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#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014 [21. 北方領土]

 3年前に亡くなったオフクロが択捉島で生まれ育ったから、わたしは島民2世という定義に該当するのだろうが、まだ択捉島の土を踏んでいない。婆さんのお墓があると聞いている。お袋の兄弟姉妹たちの間では、一番下の叔母が十回前後は行っているだろう。しかし、それ以外の叔母たち3人と叔父貴とわたしのお袋は択捉島へ行っていない。叔母たち三人とオフクロはすでに亡くなっている。爺さんは択捉を「宝島」と呼んでいた。資源が豊富で当時は根室の3倍の漁があった。いまも択捉島の家のそばにある川には、秋になるとシャケがびっしり俎上し、竹ざおを立てても倒れないほど群れているのだろう。村のあった周辺はまったく開発されていないと聞いている。

 2月7日は北方領土の日だそうだが、さっぱり馴染みがないのでなぜだろうとネットでウィキペディアをみたら、ソ連が北方領土に侵攻してきた8月28日も候補に挙がったが、千島列島の日本への帰属が明記された、日露和親条約成立の1855年2月7日に決めたのだそうだ。1981年に決めたとあるから、団塊世代のわたしはその当時は東京で暮らしていたのでまったく馴染みがない。制定してからすでに33年だが、にわかに2月7日を言い出したような感じが未だにあり、奇異に感じられる。

 北方領土に日への個人的な感想はどうでもよい。戦後69年がたとうとしているが、北方四島返還が近づいていると感じている国民はほとんどいないだろう。それほど非現実的な変換交渉を繰り返した来たということだ。ビザなし交流もその象徴のようなものだ。ロシア側では日本外務省お抱えの予算で日本全国観光旅行利権となっているようだし、日本側でも特定の団体(複数)の関係者の北方領土観光利権となっている。こんなものが領土返還の役に立つとは思えない。
 羅臼や根室の漁業者は北方領土が戻ってこないほうがいい。ロシアに入漁量を支払えば国後島周辺で漁ができるからで、もどってきたら国後の漁師の前浜だから漁ができなくなる。3割以上水揚げが減るだろうから死活問題となる。そういう現実的な問題を抱えているから、北方領土返還運動は外務省が予算をもつイベントと化している。補助金頼みで卑しい領土返還運動をしたってみったくないだけ。

 2008年6月8日弊ブログ「すこし過激な北方領土返還論:MIRV開発・組み立て・配備・解体ショー」でMITV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショーを全世界に向けてやって見せれば、安全保障理事会常任理事国に日本をせざるを得なくなるし、北方領土返還への圧力をかけられると書いた。強力な軍事力の背景をもてば外交交渉は自ずと有利に展開することになる。
 MIRVを国内の技術で開発した国は米国・ロシア・中国の三カ国だけ、フランスは米国の技術供与を受け、英国はミサイルを米国から購入している。

 精製済みのプルトニウムは43トンすでに保有しているし、原発の使用済み燃料を精製すればもっと多くの量の原爆材料を手にできる。ウラン濃縮用の遠心分離機は日本には日立や東芝をはじめとして数社の製品がある。問題は核弾頭の小型化であるが、核爆発シミュレーションをやるスーパーコンピュータも富士通、日本電気などが製品として販売している。物理学者も核爆発シミュレーション・プログラムを開発できる技術者やそれをバックアップできる数学者も多数いる。そしてそれらを生産するに必要な技術者も民間会社にたくさんいる。官民共同プロジェクトで3年あればやれるだろう。リタイアした団塊世代を利用すればいい。日本はMIRV用のロケット技術は既に開発済みで、衛星打ち上げですでに商用化が進みつつある。人工衛星打ち上げようロケットとミサイルは用途が異なるだけで同じ製品なのだ。

 日本はすべて国産でMIRVを開発できるのである。潜在核保有国なのだが、それをよくおわかりでない国々が多いからやってみせるのが一番よい。
 MIRVを開発して、稚内と根室に10基くらい組み立て配備したらいい。そして半年後に解体撤去する。ロシアが北方領土四島の即時返還に応じないなら、MIRVを30基ロシアの主要都市に照準を定めて稚内と根室に配備したらいい。43トンのプルトニウムで5000発の核弾頭が製造可能だそうだから、30基組み立てたらロシアも中国も日本の力を知ることになる。下手に手を出したら、両国は全滅しかねないリスクを負うことになる。もちろん、こちらも全滅の覚悟がいる。ロシアや中国はMIRVを保有しているから、こちらもそれを保有してはじめて軍事的に対等の立場になり、対等の軍事力の背景をもつ外交交渉が可能になる。同じ武器をもったなら日本が圧倒的に強いことは日清・日露の二つの戦争が示してくれている。

 牧の内の飛行場跡地が候補地の一つだろう。
 根室市民はMIRV配備の土地を提供する覚悟はあるか?
 根室市議会はMIRV開発・組み立て・解体ショーを決議する勇気があるか?

 毎年北方領土の弁論大会へ参加する中高生諸君、弊ブログ内の検索ボックスに「北方領土」と入力すれば50くらいの記事が出てくるから、いくつかに目をとして自分の頭で考えてみてはくれぬだろうか?自分の頭で考え、若い者らしい現実的で具体的かつ斬新な提案をしてみたらいい。

  北海道出身の選手達も北方領土のことなどほとんど考えていない、それよりもずっと自分がオリンピックに出ることのほうが大事だ。領土問題よりも個人の名誉心やいままでの努力のほうがずっと重いという現実がある。北方領土を奪ったロシアのソチで冬のオリンピックが開催されるとしても、そんなことは関係ないと考えているのだろう。明日から冬のオリンピックがはじまる。

 なんとむずかしいのだろう、
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」


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*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 
#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08

 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14

 #2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14

 #2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16

 #2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28

  #2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29

 #2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

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#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013 [21. 北方領土]

 5月17日に根室港から国後島へビザなし訪問団が出発した。わたしは択捉島民2世であるが一度も行ったことがない。おばあさんの墓があるので一度は行って見たいと思っている。
 前浜がり漁場になっていて秋になると川にシャケが集まり、竹棹を立てると倒れないという。人間なら「立錐の余地もない」という表現がふさわしいのだろう。戦前の出稼ぎ漁師は択捉島では北海道の3倍稼げたという。それゆえ「宝島」だとも言われていた。水産資源の濃さは道東とは比べものにならない。先日、根高の2年先輩から択捉島蕊取村はロシア人が住んでおらず、びょうびょうたる荒野になっていると聞いた。

 さて、ビザなし訪問には医師が同行しているが、同行経験のある医師の感想記がコメント欄へ投稿されたので、本欄へ転載して紹介したい。実際の「ビザなし訪問」がどういうものであり、どのような問題を抱えているのか広く知っていただきたいと思う。
 たとえば国後島へ着岸してから医療事故があった場合は日本の医師法が適用されるのかされないのか、彼の地は日本なのかロシアなのか?
 ブログ仲間のサリーさんが昨年5月下旬のビザなし訪問に参加して、十数本写真つきで感想記をアップしているのでその記事のURLも貼り付けておく。歯切れがよく、読んで楽しいブログだから、こちらもぜひ読んでいただきたい。志発島の島民2世の視点からしっかり自分の意見を述べている。

#2297コメント欄より
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閑話休題

医師専用(?)の掲示板「m3」に載っていた知り合いの「井戸端会議」と言うタイトルの書き込みです。本人に承諾を得ましたので、こちらにupしてみました。医療の面から見た北方領土問題の雰囲気が多少でも伝わればと思います。

そんな堅苦しい話ではありません。普段自分が医師として当たり前に思っている事が、改めて問い掛けてみるとさっぱり分からなくなってしまう・・・と言う話です。
皆さんも名前位はご存じでしょう。根室半島から続く「北方領土」。正確には国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島で、ひっくるめて「北方四島」とも呼びます。ここには毎年日本から全国組織と北海道の地方組織が主催するいわゆるビザ無し訪問団が5〜6回は出掛けて行きます。これとは別に北海道が主催する「北方墓参」も4回前後出掛けます。

小生は「墓参」は一度も行ったことが有りません。その代わり、いわゆるビザなし訪問で国後・択捉へは数回出掛けました。このビザなし訪問にも大別して2つのジャンルが有ります。
一つはロシアが実効支配しているそれらの島を公式訪問するスタイル。まあいわば北方領土観光ツアーと言ったところですね。日本側の訪問団をロシア側が正式に招待する”上げ膳据え膳”の訪問旅行です。
もう一つのジャンルは「無人地帯上陸型」とでも言いましょうか・・・町の無い無人地帯(かっては日本人が住んでいた)に母船からボートに乗り移って上陸し、荒れ果てた日本人墓地を中心に昔を懐かしむ、言わば”心の旅”?
旅行中の食事は当然訪問旅行ではロシア料理が主体。無人地帯アドヴェンチャーの方は母船に戻っての日本料理(まあ、普通のやつ)と島にはお弁当を持って行きます。
旅程にも依りますが、宿泊は後者は母船に戻って船中泊。公式訪問は船中泊と国後島では「日ロ友好の家」(いわゆるムネオハウス)での宿泊、択捉島では1軒だけの小さなホテルか日本に良く来るロシア人家庭でのホームステイのどれかになります。

北方領土へのルートですが、チャーター船(昨年から新造船)で根室港を出て国後島に向かいます。巡視艇ですと根室ー国後島は約2時間ですが、チャーター船ですと4時間ほどの船旅です。訪問団に”高貴なお方(国会議員クラス)”が参加していると、一応白いスマートな巡視艇がチャーター船に伴走します。ところがその巡視艇が途中でUターンしてつれなく帰ってしまう所が国境線(日本政府は”中間ライン”と呼ぶ)です。そこから先はいよいよロシア領(実際には)です。

やがてチャーター船は国後島の古釜布の港に停泊。大体予定より遅れて国境警備隊を乗せたロシア側の艀がやって来て、通訳を介して日本側の政府関係者(外務省役人など)と書類のやり取りなどの事務手続きがカーテンの向こうで行われます。
小一時間で事務手続きが完了すると、いよいよロシア(?)に上陸です。もっとも上陸と言ってもロシアの港は整備されていませんので船が岸壁に直着け出来ません。そのため母船からロシアの艀に乗り移って岸壁を目指します。ロシアに入国(日本側は”入域”と言う)する際には簡単な持込み荷物(主にデジカメのナンバーや多少の小遣いの額)の明細を提出。母船から出る際には団員番号の順番通りに並び、一応ロシア側は一人ひとりの顔を手元の書類と照合します。岸壁には、毎度御馴染みの島民のグループが手を振って出迎えます。「ズドラーストヴィチェ!」「スパシーバ!」

さて、日本からの訪問団は大体70人前後で編成されます。数名程度の元島民、元島民の家族、北方領土返還運動関係の組織の職員、一般の家庭の主婦、大学生、労働組合関係、自衛隊関係(父兄会)、政治家(国会議員や秘書)日本政府の役人(外務省や環境庁、内閣府)、自然保護関係の技術者や研究者、マスコミ(TV関係や新聞関係)、有識者と称する評論家、5〜6人の通訳、そして随行の医師。

ではいよいよ医師の登場です。先ず彼らの主な任務は、訪問団の健康管理。本来の船医は船長と並ぶ地位だそうですが、ここでは団員の一人に過ぎません。それでも患者が出たら場合によって病室として使うと言う名目で、狭いながらも2段ベッドの個室が当たります。他に個室を使えるのは政治家レベルでしょうか。そのドクタールーム(一応)には小振りの青いビニールコンテナとオレンジ色のバッグが置いてあります。現在ビザなし訪問などの日本側の基地は根室港となっている関係で、前線業務は根室市が請負い、従って医療部分の基地は市立根室病院に成ります。その関係で、年に10回程の北方領土訪問団の随行医師は殆ど市立根室病院の医師が請け負います。必然的に医療器具や薬品などの供給は市立根室病院の中央材料部が点検、補充を行います。
コンテナや救急バッグの内容は、挿管道具一式、アンビュ、切開トレイ(縫合)セット、500mlの電解質液とブドウ糖液が2〜3本、IVのシリンジ、ベニューラ針、輸液チューブセット、イソジン球、ガーゼ類、尿道カテーテル、AED、酸素ボンベ、抗生剤注射液、ステロイド注射液、制吐剤、経口剤(抗生剤、鎮痙剤、風邪薬,下剤、止痢剤、眠剤、制吐剤、点眼薬etc)等がびっしり詰まっています。皆が船中に居る時には良いのですが、いよいよ島に上陸と成ると医師も同伴しますので、予想される必要な物品を選り分けてオレンジの救急バッグに詰め替えます。勿論AEDや酸素ボンベなどの重量物は船内に置いておきます。

随行医師は乗船と同時に主催者団体から訪問団員の健康診断書の束を渡されます。「1週間程度の旅行は問題ない」と言う内容で、殆どが(書類上は)no problemなんですが、時に糖尿病や心臓疾患などについて付記されている事が有りますので、その団員の名前と疾患をメモっておきます。しかしその健康診断書、特に北海道が主催の訪問団ですと医師名には知った名前がぞろぞろ(笑)。

では今まで実際に医師として動いたケースについてですが、多いのは「船酔い止めが欲しい」「眠れない」「3日間便が出ない」「どうも風邪引いたみたい」「墓参りでダニに咬まれた」「デッキで転んで腕の皮を擦り剥いた」「〇○がウオッカで沈没している」「酔っぱらって柱にぶつかり額を切った」「血圧が高い気がする」etc.と、まるで運動会の救護班。

実はこの「運動会の救護班」が今回の話の最大のポイントなんです。北方領土へのビザなし訪問団の随行医師・・・皆さんはどんな立場だと想像されますか。実際の業務内容は前述の通りです。「なあんだ、大したことはしてないじゃないか」。そうです、仰る通り大したことはしていません。それじゃあ、医者なんて要らない??
そうは行きません。船員を含めると80人もの集団ですから、いわば産業医的にも保健管理センター的にも医師は必要です。まして元島民の方々などは戦後68年、もはや殆どの方が80歳はとうに過ぎた高齢者です。自宅に居てさえ何が起きるか分からない世代です。それが環境(食事、特に飲み水)が全く違う島に4,5日の強行日程で出掛けるのですから、やはりいざと言う時のための医師は必要です。

では、その医師の依って立つ法的な立場は? 実はこれが大問題なんです。蜷さんも時には子供の学校の運動会やマラソン大会などの救護班を依頼されたことがあるかと思います。その時、症状を改善させるために投薬したとします。処方箋は切りますか? ビザなし訪問団の場合、机の上にB5のノートがあ置いてあって、何か治療行為が有った場合には日誌風に「〇〇号室××氏。腹痛の訴えでブスコパン2錠渡す」などと書き込みます。勿論患者だけのカルテでは有りません。小生はこれまであまりこの手の救護班的活動が有りませんでしたので、まあこんなもんだろうと気楽に動いておりました。しかし或る時、そのシーズンの訪問団の随行医師を決める会議の際に医師たちから問題的が為されました。

「何故俺たちが行かなければならないんだ」に始まり、

「大体、団員に何か起きたらその責任はどうなる」

「俺は良くマラソンに出るが、”私はマラソンに参加する際に健康上の問題が生じて も自己責任とします”と言った誓約書みたいのを出している。だからそれと同じ考 えで良いんじゃないか」

「いや、今時のご時世だからそんな程度じゃ駄目だ。大体何時何が起きるか分からな い年寄りのお守りなんだから、”〇○が死んでも責任は問いません”位の誓約書を 家族に書かせろ」

「そこまで要求したんじゃ、来る者も来なくなって主催者側も困るよ」

「いやその位でなくちゃ駄目だ。大体お前は甘過ぎる」

「大体行政的にはどうなるんだ。旅行中の俺たちの立場は医者か」

「一応そういう事に成るな」

「じゃあ何処に所属する医者だ。北海道か。外務省か」

「うーん、そこが分からないんだよな。保健所に聞いても明確な説明は帰って来な い・・・」

「いや、保健所の見解では、一応出張診療みたいなものらしい」

「出張診療? じゃあ往診か?」

「まあそれ位しか当て嵌められないみたいだ」

「それで医師法がクリアー出来るのか」

「そうそう、その医師法なんだけどさ。それって日本の医師法だろう。あそこはロシ アの島だぜ。日本の医師の資格もへったくれも無いわさ」

「そりゃそうだな。健康保険も減ったくれも無いな」

「うーん、訪問団の中に限定すれば島に居ても”日本国内”かも知れないが、そこか らロシア側に接触した時点でロシア側の国内法が優先する訳か・・・」

「おいおい、そこまで考えてたんじゃ島には行けないぞ。日本の医師資格がロシア領 土内でどうだこうだなんて難しく考えないで、ボランティアで旅行気分で良いんじ ゃないか」

「そうだな。まあはっきりとした外国への旅行ならあまり深く考えることも無いけ ど、日本政府は”ここは日本だ”って言うし向こうは”ここはロシアだ”。こりゃ あどうしょうもないな」

「そうそう両方の国の争いに巻き込まれないように、そっと身を潜めているのがベス トだな」

「しかしあの不味いロシアの料理や太ったおばさんを考えると、ちょっと遠慮したい な」

「駄目駄目、この事業は外務省から金ががっぱり出ていて、人道支援でもロシア人一 人に付〇○〇万は予算を組んでいる。それが市や病院に転がり込んで来るんだか ら、多少の文句が有っても皆に協力して貰わないと」

「はいはい、分かりました。じゃあ俺は8月の始めの国後・択捉コースにするかな。 やれやれ・・・」


by NO NAME (2013-05-18 10:00) 
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 ブログ仲間のサリーさんが昨年5月下旬に択捉島ビザなし訪問に参加、感想記を十数本アップしています。日露のビザなし交流の実態が独特のリズムの文で綴られています。このリズムは一つの才能ですね。

http://search.ameba.jp/search.html?q=%E5%A2%93%E5%8F%82&aid=sommelier

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*#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

*#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14

  #2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16

  #2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28

  #2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29

 #195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07






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#2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか Sep. 30, 2012 [21. 北方領土]

 友人のEさんから、メールをもらった。正岡子規や福沢諭吉についての著作のある人だから、明治期の事情に詳しい。台湾の状況を弊ブログに書いたが、日韓併合前の韓国側の事情を解説してくれている。領土紛争へのコメント#2095もあわせてお読みいただきたい。団塊世代の爺二人の対話である。
 

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私はよく、「コラ、E! またオマエ、学校サボッタそうだな」と言われながら、「それで今度はどこに行ってきたんだ?」とプチ家出の話を聞いてくれたのですが、今思えば、バカな教師の話など気にするなと以心伝心で励ましてくれたのでしょう。
 
今、問題となっているイジメのような陰湿な衝突も、学校に行かなくてはならないと思い込むからひどくなるのであって、それがイヤだったらサッサとサボって旅行でも、自宅学習でも、好きにすれば大したことにはならないと思うのですが、
一人で何かをするということができない育ち方、育て方をしているのでしょうね。
 
我々の世代は、子供は野良犬、野良猫、ごろた石の類、屑あつかいで育っているので
一人で何かするというのは当たり前だったように思います。

 
 昨日、国連で中国の外相が品性を問われるような発言をしたようですが、
以前「金印」の話のときに書いたことを思い出しました。

 もっとも、中国の王朝の官吏は古来、理に合わぬことを承知で他国に押し付けることが国威の発揚と思い込んで壮大なゴマスリをやらかし、後に紛争の種を捲いてきたわけですから、‥‥ *

 
こんなつまらない話が現実に起きるのを見るのは、実に情けないですね。 ebisuさんは台湾への国庫補助の話を書いていましたが、実は併合直前の李氏朝鮮へも統監伊藤博文が日本政府を脅して、年額600万程の計算で3年分前倒しで補助しました。
 
李氏朝鮮に年度予算という制度を初めて導入したのは、初代統監に就任した伊藤博文でした。初年度の予算は大甘に見積もっても、当時の日本円に換算して約600万円ほど。この金額は明治5年に太政官政府が初めて年度予算を計上したときの金額に相当しました。つまり、30年前の明治政府発足時のレベルだったのですが、これが大甘だというのは、実情を考えれば実際の歳入額はその半分も覚束なかったからです。それは朝鮮各地の役人は官職売買で地位を手に入れた者ばかりで、税収があれば最初に官職売買に投資した分の回収を図るのですから、中央に届く歳入額は計算不能だったからです。更に韓国宮廷の濫費が優先され、それでも足りなかった閔妃は貨幣贋造までやらかしたので伊藤博文は以前から韓国併合反対論を公にしていました
 「日本みたいな貧乏国が、もっと貧乏で乱脈な国を併合すれば、泥沼に足を取られるだけだ」 こういう反対論は内容の伴わないヒューマニズム的な文言よりもはるかに説得力があります伊藤博文が当時、世界的政治家として評価されていたのはこの種の政治家としての見識が世界に知られていたからだったし、伊藤が生きている間は日本政府も併合ができなかったのです。ですからその伊藤を暗殺した李氏朝鮮は敵と味方の見極めができない野蛮国、愚者の国として世界から見捨てられたのも、国際世論の然らしむるところだったといえるでしょう

 
伊藤博文は女タラシの面ばかりが強調されていますが、その高度な頭脳と政治的力量はもっともっと評価されるべきでしょう。それでも最近はこの方向での再評価が行われ、中公新書の伊藤についての論は好著でしたが、まだまだ少ないようですね。
 

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*左側の欄外にカテゴリー区分が並んでいます。その中に「『「漢委奴国王」金印」があるので、クリックしてご覧ください。

**#2095 コメント欄より
日本が朝鮮半島を植民地化しなければ、今頃はロシア領だったでしょう。地政学的にみれば満州もロシアが手に入れていた。帝国主義の時代とはそういうものです。

インドのスズキの自動車工場は現地のカーストに対する無理解が原因なのではないでしょうか。こちらが相手の文化をきちんと理解して対処すればいい。

>日本国内で安く製造する道も探らねばなりません。
あるはずです、方法が。

ムリして安い製品を大量生産しなくていい。貿易を縮小して鎖国(管理貿易)すればいいのでしょう。
自国で使うものは自国で生産する。どうしても生産できないものだけ輸入する。
そしてどうしても品質の高いそして信頼性のおける日本製品を使いたいと思う国や人々にだけ、日本でつくった純正の日本製品を使ってもらえばいい。
鎖国=管理貿易は素晴らしい選択肢だと思います。
高くても、国内雇用を守り、国産品を大事に使いましょう。自国内で生産し自国内で修理する。そしてリサイクルできるものは徹底的にリサイクルする。
by ebisu (2012-09-28 23:00) 
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 ビルマ(現ミャンマー)は日本が独立運動を支援した国です。歴史的にも関係が深い。ベトナムも戦時中はフランスの植民地でしたが、独立運動を支援するために王族やその関係者を日本国内に庇護していました。根室印刷の会長が戦時中、文部省の依頼でベトナムの王族関係者に日本語を教えています。当時の日本は意外にも周到な仕事をしていた面もあったのです。
 ベトナムに限らず、他にも例がいくつもあったでしょう。中国とはしばらく距離をおいて、そういう国々と関係を深めていけばいいのだろうと思います。目先の利益にばかり目を奪われてはなりません。



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#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス Sep. 28, 2012 [21. 北方領土]

 古代朝鮮半島には倭種と朝鮮人と中国人が共存して住んでいた。大きな目で見れば、朝鮮と日本は兄弟のようなものだ。
*『日韓がタブーにする半島の歴史』室谷克実著、新潮新書、2010年刊

 儒教に凝り固まってて身体を使う仕事を軽視し、数百年間経済発展が停滞した国だから、柔軟だった日本とは文化的な違いが大きい。
 日本はかつて朝鮮半島と台湾に帝国大学(1917年、ソウルに京城帝国大学、台湾に台北帝国大学)を建て、教育のインフラを整備した。道路も鉄道もダムも朝鮮と台湾で同じように整備した。植民地経営でこうしたインフラを整備した帝国主義国は日本以外に存在しない。

「 日本人が台湾人を搾取したという論議を聞くたびに、私はこう反論する。それはまったく逆であり、日本政府は日本国民を搾取して台湾経営に全力投球したのが史実であると。
 そしてそれを証明する史実はいくらでもある。たとえば、日本領台初年の明治28年から明治38年までの10年間、台湾総督府の年間予算は日本帝国政府からの補填によって支えられていた。しかも、初期の台湾人一人当たりの予算は、日本国内よりも高かった。
 また、明治29年の台湾総督府への補助金は700万円弱である。日本人一人当たりの予算額は2円27銭であったのに対し、台湾人は一人当たり3円16銭と日本人よりも高かったのである。
 そのほか、こんな例もある。日本国内では明治26年から6年間の事業継続として、海軍増強が行われてた。それにあたり、軍艦建造費年300万円の支出が予定されていたが、それを年間250万円におさえ、その分を明治29年から台湾総督府の補助金にあて、年600万円もの補助を出し続けたのだ。
 台湾に対する補助金は、当時の日本における軍事費の約10分の1にものぼった。当時の日本はまだ貧しく、国民は飢えに泣き、臥薪嘗胆しながら万国対峙の時代に生きていくのはたいへんだった。にもかかわらず、国費から巨額な補助金を台湾へ注ぎ込んでいたのだ。」
   黄文雄著『日本人が台湾に残した武士道精神』徳間書店刊、68ページ


 いまなら地方交付税交付金である、日本は台湾を日本国内の一地方のように扱っていた。それどころか遅れているから税金は日本国内よりも安くしていた。植民地経営に惻隠の情が読み取れる。植民地を国内と同レベルにしようと国内からお金を持ち出してインフラ整備に力を注いだことを台湾人はよく知っており、子どもへそのことを伝えている。
 だから台湾人はいまだに日本に恩を感じている人が多いが、韓国人は恨みだけに凝り固まっている。韓国人は事実の反面を見ない。日本と韓国が手を組めばその影響は大きい。共通通貨圏構想を両国で検討するぐらいの寛容さがあれば、未来はまったく違うものになる。

 帝国主義の時代に大東亜共栄圏といった構想を日本人はもっていた。1919年国際連盟委員会で日本は人種差別撤廃を提案したが、英国・米国・オーストラリアなどの反対で否決された。孫文は中国国内の五族共和を提唱したが漢族優位の中華思想とははっきり異なる思想であった。
 あの時代に日本帝国主義が台頭しなかったら、中国は沿海州部は英国の植民地となり、北はロシア領となって、今日の中華人民共和国の芽はなかった。大きな目で歴史を見る必要がある。
 孫文の五族共和も日本帝国主義の大東亜共栄圏も白人国家にアジアが伍していくために必要な構想だった、21世紀になって、日中が未来へ向かって手を結ぶことはできないのか。

 中華思想で凝り固まり排他的な中国、儒教思想から脱することのできない韓国、島国で縄文以来1万年の間、儒教や仏教文化の影響を受けながらも独特な文化を育んだ日本。違いは大きいが、それを乗り越えることはできないのだろうか。
 韓国の捻じ曲がった歴史観をなんとかしないといけない。井沢元彦が具体例をいくつも挙げて論じている。
*『厄介な隣人韓国の正体 なぜ「反日」なのに、日本に憧れるのか』井沢元彦・呉善花共著、祥伝社2006年刊

 さて、尖閣列島問題に端を発する中国国内での日本企業の排斥暴動だが、理を尽くして損害賠償などについて話して埒があかなければ、中国市場から手を引くぐらいの潔さがあっていい。ヤマトは利だけで動く種族ではないことをあらためて知らしめよ
 13億人の巨大市場あるいは生産基地として重要ではあるが、乱暴狼藉がやまぬなら潔く手を引く覚悟はもつべきだ。困ったときは原点回帰、日本人らしく振舞うのがいい。日本が手を引けば、中国共産党の崩壊時期が早くなるだろう。

 インドと手を結びリスクを分散するのが賢明な選択肢だ、インド政府は大歓迎だろう。アジアの西と東が手を結ぶ、異質なものが手を結ぶ先に何が見えてくるのか、やってみる価値はある


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#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012 [21. 北方領土]

 尖閣列島問題で団塊世代のオヤジ二人がメールで意見をやり取りしている。
  日清戦争前夜に中国海軍が日本で起こした出来事や、中国艦船の装備や操舵技術の実態などにEさんが言及してくれた。
 そうした歴史を踏まえ、ロシアとの領土問題を重ね合わせて、Eさんは局地戦を想定した実戦配備が必要ではないかと書いている。なぜそれが必要なのか、若い人たちにも考えてもらいたい。

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「(サッチャーと正面から議論したら)かなわない」 と思っていたのはイギリスの政治家だけではなく、
湾岸戦争のときのパパ・ブッシュもそうでした。

ホルムズ海峡を封鎖した際にイラクの艦船が接近してきたので
臨検はしたのですが、ブッシュは偶発的な不測の事態を恐れて
通過を認める命令を出しました。
これを伝え聞いたサッチャーは血相を変えてホワイトハウスに乗り込み
「ジョージ、あなた、一体何をしてるの!!」 と凄まじい剣幕で追求し、
ブッシュはヘドモドしながら平謝りだったと統合参謀本部長だった
コリン・パウエルがその回想録だったかCNNのドキュメンタリーだったか
忘れましたが話しています。
結局、このときは 「今度やったら、許しませんからね!」 の一言で解放されて、
ブッシュもパウエルもホッとしたそうです。
「あんな、こわいことはなかった」 と言っていました。
(MIRV)解体ショーの提唱は面白いですね。
とはいえ、今回はそれだけではすまないかも知れません。
局地戦をも想定した海上自衛隊の実戦配備が必要なのかもしれませんね。
そこまでやれば、艦船の装備、兵員の錬度等の差は中国も承知しているので
挑発や対決路線よりも持久戦の構えを選ぶでしょう。
日清戦争前に中国海軍が長崎で大乱闘事件を引き起して
国際的な顰蹙をかっていましたが、何か似ていますね。
このとき、中国海軍は世界有数の戦艦 「鎮遠」 「鎮海」 の威勢をカサにきて
各地の港を親善訪問と称してはバカ騒ぎをやらかしていましたが、
当時、中国海軍の兵員は近代的な艦船の動かし方を一人として知らず、
日清戦争のときもドイツ人等が機関、操船を担当していました。
今の中国海軍も航空母艦を手に入れたと称していますが、
艤装はすべて中国がせねばならず、ところがその先端技術はなし、
甲板の航空機発着用のロープさえ旧式のものしか配備できないらしいので、
実情はスクラップ同様で、実戦運用はまず無理でしょう。
そういう状態の中国海軍ですから海上自衛隊が実戦をも辞さずという態度で
時には漁船と称する中国海軍の船を撃沈するつもりで砲撃して臨んだら、
中国だけでなく、ロシアや朝鮮半島のチンピラ指導者達に対しても
無言のメッセージになるかもしれませんね。
こういうのはあまり好きではないのですが、やむをえないのでしょう。
=====================================================

 たしかに、局地戦を想定して実戦配備をしておくことは、局地戦を未然に防ぐためにも、必要な措置に思えます。


*#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

*#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14

 #195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07



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#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012 [21. 北方領土]

 北方領土問題に関心のある根室の中高生にこそ読んでもらいたい。千島歯舞居住者連盟も日本政府の外交姿勢も、歴代総理大臣もみなダメ、なぜダメかという理由を『サッチャー回顧録』からの抜粋を読んでしっかり考えてもらいたい。領土問題に関して大事なことが何かを知るべきだ。

 中国は尖閣列島への侵略をやめないから、いずれ大きな紛争あるいは偶発的な戦争に巻き込まれる。否応なしに日本人はいまから覚悟を決めておかねばならない。日本の領土に触手を伸ばすときには、全中国が焦土と化すことを覚悟せよと、それはわが国もまたそうなることを覚悟でなければ言えないことなのである。
 取引材料や嫌がらせ目的で、中国公安に中国国内にいる日本人が狙われるから、経済断交も考慮に入れておく必要がある。何もかもうまくやろうなどとはハナから考えぬことだ。摩擦は大きい、中国もロシアも領土拡張の欲求は世界一、強欲の国なのである。
 距離が近いから発射したら迎撃は困難だ。MIRVを10基ずつ、ロシア、韓国、中国に向けて照準を合わせ配備できることを証明して見せようと、#2050「北方領土:韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?」で書いたら、いくつか面白いコメントをいただいたが、それを見ていたEさんからメールをもらったので披露したい。

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<Eさんからのメール>

 サッチャーの偉大さ


最近の領土問題をめぐる中ロ韓の動きと日本の対応を見ていると、昔、TBSで 「ワシントン・ウォッチ」 を担当していた頃に読んだ『サッチャー回顧録』 や、最近読んだ 『ブレア回顧録』 を思い出しますね。

添付したのはサッチャーがフォークランド紛争を回顧して書いた部分ですが、現在の日本に対する世界の認識と似通ったところがあるようです。
サッチャーもブレアもイギリスの国際的な影響力の後退を押し留め、その威厳と影響力を回復させた首相ですが、共通しているのは 「保守党らしからぬ保守党首」 であり 「労働党首らしからぬ労働党首」 ということでした。
それは国益をたんにイギリス一国だけの狭い利 interest として考えるのではなく、国際社会とそれを規制すべき国際法と照らし合わせて考えるのを原則としていたから期せずして相通ずるところのある総理となったのでしょう。
サッチャーは独裁者や愚民の暴力を国際法の理の原則が抑えこめないのなら世界に安定はないし、人類の社会の発展もないと考えていました。
今、近隣諸国から領土問題等でいろいろと無理難題を浴びせられている日本も近いうちにどこかでサッチャーのような決断を下さざるを得ないのかも知れません。
ご参考までに抜粋をお送りします。

 


<Eさんが送ってくれた資料から抜粋>
 「われわれが1万3千キロもかなたの南大西洋で戦っていたのは、領土やフォークランドの住民たちも無論大切だったが、それ以上に大切なことのためだった。われわれは国としての名誉、そして全世界にとっての基本的に重要な原則、すなわち何よりも国際法が力の行使に勝たなくてはならないという原則を守ろうとしていたのだ。戦争は本当に突然起こった。・・・フォークランド戦争が意味するところはとても大きかった。イギリス自身にとっても、われわれの世界における立場にとってもである。1956年のスエズの大失敗以来、イギリスの外交政策は長期にわたって後退を続けていた。イギリス政府と外国政府の暗黙の想定は、世界におけるイギリスの役割は縮小する一方の運命にあるというものだった。イギリスは友からも敵からも、戦時はおろか平時でも、自国の利益を守る意思と能力のない国だとみなされてきた。フォークランドにおける勝利はこれを変えた。」(サッチャー回顧録<上> p.218~p.220)

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 わたし(ebisu)はたまたま4月に下旬に映画「マーガレット・サッチャー」をみて、フォークランド戦争時の彼女の対応を褒め称えた記事を書いているので、再録する。あのときの英国の経済・財政状態は(金本位制下の)日露戦争開戦時の日本の財政状態のきつさとは比べるべくもないが、まあ似ている。あそこでひるんでいれば、日本の国際的地位はずっと低いものになっただろう。日露戦争は白人の帝国(世界最大の陸軍王国帝政ロシア)に有色人種の国が初めて勝利したものとして世界史上大きな意義のある出来事であった。
 日本は後に国際連盟に人種平等法案を提出して孤立していく。言わねばならぬことを堂々と言い、白人の植民地支配に抗し、人種平等という正義を実現するために孤立を恐れない強い精神が当時の日本人にはあった。現在の日本と比較してみてほしい。情けないほど脆弱化して、言うべきことも言えない日本が見えてくる。
 今日のニュースだが韓国大統領が天皇が訪韓するときには「心からの謝罪をすべきだ」と言いたい放題。支持率17%の李大統領は次の選挙に勝てそうもないから、このような礼節を欠いた発言をしたのだろうが、日本政府はそういうことが条件なら天皇の訪韓はありえないと間髪をいれずにはっきり言えばいい。
 王室を抱える英国人には日本人の心が理解できるだろう。

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

「 常識的な論にたいして、論拠を示して断固として信念を貫くサッチャーの強さは台詞の中に随所に出てくる。鉄の女という渾名がつくわけだ。常識論を振りかざす男たちが何人もまとめてぐうの音も出ないほどコテンパーにされていた。
 フォークランド紛争のときに周囲の反対を押し切り、領土を守るために地球の裏側まで艦隊を派遣してアルゼンチンと戦端を開いた意志の強さにも舌を巻く。あの時英国は財政状態が悪くとても戦争のできる状態ではなかったが、当時首相だったサッチャーは領土問題は経済問題よりも優先すると演説して議会で反対派を黙らせてしまった。
 「英国が領土問題で譲歩することなどありえない」

 このシーンのときに頭をかすめたのは北方領土問題である。サッチャーに比べて、北方領土に対する政府や根室市や市議会の対応は不甲斐ない、ビザなし交流がずいぶん卑屈に感じてしまう。尖閣諸島に対しても竹島に対しても、日本政府の対応は誇り高い英国と好対照をなしている。

 根室の中高生はぜひこの映画を見てもらいたい。北方領土返還運動関係諸団体は北方四島交流センターに根室市内の中高生を集めてこの映画をみせたらどうか?中高生の領土問題に関する意識が根底から変わるだろう。」

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*#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 #195「少し過激な北方領土返還論」
MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30


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#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 [21. 北方領土]

 韓国大統領が竹島を訪れた。日本政府は駐日韓国大使を呼びつけて厳重に抗議したようだが、なんだかただのセレモニーにみえる。
 森本防衛大臣ですら韓国の内政問題だと言っていた。領土問題に関する日本人の意識はかくも低いからなめられる。

 竹島には韓国軍が常駐しており、韓国に実効支配されている。日本政府は抗議はするが実力行使は決してしない。だから、韓国はやりたい放題である。
 尖閣列島も北方領土もまったく同じ、口では日本の領土と言いながら、国内向けの口先だけ、及び腰だ。

 そのうち竹島に韓国企業がリゾート施設でもつくれば、日本政府は「ビザなし交流」なんてことを言い出すのではないだろうか?

 ビザなし交流の実態は参加した人たちがコメント欄に何度か書き込んでくれている、ロシアの実効支配を前提にした「政府が経費をもつただの観光旅行」なのである。

 領土問題に関しては、外務省も政府もまったくやる気がない。防衛省は枢要な島嶼には常駐部隊を置くなど領土保全に関する基本方針を検討すべきだろう。
 一つ例を挙げてみたい。中国漁船(巡視船に体当たりしても壊れない漁船なんて日本にはないから、あれは漁船に偽装した軍艦であるとの味方が専門家の間ではなされている)の海上保安庁巡視艇への体当たり事件でも、すぐに船長を釈放、ひたすら情報の隠蔽をしていただけ。拿捕したあと船体構造や素材をすばやく詳細に調べ上げて、船長を尋問すべきだったのに、菅と仙石は事実を隠蔽することにのみ関心が向かって、本来なすべき仕事の手際が悪かった。領土領海に関する防衛省の基本方針が明確になっていれば、拿捕⇒船体調査⇒船長や乗組員の尋問と自動的になすべき仕事がなされ、政府の情報隠蔽工作が防げる。同じ構造は福島第一原発事故にもみられるのではないか?

 中国、韓国、ロシアの別なく、領土問題では相手のし放題、日本政府による実力行使は今後もなされないし、官僚の頭からは有効な具体策も出てこない。こうして日本の領土・領海・排他的経済水域は実質上徐々に侵略されていく。
 尖閣列島の次は沖縄、竹島の次は隠岐の島、北方4島の次はどこなのだろう?
 どこまでやられたら自衛隊が出動するのか、線をはっきり引き全世界に宣言すればいい。

 領土・領海に関する外交交渉は武力の背景がいる。MRIV(多核弾道ミサイル)を短期間で開発して、30基組み立て、ロシアと韓国と中国に向けて10基ずつ配備してから、外交交渉をやればいい。
 竹島は日本領土なのだから、韓国が竹島につくった構築物と韓国軍の退去を堂々と要求すべきだ。
 尖閣列島にMRIV10基を配備し、自衛隊の部隊を常駐させればいい。
 根室と稚内に5基ずつMRIVを配備してロシアの各都市に照準を合わせればいい。
 それから国連安保理の常任理事国入りを要求して、3年と祈願を区切り4島即時返還を堂々と要求する。
 プルトニウムも遠心分離機もその他必要な機材はずべて国産で世界トップレベルの製品が民政品で揃うのは日本だけ。核爆発に必要なシミュレーションには世界トップレベルの国産スーパーコンピュータがある。日立製でもNEC製でも富士通製でもどこでもいい。
 要点は、日本が実質的な多核弾道ミサイル保有国であることを開発・組み立て・解体をやって見せて、全世界に認めさせることにある。

 日本人は領土問題では一歩も引かぬというところを世界中に見せればいい。小賢しい頭ではなく大事なのは覚悟だ、腹だ。
 祭りの先太鼓の競演の響きが届いてくる、和太鼓は日本人の魂(大和心)を揺さぶる。

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*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
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  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 #1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08

 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14

 #1976 北方領土問題コメント(欄)対話(3) : ビザなし交流の変遷とその実情 June 16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16

 #2003 "ロシアの動きは逆効果" :メドベージェフの国後島訪問 July 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-08

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*【追加情報】
 「尖閣出動で対処方針 自衛隊統幕長が策定指示2012.8.13 07:11 (1/2ページ)自衛隊
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120813/plc12081307130004-n1.htm


#2003 "ロシアの動きは逆効果" :メドベージェフの国後島訪問 July 8, 2012 [21. 北方領土]

 七夕のジャパンタイムズ社説のひとつは北方領土問題をとりあげていた。根室の高校生に読んでほしい記事だから、ニムオロ塾の時事英語教材として取り上げる。
 霧に包まれて月影も見えぬ夜だったが、天の川にはビザなし交流という看板を上げてぴかぴかの観光船が頻繁に行き来している。

 メドベージェフは7月3日に国後島を訪問したが、霧に邪魔されて予定されたエトロフ島や歯舞諸島を訪れることができなかった。野田首相はプーチン大統領とカボス会議の際に個別会談し、「静かな雰囲気の中で長期的な視点に立ち、領土問題の協議を再開したい Japan and Russian will "reactivate talks" on the long-standing territorial dispute in a quiet atmosphere.」と合意したのにどういうわけだろう。
 ここいら辺りがロシア外交のしたたかなところで、見え透いた小細工がなされる。日本でこういうことをやれば、二枚舌とか詐欺師とか言われ、最低の人間になってしまう。しかしこれは国際外交というゲームであり、日本流の価値感は通用しないからそのつもりで腹を括って対応すればいい。
 メドベージェフがプーチンの意向を無視して行動するわけはないから、プーチンの了解の下に国後訪問が計画されたのだ。メドベージェフは四島は太古の昔からロシアの重要な一部であり一インチも日本に渡すつもりがないと語っている。


On Tuesday, Mr. Medvedev not only stated that the four islands were "a very important part of Sakhalin and of the whole Russia," but also claimed: "They have been our land since ancient times. We will not give even an inch of the land."

 これが本音だろう。東ヨーロッパのそれほど大きくないロシアが東へ東へと探検と侵略を繰り返してついにベーリング海峡を越えてアラスカまで領有するに至ったというのが18世紀から20世紀までの歴史だ。

 1956年の日ソ共同宣言の中で、歯舞・色丹諸島の引渡しに合意しているから、ロシア側はそれで領土度問題を解決したい、日本側は四島全部の返還を要求と主張は平行線である。

 社説は、日本はロシア側の動きに右往左往してはならぬ、領土問題はしっかりしたスタンスでやるべきと述べている。野田とプーチンはサハリン-3プロジェクト(原油と天然ガス開発)についても合意している。
 プーチンがメドベージェフの国後訪問を後押ししたことは明らかだが、挑発に乗ってはならぬ、冷静にロシア側の意図を探り二カ国協議の確固たる基礎を築くためにこの情報を利用すべきだと、社説は当たり障りのない結論に落ち着く。まあ、社説なんてこんなものだろう。

 

Although it is clear that Mr. Putin approved Mr. Medvedev's visit to Kunashiri, Japan should not be provoked by such moves. Instead, it should carefully and calmly analyze Russia's intentions and the international environment, and use this information to create a strong foundation for the bilateral talks.

 ここまでは社説の紹介だ。今朝(7月8日)の北海道新聞一面に「核燃半島<4>―青森・下北はいま」というシリーズ物の記事が載っているのでその記事とジャパンタイムズの社説をクロスオーバーすれば何が見えてくるか?
 クロスオーバーの領域、異文化交流・・・そこからみえてくるものが面白い。

 プルトニウムを燃料に使うはずだった高速増殖炉計画がうまくいかず、フランスで再処理されたプルトニウムが46トンも行き場を失って六ヶ所村に貯蔵されている。46㌧ものプルトニウム、世界中を震撼させるに充分な量だ。米国が一番神経を尖らせている。中国やロシアはユーラシア大陸の東端の弧状列島に住む日本人を敵に回す怖さを忘れたようだから、ぜひ思い出してもらおう。そのために私たちは何をすればいいだろう?
 実験炉の常陽に続いてつくられた唯一の「実用型高速増殖炉」文殊は事故続きで運転休止中、つかいものにならない。MOX燃料専用原子炉である青森県大間原発も計画だけで原子炉建設がストップしている。そういう事情で日本にはフランスで再処理されてもどってきた原爆5000発分のブルトニウムがすでにあり、その保有量は世界5位。
 「わずか8㌔で1個の原子爆弾を製造できる」とこの記事は伝えている。

 ここからは北方領土返還外交交渉に関するebisuの持論だ。
 ロシアの大都市に照準を合わせてMIRV(多核弾道ミサイル)をとりあえず10基開発して根室半島と稚内に配置して様子を見る。ロシアが北方領土を返還すればMIRVは解体、撤去。反応がなければ100基並べて日本人の怖さを思い知らせてやる。ロシア国民を10回全滅できるに十分な量の兵器を開発・製造し、実戦配備してから国連安全保障理事会を舞台に堂々と外交交渉する

 世界中を敵に回しても主張すべきは主張し、日本人は領土を断固守るとわからせてやればいい。ロケット技術は人工衛星打ち上げですでに手中にしているから、あとは核爆発のシミュレーションと核爆弾の製造技術を開発すればいい。東大宇宙航空研究所が固形燃料のロケット開発をしたが、米国の圧力の前に屈して、やめてしまった。種子島で打ち上げているのは液体燃料ロケットで、MIRVには使えない。要するに、北朝鮮がもっていない固体燃料のロケット技術も日本は既に開発済みということだ。固体燃料ミサイルなら、燃料の注入の必要がないから、発射の意志決定をすれば直ちに発射できる。
 ロケット技術ばかりではない、核爆発についてはコンピュータ・シミュレーションが必要だし、ウランの精製儀機器も必要となるが、世界最高速レベルのスーパーコンピュータも遠心分離機も、必要なありとあらゆる機器が国産で揃う。
 たいしたお金はかからぬから、ロシアが譲歩するまでMIRV開発と配備をエスカレートすればいい。そうすれば中国も日本に対して領土・領海紛争を引き起こす気がなくなるだろう。ぐちゃぐちゃうるさいことを言ったら、尖閣列島や沖縄、九州へも「高性能MIRV」を展開すればいい。

 領土問題はやり方次第で動く、問題は私たちにその覚悟あるのかということだ。まずは根室市議会で北方領土返還のためのMIRV開発要求決議をするのがスタートだ。それだけでも外交上の圧力になる。国際的に孤立しても領土問題に関しては日本は断固とした措置をとることを世界中に発信すれば、中国や韓国もバカげた要求をしなくなるだろう
 具体的現実的な論であり、ぶっそうな論でもある。本気で北方領土返還運動をやる覚悟がないなら補助金獲得のための年中行事の領土返還運動をあいもかわらず続けるがいい。実効支配百年で北方領土は国際法上ロシア領だ。あと、33年しかない。

 北方領土返還を看板に掲げた補助金獲得運動を地元根室が60年もやっているのは日本全国に恥をさらしているようなもの。根室人のみが矜持を失ったのか、それとも日本全体がそう変わってしまったのか、ebisuは不思議でならぬ。

 択捉島で生まれ育ったebisuの母は昨年夏に亡くなった。元島民ではあるがいわゆる「引揚者」ではない。母は自分の母親の眠る墓に一度もお参りをすることなく逝った。ebisuは元島民2世ということになる。「引揚者ではない元島民」はビザなし交流には参加できないのである。すくなくとも引揚者の団体に入る必要がある。おかしな話だ。引揚者ではない元島民はたくさんいる、いや、いたというべきだろう。次々亡くなっている。お袋は6人兄弟姉妹だが長兄は満州で戦死、末の妹のみ引揚者でほかはただの元島民。引揚者である末の妹は何度も択捉島へ行っているが、他の兄弟姉妹は誰一人ふるさとへ行ってない。これがビザなし交流や墓参の実態である。
 北方領土の中でも択捉島は別格である。"宝島"である択捉島をロシアが返すわけがない。水産資源が道東沿岸とは比較にならぬほど豊かで戦前は根室の3倍の出稼ぎ所得があった島である。お金があるから物もふんだんに入ってくる。シーズンごとに日本橋高島屋や三越からカタログが来て、衣類などの注文をしていたような土地柄だった。だからロシア側のインフラ整備が進んでいるだけではすまぬ、水産会社ギドストロイで働くロシア択捉島民の所得が根室市民の所得の2倍になる日は近い。"宝島"にはそれだけの"地力"がある、そうなるよ。(笑)

 冒頭部分のみ転載するので、根室の高校生諸君はURLをクリックして全文ダウンロードして印刷して読んでほしい。
 http://www.japantimes.co.jp/text/ed20120707a1.html
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Saturday, July 7, 2012

EDITORIAL

Russia's counterproductive move

Russian Prime Minister Dmitry Medvedev on Tuesday visited Kunashiri Island, one of four islands known collectively as the Northern Territories whose sovereignty is disputed by Japan and Russia

He first tried to land on Etorofu Island, another disputed island, but could not do so because of thick fog. In November 2010, Mr. Medvedev, then president, visited Kunashiri becoming the first Russian head of state to visit the Northern Territories.

Mr. Medvedev's visit to Kunashiri runs counter to an agreement between Japanese Prime Minister Yoshihiko Noda and Russian President Vladimir Putin on June 18 during the Group of 20 summit in Los Cabos, Mexico, that Japan and Russian will "reactivate talks" on the long-standing territorial dispute in a quiet atmosphere.

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*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
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 #1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
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 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
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 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
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 #1976 北方領土問題コメント(欄)対話(3) : ビザなし交流の変遷とその実情 June 16, 2012 
 
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#1976 北方領土問題コメント(欄)対話(3) : ビザなし交流の変遷とその実情 June 16, 2012 [21. 北方領土]

 ビザなし交流は12年目だろうか、コメントを寄せてくれた人は6回行ったという。いろいろ気づいたことを披露してくれている。

 今日の北海道新聞朝刊根室地域版には市内の中学生の弁論大会が載っている。大人を反映してか返還運動の現状への批判がない、いかにも根室のこどもらしい意見である。37回だから、37年間こうした意見が弁論大会で繰り返し述べられてきたのだ。大人も子供も薬にも毒にもならぬ意見ばかりでは北方領土返還運動は看板倒れとなりかねない、いやそうなっている。
 ビザなし交流の実態に係わる情報をブログへアップして、現状の過去60年間の返還運動批判の材料を提供しておきたい。物議をかもすくらいの批判や意見が堂々といえるような中学生が根室に現れることを期待したい。
(ニムオロ塾の生徒が過去、二人全国大会へ行っているが、一人は北方領土問題ではなく覚醒剤をとりあげていたが、もう一人のテーマは…)

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【根室】市内の中学生による第37回市少年弁論大会が15日、柏陵中で開かれ、北方領土問題の部は小野怜太君(柏陵中)が、自由課題の部は高杉美里さん(歯舞中3年)がそれぞれ優勝した。
しない7校から両部門にそれぞれ10人が参加し、5分の持ち時間でミスからの体験を下に主張を行った。
小野君は元島民4世で、介護の仕事をしている母親が世話をする元島民から「島を離れるのがつらかった」と訴えられ経験を紹介しながら「僕たちに島を返してほしいとの気持ちがあるか」と問いかけ、感動を呼んだ。
 弁論には審査員の他、柏陵中の全校生徒が耳を傾け、2年生の土岐授樹君は「みんな中学生なのにしっかりした考えを持っていてすごいと思った」と話していた。(石川徹)
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以下、最近のコメント欄から、ビザなし交流へ参加した方のコメントとebisuのコメントを再録した。
 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
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<ビザなし訪問の「住民対話集会」は最近では形骸化して来ているようです。小生が最後に択捉島に行ったのは2年半ほど前の夏でしたが、その時にはもう既に「日ロの子育て事情について」などとどうでも良いテーマに成っていました。最初に国後・択捉に行った時は、今から6年前の例の漁船銃撃事件の1週間後の事でした。その当時は国後でも択捉でもコースの中にやはり「住民対話集会」が位置付けられていて、結構日本側もストレートな意見を出していましたね。勿論それに対するロシア側の反応は「ここはロシアだが、皆さん仲良くしましょう!」的な当たり障りが無い内容でしたが・・・。
大体「住民対話集会」の会場は行政府の有る所の小学校が用いられます。日本側は70人前後の団員の殆どが出席、ロシア側は20~30人程度でしょうか。何回も行っていると、「住民対話集会」に出てくる”住民!?”が「あれっ、去年も見たな」(つまり常連? やらせ?)。
一度鈴木宗雄氏と同行したことが有りますが、彼が「住民対話集会」の席でかってモスクワに総理大臣(小渕?)に同行した際のロシア側との約束(いずれ島は日本に返還するつもり?)の話を声高に叫んでも「ニエット!」と相手は聞く耳を持ちません。フロアのロシア住民にとっては雲の上の話でしょうし、壇上のロシア行政府の責任者に取っては聞きたくない話なんでしょう。そんな雰囲気の中で、かって択捉島に住んでいて8月末に突然島を襲って来たロシア軍(ソ連軍)に家まで占領された元島民の方がその時の模様を冷静に語ったことが有ります。会場はしーん。その元島民は場を弁えていてロシアに対する”恨み・辛み”を一言も言いませんでした(さすが良くも悪しくも日本人)。それでもロシア側の住民は「大変なご苦労をされましたね」でチョン。後はお決まりの日ロ交流の合唱。日本側は「ふるさと」、ロシア側は「カチューシャ」(笑)。

その当時はこんな「住民対話集会」など訪問団のアリバイ作りの茶番のだと思っていましたが、今考えればそれでも未だ少しは意義が有ったのかも知れません。しかしその後ロシア側は次第に「ここはロシアだ。余所者の日本人にとやかく言われる筋合いは無い!」との考えが露骨に成って来たようです。確かにその頃はもうサハリンの油田が順調で、そのお裾分けが数百億円北方4島を潤い始めていましたので、「もう日本への帰属の必要性は無い」とロシア側も腹を括ったのかも知れません。

いずれにしても、今の日本は魚釣島の一件を見るまでもなく全く主体性がない(アメリカ追従)外交に終始しています。これではあの老獪なロシア政府に立ち向かえるわけが有りません。一日本人として悲しい現実ですね・・・。
by 通りすがり (2012-06-15 10:59) 


 その後、訪問団に対する現地行政府の態度(対応)が何故か急変したと聞き及んでいます。ビザなし訪問恒例の日本人のお墓参りの際にも責任者が墓標を引っこ抜き「こんな物日本に持って帰れと!」と地面に叩き付けたとか・・・。しかしその事が原因かは分かりませんが、かれはその後更迭されたと聞いています。とにかく現地(特に択捉)の行政府の責任者は結構変わります。その度に日本からのビザなし訪問団に接する態度に温度差を感じます。それは時のロシア政府の意向なのでしょうが。島のロシア住民たち個人は皆明るく親切な方ばかりですが、一旦背中に国旗を背負うと、やはり態度は厳しくなります。もう「住民対話集会」が開かれたとしても、その場で島の所有を巡っての真剣な論議などされないでしょう。それはロシア側の作戦であり、またそれを黙って受け入れ”朝貢外交”しか能が無い日本外務省の実態なのですから。
by 通りすがり (2012-06-15 11:24) 

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6年前と2年半前、そして今回サリーさんの訪問時の住民集会対話の実情、変わって行く様子が生々しく伝わってきます。

毎年市内の中学校では北方領土問題をテーマとして弁論大会が開催されていますが、こどもたちはこうしたビザなし交流の実情を知りません。

事実を知ることが大事です。何がどうなっているのか、日本の外務省は何を考え、どういう動きをしているのか。
千島歯舞居住者連盟とは何なのか、どういう役割を果たしているのか、そういうことを知らずに踊らされて、全国大会へと送り出されていく。

事実を知れば現実の返還運動批判が飛び出します。
それは「もちつもたれつ」で効果がまったくないことを承知しつつやっている振りをしている関係者にはまことに不都合なことです。

やるつもりなら本気で、やらないならくだらぬビザなし交流などやめてあきらめればいい。
本気でやるならMIRV開発の具体論があります。市議会で決議して全国に問題提起をすればいい。
by ebisu (2012-06-15 13:43) 

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 このブログを読んでいて、今ふと気が付いた事が有ります。計7回も国後や択捉に行っていた時には考えもしなかった事です。島を訪問してその夜島に泊まる場合に幾つかの方法が有ります。国後島の場合は「日ロ友好の家」(日本での俗称:ムネオハウス)に泊まれます。この建物はどちらかと言うと日本からの訪問者用に造られているようで、ビザなし訪問団以外にも日本からの文化交流の団員なども利用しています。またロシア側に拿捕された日本人漁船員なども一時的に収容されているようです。例の銃撃事件の湾中のS船長たちも小生たちが行く直前まで居たそうです。また何回目かの訪問の時に部屋に先客が居てバッティング。彼は拿捕された羅臼の船長でした。島に泊まらない場合は湾内に停泊しているロサルゴサでの船中泊です。一方択捉島の場合は1軒だけ小さなホテルが有りそこに泊まることは出来ますが、70人全員は無理な話ですので、一部は島の家庭に泊めて頂く事に成ります。その場合、大体が島の中流かそれ以上のクラスの家庭にステイすることに成ります。その多くは日本に呼ばれて旅行していたり日本の病院で治療を受けていたりする、つまり日本と少なからず縁があるような家庭のようです。その場合、小生の経験から言うと最悪なのが”言葉の壁”です。こちらは99.9%ロシア語が分かりません。一方の向こうは日本語は勿論英語も殆どの人間が分かりません。これは例えば幾ら英語が出来ない日本人でも白=white、黒=black、行く=go、来る=come、良い=good、悪い=badは何とか分かるのとは次元が違います。ロシア人の英語も日本人のロシア語もお互いに名詞、形容詞、動詞の殆どが分かりません。つまり全く会話にならないわけです。一応団員と相手方にはビザなし訪問団用に編集されたロシア語会話の小冊子が手渡されますが、あんなもの現場では殆ど役に立ちません。
えーっと「この料理は大変美味しいです」は? ページを捲り、「有った有った。オーチン・フクスナーだ」。すると相手も本を覗き込み「ドウイタシマシテ」(笑)。これではまともな会話に成りません。そこで訪問団に随行している日本人のロシア語通訳殿の出番に成ります。しかし通訳たちも手分けして各家庭を廻らなくてはならないので、1軒の家庭には精々30分位しか居られません。その通訳が居る時に聞きたいことや話したいことを貯めておいて”交流?”するわけですが、通訳の手前もあって「ここは元々日本だから返せ!」などとは言えませんよね。そして通訳が引き揚げた後にはお互いの間に気まずい沈黙がずっしりと圧し掛かります。そうなると万国共通の間の取り方は「では健康を祝して乾杯!」の連続。かくして慣れないウオッカをがぶ飲みしてダウン・・・これではロシア人の家庭に日本人を泊まらせても政府に都合が悪い話など出る筈も有りません。ロシア側がロシア人家庭への日本人のホームステイを認める訳です。
しかし、日中の訪問団の行動は”送り迎え”と言う名の下に島民が提供する車に分乗しての団体行動を強制され、実は監視されているようです。
さすが”ロシア”ですね(笑)。

お互いがこんな調子ですので、ロシア側も

by 通りすがり (2012-06-15 15:43) 

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 ステイしてもこちらがロシア語がわからないでは、領土問題など話しようもないというのはあたりまえすぎますね。
おっしゃるように、ホテルが足りなくてステイさせてもらっているのに、相手を不愉快にさせるような話しはロシア語ができても礼儀上言わないのが日本人の感覚です。

そこでウォッカで乾杯の繰り返しですか。

本題とは関係のない住民対話集会の最後を日本人が「ふるさと」を歌い、ロシア人が「カチューシャ」を歌って締めくくる。
同行した1割の引揚者、あるいはその子・孫・配偶者がどういう気持ちで「ふるさと」を歌ったのか。

そんなに惨めな思いをしても、ふるさとの地を踏みたい心が哀れです。
by ebisu (2012-06-16 01:31) 
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 ebisuは想像してみる。団塊世代が中学生のとき、この根室にソ連軍の第2次侵攻があったとしたら、思春期なら生き延びるつもりがなかっただろうな、数人の友人を誘ってゲリラ線に身を投じただろう。
 万やむを得ず脱出して生き延び還暦を迎えたとしたら、やはり根室の地を踏みたいと思うのだろう。ふるさとがそこで生まれ育った人をひきつける力は強い。


*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
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 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
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 #1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
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 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
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 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
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#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 [21. 北方領土]

 ビザなし交流は北方領土を訪問して実際にどのように行われているのか?
 島民2世でありながら行ったことのない私は知る由もないが、サリーさんが実際にビザなし交流に参加してブログにアップしているのでご覧戴きたい。
 文の中にも行間にも写真にも、「もちつもたれつ」の重層構造があちこちに見え隠れしている、素直ないいレポートである。

 ロシア側の要求で住民交流会では領土問題の話しはご法度、出席するのはめんこいロシア人の子供たちが主体。今回の話題は「きびしい冬の過ごし方」。和気藹々、日本外務省の苦心(?)の演出。

 ビザなし交流に参加している元島民は1割ほどしかいない、すくないと驚くかも知れぬがゼロにはできない。なにしろ名目は「北方領土問題解決のための環境整備」で対象者は「北方領土に居住していた者、その子供及び孫並びにその配偶者、北方領土返還要求運動関係者、報道関係者、訪問の目的に資する活動を行う学術、文化、社会等の各分野の専門家等」となっている。
 元島民と書いてあるがこれは間違いで、事実どおり「元島民で引揚者となった者」と定義すべきだ。千島歯舞居住者連盟は元々引揚者の団体で、元島民を代表する機関ではない。引揚者ではない元島民であるオフクロ(昨年没)や叔母(5年前に没)、叔父(存命)は千島歯舞居住者連盟に属していない。したがって、北方墓参にも参加していない。もちろん一度も連盟から通知を受けたことはない。引揚者の団体だから、引揚者でない人は(墓参やビザなし交流の)権利(?)がないらしいのだ。おふくろはあきれてしまっていつのころからか町内会かどこからか回ってくる返還運動に署名もしなくなっていた。

 引揚者とその子・孫そして配偶者が1割、メンバーの構成からは「北方領土問題解決」とはほとんど関係のない恒例行事のようである。12年目だろうか、なぜこのような「行事」が「北方領土問題解決のための環境整備」を名目にして続けられるのかを考えてみよう。もちつもたれつの関係が見えてくる。
 サリーさんのビザなし交流体験記からはいろんなことが行間に読み取れる。住民交流会の他にも企業訪問、住民の家への訪問、十数台の車での送り迎えなど関係しているロシア側の人も少なくない。
 ロシア住民にとってもビザなし交流は「ありがたい恒例行事」なのだろう。なによりうれしいのは毎年場所を変えての日本全国観光旅行への招待だろう。予算は日本外務省もち、「ビザなし交流」を名目にすれば毎年数億円の予算確保ができる。けっこうな金額を使っているから日露両方で利権化するのは当然の成り行きか?

 あの大きな会社ギドロストロイとかいったな、とっくに根室の水産会社とは比較にならぬ規模と質的内容を備えている。十年前にビザなし交流に参加したことのある人の話だと択捉島は様変わりしている。
 もうひとつの大きな島の国後島には戦前・戦中時代この島には北の勝の碓氷家所有の大きな缶詰会社とその工場があった。建物はレンガ造りで堅牢だったからいまも使われている。その辺の事情は北の勝碓氷勝三郎商店の現当主(女主人)がよくご存知だ。
 北方領土関係史には国後島の大きな缶詰工場は欠かせぬ要素である。当主自身による記録を残し公開してほしいとebisuは思う。根室市が将来根室市史をまとめようとしたときに資料や関係者の証言を整理して残しておかないと取り返しがつかぬ。狭い町の中だからどこでいつ話しをする機会があるかもしれない、偶然の機会を待つのも楽しみだ。にっこり微笑んで言葉をかけることのできる気さくなレディである。言うことはまっすぐで誰にも遠慮のないところが、90代半ば博士の学位をお持ちの老考古学者によく似ている。
 (こういう人がたった二人しかいないことが根室の人材不足を物語っている。サリーさんもあと10年くらいしたら、こういう域にいる一人かもしれない。(笑い)人は育っているから案外大丈夫なのだろう。北海道新聞が取材でとりあげたタクヤとカズキも今春高校を卒業して家業を継ぎ6月1日のコンブ漁解禁日から漁に出ている。一昨年高校を卒業したオホーツク海側の水産会社の跡取り息子も漁や網の手入れに忙しい毎日を送っている。素直でまっすぐな者たちが試練を潜り抜けながらそのまま30代を迎えてほしい。)

 半分ボケたうちの爺さんが、ときどき正気にもどると懐かしそうに繰り返し言っていた、「択捉は宝島」。お袋の話しだと秋になりシャケが川を俎上し始めると、川の中に竹ざおを立てても倒れないのだそうだ。
 択捉島はいまも「宝島」である。そのむかし、出稼ぎの船頭が北海道の3倍稼げたという好漁場だから、普通に経営しているだけで巨額の利益が上がり、いくらでも投資できる。ギドストロイ社は従業員やその家族のためにも巨額の投資をして、豊かな生活と安心を保障している。企業は設けないとウソだ。世のため人のために何かするには儲けないとできない。
 儲けは従業員やその家族のためにもこうやって使えと言わぬばかりの光景が択捉島のギドロストロイ社で繰り広げられているから、写真でご覧戴きたい。こういう会社がひとつでもあったら根室に優秀な人材が残るし、全国から根室に移住したいという人が殺到するだろう。人口減だってとまる。
 市長が旗を振り、市役所がやっている「根室再興」と比較してみればいい。町の繁栄の礎は民間企業が利益をあげ、従業員やその家族に安心や満足をどれほど与えられるかにかかっている。根室市がどれほど勘違いをしているか関係者はサリーブログを読んでよく考えた方がいい。

 圧倒されたのは標津のそれとは比較にならぬきれいで巨大な人工孵化場。根室の水産会社でギドロストロイ社にあるような保育設備や従業員福利施設(温泉)、医療施設(病院)などなどをもった会社があるだろうか、ない。およそ比較にならぬほど立派である。「宝島」だからこそできる利益とゆとり。

 引揚者の団体である千島連盟は年に何度も行われる「恒例行事」の名目として利用されているだけ、というのは私の印象。どういう印象をもたれるかは読んだ人の自由だから、とにかく読んで写真を見て、ご自分の頭で判断されたい。楽しい旅行記になっている。URLはひとつだけしか挙げていないが、6つともお読みいただけたらうれしい。ebisu推薦の択捉島ビザなし交流体験記だ。
 続編も期待したい。

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 サリー・ブログには択捉島訪問記事が6個アップされている。
 住民交流会編
 http://ameblo.jp/sommelier/entry-11268783365.html

  企業(ギドロストロイ)訪問編
 
http://ameblo.jp/sommelier/entry-11267592884.html#cbox

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 以下は弊ブログの関連記事のURLです。
*#1971 北方領土問題コメント(欄)対話(2):もちつもたれつの重層構造(福島県・福井県・根室市) June 12, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-12

*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 #1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
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 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
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