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#200 今日の時事英語授業と簿記検定の結果は? [62. 授業風景]

  2,008年6月14日   ebisu-blog#200 
  総閲覧数: 16,612/200 days (6月14日0時40分) 

 昨年11月下旬から書き始め、このお粗末なブログも早いもので200本目となった。読んでくれている人に感謝申し上げる。 m(_ _)m

 Japan Timesを使う時事英語授業は2人がディーゼル車とハイブリッド車の燃費競争に関する記事に取り組んでいた。もう一人は金価格に関する経済記事と格闘していた。2段落意味をつかんだところで簡単な解説をする。
 ディーゼル車とハイブリッド車の燃費競争記事は読みやすい。難易度が中くらいに位置している。経済記事は専門家が書いている場合が多いので、難易度の高いものが多い。初歩的な経済学の知識が要求されるので、高校生には英語の勉強ばかりでなく、国際経済や国際金融の勉強にもなってしまう。図らずも一石二鳥の授業となる。
 意地の悪い抽象的な比喩表現も時々出てきて頭の体操を要求する。今日はこんな表現がでてきて生徒を悩ませた。
 While jewelry account for 82%of the gold market, "the catalyst of the day is obviously inflation jitters," he said.(宝飾品が金市場の82%を占めているにも関わらず、その日の(金地金取引市場での金相場の)高騰はインフレ懸念が原因である)
 catalystは触媒をあらわす言葉であるが、直訳では意味が通じない。英英辞典では何らかの変化や現象を引き起こす人や物や事であると書いてあった。この段落で展開されている論理との兼ね合いで、前後関係から適切な日本語表現を探さなければならない。こういうときは「展開されている論理を解説する」しかない。
 この場合はどうだろうか。触媒は化学反応を促進する物質であるから、金地金相場の高騰を促進する「触媒」を考えてみると良い。筆者は相場の高騰を一種の化学反応になぞらえて捉えている。その反応を促進しているものの正体が何であるかというと、インフレ懸念による金地金への投機である。つまりインフレ懸念、あるいはインフレ期待がなくならない限り、金地金取引相場は宝飾品への需給がどう変化しようと関係なく高騰し続けると言っている。
 こうして英語の勉強のついでに国際経済の勉強も少ししてもらうことになる。好奇心の旺盛な人には面白い授業だと思うが専門分野の記事が難しいことも事実である。
 文法的な面でも大学受験英文法の範囲を超える事例、たとえば現在進行形の受動態が出てくる。現実の英文は高校で学ぶ範囲とは何の関係もないことが実例を通して理解できる。社会人となったときには「学習指導要領」にはない英文を読まなければいけないのだから、見聞を広げるためには都合がよい。
 範囲外の英文法はすこし頭を使えば類推できるのだが、臨機応変に考える習慣のない人は「こんなの見たことない???」状態になる。解説すると誰でも理解できるし、ヒントだけでわかる生徒もいる。わかり始めると生徒の目の輝きが違ってくるが、しばらくの間は誰もが苦しそうな目をしている。
 辞書を引き全力を出し切って半年辛抱した人は、模試で根室高校の学年トップレベルを超えることになるだろう。首都圏の進学校の生徒と勝負できる実力がつく。"The Japan Times"を使って半年間、一生懸命に勉強すれば、大学受験の長文問題は90%以上正解できる。代ゼミの偏差値で65超、進研ゼミだと75~80超のレベルだろう。

 話は変わるが日商簿記検定試験の結果発表は来週である。1年生の3級受験者が問題をもってきたのでチェックした。仕訳問題に手こずる筈だが5問全問正解だった。部活をやりながらしっかり要所は押さえていたようだ。精算表問題はどうだったと聞いたら、「(第5問の)精算表は簡単だった、2問と3問が自信がない」という返事。第2問と第3問は部分点の積み上げだからこの生徒の場合は合格圏内にいると判断してよいだろう。3月5日に勉強をスタートして3ヶ月、合格できたら立派なものだ。事務情報科はじまって以来の快挙となるだろうか。
 2級受験者は発表を見ないとなんともいえない。受験者へのインタビューでは厳しい状況だ。合格ラインの70点を越えられるかどうか、微妙なところである。一人は前回2月の受験で6点足りない64点だった。1年生の日商簿記2級合格も根室高校では過去に実績がない。根室の生徒の可能性の上限値拡張を実証できるだろうか?

  公認会計士2次試験の大学3年次合格者は2年次6月での日商簿記1級合格が標準的なコースだろう。日商1級合格者は東京・大阪・名古屋に集中しているらしい。専門学校や大学が集中しているからだが、東京都内では商業高校在校生の合格が可能だ。大学から教えに来てくれる講師のいることが合格を可能にしている。
 今使っているテキストと問題集は2級ではテキスト2冊、問題集2冊、それに過去問題集1冊で合計5冊である。これが同じところから出版されている日商1級受験用ではテキスト6冊、問題集6冊、過去問題集1冊で合計13冊の問題集をこなして初めて受験レベルのスキルが身につく。やるべき勉強量が2級の3倍になる。北大現役合格よりもハードルが高いといえるだろう。環境がよくなったので、40年前よりずっと楽だ。これだけのボリウムの参考書や問題集がそろっているからだ。
 根室高校生に在校中に日商簿記1級合格のための標準コースを提示したい。高校受験日の夜から簿記3級の学習をスタートさせる。3ヵ月後の6月に日商簿記3級合格。翌年2月日商簿記2級合格。その後15ヶ月間あるので、2年生の1年間はテキスト及び問題集13冊を月1冊のペースで消化し、3年次6月に日商簿記1級受験、11月の試験で合格。現実的なスケジュールである。
 このスケジュールをこなすためにはスピードと集中力を要求されるから、頭は飛躍的によくなる。脳は筋肉と同じで適度な負荷をかけることで鍛えることができる。センスだけはよいものに直接触れることでしか磨かれない。絵画や彫刻なら現物に触れる、本なら原典を読むことでセンスを磨くことはできる。根室なら海や原野の自然に触れ、感受性を磨くことが大事だ。たくさん人を観てきたが、脳を鍛えることよりはだいぶんむずかしいようだ。

 3ヶ月で3級に合格できたら、そのまま勉強を続ければ在学中に1級合格が可能になる。期待できる人材が現れたということだ。だがその当人が勉強の道を選択するかどうかは未知数だ。部活を選択するかもしれない。勉強時間数の確保から言って、部活と日商簿記1級合格の両立は不可能であると言わざるを得ない。どちらかを選ばなければならない局面は誰でも一生の内に何度かある。一つを選ぶということは他を棄てるということだ。そこで人生が分かれる。
 同級生だったある劇画家は3年生の秋に根室高校を退学して『ゴルゴ13』の斉藤タカオへ弟子入りし、一番弟子となった。22歳で独立し、現在もプロである。今考えても夏休みが終わったばかりの8月下旬、あれは大変な決断だった。「相談がある」と自宅に尋ねてきたので、もちろん反対した。3月までまって卒業してから弟子入りしろと忠告した。ところがそれからでは1番弟子になれないかもしれないと、決意は変わらなかった。わずか半年が待てないという。そのときは「そうか、決意は固いか。なんだ、結局相談とは言いながらもう決めたんだ、相談じゃなくて報告だ」。決めたら自己責任、自分の人生は自分で選ぶ、やるしかないだろうと思った。おそらく相談を受けた友人の誰もが反対しただろうと想像する。それでもやるときはやる。世界中が反対しても、本当にやりたいということが見つかったときにはまっすぐにやりぬく、そういう覚悟が人生を大きく変える。
 根室高校では在校生の日商簿記1級合格はまだ一人もいない。誰かが記録を作れば、それに続く者が必ず数人でる。開拓者の道を選択するか否かは本人次第。日商簿記1級合格者には税理士試験と公認会計士2次試験の受験資格が与えられる。大学に進学した方がよいが、進学せずとも独力で公認会計士2次試験に合格することは可能だ。合格してからバイトしながら大学へ進学するのも好いだろう。
 ニムオロ塾はそういう志を抱く者たちを応援するために昨年4月に簿記講座を開設した。この点ではすこし熱い塾だ。
 志を胸に秘め、わが塾に来る者は火傷を覚悟せよ。願わくば自ら発火し、燃え尽きよ。


渡辺貞雄クインテットin根室 [87.根室の話題]

  2,008年6月13日   ebisu-blog#199 
  総閲覧数: 16,605/200 days (6月13日23時25分) 

 今日(6月13日)の北海道新聞夕刊によれば、ナベサダが根室に来る。8月7日夜7時、根室市文化会館で“ナベサダ・クインテットがライブコンサートをする。根室で2年ぶり、3度目のコンサートという。懐かしいジャズサックス奏者だ。ジャズトランペッターの日野皓正がコンサートを開いたばかりだ。グッドニュースが二つ続いた。
 ナベサダはオントシ75歳、「後期高齢者」の範疇に入るが、枯れた渋い演奏が聴けるだろう。前売り券は5000円、交通費をかけずにライブ演奏が聴けることを考えるとずいぶん安い。ガソリン代もハイオクは180円を越えた昨今、耳寄りなニュースだ。前売り券は330枚を予定している。