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#4377 PCR検査の偽陽性率は0.1%以下:北大研究グループ Sep. 30, 2020 [35.1 COVID-19]

 今朝(9/30)NHK第一放送のニュースを聞いていたら、SARS-CoV-2・PCR検査の偽陽性率は0.1%以下だと言っていた。ラジオニュースだから、どういう調査結果なのか、具体的な内容はわからない。コンタミがない限り、擬陽性と言うのは検査の原理から考えてもPCRでの偽陽性率は限りなく低い。


 ネットで検索したら、5月に武漢市民990万人に検査した結果、無症状検査陽性者が300人、症状のある検査陽性者はゼロだったという。
 ありえない仮定であるが、300人全員が偽陽性だとしても3.03*10^-5であるから、擬陽性率は0.003%以下である。この数値を使って偽陽性の影響度合いを見てみたい。


  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 80 20 100
非感染者 0.3 9899.7 9900
合計 80.3 9919.7 10000


  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 a真陽性 c偽陰性 a+c
非感染者 b偽陽性 d真陰性 b+d
合計 a+b c+d a+b+c+d


 擬陽性は3.3人だから真陽性は100%と考えていいことになる。
 いま、平均して1日当たり30000人(10/1のPCR検査数は6443件)のPCR検査をしているとすると、擬陽性は

  30000人×0.003%=0.9人

 偽陽性があるからPCR検査は当てにならないという議論はこれで潰えた。PCR検査陽性者=真陽性者である。PCRの検査自体は80%程度の精度だと言われているから、20%は見落としが生ずる。これは検査の特性だからしかたない。感染はしていない(細胞内部にウィルスが侵入して増殖している状態)が、検体を採取した部分にウィルスがあったら、確実にPCR検査陽性になる。つまり、SARS-CoV-2・PCR検査陽性であっても感染していない人が存在しているということ。理屈の上からその人たちは発熱しないし、味覚異常も起きない、検査陽性者ということになる。それがどれくらいの割合かは研究がないのでわからないが、検査陽性で無症状か軽い症状の人が8割いることから、その大部分が「検査陽性&未感染」というカテゴリーに入るのだろう。裏返すと、「検査陽性&感染」というカテゴリーはPCR検査陽性者の7割程度あると言えそうだ。いずれにしても推測の域を出ないので、専門家の研究データが出てくるのを待ちたい。

 不慣れな保健所や各都道府県の衛生研究所で検体を取り扱うとコンタミを起こすリスクが高いのでは?
 大手臨床検査センターなら、世界で一番厳しい品質管理基準である米国の精度管理基準CAPライセンスを取得しているから、心配はいらない。
 検査コストはずっと低いはず、保険点数を500点(5000円)に下げても大丈夫だと思うよ。いま1350点(13500円)だから法外に高い。生産性の悪い保健所や各都道府県の衛生研究所や国立感染センターの原価をベースに設定した保険点数だろう。スマホ料金の値下げを菅総理はしつこく主張しているが、寡占状態にある携帯電話会社が超過利潤を取得していると判断してるからだろう。1350点の保険点数では民間検査会社に超過利潤が発生する。改めるべきだ。心配なら、検査コストを開示してもらえばいい。わたしがSRLの学術開発本部にいたときなら、必要な社内手続きをしてOKしただろう。染色体検査の原価を提示して保険点数を妥当な水準までアップしてもらったことがあった。利益の出ない保険点数では、他社が新規参入して来られないからだった。当時染色体検査外注市場の80%を独占していた。SRLは3000項目の検査の内2800項目は赤字で受託している。特殊な検査は数が少ないから、検査コストが高くなる。でも受託するところがなければ、医者も患者も困る。そのために残りの200項目で2800項目の赤字をカバーしていた。業界ナンバーワンの誇りです。そういう心でSRLで16年間仕事してました。

 業界ナンバーワンのSRL社は1988年ころにCAPライセンスを取得している。その数年後に業界2位のBML社も取得。



<追記10/1 午後3時半>

 今日の検査数は6443件、東京都のPCR検査陽性者数は235人




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#4376 物理の授業昨日(9/28)教科書全部終了:すごいね Sep. 29, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 根室高校普通科高3の物理の授業が教科書全部をやり終えたと聞いて、びっくり。最速だが、「すっ飛ばし」はしていない。
 問題演習時間もたっぷりとっていたし、板書は無駄も漏れもない、ノートはそのまま受験勉強の復習に使えるようなレベル。なぜこんなに早く終われたのか不思議だとは実際の授業を受けた生徒の弁。
 速度をあげたら、生徒のほとんどが落ちこぼれるのだが、この先生の担当クラスはそうはなっていない。


 2年時の時、数学授業は遅れに遅れて微分積分の章は手をつけられずに終了している。3年次になってからやっているが、受験には大きなハンディになってしまった。3年生のある生徒が、「インテグラルって記号最近知りました」なんて発言してます。(笑) 学校の授業速度に合わせて勉強していたらいままではこんなことになるケースがあったのです。授業の進捗管理の巧拙が進学実績に影響していることは論を待たないでしょう。ふるさとへ戻って来て塾を始めて17年がたちましたが、推薦が増えて、一般入試で合格できる生徒が減っているように感じています。推薦枠合格が何人で一般入試合格が何人かは学校のホームページを見てもわかりません。一般入試合格を別表示してもらえたら、学力低下の実態が明らかになるのでしょう。道外への大学進学がこの数年間で激減したことだけははっきりしています。
(2年生の数学の授業(ガンマクラス)は今年はとっても速い。もう指数関数に入っているから、11月には微分積分の章に突入だ。冬休み直前に教科書全部を消化し終わるだろう。共通試験レベルの問題もプリントでやっている。自力で予習できる生徒は3人未満。全部消化し終わったら、復習がまるまる2か月間できる。)


 それにしても、物理の先生、すごい、お見事。受験勉強に力が入っている生徒たちが喜んでました。


<余談:これからの授業に関するアンケート>
 これから何をやってもらいたいか、生徒の希望をアンケートで収集したという。毎回受験問題を1題やるという選択肢はありきたりだが、何もやらないという選択肢があったようだ。やりたい科目の受験勉強をやってよしということ。



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#4375 新型コロナPCR検査陽性者のなかで真の感染者の割合はどれだけか? Sep. 25, 2020 [35.1 COVID-19]

 新型コロナ感染症はCOVID-19と命名された、これは病名である、ウィルスの学術名称は名はSARS-CoV-2。

「新型コロナPCR検査陽性者のなかで真の感染者の割合はどれだけか?」という問題は、数学の「条件付確率の問題」なので、案外厄介である。

 数学的な問題として眺めたら、高校1年生で習う数学A「第1章場合の数と確率」の最後に出てくる「第1章第3節の③条件付確率」の問題である。この章は高校生の大半が苦手の分野である。
(1年生が先週この節をやっていた。3年生の数学のよくできる生徒からも、今週質問があった。しばらくやっていないと問題の解き方を忘れているのはあたりまえ。だから、ブラッシュアップが必要だ。もう一人はユークリッドの互除法の便利なやり方を教えてもらったが…思い出せないというので『数学読本Ⅰ』の該当ページを開いて見せたら、「ああ、このやり方だ!」とスマホにそのページを取り込んでいた。)
 各章の章末にはそれまでの知識を総合した複雑な問題を取り扱った一番難しい節が配置されている。例えば、2年生の数学Bは「第1章数列」の最後は「第1章第3節②数学的帰納法」、数学Ⅱの「」第3章三角関数」なら「第3章第2節③三角関数の合成」である、高校時代に苦労した人が多いのでは?

 そういうわけで、新型コロナはテレビで毎日取り上げられているが、専門家の話を聞いて精確に理解できる国民の割合はまことにお寒い状況である。
 この問題を解説なしに理解できる生徒は、根室高校なら普通科学年120人に5人くらいなものだろう。旬の話題だから、今年度の入試問題に取り上げる大学は少なくなさそうだ。受験生諸君はしっかり読んでね(笑)

 文章で考えると、国語の読解力の問題が絡んでくるので頭がこんがらがるが、条件付確率はマトリックス図で表せば簡単、ちゃんと解説したら、根室高校生の半数は理解できる、やってみたい。
 数学Aの教科書には「袋の中に赤玉4個と白玉3個が入っている」例が図示されている。それを使うと次のようになる。

  赤(A) 白(nonA) 合計
偶数(B) A∩B nonA∩B A
奇数(nonB) A∩nonB nonA∩nonB B
合計     A+B


Aが起こった時にBの起こる確率を、「Aが起こった時にBの起こる条件付確率」といい、PA(B)で表す。
 PA(B)=n(A∩B)/n(A)
 次のようにも書ける。
 PA(B)=P(A∩B)/P(A)


  赤(A) 白(nonA) 合計
偶数(B) 2 1 3
奇数(nonB) 2 2 4
合計 4 3 7

 では、赤玉が出たときに、それが偶数である確率PA(B)を求めよう。

 n(A)=4,  n(A∩B)=2
 PA(B)=2/4=1/2
   答えは1/2である。
 具体例だとずいぶんわかりやすくなったのではないだろうか?準備体操はこれくらいにしておこう。

 さて、本題です。真に感染している確率がどうなるのかを、前提条件を四つ選択して計算してみる。

 前提条件は次の四つ
 ①全体の人数:10,000人
 ②感染率:1% ⇒ 感染者数 10000×1%=100人
 ③検査精度:80%
 ④偽陽性率:1%

 <表1>

  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 a真陽性 c偽陰性 a+c
非感染者 b偽陽性 d真陰性 b+d
合計 a+b c+d  


<表2>

  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 80 20 100
非感染者 99 9801 9900
合計 179 9821 10000


 検査陽性者数=a+b=179人
 検査陰性者数=c+d=9821人 
 PCR検査陽性者のうち真の感染者である確率PA(B)とすると、
  PA(B)=80/179=44.7%


 この前提だと、感染者100人の内、PCR検査陽性になる人は80人。20人を見逃し、感染者ではないのにPCR検査陽性となった人が擬陽性は99人である。真陽性80人よりも偽陽性で隔離される人99人の方が多い。
 検査結果が陽性で、実際にSARS-CoV-2ウィルスに感染している割合は44.7%、検査陽性者を隔離すると、その中には55.3%の非感染者が含まれることになる。

 問題点はいくつかある。

①そもそもウィルスが分離できていないらしい。
②PCR検査で増幅した遺伝子配列をいくつ検出したら陽性と判定するのかという量の問題、そこを変えたらPCR検査陽性率はまるで違ってくる。
③感染者の定義の問題。体内にウィルスがいても細胞内に入り込まなければ増殖しないから、PCR検査陽性であって/も感染者とは言えない。偽陽性にこうしたケースが含まれている。感染してはいないから症状はない。検査陽性でも無症状あるいは軽い症状の検査陽性者が8割近くを占めていることから、擬陽性率はもっと高い可能性がある。

 細胞内にウィルスが入り込んでいない状態なら、非感染で、ウィルスは増殖していないから、他への感染力を持たない。感染するためには一定量のウィルス量が必要だからだ。言い換えると、無症状PCR検査陽性者からの感染はほとんどありえないということ


 感染者が1%、検査精度が80%という前提条件の下で、偽陽性率が3%あると仮定すると、PCR検査陽性者のうち真陽性者は21.2%、検査陽性者の78.8%が偽陽性ということになる。実態に近い数字にはなるが、真偽は定かではない。(9/30追記:偽陽性率は0.1%以下、0.003%よりも小さい。弊ブログ#4377参照

<表3>

  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 80 20 100
非感染者 297 9603 9900
合計 377 9623 10000


 この計算例だと、PA(B)=80/377=21.2%。
 真陽性はPCR検査陽性者377人中80人だから、21.2%に過ぎない。PCR検査陽性者377人中に297人(78.8%)の偽陽性(非感染者)が含まれることになる。隔離する患者の4人に3人は非感染者ということになる。
 残念なことに、PCR検査結果が出た時点で、真陽性者と偽陽性者を分ける術(すべ)はないのです。

 数学は役に立たないなんてことを思っていた人は、認識を改めましょう。新型コロナに係るデータを理解するにも、高校数学Aの一番難しい当たりをきちんと理解していないと、専門家の話を理解できないのです。

 数学嫌いだったけど、辛抱強く話につき合ってくれた人の方が多いのでしょう。ご苦労様、そして読み通してくれてありがとうございます。

<PCR検査の特性>
 PCR検査は、標的遺伝子を温度をコントロールすることで増幅する。米国では37-40回が標準的な手順である。1個だけSARS-CoV-2ウィルスの残骸があったとしたら。40回の増幅なら2^39=5497億倍になる。当然検査陽性となる。
 増幅回数を30回に減らすと、SARS-CoV-2ウィルスの残骸1個はいくつになるのか?2^29=5.3億倍になる。

 つまり、PCR検査はSARS-CoV-2ウィルスそのものあるいは残骸が一つでもあれば、増幅によって陽性になるのだ。未感染(細胞内に入り込んで増殖していない状態)だが検体採取部位にウィルスが付着していれば、確実にPCR検査は陽性になる。
 そして、PCR検査陽性となった時点で、未感染者と感染者をより分ける方法は存在しないのである。細胞内にウィルスが入り込み、増殖しだせば発熱や味覚障害などの具体的な症状が現れる、それが「発症」ということだ。体内のウィルス量は発症直前の3日間が一番多い。ウィルスが細胞内に入り込み、盛んに増殖して細胞の外へ出だすからだ。ウィルス量が多くなれば、それが咳や便ともに体外へ排出される量も増えるから、それら(エアロゾル)を介して感染が起きる。

<余談:「8割おじさん」論評>
 このように、擬陽性比率を1%から3%に上げただけで、他の条件は同じままでも、PCR検査陽性者に占める真陽性者の割合は、44.7%から21.2%に急落してしまう。シミュレーションはデータとその前提条件を明らかにしなければ、その適否を論ずることができないが、西浦教授はいまだに8割削減のシミュレーションの前提条件を明らかにしていない。研究者としてはまことに不誠実と言わざるを得ない。
 弊ブログで以前取り上げたが、3月の20日間ほどの実データを使うと同じような回帰曲線が引けるが、6月には東京都の人口を超えてしまう。
 西浦教授が前提条件を公表しないままなら、胡散臭いシミュレーションだという印象はぬぐえない、世間を惑わす似非研究者に見えます。
 テレビや新聞も、専門家のろくでもないシミュレーションを真に受けて、無批判に垂れ流すから「マスゴミ」だなんて言われる。けっして風評被害ではありません、実害です。批判的に吟味したうえで、解説コメント付きで記事にしてもらいたい。



おまけ:投稿欄でのやり取りが楽しかった記事です、話題の中心は数学。

#4072 「先生、土日やってないんですか?」 Aug. 31, 2019


<春はアンダンテ、秋は駆け足でやってくる
 今日の根室の最低気温は0時35分、10.0度でした。秋はますます深くなります。毎朝床暖房をつけています。
①真っ赤っかのハマナスの実

DSCN4093s.jpg


②鮮やかな青色だった紫陽花もすっかり秋色

DSCN4090s.jpg

③グズベリーは上の方だけ緑色の葉を残している。大粒の茶色くなった実は残らず子カラスが食べた?

DSCN4091s.jpg





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#4374 情緒の同調について:高樹のぶ子著『小説伊勢物語 業平』 Sep. 21, 2020 [44. 本を読む]

 9/19(土)に釧路まで行ってきた。イオンで女房殿が買い物をしている間に「くまざわ書店」に寄ると、標記の小説が平積みされており、手に取ってみたら高樹のぶ子氏の著作、数ページ読み、とっても面白そうなので買ってきた。
 日経新聞に掲載された小説のようだが、2002年の秋に根室へ戻って来てから、日経新聞にはほとんど用がなくなった。2006年ころに理系の娘から日経新聞の記事を読んでわからないところがあると、毎週新聞の切り抜きに赤線を引いたものを数枚送ってきた。1年間ほどそれにこたえているうちに、A4判100枚程度の経済記事解説集ができあがってしまったことがあっただけ。ほかには釧路でホテルに宿泊したときに日経新聞を読むが、そのときだけ連載物を読んでもつまらないからパス。そういうわけでほとんど日経新聞をよまない。東京でサラリーマン生活していたころは必要があって多いときは4紙(日経新聞、日経産業新聞、日刊工業新聞、電波新聞:産業用エレクトロニクス輸入専門商社在職中)読んでいた。朝8時20分ころ会社へついて、9時過ぎまで小一時間読み、経営戦略上気になる記事の切り抜きを役員へ回覧していたのだが、報道や解説の視点が異なるだけで類似の記事が多いのでそう手間はかからない。
 根室へ戻ってからは小4のときからなじんだ北海道新聞のみを読んでいるが、熱心に読むのは連載小説のみ。最近は島田雅彦の連載小説『パンとサーカス』がとっても面白い。詳細なプロットを積み重ねており、それぞれ必要な専門知識をよく調べ、そして整理して開示してくれる。宗教についてもよく調べ彼の視点で整理していた。今日はCIAの人材採用についてSF86という様式の調査票用紙に言及していた。どこまでが取材に基づいているのか、どこからがフィクションなのか切れ目がまるで見えない。素晴らしい職人仕事である。福島第一原発事故についての政治風刺もとっても利いている。ところで落語家が政治風刺をあまりやらないのはどういうわけだろう。江戸時代はそうではなかっただろう。落語家であって噺家ではなくなったのか。
 島田雅彦『ぢんぢんぢん』は整形手術を繰り返す女の長編小説、あれも整形手術に走る女性たちへの警告を含んでいた。『退廃姉妹』も戦後をたくましく生き抜いた叔母たちの過去を当時の経済事情をベースに描き切っていた。それなりの生きざまがあったが、それは仮面の下に隠してツンと澄まして生きる、姪たちは知らない。似たような過去を背負った女たちは多かっただろう。『パンとサーカス』ではますます腕に磨きがかかったように感じる。無駄に歳を食っていない。島田雅彦氏はわたしよりも一回り年下。


 さて、3つ年上の高樹のぶ子の手になる『業平』の冒頭を紹介する。大胆不敵な試みの小説。


DSCN4083s.JPG.png


 在原業平と憲明(のりあきら)主従が出てくる。憲明は狩りで業平が勇みすぎるのをとがめる。憲明は業平と乳兄弟で5歳年上、業平は乳母の元で育てられた。冒頭の章のタイトルは「初冠」(ういこうぶり)とルビが振ってあったが、旧仮名で振ると「ういかうぶり」、どうやら高樹さんは新仮名でルビを振ることに決めたようだ。当時の用語は言の葉を大事にして旧仮名を採用してほしかった。それでは売れ行きに影響しかねぬと編集側が主張したのだろうか?
 初冠とは元服のことである。この儀式を済ませると乳母の長兄で業平と兄弟同然に育ったとしても、初冠の儀式を境に身分の関係がその行動や口調に出ざるを得ない。乳のみ兄弟から主従の関係への分岐点が初冠、5歳年長といえど、憲明は業平を主と認め言葉を選んで穏やかにたしなめている。
 読み手のわたしは、時に業平になり切り、考え、その情緒を自分の心の内に再現してみる。同じように憲明にもなり切り言葉を選ぶ、その心情や思考そしてその場面を自分の心と脳裏に再現しながら読む。頭の中では二人の人間が同時にそれぞれの立場や心情で具体的なシーンの中で関係を切り結ぶ。馬副(うまぞい)四人は息を切らせてあえぎながらようやく追いついてくる。その心中も高樹は書き込んでいる。二人の心情の移ろいを会話文を読みながら味わい、シーンを具体的に想像することは小説を読む醍醐味の一つである。


 初冠は大人になる儀式だから、とうぜんセックスの手ほどきもされる。乳母の妹が初冠の夜に夜具に滑り込んできて業平を導くのである。元服にはそういう性風俗に係る一面がある。大人の女に手ほどきされて一人前の大人になる、貴人はそうだが、庶民には別のシステムがあった。宮本常一の著作を読むと日本の伝統的な性風俗がわかる。日本の性風俗史を日本人はすっかり忘れてしまっている。成人式を過ぎても、いまだチェリーの男子のなんと多いことよ。一人前の男としては認めがたい。自分で探さなきゃいけないのだから、明治以前の日本人とは性風俗に係る社会システムのキャップが大きすぎる。(笑)
 第四章の「蛍」が秀逸である。思いを寄せて業平に想い焦がれてある高位の娘が死に逝く。睦あう機会のなかった恋も、それゆけ純粋な想いはさらに深くなる。限りなく美しいものを描いてみたいという美意識の塊と言える章、高樹のぶ子の面目躍如だ。作家というのはすごいね。

 業平を描くのだから、セックス描写をどうやるかは、小説の方向を決める重要な部分だ。最初の3章を読んだが、過もなく不足もなく、きわどい領域へ踏み込みながらも品よくまとめている。書き手が女だとはっきりわかる書き様である。どこにそれを認めるかは本を読んでもらいたい。恋の多い作家が40歳で書くのと、60歳になって書くのでは、小説の趣も相当違ってくるだろう。
 『和泉式部日記』をベースに、知的レベルが高くてお金がある程度自由に使える男たちと恋を重ねた女性作家の手になる、『小説和泉式部日記』を読んでみたい。そのでき如何で、日本で50万部、英語版では1億冊のベストセラー、実現できる力のある作家と編集者と出版社が現れたら面白い。


 主人公の情緒や他の登場人物の情緒に同調するとか共感するのは小説を読む愉しみの一つだろう。短歌や俳句はどうだろう。
 「古池や 蛙飛び込む 水の音」、森閑とした山奥のお寺近くに池があり、そこにたたずんでいると、蝉がピタッとなきやみ、しんとした瞬間にぽちゃんと水音がする。ああ、カエルが飛び込んだ、というのがこの俳句の提供する情景である。この俳句を読み目をつぶると、時空を超えて芭蕉がたたずんだ池の縁にわたしも佇むことができる。芭蕉の感じたものを心の中に再現して味わうのである。生徒の一人がこの句を読んで、「それでどうしたの?」と首をかしげた。集団的無意識の中核にある日本的情緒が育まれていないようにみえる。共感も同調もできない。なるほど、そういうタイプがいるのだと驚いた。戦後数年間までは万葉の短歌が国民の教養の一部だったから、こういうタイプはほとんどありえなかっただろう。いまでは、3割ほど存在しているのかもしれぬ。日本人とは何かを考えさせられる。
 大数学者の岡潔先生は、心のセンターにあるものを情緒と定義する。そしてその情緒を日本民族の情緒と個人の情緒に分類し、これら二つが融合している人は稀だと書いている。(岡潔著『日本人のこころ』日本図書センター1997年刊)


 人の心に共感するとか同調するというのは、組織マネジメントにとっては重要な能力である。人は論理でも動くが、論理の射程は極端に短く、現実の変数は無限大である。届かないのだ。
 人は基本的に情緒で動く。情緒に共感出来たら、少々の自己犠牲はいとわない。人とはそういうモノのようだ。
 目先利益や自分の利害を四六時中考えている人が、論理で人を動かそうと思うと、利益で釣るしかない。それでは、組織は腐っていくし、仕事のできる者の中には利害損得では動かぬ人もいるから一つの組織全体を動かすことは出来ぬ。自分の利害損得、目先の利益に目がくらむと、長期的には身動きが取れなくなるのがモノの道理だ。夢を語り、それを実現して見せるのがマネジメントの役割である。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
 日本人が数世紀にわたって育んできた商道徳やマネジメントの底流にはそうした日本的情緒や価値観が流れている。そういうものを体現する経営者も政治家も稀になった。情緒の濁りがいけない。


 小説冒頭の文章を吟味して、筆を擱こう。
 地の文が「ですます調」であるところが気になった。
 「勢いよく駆け出してきた若い男ひとり、額を輝かせ汗で濡らした様が、若木の茎を剝いたように匂やかでみずみずしい」
 生硬ではあるが著者独特の表現、「額を輝かせ汗で濡らした様が、若木の茎を剝いたように匂やかでみずみずしい」に出遭うのも楽しい。若い業平の狩りの様子がよくわかる。この地の文に後続する、次の二つの文は「である調」のほうがわたしには切れがよくリズミカルに感じる。高樹のぶ子さんは、なぜ地の文を「ですます調」にしたのだろう。同じ疑問をもったはずで、そのうえで「ですます調」を選択しているのだろう。著者に訊いてみたい。

「走り出てきます⇒走り出てくる」「声をかけました⇒声をかけた」
 こちらの方が勢いはあるし、切れもいい。
 西行の生きざまを小説にした辻邦生の『西行花伝』を二十数年前に読んだ、あれ以来である。くまざわ書店でタイトルを見ただけで興味がわいて、手が伸びた。

 『業平』の登場人物のこころのセンターに渦巻いているものを自分の心の中に再現しながらじっくり読みたいと思う。こういうことを贅沢と言うのだろう。高樹のぶ子さんに感謝...m(_ _)m

 




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小説伊勢物語 業平

小説伊勢物語 業平

  • 作者: 髙樹 のぶ子
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版
  • 発売日: 2020/05/12
  • メディア: 単行本



西行花伝 (新潮文庫)

西行花伝 (新潮文庫)

  • 作者: 邦生, 辻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/06/30
  • メディア: 文庫
すらすら読める伊勢物語

すらすら読める伊勢物語

  • 作者: 高橋 睦郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/12/11
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ぢん・ぢん・ぢん〈上〉 (祥伝社文庫)

ぢん・ぢん・ぢん〈上〉 (祥伝社文庫)

  • 作者: 花村 萬月
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2001/03/01
  • メディア: 文庫
退廃姉妹 (文春文庫)

退廃姉妹 (文春文庫)

  • 作者: 島田 雅彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: Kindle版
忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

  • 作者: 宮本 常一
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/04/20
  • メディア: Kindle版

 

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#4373 医学部受験予定・高3の足跡 Sep. 18, 2020 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 いつまでに何を使ってどのようなことを教え、生徒が自ら課題を見つけてチャレンジしたことなどの記録をつけておかないと、いずれ忘れてしまう。折に触れて思い出しながら、あるいは記録を見返しながら、書き留めておきたい。地域医療を支える医者の半数は自前で育てよう。そのために、あとから医学部進学を目指して歩む根室っ子、そしてそれぞれのふる里で医者として地域医療を支えようとする若者たちの参考になれば幸いである。


 来年からセンター試験は共通試験に変わる。英語の出題傾向ががらりと変わるので受験生は調整に苦労しているのだろう。

 件(くだん)の生徒は、今月受験した河合塾の共通試験様式での模試で、英語は85%の自己採点、いままでやってきた勉強にようやく自信を深めている。7月にはちょっと自信がぐらつき焦っていた。実績が出だしてスキルアップの手ごたえを感じてほっとしているのだろう。センター試験レベルよりも河合塾の模試は難易度が高いから、目標値にまもなく手が届きそうである。
 共通試験の英語の獲得目標は95-100%に設定して勉強している。ハラリのSapiens原書講読は8月初旬に51頁まで読んだところで休止した、あとは自分で読めばいい、それだけの力はついた。授業で解説した主なものは弊ブログに記録してある。左サイドバーのカテゴリー「44-3. 原書講読講座 Sapiens(41)」をクリックすれば出てくる。休止の理由は、自分で課題を見つけたからだ。標準的な長文問題の設問になれることで解答速度を上げることと、本文読解のスピードアップである。

 昨日はZ会の長文問題(V)をやっていた。設問の該当箇所は難易度の高い構文だったが、2分くらいで精確な訳をしていた。答えがないので確認のための質問があった、「これでいいと思うのですが…」、ちゃんと訳せていた。生成変形文法で基底文に分解できれば、文の理解はたやすい。教えたとおりにやっている、上手なものだ。医学関係の専門書数冊読めばそのまま大学院試験にも対応できるだろう。医学専門書で修辞法の凝ったものなんてないから、医学系の専門用語を2000から4000語ほども覚えてしまえば、全国どこの大学院でも選べる。本人は海外留学のつもりはないが、大学卒業したら、興味の方向がかわるかもしれない。

 8月中旬に’Cutting Edge 2000’という長文問題集を1週間ほどでやり終えた。長文18問題のコンパクトな問題集。各問題15-20分で解けるようになった。スピードアップトレーニングと長文問題の設問に慣れるためだった。彼にとってはスケジュール通りの成果獲得、英語の語順通りに頭から読むのに慣れたようだ。
 大学共通試験の英語はリスニングが50点、リーディングが50点の配点。リーディングはもう満点が狙える域に入っている。

 1月から「英作文千本ノック」をやっているが、昨日は第115回目の解答と第116回目の問題文を送信した。すでに800題を超えた。NHKラジオ英会話の英文を問題に利用しているから、日常会話の語彙がこれで固めることができた。会話文主体のリスニングに出てくる語彙には問題がなくなっており、リスニングが楽になったという。しかし、何かの単語に注意が向くと、聞き逃しが出るので、そうならぬようにいまチューニングしている。もう一月以上前から、勉強の仕方の指示はしていない。自分でトライして、課題を見つけ、解決法を考え、坦々とそれをこなしている。
 いま英検準1級を受験したら、すんなり合格できるだろう。


 河合塾の模試で、数学が失敗だったと反省していた。一番得意な科目であるはずの数学でこの体たらくはプライドが許さないのだろう。メラメラとチャレンジ精神が首をもたげているのが目に見えるようだ。7年目だから、この生徒の性格は熟知している。(笑) 
 試験時間中にできなかった問題は、試験が終わった後にやったらすべて解けたという。焦ると力が落ちる。まだ難易度の高い問題を高速処理できないので、塾でもしばらく数学に集中して不安を払拭したいというので、好きなようにやれと伝えた。もう指導すべきことはない。(笑)
 『大学への数学 1対1対応』シリーズ全6冊を今月末には解き終える。不安のある分野の問題は全問解いたようだが、自信のある分野の簡単な問題は時間のロスだから自分で判断してパスしている。
 目標点は英語も数学も95-100%だから、共通試験用にチューニングも必要、手抜きはしない性格だ、いや手抜きがあれば95%をコンスタントには取れない。自分で点検している。

 北大医学部の大学共通試験の合格ラインは800点/900。東大医学部は830/900、まるで神業だね。旭川医大には道北・道東圏の地域医療推薦枠がある。地元で地域医療に従事することになるから、魅力的な選択肢である。
 さて、どういうことになるのだろう。自分で課題を見つけ、それを一つ一つかたずけて、希望の大学を選択して受験、合格したらいい。

<小論指導について>
「挑む」「挑戦する」という言葉が好きなようだ、最近書いた小論にそういう言葉が並んでいた。そのような性格ということだろう。文は人なり、語彙にも文体にも文の勢いにも人柄が出る、それでいい。
 小論指導は1時間半やった。小寺次男氏の本を高校生がイラストをつけて鈴木朗さんが編集し直したものを利用した。『高校生が絵を担当 総合力アップのためのガイドブック 夢こそ生きる力 企業人の教えが生きカエル』(出版元:星奈のお店)、この本に四項目箇条書の小論の書き方が載っている。これを読み直してみた。
 600-800字の小論文ように少しだけアレンジした。結論を最初に書き、それを補強・論拠づける材料を2-3つほど上げる。実体験に基づいた具体例が一つは欲しい。書こうとすることを四項目の箇条書にして、眺め、展開の順序を決める。結論を先に持ってきての項目は論拠とする。それで論旨一貫した小論文ができあがる。
 テーマを5個ほど用意しておいたので、そこから選んで一つだけやらせてみた。理解するのとやるのはまったく別、やってみてわかったようだ。四百字だととってもたいへんで、長いほど楽になるなんてことはやってみないとわからない。
 テーマを変えて、3-5回ほどトレーニングすればこの生徒には十分である。6年間の日本語音読指導で、大学生でもしんどいようなごつい論説文を何冊か読んでいるので、論理展開や高度な語彙の使用に慣れている。音読した本のリストは弊ブログ内を検索してもらえば出てくる。議論についてこれるので、著者の意見への共感と批判的な方向からの読みのトレーニングもしていた。もちろん議論もときどきした。結構鋭い思考ができるし、頑固、そして相対的な見方に慣れた。この生徒はオウム真理教のようなカルトにであっても心配ない、6年間の音読指導がワクチンの作用を果たす。授業はライブに限る、生徒とまみえるのはじつに愉しい。(笑)

 小寺さんの本の紹介は弊ブログ#3324にあります。企業人による実践的な小論指導、とってもいい本なので再販を期待しています。

#3324 人間万事塞翁が馬:中国故事成語に親しむ June 10, 2016

#4275 「青チャート数Ⅲ制覇」:5か月と7日間 June 24, 2020

 ここに実際に音読で使った本のリストが載っています。音読は国語の学力をアップするだけでなく、結果から言うと小論指導のためでもありました。良質なアウトプットは良質なインプットに支えられています。豊かな語彙があれば、小論文と言えどもそういうものが顔を出します。読み手が優れていればいるほど、それが目につきます。小論指導はたった1時間半で済んだと言えますが、6年かけて下地をしっかりつくりあげたとも言えます


<余談:英作文千本ノック>
 昨日263回目を作り終えた。平均し。て7.5題だから、1975題、A4版で280頁あるから本にすると560頁の英作文問題・解説集になるだろう。このままのペースなら、年末までには400-500回に達する。「英作文3000本ノック」か「英作文4000本ノック」に化けそうだ。はじめたら面白くてやめられない。(笑) 来年の3年生用には学力に対応して改訂版をつくるつもり。
 件の生徒は100回目までは前日夜10時に送信した英作文問題を翌日の授業のときにやってきた。15分くらいかけて、作った英文のチェックと解説を繰り返した。最初の3か月ぐらいは冠詞を中心にチェックと解説を繰り返したので、いまでは冠詞の扱いにミスがほとんどない。それは読みの方の力にも影響しているし、もちろん本命の狙いの模試の英作文問題には璧もミスがなくなった。大量の作文をこなすこととSapiens読解トレーニングの相乗効果でで並び替えの問題分野でも、複雑な構文に慣れてミスがなくなった。第100回目を送信したのは8/12である。そこらあたりから、卒業。問題文と解説は週に4回送っているが、見てるかどうかはわからない。他の3年生の生徒たちもいるので、年内は配信を続ける。もう、趣味の領域である。


<余談:ギャップ>
 学校の英語の授業で2行の英文の解説に1時間を費やしたと生徒が苦笑していた。彼にしてみたら、解説の必要のない普通の難易度の英文。主語の修飾節が長い。本動詞はずっと後に出てくるneedである。その前に出てくる現在完了は修飾節の動詞。この生徒は文末のthe change in lawに「法改正」というこなれた訳語を当てていた。
 トップクラスの学力の生徒には高校の標準的な難易度の授業は退屈極まりない。高校統合以来、入学してくる生徒の学力が低下しているので、根室高校の授業レベルも下がるばかりだ。


(2005年ころの定員オーバのときの合格最低点は150点を超えていたから、それを基準にすると、普通科120人中20人程度しかいない。特設コースのクラスの半数のみが、当時の根室高校普通科の学力レベル。大多数の8割、100人は旧根室西高校レベルの学力ということだ。学力の実態から判断すると、根室高校が消滅して根室西高校が生き残ったようなものである。教育行政も含めて根室の大人たちはそういう学力低下の危機的な状況に気が付いていない。今月行われた中3の学力テスト総合AはC中学校の平均点は95.3点(五科目300点満点)、こんなに低いのははじめた見た。釧路根室管内で最低レベルである。根室市教委も市議会も学力低下に関心がまるでない。学力テストデータすらモニターしていないで、具体的で有効な教育政策が立案できるはずもなし)


 化学と物理の先生は、トップレベルの生徒2人の要請に応じて放課後補習を一月余実施してくれた。難易度の高い内容だったので、残念ながら他の生徒の参加がなかったようだ。通常の授業ではトップレベルの生徒の知的好奇心を満足させることがむずかしい。放課後補習で難易度の高い問題を取り上げ、解説をしてくれる先生たちがいるのは心強い。私塾とそういう先生たちが協力関係を築けたら進学実績によい影響がありそうだ。
 根室から国公立大医学部現役合格者がでるの初めてかもしれない。


<根室市内に国公立大医学部が受験できそうなこどもはどれくらいいるのか?>

 小4からスタートすることを前提にすると、おおよそ学年に2-3人いると思う。特別な個別指導をしても資質のある生徒はそれくらいなもの。
 特別な資質をもった子たちに合致した現実的で具体的な長期学力アップ戦略を立案すると同時に、予習中心で容易に答えを見ないで考える学習スタイルが身に着けば、学力は後になるほど伸びる。土台作りの小学校のときが大切だ。どのような学習習慣を身につけるかで、高校生になってからの学力の伸びに大きな差が生まれる。
 そうした資質の高い子どもが根室で一学年に数人いる。いままで育てそこなっていただけ。市立病院の常勤医不足は根室っ子を上手に育てることでずいぶんと緩和できるということ。毎年3人医学部へ進学すれば30年間で90人である。過去30年間で根室は何人の子どもが医学部に進学できたのか?30年後目指してじっくり取り組んだらいい。


おまけ:投稿欄でのやり取りが楽しかった記事です、話題の中心は数学。

#4072 「先生、土日やってないんですか?」 Aug. 31, 2019





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#4372 神田たけ志50周年劇画展 Sep. 17, 2020 [22. 人物シリーズ]

 標記劇画展が今日から、22日まで開催されている。「根室市未来のアーティスト応援事業」として根室市教委がバックアップしている。
 場所:根室市文化会館多目的ホール
 日時:9/17~22 9時から18時まで

 10時半ころ会場に着くと、タケシは新聞社の取材に応じていた。
 会場を見渡してみる。展示されている劇画はおおよそ600枚あった。ぜひたくさんの根室市民の皆様に、劇画一筋、精緻な職人仕事をじっくりご覧いただきたい。根室にいると実物を見る機会がなかなかないから、こういう機会はありがたい。
 『ゴルゴ13』のさいとうたかおは84歳、彼のところへ弟子入りしたくて、1966年、高3の9月に根室を出て行った。よく思い切ったものだ。わたしは、タケシが一番弟子だと思っていたが、先ほど話をしていたら、7番目だったそうだ。すでに数年前からさいとうたかおの元へ弟子入りしていた若者が何人もいたということ。世の中には、師と認めたら、人生を賭ける若者がいつもいる。そういう中から、また次の巨匠が生まれるのだろう。


①これは『御用牙』の一枚だ。タケシが20代のころの作品。テレビドラマにもなった。
 ところで、この刀の繊細なソリ(曲線)はどうやって引くのだろう?雲形定規のようなものを利用するのだろうか?実際の刀はこんなに細くはないが、絵にしたときにはこういうように細く描いた方が、それらしく見える。

DSCN4061s.jpg


 

②120㎝くらいのサイズだから、書くのたいへんだっただろうと思ったら、画像を何枚もパソコンに取り込んでデジタル処理して作成したという。

DSCN4064s.jpg



②首に巻いた布切れが強い風にあおられている。雪のある時期にこんな強風下では、耳は痛くてちぎれそうになり、身体が芯まで冷えて凍えていく感じがよくわかる。

DSCN4057s.jpg



③絵が撮ってもきれいだったので、…

DSCN4056s.jpg

こういうレベルの原画が約600枚展示されています。会場はまだ200枚のスペースが開いていました。

 「もっともって来ればよかった
 タケシのつぶやきです。(笑)


<余談:3年G組は台風の目>
 タケシもわたしもGクラス。団塊世代のわたしたちは「丸刈り」という校則に従って、倍率2倍の入試を経てバンカラな風土の漂う根室高校へ入学した。校則があるので中3の冬休みに人生初めての丸刈り坊主頭にしたが、反骨精神は心の中でぶすぶすと音を立てながら燻(くすぶ)っていた。2年生になって修学旅行は長髪で東京へ行こうと、生徒会の副会長と会計の先輩に相談したら、「言い出しっぺのお前がやれ!」と言われて、校則改正の戦略を立て、すぐに実行した。まず保護者にアンケートをとった。趣旨は髪型は人権の一部で、丸刈り強制の校則は時代に合わないというシナリオのアンケート用紙をデザインした。学校側は保護者=PTAの意向に弱いと踏んだのだ。図星で、その結果を集計して生徒総会へ持ち込み、賛成多数で丸刈り条項は廃止となった。根室商業時代から続いていた丸刈り条項はこうしてなくなった。修学旅行3か月前だった。髪を伸ばしてドライヤー持参で修学旅行へ行った。当初スケジュール通りの仕事だった。(笑)
 もう一つ、根室商業時代から続いた伝統があった。総番制度である。同じクラスのヒロシが総番だった。ヒロシに訊いたら、代々の総番長に伝わっていた「仁義」の台詞を知らなかった。5代前の総番長は親戚のお兄さんで「まこちゃん」と呼んでいた。彼は仁義の台詞を丸暗記しており、高校1年生の時に、目の前でやって見せてくれた。「お控えなすって...」というヤクザの挨拶である。小さく折りたたんだ紙に小さい字で台詞がびっしり書かれていたあの紙をもらったはずだが、机の中にしまったまま、机とともになくした。なぜ、そんなものが伝わっていたかというと、根室商業時代には元気のいい生徒が多かったのでヤクザ屋さんともめごとがあったらしい。そういうときに学校を代表して話をつけるのは総番長の役目だった。「台詞を間違えたら、殺されたって文句は言えない」とその元総番長は言った。だから総番長には大きな権限ととっても重い責任があった。マコちゃんは野球部のキャプテンだった。彼が高校生で総番長の時に、金刀比羅神社の例大祭で見かけたことがあった。眼付きの鋭い十数人を従えて、怖い顔をして先頭を歩いてきた。声をかけられなかった。あれは祭りの日の伝統の儀式だったのだろう。総番グループを従えて、一回りする。祭りの前日には、夜店の場所割りに地元のヤクザの親分が子分数人を連れて見回っていた。ルール違反があると叩き壊していた。当時祭りが整然と行われたのは彼らの「仕切り」があったからだ。いまでは平穏に場所割りがなされている。見回り役は警察だ。
 わたしたちのときには総番制度だけが残って、総番長の権限と責任が曖昧になっていた。このままではだだのワル集団に成り下がってしまう。A野とヒロシと相談して、根室商業時代から続いた総番制度を廃止することに決めた。三人で決めただけで、実際にそれをやり切ったのはヒロシである。偉い奴だ。あいつは人望が厚い、あいつの周りには実にいろんな種類の人が集まってくる。東京の大学へ一緒に行こうと誘ったのはヒロシだった。総番長が級友に「一緒に東京の大学へ行こう」なんてぬけぬけと言ったのだ、そしてわたしはそれを当然のように聞き、オヤジに相談してヒロシと一緒に千歳空港からスカイメイトの割引を利用して東京へ向かった。高校3年生の12月までは大学進学はおろか、大学院まで行こうとは思っていなかった。あいつが同じクラスにいなければ、わたしは大学にも大学院へも進学していない、わたしにとっては恩人である。とにかく気が合った。どこか似たところがあったのかもしれぬ。
 3Gは面白い面子の揃ったクラスだった、そしてA組からG組までの中で台風の目のような存在のクラスだった。3年生の9月に学校を退学して『ゴルゴ13』の「さいとうたかお」へ弟子入りをしたタケシもその中の一人である。思いっきりの好い奴だ。3年生の9月に劇画を描きたくて中退する奴は滅多にいないだろう。その思いっきりのよさが、彼を劇画のプロにした。あいつは夏休みにバイトして東京行のお金をためて、ある夏の夜わたしの家まで相談にきた、学校をやめてプロになると。相談といいながら相談ではなく、決意表明だった。(笑)
 





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#4371 学力テスト総合A:C中学校に異変アリ Sep. 18, 2020 [71.データに基づく教育論議]

 9/10実施、学力テスト総合Aの得点通知票を9/15に見た、事務処理が速い!
 五科目合計点が百点を切っている。コロナで授業開始が遅れたことも影響しているだろうが、どの程度かはわからない。百点を切れば学力は赤信号である。
 右端は「2019年平均点-2020年平均点」である。全科目マイナスとなっている。


  2019年 2020年 20-19
国語 32 29.3 -2.7
社会 25.4 21.6 -3.8
数学 16.2 14.1 -2.1
理科 24.2 13.1 -11.1
英語 19.9 17.2 -2.7
合計 117.7 95.3 -22.4


 平均点の五科目合計が22.4点下がった。95.3点という五科目平均点を始めてみている。百点を切ったのは何度か見たが、過去18年間で一番低かったのは2018年10月実施の学力テスト総合BB中学校の90点であるから、2番目かも知れない。最近は、百点を切ることがそんなに珍しくなくなったので、ああ、またかと思うだけ。あまりの低学力に感覚が麻痺してきたようだ。しかし、釧路根室管内18校のデータでみると根室の市街化地域の3校は最下位なので、愕然とする。


 200点を超えている生徒が一人(昨年の学力テスト総合Bデータを見ると3人/42)だけいる。トップの生徒だ、230点に近い得点だから、トップは例年に比べて得点に遜色がない。161-200点までの階層に3人しかいない。昨年は5人いた。学力上位層がさらに減少している。学力上位層が枯渇化現象を起こし、底辺層が肥大化しているのは高校統合の結果である。
 2005年だったか、普通科が定員オーバーしたときの合格最低点はFランク150点を超えていた。その150点を基準にすると、41人中6人のみ。根室高校普通科特設コースですら、3年次の学力テスト総合Aで五科目合計点が150点に満たない生徒が4割ほど含まれることになる。120人の普通科の生徒のうち100人ほどが旧根室西高校の生徒と同等の学力ということ。


 数学の点数分布をみると26点以上は4人/41(9.8%)である。15点以下は22人/41人(53.7%)。学力テスト総合ABCの3回で一度も30点以上を取ったことがなければ、高校普通科の標準的な数学授業を独力では理解できないだろう。
 市内全体は170人ほどだから、4倍するとおおよそ市内全体の推計ができる。だから、市内全校を併せても、高校普通科の標準的な難易度の数学の授業を独力で理解できるのは16人未満ということになる。普通科特設コースの生徒ですら半数以上が独力で数学の授業を理解できないということになるが、現実はその通りである。高校1年生が受験しているベネッセ全国模試の根室高校普通科の生徒の数学の平均点は毎年20点付近である。全国数学の平均点は32-36点、標準偏差が18点前後だから、偏差値で見ると根室高校は42付近である。全国に高校が100校あるとすれば80番である。


 何が起きるか?高校側は授業の難易度を下げるということになるし、実際にそうなっている。しばらくの間必修だった数Bが選択科目になって久しいだけでなく、統合後に数Ⅱは選択科目になってしまった。2年生の低学力の生徒用には「ベーシック数学」という科目が設定されている。中身は内容のほとんどが中学校の復習に近い。

 入学してくる生徒の学力が低ければ、高校の授業は生徒の学力に合わせて難易度が低下していく。とめどなくそういう現象があらゆる科目で起きているということ。
 
 高校卒業までに習得する英単語数は3000語であるが、学習指導要領の改訂に伴い、来年から4000~5000語に増えていく。日本という国の高校授業の難易度は高い方へ向かっている、教育と倫理が国の礎だから。
 しかし根室高校の現実は低い方向へと流れだしてとめられないし、教育行政には止めようという意識すらない。データすら見ようとしないのだから。

 根室の町の未来は子どもたちの学力にかかっている。
 根室市教委も教育長もは普段の学力テストのデータすらモニターしていない。
 根室市議会文教厚生常任委員会のメンバーは、普段実施されている学力テストデータくらいはモニターして、学力問題を議論してもらいたい。
 学力問題に一肌脱ごうという市議さんはいませんか?いましたら、ebisuまで連絡下さい。


#4096 学力テスト総合A:17校データ比較 Oct. 5, 2019 


 クリックすれば、#4096へ飛びます。せめて一覧表をご覧いただきたい。17校中、根室の柏陵中と啓雲中は最下位です。光洋中はデータがありませんが、ほぼ同じでしょう。
 根室管内では別海中央中学校がダントツに五科目合計点が高い。昨年の学力テスト総合Aは137.6点でした。過去数年間高い点数を維持しています、校長の腕次第ですよ。(笑)


<余談:学力問題への無関心が生み出すもの>
 道庁の職員は根室振興局への赴任が決まれば、子どもの教育について考えざるを得ないでしょう。民間企業の社員だってだった同じです。「子どもの教育どうするの?」と奥さんに問われたら答えに窮します。

 市立根室病院も同じです。就学期の子どもを抱えているドクターは常勤医にはいらっしゃらないのでは?市立根室病院へ赴任したら、自分の子どもを医者にすることは無理と考えるのは自然です。かくしていつまでたっても、市立根室病院の常勤医不足は教育問題がボトルネックとなって解消できません。
 もうすぐ、そういう常識を覆すことができるかもしれません、できたらうれしいですね。根室の町にも希望の光が見えるのか、期待しています。




9/29追記:中標津町立広陵中学校 124.5点(国語33.3、数学22.2、社会24.3、理科20.7、英語22.7)






 

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#4370 3か月定期検診:足底部の診察と不整脈について Sep. 15, 2020 [36. 健康]

 先週水曜日に採血してもらったので、 岡田医院へ行ってきた。貯蔵鉄がいつもは400台の数値なのに290に落ちており、ピンク色の溶液のビタミンB12の静注をしてもらった。血清鉄は貧血というほど下がってはいないし、腫瘍マーカもOKだ。
 気になっていた足底部を診察していただいた。触診の結果は「やわらかい」、だから良性腫瘍ではなくてもっと柔らかいものの可能性が残る。
 8/10にオホーツク海コース18km+4.3km走ったときに、腫れて内出血したので、炎症性の症状があったのではないかとの診断。たしかにちょうどペダルに当たる部分が腫れて左親指に内出血を起こした。1週間ほどで内出血は消えたが、腫れはそのまま。テニスボールを足の裏に充てて、ゴリゴリ動かしていたら、腫れのツッパリがずいぶん緩和した気がする。親指を限度いっぱい曲げたときに外周側の皮膚の突っ張る感じが消えた。案外効果があるかも。まだ続けてみよう。
 普通のスニーカータイプの薄底の靴だと痛みがあるが、厚底の軽登山靴なら20分歩いても支障がない。日常生活に不都合が生じたら、専門医へ紹介状を書いてもらい、病理検査⇒手術による除去、ということになる。しなくて済むならありがたい、当分経過観察ということになった。何か異常があったらすぐに主治医へ相談に行けばいい、そういうところが安心感を大きくしてくれる。


 ところで、数年前に心臓が細動して、心拍数が4倍くらいに跳ね上がり、数分続いたら心臓がもたない、もうだめかと思うことがなんどかあった。原因場所によって心室細動とか心房細動というらしい。突発的に起きる不整脈だが命にかかわる場合があると数日前のNHKラジオ朝5時半ころからの健康番組で、循環器専門医が解説していた。細動が続くと心臓に血栓を生じて、心停止や脳梗塞になるので、危険。
 わたしの場合は朝の食事のあと、1時間ほどしてトイレに入ると、そういう現象が起きた。いきなり心拍数が跳ね上がり、呼吸をコントロールしても心拍数は落ちない。身体が少し熱くなったように感じる。MRIで糖を静注したときと類似の身体感覚だった。しばらくするとおさまった。
 2-3年そういう症状が起きていない。不整脈はじつは怖いことを知った。
 加齢とともにいろいろな症状が出るもので、他の方々の参考になれば幸いである。

 診察を待っていたら、同級生の奥さんがいたので、しばらく話をした。そうしたら、元塾生のおばあさんが診察室から出てきて、久しぶりの会話。お孫さんのその後の様子を話してくれた。独力でしっかり勉強していることは同級生から耳に入っていた。中学1年生の8月に他の塾で入塾テストの結果、断られてニムオロ塾へ来た生徒で、なるほど手間はかかったが、何とかなった。断られて悔しい思いをしたこと、そして勉強ができるようになりたいという思いが切実だった。そういう生徒は飛躍的に学力を上げる。中学卒業と同時に塾はやめたが、高校に入ってからは数学は最上位のγクラスを維持していた。子どもたちは変われる、なかには劇的に変化を遂げる生徒がいる、よくがんばっている。
 とはいっても全部が劇的に学力アップできるわけではないし、この生徒のように劇的に成績が上がる生徒はやはり珍しい部類に属する。
 テストの結果が悪くても、悔しくないし、そして学力アップに切実な思いもけなれば、家で勉強もしないと三拍子そろってしまえば、学力はさっぱり上がらない。それがモノの道理というもの。
 そういうときは、いつかは変わるときが来ると信じて、しばらくじっとまつしかありません。しばらく来ても生活習慣を変えられなければ、場合によっては休塾勧告します。本人のためですから。
 勉強したくなったら、いつでも受け入れます。




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#4369 国勢調査 :オンライン入力 Sep. 14, 2020 [A8. つれづれなるままに…]

 国勢調査のオンライン回答が今日(9/14)からなので、早速やってみたら、10分程度で終了した。年寄向けにしてくれたのが、画面の文字が大きい。(笑)
 国税庁のe-taxは初期のころフリーズしたりして面倒だったが、「国勢調査オンライン」は合格点をあげられる、快適だった。

(わたしは知らなかったが、前回の国勢調査のときからインターネットでオンライン回答が選べたそうだ。FBで調査員だった方が教えてくれました)

 



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①気温が下がってすっかり色変わりした紫陽花

 枯れ始めています。
DSCN4046s.jpg


②まだ数輪だけ花をつけているハマナス
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③花より薄皮饅頭(福島県郡山市駅前柏屋さんの銘菓、「檸檬」もいいね)…おいしかった!
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#4368 新根室プロレス代表宮本さん逝く Sep. 13, 2020 [87.根室の話題]

 新根室プロレスは「アンドレザ・ジャイアントパンダ」で一躍全国に名前をとどろかせた。三吉神社のお祭りでも、根室っ子を楽しませてくれた。代表のサムソン宮本さん55歳が9/11に亡くなった。アンドレザ・ジャイアントパンダの実物を見たときにはどうやって動かしているのか不思議だった。人が中に入って動かすには大きすぎるのである。コケるとなかなか起き上がれないところが妙に現実感があって、うれしかった。可愛いのである。根室のおもちゃ屋さんの老舗の何代目かではなかったかと思う。緑町の古今堂さんは小さいころずいぶんお世話になった。梅ヶ枝町三丁目の店舗兼自宅から歩いていくと、ラーメン店の浅草軒が最初の角で、広小路を下った次の角が古今堂である。
 アイデアと実行力次第で、根室から全国ネームの興行団体の立ち上げが可能なことを教えてくれました。
 早すぎますね。
 根室っ子を楽しませてくれたサムソン宮本さんへ謹んで哀悼の意を表します。

新根室プロレスのサムソン宮本さん逝く





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