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#4364 定期テストの点が取れない:C Sep. 9, 2020 [52. 数学]

 #4359で紹介した生徒が定期テストをもってきた。その得点は平均点に達しなかった。なぜ?

 原因を突き止めたくて間違えた個所をチェックしてたら、この2週間ほど徹底的に穴潰ししたはずのところが元に戻ってしまっていた。30点ほどそれで失っていた。ひとつづつ「これはこの前こう解説したあの事例...」、いくつかピックアップしたら様子がヘン。悔しくて、不甲斐なくて、嗚咽している。「くやしぃぃぃ!」なんて一言もいわないが、心の声が聞こえてきた。
 たとえば、三角関数をtの式に置き換えて処理した問題があった。実際の式は少し違うが以下のようなもの。
 y=-t^2+2t-2

 平方完成する前にマイナスをかけてしまった。t^2-2t+2としたのである。単なる式の展開と方程式は区別しろと、xを使った2次式で、数日前に具体例で方程式の場合と式の展開の場合を説明してあった。2次の項の係数が2/3のようなとき、式の展開なのに3倍して分母を払ってしまっていた。そこは理解したのだろう。ところが、三角関数の2次関数でしかもxではなくてtの式へと文字が違うだけでそして2/3ではなくて―t^2と係数がマイナス1になっただけなのだが、試験中のストレスで違ったものに見えてしまったようだ。
 そういう「隙間」に陥ったときに長年習慣になっている式の展開と方程式の解き方の混同が顔を出してしまう。中学生の時から4年間かけて習慣化して身についてしまった癖は数年かけなければとれない場合がある、性格を直すようなものだから。でも、時間をかけて治せる。この手の問題を繰り返し解いて、癖を消してしまう。相当量の問題をこなす必要がある。大丈夫だ、そのための個別指導である。かならず、数学の得点は高い所で安定する。

 全国模試では英語の偏差値が一番低かった。発音はとってもいい、しかし文字の書き方に独特の癖がついてしまっている。nとtがそれぞれhとℓに見える。学校の先生も塾の先生も、どうして注意しなかったのだろう。わたしは珠算を習っただけでなく高校生の時に高橋珠算塾の高橋尚美先生に頼まれて汐見町の分塾で生徒50名ほどを教えていた経験があるから、誤読の生じるような数字の書き方はとっても気になる。また仕事でシステム開発をしていたので、プログラム仕様書を書くのに数字や英文字で誤読の生じるような書き方はしない。生徒にも誤解の生じない字体で文字を書くように指導している。いったんついてしまった癖をとるのは本人が意識して正しい文字を繰り返し書いて、身体に染み込ませるしかない。このままでは入試のときにペケにされても仕方がない。
 2月から、ライン配信で改訂版の「英作文千本ノック」をやることになる。さて、どこまで化けてくれるか楽しみだ。いや、本人にやるつもりがあるのだから、こちらの指導の仕方が問われる。
 いくつになっても、教えるって言うのはチャレンジだ、だから楽しい。


おまけ:投稿欄でのやり取りが楽しかった記事です、話題の中心は数学。タイトルはここで採り上げた生徒の発言です。

#4072 「先生、土日やってないんですか?」 Aug. 31, 2019


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