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#2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013 [21. 北方領土]

 5月17日に根室港から国後島へビザなし訪問団が出発した。わたしは択捉島民2世であるが一度も行ったことがない。おばあさんの墓があるので一度は行って見たいと思っている。
 前浜がり漁場になっていて秋になると川にシャケが集まり、竹棹を立てると倒れないという。人間なら「立錐の余地もない」という表現がふさわしいのだろう。戦前の出稼ぎ漁師は択捉島では北海道の3倍稼げたという。それゆえ「宝島」だとも言われていた。水産資源の濃さは道東とは比べものにならない。先日、根高の2年先輩から択捉島蕊取村はロシア人が住んでおらず、びょうびょうたる荒野になっていると聞いた。

 さて、ビザなし訪問には医師が同行しているが、同行経験のある医師の感想記がコメント欄へ投稿されたので、本欄へ転載して紹介したい。実際の「ビザなし訪問」がどういうものであり、どのような問題を抱えているのか広く知っていただきたいと思う。
 たとえば国後島へ着岸してから医療事故があった場合は日本の医師法が適用されるのかされないのか、彼の地は日本なのかロシアなのか?
 ブログ仲間のサリーさんが昨年5月下旬のビザなし訪問に参加して、十数本写真つきで感想記をアップしているのでその記事のURLも貼り付けておく。歯切れがよく、読んで楽しいブログだから、こちらもぜひ読んでいただきたい。志発島の島民2世の視点からしっかり自分の意見を述べている。

#2297コメント欄より
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閑話休題

医師専用(?)の掲示板「m3」に載っていた知り合いの「井戸端会議」と言うタイトルの書き込みです。本人に承諾を得ましたので、こちらにupしてみました。医療の面から見た北方領土問題の雰囲気が多少でも伝わればと思います。

そんな堅苦しい話ではありません。普段自分が医師として当たり前に思っている事が、改めて問い掛けてみるとさっぱり分からなくなってしまう・・・と言う話です。
皆さんも名前位はご存じでしょう。根室半島から続く「北方領土」。正確には国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島で、ひっくるめて「北方四島」とも呼びます。ここには毎年日本から全国組織と北海道の地方組織が主催するいわゆるビザ無し訪問団が5〜6回は出掛けて行きます。これとは別に北海道が主催する「北方墓参」も4回前後出掛けます。

小生は「墓参」は一度も行ったことが有りません。その代わり、いわゆるビザなし訪問で国後・択捉へは数回出掛けました。このビザなし訪問にも大別して2つのジャンルが有ります。
一つはロシアが実効支配しているそれらの島を公式訪問するスタイル。まあいわば北方領土観光ツアーと言ったところですね。日本側の訪問団をロシア側が正式に招待する”上げ膳据え膳”の訪問旅行です。
もう一つのジャンルは「無人地帯上陸型」とでも言いましょうか・・・町の無い無人地帯(かっては日本人が住んでいた)に母船からボートに乗り移って上陸し、荒れ果てた日本人墓地を中心に昔を懐かしむ、言わば”心の旅”?
旅行中の食事は当然訪問旅行ではロシア料理が主体。無人地帯アドヴェンチャーの方は母船に戻っての日本料理(まあ、普通のやつ)と島にはお弁当を持って行きます。
旅程にも依りますが、宿泊は後者は母船に戻って船中泊。公式訪問は船中泊と国後島では「日ロ友好の家」(いわゆるムネオハウス)での宿泊、択捉島では1軒だけの小さなホテルか日本に良く来るロシア人家庭でのホームステイのどれかになります。

北方領土へのルートですが、チャーター船(昨年から新造船)で根室港を出て国後島に向かいます。巡視艇ですと根室ー国後島は約2時間ですが、チャーター船ですと4時間ほどの船旅です。訪問団に”高貴なお方(国会議員クラス)”が参加していると、一応白いスマートな巡視艇がチャーター船に伴走します。ところがその巡視艇が途中でUターンしてつれなく帰ってしまう所が国境線(日本政府は”中間ライン”と呼ぶ)です。そこから先はいよいよロシア領(実際には)です。

やがてチャーター船は国後島の古釜布の港に停泊。大体予定より遅れて国境警備隊を乗せたロシア側の艀がやって来て、通訳を介して日本側の政府関係者(外務省役人など)と書類のやり取りなどの事務手続きがカーテンの向こうで行われます。
小一時間で事務手続きが完了すると、いよいよロシア(?)に上陸です。もっとも上陸と言ってもロシアの港は整備されていませんので船が岸壁に直着け出来ません。そのため母船からロシアの艀に乗り移って岸壁を目指します。ロシアに入国(日本側は”入域”と言う)する際には簡単な持込み荷物(主にデジカメのナンバーや多少の小遣いの額)の明細を提出。母船から出る際には団員番号の順番通りに並び、一応ロシア側は一人ひとりの顔を手元の書類と照合します。岸壁には、毎度御馴染みの島民のグループが手を振って出迎えます。「ズドラーストヴィチェ!」「スパシーバ!」

さて、日本からの訪問団は大体70人前後で編成されます。数名程度の元島民、元島民の家族、北方領土返還運動関係の組織の職員、一般の家庭の主婦、大学生、労働組合関係、自衛隊関係(父兄会)、政治家(国会議員や秘書)日本政府の役人(外務省や環境庁、内閣府)、自然保護関係の技術者や研究者、マスコミ(TV関係や新聞関係)、有識者と称する評論家、5〜6人の通訳、そして随行の医師。

ではいよいよ医師の登場です。先ず彼らの主な任務は、訪問団の健康管理。本来の船医は船長と並ぶ地位だそうですが、ここでは団員の一人に過ぎません。それでも患者が出たら場合によって病室として使うと言う名目で、狭いながらも2段ベッドの個室が当たります。他に個室を使えるのは政治家レベルでしょうか。そのドクタールーム(一応)には小振りの青いビニールコンテナとオレンジ色のバッグが置いてあります。現在ビザなし訪問などの日本側の基地は根室港となっている関係で、前線業務は根室市が請負い、従って医療部分の基地は市立根室病院に成ります。その関係で、年に10回程の北方領土訪問団の随行医師は殆ど市立根室病院の医師が請け負います。必然的に医療器具や薬品などの供給は市立根室病院の中央材料部が点検、補充を行います。
コンテナや救急バッグの内容は、挿管道具一式、アンビュ、切開トレイ(縫合)セット、500mlの電解質液とブドウ糖液が2〜3本、IVのシリンジ、ベニューラ針、輸液チューブセット、イソジン球、ガーゼ類、尿道カテーテル、AED、酸素ボンベ、抗生剤注射液、ステロイド注射液、制吐剤、経口剤(抗生剤、鎮痙剤、風邪薬,下剤、止痢剤、眠剤、制吐剤、点眼薬etc)等がびっしり詰まっています。皆が船中に居る時には良いのですが、いよいよ島に上陸と成ると医師も同伴しますので、予想される必要な物品を選り分けてオレンジの救急バッグに詰め替えます。勿論AEDや酸素ボンベなどの重量物は船内に置いておきます。

随行医師は乗船と同時に主催者団体から訪問団員の健康診断書の束を渡されます。「1週間程度の旅行は問題ない」と言う内容で、殆どが(書類上は)no problemなんですが、時に糖尿病や心臓疾患などについて付記されている事が有りますので、その団員の名前と疾患をメモっておきます。しかしその健康診断書、特に北海道が主催の訪問団ですと医師名には知った名前がぞろぞろ(笑)。

では今まで実際に医師として動いたケースについてですが、多いのは「船酔い止めが欲しい」「眠れない」「3日間便が出ない」「どうも風邪引いたみたい」「墓参りでダニに咬まれた」「デッキで転んで腕の皮を擦り剥いた」「〇○がウオッカで沈没している」「酔っぱらって柱にぶつかり額を切った」「血圧が高い気がする」etc.と、まるで運動会の救護班。

実はこの「運動会の救護班」が今回の話の最大のポイントなんです。北方領土へのビザなし訪問団の随行医師・・・皆さんはどんな立場だと想像されますか。実際の業務内容は前述の通りです。「なあんだ、大したことはしてないじゃないか」。そうです、仰る通り大したことはしていません。それじゃあ、医者なんて要らない??
そうは行きません。船員を含めると80人もの集団ですから、いわば産業医的にも保健管理センター的にも医師は必要です。まして元島民の方々などは戦後68年、もはや殆どの方が80歳はとうに過ぎた高齢者です。自宅に居てさえ何が起きるか分からない世代です。それが環境(食事、特に飲み水)が全く違う島に4,5日の強行日程で出掛けるのですから、やはりいざと言う時のための医師は必要です。

では、その医師の依って立つ法的な立場は? 実はこれが大問題なんです。蜷さんも時には子供の学校の運動会やマラソン大会などの救護班を依頼されたことがあるかと思います。その時、症状を改善させるために投薬したとします。処方箋は切りますか? ビザなし訪問団の場合、机の上にB5のノートがあ置いてあって、何か治療行為が有った場合には日誌風に「〇〇号室××氏。腹痛の訴えでブスコパン2錠渡す」などと書き込みます。勿論患者だけのカルテでは有りません。小生はこれまであまりこの手の救護班的活動が有りませんでしたので、まあこんなもんだろうと気楽に動いておりました。しかし或る時、そのシーズンの訪問団の随行医師を決める会議の際に医師たちから問題的が為されました。

「何故俺たちが行かなければならないんだ」に始まり、

「大体、団員に何か起きたらその責任はどうなる」

「俺は良くマラソンに出るが、”私はマラソンに参加する際に健康上の問題が生じて も自己責任とします”と言った誓約書みたいのを出している。だからそれと同じ考 えで良いんじゃないか」

「いや、今時のご時世だからそんな程度じゃ駄目だ。大体何時何が起きるか分からな い年寄りのお守りなんだから、”〇○が死んでも責任は問いません”位の誓約書を 家族に書かせろ」

「そこまで要求したんじゃ、来る者も来なくなって主催者側も困るよ」

「いやその位でなくちゃ駄目だ。大体お前は甘過ぎる」

「大体行政的にはどうなるんだ。旅行中の俺たちの立場は医者か」

「一応そういう事に成るな」

「じゃあ何処に所属する医者だ。北海道か。外務省か」

「うーん、そこが分からないんだよな。保健所に聞いても明確な説明は帰って来な い・・・」

「いや、保健所の見解では、一応出張診療みたいなものらしい」

「出張診療? じゃあ往診か?」

「まあそれ位しか当て嵌められないみたいだ」

「それで医師法がクリアー出来るのか」

「そうそう、その医師法なんだけどさ。それって日本の医師法だろう。あそこはロシ アの島だぜ。日本の医師の資格もへったくれも無いわさ」

「そりゃそうだな。健康保険も減ったくれも無いな」

「うーん、訪問団の中に限定すれば島に居ても”日本国内”かも知れないが、そこか らロシア側に接触した時点でロシア側の国内法が優先する訳か・・・」

「おいおい、そこまで考えてたんじゃ島には行けないぞ。日本の医師資格がロシア領 土内でどうだこうだなんて難しく考えないで、ボランティアで旅行気分で良いんじ ゃないか」

「そうだな。まあはっきりとした外国への旅行ならあまり深く考えることも無いけ ど、日本政府は”ここは日本だ”って言うし向こうは”ここはロシアだ”。こりゃ あどうしょうもないな」

「そうそう両方の国の争いに巻き込まれないように、そっと身を潜めているのがベス トだな」

「しかしあの不味いロシアの料理や太ったおばさんを考えると、ちょっと遠慮したい な」

「駄目駄目、この事業は外務省から金ががっぱり出ていて、人道支援でもロシア人一 人に付〇○〇万は予算を組んでいる。それが市や病院に転がり込んで来るんだか ら、多少の文句が有っても皆に協力して貰わないと」

「はいはい、分かりました。じゃあ俺は8月の始めの国後・択捉コースにするかな。 やれやれ・・・」


by NO NAME (2013-05-18 10:00) 
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 ブログ仲間のサリーさんが昨年5月下旬に択捉島ビザなし訪問に参加、感想記を十数本アップしています。日露のビザなし交流の実態が独特のリズムの文で綴られています。このリズムは一つの才能ですね。

http://search.ameba.jp/search.html?q=%E5%A2%93%E5%8F%82&aid=sommelier

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*#1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

*#2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14

  #2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16

  #2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28

  #2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29

 #195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07






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コメント 4

NO NAME

わが町にも「人道支援」による国後島からの若い患者が来ています。今回は根室にも2名来ているようですが、どの程度のどんな病気なのでしょうね。

根室で「ビザなし訪問」や「人道支援」に携わっていた友人の話では、毎年春に成るとその年度の「人道支援」で日本の病院に来る患者のリストが外務省から届くそうです。それには患者名、病名、病歴などが簡単に書かれているんですが、医師では無いロシア語の通訳が翻訳するので、とんちんかんな内容の事が多く読んでいて思わず失笑することも多いそうです。

外務省から渡される患者のリストには結構多くの渡日希望者が居るので絞り込むために、友人は毎回年度初めのビザなし訪問で国後島に同行し、主に訪問団が学校などで地元住民との対話集会を行っている裏で希望者との面接をしていたとのことです。その結果(友人が選び出した候補者名)が外務省に伝わり、最終的に外務省からその年の道東の病院での受け入れ患者の名簿が渡され、それを各病院が分担して受け入れると言う段取りだそうです。

この一連の流れの中で、時に友人の人選に外務省からちょっとした横槍が入る事も有るそうです。選抜の基準の原則は、
3週間と言う短期間で問題解決出来るような程度の疾患が好ましい(その後島に戻って治療を継続出来ないような病気では困る)
そしてこれは友人の推測ですが、出来れば領土返還問題に役立つレベルの家の人間が好ましい??
何故なら、外務省は北方領土からの患者の為に一人200万程度の予算枠を持っていて、どうせ日本の税金を使うなら投資し甲斐の有る島民を・・・と言う政治的事情のようです。

この様な基準(事情?)で結果として根室や中標津に来る島民は、近視なのでコンタクトを作りにくるとか、喘息の子供、心臓手術後の経過観察、運動障害に対するリハビリのようなものばかり。ですから、医学的には果たして意味が有るのか?・・・友人は何時も疑問に感じているそうです。

まあ、そうは言っても元気に病院の廊下を走り回る金髪の子供たちを眺めていると、微力ながら自分の医療技術が国際親善に役に立っているのなら医師として嬉しい・・・とも友人は語っていました。


by NO NAME (2013-06-06 11:26) 

もやしさんま

プレゼントを続ければいつか必ず思いは通じると信じている悲しい貢ぐ君のような日本。下心付きのプレゼントにはその気がないなら断るのが親切だけれども、見下していたり悪意があったりすれば馬鹿にしながらも受け取ってくれる。領土問題への効果を狙うなら、どうでもいい患者の受け入れより、北方領土にロシア本土から赴任してくれる医師のための手当を出してやれば全島民感謝でしょう。そのうち私達も根室から北方領土に通院するかもしれません
by もやしさんま (2013-06-06 23:13) 

ebisu

北方領土占領在住のロシア人患者受け入れの実情を語っていただきありがとうございます。
外務省の都合で選んでいるのですね。
予算を持っているところが大筋を決める。
地元はただ受け入れるだけ。

そういうことに慣れっこになってしまって、人道的な受け入れについて議論すらしない。千島連盟という北方領土返還運動組織がありますが、いつしかものごとを根っこのほうから考えない団体になってしまったようです。

外務省頼りではなく、自分達の頭で考えて発言しないとダメですね。千島連盟が政策提言して外務省を動かす日なんてくるのでしょうか?
by ebisu (2013-06-07 00:10) 

道東の住人

日本と北方4島との交流は、実は皆さんご存知の「ビザなし訪問」や日本の医療機関に患者を受け入れる「人道支援」だけでは有りません。かってのロサルゴサ、現在のエトピリカでは様々なジャンルの看板を掲げた往来が有ります。日本から島へロシア語を習いに行き反対にロシア人が日本語を習いに来たり、島では柔道が盛んなので日本から指導に出掛けたり、生け花や茶道などの日本の伝統文化も海を渡ります。ロシア側から日本にやって来る最大規模のeventは、島のロシア人を日本に呼び、先ず市立根室病院で健康診断を済ませた後、日本の各地に旅行に出掛ける奴でしょう。名目は「普段日本からのビザなし訪問でお世話に成った島民へのお礼」と言う訳で、彼らは上げ膳据え膳で日本中の観光地を巡り高級なホテルに泊まり・・・勿論経費は全て日本持ち。島のロシア人の家庭を訪問すると、部屋中が日本の文化を象徴する絵や扇子などのお土産で飾られているのはそのためです。勿論日本からのビザなし訪問団が持参するお土産も有りますが、こちらはそれ程高価な物はありません。
サハリンを含めた島の医師たちが研修と称してやって来る事もあります。面白いのは、島には医師と看護師の間の存在の準医師成る立場が存在している事です。そして「専門は超音波です」と言う医師や、「産婦人科と小児科が専門です」と言う、日本では考えられない話も有ります。こちらが変に思う・・・つまりそれだけ医療は低レベルと言う事でしょう。
最近NHKは、「北方領土問題」をテーマにしたキャンペーンを張っていて、「サハリンのオイルマネーが数百億円4島に流れ込み舗装や学校病院などのハードがどんどん充実しもはや島民は日本に頼らずともやっていけるので領土返還が難しくなった」と説明しています。しかしそれは上っ面の話で、実際にロシア人の家庭に泊まってみれば島の生活のレベルが一目瞭然です。建物の外観と同様、日常生活のインフラは日本とは比べられません。一例が水道です。トイレは水洗でも流す水があまり出ません。「シャワーをあびてください」と言われて栓を開いても水はしょぼしょぼで風邪をひきそうです。暖房に関しては、まあさすがにロシアだけあって良いようです。こんな有様ですから、幾ら本国からオイルマネーが流れて来て病院や学校などのハードが立派に成っても中身は伴っていません。もしかすると、日本と違いロシアでは医師や教師の地位があまり高く無いからかも知れません。
島は現在開発ブームのようですが、とにかく皆日本人の様には働きません。ですから建築中の建物や皆との風景は次の年に行ってもあまり変わりません。道路の舗装現場など労働者は喫煙タイムの方が長いのではとこちらが心配に成るほどです。
時間の進み方が北方4島と日本では違う・・・まあそんな印象です。国後島の丘の上に有る土産物店の前のベンチに腰掛け、店でで買ったアイスクリームを舐めながらビールを飲んでいると、涼しい海の風が頬を撫でて行きます。眼下の午後の青い海の向こうに在る筈の日本は見えません。カラフルなシャツを着た金髪のロシア人の子供たちが日本で買った(多分)自転車で通り過ぎます。その顔は我々を見慣れているようです。

北方4島の島に渡る度に不思議に感じる事が有ります。この地球上に国境は無く、また人間にも国境は無いのかも知れない・・・
by 道東の住人 (2013-06-10 09:10) 

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