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#4257 四枚の大陸プレートの衝突部にある日本列島と経済のデザイン May 26, 2020 [91.経済]

 COVID-19の第2波(ヨーロッパ型、第1波は武漢型)は沈静化しつつあり、次の第3波のパンディミックまで小休止、その間に準備すべきことは多い。


 地球を覆っている地殻は十数枚あり、そのうちの四枚が衝突しているところに日本列島が乗っかっており、そんな地域は地球上に日本列島以外にはない。北から時計回りで挙げると、東日本が載っている北米プレート、日本海溝に沈み込んでいる太平洋プレート、南から押し上げる圧力で富士山を造ったフィリピン海プレート、そしてユーラシアプレートである。その四枚の継ぎ目に形成されたのが日本列島なのである。複雑な地殻構造の上に日々暮らしていることを忘れてはならないのだろう。
 台風による大雨や長雨で崩れやすい場所、すなわち住居には適さない場所が多いことも日本列島の地殻構造と成立の経緯から当然のことだろう。火山灰地は崩れやすい、とくに山や丘陵地帯の斜面や斜面の接続部で水が流れる一帯ががそういう場所だ。
 巨大地震、大津波、火山噴火、地殻が不安定なことによる自然災害は残念ながら予測しがたいことをわたしたちは2011年3月11日の東北沖巨大地震やその後の火山噴火などで知った。地震も噴火もまったく予想されていなかった場所ですら突然起きる。さまざまな分析で地震や噴火の起きる確率が高くなっているところでも、いつ起きるのかについては確たる推論の方法がないというのが事実である。天からの恵みと災厄は同じコインの表と裏の関係、いつなのかがわからないからつかの間の幸せを楽しめるのではないか。

 COVID-19でリモートワークが増えている。首都圏から離れることが可能な人は思いっきり離れて仕事したほうがいい。そうすれば、首都圏で直下型の地震が起きたときの被害を小さくできる。経済機能もリモートワークで一部を分散化・温存できる。教育のオンライン化はまだごく一部で始まったばかり、さまざまな障害のあることが次第に判明してきているが、一つ一つ解決したらいい。自然災害や地球規模でのパンディミックが起きたときの備えになる。

 言いにくいことだが、自然災害は人間の都合に配慮してはくれないから、これから第3波のパンディミックと重ならぬ保証がない。それに備えるには今何をなすべきなのだろう。

 四百年に一度の根室沖巨大地震は地層に大量に運ばれた海砂の堆積層としてその記録が刻まれている。5500年間に13回の大津波(20~30m)が北海道太平洋沿岸を襲ったことが地層調査から判明している。東海と南海大地震も危険域に入っていることがもう30年も前から叫ばれている。1923年9月1日11時58分に起きた関東大震災(震源地不明)からもうじき100年目を迎える。富士山の宝永の噴火は1707年11月28日であり、すでに313年が過ぎている。同じ年に南海トラフを震源とする宝永の大地震(1707年10月28日)が起きている。宝永の大地震が起きてから富士山噴火が起きた。東南海大地震が起きれば、富士山噴火の可能性が大きいことぐらいは地震学者でなくてもわかる。
 噴火の可能性が高まっているという火山学者が増えているが、いつそれが起きるかは誰にもわからない。2014年9月27日の木曽の御岳山の噴火はいきなりだった。鹿児島湾や九州西側に巨大海底カルデラの存在がわかっている。過去に巨大噴火が起きたことだけはたしかだ。九州に住む人が全滅するほどの規模だったらしい。
 日本列島にはそうした地震や津波そして火山噴火がいたるところで起きてきた。起きるたびに甚大な被害を受けつつも、自然の恵みもいただいて生き延び、暮らしてきたのである。

 社会や経済の仕組みを根本からデザインしなおすときに来ている。COVID-19は天からのメッセージと受け止めよう。リモートワークできる人たちは首都圏を離れ、教育はこれから来るパンディミックに備えて、デジタル化を進めたらいい。それが自然の流れである。

 平時に赤字国債を大量に発行するような愚かなことはやめよう。自然災害が起きるたびに赤字国債が必要になるから、個人も企業も地方自治体も政府も、自然災害に備えて貯蓄や内部留保を増やそう。政府も地方自治体も借金をなくし、年間予算額と同額の災害復興積立金をもとう、それを使わなければならないときは繰り返し来るのだから。来たときには惜しみなくそれを使おう。幸いなことに日本の企業の内部留保は500兆円もある。
 企業レベルで見れば、内部留保を薄くして配当を増やし、一人当たり人件費を減らしながら経営者の報酬を1億円にするなどのグローバル・スタンダードは狂気の沙汰である。強い管理貿易で国内に必要な生産拠点を維持しよう。そういう、自立型の閉鎖的な経済体制を世界中に広め(輸出す)ることで、経済格差が縮小できる。

 日本列島に住む私たちは、世界のほかの国々に住む人たちとはかなり事情が違っているから、日本列島で暮らしてきた私たちが育んできた伝統的な価値観を大切にし、自然災害と折り合いをつければいいだけ。

*脆弱な日本列島:https://www.zenchiren.or.jp/tikei/zeijaku.htm
*富士噴火に関する火山学者の意見
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64713
*2014年の御嶽山噴火 - Wikipedia



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