SSブログ

#197 日商簿記検定試験日 [A8. つれづれなるままに…]

  2,008年6月8日   ebisu-blog#197 
  総閲覧数: 16,000/195 days (6月8日8時30分) 

 受験者の一人から朝メールがあった。1年生の事務情報科の生徒だ。勉強を始めて3ヶ月が経過したが、この2週間は高体連でまったく塾へは顔を見せなかった。これで合格すできたら、来なかった2週間しっかり自力で勉強していたということだろう。高体連の前までに過去問題はすべたやった。これから受験してくるという。合格を祈る。

 昨夜は2級受験者が二人来て過去問題に取り組んでいた。前回6点足りなかった1年生も、日商簿記2級の難しさを身にしみて感じているようで、「先生、自信がありません」と弱音を吐いていた。「結果は天のみぞ知る、今もっている力をぶつけて来い」、そう伝えた。   
 初めて受験する3年生は前期中間試験が終わってようやく勉強する気が起きたようだ。これから一生懸命に勉強して11月に合格できるかどうかというところだろう。スロースターただが、それでよい。自分のペースでしっかり勉強する習慣がつけばいい。
 大学に進学して税理士試験や公認会計士2次試験を受けるときには、80%は自力で勉強しなければならない。大学の授業は受験には20%も役に立たない。自力で勉強できない学生は合格できない。大学の授業を受けていたら合格できるような勘違いをしているようなので、残りの高校生活で自力で勉強する習慣を身につけろと言った。
 もうひとり3年生の受験者がいる。合格ラインに届いたかどうか。前期中間テストが木曜日に終わったばかりなので過去問題の勉強時間が充分に取れなかった。まだ遣り残した問題がある。3回くらい通してやらないと合格100%のラインへは届かない。
  受験勉強は決して途中で手を抜いてはならない。120%を目指してやり抜くべきだ。そこまでやれば百戦百勝だろう。
 合格発表は1週間後だ。合格者がでるだろうか。根室高校始まって以来の記録が二つかかっている。ひとつは1年生の6月日商簿記3級合格であり、もう一つは1年生普通科の日商簿記2級合格である。

 なんとか塀の向こう側、合格する側へ転がって欲しい。誰かが記録を作ればその後を歩くのはよほど易しくなる。続くものがでるということだ。最初の道を切り開く奴が一番偉い。もう40年も前になるだろうか、高橋珠算塾で最初に4段合格を果たしたのは駒沢さんだったか多田さんだったか。わたしより6年くらい後輩だったように記憶する。それ以後5段合格から10段位まで連綿と記録更新が続き、根室の珠算の技術レベルが全道1になった時期があった。高橋先生の執念が結実した。「(根室で珠算塾をやることは)男子一生の仕事」そう言い切っておられた。厳しい教え方だった。そして結果をきちんと残された。根室にはすごい人がいる。
 
 いま、生徒と同じくらいどきどきしているかもしれない。落ち着かないので日曜日だというのに朝のこんな時間にブログを書いている。

(珠算は日本の伝統文化の一つだが、このような誇るべき伝統文化がありながら、珠算を習わせる親はこの40年間で著しく減少した。40年前は根室に学習塾はなかった。そろばん塾と書道塾だけだった。いまでは学習塾がいくつもあるし、団塊の世代のときには1クラス60人だったのが30人前後に「改善」されているにもかかわらず、こどもたちの計算基礎能力は著しく落ちた。中学3年生でも分数の通分や小数の乗除算が理解できていない者が20%を超える。算盤が盛んだった頃にはありえない数字である。この40年間で算数教育のレベルが著しく落ちてしまった。
 基礎計算力を飛躍的に高めるために、小学校低学年で1~2年くらいはそろばん塾に通わせほうがよい。実は算盤は陰山方式の百枡計算とは比較にならないほど効果が高いのだ。陰山先生はおそらく珠算のトレーニング経験がないのだろう。熟達すると頭の中に算盤をイメージして3桁の加減算なら指を使って算盤珠をはじくよりも高速な計算が可能になる。身についた「技」は一生モノである。
 たとえば、高校数学で積分計算をやるときにこうした基礎計算能力の優劣が重要なファクターになる。数学は高度になっても単純計算の繰り返しがいろいろな分野で顔を出す。行列式もそうした例にあげてよいだろう。問題を解くためには、数学的諸概念をきちんと理解すると共に精確で高速な計算能力が要求される。
 いまでは小学校ですら算盤を教えていない。教えることのできる教員はほとんどいないだろう。こうして日本の伝統的な文化が学校教育の場でないがしろにされている。自国の伝統文化を大事にしない教育がどのような結果をもたらすかよく考えるべきだ。つい数十年前まで算盤のおかげで、日本人の計算能力が世界一の状態が400年以上続いていたことを忘れてはならない。
 計算能力においては圧倒的に世界一の状態が400年間続いていた。それが近年、急速に廃ると共に日本の算数教育や数学教育は世界一の座から坂道を転がるように滑り落ちていく。日本人の数学能力の低下と珠算の衰退に相関関係がないと言い切れる教育関係者がいるだろうか?時代の潮流から少し離れて現象を見ることもまた大切なことだろう。)

             ・・・6月8日日曜日朝8時半記す
 

「市民の森」オープン(北海道新聞より) [15. ポジティヴ&ゆめ]

  2,008年6月8日   ebisu-blog#196 
  総閲覧数: 15,942/195 days (6月8日1時30分) 

 6月2日付北海道新聞夕刊より

 「市民の森」オープン
   
200人が植樹や散策
【根室】1995年から市と道が整備を進めてきた、市内東和田の「市民の森」が1日オープンした。早速、200人の市民が訪れ、散策を楽しんだ。
 市民の森は道立北方4島交流センター(ニ・ホ・ロ)に隣接し、総面積37㌶。これまでに約4千本の桜を含め、訳26000本の木を植樹した。森の中には約3.5㌔の遊歩道があり、バイオトイレも設けられた。
 この日はオープニングセレモニーが行われ、長谷川俊輔市長が「協働の精神でさらに立派な森にしていきたい」とあいさつ。テープカットで市民の森の開放を宣言し、多くの市民が真新しい遊歩道を散策した。セレモニーに先立ち、市植樹祭も開かれ、エゾヤマザクラ170本を植樹した。

 ラムサール条約で保護され、野鳥の宝庫である春国岱は木橋が壊れていて渡ることすらできない。太い丸太で組んだ見晴台もロープを張って上がれないようになっており、朽ちるに任せている。
 スワン44の周辺の木道も荒れている。観光地としての地位向上を目指すのならそれらの整備が先だろう。それでなくても市の財政は逼迫しており、優先順位は間違えないでもらいたいものだ。
 ニホロ地区は畜産振興事業団が施設を作る予定だったのが計画が取りやめになって、道の補助金をもらって開発した関係があり、約束違反となり市の方が困っていた。市立病院をニホロにもっていこうとしたのもそういう事情があってのことだという噂を当時耳にした。開発用地が余っており、道との約束が守れないというのである。
 無闇に補助金をもらって開発をするとややこしいことになる。「市民の森」もそうした一環として進められているのだろうか。
 
 ここでまた、転寝しながら見た夢の話をしようと思う。歳のせいかこの頃転寝をしながら白昼夢をみるようになった。

 2038年のことである。市民の間から30年前に市長をやっていた長谷川氏を顕彰するために碑を立てようと市民が署名運動を始めた。
 名市長の誉れの高かった長谷川さんは、根室市の水源である牧の内ダムの水質の悪いことを憂えていた。牧草地に降った雨水が直接水源に流れ込むので根室市の水道水はまずかった。ところが今では根室の水は抜群に美味しいくなっている。
 30年前に長谷川俊輔という市長が後世に資するさまざまな施策を実行したがそのうちの一つに水源の水質を改善を目的として、水源地の回りに500メートルの幅のミズナラの林をつくるために市民に植樹を呼びかけた。それまでに道とやっていたニホロ地区の「市民の森」計画を道に事情を話して中止し、数年間はその予算を振り替えた。
 市長は市民へも事情を詳しく説明した。こうした市長の誠実な姿勢に応えて市民運動が盛り上がり、毎年5000本を超える植樹がなされた。ミズナラのドングリの実を発芽させ、植樹用の苗を育てるお年寄りの市民サークルも現れた。グループが増えて、いまでは植樹の苗すべてをそれらのお年寄りのグループが用意できるようになった。苗を育てる技術は年々向上し、木の種類が増えると同時に、他の市町村へ廻すことができるほどの生産量となっている。だからこの方式が軌道に乗ってからはほとんどお金がかからなかった。
 採集したドングリを密集させて発芽させ、その後ポットに一つ一つ入れて育てる苗の育成法は、植物生態学者の宮脇昭が提唱するやり方で「宮脇方式」というらしい。そうして方法でつくった林は千年もつと関係者が言っていた。
 いまでは水源地の周囲を幅800メートルのベルト状に、ミズナラを中心とした数十種類の樹木の林が取り囲んでいる。散歩しているとカッコーや鶯やひばりがそこここで鳴き、近づくと急にその辺りの鳥の声が止む。
 市の方では計画を拡張し、周辺の牧草地を買占めて1000メートルの幅の林で水源を取り囲む計画を進めている。全国ネットのテレビ局が毎年のように取材にやってくる。水源地を取り囲むベルト状の林には、散歩道の木道やトイレが整備され、市民が水源管理の大切さを実感できる憩いの場になっている。
 30年前の長谷川市長の英断のお陰で、いまでは別海や中標津の水道水を変わらない美味しい水道水を飲むことができる。子供たちはじいちゃんやばあちゃんから、スーパーからフィルターでこした水をボトルに汲んで呑んでいたことを昔話として聴いている。長谷川元市長を顕彰しようという署名運動はそういう背景から生まれたようだ。

---------------------------------------------------------
*#1960 宮脇翁の提言:命を守る森の防波堤構想=震災瓦礫処理 June 3, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03-2

#1313 水源地である牧ノ内ダム周辺への植樹 :かれこれ17年目 Dec. 24, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-24

#1042 水源地を300メートルの森林の帯で取り囲もう May 27, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26

#1289 天使の森計画(根室) Nov. 25, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-11-25

#1246 地域医療改革の烽火(12):「最高条件は危険な状態」(宮脇昭) Oct. 18, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-18

#196「市民の森」オープン(北海道新聞より)2,008年6月8日
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08


#195 すこし過激な北方領土返還論:MIRV開発・組み立て・配備・解体ショー [21. 北方領土]

  2,008年6月8日   ebisu-blog#195 
  総閲覧数: 15,925/195 days (6月8日00時10分) 

 北方領土墓参団が先週戻ってきた。択捉島に大規模な空港が整備中で、インフラ整備がこのまま進むと返還が不可能となるのではと関係者の心配する声が北海道新聞に載っていた。
 ロシアがだまって返すはずがないことは戦後の歴史ではっきりしている。そもそも東ヨーロッパの一国に過ぎないロシアがなぜユーラシア大陸の東の端まで肥大化したのか、あくなき領土拡大がその民族の遺伝子に組み込まれているのではないかと疑いたくなる。これほど領土紛争をたくさん抱えている国はロシアの他には中国のみだろう。
 実効支配が100年継続すると国際法上の権利主張ができなくなるという説もある。あと37年で領土返還を主張する権利がなくなるかもしれない。
 
 さて、8月14日連合国各国に日本はポツダム宣言受諾の旨を通告し、翌15日に玉音放送を流し、戦争は終わった。連合国各国に通告したのを知りつつ、その後に侵攻してきた"無法者のロシア"に正々堂々と領土返還を主張して、それを呑ませる方策はあるのだろうか。
 「わが国固有の領土である」と主張したり外交交渉に任せていても、国際法上の時効を待つだけになる。ソ連崩壊時の数年間に領土返還のチャンスがあったが、見逃し三振に終わった。保有米国債の半分をロシア国債に置き換えるだけで返還が実現できたかもしれない時期はとうに過ぎた。今ロシアは豊富な天然資源を背景に経済的に急成長しつつある。
 そんなことを考えながら転寝(うたたね)をしていたら夢を見た。以下はその夢の話である。
 
 2015年某月某日、国会で「MIRV開発とその廃棄条件に関する議案」が超党派で決議され、詳細な計画案が公表された。戦後70年間ロシアとは交渉をしてきたが、一向に埒があかず、正当な領土返還の主張が通らない現実があったが、国際法上あと30年で領土返還要求の権利が失効するというので、超党派の国会議員が組織する北方領土問題協議会が国会へ議案を提出し、賛成多数で決議された。
 ロシアとの埒のあかない領土返還交渉に業を煮やした日本は、MIRVを開発すると世界中に宣言した。ロシアや中国、米国からは非難ごうごうだが、東欧諸国やモンゴルなど日本の決断にエールを送った国も少なからずあった。
 MIRVとは複数核弾頭を搭載したミサイルだ。米国・ロシア・中国・フランス・英国が保有している。小型核弾頭の開発には高度な技術レベルが要求される。ウラン濃縮やプルトニウム精製に使う遠心分離機や核弾頭を製造する際に使われる精密加工ロボットは日本製のものが世界で一番性能がよい。
 協議会が事前に調査した結果では、必要な技術や機器はすべて国内で調達可能だった。世界は日本が実質的な核保有国であったことにようやく気がつく。日本はまもなく一時的に核保有国の仲間入りをすることになる。国連も安全保障会議に常任理事国として日本を迎え入れざるを得なくなるだろう。MIRV保有国を常任理事国から外してしまっては、安全保障会議はその機能をなくしてしまうからだ。
 人工衛星を打ち上げるロケット技術はすでにあったので、大陸間弾道ミサイルはその技術を転用するだけでよかった。原料はあった。フランスで再処理して純度を高めたプルトニウムが3tもあった。さらに純度を高めるために遠心分離機で精製が必要かどうかは物理学者が判断するだろう。とにかく原料は六ヶ所村にプルトニウムだけで数千発分あった。使用済み燃料棒を再処理すれば1万を超える核弾頭が製造可能と新聞が書き立てていた。問題は多核弾頭を5年間で開発し組み立てることにあった。核実験は日本が地球シミュレーションに使用しているスーパーコンピュータ上でやることになっている。核爆発シミュレーションシステムを開発するのに2年かかる見込みだという。
 日本のコンピュータ技術とソフトウェア開発技術をもってすれば核爆発シミュレーションシステムの開発もそれほど困難ではなかった。いくつかの国の機関と電機メーカ等を中心とする民間会社から、核技術者とコンピュータ技術者が集められ、産・学・官の共同プロジェクトが立ち上げられた。スケジュールはきつかったが、それが結果として技術者たちを奮い立たせることになった。
 MIRVは5基開発し、いったん組み立てた後に、北方領土返還交渉が成就した後に完全廃棄する予定になっている。ロシアが折れなければ百基製造してロシア全土の都市に照準を合わせて配備することに決まった。ロシア国民は104年前の日露戦争の悪夢を思い出すがいい。白人国家がはじめて有色人種のサムライ国家と戦って負けた世界史的な大事件である。日本人はやらねばならぬときにはやる民族だ。

 MIRVの開発・組み立て・配備はロシアへのデモンストレーションであるが、実際にやって見せないことには国際政治上の圧力にならない。武力の裏付けのない領土返還交渉は無力だ。いざというときには刺し違えることが可能な武力を有してはじめてこちらの言い分を聞く気になるだろう。北方領土問題協議会の超党派の国会議員たちはそういう結論を下した。
 根室市民の間ではこの議案への賛否が分かれ、広島と長崎の県議会では反対決議がなされた。

 10年後の2017年に北方領土返還交渉はどのようになっているだろうか。転寝(うたたね)から目覚め、目の前に大きく広がる国後(島)の山並みを見つめながら大きな欠伸がでた。入れ替わりに6月初旬の冷たい空気が肺を満たす。


----------------------------------------------

 *#195「すこし過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 #1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08

 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14

 #1976 北方領土問題コメント(欄)対話(3) : ビザなし交流の変遷とその実情 June 16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16

 #2003 "ロシアの動きは逆効果" :メドベージェフの国後島訪問 July 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-08 

 #2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題: 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村