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高校入試のあとで・・・ [62. 授業風景]

  2,008年3月5日   ebisu-blog#122
  総閲覧数: 6107/100 days (3月5日23時40分) 

 4時頃からKo中学の2年生が二人来て9時まで期末試験勉強をしていた。明日は英語だ。内申点が決まる大事な学年末試験である。

  5時半からの簿記の授業では3級を受験したM君が一番難しい第3問に取り組んでいる。この問題には30点の配点があるので、合格にはこの問題の制覇が鍵である。もっとスピードを上げるトレーニングが必要だ。第1問の仕訳と第5問の精算表の問題はマスターしたようにみえる。 

 5時になってから中3年生2名が報告に来た。一人は250点オーバー、もう一人は155~180点というのが本人の自己採点だ。Aランク250点超なら札幌東でも合格だろう。日商簿記2級を先週受験したばかりでこの点数ならよくやったほうだ。Ki君の155~180というのは事務情報科ではトップレベルだろう。自信のない者ほど報告しづらいだろうが、やりっぱなしにせずに、結果を予測するために冷静な自己採点が必要だ。試験は高校に入ってからも続くので、試験のたびに自己採点トレーニングを繰り返して、習慣にしようこれは物事の基本に関わる大事なことだ。社会人になってからこそ、仕事をやり遂げるたびに冷静な自己評価(採点)が必要になる。そういう習慣のない者のやった仕事は反省も進歩もない。どのような社会人になるかは中学生や高校生の時代の生活習慣や学習習慣によって「鋳型」が決まってしまうものなのだ。

 気になる二人(事務情報科受験)からは連絡がない。40人の定員に50人受験だから状況は厳しい。受験した科に関わらず、クールに自己を見つめるトレーニングのつもりで自己採点は必ずやってみよう。皆希望のところへ入って欲しいと願うのは、どこの塾の先生でも同じだ。他の塾へ通っている生徒も、自己採点して報告しなさい。

 Ki君は予定通り今日から6月受験に向けて日商簿記3級の勉強を始めた。Si君今日は来られなかった。ウニが獲れ始めているので、今月は難しいかもしれない。海がしけて、やれるようになったら来ればいい。どのみち7割がたは自分で勉強するつもりでないと、とても3ヶ月で合格できる代物ものではない。好い試練だろう。

 N君は入試が終わって三角比の問題を解いていた。森の中に迷い込んでしまったようだ。意味や概念がつかめていない。三角比はなぜマイナスになるのか?自然で素朴な疑問だ。三平方の定理が成り立つ直角三角形で考える限りマイナスはない。前提条件が違うのだ。三角比は直角三角形にだけ成り立つのではない。すべての三角形という材料に対して使うことのできる包丁である。角度が180度を超えたら三角形ですらない。中3で三平方の定理を習うから、三平方の定理に頼って三角比を考えているとこういう壁にぶち当たり、行き詰ってしまう。座標平面での一般角という考え方の導入が三角比を三平方の定理の制限から解き放つ。森を脱出するのに少しサポ-トが必要だった。数Ⅱの三角関数と並行してやればもっと理解が深まるので、両方にらみながらの勉強を勧めたい。高校受験が終わったから昨年からやっている数Ⅰのおさらいの続きだ。
 概念はしばしば拡張され一般化される。個別⇒特殊⇒一般の3階層で考えてみるとよい。三平方の定理は直角三角形という特殊なフィールドに適用される定理である。三角比は半径1の単位円を利用した座標平面上へ拡張されることで一般角の三角関数となる。比較とは同じところ(類似点)と違ったところ(相違点)を見極めることだ。新たな概念は可能な限り、いままで学んだ概念と比較して整理してみるべきだろう。比較検討を繰り返し、習慣にする。それがニムオロ塾の“覚えるよりも考える”授業だ。

 6月の試験で日商簿記1級にチャレンジしたいというので、会計学問題集を見せた。四の五の言うよりも百聞は一見にしかずだ。工業簿記や原価計算も2級とはまるでレベルが違う。北大現役合格よりも難易度が高いわけがよくわかったようだ。使われている専門用語をきちんと理解するには、会社法や法人税法についてもきちんとした理解がある程度必要になる。2級程度の実力では問題文の理解すらできない。要するに必要な専門知識の範囲がまるで違う、別世界といってよい。

 全商の簿記実務検定1級は日商簿記の2級と同程度である。そして、日商1級と2級は天と地ほどレベルが違う。3ヶ月ぐらいの勉強で合格できるものではない。どんなに優秀でも半年以上の勉強期間が必要である。難易度が高いからこそ、日商1級合格は公認会計士2次試験の受験資格にもなっている。大学の教養課程が済んでいなくても受験資格が与えられる。日経協なら1級の上の簿記上級試験合格者へ与えられる資格である。
 日商1級には受験参考書や問題集も好いものがなかなか見つからない。この点は昔も今も変わらない。受験参考書と問題集、それに一部は公認会計士2次試験の参考書を引きながら勉強するのが好い。単なる受験テクニックではすまない領域である。中身をきちんと理解することが結局は合格への近道となる。

 大雑把に言って、日商簿記2級合格レベルで、各科目250時間、合計1000時間程度の受験勉強が必要になる。これが勉強時間のミニマムである。大学生でもこれで合格できたらかなり優秀である。やるなら1年生の内が勝負だ。数学と英語はもう高校2年レベルは終わっている。日商1級にチャレンジしながら、トップレベルの成績を取ることは可能だろう。とれなければ深追いせずに、2年からは大学受験勉強に専念すべきだ。北大医学部受験を考えるならそうすべきだが、公認会計士になるつもりなら、深追いしてもよい。大学1年次での公認会計士二次試験合格可能性がでてくる。まだ誰も達成したことのない領域だ。
 高校1年生の内に日商1級がとれるなら、他の勉強をすべて棄ててよい。英語と数学はすでに高校の範囲を終えている。根室高校普通科ならトップレベルの成績は公認会計士2次試験の受験勉強をしながらでも維持できる。公認会計士受験一本に絞って構わないと思う。高校生が公認会計士2次試験に合格する可能性がでてくる。10年や20年で破れる記録ではない。

 いま、二兎を追えば脳に強い負荷がかかり、脳力が大幅にパワーアップする可能性があるので、今年一年間は簿記1級にチャレンジすることを勧める。学習の進み具合をみながら相談に応じよう。


道立高校入試 [87.根室の話題]

  2,008年3月5日   ebisu-blog#121
  総閲覧数: 6051/100 days (3月5日8時30分) 

 今日は道立高校入試である。生徒はもう入試会場についている時間だ。今年は全員が根室高校で、根室西高はいない。こんなことは塾開設以来6年目だが2回だけである。
 やるべきときにはトコトンやる習慣を養うよい機会である。時間を目一杯使い、全力を出し切ることを願う。

 事務情報科志望のKi君と普通科志望のSi君が今日から日商簿記3級の受験勉強を開始する。3時間の特訓である。どこまでやれるか、間合いを計りながらの授業が始まる。目標は6月の日商簿記検定試験3級合格だ。昨年、彼らの友人のN君がチャレンジして敗れた試験である。リベンジできるか?とにかくチャレンジだ。
 今年は6月の試験に2級が3人、3級を3人受験することになるだろう。

 海は見渡す限り流氷で覆われているが、最低気温もマイナス4度までしか下がらなくなった。根室も春の兆しである。6時には太陽が昇り始める。何かのスタートを切るにはよい季節だろう。
 高校の3年間はあっという間に過ぎる。しっかり目標を定めて、就職に備えたり進学の準備をしてほしい。
  しっかりした大人になるには努力が要る

#120 新病棟建設の具体論 2,008年3月5日 [26. 地域医療・経済・財政]

2,008年3月5日   ebisu-blog#120   
総閲覧数: 5867/99 days (3月5日0時00分)

  ここに神奈川県下のある病院の増築工事仕様書(10枚)がある。 療養型病床群の病院で規模は276ベッド。6階建て1600坪の新病棟増築である。 建築請負は新日鉄のゼネコン部隊、一流の施工会社だ。坪単価は65万円。 立地条件は極めて悪い。産業廃棄物が不法投棄された谷地の上に建っている。十メートル以上下の岩盤に建物を固定するために、パイルが百本近く打ち込まれた。既存病棟が隣接しているために、パイルは振動を出さない方式で打ち込まれた。98%のベッド稼働率の既存病棟が工事区画と10メートルしか離れていなかったが、騒音の問題はなかった。土木技術は進歩している。
 工事期間は10ヶ月、2002年に竣工した。  同じ資料を2004年10月23日に当時の根室市の企画振興部長と病院担当室長へ渡した。道庁からの出向組みだったが、二人とも正直で真摯な人だった。道庁の基準では病院建設の基準坪単価は130万円ということだった。2002年に一流のゼネコンを使い坪単価65万円で新病棟を建設した経験を説明し、130万円の坪単価は大理石造りの病院であり減価償却負担が大きくなり、根室市の財政を圧迫することになるので、坪単価逓減を検討して欲しいと要請した。
 坪単価80万円なら誰でも交渉できる。そのときは難しいとの返事だったが、結果はお二人が道庁へ戻り代わりの人が来てからでた。坪単価は85万円になった。前任者と後任でどのような引継ぎが行われたのかは関知しない。しかし、坪当たり45万円下がった。調整に時間がかかったのだろうか、3000坪なら13億円のコストダウンである。 前任のお二人には感謝している。当時のKo部長とKi室長である。2度、伺って話しをした。ニホロに作ったときに経常収支がどうなるかのシミュレーション資料も持参して話した。一度は日曜日、休みにもかかわらず時間をとってくれた。普段着姿であることも手伝って打ち解けた話ができた。
 一般総合病院は療養型病床群とは違うが、160床と假定すると、外来診療部門やME機器室部門を入れるとスペースはほぼ同じくらいと見てよいだろう。だから、ebisu-blog#115『新病院はこうすればたちまちできる』で假定した2000坪(最小値)は現実的な建築面積である。おおよそ1フロアー1100平米で6階建ての病院と考えよう。
 外来の待合室はロビー形式にするか、廊下の幅を3倍とって椅子を並べてもよいだろう。天井からの採光が取れるような形式がいい。印象が明るくなる。
  先のブログでに書いたように、快適で冬暖かく、夏涼しい環境を低コストで実現するために、外断熱仕様とする。建築仕様は患者最優先を基本に置いて詰めていく。  年間の経常損失を3億円(住民一人当たり年間1万円基準)に抑えることができればわずか2年で建築資金が自動的に浮いてくる。何もしないであれから3年間が過ぎた。その間に経常損失は35億円に達し、一般会計から巨額の繰入がなされた。
 平成20年度は病院経営改革の具体策をまとめ実行に移すべきではないだろうか。