#4359 どういうわけか成績が学年4位に急伸した女生徒 Sep. 5, 2020 [52. 数学]
あたりまえのことだが、いい大学へ進学したくて小学5年生から熟へ来る生徒もいれば、成績が振るわなくて塾へあわてて来る生徒もいる。事情は人それぞれ違っているが、いくつかの類型パターンには分けられる。
大学を目指して小学校から来る者、成績不振なので心配している親に言われて中高生になってからしかたなく塾へ来る者。看護学校へ進学を予定しているが、学力に不安があるので慌てて高校3年生になってから来る者、同級生が通塾しているので、同じ塾へ行ってみようかと思う者。通塾の動機はさまざまだが、こうした類型パターンに分けることのできる生徒は多い。
昨年8月下旬から来ている高校生がいる。通塾の動機は数学の成績が下がり始めたからだ。独力ではもうやれない、助けが必要と判断したようだ。高校生になった子どもの勉強の世話を焼ける親は稀だ、それで塾を探す。
(高校生対象の塾はたった二つだけ。数英両科目を教えている塾はニムオロ塾しかなくなった。最盛期の昭和43年ころは人口が4.9万人、いまは2.5万人に激減、高校は一つになり、実質的に高校入試が消滅したようなもの。中学生の勉強の動機、「根室高校に進学したい」は消滅した。全員が根室高校進学を保障されている。中学生の通塾はいまでは珍しい。)
来てからしばらくは全国模試の数学が50番目くらいだった。このままでは「特設コース」のAクラスから外れてしまうと生徒自身が焦っていた。気持ちはわかるよ。しばらくして数学だけは20番以内へ。そして10番台前半へと全国模試の成績アップは順調に見えた。だが、定期テストでは全国模試の結果に見合わぬ点数をとることがある。成績が安定しないのはどこかに陥穽(あな)があって、そこでつまづくからだ。だから、どこに穴があるのか見つけなければならない。
ちょうど1年たち、この前受験した模試で学年4番になったと喜んでいた。苦手の筈の国語も得点がよかったので、国数英の三科目でも学年4位だ。まわりはだれもそんなにアップしたことを知らない。ネットでパスワードを入れて自分の成績が確認できただけで、個人成績表はまだ届いていない。わたしも彼女のスマホで全国模試の結果を確認しただけ。
前々回も数学は偏差値が60に近かったので期待はしていたが、「よすぎ」、「できすぎ」と笑った。
たしかにまぐれだろう。だが、前々回偏差値が60に近く、今度は63.8だから、あながちまぐれとも言えないのである。2度も続けて偏差値が高いのは、ある程度力のついてきた証左である。定期テストよりも全国模試のほうが問題の難易度は格段に高いから、「定期テストー20」くらいが全国模試の点数となる。英語は全国平均点に2点足りないから偏差値50にちょっとだけ足りぬ。まだしばらくダメだろう。英語にまとまめて投入する時間が確保できない。この生徒はいろいろやっていていまとっても忙しいのだ。年を越したらLine配信の「英作文千本ノック」に参加できるかな?いまのところ文型でタイプ分けした基礎英作文も一度もやってきたことがない。(笑)
今週根室高校は前期期末テストを実施したが、この生徒は数Bの数列の漸化式のところの式の整理が苦手なので、説明してほしいと要求があった。解答を見てもどのような処理をしてこうなるのかわからないと本人が言うので解答集の当該箇所をみた。因数分解と分数が混じっており、ちょっと複雑な処理をしなければいけない、ここだったのか、分数計算が関連するところで混乱することが分かった。式の展開をしている途中で、分母と同じ数をかけて整数の式にしてしまう。式の展開と等式の違いがわかっていなかった。つまり等式の概念が理解できていなかった。これも今回しっかり解説した。数字の分数計算ならやれても、文字式になったとたんに違うものに見えてしまう生徒は多い。数字の式のときと同じ計算規則でやればいいのだが、なぜか混乱して自分独自の計算ルールを編み出して適用してしまう。こういう生徒は個別に診て今まで積み上げた知識を整理してやらないといつまでも混乱から抜け出せない。集団指導では救えないタイプである。
数Ⅱの軌跡のところも、平方完成するときに、カッコの中が分数になると途端にヘンな計算をしだす。計算が分数交じりで複雑になると途端にエイヤと計算規則を超越してしまう。複雑な計算のストレスに弱い、やはり分数計算に問題があった。高校生だから、ちゃんと説明すれば理解できるが、手間がずいぶんかかった。曖昧になっている計算規則は頭の中で、複雑な計算になった途端に独自の計算規則へ突然飛んでしまうように習慣になっているから、それを外さなくてはいけない。間違えた個所を使って、繰り返し正しい計算の規則を説明し、その習慣化されてしまっている”ワープ”を消すのが大変なのだ。好い点数が獲りたくてすなおによく聞くからめんこい。(笑)
三角関数も範囲だったが、n・sineΘ/3やΘのところが(Θ+π/2)という類のグラフがかけないというので、これも丁寧に解説し、何度も描いてもらった。y軸が0や±1の箇所はΘの値を記入しないといけないが、これも分数計算を伴なう。
厄介だったのはtanΘのグラフである。これもΘのところが分数だったり、(Θ-π/3)だったりするとどうやってよいのかわからなくなっていた。計算を繰り返して、何度も描いてみたら、なんとかやれるようになった。試験本番で完璧にやれるようになるのは、理解しただけではダメで、怪しいところは何度も繰り返しやってみて、手に覚えこませなければならない。家でもやっていれば成果を期待してよさそうだ、ぎりぎりだったから家でなんども練習する時間がとれただろうか?80点獲れたら素晴らしいと思う、80点をクリアできれば、自信がついてじきに90点獲れるようになる。
塾用問題集シリウスのコンパクトな解説を見ただけですっとできる生徒もいる。手間のかからない生徒である。ときどき質問が出るからそれに応えるだけで十分。その生徒は数Ⅲ青チャートを5か月でやり終えたが、質問は10個もあっただろうか?問題集の例題を見ただけですぐに演習問題が解けてしまう。だから、余計な説明はしないほうがいい。
偏差値70を超えている生徒でも学力や理解力は勉強のさせ方で3年5年とたつうちにまるで違ってくる。塾への依存心を植え付けてはいけない。予習方式で小5の1月からやってきてから、高校生になったらシリウスのコンパクトな解説を独力で読むだけで理解は十分で、あとは自力で問題演習に取り組んでいる。だから、難易度の高い問題でわけがわからなくなったときだけ、生徒の質問に丁寧に応じてやるだけでいい。手とり足取り教えたら、教えてもらわないと理解できないタイプに育つ。
依存心が強い生徒は質問があっても、どこがわからないのか確認しただけで「あと5分だけ考えてみろ」ということがある。複雑そうなので面倒くさくて思考停止し質問する生徒もいるからだ。もうすこし「わからない」という状態を我慢出来たら、案外、正解に到達できる。そのあたりの見極めが個別指導の楽しいところ。子どもたちの理解力は千差万別だから、学力や理解力にあった教え方を工夫すればいいだけ。
教えてその時は理解できても、家で学習しない生徒はお手上げである。翌週、また似たようなことを教えることになる。スマホの虜になってしまった生徒たちから、帰宅してから10時までは取り上げてもらうように話し合っても数日で、たいがい破綻する。自覚を俟つしかないこともある。休みが多くて休塾を勧告して、実際に1年間休塾扱いした生徒もいる。
成績が急伸したこの生徒は全国模試の数学の点数はいいのだが、定期テストが模試の点数くらいしか獲れない、めずらしいタイプ。普通は全国模試が60点を超えたら、定期テストは90点越せるのがあたりまえである。まだそこは無理だろう、ワンステップ必要だ。そんなに簡単にいままでの習慣を消すことはできない。何年もかかって身についてしまった習慣を消し去るのはそれほど困難なのである。でも、もう克服すべき課題ははっきり見えているから、今回の定期テストは80点越えを期待している。
小学校で分数計算を学びそこなうと、高校生になってまぐれにせよ女子の中では全国模試の数学が学年トップでも、アキレス腱を抱えている生徒がいるのは事実である。どれくらいいるのだろう?高校では分数計算を教えないので、こういう生徒たちは放置されている。それでも模試でときどきいい点が取れるのだから不思議だ。
大学を目指して小学校から来る者、成績不振なので心配している親に言われて中高生になってからしかたなく塾へ来る者。看護学校へ進学を予定しているが、学力に不安があるので慌てて高校3年生になってから来る者、同級生が通塾しているので、同じ塾へ行ってみようかと思う者。通塾の動機はさまざまだが、こうした類型パターンに分けることのできる生徒は多い。
昨年8月下旬から来ている高校生がいる。通塾の動機は数学の成績が下がり始めたからだ。独力ではもうやれない、助けが必要と判断したようだ。高校生になった子どもの勉強の世話を焼ける親は稀だ、それで塾を探す。
(高校生対象の塾はたった二つだけ。数英両科目を教えている塾はニムオロ塾しかなくなった。最盛期の昭和43年ころは人口が4.9万人、いまは2.5万人に激減、高校は一つになり、実質的に高校入試が消滅したようなもの。中学生の勉強の動機、「根室高校に進学したい」は消滅した。全員が根室高校進学を保障されている。中学生の通塾はいまでは珍しい。)
来てからしばらくは全国模試の数学が50番目くらいだった。このままでは「特設コース」のAクラスから外れてしまうと生徒自身が焦っていた。気持ちはわかるよ。しばらくして数学だけは20番以内へ。そして10番台前半へと全国模試の成績アップは順調に見えた。だが、定期テストでは全国模試の結果に見合わぬ点数をとることがある。成績が安定しないのはどこかに陥穽(あな)があって、そこでつまづくからだ。だから、どこに穴があるのか見つけなければならない。
ちょうど1年たち、この前受験した模試で学年4番になったと喜んでいた。苦手の筈の国語も得点がよかったので、国数英の三科目でも学年4位だ。まわりはだれもそんなにアップしたことを知らない。ネットでパスワードを入れて自分の成績が確認できただけで、個人成績表はまだ届いていない。わたしも彼女のスマホで全国模試の結果を確認しただけ。
前々回も数学は偏差値が60に近かったので期待はしていたが、「よすぎ」、「できすぎ」と笑った。
たしかにまぐれだろう。だが、前々回偏差値が60に近く、今度は63.8だから、あながちまぐれとも言えないのである。2度も続けて偏差値が高いのは、ある程度力のついてきた証左である。定期テストよりも全国模試のほうが問題の難易度は格段に高いから、「定期テストー20」くらいが全国模試の点数となる。英語は全国平均点に2点足りないから偏差値50にちょっとだけ足りぬ。まだしばらくダメだろう。英語にまとまめて投入する時間が確保できない。この生徒はいろいろやっていていまとっても忙しいのだ。年を越したらLine配信の「英作文千本ノック」に参加できるかな?いまのところ文型でタイプ分けした基礎英作文も一度もやってきたことがない。(笑)
今週根室高校は前期期末テストを実施したが、この生徒は数Bの数列の漸化式のところの式の整理が苦手なので、説明してほしいと要求があった。解答を見てもどのような処理をしてこうなるのかわからないと本人が言うので解答集の当該箇所をみた。因数分解と分数が混じっており、ちょっと複雑な処理をしなければいけない、ここだったのか、分数計算が関連するところで混乱することが分かった。式の展開をしている途中で、分母と同じ数をかけて整数の式にしてしまう。式の展開と等式の違いがわかっていなかった。つまり等式の概念が理解できていなかった。これも今回しっかり解説した。数字の分数計算ならやれても、文字式になったとたんに違うものに見えてしまう生徒は多い。数字の式のときと同じ計算規則でやればいいのだが、なぜか混乱して自分独自の計算ルールを編み出して適用してしまう。こういう生徒は個別に診て今まで積み上げた知識を整理してやらないといつまでも混乱から抜け出せない。集団指導では救えないタイプである。
数Ⅱの軌跡のところも、平方完成するときに、カッコの中が分数になると途端にヘンな計算をしだす。計算が分数交じりで複雑になると途端にエイヤと計算規則を超越してしまう。複雑な計算のストレスに弱い、やはり分数計算に問題があった。高校生だから、ちゃんと説明すれば理解できるが、手間がずいぶんかかった。曖昧になっている計算規則は頭の中で、複雑な計算になった途端に独自の計算規則へ突然飛んでしまうように習慣になっているから、それを外さなくてはいけない。間違えた個所を使って、繰り返し正しい計算の規則を説明し、その習慣化されてしまっている”ワープ”を消すのが大変なのだ。好い点数が獲りたくてすなおによく聞くからめんこい。(笑)
三角関数も範囲だったが、n・sineΘ/3やΘのところが(Θ+π/2)という類のグラフがかけないというので、これも丁寧に解説し、何度も描いてもらった。y軸が0や±1の箇所はΘの値を記入しないといけないが、これも分数計算を伴なう。
厄介だったのはtanΘのグラフである。これもΘのところが分数だったり、(Θ-π/3)だったりするとどうやってよいのかわからなくなっていた。計算を繰り返して、何度も描いてみたら、なんとかやれるようになった。試験本番で完璧にやれるようになるのは、理解しただけではダメで、怪しいところは何度も繰り返しやってみて、手に覚えこませなければならない。家でもやっていれば成果を期待してよさそうだ、ぎりぎりだったから家でなんども練習する時間がとれただろうか?80点獲れたら素晴らしいと思う、80点をクリアできれば、自信がついてじきに90点獲れるようになる。
塾用問題集シリウスのコンパクトな解説を見ただけですっとできる生徒もいる。手間のかからない生徒である。ときどき質問が出るからそれに応えるだけで十分。その生徒は数Ⅲ青チャートを5か月でやり終えたが、質問は10個もあっただろうか?問題集の例題を見ただけですぐに演習問題が解けてしまう。だから、余計な説明はしないほうがいい。
偏差値70を超えている生徒でも学力や理解力は勉強のさせ方で3年5年とたつうちにまるで違ってくる。塾への依存心を植え付けてはいけない。予習方式で小5の1月からやってきてから、高校生になったらシリウスのコンパクトな解説を独力で読むだけで理解は十分で、あとは自力で問題演習に取り組んでいる。だから、難易度の高い問題でわけがわからなくなったときだけ、生徒の質問に丁寧に応じてやるだけでいい。手とり足取り教えたら、教えてもらわないと理解できないタイプに育つ。
依存心が強い生徒は質問があっても、どこがわからないのか確認しただけで「あと5分だけ考えてみろ」ということがある。複雑そうなので面倒くさくて思考停止し質問する生徒もいるからだ。もうすこし「わからない」という状態を我慢出来たら、案外、正解に到達できる。そのあたりの見極めが個別指導の楽しいところ。子どもたちの理解力は千差万別だから、学力や理解力にあった教え方を工夫すればいいだけ。
教えてその時は理解できても、家で学習しない生徒はお手上げである。翌週、また似たようなことを教えることになる。スマホの虜になってしまった生徒たちから、帰宅してから10時までは取り上げてもらうように話し合っても数日で、たいがい破綻する。自覚を俟つしかないこともある。休みが多くて休塾を勧告して、実際に1年間休塾扱いした生徒もいる。
成績が急伸したこの生徒は全国模試の数学の点数はいいのだが、定期テストが模試の点数くらいしか獲れない、めずらしいタイプ。普通は全国模試が60点を超えたら、定期テストは90点越せるのがあたりまえである。まだそこは無理だろう、ワンステップ必要だ。そんなに簡単にいままでの習慣を消すことはできない。何年もかかって身についてしまった習慣を消し去るのはそれほど困難なのである。でも、もう克服すべき課題ははっきり見えているから、今回の定期テストは80点越えを期待している。
小学校で分数計算を学びそこなうと、高校生になってまぐれにせよ女子の中では全国模試の数学が学年トップでも、アキレス腱を抱えている生徒がいるのは事実である。どれくらいいるのだろう?高校では分数計算を教えないので、こういう生徒たちは放置されている。それでも模試でときどきいい点が取れるのだから不思議だ。
根室の中学校で分数計算が苦手な生徒は半数はいそうだ。中学校の段階で、分数の苦手な生徒を補習で救ってあげられたら、生徒たちの数学の学力はずいぶんアップするだろう。根室市内の市街化地域の3中学校の昨年の学力テストの数学の平均点は15-16点(60点満点)である。釧路根室管内の18中学校の学力テストデータでは両管内で最低レベルにある。平均点以下の生徒たちに、標準的な難易度の普通科の数学を理解するのは無理がある。中学校の学力テストで40-50点は採れるようにしておきたい。数ⅡBはそれくらいでないと、独力で理解できない。そうした生徒はいまでは1割もいない。釧路根室管内で最低レベル、この現状をしっかり見つめたい。
青字の部分をクリックすれば、釧路根室管内の18校の昨年「9月の学力テスト総合Aの学校別・科目別平均点データが確認できる。
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2020-09-05 01:54
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