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#3792 四百年に一度の巨大地震が千島海溝付近で起きたら:仕事は段取り8分 July 26, 2018 [12. 自然災害への備え]

 四百年に一度の巨大地震が千島海溝を震源として起きたときには、オホーツク海側にも津波が押し寄せる。そういう可能性のあることを高校同級生のK浦さんがFB上での議論で指摘してくれた。
 こういう問題はブレーンストーミング方式で議論する必要を痛感している。まっすぐに根室湾へ向かってくるのは予想外だったが、指摘されて地図で位置関係を確認してなるほどと思った。
  震源地を択捉島東300㎞の千島海溝と仮定するとどういう被害が予想されるのだろう。

 まっすぐに根室のオホーツク海側に向かって津波が押し寄せた場合に、国後島に反射して津波の高さが増幅される可能性がある。知床半島と根室半島に挟まれた扇状の地形の沿岸に津波が押し寄せれば、津波の高さが増す地域が出る。風連湖、尾岱沼、標津のオホーツク海沿岸が扇を形成している。
 地震の影響に関するシミュレーションモデルをもっている機関で震源地を複数想定して各地域の津波の高さを計算してもらえたらありがたい。「根室市⇒北海道庁⇒政府⇒計算を担う組織」、迂遠だがこういうルートで依頼できたらいいが。

 検索したら、気象庁にあらかじめ計算された「津波予報データベース」があって、実際に地震が発生すると位置や震源域、規模などのデータを入力して、「津波予報データベース」の情報とマッチングするようになっている。だから、公的ルートで依頼すれば手に入る。
*気象庁「津波を予測する仕組み」
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/ryoteki.html#DB

 気象庁には「津波予報データベース」があって、さまざまな震源域や規模で起きる津波が沿岸に押し寄せる時間や高さをシミュレーションしてある。
そのデータを公的ルートで開示してもらえば、千島海溝で四百年に一度の巨大地震が起きたときに、オホーツク海側と太平洋側の各地域に押し寄せる津波の高さがわかる。
作ろうと思えば、各自治体は現実的で具体的な被害想定で、対策が作れるようになっている。どこを避難所にすればいいか、どこに井戸を掘っておけばいいのか、仮設トイレはどうすればいいのか、避難所のトイレを優先的に使えるようにするためにチェックすべき下水の経路をあらかじめ知っておくなど、被災時の対応の迅速性と生活にはずいぶん違いがでる。

 大地みらい信金本店付近で海抜10mくらいだろう、鳴海公園の辺りまで同じくらいの高さだ。10mの津波なら避難場所の選定にも避難ルートにも困らない。オホーツク海側に20mの津波が押し寄せたら、信金の3階あたりまで水に浸かる。鉄筋コンクリート以外の建物は押し流され破壊される。「警察の坂」の上まで避難しなければならない。北斗小学校や成央小学校は高台だから被害を免れる、花咲小学校がぎりぎりで、啓雲中学校はすこし高いところにあるから大丈夫そうだ。金刀比羅神社境内は海抜何mだろう。十数メートルあるように感じる。

 震源域が300㎞離れていたとしてどれくらい避難の時間があるのか、津波の速度が問題であるが、これもシミュレーションしなければわからない。津波の伝播速度の式「v=√gh」に代入すると時速1000㎞でたった20分で海岸に押し寄せる。スーパーコンピュータを使って各地域を襲う津波の高さに関する精度の高い計算をしてもらいたい。大きな地震が起きたらすぐに近くにある20m以上の高台に避難すればいい。手荷物で持ち出すものと避難経路を家族で確認しておいたほうがよい。
 数キロにわたって20mの高台のない地域もオホーツク海沿岸にも太平洋沿岸にもあるから、そうした地形のところに住んでいる方は避難の仕方を再検討すべきだ。浅瀬になると速度を落とすが次々にあとからくる津波が覆いかぶさって高さが増す、津波が見えてから避難したのでは間に合わない。引き波がないケースもあるので要注意だ。


 根室だけの問題ではない、先ほど言及したように、扇の辺を形成する別海町、標津町、羅臼町も津波が襲うことになるから、オホーツク沿岸の4市町村が協力して取り組むべき課題に思える。地形から判断すると尾岱沼のあたりの津波の高さが大きくなりそうだ。太平洋沿岸も同時に襲うことになるから、浜中町霧多布地区は高台が数キロ先になるので生き延びるには課題がたくさんある。
 もう、根室市単独で考えるべき時代ではないようで、1市3町あるいは浜中町、厚岸町、釧路町、釧路市でどの地域がリーダシップをとって行動できるかが試されている。

 災害対策には強いニーズがあるから、いずれ誰かがその役割を果たすだろう。次の根室市長であっても現在の別海町長であっても標津町長であっても羅臼町長であってもよい。市議会議長であっても町議会議長でもいいし、市役所幹部職員でも町役場幹部職員でもよい、もちろん住民有志でもよいのである、要は大きな被害が想定される各市町全部に災害準備が整えばよい。

 四百年に一度の根室沖巨大地震が起きたときの水やトイレの対策については、本欄左側にあるカテゴリー区分12番目の「自然災害への備え」をクリックしてください。他に7本アップしてあります。


<余談-1:津波の伝わる速度>
 津波の伝わる速度は海の深さをhとし、重力加速度をgとすると、次の式で求められる。
  v=(gh)^0.5 …単位は秒速
 千島海溝は7000m-9550mの深さをもつ。仮に8000m付近で起きたら、時速1008㎞、ジェット機の速度である。
 震源地が300㎞離れているとして20分で根室に到達することになる。
  津波が肉眼で見えてからでは逃げ切れないから、震度7クラスの揺れが起きたらすぐに避難すべきだ。

  津波の伝播速度の式は不思議だ。下から上にそして横へと伝わっていくのに重力の加速度gが定数項となっていること、それと震源域の深さの積の平方根が伝播速度(秒速)となること、現実の現象がきれいな式で表せるところにマジカルなものを感じてしまう。
 物理現象の奥にこういうシンプルな数式が隠れている、物理学は面白そうだ



*2007年8月15日のペルー沖地震で津波が28時間で北海道に到達している。直線距離をおおよそ10000㎞とすると、津波の速度は時速357㎞である。最深部で比較するとペルー海溝は8065mだから千島海溝の9550mよりも1885m浅い。海底3000mのところで震源の深さ30.2㎞で地震が起きたとして計算すると、秒速171m、時速617㎞である。実測値と計算式の値に差が大きすぎるような気がする。差が何に起因するのかわたしにはわからない。でも、命に危険があるのだから、適否が判断できない間は津波の速度は大きい方の値をとるべきだろう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ペルー地震_(2007年)

*津波発生と伝播の仕組み
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/generation.html

津波の速さはどれくらい?
http://www.skr.mlit.go.jp/bosai/bosai/tounannkai/kisochishiki/tunamikankei/dorekurai/dorekurai.html
*千島海溝の深さ

https://ja.wikipedia.org/wiki/千島海溝


<余談-2:地層に刻まれた津波の痕跡>
 千島海溝付近で巨大地震が起きていたら、根室半島部と国後島につまみの痕跡が地層として残っているはず。ボーリング調査をすればわかるはずだが、国のほうで100か所くらいやれないだろうか?太平洋岸には20mもの大津波の痕跡が地層に刻まれていることが地質調査で判明している。沿岸から最大4㎞に達しているそうだ。

*千島海溝巨大地震、400年前に24メートルの津波 北海道東部に残る痕跡で推定
http://www.sankei.com/affairs/news/171219/afr1712190029-n1.html


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よっちゃん

海の波の速度に重力加速度が出てくるのは、波は海底がずれたことにより、海水面が急激に盛り上がる(または引き下げられる)のが、重力によってもとに戻ろうとする作用だからです。v=√ghは進行方向(横方向)の速度です。
by よっちゃん (2018-07-28 20:14) 

よっちゃん

気象庁のこのページがわかりやすいかな。https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/generation.html
by よっちゃん (2018-07-28 20:15) 

ebisu

よっちゃん

ありがとう、√ghは横方向の波の伝播速度ですか。

ペルーから日本まで15000㎞を20時間で津波が到達すると時速750㎞。

この実際の値を使っても千島海溝が震源域だと30分しないうちに根室を津波が襲うことになりますね。

ご意見を取り入れて、本文に手を入れます。感謝!
by ebisu (2018-07-28 20:38) 

よっちゃん

波の速さは√h、つまりその場所の深さの平方根に比例します。深い海ほど速く、浅い海になるに従って遅くなるんです。陸地に近づくと、海の深さが浅くなるので、波の速さは遅くなります。それがまたやばい。あとから来る波が先の波に追いついて乗っかってくるので、波高がどんどん高くなってしまうんです。
by よっちゃん (2018-07-29 18:28) 

よっちゃん

高さが10mの津波は、海抜10mのところまでしか来ないと思ったらいけません。津波はものすごい運動エネルギーを持ってますから、坂を駆け上ります。運動エネルギーを全部位置エネルギーに変える高さまで上ってきます。
by よっちゃん (2018-07-29 18:32) 

ebisu

よっちゃん

補足説明ありがとうございます。
震源域が8000mでも海岸に近づくに従って浅くなるから速度は小さくなる。

こういうことですかね。空から津波が伝わるところを見ていると、震源域の一番深いところ、スタート地点付近の波の伝わる速度が最大値で、海岸に近づくにしたがって浅くなると仮定すると速度はしだいに小さくなる。深さの平方根に比例して減速していくとしたら、√ghでは震源域から海岸までの津波の平均速度はでませんね。深さに応じた瞬間速度が計算されるだけと考えていいのですか?
わたしが知りたいのは、震源域から根室湾までの津波の到達速度と時間です。
2007年のペルー地震ではおよそ360km/hで10000㎞の海を渡って到達しています。観測値ではそういうことのようです。
千島海溝で巨大地震が起きてもこれくらいの速度になるのでしょうね。

東北大震災では津波が名取川を遡って途中から堤防を乗り越えて家をなぎ倒しながら氾濫していました。水は重いですから、すさまじい運動エネルギーですね。海岸付近で10mの津波でも、避難すべきはもっと上、15mくらいのところを考えていたほうがいいということですね。
安全を考慮して余裕をもっておくべきということですね。

根室市のほうは気象庁の津波予測データベースの資料をいただいて、確認すべきですね。根室市のホームページで開示してもらえたらうれしい。いろいろ勉強になりそうです。
by ebisu (2018-07-29 20:27) 

ebisu

津波災害に対処するには、まず津波のことをよく知る必要があります。
気象庁の津波予測データベースはそうした知識の宝庫ですから、専門家の解説付きでぜひ開示してもらいたい。
開示要求のあった市町村単位でいいのでは?
by ebisu (2018-07-29 20:38) 

よっちゃん

津波の速度式√ghは、ある水深の場所での瞬間速度(理論式)です。なので陸地に着いたあたりでの速度は時速40km程度になっています。それでも走って逃げられませんね。
by よっちゃん (2018-07-30 07:52) 

ebisu

よっちゃん

朝早くからありがとうございます。
√ghは推測通り瞬間速度でしたか、それで疑問が氷解します。
夏目先生が物理学者は波で現象をとらえるとどこかでおっしゃっていた。どういう波なのか、波の何をとらえた計算式なのかを考えろということ。
つい数日前までわたしは縦波と横波の区別すらつきませんでした。物理学者の夏目先生がFB上でebisuの蒙を開いてくれました、ありがたいことです。

すると、到達速度を計算しようとすると、震源域から目標の海岸までの海底の正確な地形データが必要になりますね。システムとしては面白そうですがかなり大掛かりなコンピュータシステムがあり、その結果のファイルである気象庁の津波予測データベースがつくられているということ。

コンピュータシステムについては分野が違ってますが経営情報系統合システムの開発経験がありますので、気象庁の様々なシステムも大まかな仕組み、システムが中で何をやっているのか、データを開示していただけたら、楽しめそうです。単なる好奇心です。

by ebisu (2018-07-30 08:52) 

ebisu

海岸に近い水深50mのところの津波の速度を√ghに代入して計算すると79.7km/hです。

水深25mだと56.4km/h
水深10mで35.6km

なるほど。
by ebisu (2018-07-30 08:58) 

よっちゃん

海底地形もソナー技術が高度になって、かなり詳細な地形図ができてきました。場所場所の水深もわかってきています。ただし、震源とそのエネルギー、海底断層がどの程度動くのか、それは仮定するしかありません。
by よっちゃん (2018-07-30 19:18) 

ebisu

津波予報データベースは震源域、ずれる断層の長さ、ずれ幅などを様々に変えてシミュレーションした結果情報を検索しやすいようにデータベース化したもの。
震源域やマグニチュード、震源の深さなどを入力すればそれに近いデータベースが直ちに検索され、津波予報がだされます。

見てみたいですね、千島海溝深さ7000mのところで長さ200㎞、ずれ幅30mの地震が生み出すエネルギーがどれほどのマグニチュードになり、オホーツク海及び太平洋沿岸地域にそれぞれどれくらいの高さの津波をもたらすのか。学べることがたくさんあるでしょう。
by ebisu (2018-07-30 22:43) 

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