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#5230 日本の農業政策:フランスと比較 May 8, 2024 [5.2 好奇心]

 今朝(5/8)4時からのNHKラジオを聞いていたら、核戦争があれば、2億人以上死に、その内の1/3は日本人だと、農水省の元分析官が解説していました。ウクライナ戦争やガザへのイスラエル侵略で核弾頭が使われる可能性がありますから、荒唐無稽な話でもないのです。

 理由は二つありました。一つはカロリーベースの食糧自給率が38%しかないこと、二つ目は輸入原油の94.1%を占めている中東からの原油が入ってこなくなることで日本の物流網がストップしてしまうことでした。

 ネットで検索してみたら、解説者は鈴木宜弘氏でした。東京大学大学院農業生命研究科教授だそうです。
 フランスが農業大国であり、主要な食糧輸出国であることは夙(つと)に知られていますが、その農業政策についてわたしは知らないことだらけでした。
 フランスには農業の補助金に「所得補償制度」があります。農家の所得の40~50%が公的な助成金で贖(あがな)われています。だから、農業に従事している人口も多いのです。米国は公的な助成が40%です。自給率を高く維持することで食糧面での安全保障を強化しています。
 日本は公的な助成は10%程度だそうです。農業従事者はほとんどが高齢者ですから、後20~30年もしたら、現状の3割いるでしょうかね。自給率10%なんてことになりかねません。円安が続いたり、気候温暖化で世界中で干ばつや水害が頻発するようなことになったら、食糧の絶対量が不足し輸入価格は跳ね上がります。農業大国が自国民の食糧を優先して確保するために、輸出禁止措置をとることもありうるでしょう。
 食糧安全保障はとっても大事です。

 日本の酪農の現状はどうなっているでしょう?たとえば、人の数より牛の数の方が多いと言われている北海道別海町は大規模酪農で有名な町ですが、円安で輸入飼料が値上がりし経営難の牧場が増えています。大規模化は機械化を伴なうので投資額も大きいのです。乳価は上がらず、このままでは離農が増えます。子どもに農業を継がせない牧場主が増えます。

「全中は基幹的農業従事者数を農林業センサスをもとに推計した。それによると2020年の136万人が2030年には83万人となり、2050年には36万人へと30年間で100万人減(▲7割)となる見通しだ。
 一方、農地面積について国交省「国土の長期展望」によって推計したところ、2020年の437万haが2050年には304万haへと減少(▲3割)する見通しとなった。」
基幹的農業従事者 2050年36万人 100万人減 農地集約 喫緊の課題 全中が中長期見通し推計|JAcom 農業協同組合新聞

 農家に所得補償をしなければ、日本の農業は後30年で7割の農業の担い手を失うでしょう。食糧自給率はさらに激減します。
 日本という国の安全上も、食糧自給率を50%以上に回復しておかないと、いつ何が起こるかわかりません。何かがあってからでは遅いのです。いま、農業政策を変えて、農業を営む人たちへ公的な助成を増やしてほしいと思います。
 人口減少は好材料かもしれません。空き地が増えて人口が減少すれば、必要な食料の絶対量が少なくなりと同時に、自宅から近いところに小規模な耕作地を増やすことができそうです。月~木曜日まではサラリーマン、金・土・日は趣味の家庭菜園づくりなんて、楽しそうです。中東から原油が途絶えても芋や野菜を栽培していたらしばらくは食いつないで、命をつなげます。

 お金は無尽蔵にはありません。何かを削らないといけない。国会ではそういう議論もしてほしいと思います。国の安全は武器を増やすことだけでは不可能です。もちろん侵略されたら、戦えるだけの武器は必要ですがね。

 鈴木宜弘氏の主張が掲載されているサイトを見つけましたので、こちらをご覧ください。日本の農業政策と現状の問題点を皆さんと共有したいと思います。
*聞いてびっくり! 各国は独自の助成制度で「農業保護」


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