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#4358 菅氏の記者会見:ごにょごにょ Sep. 2, 2020 [8. 時事評論]

 菅氏の出馬記者会見を見ていたが、痛々しい。ろれつが回らず、ところどころ何を言っているのか聴き取れませんでした。
 たとえば、「熟慮に熟慮を重ね」という部分が、途中から口があまり動かなくなって言葉が出るので聞き取れません。後でニュースを流した時にはテロップがついてました。あまり聞きにくいのでテレビ局のほうで気を利かしてくれたようです。標準語を話す人であの年齢でテロップ付ける例というのはめずらしい。
 内容のほうはコロナ対策は経済が回るようにというだけで、経済を回すために感染防止あるいは患者が増えたらどうするとか、PCR検査は具体的にどうするのかそういう話が一切出てきません。安倍総理がやったことをそのまま踏襲するというだけ。理念の話も一切出てきませんでした、実現すべき理念はないのかしら?どんな政権だっていい所と悪いところがありますが、好い所は残し悪いところは切り捨てる、そういう取捨選択があっていいはずですが、菅氏は安倍政権のやり方を丸ごと踏襲すると言明。そういう了解でメジャーな4派閥が菅氏を担ぎました。担ぎ手の四派閥にとっては「神輿は軽い方がいい」のでしょう。
(清和政策研究会(細田博之)97人、志公会(麻生太郎)56人、平成研究会(竹下亘)54人、志師会(二階俊博)47人、)

 呂律が回らないことが多いので、時々聴き取れなくなります。少しイライラしました。これで意見の異なる大勢の人とまともにコミュニケーションができるのでしょうか。あのおしゃべりの苦手さを見ていたら外交は大丈夫かなと心配になります。通訳が菅氏の話をときどき聞きとれないでしょうね。
 菅・岸田・石破の三氏でパネルディスカッションしたら、だれが総理大臣の器にふさわしいかよくわかったのではないでしょうか。
 頭の中で整理がついていない話をだらだらする、質問とズレた受け答えに終始している、そういう風に見えました。ふだんから思い付きで話すだけで熟考していないからこういうことになるのではないでしょうか。
 人の話を受け取って、投げ返すことが苦手ですね。ボールを取りそこなって、手に握っていたスプーンを投げ返しているようなモノ。キャッチボールになっていません。

 元々、菅氏は記者会見でも政権に厳しい記事を書く記者には指名しないとか無視を決め込む人。批判的な人との対話を拒んで自分の方からコミュニケーションを断つタイプ。
 森友、加計、桜を見る会はもう結論が出てすんだことだから、これ以上やらないと明言、ここだけは妙にはっきり言いました。
 森友事件で書類改竄を指揮した佐川理財局長はその後、国税局長官へ栄転(世論の批判を浴びて追われるように辞任)、安倍昭恵夫人おつきの谷査恵子氏は昭恵夫人から指示され、財務省に払下げ価格を下げるように依頼したとみられているが、事件追及のさなか国会で喚問されるのを逃がすようにイタリア大使館一等書記官としてご栄転、異例の出世でした。そしていま経産省本省へ戻ってさらに栄転です。よいことは重なるものですね。ノンキャリアとしては異例の出世で産業技術環境局国際室課長補佐。山口敬之レイプ事件の捜査中止を命じた中村格刑事部長は、なぜかその後首相官邸にご栄転、菅氏の右腕と称されている。山口敬之は安倍総理に関する本を2冊書いています。『総理』『暗闘』、どちらの本も内容は安倍総理をヨイショ、表紙は安倍総理の写真が使われている。安倍総理お気に入りのジャーナリスト。
 要するに、安倍政権の政策を丸ごと継承すると明言した菅氏は、総理大臣に忖度して動く官僚を出世させ、不都合な事件は闇から闇へ葬ると宣言しているようなもの
 菅氏といえば、ふるさと納税制度の提案者、あれは住民税の脱税を合法化したものです。携わる企業にとっては濡れ手に粟でおいしい話ですが、住民税をもっていかれる自治体にとっては憤懣物の制度です。ふるさとでもないところへ住民税を振り替えて、見返りに商品を受け取る、国民の倫理観の低下効果はあったでしょう。まともな総理大臣が生まれたときにこのような悪法はなくなります。携帯電話料金の4割値下げの話も、どこへ消えたのか、効果なしでした。安倍政権を支える官房長官としては剛腕を発揮したのでしょうが、政治家としての制度設計センスや提案力には疑問符がつきます。

 総理大臣になったら、何か問題が起きるたびに、この記者会見のように、理念や具体論抜きの、ゴニョゴニョと何言っているかわからない会見をするのでしょうか。官房長官として普段の記者会見のほうがましでした。緊張もしていたのでしょう。今回は中学生の弁論大会のほうがよほどわかりやすいと思いました。

 総理大臣になる方は、不都合な事件が起きたら、ごまかすことなく真実を国民に語り、潔く身を引くような人格高潔な人が望ましい。忖度して真実を曲げる官僚は重用せず、躊躇なく罰する、そういう健全な保守主義の台頭を望みます。三人の候補の中で菅氏はそういう理想から一番遠い人に見えます。
 そんな菅氏ですが、世襲議員でないところは好印象です。「集団就職」年てイメージとは程遠い、生家は成功した苺農家のようです。
菅氏の父親は雄勝町議会議員、裕福な苺農家、「豪華な道具で釣りを楽しんでいた菅少年。ついには「秋田県雄勝郡西成瀬村出身の矢口高雄原作の『 釣りキチ三平 』のモデルではないかともいわれる」(P89)...『 総理の影 菅義偉の正体 』(森功)」)


 人材がいないのではなく、人材の選び方がおかしいのでしょう。党員投票を拒絶し、派閥の合従連衡で総理大臣を選出するというのは罪が重い。自民党員の参加すら無視する総理大臣と担ぎ手の四派閥が、はたして国民の方を向いて歯切れのよいわかりやすい言葉で語り掛けるでしょうか?
 党員の総意で選ばれたわけではない菅氏の在任期間は1年でしょう。
 党員不在・国民不在、派閥の論理で選ばれた総理大臣は短命でした。
 第一次安倍内閣(366日)、福田康夫(365日)、麻生太郎(358日)、
 そして民主党政権の3人の党首、鳩山由紀夫(266日)、菅直人(452日)、野田佳彦(482日)。
 選挙で勝てなければ、落選した議員の恨みを買いますから、政権支持基盤が瓦解(ガカイ)します。日本国民は案外とバランス感覚がたしかなのかもしれませんね。



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