【モスクワ渡辺玲男】ロシア下院は10日の本会議で、日本漁船も操業するロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁を2016年1月から禁止する法案を可決した。禁止時期の延期を求める声がロシア国内からも出ていたが、下院通過後、上院で法案修正は行われないため、原案通り承認される公算が大きい。法案が成立すれば、北洋でのサケ・マス流し網漁は今年限りで、その歴史に終止符が打たれる。
成立にはプーチン大統領の署名が必要となるが、上下両院を通過した法案を拒否するケースは極めて少なく、禁止見送りを求めてきた日本側は厳しい状況に追い込まれた。
北洋サケ・マス漁が中止になれば、関連産業も含め道東経済への影響額は数百億円に上るとみられる。北方領土交渉を抱える日ロ関係への影響も懸念される。
法案は早ければ24日の上院本会議で承認される。上院が承認すれば、19日以内にプーチン氏が署名するか拒否するかを判断する。
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*#3056 ロシア200カイリ内サケ・マス流し網漁禁止:閉鎖的な漁協と市政 Jun. 6, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-06-06
#3058 サケ・マス流し網漁禁止法案ロシア下院通過 Jun. 11, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-06-11
#3060 ロシア200カイリ内サケ・マス流し網漁 1962トンで妥結 Jun. 12, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-06-12
#3067 ロシア200カイリ内サケ・マス流し網漁:先手必勝 Jun. 25, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25
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#3141 日ロ外相会談:ロシアは領土交渉を拒否 Sep. 23, 2015 [21. 北方領土]
安保法制についても、自画自賛の岸田外相の説明に対し、「安全保障でブロック主義は時代遅れ」とこれもすぐに反論、岸田外相の面目丸つぶれ。
会談後、握手を求めて立ち上がったラズロフに対して岸田は憮然とした表情で机の上に広げた書類を片付け続けた。ラズロフが立ったまま握手をまっていると、硬い表情のままようやく立ち上がり握手した。
岸田が記者会見場で言ったことが本当なのか、ラズロフが言ったことが本当なのか、真偽は定かではないが、ラズロフの言ってことが本当だとしたら、岸田は日本国内向けにやってもいない領土交渉をしたかのように虚偽説明をしたことになる。
朝日新聞とライブドアニュース記事のURLを貼り付けておく。
http://www.asahi.com/articles/ASH9Q10Z8H9PUTFK009.html
http://news.livedoor.com/article/detail/10622140/
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ロシア訪問中の岸田文雄外相は21日午後(日本時間同日夜)、ロシアのラブロフ外相と会談した。会談後ラブロフ氏は「北方領土問題については協議しなかった。協議したのは、平和条約締結問題だ」と述べ、日本と北方領土交渉を行うことを拒否する姿勢を鮮明にした。
ラブロフ氏は「ロシア側のアプローチは、日本が第2次大戦後の歴史の現実と国連憲章を受け入れることが問題の前進のために不可欠だということだ」と述べた。第2次大戦の結果、北方四島はロシアのものとなり、敗戦国の日本に異議を唱える資格はない、という強硬な主張だ。「平和条約交渉とは、領土問題をめぐる交渉のことだ」という日本の立場は否定したとみられる。・・・
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岸田文雄氏が日露外相会談に不満の表情 ラズロフ氏の握手を無視?
【モスクワ=仲川高志】2時間20分にわたり行われた21日の日露外相会談は、北方領土問題の解決に意欲的な安倍首相の意向を受けたものだ。
ただ、プーチン大統領の「年内来日」実現と、それに伴う領土交渉の進展を優先した「見切り発車」の面もある。
外相会談を受けた共同記者会見の終了後、岸田外相はロシア側への不満を態度と表情ににじませた。外交儀礼上、共同会見が終われば、両外相は握手して立ち去るのが通例だ。しかし、岸田氏は立って握手を待つラブロフ氏を無視するかのように、座ったまま書類を片づけ続けた。ようやく握手するまで、岸田氏の顔はぶぜんとしていた。
「予想はしていたが、これほど厳しいとは」。外相同行筋は、ため息をついた。平和条約締結交渉の再開では合意にこぎ着けたものの、今後の領土交渉は難航が予想されるためだ。・・・
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ロシアの基本的なスタンスは北方領土は先の戦争での戦利品、領土交渉はその事実を認めたあとの話。経済協力が先というスタンスを崩さない。
ビザなし交流は意味があるのだろうか?
敗戦時のドサクサに参戦してきて領土を奪った、それが戦後70年たっても変わらぬロスケの正体だ。本気で北方領土返還を願うなら、MIRVを開発して納沙布岬に10基並べて見せたらいい。尖閣列島にも同様に10基並べて中国への睨みとすればいい。彼らの領土拡張意欲を殺ぐにはそれくらいの覚悟がいる。
2008年の弊ブログ記事#195に詳しく書いた。
#2984 物言わぬ北方領土返還運動団体役員 Feb. 21, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組立・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07
#465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30
#1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1
#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06
#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08
#1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実 June 11, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14
#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する? Aug. 10, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2
#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14
#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28
#2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29
#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-07
#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23
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#3112 メドベージェフ首相択捉訪問と北方領土返還運動 Aug. 23, 2014 [21. 北方領土]
ロシアのメドベージェフ首相がインフラ整備が着々と進んでいる択捉島を訪問した。
2012年の国後島訪問のときにもそうだったが、テレビ局は北方領土返還運動団体の関係者にインタビュー。昔に比べると顔がすこしまるくなった岩田さんが出ていた、お元気そうで何より。
23日の北海道新聞2面の取材記事でも千島・歯舞居住者連盟根室支部の岩田宏一さん(86歳)が、「国はわれわれの古里だとしっかり認識して、領土交渉を進めてほしい」と応えている。そして同連盟理事長の元羅臼町長脇紀美氏も「日ロ両国間の信頼関係を著しく損なうもので、到底容認できない」というのみで、どちらも具体的な対抗措置の提案すらない腑抜けのようなコメント。毎度のことだが、判で押したような内容のないインタビューにいささかあきれる。
元島民3世の若い人たちが年寄りたちのこの不甲斐ないコメントをみてどう思っただろう?
北方領土返還運動諸団体に日本政府の外交政策への批判がないことがわたしには理解できない。対抗措置として1年間のビザなし交流停止要求すらできない。一方の当事者の一員だから、日本政府丸抱えで日ロ双方で利権化しているビザなし交流停止すら言い出せない、だから足元を見られる。損得勘定をいれて北方領土返還運動をやれば、隙だらけになるのは当たり前。国後島を二度訪問、その反応が相変わらずの紋切り型だから、ロシアは安心してエスカレート、メドベージェフ首相の択捉島訪問をやった。千島・歯舞居住者連盟のコメントはロシア側の読み通り。
国後島訪問のときに、MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体をやって見せて外交圧力をかけろぐらいの具体的な要求をしていれば択捉島訪問はなかっただろう。
日本が核保有国である現実をロシア・中国・米国に突きつけたらいい。そうすればかれらも目を覚まして考えを変えるだろう。まずは自分たちが変わらなければならない。
ヨーロッパではドイツが台頭してきている、EUはドイツ帝国だと思ってよい*。いずれドイツとロシアが衝突するがロシアに勝ち目はない。ロシアが生き延びるためにはユーラシア大陸の東端の島国である日本と手を結ぶのが最善である、他に選択肢があるだろうか?穏やかにロシア大統領プーチンに訊いてみたらいい。
四島一括返還をやり日本と友好関係を結ぶことは、対ドイツ(EU)戦略上ロシアの国益にかなう、そう教えてやればいい。
EUを媒介にしてドイツは版図を広げた。そう遠くない将来、米国を追い抜くことになるから、米国との衝突も避けられない。EUの支配権を握ったドイツは人口でも経済力でも米国をはるかにしのぐことになる。ドイツは英米とは異質の価値観をもつ国である。ドイツを押さえるはずの装置だったEUがいつの間にか大ドイツ帝国になってしまうとはだれが予想しえただろう。
*エマニュエル・トッド著『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』文春文庫2015年5月刊
話を戻そう、いまのうちに知っていることを書き残しておきたい。岩田宏一さん(昭和4年生まれ)は団塊世代が小学生のころは根室市立花咲小学校の先生だった。わたしの母親も択捉島蕊取村出身で、岩田さんより4歳年上。根室では近所に住んでいたこともあり、わたしも知っている。7年前に亡くなったおきゃんな千歳の叔母が同じくらいの歳で小さいころは遊び仲間だった、五十数年前に叔母が笑いながら楽しそうに話していたのを思い出す。
検索してみたら、北方領土対策協会の「北方領土広報動画」に岩田宏一さんの証言動画が載っていた、ぜひ見てもらいたい。
*http://www.hoppou.go.jp/nettv/experience/ex_douto_iwt/
岩田さんはお父さんが蕊取村の村役場の職員で村長になったとビデオの中で語っている。語られていないことを補足しておきたい。当時の村長は任命制であるから、その人事は北海道開拓庁が決める。蕊取村には山本さんというたいへんな有力者がいた。
そこのおじいさんが根室町長となにか交渉ごとがあり、あるとき船に乗って蕊取村から根室まで来たが、横柄な扱いにカチンと来てそのまま汽車に乗って札幌へ行った。
兄弟の山本忠令が黒田清隆の副官だった。兵庫県の人らしいが、薩摩の黒田が副官にしたぐらいだから相当の切れ者だったのだろう、黒田清隆とどういう関係があったのかは不明だがとにかく副官だった。昔の道新記事に山本忠令の特集記事が載っていて、お袋が切り抜いて保管しており、25年ほど前に読んだ記憶がある。
山本さんのおじいさんが札幌から汽車に乗って根室へ戻ると、町長や助役が数人居並んで出迎えたという。町長宛に開拓庁から電報が届いていたようだ。
「北方領土広報動画」の中に、孫にあたる山本昭平さんと山本忠平さんの証言ビデオもある。岩田さんのお父さんが村長に決まったときに、すぐに山本のおじいさんのところへ挨拶に来た。「おかげさまで・・・」と腰を低くしてお礼を述べていた、そういう時代だった。
岩田さんはたぶんこういう事情を知らないだろう。しかし、16歳のときに終戦だから、お父さんの姿を日常見て学ぶことが多かっただろうと推察する。子どもは親の背中をみて育つものだ。エスタブリッシュメントとお付き合いをしておくことはなにかと都合がいいことは事実である。だが、全部がそれでうまく収まるわけではない、教師としては思わぬ落とし穴があった。ある部分と親密になろうとすると他の部分とは疎遠になるのは自然な流れで、子どもたちの動物的な勘は微妙な匂いをちゃんとかぎ分けてしまっていた。人生はなんと複雑なことよ、禍福はあざなう縄の如し。
わたしは母から話は聞いていたが、山本昭平さんにも弟の忠平さんにもお会いしたことがないので、山本昭平さんの証言動画も気になって見た。
これも動画では語られていないことだが、昭平さんは、択捉島から旧制旭川中学(現北海道立旭川東高校)へ進学した。ずいぶん成績がよかったそうで、送られてきた成績表を見てお母さんがひどく喜んだという、学年5番以内に入っていたようだ。昭平さんは医者になるつもりで旧制旭川中学へ進学したのである。ソ連侵攻がなければ昭平さんは根室で開業医をしていただろう。
根室空襲があったときに昭平さんは根室でお父さんと待ち合わせて、船で択捉島に帰省するところだった。1945年7月14日、船は根室港を出てすぐにグラマンの機銃掃射と魚雷攻撃を受けて沈没した。船倉のお父さんのいた辺りに魚雷が飛び込んできて爆発した。昭平さんと妹は沈んで行く船の甲板に上り海に飛び込み、油まみれになりながら助かった。港を出てすぐだったことが幸いした、沖合いだったら助からなかった。根室の7月の海水温は12~14度くらいだから、30分も海の中にいたら体温低下で体が麻痺して動かなくなり、おぼれるしかない。
翌15日、根室は大規模な空襲に見舞われた。市街地を取り囲むように焼夷弾が落とされ、その後中心に爆弾が落とされた。市街地の住宅の8割、2300戸が焼け、死者数は300~500人。すぐに市街地の外側に逃げたお袋は助かった、ホロムシリまで逃げた、何も持ち出せなかった。翌日戻って、黒焦げの死体をリヤカーに乗せて海に流すのを手伝った。小学生のころに弥生町の浜の小石交じりの砂浜で遊んでいると、白い手の甲の骨がそこここにあったのを覚えている。そのころは大きな骨はなかった。たぶん、とりきれなかった小さな骨が砂と小石に混ざってあったのだろう。根室空襲の話をお袋から聞くまで、砂に混じっていた真っ白い小さな骨が不思議でならなかった。空襲で焼死や爆死し、海に流した人たちの骨だった。
*ウィキペディア「根室空襲」は「根室市街地 焼失倒壊家屋2,457戸、死者369人」となっている。
「北の勝」で有名な造り酒屋の碓氷勝三郎商店は、空襲の際に備蓄していた酒造米を炊き出しに使った。そのおにぎりで空腹を癒した根室町民が少なくなかっただろう。当然のことだが、この年の酒の仕込みに影響した。「北の勝」はそういう運営方針の個人商店なのである、だから根室で長く愛され続けている。
その後の船で昭平さんは択捉島に渡った。長男として父親の最後も母親に報告し、どうするか相談しなければならない。択捉島はソ連の支配下に入り、2年間日本に戻ることができなかった、その結果、医者になる夢は費えた。日本へ引き揚げ後は父亡き後、一家の総領息子として食べるために必死で、進学どころではなくなったのである。天を仰ぐようにして、あの2年間で人生が変わってしまったとだけ述懐している。
ジャパンタイムズが昭平さんのインタビュー記事を載せたことがある。わたしはニムオロ塾の時事英語でその記事を使ったことがある。樺太の収容所送りのとき、択捉島の港から住民が乗船すると、飼っていた犬たちが岸壁をうろうろして落ち着かない。船が岸を離れると、犬たちが遠吠えする、そんな最中(さなか)に一頭が飛び込んだ。すると次々に他の犬たちが飛び込む。機関士はたまらず船の速度を上げる、犬は船を追い続け疲れて波間に沈んでいく、誰かがこらえきれずに大声で泣くと、みな我慢できずに泣き始める。発動機の音と泣き声が択捉島のトッカリ岬にこだました。昭平さんが何十年たっても忘れることのできない光景だ。「これが戦争に負けた敗戦国の国民なんだと痛切に感じました」と動画の最後のところで語っている。
漁業の蕊取村の商家であった山本家は東京山の手の上品な標準語で会話していたユニークな家で、お作法・躾の厳しい家だった。わたしは言葉の他にある理由があって東京で一時は高級官僚だった可能性を考えていたが、そうではないようだ。
根室の人間は「お上に」異論を言わない。それは百年前もそうだっただろうし戦時中もそうだった。町長だって「お上(北海道開拓庁)」の関係者を邪険に扱ったただけで、首が飛びそうになるのだから、無理もない。そういう雰囲気がこの土地の風土を形成しているようだ。同じ構造が町の中にもあるようで、経済諸団体はひとつも市政に異議を唱えない。
北方領土に関する日本の外交政策がいかに効果のないものでも、北方領土返還運動団体が正面から異を唱えることはなかった。地元の経済諸団体も、北方領土返還運動諸団体もそういう点では共通しており、まことに情けない植民地根性を呈するばかりだ。
正々堂々と北方領土返還の具体策を議論することぐらいできないものだろうか?
7年前に書いた弊ブログ記事の「#195少し過激な北方領土返還論」をご一読いただきたい。
<余談-1>
同じURLに柏原栄先生の証言ビデオがある。先生は水晶島出身者である。小学生のときに父親の手伝いをしてエビ獲りをしていたという。「ヨイトマケ、ヨイトマケ」と掛け声をかけながらリズムを合わせてエビ漁をしたと懐かしそうに語っていた。平和で幸せな時間だったのだろう。どういう暮らしをしていたか、子どもたちがどういう遊びをしていたか、そして焼玉エンジンの船の音を掻き消す嵐の夜の脱出劇を語っていた。次第にソ連の監視の目がきつくなり、海が穏やかなときには水晶島を脱出できなかった、それで危険な嵐の夜に一家で逃げたのである。波の高い真っ暗闇の夜の出港は恐ろしいもので命がけの冒険だったに違いない。
先生は「釘刺し」というらせん状に線を引き陣地を獲る遊びに言及していた。五寸釘一本あれば遊べる。根室の子どもたちは昔やっていた「釘刺し」をしなくなったのは、五寸釘も土の裏庭もなくなったからだろうか。
柏原先生は団塊世代が中学校へ入学すると、花咲小学校から光洋中学校へ転任されて日本史を担当した。序(つい)で団塊世代が根室高校に入るとはやり光洋中学校を3年間で「卒業」されて根室高校へ赴任して社会科目を担当した。一緒に卒業して同じ学校へ入学する、小学校から高校までずっと一緒だった、そんな先生はお一人だけ、だから団塊世代には「特別」な先生である。わたしは中学2年のときに先生に1年間日本史を教えてもらった。教え方も字も上手な先生で、黒板に書く字が大小混ざってじつにユニークだった。あの当時の光洋中学校は1学年10クラス、550人もいたが、いま根室市内全部の中学校(7校)をあわせても、当時の4割しかいない。
<余談-2>
引揚者の中にはあの時代のことを、思い出したくもないし語りたくない人たちもいる。親たちから直接聞いて知っていることを記録して残すことも団塊世代の役割。わたしの母親の兄は終戦時に満州で侵攻してきたソ連軍と戦って死んでいる。満州の荒野に一本の木があり、そこから兄の呼ぶ声が聞こえる夢を見たと母親から聞いた。同じ部隊の人が満州から戻ってきたので、夢の話をしたら、顔色が変わった。その通りだった、何にもない荒野に立っている一本の木の根元に遺体を埋めてきたという。漁場があったが、親が死に、兄が兵隊にとられ戦死したので、権利のみが残った。権利は叔父貴の名前で登記されている。当時の択捉は根室の3倍の漁があったのである。蕊取村にはロシア人が住んでおらず、荒れたままになっているらしい。秋になれば竹ざおを川に立てたら俎上する鮭で倒れないほどびっしりになるという。そんな景色を見て、終戦数年前に亡くなった婆さんの墓参りをしてみたかった。
#2984 物言わぬ北方領土返還運動団体役員 Feb. 21, 2015
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
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#465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
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#1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
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#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012
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#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012
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#1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実 June 11, 2012
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#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
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#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する? Aug. 10, 2012
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#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
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#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012
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#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
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#2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
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#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013
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#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014
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#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014
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「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
- 作者: エマニュエル・トッド
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: 新書
#3058 サケ・マス流し網漁禁止法案ロシア下院通過 Jun. 11, 2015 [21. 北方領土]
先週から庭の一角のスズランの花が咲き出した。モミジと紫つつじの下に半坪ほどの広さにスズランがびっしり花をつけている。庭木の剪定をしていると風に乗って漂うスズランの香りがたのしい。
やはり案じていたことが起きてしまった。
ロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁禁止法案がロシア下院で可決された。あとは上院を通過してプーチン大統領が署名すればよいだけ。プーチン大統領が下院を通過した法案への署名を拒否したのは過去一度だけ。北海道新聞の記事(朝刊6面)によればロシア国内のことだから日本外務省もお手上げだ。
マザーグースにあるように「王様の強い馬と優秀な家来が束になってかかっても割れちゃった卵のハンプティ・ダンプティを元には戻せない*」。
*#3057 Alice's Adventures in Wonderland 『不思議の国のアリス』 Jun. 8, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-06-09
<facts>
昨年操業したのは北海道、青森県、富山県から38隻、その分の水揚げがなくなる。
中型サケ・マス流し網漁業は60~70トンの船で乗組員は16人。
小型サケ・マス流し網漁は10トン未満が乗組員7名、19トンの船が乗組員9人
根室の船は32隻(漁協ごとの所属内訳は不明)。
<影響>
前浜定置網漁があるから壊滅的な打撃にはならないだろうが、北洋サケ・マス漁がなくなれば、根室への影響は小さくない。
船主はもちろんのこと、漁船員の通年雇用が難しくなるから、職を求めて道東から離れざるを得ない雇われ漁師が出る。船しか乗ったことがなければ、職探しはむずかしい。とりあえず、東北大震災の復興関係や東京オリンピック関連の建設土木工事に出稼ぎの職を求めるしかないだろう。
水産加工場で働く人たちも、原料不足や、原料が高騰すれば原料仕入れが困難となり、操業短縮のあおりを受ける。根室を離れて出稼ぎができない事情の人もいる。操業禁止が2年間続いただけで経営破綻に追い込まれる水産加工会社もでるだろう。経営状況はじんわりと悪化していく。苦境を打開する智慧が経営者たちにあれば問題がないが、さてどうだろう?
加速する人口減少に水産業関連で働く人たちの減収という追打ちは、スーパーやコンビニそして地元商店や飲食店の売上にも響く。
収入が減った家庭では子どもの通塾をあきらめざるをえないケースもでてくる。底辺から這い上がるには学力が武器だが、それが危うくなる。根室の子どもたちの8割が根室から出ていくが、その重要な武器は学力。残る2割の子どもたちが未来の根室を支えることになるが、高校統廃合による更なる学力低下と通塾率低下が相乗効果を生めば、根室の未来はどうなる?すでに、小学4年生程度の漢字の読み書きすらできない中2の生徒が4割に達している市街化地域の中学校すらある。
根室管内1市3町では、漁業主体の根室市・標津町・羅臼町、半農半漁の別海町への影響がある。
<コラボレーション>
何か良い智慧はないだろうか?
市民の1割に満たぬ「オール根室」方式での閉鎖的な議論はやめよう。漁業会社や水産加工会社のオーナーだけの問題ではないから、市民自由参加で市の総合文化会館で毎週日曜日に、ロシア200海里内での操業禁止について、その影響分析と、対策をオープンに議論したらいい。一緒に議論することで痛みを分かち合い、苦境を乗り切る智慧を出し、共に行動することでふるさとの町を支えよう。そうすればピンチはチャンスに変わる。
根室市内だけでなく、別海町や標津町、羅臼町とも共通する問題だから、当初は別々でも連帯した動きを模索したほうがいい。根室は根室管内の経済問題で主導的な役割を果たすべきだ。
いい町は自分たちで創る、関係者は心を開いたらいかが?
6/11 道新ニュースより
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「北洋サケ・マス流し網禁止、ロシア下院通過 時期延期修正せず
06/11 07:00、06/11 07:52 更新
#3050 千島連盟理事長に元羅臼町長脇氏 May, 26, 2015 [21. 北方領土]
小泉氏はビザなし交流は信頼関係をつくるものであり、ロシア側の要求でビザなし交流で領土問題を持ち出さないことを認める発言をしている。領土返還とビザなし交流を秤にかけたら、ビザなし交流のほうが重いというのが小泉元理事長の判断だったのだろうか。そういうことなら千島連盟は領土返還運動団体というよりも、ビザなし観光推進団体と呼んだ方が実態を表している。世界の外交の常識では、原理原則(この場合は日本側は領土返還要求)を面と向かって主張したあとに交流だろう。返還運動という原理原則を外してしまったら、それは公費を使った観光旅行にすぎない。ロシア側観光団は根室を通過して、目的地を変えて毎回日本全国観光旅行にいそしんでいる。旅費交通費は日本政府が全部もつ。
根室の住民でかつ元島民2世であるわたしからみると外務省の政策も千島連盟の在り方もじつに奇異な感じがする。
北海道新聞に載った千島連盟小泉元理事長の退任の弁から引用する。
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「私は現地で領土問題を提起したいのが本音ですが、ビザなし交流の主な目的は信頼関係の構築ですからね。領土問題について、ロシア人の住民から『国同士が話し合うことだ』といわれることも多い。ロシアからビザなし交流に支障をきたすようなことをやられると困るので、考えながら主張しなければならないというもどかしさもあります。」
(北海道新聞5/26 4面より抜粋)
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まるで外務省の小役人のような物言いである。ビザなし交流予算は外務省丸抱え。ロシアから来る人も、こちらから行く人も負担はゼロ。日本政府丸抱えの観光旅行というのが実態だから批判もでる。いくつかの団体を通さないと「ビザなし交流」に参加できないから、日露双方である種の利権が生まれている。
関係者は毎年何度もタダで日本観光旅行をさせてあげることで、北方四島住民と日本国民の間に信頼関係が生まれると本気で考えているのだろうか?
北方四島に住むロシア人は、島に帰属は政府間の問題であるがずっとこのまま返さずに毎年日本観光旅行を続けたいと思っているのかも知れぬ。親切な日本外務省に任せておけば、毎年行き先を変えて請求書のナシのツアーを組んでくれる。こんなことをしているおめでたい外務省は日本だけだろう。
さて、話題を本題の羅臼へ移そう。2010年に羅臼の漁船が「ロシア領海内」で操業して、沿岸警備隊のヘリコプターから銃撃を受けた事件がある。日本の海上保安のその後の調査では、漁船が衛星通信漁船管理システム(VMS)を切断していただけでなく、航跡を示す衛星利用測位システム(GPS)の記録も残していなかったことが判明している。ようするに、密漁証拠を残さぬようにしていたのである。
VMSを切って操業していたという事実は、装置に細工が施されていたということ。そんなことは素人にはできないから、地元の専門業者が手を貸しているのは想像に難くない。どうやら羅臼組合傘下の漁船の多くが操業中の数時間VMSを切断して「密漁」をやっていたということらしい。
国後島沖合いで操業すると漁獲量が大きくなる。羅臼産のホッケは美味しくかつ高い。かまぼこや辛子明太子の原材料であるスケソも獲れる。距離は近いし、魚は多いから、国後沖は羅臼の漁業者にとってはのどから手が出るほどの好漁場なのである。それに日本政府は日本の領土領海だと主張しているのだから、「ロシアに不法に占拠されている自国領海内で操業して何が悪いという気分」もある。
脇氏は羅臼町長だったからそれらのことをよく承知しているだろう。羅臼の漁船が操業していたのは国後島沿岸だから、国後島が帰ってきたら国後島の漁業者の漁業権が及ぶから、羅臼の漁業者は漁獲量激減という大打撃を受ける。本音は効果のほとんどない現在のビザなし交流や東京でのデモ行進などの年中行事化した現在の運動スタイルがベストなのだ。
国後島の前浜はロシアが実効支配しているが、入漁量を支払って「獲らせてもらって」いる。残念だがそういう状態がのぞましいと思っている漁業関係者は少なくない。
脇氏は意味深な発言をしている。
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北方領土の元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)は25日、札幌市内で開いた理事会で、新理事長に脇紀美夫・前根室管内羅臼町長(74)を選任した。23年間理事長職を務めた小泉敏夫氏(91)はこれに先立つ総会冒頭で「本総会をもって理事長職を退く」と表明した。総会では本年度の事業計画などを決めた。
脇氏は選出後の記者会見で、千島連盟の活動のあり方について「戦後70年の節目の年と言われるが(領土返還)交渉が動くという確かなものは感じられない。(返還運動の)改革は力かもしれないが、継続も力だ」と述べ、地道に運動を継続する考えを強調。日本政府に対しては「強力に外交交渉を進めてほしいという一点だ」と訴えた。(北海道新聞5/26 4面より)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0137756.html
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元羅臼町長の脇氏が羅臼の漁業者たちの利害を代弁するのは当然のことなのだろう。羅臼の漁業と町のためには領土は還ってこないほうがよいというのが本音。そこから「領土返還運動の改革」意欲は生まれないし、外務省予算でいつまでも効果のない返還運動を継続することこそが大事だと言っているように聞こえる。これほど率直な物言いは、脇氏が正直だからだろう。
しかしこれは地域エゴであり、そういう私的な利害が見え隠れしていたのでは、北方領土返還運動が国民の共感を呼ぶはずもない。そして現実はその通りになっている。
前理事長の小泉氏は23年間も理事長の椅子に座り続け、補助金事業での北方領土返還運動の旗振りをしてきた。いくばくかの反省の弁があると期待したが一言もない。領土返還運動のあり方を問い直すつもりなどまったくなかったような退任の弁を述べている。
領土問題が進まないのはこうした運動団体の在り方に根深い問題があるからではないのか?
北方領土返還運動を担ってきた老人たちには改革の意志がなく、結果論から言えば具体案を生む智慧もなかった。70歳を過ぎたご老人たちに希望はもてぬ、若い人たちが斬新な視点で領土返還運動に取り組むことを期待したい。
*ロシア国境警備艇羅臼漁船を銃撃 #886 Jan.31,2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-31-1
被弾の羅臼漁船2隻、隠蔽工作 #890 Feb.3, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-03
羅臼漁船船長逮捕 #900 Feb.10, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-10-1
#2984 物言わぬ北方領土返還運動団体役員 Feb. 21, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-20
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07
#465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30
#1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1
#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06
#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08
#1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実 June 11, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14
#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する? Aug. 10, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2
#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14
#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012
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#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28
#2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29
#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-07
#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23
アッツ島の桜が先週から3輪だけピンク色の花をつけた。花がひとつも咲かない年もある、昨年ほどではないが今年も咲いた。
スズランも2日前から咲き始めた。例年よりも2週間ほど早いようだ。
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#2984 物言わぬ北方領土返還運動団体役員 Feb. 21, 2015 [21. 北方領土]
北方領土の日の2月7日から2週間が過ぎた。公益社団法人千島歯舞居住者連盟という北方領土返還団体がある。
*http://chishima.or.jp/
団体役員もいるし、「語り部」もいる、他にも関係者がたくさんいるはずだが、ブログで情報発信している方が一人もおられないようだが、どうしてだろう?ebisuにはたいへん奇異なことに感じられる。
「引揚者」の平均年齢は78歳ですでにその6割が故人である。択捉島で生まれて育ったわたしの母も叔母たち3人もすでにこの世にいない。叔父貴と末っ子の叔母一人が残っているだけ。
返還運動を次の世代に伝えたいなら、「引揚者」の皆さんがお手本を示すべきではないのか。
何を言いたいのかというと、どういう形でどういうやり方で返還運動を行うのかというビジョンを創り、次の世代に伝えろということだ。
国の予算を当てにして、「ビザなし交流」という費用負担のない旅行に満足し、恒例行事のように2月7日に陳腐な大会を開き、年に一度市長や市議たちが公費を使って東京をデモして歩く、そんなことでは「引揚者」が本気で返還運動をしていると思う国民はごく少数で、返還運動の輪が広がらないことは戦後70年の歴史が証明している。国の補助金を当てにするだけで、自ら知恵も絞らず金も出さない運動にどれだけの意味があるのだろう?
返還運動諸団体はおろか、根室市議会も歴代の根室市長も北方領土返還の現実的な具体論を表明したことは一度もない、これにはあきれ返る。歴代市長は北方領土返還運動を、国から補助金をせしめる口実に使ってきただけではないのか?
根室ですら、北方領土返還に関する具体的で現実的な議論が70年間ないようなていたらくでは、運動の輪が広がるはずがないとわたしは思う。
関係者が弊ブログを読んでいたら、コメント欄へ反論投稿されよ。幹部の中にはebisuが旧知の方もおられる。択捉島蕊取村は小さな村で隣近所は親戚のようなもの、その中を「引揚者」と「非引揚者」に分け隔てるような返還運動が国民の共感を呼ぶだろうか?「元島民」ではなく「引揚者とその子や孫」だけの偏狭な領土返還運動はそろそろやめたらいかが?元島民とその子や孫の分け隔てのない領土返還運動に変える気はないか?
偏狭な殻を壊し、議論を盛んにして返還運動を盛り上げるのにebisuも一役買おうと思う。
千島歯舞居住者連盟のホームページの右側の欄の先頭には、次の項目タグが並んでいる。
●「行事予定」
●「北方領土返還署名」
●「北方領土の語り部」
●「北方四島自由訪問」
●「会員の募集」
●「運営等の概況」
●「北方四島居住地図」
領土返還の具体論について一人も個人的な意見を発信していない、考えられる理由を三つ挙げる。
① 意見も具体案もあるが、皆さん高齢なのでブログは書かない
② 領土返還についての具体的な意見や提案がない
③ 現実的な問題として考えていないので、年間行事予定をこなすだけでいい
三つの理由のうちどれなのだろう?返還運動団体役員の方々にお訊ねしたい。
(日本ブログ村の「根室情報」をみても、北方領土返還運動団体の方のエントリーはない)
ebisuは母親が択捉島出身者であるが、終戦時には根室に居住していたので、いわゆる「引揚者」ではないから、「引揚者」の団体である千島歯舞居住者連盟にお袋は一切関係がなかった。択捉島で育ったお袋の兄弟たちでは末っ子の妹だけが終戦時に択捉島に住んでいたので「引揚者」である。連盟のホームページの語り部には名前が載っていないが、話の上手な美人(甥のわたしはそう思っている)の語り部おばさんの一人である。(笑)
今年は北方四島がソ連に占領されて70年目にあたる。領土返還諸団体の役員や関係者の皆さんは、ぜひブログを立ち上げて、具体的な領土返還論を披露して、返還運動を盛り上げてもらいたい。
弊ブログで具体的かつ現実的な領土返還論について述べたことがあるので、ご一読いただきたい。
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
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#465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
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#1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
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#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012
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#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012
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#1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実 June 11, 2012
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#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
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#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する? Aug. 10, 2012
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#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
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#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013
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#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014
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#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014
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#2963 北方領土の日 part 2 : 領空侵犯か? Feb. 7, 2015 [21. 北方領土]
団塊世代が中高生のころは、ソ連から飛行機が飛んでくると千歳からスクランブル(緊急発進)した航空自衛隊の戦闘機が根室上空で遭遇、押し返すという光景が普通にあった。空にしばらくの間、飛行機雲が残るので、その軌跡を眺めて楽しんだ。
この12年間でジェット雲を根室で見たのは初めてだ。北方領土の日に無礼なロシア機、空自はスクランブルをかけなかったのだろうか?
あれがロシア機だとしたら、領土領空、日本の守りは大丈夫か?
<2月12日追記>
あれは航空自衛隊機の「スクランブル」だそうです。「もやしさんまさん」が調べて投稿してくれました。ロシア機の航跡がないのに、国後島上空まで飛んでいくなんて、大胆ですね。国後島も択捉島も日本固有の領土ですから、初めてデモンストレーションしたということでしょうか。五十数年前は国後上空まで航空自衛隊機が飛んでいったのは見たことがなかった。
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http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150208ddr041040005000c.html
毎日新聞によるとあの2機は航空自衛隊のスクランブルでした。あの旋回余裕のスクランブルというか光洋町から発進するわけではないのですね
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
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#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014
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#2962 北方領土の日 Feb. 7, 2015 [21. 北方領土]
わたしの母親は択捉島の漁師の家に生まれ、択捉で育った。だからわたしは元島民2世ということになるが、ばあさんのお墓のある択捉島を訪れたことがない。択捉の浜の話は母親や爺さんから何度も聞いているので行ってみたかった。
北方領土について書き溜めたブログ記事は、カテゴリー「北方領土」に集約してあるので、根室の若い人たちに読んでもらいたい。いままでの北方領土返還運動は単なる年中行事で、さっぱり効果のないものだった。こんなことを続けていたらもうすぐ国際法上の百年が過ぎて、北方領土は実効支配しているロシアのものになってしまう。もっと広い目をもたないといけない。59本の記事の中からいくつか選んで呼んでいただければ、領土問題や領土返還運動についての違う側面が見えてくるだろう。
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
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#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012
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#1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実 June 11, 2012
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#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
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#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012
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#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014
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#2700 玉砕の島、アッツ島の桜が咲いた June 7, 2014 [21. 北方領土]
1943年5月12日から17日間、アッツ島上陸作戦を敢行した米軍と2665名のアッツ島守備隊が激戦、山崎司令官を含め2638名の将兵が玉砕して果てた。最後の突撃では山崎司令官が陣頭指揮していたことが両軍で確認されている。捕虜は27名、日本軍の生存率1%、米軍(11,000名)の損害(戦死600、戦傷1200)も大きかった。米軍の数も多かったが、砲撃の精度に大きな差があった。
降伏勧告を拒否して傷ついた300名の将兵が最後の突撃を行い米軍の陣地を次々に撃破して米軍第七師団本部間近まで迫り、散った。
本土に残した親・兄弟姉妹・子ども・友人、ふるさとのために戦った。重傷者は自決をしたという。先に戦死した者たちの戦いぶりや自決した重傷者の無念さを考えたら、傷つき残った300名に降伏という選択肢はない。「靖國で会おう」と言いつつ最後の戦いに臨んだのだろう。
ただ負けたのでは米軍が北海道への上陸作戦を立てる。とことん戦い潔く死んでいけば北からの米軍侵攻を防ぐことができる。2638名の将兵の玉砕がなければ、米軍は北からの侵攻作戦を立案・実行しただろう。日本の兵隊は圧倒的な兵力差があっても、物量で凌駕しても死を恐れず戦うことを実戦で思い知ったのである。
アッツ島の玉砕がなければ北海道が米軍との戦場になった可能性がある。
そのアッツ島の桜が6月1日から4日間の暖かさに誘われたか、満開になった。こんなに花をたくさんつけたのははじめてだ、
オヤジが金刀比羅神社のお祭りの折に夜店で買ってきたと記憶する。択捉育ちのお袋が「アッツ島の桜」といって大事大事にに育てていた。アッツ島で日本軍が玉砕したことを一度だけお袋が話してくれた。北の桜だから背丈が低く、成長が遅い。20年を越している筈だが、人の背丈ほどしかなく、根本からたくさん枝分かれしている。
一段目の花弁の数が8~10くらい、2段目の方はもっと数が多い。少し濃い色合いのピンクの花びらが散り始めた。
せっかくたくさん花をつけたのに、散る桜がなんだかもの悲しい。
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#2697 ロシアの東と西:北方領土とウクライナ June 3, 2014 [21. 北方領土]
さて、根室にとっては大問題がもちあがっている。ロシアはクリミア半島を併合した、そしてロシアの支援を背景にウクライナ国内の親ロ派がウクライナを分裂に追い込もうとしている。欧米は経済制裁を決め、日本もそれに同調した。
政治・外交駆け引きのお上手なプーチン大統領がだまっているはずがない、5月24日次のように話している。
「我々は交渉の用意があるだろうかと言えば、ある。しかし、我々は日本が(対ロ)制裁に加わったと聞いて、驚いた。私がよく分からないのは、(北方領土)問題の交渉も(日本は)中断するつもりなのか、ということだ」
この発言に安倍政権は頭を抱えているのではないだろうか。
ウクライナやクリミア半島にはロシア人が多数移住しているから、ウクライナ人を追い出していないところだけは北方領土と大きく違うが、それでもよく似ている、ロシアはその版図を西と東に拡張したいのだろう。国家の欲望というものも人の欲望に負けず劣らず強いものだということを見せつけてくれた。ロシアも中国もそうした欲望を自制できない。
同じ日の発言に、北方領土に関しては日露平和条約締結後、「日ソ共同宣言で歯舞・色丹島の引渡しを決めているが、主権がどの国に属するか明記されていない」とある。
プーチンは国後島(1499平方km)と択捉島(3184平方km)を還すつもりがないと宣言しているようなもの、そして北方領土交渉を踏み絵にして、欧米の制裁から日本が離脱することを求めている。
北方領土の島々全体の面積は5034平方kmで国後島と択捉島はそのうちの93.4%を占めている。二島返還論が論外と思わぬ日本国民がいるだろうか?
小ずるく立ち振る舞い二島返還に与するか、正々堂々と四島返還の正論を述べるか、日本人の真価が問われている。
ウクライナの民と北方領土を追い出された住民、そして根室市民は共に手を取り合ってロシアの理不尽には立ち向かえないのだろうか?
経済制裁からの離脱はしない四島一括返還という正論を突きつけて、ロシアが領土返還交渉を打ち切るなら日本は三年間でMIRV(多核弾道ミサイル)の開発・組み立て・解体プロジェクトを検討すると全世界に向けて公表すればよい。北の組み立て基地は根室と稚内だ。
ウクライナ問題どころではない、北方領土返還交渉に国連安全保障理事会が動かざるを得ない大騒ぎになる。
【大きな問題にぶつかったら、原理原則に戻れ】
四島返還論が原理原則だ。そしてウクライナとの共闘が望ましい。ロシアの西と東で領土紛争を抱える2国が手を結ぶ。
日本には北朝鮮とは比べものにならぬ精度の高いロケット技術はすでにある。ロシアを数十回殲滅できるほどの量の精製済みのプルトニウムもすでに45㌧保有している。使用済み燃料の精製用に利用できる高性能遠心分離機は日立・東芝が市販している。シミュレーション用のスーパーコンピュータも国産メーカが複数ある。技術者は簡単に集められる、仕事をリタイアした団塊世代を集めてもできるプロジェクトだ、20年後にどうなっているかはわからぬがいまのところ日本の国力は大きい。日本はとっくに潜在核保有国なのであるが、ロシアも中国も顕在化させなければわからないようだ。神風・特攻の国が多核弾道ミサイルをもつことは他の国がもつのとは根本的に意味が異なる。
領土問題に関しては、ロシアや中国が大国であろうと、日本は言うべきことははっきり言うという姿勢を全世界に見せつけたらいい。
中国と近隣の島々をめぐり領土領海紛争問題を抱えるベトナムやフィリピンやインドネシアは歓迎し意を強くするだろう。日露戦争は白人の巨大帝国に有色人種がはじめて勝利した世界史的に大きな出来事だった。その後米国との戦争で負けはしたが、日本の戦いぶりを見て、植民地だらけだったアジアの諸国は独立を果たした。日本が堂々とロシアや中国に物を言うのは東南アジアの国々にとって勇気を鼓舞することになる。
ロシアは国後島と択捉島を返還するつもりがない。歯舞諸島は海面水位上昇で百年後は水没している可能性があることも視野に入れておくべきだ。
日本は技術を武器に堂々と正論を述べてロシアと北方領土返還交渉すべきとebisuは思うが、日本国民の一人であるあなたはどうか?
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07
#465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30
#1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1
#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06
#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08
#1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実 June 11, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14
#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する? Aug. 10, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2
#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14
#2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16
#2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28
#2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29
#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19
#2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-07
#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23
#2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義 Apr. 23, 2014 [21. 北方領土]
今日は三国干渉(1895年4月23日)のあった日である。日清戦争後に日本と清との間で結ばれた下関条約に基づき割譲された遼島半島をフランス・ドイツ帝国・ロシア帝国が元に戻せと勧告した日が今日である。この事件で日本国民に火がついた。帝政ロシアとの戦争、日露戦争の伏線となった。それは結局、ロシア革命を成功させることになったのである。いまのロシアは日本が産婆さんの役目を果たして生まれた。
今朝の北海道新聞朝刊根室地域版に次の記事が載っていた。
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元島民7000人割っていた
死亡377人 存命と集計
千島歯舞居住者連盟(千島連盟、札幌市)と北方領土問題対策協会(北対協、東京都)は22日、全国調査の結果、存命とされていた北方四島の島民377人が実際には亡くなっていたことを明らかにした。これにより、元島民の生存者は6927人となり、7千人の大台を割った。調査は一部終わっておらず、生存者はさらに減る可能性があるという。千島連盟の小泉敏夫理事長(90)=札幌市=は「7千人割れは衝撃。命あるうち、領土問題を解決してほしい」と訴える。
両団体によると、終戦前後で北方領土に居住していた元島民は計1万7635人。・・・
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千島連盟では「島民」の定義は「終戦前後で北方領土に居住していた」人ということ。これがおかしいとも思わず、六十数年間返還運動を続けてきたことには訳がある。補助金問題だろう。そこで線引きしなければならなかった事情はわからないでもないが、それと引き換えに返還運動がダメになったといったらいいすぎだろうか?利権が目の前にぶら下がったとたんに本筋を忘れてしまうのは人間の性(さが)であろうか、人は利権に弱い。原発もそうだろう。理化学研究所内のSTAP細胞騒動にも背後に利権の構造があるのかもしれない。
話は飛ぶ。地元の高校を卒業すると毎年7割が根室から出て行く。そのほとんどが進学で一部は就職だ。こうして出て行った者たちは「元根室市民」ではないのか?それくらいヘンなことなのである。
わたしは根室で生まれ、根室の大人たちに育ててもらった。だからふるさとに感謝している。18歳の春に東京へ、そして35年間東京暮らし。予定通りに人生を三分割し50を少し過ぎたところでふるさとに戻って私塾をやっている。
高校や中学校や小学校の同期の東京の東京の連中を「元根室市民」だと思っている。根室で生まれ育った人、親の転勤で根室に数年間済んだことのある人、仕事で根室で何年間か暮らした人、そしていまは日本のどこかあるいは海外で暮らしている人、これらの人々はすべからく「元根室市民」である。
返還運動をやっている人たちの「元島民」の定義に傲慢さを感じるたのはebisuだけではない。島に住んでいたが「元島民」の定義には当てはまらないたくさんの人々が苦々しく思っていたことに気がついているのに目をつぶり続けた。同じふるさとを共有しているはずなのになぜ(?)という思いだ。
父母が眠るお墓もある、墓参にいけないで死んだ人が私の周りにも数人いる。行きたくてももう高齢で行くことがかなわない正真正銘の元島民がいることを忘れた返還運動とはいったいなんなのだろう?
少し個人的な話しを書くことを許されよ。魚場のある漁師の家の長女として生まれた択捉元島民のお袋は17~18歳で根室へ来たのではないかと思う。兄は兵隊にとられ国境警備で満州の荒野で亡くなっている。突然宣戦布告し国境を越えてきたソ連軍と戦って死んだのだろう。兄が戦死せず択捉島がソ連に獲られなければ、漁師を継いでいただろう。叔父貴も叔母三人も終戦の前に島を離れている。一番末の叔母一人が残った。彼女だけが「元島民」である。
島の暮らしは豊かだった。季節ごとに日本橋三越や高島屋のカタログが船で持ちこまれ、注文ができる。戦時中でも米も砂糖も不足しなかったという。魚がたくさん獲れるので食糧はそれと引き換えに入ってくるのである。
母は「いろいろあった・・・帰りたいという思いはない・・・でも母さんのお墓参りはしたかった」そう言っていた。
叔母の一人は癌を患ってから「行きたい」と言っていたが母より先に亡くなった。叔父貴も行きたがっていたので関係機関に連絡してみたがムダだった。高齢だし何度か手術しているから健康上の理由からもう行けないだろう。
択捉には叔父貴の名前で魚場が登記されている。根室とは比較にならぬほど魚が豊富で「宝島」と爺さんが何度も孫に語ってくれた。出稼ぎのヤンシュウは根室の3倍稼いでいたという。
お袋がこう言っていた。
「秋になると、川に竹棹がたつぐらいびっしりシャケが上ってくる」
川に入って兄がシャケを両腕で抱えて岸へあげお腹を割いて筋子をとる。すぐに小樽に一杯になる、
「そんなにとっても食べきれない、捨てるだけだから・・・」
冷蔵庫のない時代のことである。それほど魚が多かった。いまでもあの川には秋にはシャケがびっしり俎上しているらしい。ロシア人は住んでおらず荒涼として元の自然に戻っていると人づてに聞いた。
来年は戦後70年の節目だ、いままでの返還運動は元島民の共感を呼ばないものであることは否めない。政府の補助金便りの返還運動のあり方も含めて、根本から問い直すべきときが来ているのだとは考えられないか。
多核弾道ミサイルを開発して数機組み立てノサップ岬の近くの原野に並べ、そして3年間デモンストレーションしてから解体する、それぐらいの発想をもとう。国連安全保障理事会が動かざるをえなくなる。日本が実質的な多核弾道ミサイル保有国であることを知らしめるだけでいい。
むかし北方領土に住んでいたことのある者が分け隔てなく返還運動に参加できるようにはならないか?そういう人たちだってほとんどが死んでしまった。ふるさとを同じくするものたちの領土返還運動、その向こうに国民の共感を呼ぶ領土返還運動があるのだとebisuは考える。
島民2世のebisuは母親が生まれ育ったあの択捉の土を踏むことがあるだろうか?
婆さんのお墓参りをしたいという思いや話に聞いていたシャケの上るあの川をみたいという思いは何年間かはあったが、いまはそういうことに執着がなくなった。
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―余談―
昨日C中学校の生徒たちが弁論大会が近いがまだ原稿を書いていないとあせっていた。一人は北方領土問題ををとりあげるという。爺さんが元島民という生徒だ。7年前に和歌山県まで弁論の全国大会にいった生徒が二人いる。一人は北海道教育大札幌分校の4年生だ、テーマは覚醒剤だった。覚醒剤をやったらどういうことになるのかそういうことを論じてC中で優勝した。気が優しくて何をやらせてもそつなくこなすことのできる優秀な生徒だった。もう一人はあの当時から「ヨシモトにいきたい」と言っていたが、根高の演劇部長をやって大学は大阪芸術大学へ、彼女もいま4年生だ。日大芸術学部も受験するつもりだったが大阪芸術大学合格が先に決まって、さっさとそちらへ。きっと大阪へ行きたかったのだ。いま弁論大会の原稿に取り組む生徒たちは7年後に何をしているのだろう?
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*#195「少し過激な北方領土返還論」:MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
⇒ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
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#1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ June 14, 2012
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#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する? Aug. 10, 2012
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#2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
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