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#2003 "ロシアの動きは逆効果" :メドベージェフの国後島訪問 July 8, 2012 [21. 北方領土]

 七夕のジャパンタイムズ社説のひとつは北方領土問題をとりあげていた。根室の高校生に読んでほしい記事だから、ニムオロ塾の時事英語教材として取り上げる。
 霧に包まれて月影も見えぬ夜だったが、天の川にはビザなし交流という看板を上げてぴかぴかの観光船が頻繁に行き来している。

 メドベージェフは7月3日に国後島を訪問したが、霧に邪魔されて予定されたエトロフ島や歯舞諸島を訪れることができなかった。野田首相はプーチン大統領とカボス会議の際に個別会談し、「静かな雰囲気の中で長期的な視点に立ち、領土問題の協議を再開したい Japan and Russian will "reactivate talks" on the long-standing territorial dispute in a quiet atmosphere.」と合意したのにどういうわけだろう。
 ここいら辺りがロシア外交のしたたかなところで、見え透いた小細工がなされる。日本でこういうことをやれば、二枚舌とか詐欺師とか言われ、最低の人間になってしまう。しかしこれは国際外交というゲームであり、日本流の価値感は通用しないからそのつもりで腹を括って対応すればいい。
 メドベージェフがプーチンの意向を無視して行動するわけはないから、プーチンの了解の下に国後訪問が計画されたのだ。メドベージェフは四島は太古の昔からロシアの重要な一部であり一インチも日本に渡すつもりがないと語っている。


On Tuesday, Mr. Medvedev not only stated that the four islands were "a very important part of Sakhalin and of the whole Russia," but also claimed: "They have been our land since ancient times. We will not give even an inch of the land."

 これが本音だろう。東ヨーロッパのそれほど大きくないロシアが東へ東へと探検と侵略を繰り返してついにベーリング海峡を越えてアラスカまで領有するに至ったというのが18世紀から20世紀までの歴史だ。

 1956年の日ソ共同宣言の中で、歯舞・色丹諸島の引渡しに合意しているから、ロシア側はそれで領土度問題を解決したい、日本側は四島全部の返還を要求と主張は平行線である。

 社説は、日本はロシア側の動きに右往左往してはならぬ、領土問題はしっかりしたスタンスでやるべきと述べている。野田とプーチンはサハリン-3プロジェクト(原油と天然ガス開発)についても合意している。
 プーチンがメドベージェフの国後訪問を後押ししたことは明らかだが、挑発に乗ってはならぬ、冷静にロシア側の意図を探り二カ国協議の確固たる基礎を築くためにこの情報を利用すべきだと、社説は当たり障りのない結論に落ち着く。まあ、社説なんてこんなものだろう。

 

Although it is clear that Mr. Putin approved Mr. Medvedev's visit to Kunashiri, Japan should not be provoked by such moves. Instead, it should carefully and calmly analyze Russia's intentions and the international environment, and use this information to create a strong foundation for the bilateral talks.

 ここまでは社説の紹介だ。今朝(7月8日)の北海道新聞一面に「核燃半島<4>―青森・下北はいま」というシリーズ物の記事が載っているのでその記事とジャパンタイムズの社説をクロスオーバーすれば何が見えてくるか?
 クロスオーバーの領域、異文化交流・・・そこからみえてくるものが面白い。

 プルトニウムを燃料に使うはずだった高速増殖炉計画がうまくいかず、フランスで再処理されたプルトニウムが46トンも行き場を失って六ヶ所村に貯蔵されている。46㌧ものプルトニウム、世界中を震撼させるに充分な量だ。米国が一番神経を尖らせている。中国やロシアはユーラシア大陸の東端の弧状列島に住む日本人を敵に回す怖さを忘れたようだから、ぜひ思い出してもらおう。そのために私たちは何をすればいいだろう?
 実験炉の常陽に続いてつくられた唯一の「実用型高速増殖炉」文殊は事故続きで運転休止中、つかいものにならない。MOX燃料専用原子炉である青森県大間原発も計画だけで原子炉建設がストップしている。そういう事情で日本にはフランスで再処理されてもどってきた原爆5000発分のブルトニウムがすでにあり、その保有量は世界5位。
 「わずか8㌔で1個の原子爆弾を製造できる」とこの記事は伝えている。

 ここからは北方領土返還外交交渉に関するebisuの持論だ。
 ロシアの大都市に照準を合わせてMIRV(多核弾道ミサイル)をとりあえず10基開発して根室半島と稚内に配置して様子を見る。ロシアが北方領土を返還すればMIRVは解体、撤去。反応がなければ100基並べて日本人の怖さを思い知らせてやる。ロシア国民を10回全滅できるに十分な量の兵器を開発・製造し、実戦配備してから国連安全保障理事会を舞台に堂々と外交交渉する

 世界中を敵に回しても主張すべきは主張し、日本人は領土を断固守るとわからせてやればいい。ロケット技術は人工衛星打ち上げですでに手中にしているから、あとは核爆発のシミュレーションと核爆弾の製造技術を開発すればいい。東大宇宙航空研究所が固形燃料のロケット開発をしたが、米国の圧力の前に屈して、やめてしまった。種子島で打ち上げているのは液体燃料ロケットで、MIRVには使えない。要するに、北朝鮮がもっていない固体燃料のロケット技術も日本は既に開発済みということだ。固体燃料ミサイルなら、燃料の注入の必要がないから、発射の意志決定をすれば直ちに発射できる。
 ロケット技術ばかりではない、核爆発についてはコンピュータ・シミュレーションが必要だし、ウランの精製儀機器も必要となるが、世界最高速レベルのスーパーコンピュータも遠心分離機も、必要なありとあらゆる機器が国産で揃う。
 たいしたお金はかからぬから、ロシアが譲歩するまでMIRV開発と配備をエスカレートすればいい。そうすれば中国も日本に対して領土・領海紛争を引き起こす気がなくなるだろう。ぐちゃぐちゃうるさいことを言ったら、尖閣列島や沖縄、九州へも「高性能MIRV」を展開すればいい。

 領土問題はやり方次第で動く、問題は私たちにその覚悟あるのかということだ。まずは根室市議会で北方領土返還のためのMIRV開発要求決議をするのがスタートだ。それだけでも外交上の圧力になる。国際的に孤立しても領土問題に関しては日本は断固とした措置をとることを世界中に発信すれば、中国や韓国もバカげた要求をしなくなるだろう
 具体的現実的な論であり、ぶっそうな論でもある。本気で北方領土返還運動をやる覚悟がないなら補助金獲得のための年中行事の領土返還運動をあいもかわらず続けるがいい。実効支配百年で北方領土は国際法上ロシア領だ。あと、33年しかない。

 北方領土返還を看板に掲げた補助金獲得運動を地元根室が60年もやっているのは日本全国に恥をさらしているようなもの。根室人のみが矜持を失ったのか、それとも日本全体がそう変わってしまったのか、ebisuは不思議でならぬ。

 択捉島で生まれ育ったebisuの母は昨年夏に亡くなった。元島民ではあるがいわゆる「引揚者」ではない。母は自分の母親の眠る墓に一度もお参りをすることなく逝った。ebisuは元島民2世ということになる。「引揚者ではない元島民」はビザなし交流には参加できないのである。すくなくとも引揚者の団体に入る必要がある。おかしな話だ。引揚者ではない元島民はたくさんいる、いや、いたというべきだろう。次々亡くなっている。お袋は6人兄弟姉妹だが長兄は満州で戦死、末の妹のみ引揚者でほかはただの元島民。引揚者である末の妹は何度も択捉島へ行っているが、他の兄弟姉妹は誰一人ふるさとへ行ってない。これがビザなし交流や墓参の実態である。
 北方領土の中でも択捉島は別格である。"宝島"である択捉島をロシアが返すわけがない。水産資源が道東沿岸とは比較にならぬほど豊かで戦前は根室の3倍の出稼ぎ所得があった島である。お金があるから物もふんだんに入ってくる。シーズンごとに日本橋高島屋や三越からカタログが来て、衣類などの注文をしていたような土地柄だった。だからロシア側のインフラ整備が進んでいるだけではすまぬ、水産会社ギドストロイで働くロシア択捉島民の所得が根室市民の所得の2倍になる日は近い。"宝島"にはそれだけの"地力"がある、そうなるよ。(笑)

 冒頭部分のみ転載するので、根室の高校生諸君はURLをクリックして全文ダウンロードして印刷して読んでほしい。
 http://www.japantimes.co.jp/text/ed20120707a1.html
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Saturday, July 7, 2012

EDITORIAL

Russia's counterproductive move

Russian Prime Minister Dmitry Medvedev on Tuesday visited Kunashiri Island, one of four islands known collectively as the Northern Territories whose sovereignty is disputed by Japan and Russia

He first tried to land on Etorofu Island, another disputed island, but could not do so because of thick fog. In November 2010, Mr. Medvedev, then president, visited Kunashiri becoming the first Russian head of state to visit the Northern Territories.

Mr. Medvedev's visit to Kunashiri runs counter to an agreement between Japanese Prime Minister Yoshihiko Noda and Russian President Vladimir Putin on June 18 during the Group of 20 summit in Los Cabos, Mexico, that Japan and Russian will "reactivate talks" on the long-standing territorial dispute in a quiet atmosphere.

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*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 #1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08

 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14

 #1976 北方領土問題コメント(欄)対話(3) : ビザなし交流の変遷とその実情 June 16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16

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