学校で分数計算を学びそこなうと、高校生になってまぐれにせよ女子の中では全国模試の数学が学年トップでも、アキレス腱を抱えている生徒がいるのは事実である。どれくらいいるのだろう?高校では分数計算を教えないので、こういう生徒たちは放置されている。それでも模試でときどきいい点が取れるのだから不思議だ。


 根室の中学校で分数計算が苦手な生徒は半数はいそうだ。中学校の段階で、分数の苦手な生徒を補習で救ってあげられたら、生徒たちの数学の学力はずいぶんアップするだろう。根室市内の市街化地域の3中学校の昨年の学力テストの数学の平均点は15-16点(60点満点)である。釧路根室管内の18中学校の学力テストデータでは両管内で最低レベルにある。平均点以下の生徒たちに、標準的な難易度の普通科の数学を理解するのは無理がある。中学校の学力テストで40-50点は採れるようにしておきたい。数ⅡBはそれくらいでないと、独力で理解できない。そうした生徒はいまでは1割もいない。釧路根室管内で最低レベル、この現状をしっかり見つめたい。
 青字の部分をクリックすれば、釧路根室管内の18校の昨年「9月の学力テスト総合Aの学校別・科目別平均点データが確認できる。

#4099 学力テスト総合A18校科目別データ

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#4358 菅氏の記者会見:ごにょごにょ Sep. 2, 2020 [8. 時事評論]

 菅氏の出馬記者会見を見ていたが、痛々しい。ろれつが回らず、ところどころ何を言っているのか聴き取れませんでした。
 たとえば、「熟慮に熟慮を重ね」という部分が、途中から口があまり動かなくなって言葉が出るので聞き取れません。後でニュースを流した時にはテロップがついてました。あまり聞きにくいのでテレビ局のほうで気を利かしてくれたようです。標準語を話す人であの年齢でテロップ付ける例というのはめずらしい。
 内容のほうはコロナ対策は経済が回るようにというだけで、経済を回すために感染防止あるいは患者が増えたらどうするとか、PCR検査は具体的にどうするのかそういう話が一切出てきません。安倍総理がやったことをそのまま踏襲するというだけ。理念の話も一切出てきませんでした、実現すべき理念はないのかしら?どんな政権だっていい所と悪いところがありますが、好い所は残し悪いところは切り捨てる、そういう取捨選択があっていいはずですが、菅氏は安倍政権のやり方を丸ごと踏襲すると言明。そういう了解でメジャーな4派閥が菅氏を担ぎました。担ぎ手の四派閥にとっては「神輿は軽い方がいい」のでしょう。
(清和政策研究会(細田博之)97人、志公会(麻生太郎)56人、平成研究会(竹下亘)54人、志師会(二階俊博)47人、)

 呂律が回らないことが多いので、時々聴き取れなくなります。少しイライラしました。これで意見の異なる大勢の人とまともにコミュニケーションができるのでしょうか。あのおしゃべりの苦手さを見ていたら外交は大丈夫かなと心配になります。通訳が菅氏の話をときどき聞きとれないでしょうね。
 菅・岸田・石破の三氏でパネルディスカッションしたら、だれが総理大臣の器にふさわしいかよくわかったのではないでしょうか。
 頭の中で整理がついていない話をだらだらする、質問とズレた受け答えに終始している、そういう風に見えました。ふだんから思い付きで話すだけで熟考していないからこういうことになるのではないでしょうか。
 人の話を受け取って、投げ返すことが苦手ですね。ボールを取りそこなって、手に握っていたスプーンを投げ返しているようなモノ。キャッチボールになっていません。

 元々、菅氏は記者会見でも政権に厳しい記事を書く記者には指名しないとか無視を決め込む人。批判的な人との対話を拒んで自分の方からコミュニケーションを断つタイプ。
 森友、加計、桜を見る会はもう結論が出てすんだことだから、これ以上やらないと明言、ここだけは妙にはっきり言いました。
 森友事件で書類改竄を指揮した佐川理財局長はその後、国税局長官へ栄転(世論の批判を浴びて追われるように辞任)、安倍昭恵夫人おつきの谷査恵子氏は昭恵夫人から指示され、財務省に払下げ価格を下げるように依頼したとみられているが、事件追及のさなか国会で喚問されるのを逃がすようにイタリア大使館一等書記官としてご栄転、異例の出世でした。そしていま経産省本省へ戻ってさらに栄転です。よいことは重なるものですね。ノンキャリアとしては異例の出世で産業技術環境局国際室課長補佐。山口敬之レイプ事件の捜査中止を命じた中村格刑事部長は、なぜかその後首相官邸にご栄転、菅氏の右腕と称されている。山口敬之は安倍総理に関する本を2冊書いています。『総理』『暗闘』、どちらの本も内容は安倍総理をヨイショ、表紙は安倍総理の写真が使われている。安倍総理お気に入りのジャーナリスト。
 要するに、安倍政権の政策を丸ごと継承すると明言した菅氏は、総理大臣に忖度して動く官僚を出世させ、不都合な事件は闇から闇へ葬ると宣言しているようなもの
 菅氏といえば、ふるさと納税制度の提案者、あれは住民税の脱税を合法化したものです。携わる企業にとっては濡れ手に粟でおいしい話ですが、住民税をもっていかれる自治体にとっては憤懣物の制度です。ふるさとでもないところへ住民税を振り替えて、見返りに商品を受け取る、国民の倫理観の低下効果はあったでしょう。まともな総理大臣が生まれたときにこのような悪法はなくなります。携帯電話料金の4割値下げの話も、どこへ消えたのか、効果なしでした。安倍政権を支える官房長官としては剛腕を発揮したのでしょうが、政治家としての制度設計センスや提案力には疑問符がつきます。

 総理大臣になったら、何か問題が起きるたびに、この記者会見のように、理念や具体論抜きの、ゴニョゴニョと何言っているかわからない会見をするのでしょうか。官房長官として普段の記者会見のほうがましでした。緊張もしていたのでしょう。今回は中学生の弁論大会のほうがよほどわかりやすいと思いました。

 総理大臣になる方は、不都合な事件が起きたら、ごまかすことなく真実を国民に語り、潔く身を引くような人格高潔な人が望ましい。忖度して真実を曲げる官僚は重用せず、躊躇なく罰する、そういう健全な保守主義の台頭を望みます。三人の候補の中で菅氏はそういう理想から一番遠い人に見えます。
 そんな菅氏ですが、世襲議員でないところは好印象です。「集団就職」年てイメージとは程遠い、生家は成功した苺農家のようです。
菅氏の父親は雄勝町議会議員、裕福な苺農家、「豪華な道具で釣りを楽しんでいた菅少年。ついには「秋田県雄勝郡西成瀬村出身の矢口高雄原作の『 釣りキチ三平 』のモデルではないかともいわれる」(P89)...『 総理の影 菅義偉の正体 』(森功)」)


 人材がいないのではなく、人材の選び方がおかしいのでしょう。党員投票を拒絶し、派閥の合従連衡で総理大臣を選出するというのは罪が重い。自民党員の参加すら無視する総理大臣と担ぎ手の四派閥が、はたして国民の方を向いて歯切れのよいわかりやすい言葉で語り掛けるでしょうか?
 党員の総意で選ばれたわけではない菅氏の在任期間は1年でしょう。
 党員不在・国民不在、派閥の論理で選ばれた総理大臣は短命でした。
 第一次安倍内閣(366日)、福田康夫(365日)、麻生太郎(358日)、
 そして民主党政権の3人の党首、鳩山由紀夫(266日)、菅直人(452日)、野田佳彦(482日)。
 選挙で勝てなければ、落選した議員の恨みを買いますから、政権支持基盤が瓦解(ガカイ)します。日本国民は案外とバランス感覚がたしかなのかもしれませんね。



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総理 (幻冬舎文庫)

総理 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 山口 敬之
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 文庫
暗闘

暗闘

  • 作者: 山口 敬之
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/01/27
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