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#4609 根室高校から東大理系現役合格へのシミュレーション Sep. 1, 2021 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

<最終更新情報> 9/2 11時 麒麟さんの投稿を読んで、書き直しました。麒麟さんどうもありがとう。
 9/3朝8:35追記 <東大理三を受験したい生徒が現れたら>


 偏差値45の根室高校は都会の偏差値45の高校とは決定的な違いがある。それは少数だが高学力層が存在することだ。田舎の偏差値45の高校には全国模試で偏差値75超の生徒がいる。都会ではありえない。
 根室という地域社会はこうした貴重な高学力の生徒たちを育て切れているのか、というのがわたしの問題提起である。

<東大理系の1次試験と2次試験の合格最低点>
 東大理系は、理科一類、理科二類、理科三類に分かれている。理科三類は医学部進学系。
 共通テストでの足切りラインを検索してみると

      共通テスト  2次合格最低点  合格定員  定員割合
 理科一類:699/900   333/550   1108人 (63.8%)
 理科二類:629/900   314/550    532人  (30.5%)
 理科三類:534/900   375/550    97人    (5.6%)
                    1737人

 共通テストは700点をクリアすればよろしいということになる、問題は2次試験である。理科三類は医学部で定員が少ないので、2次試験の合格最低点が68.2%と高い。
 共通テストの足切りラインをクリアできたら、後は2次試験のでき次第と言うこと。

<理三受験は学習スタイルが特異>
 理三受験者は共通テスト対策はほどほどにやって、2次試験対策に勉強時間を投入していると読むべきだろう。
 ハンドルネーム麒麟さんの投稿によれば、2次試験の配点は東大理系(理科一類から三類まですべて)の550点は、共通テスト110点(900点満点を圧縮)、数学・理科・英語が各120点、国語が80点です。
 以下のサイトで確認しました。
*東京大学の入試科目および配点(共通テスト・二次試験) | 東京大学入試情報2022 | 東大塾 | 河合塾 (kawai-juku.ac.jp)


  麒麟さんによれば、地方の国公立高校からの合格者は毎年数名にすぎないという。数学オリンピックに合格できるくらいの素質のもち主でないと地方の国公立高校からは合格できぬほど、熾烈な戦いであるようだ。そんなレベルの生徒を指導できる教員は地方の公立高校にはほとんどいません。私塾だって同じことです。


<根室高校から国立旭川医大へ合格した生徒が東大理三を受験したとしたら?
 今年3月に根室高校から国立旭川医大へ現役合格した生徒の共通テストの得点は706点。110点に換算すると86点。
 東大理系の2次試験国語・数学・理科・英語の4科目。2次試験で平均65点を超えるのは地方の公立高校からでは無理がある。理科一類か理科二類が目いっぱい。理科三類は地方の公立高校の生徒たちにとっては手の届かない北極星のようなもの。

<いつから勉強をスタートさせるべきか?>
 小5の1月からの通塾だったので、高3になって英語も数学もかなり厳しいスケジュールで勉強せざるを得なかった。わたしが、思い描いているのは小4スタートである。この標準スケジュールに1年9か月遅れてスタートしたことが大きく影響した。数Ⅲが終わったのは3年生の夏休みころだった。そのあとで大急ぎで「1対1シリーズ」で勉強していた。東大受験なら『マスターオブ整数』などの問題集も手を付けないといけなかっただろうが、そこまで手が回っていない。英語は受験長文問題集のほかに2次試験対策としてハラリ『Sapiens』を原書で50頁ほど精読している。(国立旭川医科大学の2次試験科目は数学と英語の2科目)
 小4スタートなら、もっと余裕をもって勉強できただろう。結局都会の進学校や東大受験の塾と同じことをやらなければいけないことになる。

<どうやれば根室高校から東大理系への合格者を輩出できるか?>
 国語・数学・英語の三教科は小4から一貫して同じ教師が教えたほうがいい。問題は物理や化学だが、根室高校には放課後補習でなら東大進学希望でも指導できる教員が2名いる。複数の生徒が一緒に、放課後補習を提案すれば数か月間時間を割いて協力してくれる。部活も担当しているからたいへんだろう。とってもありがたいことだった。問題は2次試験の指導ができるかということになる。1次試験のウェイトは1/5しかないのだから、4/5のウェイトを占める2次試験に勉強の時間を割いて戦うことが、受験戦術としては有利だということ。
 これらのことを考えると、小4スタートなら、理三以外の東大を受験できる潜在学力レベルの生徒が根室には毎年3~5人前後いることになるが、2次試験対応で著しく不利となる。それが現実だ。
 根室高校から東大文系への現役合格者は過去2人のみ、見てきたように2次試験のハードルは高いから東大理系へは合格者なしだが、チャレンジしてもらいたい。
 小4から長期教育戦略を立てて、しっかり勉強すれば、根室高校から東大へ現役進学可能な時代が来るかもしれぬ。それには、関係する大人たちの協力体制が不可欠に思える
 東大理系へのハードルは高い、北大や地方の国公立大医学部への進学者を増やすというのが根室という地域の現実的な教育戦略目標にふさわしい。今年、根室高校から現役で国立旭川医大へ合格した岡田君の受験記録が参考になる。いつまでに何をどのようにやればいいのか、目安になる。毎年、現役で国公立医大や北大への現役合格者が出せるようになれば、東大理系の山の崩し方も見えてくるに違いない。いまは見えぬ。

<東大理三を受験したい生徒が現れたら>
 それでも、東大理三を受験したいという生徒が現れたら、伴走することになる。2次試験も英語の指導は問題なしだ。数学は生徒と一緒に勉強したらいい。とりあえず2科目なんとかすればいい。暇を見つけて物理も一から勉強してみるのも一興だ。
 FB上で千葉大学名誉教授の夏目先生とはお友達。彼は百均で手に入るようなものでさまざまな実験をして、解説してくれる。とくに私にやって見せてくれているわけではない。市民講座や子供向けにやるイベント用の準備として、事前にFB上で実験案を示し、チェックのためにやって見せてくれる。複数の物理学者がコメントしているのもとっても興味深い。物理は経済学や数学のようにとっても面白いのだ。


<地域医療問題との関わり>
 根室市の地域医療の大きな問題は、中核病院である市立根室病院の常勤医不足である。毎年国公立大学医学部へ一人を進学させることができたら、20名の常勤医師を確保するのはそれほど困難ではない。そういう能力の子どもが学年に3-5人いるのだ。うまく育てたらいいだけ。
  毎年、根室高校から国公立大医学部へ進学していれば、学齢期の子どもを抱えた医師が市立根室病院へ赴任してくる。東京で働く2倍の収入が保障されるのだから、子どもの教育問題に懸念がなくなれば、根室で働きたいという医師はたくさん出てくる。自然がいっぱい、魚貝類が美味しい。市政が閉鎖的でなければ10年住むうちに定年までずっと働いていたいと思うだろう。住みよい街は、ここに住んでいるわたしたちが創る。

#4608 ②学力格差の原因、①英語音読特訓授業はその時に参加している生徒で内容が決まる Aug. 26, 2021



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#4605 高学力の子どもが根室から出て行く事情 Aug. 21, 2021 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 根室には1学年当たり180-200人ほどの生徒がいる。上位5人くらいは高校生になりベネッセ全国模試で偏差値70を越えられる。都会と同じシステムで教育を受けられたらの話だ。この上位5人は北大くらいなら十分に現役合格可能な能力をもっている。だが、成績上位の者たちは根室高校への進学を避けて、釧路湖陵や札幌の進学校へ向かう傾向が強い。なぜだろう?高学力の生徒の視点から問題点を探ってみたい。

 偏差値70を超える生徒が退屈しない授業は根室では小中高を通じて、通常の授業では提供されない。授業速度も遅い。学力テストの範囲表に合わせて授業をしている先生が多いからだ。2月初旬になってもまだ終わらない。普通は12月か1月半ばには終わって、1年間の復習をやっていなければならない。西日本の先生たちと話したことがあるが、1月からは総復習をしているという。根室のスタンダードは日本標準からだいぶ外れていると思った方がよい。
 では高学力の生徒たちは難易度が低くて進捗の遅い授業時間中どうしているのだろう?
 わたしは、大学院で経済学を研究する傍ら、3年間渋谷駅前の進学教室で教えていたことがある。慶応女子(高校)や立教女学院(中学)に合格した生徒たちに授業中どうしているのか尋ねてみたことがある。
「予習方式で勉強しているし難易度の高い問題をやっているから、学校で授業中どうしているの?」
「ずっと下向いて、違うこと考えています」
 根室の高学力層の生徒たちも同じです、授業なんか聞いてやしない。速度が遅くて難易度が低い問題なんて退屈で聞いていられない、でも、ほとんどが「いい子」たちだから、じっと我慢している。ほとんど児童虐待ですよ。高学力の生徒たちにとっては学校の授業は時間のロスなのです。進学校に合格すれば、授業速度は大きいし、難易度も高い問題を授業で採り上げてくれる。退屈なんかしないですむ。都会の進学校へ行かなければ、じっと我慢の3年間を過ごさなければならない。その後に受験が待っているが、3年間レベルの低い、速度の小さい授業を受け続けたら、大学受験では圧倒的に不利になることは誰にでもわかるモノの道理です。
 一つホットなエピソードを紹介します。3月に根室高校から現役で旭川医大へ合格した生徒が、「どこの高校からきたの?」と出身校を確認し合う中で、「根室高校」と告げると、「ありえない」と数人から言われたそうです。ほとんどの生徒が関西あるいは首都圏や道内の偏差値65以上の進学校から合格しています。合格した生徒たちは偏差値45の高校から国立医大への合格が不可能であることをよく知っています。実際に東京都内の偏差値50以下の都立高校から国立医大への進学実績はゼロだと思います。国立医大を受験するには偏差値65以上の進学校を経由するのが「常識」なんです。そのクラスの高校は、道内なら、釧路湖陵理数科、帯広柏陽、札幌南、札幌旭丘、札幌光星、小樽潮陵、旭川東など。

 さて、そんな偏差値45の根室高校から難関大学へ毎年数人現役合格者を出すにはどうしたらいいのでしょう?優秀な生徒が学年5人ほどいるので、対策は案外簡単なのです。学校の先生たちが自立的な学習の邪魔しなきゃいいだけ。要求に応じてそういう生徒たち数人に放課後補習をしてあげたらもっといい。根室高校の物理と化学担当の先生お二人は、生徒二人からの放課後補習提案に週に1-2回、2か月間協力してくれました。国数英が9割(540点)取れないと、物理と化学と政経倫社が6割(180点)だと一般入試では合格できません。

①中学生なら学力テストで科目ごとに90点以上とったら、国数英理社五科目は授業を聞かなくていいことにしてもらいたい。難易度の低すぎる宿題も免除しよう。高学力の生徒は自分で学習する習慣がついているので高学力なのだ。だから、宿題なんて出す必要がない。やさしい教科書準拠問題集ではなくて自分で難易度の高い問題集にチャレンジしている。授業中にそうした問題集で自習することを認めてやったらいいのだ。
②国語の時間は文学全集やそれ以上の難易度の作品を読むことを認めたらいい。哲学や経済学や数学の専門書でもいいし、岩波新書レベルの本でもいい。好奇心の赴く分野の専門書を選択したらいい。
 わたしは高校時代に公認会計士2次試験の参考書で勉強すると同時に、その延長で経済学に興味がわいてマルクス『資本論』やヘーゲルやニーチェを読み漁った。高校生のやわらかい頭は、そういう難易度の高い本を読むことでそれ用に変わっていくもの。思索が深いところに届くようになるんです。だから他の分野でも、難易度の高い本が自然に読めるようになってしまう。思考の鋳型は中学生と高校生のときの勉強の仕方で出来上がるもののようです。思考の鋳型をつくる旬の時期が中高時代の6年間にある。旬の時期を逃してはいけません。


 さて、国数英の授業時間を自習に充てることができたら、週に10時間ぐらいは勉強時間を増やせる。
 学習は自学自習が基本だ。自律的に予習方式で学習している生徒の邪魔をする必要はない
 根室高校は数学と英語の授業は問題がなくなりました。高学力で難関大学を目指す生徒は宿題は別扱いにしてくれるように変わってます。先ほど紹介した生徒は3年間、数学と英語の授業は難易度の高い問題集やハラリの『Sapiens』を読み続け、現役で国立旭川医科大学へ合格しています。数学の教科書は「知りたいことが書いていない」とほとんど開いてすらいません。使っている問題集には教科書には紹介されないコンパクトな解法と難易度の高い問題が載ってます。高校普通科の標準的なレベルの教科書は教科書は学力の高い生徒のニーズには合わないのです。
 やり方次第で根室高校から難関大学へ現役合格者を毎年数名出せるのだから、小学校や中学校も足並みをそろえてもらいたい。弊ブログ#3941と#3942に具体的な事情は書いてあるのでそちらをご覧いただきたい。

 高学力の生徒はおおむね「よい子」が多いたまに理不尽なことには納得のいかぬ反抗的な生徒がでてきます。授業が退屈だから、難易度の高い問題集を学校にもっていって授業時間中にやっていると、「そんな難しいのをやっても、俺のテストで満点取れないだろう?」、授業を聞けと押し付ける。中学校でも同じことが起きる、そのたびに教科担当教員とバトルになる。モノの道理のわからない大人と話すのはとっても疲れると思うよ。
 放っておいてくれたらいいのだ。高学力の生徒は授業の邪魔をするわけではなく、黙々と問題集を解いているだけだから。レベルの低い内容のそして進捗速度の遅い授業は高学力の生徒たちには時間のロス以外の何物でもない札幌の進学校で勉強すれば、望み通りのハイレベルな内容の授業を受けられるのである。そういう生徒たちと大学受験を競うことになるから、授業時間のロスはできるだけ避けたいのは当然の心情だろう
 根室の学校でレベルの低い授業を受けている間に、大学受験で競い合うことになる生徒たちは受験レベルの内容の授業を受けている。根室高校にいたら、自力でそういう生徒たちに匹敵する学力をつけなければならないのだ。じゃまはしないでもらいたい
 根室にはまだ、各学年に3-5人、毎年北大以上の難易度の大学へ現役合格できる能力の子どもがいる高学力の生徒を潰さないでもらいたい
 高学力の子どもたちが、釧路湖陵や札幌の進学校へ行かずに根室高校へ進学して、希望通りの難関大学へ毎年合格できる町にするにはどうしたらいいのか、仕事を通じて自分たちに何ができるのかを問い続けてもらいたい。そうして30年後の根室の町を住みよいものにしよう
 毎年国公立医学部へ根室高校から現役合格できる生徒がいたら、学齢期の子どものいる40代の医師が市立根室病院へ赴任してくれる。20年あるいは30年間同じドクターが診察してくれる。地域医療を守れるか否かはここに住んでいる自分たちの努力次第ということ。

 「よい子」は争うのが嫌だから、文句を言わない代わりに、根室の学校を見限り、中・高から都会へ出て行くケースが多いよ偏差値45根室高校普通科へ進学したら、難関大学への現役合格はほとんど不可能となるなんて悲しい話だ全国偏差値45というのは全国レベルでは学力下位30%ということ、五段階相対評価なら「2」です
 高校統合後、入学してくる生徒の学力が下がり続けているので、普通科の授業内容はますますレベル低下を来している。20年前のレベルの授業をしたら、普通科の半数以上が赤点で留年となる。それほどひどい状態です。根室高校の先生たちはあきらめちゃって赤点(30点未満)の生徒に追試をやらない科目が増えてます。異様に難易度の低い選択科目も増えています。例えば、「基礎数学」。この科目選択した生徒は標準的な高校普通科の生徒の学力はありませんよ。3年生ではコミュニケーション英語(教科書はVIVIDⅢ)も選択科目です。

 今年は旭川医大へ現役した生徒のほかに北大理系へ2人合格しそうな生徒がいたが、わたしの眼から見たら「よい子」だったのと、小学校からの大学受験長期戦略がなかったので、希望通りにいかなかった。じつにもったいない結果になった。現役合格できる潜在的な能力は十分にあったよ。根室のシステムの中で、そして長期戦略を欠いたために願いが叶わなかっただけです。浪人できたら北大理系に合格できるのに、みんなが浪人できるわけではありませんから、「現役合格」させてやるというのは、その生徒に人生にとってはとっても大切なことなんです。
 今もそういう生徒が中学生で各学年に5人ほどいます学校の先生たちは彼ら・彼女たちの勉強の邪魔をしないでもらいたい。自立的な学習が大切であることは、先生たちが普段から生徒へ言っていることなのだから、自分の言葉に責任をもってもらいたい。

 市教委も、根室教育長も高学力層に固有なこうした問題解決に取り組んでもらいたい。いま根室市議選が行われており、明日8/22が投票日だ。新聞をみると市議候補たちの7人が石垣市政に五段階評価で5をつけているが、根室の教育行政をチェックするような姿勢がないということだろう。

 別海町はこの十数年で学力がアップしている根室の市街化地域の中学校よりも格段に学力テストの平均点が高いが、眞籠(元)教育長と青坂(元)別海中央中学校長など、教育行政と学校管理職がしっかりタッグを組んだ成果だろう。眞籠さんは地元町役場の職員だった。今は退職して、毎日畑を耕して汗を流しておられる。少年団の活動にいまもかかわっている。青坂さんは一時期厚床の校長でした。もったいないことをしました。市教委は、なぜ光洋中学校の校長にしなかったのでしょう。千葉大学教育学部卒だから大学入試は北大教育学部よりも上。学力アップという具体的な成果を上げてくれたはずです。啓雲中学校では佐藤校長が荒れていたのを大石先生となんとかしました。2010年に北海道新聞が啓雲中学校を取材した記事#1307があります。毎日火災報知器が発報するような学校でした。せっかくよくなったのですが、彼が退職して校長が変わると元の木阿弥になりました。学校マネジメントはむずかしいようですね。「中小企業はオヤジ次第」と言いますが、学校も校長のマネジメント次第で、子どもたちの学力向上ができます。
*「#1307教育再考:根室の未来 低学力④荒れる中学校
 釧路の元教育長だった角田さん(釧路の教育を考える会の会長)は80歳を過ぎたいまも子どもたちも学力問題に取り組んでおられる。釧路市役所の経済部長だった人だ。
 翻ってわが町のありさまを見ると、根室の教育長は、道庁から派遣されて任期が終わると、さっさと根室から去っている。根室へ愛着をもった人はこの十数年間一人もいなかった。こんな教育行政でも五段階評価の五をつける市議の神経がわからない。
 お一人、市政チェックの役割を果たしたいという候補がいるようだ。定員16人のところへ18人の候補者だから、たった2人落ちるだけ、当選したら、何人もの市議が根室の教育行政にモノ申してもらいたい。この18年間市議会は根室の子どもたちの学力低下問題にまったく取り組んでこなかったといってよいのではないか。教育が未来の町づくりの礎である、根室の市議たちは未来を見て仕事をしてこなかったということ。30年先を見通し、確固としたビジョンをもって市議を務めてもらいたい。今回がそんな市議が現れる市議会議員選挙になってくれたらうれしい。

*  「#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019
**「#4119 全国学力調査の現実:根室は14管内最低

   #3942話し合い(2):背景事情 Mar. 2, 2019
 #3941話し合い(1):学力トップ層をどう育てるか Mar. 1. 2019
 #3940進研模試の結果データ:全国平均値と根室高校平均値との比較



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ニムオロ塾

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#4514 根室高校2年生快挙:積分の章終わった! Mar. 22, 2021 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 昨年の2年生は特設コースの数学授業速度が遅くて積分の章にまったく手が付けられずに終了。
 今年の2年生は速かった、「速度違反」で切符を切りたくなるようなと言ったらいいだろうか。消化できる生徒がいるのかと、塾でフォローしながらハラハラ、心配になった。消化不良を起こしてあきらめた生徒がでたのはしかたがない。信じられないだろうが普通科で数Ⅱは選択科目になってしまっている。廃校になった根室西高校は数Ⅱが選択科目だった。根室西高校との統廃合4年目で、根室高校普通科全体がそういうレベルになってしまったということ。

 担当のS先生はプリントを配って予習させていたが、2月からネットでの動画による解説を始めた。QRコードを発行して生徒たちが見れるようにしている。
 配布しているプリントは予習問題だが、共通テストや模試過去問レベルの難易度の問題である。3年生の「発展数学」で採り上げるレベルの問題だが、3年前の3年生で「問3」の問題に手を付けられる生徒は、塾に来ていたH君のみ。質問が多かったのであるとき「こんな難易度の問題みんなやって来てるの?」と聞いたら、「やっているのはわたしだけ」と答えた。「問3」は難関大学進学希望者以外はあまり必要がないレベルだったから無理ない。数Ⅲ履修者には必要。数Ⅲと「発展数学数ⅠAⅡB」は両方履修できるのかな?

 S先生が教えている生徒はスマホで動画の解説を見ていた。画面が小さく見づらい。学校が配布したHP社製のPCを生徒がもってきたので、スマホから動画リストをe-mailで転送させてみたら、PCでを開けた。スマホではぼやけてしまう小さな文字がくっきり見える。スクロールせずとも全画面が見れ、大きいからとっても見やすい。数学は全体が一瞥できると様子がよくわかる。虫眼鏡で拡大するような見方をすると視野から外れた部分が同時に確認できなくなる。こんなにクリアに表示できるのはこのHP社製のディスプレイの性能がいいからだろう。SSDだからバッテリーは10時間以上持ちそうだ。逆折にして机の上に置いて勉強していた。途中2か所で質問があった。一つは先週教えたのと同じ2次方程式の解と係数の関係を用いたもの。あとは問題文に書いているのを見落として、「どうしてこんな式が出てくるのか?」と思案投げ首。(笑)
 問題文に書いてあるよと言ったら、「ほんとうだ」と大笑い。

 これでパソコンが強力な武器にかわる。学校で使い方をおしえたほうがいい。グラフソフトのGRAPESも無料だから、生徒全員のパソコンにインストールしたらいかが?

 半年早く難易度の高い問題にチャレンジできるようになった。模試の「問3」レベルの問題はネットに動画をアップして解説してあげたら、上位8人くらいは何とか食らいついて来れます。青チャートレベルの問題です。


 わたしは英作文問題を生徒に配信してます。昨年1月14日から始めた英作文問題はすでに640回4800題、A4判で651頁になりました。生徒にはこんなに送ってません。1/4ほどです。個別に配信できるので、学力に合わせてグループ分けしてます。

 難易度の高い問題プリントを配り、動画をアップして解説をし予習させたら、成績上位層の8人くらいは消化できますね。いままで塾でやるか、自力で青チャートレベルの問題を消化するしかなかった生徒たち数名が、救われます。消化不良起こしてましたから。
 S先生の解説動画を見てわからない箇所は、塾でフォローします。学校と塾が協力すれば、成績上位層の生徒の学力を田舎の進学校並みに伸ばせそうです。
 田舎の進学校ってどこだって?釧路なら湖陵、帯広なら柏葉、北見なら北見北斗です。3校とも偏差値60超です、根室高校は43-47。でもやり方次第ですよ。成績上位層はちゃんと育ててやりましょう。それが私を含めて根室の大人たちの責任です。

 国語と英語と選択3科目が次の課題かな。一つ一つ解決したらいい。




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#4510 道立高校入試合格発表日 Mar. 16, 2021 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 道立高校の入試発表日である。根室高校普通科は定員割れだから101(定員120)人全員合格だ。商業科が11人定員オーバーだが、7人が事務情報科へ振替合格となっている。事務情報科は39人。
*根室高校合格発表
www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/index.php?page_id=31 (hokkaido-c.ed.jp)


 駒大苫小牧へ野球推薦の生徒が肘の手術の数日後に、すべって転び手術した右肘を複雑骨折しているので、心配している。素直な性格の生徒で、勉強はしっかりしていた。早く回復して野球できるようになってもらいたい。
 人間万事塞翁が馬。

 札幌市立旭丘高校(偏差値67⇒釧路湖陵理数科や帯広柏陽、旭川東高校と同レベル)を受験したいと、12月から来た生徒がいた。数学と英語が上がらないので3か月間でどこまで上げられるかチャレンジしたいということだった。理科は苦手で点数にばらつきが大きかった。
 10月の北海道学力コンクールでは合格可能性30%。11月に66%にアップしていた。そこから合格圏内までもっていけばいいだけだから、数英2科目が10-15点ずつアップが具体的な目標値。
 英語の教科書を読ませたら、カタカナ発音だったので、発音矯正に3時間ほど時間を割いた。素直だから簡単に直せる。あとは札幌へ行ってから、教科書会社の音源を利用して音読トレーニングしたら3か月でもっともっとよくなる。数学は2次関数が苦手だったので基本問題からはじめて難易度の高い問題をたっぷり解かせた。素直で家庭学習をしっかりしてくるので、しっかり手ごたえがあった。だから、入試の結果はまったく心配してなかった。先に滑り止めの札幌光星マリスに合格していたからリラックスして受験できただろう。
 10時6分に本人から電話が入った。

「OOOです、合格しました」
「合格おめでとう、じつは手応えあったのでまったく心配してなかったよ(笑)」


声がうれしそうだった。3か月間よく勉強した。
 四月からは札幌でおばちゃんの家から通学だ。ちょっと通学距離があるようだけど、充実した高校生活を送ってもらいたい。
(後日追記:裁量問題・全科目40点越え、旭丘高からの通知では合計224点、数学と英語が予定通りに3か月で25-30点アップしていた。2月に入ったところで質問が出なくなり、黙々と問題演習していた。あのときに合格を確信した。当初は質問だらけだが、学力が上がると質問の必要がなくなる。だから、こちらははっきり「手応え」がある。本人曰く、「コスパの好い塾だ」、それはあなたが一生懸命やったからだよ。こっちはちょっと後押ししただけ。)

<余談:参考データ>
 根室の市街化地域の中学校でどれくらいの成績なら合格できるのか、データを書いておく。
 この生徒は一度だけ学年3位のことがあった。定期テストと学力テストでそれぞれ1度だけ学年1位、残りの6回のテストは2位だった。学力テストは203-227点。ブラスバンド部員だから勉強との両立が難しい部活の一つだ。家庭学習習慣がしっかり身についた生徒だった。そしてガッツがあった。
 2月の模試の得点通知票の合計点グラフで人数をカウントすると、学年39人であるが、在籍人数は42人のようだ。
 B中学校には最後の学力テストで293/300点満点の生徒がいたようだ。札幌南高校受験と聞いているが、この点数なら心配いらない。おめでとう。

 共通テストの札幌南高校の平均点は740点台だ。
 根室高校から難関大学への進学はとってもハードルが高い。数英国の3科目は塾でフォローできるが、選択3科目の授業レベルが低いので30-50点ここで差がついてしまう。ほとんど致命傷だ。北大総合理系を受験した生徒が2人いたが、共通テストが700点に届かなかった。前期試験は合格なし。一人は通塾しないで共通テストで学年2位に躍り出た優秀な生徒だが、前期2次試験で届かなかった。もう一人は通塾組だったが塾の英語の先生が一昨年急逝されたので、カバーしきれなかったのではないだろうか。基本は数英国の三科目、ここは盤石になるようにしっかり手を入れておきたい。
 昨年夏が終わってから2か月間週1-2の放課後補習を物理と化学の先生が高学力の生徒二人にやってくれた。他には参加する生徒ナシだったが、いい試みだった。お陰で一人、O君が国立旭川医大へ現役合格できた。
 2年生の数学担当のS先生が、生徒に共通テストレベルのプリントを宿題にしている。サポートなしでこなせる生徒は1人か2人のみだが、ユーチューブでプリント問題の解説をしている。生徒だけが閲覧できるようになっている。だから10名はしっかり予習して授業に臨める。授業のレベルは確実にアップしている。こういう果敢な試みは高学力の生徒たちの学力アップに寄与すること疑いなし。
 先生たちの中にはこういう風に、企業のQC活動のようなことをしている人もいる、よくならないはずがないし、成果が出ないはずがない。

<英語発音のツール>
 中学校の教科書サンシャインの音源はCDで発売しているので、購入して繰り返しこれで音読練習してください。
<7/25追記>
 今年の教科書は各ページにQRコードがついているので、スマホでそれを読み込めば、そのページの英文を音声で聞けます。音読トレーニングに利用してください。30回音読、10回書き取り、それだけで定期テストも学力テストも9割得点できます。よほど覚えの悪い人でも8割は得点できます。頭の良さな関係なし、ひたすら読んで書くこと。



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#4443 共通テスト模試目標点クリア:医学部受験生 Dec. 31, 2020  [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 後に続く生徒たちのために記録を残しておくために書いている。
 10日ほど前のことだったと思うが、医学部受験の生徒が共通テスト模試を受けて、数英は85%付近、現代国語は100%、古典と併せて初めて80%超えに一息ついていた、総合点で90%が目標ライン(旭川医大道北・道東地域医療枠は共通テストで75%超えが合格ライン、そこは超えているが、2月下旬の合否発表前に他の医学部の試験がある)。
 Z会の共通試験問題など5つほどやったようだが、80-90%台の手ごたえがわかったと言っていた。感触がつかめりゃいい。本番では90%超えがターゲット。暗記モノである倫政は試験2か月前からと決めてその通りにやっている。倫政と化学がまだ80%に達していない、物理はぎりぎり。これから2週間でどこまで追い込めるのか、愉しみだ。本人はそれどころではない、真剣勝負だ。7年間見てきたが、時間の管理は上手になったし、コミュニケーション能力も論理性の点ではできのよい大学生並、あとはたくさん恋愛をして、たまには小説や古典文学も読み情緒を育んでもらいたい、一番苦手の分野だろう。自然免疫はそれなりについただろが、世の中にはさまざまなタイプの恋愛ウィルスがうようよいるから、大いに感染したまえ。(笑) 
 ずいぶん大人になった。

<本の紹介>追記
 若い人たちへおススメ、なかなかいい本です、読んで繰り返ししてみたらわかります。知識だけではあきまへん。自分の身体を使ってそしてパートナーの身体を通して初めて理解できることがあります。どうぞ極めてください。

だきしめて スローラブ ゆるやかにしなやかに 男と女の性と愛

だきしめて スローラブ ゆるやかにしなやかに 男と女の性と愛

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/08/25
  • メディア: 単行本



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#4424 Z会共通試験模試:数1Aと数ⅡB Dec. 10, 2020 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 医学部受験の生徒がZ会の共通試験模試をやってみた。数1Aは86、数ⅡBは84だったとほっとした顔をしていた。数ⅠAで循環小数と無限小数を分ける問題で、うっかりケアレスミスをしてしまったと笑っていた。共通試験本番までには90%を超えるめどがついたようだ。気持ちは満点狙いかも知れない。
 数ⅠA,数ⅡBは『シリウス』で全問をやり、青チャートで数Ⅲ、その後『1対1シリーズ』6冊から不安な分野の問題をピックアップしてやり終え、『やさしい理系数学』で仕上げだ。Z会から送られてくる問題も消化していた。共通試験は青チャート程度の問題だから、このレベルの難易度はすでに標準問題になってしまっているから、90%の得点に手が届く。問題集の例題解説を独力で読んで、すぐに演習問題をやるスタイルでいままでやってきた。わからないところだけ質問を受け付けるので、独力でやるスタイルがすっかり身についた。数学は自分で問題を解かないと力がつかない。できる生徒ほど解説が少なくなる。くどい解説は時間の無駄。この勉強法が可能なのは百人に一人、全国模試で数学の偏差値が70以上ないと無理なやり方です。中の上くらいの生徒には丁寧な解説が必要で、もちろんそういう生徒の方がずっと多い。
 英語は高校3年分の教科書を1年3か月で消化、そして原書講読授業で採り上げた教材はハラリ"Sapiens"、これを50ページ精読するところまでは伴走し、生成文法を用いて必要に応じて解説した。これで大学入試の長文問題は難易度の壁が消えてしまった(大学院入試も医学関係専門書を数冊読み専門用語に慣れておけば問題なし、文学作品と違い、医学関係で構文の複雑な論文や専門書なんてほとんどない。SRL八王子ラボ勤務のときに暇を見つけては、仕事時間中に面白そうな記事をピックアップして、英文の20種類ほどの医学専門雑誌に3年間目を通していたことがある、勉強になった)。
 その後9月ころだっただろうか、は速度アップと問題慣れを課題に挙げてトレーニング、ここからはまったくの独力である。カッティングエッジの長文全18問はQRコードで音声も聴けるからリスニング対策にもなったようだ。10日間でやり終わって、力のアップを感じたと言っている。カッティングエッジをやっているときには2か所だけ質問があった。この問題集は分量も適度、長さもさまざまなものが混ぜられていて適度、そして音声が聴けるから、優れものだ。この長文問題集を選んだ学校の先生が偉いとは生徒の弁。そのあとは『やっておきたい英語長文700』を力を維持するためにやっている。共通試験90%超えは問題なしだ。2次試験も英語は難易度の問題はない。
 国語が75-80%になるので、英数で稼げるだけ稼いでおきたい。今の時点で得点が目標値に追いついていないのは化学のみ。

 道東地域推薦枠は共通試験で75%オーバーが最低ライン。いままでの勉強の仕方から判断して、この生徒は2次試験の方が有利だ。何も言わなくても共通試験終了まで手を抜かないだろう。塾に通い始めたのは小5のとき、1月4日だった、もうすぐ7年間になる、すっかり大人になった。

 来年以降、医学部を受験する田舎に住む高校生のために進捗状況のメモを残しておく。 


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#4415 医大の小論文問題:問題はなかなか優れもの Dec. 2, 2020 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

<最終更新情報>12/2午後6時

 生徒が小論文テストと面接試験を受けてきた。小論文の問題文を見せてくれたので思い出しながら書いてみたい。
 新型コロナ感染に関わる人権侵害がテーマになっていた。北海道新聞電子版からの引用で、B5判で1枚半。感染者や医療従事者への差別やイジメの具体的な事例が5つくらいは上がっていたようだが、問1はそれらの事例を200字で書くこと。要約力を見ている、優先順位付けして、さらに自分の言葉でまとめろということ。
 問題の2番目は、自分の見解を600字で述べよというもの。道東地域推薦枠(この枠での応募は初めての事例になった、ようするにこの枠を利用できる学力の高校生が道東には稀なのだろう)だから、地域医療を将来担うという視点から自分の見解を述べよということ。題意をちゃんとつかんで答えたらいい。
 ふだんから生徒の家庭でそういうことが話題に上ってるし、このご時世だから感染症に関わるテーマが出題されることも面接トレーニングを担当してくれた高校の先生の予測の範囲内だった。生徒は新型コロナに関してもPCR検査に関してもある程度学術的な専門知識をもっている。

 この生徒は数学の問題を解きながら、「雑談」できるという特技がある。授業のときにそういうことを繰り返しやっていると、脳は負荷を感じなくなる、慣れてしまうのだ。こうした脳の使い方が一つの鋳型になって便利に利用できるようになる。脳がマルチタスク処理に慣れてしまったので、地域医療問題やCOVID-19については「雑談」のテーマにときどき挙げている。感染症や検査方法、検査データの分析について新しい情報があれば、紹介している。もちろんそれに対する意見交換が続いて生ずる。録音して聴いたら、大人と高校生の会話には聞こえないだろう。
 勉強を教えるだけでは、大きな問題をいくつも抱えている根室の地域医療を将来担えない。根室が抱えている地域医療問題はずいぶんこじれてしまっているから、問題点を共有し具体的な解決策も一緒に考えておいて、実行する時期が来たら速やかにやればいい。大きな問題は三つ+アルファ。常勤医が足りない、年間赤字額が17億円、療養病床がゼロ、そしてその背景には市議会も市長も市役所幹部職員も医療への関心が小さいという問題がある。知識と智慧と経験の不足で問題をどうやったら解決できるのかわからないのである。30年たってもその状況は変わらないだろう。だから、そういう閉塞状況を壊す仕掛けがいる。長期戦略が必要なのだ。根室高校から現役で国公立大学医学部へ進学する生徒を何人も出すことも長期目標の一つだ。いまいくつかのことに手を付けておかねば30年後は根室の地域医療から中核病院が消えていることすら可能性の一つに上がる。ふるさと納税制度がなくなれば一般会計から赤字の穴埋めができなくなるから、5年で経営破綻あるいは入院病棟の閉鎖や診療科縮小をせざるをえなくなるのである。病気になっても釧路へ通院しなければ専門的な医療が受けられないという困った事態が現れる。いまでもそういう事態は一部で起きているが、それが拡大するということ。現状の診療科が半分になったときのことを想像してもらいたい。内科・小児科・外科・整形外科・産婦人科・眼科・皮膚科・透析・麻酔、これだけあるが半分になったら病院の機能はまるで違ってくる。入院病棟も半分しか維持できない。そういう最悪の事態を根室の責任ある大人たちは議論すらしていないのだ。
 どういう手を打てばこうした最悪の事態を回避できるのか、問題を理解出来て、具体的な地域医療策を推し進めることができる人材を育てることがニムオロ塾の役割のひとつだ。うまくいくかどうかは分からぬ、だが、自分にやれることはやりぬくのみだ。そのために古里に35年ぶりに戻ってきた。

 面接のほうはいかにも医大らしい訊き方だった。「どういう医師になりたいのか?」と問われた。生徒の答えは専門分野をもった総合臨床医である。クリニックは地域中核病院と棲み分けがきちんとできなければ、患者に適切な治療の機会を提供できない。専門用語では病診連携(病院と診療所の連携)という。自分の専門外は市立根室病院や釧路市立病院、釧路労災病院、釧路日赤病院などの地域中核病院へ、そして北大や旭川医大とも意思疎通をしておかなくてはならない。MRIやCTは市立根室病院で撮影をやり、画像分析は自分で読にさらに出身大学の専門医へ念のために確認してもらう。これが通常の流れ、読影に見落としがあってはいけないからだ。自分の専門外の病気は適切な病院と医師をピックアップして紹介状を書いて患者を回さないといけない。
(わたしは左目の視力が急に落ちて、メガネが合わなくなり、昨年3月に東京へ行ったときに聖蹟桜ヶ丘のアートマンに入っているメガネ屋さんで視力測定をしてもらった。急速な視力低下が起きたようだから、目の病気の可能性、白内障の可能性があるのでいま作っても無駄、先に眼科医の診察を受けることを勧められて、すぐに家の近所にある眼科医へ行ったら、白内障の診断。根室に戻りかかりつけ医の岡田先生に相談すると、根室市立病院の眼科大谷先生に紹介状を書いてくれた。同じ大学の後輩で腕がいいと薦めてくれた。昨年7月末に手術、お陰様でよく見えます。今年の3月に聖跡桜ケ丘のメガネ屋さんで同じ人に白内障の手術を受けた旨伝え、メガネを作ってもらいました。)
 入院治療が終われば、また地元で長期治療や経過観察ということになる。診療分野ごとにどの病院にどういうレベルのスキルを有したドクターがいるのかを熟知している必要がある。どの病院を紹介されるかは、ときに患者にとっては命にかかわる問題となる。135ベッドの小規模病院である市立根室病院でカバーできる専門診療科は少ない。たとえば、脳疾患は釧路の孝仁会病院がいい。根室で手術はできない。
 面白かったのは「リモート医療が根室ではなぜ導入が進まないのか?」という質問である。どんな意見を言うのか好奇心から出た質問だろう。これには二つの問題がある。一つは病院側の受け入れ体制と医師のリモート医療への関心の薄さである。もう一つは根室市役所側の問題だ。そういう問題へ好奇心をもって取り組む幹部職員がいない、だから必要な知識もない。
 こういう問題を解決するには、将来、根室市の医療政策に専門家として口をはさめるような立場を確保すること、そういう問題に関心のある人間を数人集めることだろう。あとはなんとかなる。ちゃんと自分の言葉で伝えたようだ。

 コミュニケーション能力の高い生徒だから、大人に対する敬語をしっかり使い分けて真摯に質問に答えたようだ。3人の面接官も納得がいっただろう。大人に対する言葉使いは友達に対するものと普段から使い分けている。論争になっても言葉は崩れない。高校で一度だけ、自分の意見を通すために5人の先生を相手に堂々と議論したことがある、普通の大人は言葉遣いにも、論理的な述べ方にもびっくりするだろう。小6のときから日本語音読トレーニングでレベルを上げながら良質の本を選んで十数冊読んできた。(笑)
 なぜ根室には医師が行きたがらないのかという質問もあったようだ。子どもの教育の問題が一番大きいが、それは提出済みの書類に書いたから、都会は愉しいところが多いと答えたそうだ。ゴルフに行けるし買い物が便利、本屋も大きい店がある、映画館もあるしレストランもオシャレなところがいくつもある等々。きれいなお姉ちゃんのいる店も多いとまでは言わない。ドクターも例外ではないから、他の職種と同様にスケベな男が多いのはあたりまえ。生徒も親に連れられてさまざまなドクターたちを見ているので、実例も知っている。

 あとは大学共通試験で90%越えを目指して坦々と勉強するだけ。昨日から定期試験が始まっているが、一昨日も昨日もZ会の物理の問題を解いていた。

 念のために、試験に落ちたらどうするつもりか訊いた。札幌の河合塾が化学の先生に素晴らしい人がいるので、そちらを考えているという。そんなことを言うので、けしかけてみた。東京の駿台予備校には全国から俊英が集まってくるので、全国トップレベルがどの程度か体験しておくのもいい。北海道の予備校では集まる生徒のレベルは高が知れている。道内の医大へ進学するならなおさら、全国レベルのトップグループの実力を測って、自分の実力を全国基準で確認しておく機会をもちたい。頑固だから、わたしの言うことなんか聞きゃしないよ。札幌を選ぶだろう、それでいい。他人の意見には耳は傾けても、自分の考えと判断で行くべき道を選択する、大人ってそういうもの。もう子どもではない、しっかり育ったことを祝福すべきだろう。小5の1月からだった、長い付き合いだった。あと数か月でさようならだ。名残惜しくもあり、成長を眺めていられたことがうれしくもある。
 どこを選ぶかはたいした問題ではない、本人次第、そしてそんな悩みは6割以上の確率で、杞憂になる。
 合否発表は大学入試共通試験の成績を医大側が確認してから、2月一般入試の合格発表の前になされるようだ。根室高校から国立医大への現役合格の実績はまだない。
 最後が一番大事だから、気を抜かずに今は坦々と勉強しろ。なんだかほっとした顔をしていた。


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#4410 河合塾共通試験模試11/21:PCR検査の学術的なトピック Nov. 27、2020 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 今朝6時の気温は-2.4度だった。雨水受けのバケツ2個のうち日陰にある方は厚さ3㎜の氷が張っていた。極東の町根室は日没が早く午後4時ころには暗くなり始める。その時間の変化が季節の移ろいそのもの。

 21日(土曜日)に河合塾の共通試験模試が実施され、2人の塾生がトライした。理系の大学へ進学する生徒と医学部進学の生徒の二人である。理系大学進学の生徒はもちろん数学が得意、英語が嫌いで勉強の手を抜いてきたが、いまはそんなことは言ってられない。長文読解速度を上げて安全圏に逃げ込む努力をしている。勉強している姿をその都度観察しているが、はっきり集中力がアップしている。先週は模試で土曜日の英語長文読解トレーニングに出席できなかった。今週も土曜日に2時間やる予定だから、英語が苦手の3年生4人がくる。何度言っても嫌いな英語については暖簾に腕押し、やらなかったが、みんな最近になってよく勉強するようになった。必要は発明の母か。言わなくてもよくなった。言われて勉強するのは「おこちゃま」、言われなくてもやるのが大人、ようやく大人。根室の子どもたちは高校3年生の11月ごろにようやく大人になるタイプが多い。(笑)
 河合塾の模試問題は共通試験よりも難易度が高いから、医学部受験にはこの模試で8割確保したいところだ。8割点数が取れたら、本番の大学共通テストのころには9割まで伸びる。自己採点して、気になっていた数学が8割を超えてほっとしていた。物理が79。化学が6割台なので課題。
 英語力を落とさぬように多少難易度の高い長文問題でトレーニングしているから英語は問題なしなのだろう。どうだったか報告すらしない。時間内に余裕をもって全問処理できるレベルにすでに到達している。英検準一級に余裕をもって合格するにはまだ語彙力が不足しているから、語彙拡張もスマホのアプリで毎日少しずつしている様子。そつのない奴だ。(笑)

 北大医学部は共通試験で9割とっておく必要があるから、7割以下の科目があれば致命傷になる。十分わかっているから、対策を考え、なんとかするだろう。
 北大と旭川川医大にはそれぞれ地域推薦枠がある、どちらにするか迷っただろうな。旭川医大は「道東推薦枠」がある。道東で地域医療を担う人材をピックアップするための制度だ。将来、根室で地域医療を担うつもりのかれにはぴったり、自分用の「オーダーメイド」の推薦枠に見えているだろう。明日、小論文と面接試験がある。旭川でCOVID-19PCR陽性が激増しているので、気にしていた。面接でCOVID-19が話題になるだろう。

 昨日、COVID-19のPCR検査に関して学術的に面白いサイトを見つけたので、概要を話したらこの生徒が興味をもったので、サイトのアドレスを教えた。
 PCR検査のもとになっているのは中国のたった1症例のみ。それもRNA抽出過程に問題があって、人間由来のRNAか病原ウィルス由来のRNAかも判然としない。たった21塩基を標的病原ウィルス由来のRNAだと断定して、SARSやMARSなどのコロナウィルスの遺伝子ライブラリーを参照して、3万塩基に拡張したものが世界中に出回って、スタンダードになっている。3月ごろに海外の文献を渉猟していた時にmodelingという言葉を時々目にしていたが、意味が分かった。21塩基を3万塩基にパソコン上で「modering」したのだ。だから、病原ウィルスの塩基そのものではない。PCR検査は通常30回から45回温度を上げ下げして、遺伝子を増幅して、標的には発光するマーカーがつくのでそれをカウントしている。何回増幅しても病原ウィルスが検体に含まれていなければ検出できないはずだが、PCR検査を発明した科学者自身が65回も増幅したら、全部が陽性になると言っていた。つまりは、現行のコロナウィルスPCR検査は疑義があるということをほのめかしているということ。その「モデリングされた遺伝子」情報でつくられたワクチンは大々的な詐欺のようなもの。ウィルスは分離もされていないし、別の人に感染させて再現性も確認されていない。もちろん、その後の工程である、感染させた人からウィルスを分離(isolation)、精製(purification)して最初のウィルスと同一であると検証もなされていない。コッホ三原則を満たしていないのである。どこかの研究機関がやるべきだが、研究機関や研究者には製薬メーカから恒常的に多額の研究資金の寄付がなされている。だから、製薬メーカーに意向に反する研究はしづらいし、数兆円の売上高、数千億円の利益が期待できる超大型新薬のレールに乗っている新型コロナワクチン発売に水を差すような発言はできない。大手製薬メーカを敵に回すことになる。だから、PCR検査発明者(ノーベル賞受賞)も、科学者としての良心が咎めるのでやんわり示唆しているだけ。そのあたりの事情は三十年ほど前にSRL学術開発本部で製薬メーカーとⅣ型コラーゲンと膵癌マーカー検査2つの検査試薬の共同開発を担当して、なんどか製薬メーカーがスポンサーのセミナーに出席した経験を踏まえたわたしの意見。
 国際的に提出された研究論文を丹念に追跡してそれぞれの文献の該当部分を紹介、そしてウィルスを分離したと噂の流れた研究機関や研究者へ問い合わせた結果、一つもウィルス分離に成功した研究はなかったと次のサイトにある。20分ほどのユーチューブだから、暇な人はご覧ください。
*【朗報】ポルトガルの裁判所、PCR検査は信頼できない&違法とする|nocco|note
 解説しているのは「めいこ」さん、頭の回転が速い人です。なかなかの才女、このレベルの女子にはあまりお目にかかったことがない。三人目かな。一人は34年前にATCCのセミナーで同時通訳をしていた30歳前後の見目麗しい女性、もう一人は院生のときに先輩からお誘いを受けたお茶の水女子大との合コンのときの一人でした。こういうレベルの頭の回転の速い可愛い人が一人だけいました。

 閑話休題、医学部受験の生徒は月・火と二日間休んだ。祭日だった月曜日に別の模試を受けているときに具合が悪くなり、数学を受け終わったところで、あきらめて家に帰った。その後発熱するも、1日半寝たらすっかり回復、うらやましい体力だ。発熱が数日後だったら面接試験日とぶつかりアウトだった、ついているときはどこまでもツキが回る。

 道東推薦枠の合否発表は大学共通試験での得点を確認して最終選考がなされるので2月下旬になる。まだ合格実績はない。あとは北大受験のために大学共通試験で平均で9割の得点をめざすだけ。英語はずっと二次試験対策の勉強をしてきたようなもの、そちらは自信があるだろう。どちらかの医学部が今年は2次試験が英語のみ。ハラリのSapiensも読んだし、英作文千本ノックもライン配信でやった、なんだかうまくできている。


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#4406 英語:あと2か月、入試まで力の維持のために何をやるか Nov. 24, 2020 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 医学部受験生が先週から「やっておきたい英語長文700」をやり始めた。一月半前に『Cutting Edge 2020』を10日間ほどでやり終えていた。予想してたより速かったね。
 『Cutting Edge 2020』は327~605 wordsの長文だけの問題集で、受験問題に慣れておきたいと時間を計測して全問解いたので、速度アップトレーニングになった。本人は、所定の時間内に余裕をもって処理できることを確認している。それから何もしていないと力が落ちかねないので、自分で問題集を探してきて、先週から『やっておきたい英語長文700』をやり始めた。採録されている入試過去問題数は15である。このシリーズには『やっておきたい英語長文1000』というのがあるが、なぜそれではないのか尋ねたら、「(医学部受験のわたしには)必要ありません」とのこと。Z会の長文問題は文構造も語彙数も「700」よりは上、それも解いているから十分な量だ。「700」というのは単語数が634~902だから、その平均が約700語ということから命名したのだろうか。これぐらいの単語量の長文に慣れていないと、800語超の問題が出題されたときに、その量に気圧(けお)されかねない。’Sapiens’の原書講読も複雑な箇所だけは構文解析をしながら50頁ほど精読したし、受験長文問題もやったので、臨機応変に対応できるだけの力はついている。すこしだけ心配性のところがあるが、それもいいところかも。つまり、謙虚。(笑)

 「700」の中身を見たら、時事問題が多い。グローバリズム、環境問題、テクノロジー、経済問題など、普段から新聞やネット記事を検索して周辺知識を仕入れている受験生とそうでない受験生はお話にならぬほど差がつく。取り上げられているトピックスに関する周辺知識が薄いととても不利になる。受験勉強だけでいっぱいいっぱいになっている生徒と、能力の高い生徒をより分けるにはこの手の時事問題に絡んだ長文が適している。都会ならキオスクでJapan Timesを変えるので、その記事の中から適当なものを選んで読むのがいい。都会の住人ではない高校生は、弊ブログのカテゴリー欄に「74.高校・大学生のためのJT記事:ニムオロ塾:SSブログ (ss-blog.jp)」があるので利用したらいい。南極大陸の平均2400mの氷が溶けだしたら何が起きるのか興味ありませんか?旧聞に属しますが、英国首相のサッチャーはフォークランド紛争のときに敢然と軍を送って直ちに反撃したことは北方領土問題や竹島問題尖閣列島などでのもめごとと比較して読むととても面白い。ずいぶん前に授業で採り上げて解説したJTの記事を数十本アップしてあるので、そこから選んで読んでください。

 この生徒は6年間の日本語音読トレーニングで質の良い本を幅広く15冊選んで読んだので、それが基礎的な力になっている。地域医療問題や年金、国債発行残高、グローバリズム、地球温暖化などについても、授業中に問題を解きながら議論してきた。この生徒は数学の問題を解きながら、かなり高度な議論にもついてこられる。集中が強くなると返事がなくなるのでストップ。聞こえなくなるのだ。だれでも集中力がアップするとそういう状態になる。
 最近は、英語が苦手だった高3の生徒たちが英語の問題を解いているときにそういう状態に時々なっている。若いというのはいいことだ。突然変わってしまう。

 

 「英作文千本ノック」は予定の1000問題を超えたので、ライン配信を終了した。後は自分で勝手にやったらいい。
 すでに3400題分、A4判で460頁の問題・解説集ができあがっている。本にすれば900頁を超える。大西泰斗先生のNHKラジオ英会話から文例と解説をいただいている。
 面白くてやめられず、まだやり続けているから、5000題には届くだろう。願わくば10,000題を超えてみたい。別の世界が見えてくような気がする。愉しい!(笑)


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Cutting Edge 1 2015 大学入試長文読解問題集

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#4395 北大理系赤本に手を付ける時期:医学部進学 Nov. 3, 2020 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

<最終更新情報>11/9朝9時:学習スタイルと学校の授業の関係に関する若干の追記


 根室から後に続く者たちへの目安として、記録を残しておきたいので、メモしておく。いや、道内の大学のない地域から医学部を目指す者たちにとっても目安になるかもしれない。

 この生徒は中学数学と高校数ⅠA、数ⅡBはシリウスの例題と解説を読んだだけで全問題を解いた。完全予習方式で中高と勉強してきたので、数学の教科書はほとんど開くことさえなかった。中学2年生からは学校へ数学の教科書をもっていかなかったようだ。授業時間中もひたすらシリウス問題集の例題と小さな解説を読んで独力で難易度の高い問題を解き続けた。本人曰く、「教科書は知りたいことが書かれていない、シリウスの解説や例題の方がすぐれものだった」。自分で計画を立てて自主的・自律的に学習しているので、授業を聞いていないからといって咎め内でもらいたい。自主的・自律的な学習態度を育てることは学校教育の究極の目的の一つでもあるのだから。こういう生徒たちはすでに理想を実現している。
 そして学校から出される「宿題」は難易度が低すぎて学力の高い生徒には、自主的な勉強の障害になるだけ。強制されなくても予習方式で、それも難易度の高い問題集で演習しているから、宿題は免除すべき。たとえば、中学校の学力テストで8割、高校のベネッセ模試で7割の得点を超えた者を免除すればいいだけだから簡単だが、そうはなっていない学校がほとんどだろう。どういうわけか学校の先生は生徒に宿題を強要する性癖のもち主ばかりで、それが教師の権威だと勘違いしているように塾教師のわたしからは見える。もちろん、とんでもない勘違いだからやめたらいい。成績不良の生徒には部活停止措置をとり、放課後補習をすべきだが、こういう個別的な対応は手間がかかるからやりたがらないというのも、全国の学校に「普遍的な傾向」である。すこしは自分の頭で考えて判断し、行動してもらいたい。
(根室高校2年生の特設コースに限っては、復習プリントというよりは授業よりも難易度の高い演習問題と予習プリントへシフトしています。あれを自力でやれるのは成績上位3人のみでしょう。)
 がんじがらめに管理しなければ勉強できないような人材は企業では望んでいない。自ら問題を見つけ、それを解決できる人材がどの企業にも不足している。それは中高の勉強スタイルに起因しているのではないのか?


 話を元に戻そう。数Ⅲは青チャート、これも例題を読み理解して、全問題を解いている。そのあと、1対1対応シリーズ全6冊は、問題を自分でピックアップして制覇、青チャートでは足りないところを補完した。そのご理系難関大学受験生向けの『やさしい理系数学』をやっている。
 国立医大進学希望のこの生徒は、『やさしい理系数学』をやりながら、先週から北大理系の過去問を解き始めている。ほとんどの問題が自力で解けるようだが、解答に別解が載っていない場合があるので、アプローチの仕方が正しいかどうかの質問があるくらいで坦々と独力で問題演習している。
 今日11/3は河合塾の医学部模試を受けて、塾で問題をもう一度解きなおしていた。不出来の部分があったようで、模試で弱点を見つけ、その周辺の知識を整理し集中的に見直し、得点源に加えていくのだろう。
 11月にできすぎると、わかってはいても勉強の手が緩むから、ちょうどいい。このまま続ければ、さらに一段ステップアップが期待できる、入試本番まであと2か月半。ヒルクライム、まだ峠のてっぺんは見えていない。自分の力を信じて坦々とやったらいい。力は確実にアップしている。
 
<余談:国語>
 河合塾医学部模試の国語はこの生徒は受験していないが、問題は見てみた。記述式の問題が並んでいたが、該当箇所を抜き出すだけのものではなさそうで、要約をして自分の言葉に置き換えて答案を書かなければならない問題のようだ。国語の授業でも要約文を書かせることが増えている。「読解力」は文章を読んで理解するだけでなく、それを要約して他者へ伝えるところまでを含むように定義し直されたのだろう。
 PISA(OECD生徒の学習到達度調査)の影響で、文章の要約能力がチェックされるようになって、国語の出題傾向が変わりつつあるようだ。

<学習スタイルの重要性>
 高校で大量の宿題が出されるのは全国的な傾向のようだ。いくつか、この点について投稿いただいた。昨日11/4の投稿を引用して紹介したい。

#3838 高校で宿題専用ノート配布:高校が小学校に Oct. 15, 2018

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はじめまして。
私の母校が、愛知県立五条高校です。
私の在校中も現在も補習漬け、大量のプリント課題、在校中に先生が「日本一プリントを作って配っている高校」と豪語していました。
残念ながら、近年は難関大学に合格する生徒さんが減少傾向です。
私は室蘭工業大学に進学し、卒業後に千葉市、川崎市、あま市の順に転勤で転居して仕事していますが、愛知県の公立高校は管理し過ぎだと思います。
病院の診察待ちが長いので、コメント致しました。
by Hattori (2020-11-04 13:34) 
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やさしい理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)

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  • 作者: 三ツ矢 和弘
  • 出版社/メーカー: 河合出版
  • 発売日: 2013/07/01
  • メディア: 単行本

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