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#4492 FBがユーザーを監視している Feb. 27, 2021 [8. 時事評論]

 FB友がシェアーやアップできない記事があると書いていた。その中の一つはこれ。
*Facebookがユーザーを監視するVPNアプリ「Onavo」を使用したと豪州が提訴

 FBが子会社であるFacebook Israel Ltd、Onavo, Incの無料の接続アプリOnavo Protectを使ってユーザーのアクティブ情報を収集していたというもの。これはVPNアプリで、「PCやスマートデバイスなどの端末にインストールし、外部から拠点のネットワークに接続するアプリ」である。公共の場で利用できるWiHiを利用するときに端末の乗っ取りを防ぐ接続セキュリティアプリである。これがないと、端末を乗っ取るアプリが仕掛けられて、パソコンやスマホに記憶されている情報が簡単に盗まれる。スマホ利用には必須のアイテムである。

 この訴訟の記事をFBにアップしたら、それ以降記事のシェアーに制限がかかってしまったという。自社に都合の悪い記事のシェアーを制限するというのは、フェアー(公正なやり方)ではない。当該記事にはFB者側の言い分も載っている。

 以下はFB社の広報担当の声明である。
「人々がOnavo Protectをダウンロードしたとき、当社は収集する情報について、そしてどのように使用するかについて常にクリアにしていました」


 アプリをダウンロードするときに注意書きが表示されるのだろう。アクティブ情報を抜き取りビッグデータとして売買すれば大きな売上が見込めるのだろう。個人情報が知らぬ間に売買されるなんて迷惑だ。完全な監視社会を招来しそうで、やってはならないビジネスに感じる。巨大企業にいつ何を閲覧し、何を購入したのかなど、プライバシーにかかわる情報が蓄積されるだけで危うい。その蓄積された情報が悪意のある者に利用されたらその被害は計り知れない。蓄積すること自体制限すべきではないのか?

 GAFAは大きくなりすぎた。課税は逃れるし、競合する相手を芽の内に摘んで(買収して)、ますます巨大化している。
 恣意的な制限をユーザーに課せば、一時はよくても、長期的に見ると批判を増やし、ユーザー離れを引き起こす。そういうチャンスを狙って新しい企業が参入できるように、企業規模についてなんらかの制限を課す国際的な取り決めが必要な時代になっているのだろう。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」がビジネスの根本になければならぬ。

 日本が世界中に輸出すべきはビジネス倫理のようです、渋沢栄一『論語と算盤』を読もう。英訳書を出版したらどれくらい売れるかな?GAFAはますます巨大化し、経済格差が広がり、資本主義は行き詰まりを見せているので、英訳書を出版するのに時期はピッタリ。


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論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

論語と算盤 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 渋沢 栄一
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2008/10/24
  • メディア: 文庫

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#4491 勉強しろとなぜ親は言うのか Feb. 25, 2021 [55. さまざまな視点から教育を考える]

<更新情報>2/26朝9時、余談追記

 親が子どもに勉強しろと小言をいうのは、大人になり、子どもを持つ頃になって、勉強しなかったことを悔いているからだと喝破したのは、かのビリギャル小林さやかさん32歳である。なかなかユニークで鋭い感覚のもち主のようである。
 23日の朝、7時半ころからのNHKラジオ番組で、教育学者の岩井先生と元ビリギャルとアナウンサーが「勉強」や「学び」について対話していた。

 そもそも勉強とは何のためにやるのかということがメインテーマであった。岩井さんが、電気自動車にたとえてうまいことを宣(のたま)う。知識とはバッテリーである、バッテリーがないと車は走れない。燃料が切れると充電しなけらばならないが、それは知識を入力するということ。そしてまた走る。車を走らせ続けるには「感動的な体験が必要」だという。もっともな話である。新しい知識や思考様式に出遭うのは愉しい、ドキドキワクワクするから恋愛のようなものだ。(笑)

 勉強は受験勉強に見られるように一定の思考の型を身につけるものだ。ピアジェはそれをスキーマと言ったとは元ビリギャルさん。わたしはピアジェは読んだことがないし、本棚にもピアジェの本は一つもない。雑誌現代思想には載っていたかもしれない。ネットで検索すればおおよそのことはわかる。観察的経験からはなるほどとうなずける。

 考えずに解法を覚えるだけの受験勉強は何年間も続けたらそうした学習スタイルが身についてしまうようで、難関大学卒に多く見られるタイプである。原理までさかのぼって考えて問題演習をしていたら、非効率で受験に間に合わぬ場合が多いからだろう。だが、それでも本を読み、自力で原理までさかのぼって思考するのは大切なことなのである。そういう思考のスキーマが高校卒業までにしっかり身についていれば、大学生となってからもそういうスキーマで学ぶし、社会人となってもそのスキーマは変わらない。だから仕事で大きな成果が出せる。仕事に正解はないのだから、解法を記憶するような学び方が身についてしまったら、大きなマイナスとなるのだ。
(ピアジェの言うスキーマは、新しい知識を入力するたびに脳にため込まれた知識体系が変容するものであるようだ。わたしが言いたいのは知識体系ではなくて、思考の鋳型で、思春期が終わるともうそれはほどんど変わらないというのが観察による事実である。もちろん知識と思考の間には関連がある。)

 思考のベースに知識があると仮定したら、知識のないのは大問題で、たとえばマルクス『資本論』の体系構成に関する方法を研究するのに、ユークリッド『原論』や数学史や数理論理学を学ばなければ、理解はまったく及ばない。そういう知識を欠いた過去の価値論論争は見るべき価値がない。資本論の骨格は演繹的体系である。自然数の公理的なモデルを想起してもらえばいい。
 『資本論』には四則演算しか出てこない、+-×÷だけの世界だ。微分積分は出てこない。大学生のときに資本論を全巻通して読み微分積分が出てこないことに違和感が残った。『経済学批判要綱』(全6冊)にも微分積分は出てこない。
 ライプニッツやニュートン(1624年生まれ)はマルクス(1818年生まれ)よりも200年も前の人である。マルクス『数学手稿』を読んで長年の疑問が氷解した。マルクスの数学学習ノートであるこの本には微分が出てくる。マルクスは微分の意味が理解できなかった、数学音痴の人であったことが明白。だから、ユークリッド『原論』も数学史も勉強していない。数学アレルギーの人。微分積分の向こう側へ踏み入らなければならなかったのに、入り口にも立たぬうちに理解力不足であきらめた。だから、デカルト『方法序説』も視野の外にある。どちらも演繹的体系構成、演繹モデル構築を扱っているのに、この分野では三流人のヘーゲル弁証法にしがみついてしまった。
 学問の体系構成で一番古いものはユークリッド『原論』である。そこを見過ごし、当時流行のヘーゲル弁証法を使った。まともな体系が叙述できるわけがなく、『資本論第一巻』を書き上げてヘーゲル弁証法適用の破綻に気がつき、それ以降沈黙を守った。世界中に共産主義運動をあおった当のご本人が、いまさら方法論を誤ったとは言えなかったのだろう。気の毒な晩年である。
 このように、適切な知識がないとやれない仕事がある。好奇心に任せてひろく漁って身につけた知識を教養というのだろう。

 ところで、ビリギャルとそれを本にして商売の道具にした塾の先生がいる。120万部も売れたのだから数億円の儲けが出ただろう。
 ところが、偏差値30から慶応大へ合格したというキャッチコピーを、予備校講師の林修先生がばっさり切り捨てている。
*林修氏「『ビリギャル』なんてまったく感動しない」発言! 暴露されている「ビリギャルの真相」と「ガタガタ内情」に嫌悪感? - GJ (biz-journal.jp)

 理由の第一番目は慶応大SFCは英語と小論文のみの受験だからみっちり教えたら数人に一人は合格できること。二つ目は偏差値30から70へ+40アップという点にある。彼女は出身高校を明らかにしていないが、どうやら中高一貫校の名門進学校出身の生徒のようだ。名門の進学校ならその学校への入学時点の偏差値65は必要だ。どうやら偏差値30というのは校内偏差値のことで全国偏差値ではなさそうだ。なるほど林先生が「コメントするのも嫌」というわけだ。やってよいことと悪いことがある。
 渋沢栄一は『論語と算盤』で「志」と「そろばん勘定」は二つが揃わないとビジネスとしてはダメだと言っている。目先の利益をむさぼることや、インチキを抑えるのは『論語』の素養、「人の道」と「モノの道理」である
 林修氏は五教科7科目の東大へ合格なら宣伝文句通りで評価できると言っている。英語と小論文だけ、おまけに進学校の生徒なら何も特別な話ではない、仕掛けが透けて見える林先生には羊頭狗肉に感じたのだろう。

 ビジネスで最も大事なことは嘘をつかぬことである。
 道内企業で大きく発展している企業にツルハドラッグがある。鶴羽樹氏は次のように語っている。
「母であるヒサ子副社長(当時)から、「小売業は店あってこその小売業であり、そして店に置く商品がなくてはならない。だから店はいつもきれいにし、問屋さんを大切にし、同時に嘘(うそ)をつかない、約束を守ることが大切だ」と重ねて教えられたという。」


 東京渋谷駅前の個人指導進学塾で院生のときに専任講師をしていたことがある。青山学院中等部と立教女学院へ合格した生徒がいた。彼女たちが中高一貫校へ進学してから不勉強で校内偏差値が30でも、最後の1年あれば慶応SFCへは合格できるだろう。そういう地頭のよい高学力の生徒が集まっているのが有名私立の進学校である。

<余談:慶応大学SFCは面白い>
 総合政策と環境情報学部のふたつあり、授業は学部を超えて自由に履修できる。これは時代にマッチしたありかただ。企業で困難な問題は複数の専門分野が交差したところで発生しているから、複数の分野を知っていなければそういう仕事をこなせない。
 欲を言えば、さらに押し進めて、理系学部と文系学部の垣根を取っ払って両方の単位を自由に履修できる形態が望ましい
 わたしは産業用エレクトロニクス輸入専門商社で経理専門知識を武器に予算編成と管理を担当しながら5つの社運をかけたプロジェクトを入社早々からになった。必要なのでプログラミングとシステム開発スキルを磨いた。世界最先端の産業用エレクトロニクス製品を欧米50社のエンジニアが毎月のように来日して開く新製品セミナーすべての出席して6年間にわたって取扱商品の知識を獲得した。臨床検査会社では予算編成を統括し、同時に経営統合システム開発に携わり、検査機器の開発や製薬メーカと検査試薬の開発もやった。臨床検査会社の買収と資本提携を合わせて2つ担当し、片方の会社の経営再建を担当した。その後、いくつか担当してから、帝人との治験合弁会社の立ち上げと経営を任された。赤字部門だったから黒字化と株の引き取りによる合弁解消、帝人の臨床検査子会社買収の3つを3年でやれとSRLのK社長の特命だった。3年に4か月残して全部やり終えた。
 臨床病理学会と大手6社の産学共同プロジェクトのプロジェクトマネージャーをやったのは1987年だった。5年ほどの作業期間を経て、1990年代半ばに事実上の日本標準臨床検査項目コードとして全国の病院やクリニックで使われている。
 1990年ころに慶応大学産婦人科のドクターと出生前診断MoMに関する日本人の基準値検討プロジェクトをSRL八王子ラボ・学術開発本部スタッフのときにマネジメントした。検査部門と研究部の統計解析担当、製薬メーカー2社の協力が必要だった。これも数年かかって日本人の基準値が決まった。白人よりも3割高く、黒人より1割たかかった。検査3項目の多変量解析で決められた基準値は数年前まで使われたいた。数年前により精度の高い新しい方法に変わった。
 このように、現実の仕事は理系も文系も関係がない、両方の分野の専門知識と実務経験なくして、両方の分野の専門家がメンバーであるプロジェクトをマネジメントできるはずがない。
 そういう意味では私のやってきた仕事は時代の30-40年先を歩いてきたと言える。理系や文型分野の垣根を取り払った大学が出現してほしい。これは時代の要請である。米国では文系学部に在籍していれば、理系学部の科目をいくらでも履修できる。学部を超えて科目を履修するかしないかは学生自身の判断。2倍の科目を履修しても学費が同じ大学があるそうだ。要は学生の能力次第。
 経済学部の学生が哲学のゼミと数学のゼミを履修できたら、そこからノーベル経済学賞受賞者が何人も出るかもしれぬ。


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#4490 FB上で古沢栄一『論語と算盤』の読書会を開催します Feb. 22, 2021 [44. 本を読む]

 渋沢栄一『論語と算盤』の読書会をFB上でやります。
興味のある方は一緒に読みましょう。本が今日届きました。
企業経営者、労働組合関係者、教育関係者、正社員、非正規雇用の人たち、いろいろな人がそれぞれの立場、それぞれの視点で読めます。

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#4489 e-tax:トラブル解消&納税完了 Feb. 21, 2021  [A8. つれづれなるままに…]

 前回のブログ#4488で、e-taxの利用者番号に関するトラブルをとりあげた。
 4日目でまだ利用者番号へアクセスできないので、根室税務署へ電話で問い合わせた。電話に出たTさんが調べてくれた。青色申告控除額は55万円認められるという。前回は最初に対応してくれた人が、65万円の控除は今年から変更になり、電子申告なら55万円だと言ってくれたが、そのあと来たTさんは10万円しか認められないという話だったので、それなら家に帰ってこの利用者番号を使って、決算書類の作成をして65万円フル控除で申告するからと伝えて、作業を打ち切ってもらった。
 前回、税務署のパソコン端末で利用者番号の設定をしたが、申告書の修正作業を途中でやめたので、インターネット経由では利用者番号が利用できない、つまり、利用者番号の登録完了になっていないという説明だった。税務署のパソコン端末はインターネット経由ではないらしく、前回の利用者番号で作業できる。セキュリティの問題で税務署内のパソコン端末はインターネットを経由しないで国税庁内部のネットワークに接続されているのかもしれぬ。Tさんが端末から金額を入れ直してくれた。青色申告控除を55万円に書き直して、所得税を支払ってきた。
 コロナ対策で、税務署内のパソコン端末は税務署員が入力作業をしてくれる。丁寧な対応だった。

 「前回の利用者番号通知」書には「送信された内容を受け付けました。受付番号9999-9999-9999-999」と印刷されている。
 今日やってもらったら「」ID・パスワードの届け出完了通知」がプリントアウトされた。来年は、このコードが使える。

 利用者マスターへ登録にいったら、それで登録は完了にならなければいけない。作業が全部終わってから登録完了では、途中で作業をやめたらアクセスできなくなる。基本仕様書のミスだろう。こんなマスター登録ありえない話だ。国税庁のシステム発注部署は仕事の流れがわかっていない。
 どんな外部設計書や実務デザイン要件書をつくっているのか、見なおしたほうがいいよ。

<余談>
 1984年2月に臨床検査会社SRLへ転職して担当した経営統合システム(総開発費6億円)に比べたら、国税庁のe-taxシステムはオモチャのような簡単なもの。だから仕事の基本を外していいというわけにはいかない。
 当時、日本最先端のシステムだった。機能別に分けると、会計システム、支払い管理システム、購買在庫管理システム、原価計算システム、販売会計システム、投資・固定資産管理システム、経営分析・診断システムの統合システムだった。購買管理システムには危険物の管理機能も1年後に組み込んだ。
 25項目の経営指標による総偏差値評価の経営診断システムは、1978年に産業用エレクトロニクス輸入商社で中途採用してもらい、2か月後くらいにHP-97でプログラミングして開発したものをSRLへ転職してからEXCELに乗せ換えたもの。簡単な統計計算処理が必要なシステムだが、オフコンでは計算処理が無理だったのでプログラマブル科学技術計算用計算機を利用した。
 プログラマブルとは「プログラミングができる計算機」ということ。HP-67は当時の価格は11万円、プリンタのついたHP-97は22万円だった(いま後継機HP-35sが1万円で買える!)。入社後、経営改革の具体的なターゲットとスケジュールを決めるために、一日中電卓を叩いていたら、関周社長が米国出張の折にHP-67をお土産に勝ってきてくれたもの。300頁ほどの英文のマニュアルが2冊ついていた。1週間後にはプログラミングして仕事していた。それから2か月後の朝、今度はHP-97が机の上にあった。HP-97にはプリンターがついている、値段も高い。「秘書にこれどういうこと?」と訊いたら、「社長が、ebisuさんに使えって置いていきました」という返事、プリンタはついているしキーが大きいのでブラインドタッチで叩ける、作業効率が断然よくなった、とってもうれしかった。1978年の大卒初任給は10.5万円である。HP-97は入力データやプログラムをプリントアウトしてチェックできるので、作業効率がよくなった。入社してすぐに社運を賭けたプロジェクトを5つ担当することになった。その中のひとつに収益見通し分析委員会というのがあり、5年間分の決算データをベースに人員データを加えて経営分析し、中小企業に関する政府公表資料を参照して、経営指標25項目による経営モデルを作った。これは経営改革に絶大な効果を果たした。総合偏差値で数値の目標設定ができて、結果がチェックできる。5つのディメンションに分けて、さらに4-6項目に分解できるので、どこに問題が生じているかがわかる。



世田谷の実家 掃除機かけに2時間弱も 一人帰宅 HP-97 深夜の障害 ...

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#4488 e-taxシステム:利用者番号が使えない Feb. 20, 2021 [8. 時事評論]

 2月17日に所得税の申告に税務署へ行ってきた。青色専従者控除の要件が変わったことを知らずに提出したら、引っかかった。電子帳票の使用の認可を受けるか、e-taxをつかって決算帳票を作成しなければ青色専従者控除65万円が認められないというのだ。わたしはEXCELでシートを10枚ほど使って、シート間での自動振り替えをして決算書類を作成している。だが、市販のソフトを使わないと電子帳票として認められないという。小規模業者は市販の会計ソフトを使わずとも「電子帳票」は作れるのだが、認めないというのだからしかたがない。
 そこで、e-taxで決算書類を作ることにして、対応してくれた税務署員の方に、利用者番号とパスワードを設定してもらった。
 翌日、その番号とパスワードを使ってe-taxシステムへアクセスしたら、未登録扱いになっている。どうしたことかと根室税務署へ電話で問い合わせたら、2日くらいかかることがあるというのだ。2日たった19日も、3日たった20日になっても、利用者番号とパスワードを使えない。
 こんな文言が表示されます。

入力された利用者識別番号に該当する情報がありませんでした。『次へ』ボタンをクリックし、申告書の作成を開始してください。※検索・表示される情報は電子申告等を行って一定期間経過後に反映されますので、利用者識別番号をお持ちの方であっても、「該当する情報がありませんでした」と表示される場合があります。

 なんだか不安、いったいいつになったら使えるようになるのだろう?

 e-taxシステムには利用者マスターファイルがあって、そこに利用者番号とパスワードが登録されるようになっているのだろう。税務署のパソコンから対応してくれた人が登録してからどうして3日たっても使えないのか、システム仕様に大きな疑問がわいてきた。マスターファイルの登録にこんなに時間がかかる仕様なんて考えられないからだ。あきれている。他のシステムと何か手作業でのマッチング処理でもやるようになっているのかな?

 以前、e-taxを利用して決算帳票を作成したことがあったが、わけのわからない貸借対照表が自動作成されるので、利用をやめてしまった。それがどのように改善されているのか楽しみにしていたのだが、アクセスできない。月曜日の朝までに、つまり登録してもらってから5日後に当たるが、アクセスできなければ、また根室税務署に電話で問合せしなければならない。面倒なことだ。半身麻痺のようなe-taxシステムのせいで納税意欲が減退しそうだ。
 システムの基本仕様に関わるバグ、こんなにつまらないことで、超繁忙期の申告時期に電話問い合わせに対応する根室税務署員がお気の毒だ。

 デジタル庁なんか作ったって、システム開発の発注をする現場が基本仕様書のチェックや有効なフィールドテストのデザインすらできないようでは、まともなシステムができあがるのは夢のまた夢。
 月曜日の朝には利用者番号が使える状態になっていますように、どうかスムーズに申告と納税をさせてください、神様よろしくお願いします。


<追記>
 21日朝9:13 受付されず
 22日朝8:51 受付されず
 何がどうなっているのやら。内部設計書に当たらないとわからないから、根室税務署へ問い合わせても無駄のような気がします。内部設計書みせてくれたら、利用者マスター登録にこんなに時間がかかる理由は10分でわかるのに…
 EXCELのシート10枚でつくっている帳簿体系は複式簿記だし、合計転記で振替仕訳もちゃんとなされているから、会計帳簿の要件満たしている。市販の会計ソフトだけでなく、電子帳票の要件を満たしている自作ソフトも認めてくれたら、何の問題もない。なにやっているんだか、あほらしい。


 21日お昼:根室税務署へ電話、そして税務署内の端末を使って解決。顛末は#4489に掲載。



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#4487 金融緊急措置令発令(1946年2月17日):預金封鎖  Feb.17, 2021 [95.増え続ける国債残高]

 75年前の1946年2月17日、大蔵省から金融緊急措置令が発令された。預貯金は封鎖、現在価値に直して1世帯12万円/月の引き出しかできない。同時に新円への切り替えが行われた。旧紙幣は紙くずである。

 その目的は単純明快だった。ウィキペディアの「預金封鎖」に載っている。
公平の名のもとに国民の資産を把握し膨れ上がった国家の債務の解消のために預金封鎖がなされうることを副島隆彦が著書で指摘している

副島隆彦『預金封鎖 「統制経済」へ向かう日本』祥伝社、2003年。ISBN 4-396-61194-3

 要するに政府の放漫財政のツケを国民に回したということ。そしてそれが90年代に財務省で検討されていたことを副島氏が指摘している。
 1946年2月17日に大蔵省は国民が保有する預金で政府の借金をチャラにしたのである。

 日銀はETFやREITで上場株式を買い、36兆円保有している。世界の中央銀行で株式投資にお金を投じているところはない。年金資産の管理機構であるGPIFの国内株式保有高は45.2兆円である。

 2/15のヤフーニュースによれば、日銀とGPIF保有の国内株式は100兆円を超えた。日経平均が3万円台に載っているが、日銀とGPIFの買い入れによる演出相場だ。

 政府債務残高は2020年末1400兆円を超えた

 税収が年間50兆円だとしたら、28年分の借金の山である。家計に置き換えてみたら、その大きさがわかろうというもの。公務員給与の平均が700万円だとしたら、28年分は1億9600万円の借金である。返済できるわけがない、つまり財務省は借金を返済するつもりがないのである。どうするのか、国民の預貯金、保有株式、不動産に課税すれば、借金を返せる。3つともデジタルデータになっており、住基コードに紐づけできるから、いつでも預金封鎖、株式凍結が発動できる。

 財務省の預金封鎖チームはさまざまなシミュレーションをしてるだろう。銀行預金と株式はすでに住基ナンバーと紐づけられている。土地台帳のデジタルフォーマットの統一が進んでいる。じつに簡単に預金封鎖や株式課税、土地への課税ができる。

 新型コロナで大盤振る舞い、必要のないところへもおカネをばらまき、必要なところになかなか回ってこない。政府の借金はさらに膨らんでゆく。戦後2度目の金融緊急措置令の発令があるのか?

 2/17日経平均 30,292.19 ¥105.85/$ ダウ平均$31,613.02

<短期国債が4割の異常事態発生>2/22追記

 1年債の構成比は、第2次安倍晋三内閣以降は18%前後で安定的に推移していた。また、30年債と40年債の構成比は10%には満たないが、以前と比べて徐々に上昇し、全体として満期の長さは上昇傾向にあった。
 ところが、2021年度当初予算ベースの国債発行計画は様相が一変した。借換債と新発債を合わせて236兆円の国債発行を予定し、前年度当初比で82.5兆円増加。そのうち210兆円を事前に満期を決めて市中発行し、同じく92.6兆円増えた。
 210兆円のうち、最も短い6カ月債は41.2兆円、1年債を42兆円発行する。つまり、1年以下の国債を39.6%も発行する。2年債も36兆円発行する計画で、2年以下の国債比率は119.2兆円、全体の56.8%にのぼる。
 119.2兆円という金額は、事前に満期を決めて市中発行する国債の、2020年度当初予算における発行額合計117.4兆円よりも多い。新型コロナの前の国債発行総額に相当する額を、今や2年以下の満期でしか借りられないという状況に置かれているのだ。
    自転車操業状態の日本財政
 いつからこんな状況になったのか。それは、2020年度の3次にわたる補正予算で国債を大量発行したことが原因である。2020年度の補正予算では、事前に満期を決めて市中発行する国債を83.5兆円追加発行したが、このうち6カ月債が45.6兆円、1年債が15.3兆円、2年債は9兆円だった。追加増発した国債のうち、2年以下は83.7%にのぼった。
 2020年度の補正後予算で1年債を大量に発行したため、早くも借り換えを迫られている。2022年度にも、2020年度に発行した2年債と2021年度に発行した1年債の借り換えが待っている。もし市場のニーズがなければ、長い満期の国債で借り換えることができない。日本の財政は、まさに自転車操業状態である。

 仮に日本政府が強引に超長期国債を大量発行しようものなら、リスクプレミアムが乗った高い金利(安い国債価格)でしか発行できないだろう。逆に、低い金利で発行できても、そのときはむしろ民間金融機関が損をすることになる。
 市場の実勢とかけ離れた低い金利(国債を発行する日本政府が得をする状態)で発行できた場合、民間金融機関はそれだけ損することを意味する。政府さえ得をすればよいという政策は無責任の極みである。
 民間金融機関が買わないなら日本銀行が買えばよいという主張もある。だが、財政法で日銀による国債の直接引き受けは禁止されている。まずは民間金融機関が国債を市中消化する必要があり、民間金融機関のニーズがなければ、国債は発行できない。
...
 日銀の金融政策は、短期金融市場では政策金利などを通じて比較的即効性のある形で操作できるが、長期金融市場ではその効果が弱い。そんな市場で長期国債を大量に売れば、日銀でもコントロールできず、長期国債の価格が下落(長期金利が上昇)しかねない。
 したがって、日銀が超長期国債を大量に保有していると、デフレから脱却して緩やかなインフレになったときに、長期金利の急騰などの混乱が起こる確率が高まる。
 もしデフレから脱却できなければどうなるか。それはそれで、財政状況は改善せず、今のような自転車操業状態を繰り返さざるをえなくなる。そして、理由を問わず、突発的な短期金利の急騰に直面すれば、利払費がたちまち急増して政策的経費を圧迫する。新型コロナ対策として国債を大量発行し、経済的打撃を和らげる財政政策が施されている。しかし、それにはコロナ後の高い対価が伴っていることを見逃してはならない。




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預金封鎖―「統制経済」へ向かう日本 (Econo‐globalists (5))

預金封鎖―「統制経済」へ向かう日本 (Econo‐globalists (5))

  • 作者: 副島 隆彦
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: 単行本

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#4486 医大現役合格は長期戦略が決め手 Feb. 16, 2021 [65.a-1 旭川医大現役合格者の軌跡]

 わたしは根っからの企業人である。それも経理に専門分野を置いて、統合システム開発や経営企画管理、学術開発部門など、さまざまな分野で先端的な仕事を繰り返してきた。仕事では常に長期戦略を頭に描いて、やってきた。それをPERTチャートに落として、確認する。大まかなところは頭の中だけでできるから、癖になっている。
 だから、この生徒を預かったときに、国公立大医学部へ現役合格させるためには、いかなる長期戦略がありうるのかということがテーマになった。
 戦略目標は現役での国公立医大合格である。戦略は資源の棚卸も要求する。まずはこの生徒がいまどの程度の能力でどういう教育戦略がベストなのかを、観察を通して策定することだった。

 小学生5年の12月の下旬に両親と一緒に相談に来たので、1月4日から授業をすることにした。父親はわたしの主治医岡田優二先生である。巨大胃癌とスキルス胃癌の併発で診察をお願いし、手遅れだったがどういうわけか生き延びることができた。術後苦しい時期が数年あったが、その後孫が生まれ遊んでやることができた、とってもありがたかった。

 理系で問題になるのは国語。本を読むのが大好きな子は別だが、国語力のアップは時間がかかる。数学の得意な生徒は国語が苦手、なんていうのはよくあるケースだから、すぐに手を打ち、優良な本を選んで音読指導することにした。塾でやるのは読解力をつけることに限定し、入試1年前くらいから過去問やセンター試験問題を解けばいい。古典と漢文は高1のときに外国語のつもりでやれといっただけ。高校で国語の先生に力の応じた問題集を選んでもらえばいい。音読指導はそれまで10年ほどの実績があったから、採り上げるテクストは最初は難易度が高くなく、広くいろんな分野が採録されているものを選び、どの分野に興味を示すか観察した。それで、好奇心のある分野の本へシフトしていった。音読に利用した15冊のリストは弊ブログにある。興味がなければ効果は小さい。好奇心を育むことが大切なのだ。

 個別の議論に入る前に大枠について思いつくところと記しておきたい
 大学受験まで7年間教えることになる。週4日間、2.5時間/日の授業だから、毎日繰り返すことが習慣となり、習慣はいつか性格や思考の鋳型を形作ることになる。だから、最初の1年間が大事だ
 店頭市場へ公開する前の産業用エレクトロニクス輸入専門商社で6年間、一部上場企業で16年間働いたので、高学歴の社員が周りにいた。慶応大学大学院卒、慶応大学医学部、一橋大5人、東大理Ⅲ&院卒、京都大理系、東大の入試が中止になった年が受験でやむなく中大法学部卒となった同僚加藤、慶応・早稲田それぞれ数名。二人の例外を除いて、仕事ができなかった。共通していえることはマネジメントの才能がない。たとえば、赤字の子会社を任されると、赤字を減らしたくて経費を削る、その結果は売上が削減した経費以上に減少して赤字幅が拡大するという風に。ようするにカチンカチンの受験頭なのである。二人の例外はSRL社長だった近藤さんと東証1部上場のベンチャー企業ペプチドリームの代表取締役の窪田氏である。
 窪田氏は早稲田の理系卒だったと思う。SRL学術営業部長だったが、目が出なかった。よい意味で言葉を使うが、「人たらしの名人」なのである。ごろにゃんがうまい。それが仕事で見事に生きた。富士レビオとSRLの創業者である藤田さんが彼に5億円出したと聞いた。起業したものの、間もなくつぶれた。ペプチドリームは二つ目の起業だった、パートナーがよかった。新分野で確立した技術をもった東大の先生があらわれ、彼にパートナーとなることを申し出たようだ。チャンスをゲットした彼はたいしたものだ。

 話を元に戻そう。7年間教えるということは教えた生徒の柔軟な脳に鋳型を造り上げることでもある。答えを見て覚えるような効率的な勉強を排除した。カチンカチンの受験専用脳をつくらぬように配慮したということ。何をどのようにやったかは次回以降に書くことになる。
 目標は高校2年生までに数学と英語は全範囲を終了するということ。つまり1年前倒しで受験に臨むこと。高校3年生の1年間を共通テストよりも難易度の高い問題演習に充てれば、首都圏の進学校に国数英の3科目だけは近づける。この3科目で600点だから、残り3科目300点は成り行き任せ。出たとこ勝負で、きっかけをつかませる。とくに何か策があったわけではない。なくていいのだ。とっても面白いことが起きた。

 2時間半の授業で最初の20分は音読指導に充てた週4回80分の音読指導で、ときどき中身について対話をするように心がけた。彼は気がついていないだろうが、高校生になったときには、大学の文科系の優良なゼミと同じレベルの対話をしていた。どういうレベルの対話になっているかについては生徒本人は比較のしようがないから自覚がない。対話を重ねた私にははっきりそれがわかる。面接官が優れていれば、気がついただろう。既存の塾の枠内ではこんな指導を受ける機会はまったくない、この生徒はついているのだろう。
 大学入学共通テストで現代国語分野では満点。根っから国語が好きで本の虫なら、古典と漢文でも85%の得点が可能だが、そうではない生徒にとっては7割がせいぜい。その通りの結果だった。文学作品にはからっきし興味がわかない生徒である。これはどうしようもない、長期戦略の埒外である。(笑)

 数学は小6の半ばから中1のシリウスを使い、予習方式での学習である。コンパクトな解説と例題を読み、難易度の高い演習問題にすぐに取り掛かる。読んでわかれば解説は時間の無駄、四でもわからないときだけ質問する。一次方程式の応用問題が難所だが、全問解き切った。
 英語は小学生の時にウィンビーへ通っていた。発音だけきちんとしていたら十分、塾では中学生になってから英語を教えた。教えたと言っても、数学と同じ方式でシリウスをやらせただけ。本格的に教えたのは高校生になったからで、高校3年間の教科書を1年半でやり終え、その後はハラリのSapiensを読んだ。質問のあった箇所を生成文法で構文解析した。その内容はカテゴリー「Sapiens」に授業40回分ほど記録してある。大学の英語の授業や外書講読の水準の授業になった。大学院受験は英語に関しては何の問題もないだろう。あとは十数冊医学専門書を原書で読んだら、日本国内の医学系大学院はどこでも合格できるだろう。

 コンパクトな解説を読み、自力で演習問題に取り組む。それを繰り返すことで、新しい分野を独力で読んで理解し、考え、問題を解きながら、理解を深めていくという学習スタイル、思考スタイルが習慣となり、いつしか性格となる。本人はそれが自然に身についていくから自覚がない。
 問題が解けなければすぐに解説集を読み、解法を覚えていく勉強とは正反対の勉強法である。だれでもがこんなスタイルでやれるわけではないから、最初の1年間は授業を通じた観察と見極めが大事なポイントになる

 困ったことがあった。土日に勉強時間が取れないことだ。両親と出かけることが多く、土日の勉強時間が取れない、それは家庭の方針でもあるから、認めざるを得ない。お父さんは根室高校から進学させるので、ハンディがあるので浪人していいと言っていた。わたしにも生徒にもそのつもりはなかった。(笑)
 首都圏で難関大学を目指す子たちは、小4から個別指導塾や大手進学塾の特進コースで学習する。週に30-35時間が標準的な勉強時間である。土日で15-20時間やらないと追いつかない

 しかたがないので、生徒と話して学校の授業時間中に塾用問題集をやることにした。これはトラブルのもとになる、それも覚悟の上だった。学校の算数や数学の授業はこの生徒にとっては既習事項で、難易度もまるで違う。
 小学校では叱られた。「こんな問題集をやっているが百点獲れないだろう」、「とれます」そう言い切り、百点とったら、それ以降は先生は言わなくなった。勝手なうざい生徒だと思われただろう。
 中学校でも3年間、数学と英語は同じスタイルを貫いた。数学の教科書は高校卒業まで開いたことがないと笑っていた。
「知りたいことが教科書には書いていません、シリウスの説明はコンパクトですが、知りたいことが書いてあります」
 塾で4日間×2.5時間=10時間、学校の授業でおよそ週に7時間、こうして不足する土日分の過程学習時間を確保した。強引だったな、彼はほんとうに大変だった。でも、大人を説得して自分の意志を貫くという訓練にはなった。(笑)
 教科担当の先生にはさぞ迷惑だっただろう。担任の先生も教科担当との間に挟まり、苦労されただろう。この生徒は難易度の低い宿題もほとんど拒否した。現役で国公立大医学部へ進学するので、そんな難易度の低い問題で時間を潰す暇はなかったのだ。合理的に考え、判断し、行動できる中学生となっていた
 長期戦略を立てるのはいいが、こうした個別の障害が出てきたときに、臨機応変に処置して、打開策を見つけることも手を抜けない仕事なのだ。予定外が発生してもちゃんとスケジュール通りに仕事するのは、システム開発でPERTチャートを使っていたから、できることなのだろう
 英語の教科書はしっかり音読していたようで、内容を細部にわたって熟知していた。だから、中学校のときには質問に答えるだけで、ほとんど教えていない。どきどき教科書の内容に引っかかるような質問をして、どの程度記憶しているか、すなわち勉強しているか確認していた。音読さえしっかりやっていたら、後はシリウスで十分だ。

 ついでに書くが、小学生で英語教育に効果があるのは成績上位10%ぐらいなものあとはお金の無駄と日本語つまり国語に悪影響が出る日本語語彙が爆発的に増える時期に、英語をやるなんて狂気の沙汰、普通の学力の子どもたちは失うもの(日本語語彙の拡張を見逃し三振)が大きすぎる。英語の発音をマスターし、日本語語彙を飛躍的に増やせる資質のある生徒は10%に満たない。5%もいるのかな
 論より証拠、小学校からずっと英語を習っていたのに高校生になっても英検2級が取れないという生徒はとっても多いのです。この生徒は2年生の時に、共通テストで英語は外部試験で判定となっていたので、準2級と2級を続けざまに受験してハイスコアで合格しています。ライン配信で英作文トレーニングを7か月ほどしたので、語彙を増やして問題集を1冊解けば準1級合格レベルです。大学へ入学したらさっさと準1級はとっておいた方がいい。将来、米国の大学へ進学する可能性がある。

 授業で気をつけたことがある、教え込みすぎるといけないということだ。自ら勉強すると疑問が出てくるし、その疑問のほとんどは自分で考え抜けばわかる、それでもどうにもならないときに質問をぶつけてくる。だから対話スタイルの授業を7年間繰り返し、思考の鋳型を造り上げた。ひたすら問題演習をして、ときどき、鋭い質問をぶつけてくるから、楽しい。
 他の生徒も嫌いな英語でも勉強が進むと質問の内容が違ってくるので、学力アップがすぐにわかる。質問を吟味していればいい。

 現役合格にこだわったのは、生徒自身がそれを切に願っていたからだ。中1の「お迎えテスト」(第一回目の学力テスト4科目)では啓雲中で学年1位だが2位との差が1点だった。次の定期テストは2位と2点差。そこからぐんぐん2位との差が開いていった。定期テストの成績はどうでもいい、とにかく1年間の余裕を作ることが目標だから、先取り学習を進めるのが最優先事項。定期テストの学年トップは棄てていい、学力テストのトップも生き崖の駄賃でいいと言い続けたが、学力テストのトップにはこだわりを捨てられなかったようだ。3年間通して学力テストも定期テストも学年トップを撮り続けた。位置学年50人ほどしかいないからそんなに大したことはなかった。一番いい時で300点満点で280点を超えた。それくらいの生徒なら、根室市内には毎年一人はいる。2月に行われた中3最後の学力テストで、293点をとった生徒がいる。札幌南へ進学予定と聞いている。このように優秀な生徒は毎年数人いる。だから、育て方次第で、根室高校から毎年国公立大医学部や北大総合理系へ進学する生徒が数名いて、当たり前なのだ。それがそうではないのだから、育てるシステムがないということ。20年前には生徒の数が2.5倍くらいいたから、ずいぶんもったいない話だ。
 この生徒は根室高校に進学してからも全国模試で学年トップを取り続けた。最後の共通テストまで学年トップであるが、結果論である。大学入試に焦点を合わせていたので、途中での全国模試で学年トップは「いきがけの駄賃」だった。
 町づくりの基礎は将来この町を担う子どもたちの学力アップから始まるとわたしは考える。

 今回はここまでにしておきます。次回以降をお楽しみに!


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#4485 福島県沖地震M7.3と四百年に一度の巨大地震 Feb. 14, 2021 [12. 自然災害への備え]

  昨夜地震が起きた。揺れは1分間を超えた。東北大震災(M9.0)のときは2分を超えたから半分程度。揺れの大きさは数分の1程度だった。M0.3アップすると2倍の規模だから、1/2^6、つまり1/64の規模の地震だったということ。根室の揺れが小さいわけだ、震度1くらいなもの。震源に近いところは震度6だった、食器棚は倒れる、冷蔵庫は動く、驚いただろう。

*朝日新聞ニュース
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発生は13日午後11時7分。震源は福島県沖で、震源の深さは55キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・3。震源が深いことから津波の発生は確認されていない。
 宮城県蔵王町と福島県国見町、相馬市、新地町で震度6強を観測し、北海道から中国地方までの広範囲で揺れを記録した。
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 東北大震災の震源地と陸地の半分くらいの距離のところが今回の震源地である。東日本大震災の震源域が太平洋プレートと日本列島の境界域を震源とするものだったが、今回は距離がずっと日本列島寄りだから、太平洋プレートが日本列島の下部に入り込んだ深いところで起きたと考えられる。震源の上に大陸棚が載っているので津波も起きなかった。震源の深さが10km程度の浅発地震で都市部に近いと、甚大な被害を出しただろう。関東大震災がそうだった。
 海でも浅発地震は大きな津波を起こす。今回は津波も起きなかった。不幸中の幸いである。福島県や宮城県のみなさんはぞっとしたに違いない。
 震度6の市町村が多数あった、怪我人が100人弱、死者はゼロ。

【四百年に一度の地震】
 千島海溝を震源とする大地震が四百年に一度起きていることがわかっている。いつ起きてもおかしくない。地層に砂の堆積層が5500年間で13回残されているという。20mクラスの大津波が北海道東部の太平洋沿岸を13回襲った痕跡である。予想されるマグニチュードは8.8超である。昨日の地震の32倍のエネルギー規模ということ。
 大津波を引き起こしたということは千島海溝沿いで比較的浅いところで地震が起きたということだ。避難時間がどれくらいあるかは、以前計算して計算値をアップしたことがあるが地震発生後20分で津波が道東沿岸を襲う、新幹線より速い。

 根室の太平洋岸は、200-500mも歩けば30mを超える高い台へ避難できるから、大きな地震を感じたらとにかく高台へ避難すれば、奪われるのは物的な財産だけにとどめられる。
 釧路の教育を考える会に関わっていたので、釧路の人たちと親交がある、釧路が心配だ。高台は海の近くに何か所かあるが狭い。一箇所避難用建物の建設計画があったと記憶するが、人口から判断すると数十箇所必要になる。近くの高台へのアクセスを確保する必要があるのだろう。湿原は奥深くまで広がっている。現実的な避難計画と準備が急がれる。
 M9.0の四百年に一度の巨大地震と大津波は明日来るかもしれぬ。準備があれば人的被害は1/10以下に抑えられる。もちろん、おカネも積み立てておくべきだ。釧路市財政も根室市財政も借金を減らし、地震対策積立金を難関予算額と同等額くらい、平時に積み立てておくべき。国の補助金が7割とすると根室市の財政規模なら地元負担3割で、700億円弱の復興資金を借金せずに投下できる。命さえあれば、財政的にはびくともしない。

 ふるさと納税資金はいわばあぶく銭、400年に一度の巨大地震と津波は必ず来る。無駄なことにお金を使っている余裕はない。両方の市長や市議会は具体策を考え、実施に移しているのか?
 400年に一度の地震と大津波という危機を目前にして、自分が市長や市議会議員であることの使命と責任をよく考えて行動してもらいたい。


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#4484 正直・誠実・公正さと東京オリンピック Feb. 12, 2021 [8. 時事評論]

 女性蔑視発言で森喜朗オリンピック組織委員会会長が引責辞任した。後任を自分より年上の川淵氏を指名した。80歳過ぎのご老人を会長職につけるのはやめにしてもらいたい、うんざりです。

 東京オリンピック招致は日本人の評価を著しく落としてしまった。7000億円でコンパクトなオリンピックをやるのだと約束したが、4倍以上になろうとしている。招致のときに3兆円かけますと正直に宣言したら、東京オリンピックは招致できなかったにちがいない。「復興オリンピック」というキャッチコピーもあったが、放射能で汚染された周辺市町村は元には戻っていない。いわば詐欺のような行為をやってまでオリンピックを招致したのだ。嘘と偽りはオリンピック憲章にある「フェアプレーの精神」に真っ向から反している。選手がどんなにフェアプレーをやっても、招致がアンフェア―なら、そこにオリンピック精神は具現化されていない。
 お金に関してさらに言えば、招致にかかわっている国際オリンピック委員の息子のダミー会社に億を超えるお金を振り込んでいる。あれはうやむやのままだ。お金で票を買ったのだ。
(JOCにも大きな問題があるが、国際オリンピック委員会は利権まみれである。一度解体して、理念を確認し、それにふさわしい委員会を立ち上げるべきではないのか?)

 そしてオリンピック組織委員会会長森喜朗氏による女性蔑視発言に続く口先だけの謝罪会見、それを見て国内世論も国際世論も非難囂々、ついに引責辞任せざるを得なくなった。
 嘘と利権にまみれた招致運動に当初からかかわってきた森喜朗氏にどんな功績があったというのか?どのような嘘と罪があったのかを問うことこそがふさわしい。

 次の会長に川淵氏を指名した。川淵氏は相談役として森喜朗氏に残ってもらうと明言している、老害を絵に描いたようなもの、慨嘆せざるを得ない。
 日本のオリンピック組織委員会は言うに及ばず、国際オリンピック委員会は利権まみれ、自滅の道をまっしぐらに見えます。
 オリンピック組織委員会の面々もオリンピック委員会の人たちも、オリンピック憲章を読んだことがないのだろう。

 嘘と利権で塗り固められた東京オリンピックに反対する国民が少ないとしたら、それは日本人の倫理観が著しく劣化したのだということ。
 そうだよな思い当たる節がある。108回も国会で嘘をつき続けてきても罪にも問われぬ元総理の安倍晋三氏にも日本人の倫理観の崩壊が象徴されていた。国のトップですらあの体たらくです。安倍政権の政策を忠実に受け継ぐと宣言した菅総理は大丈夫か?この国のトップレベルの政治家の道徳観はどうなっているのだろう?

 35年間東京都民だったものからの提案です。東京都知事の小池百合子さん、思い切って東京大会を返上なさったらいかが?コンパクトオリンピックはとっくに予算オーバーで出せる追加予算はありませんと言えばいい。

オリンピックの運営費はなぜ当初予算の何十倍にもなるのか

 当初予算は3013億円だったという記事もありました。
**東京五輪、当初予算の6倍の2兆円に…破綻したコンパクト五輪、「引き算」の五輪で (biz-journal.jp)


オリンピック憲章
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オリンピズムの根本原則
1. オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、 バランスよく結合させる生き方の哲 学である。 オリンピズムはスポーツを文化、 教育と融合させ、 生き方の創造を探求するもの である。 その生き方は努力する喜び、 良い模範であることの教育的価値、 社会的な責任、 さらに普遍的で根本的な倫理規範の尊重を基盤とする

2. オリンピズムの目的は、 人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、 人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。

3. オリンピック ・ ムーブメントは、 オリンピズムの価値に鼓舞された個人と団体による、 協調の取 れた組織的、普遍的、恒久的活動である。その活動を推し進めるのは最高機関のIOCである。 活動は 5 大陸にまたがり、 偉大なスポーツの祭典、 オリンピック競技大会に世界中の選手を 集めるとき、 頂点に達する。 そのシンボルは 5 つの結び合う輪である。

4. スポーツをすることは人権の 1 つである。 すべての個人はいかなる種類の差別も受けること なく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。 オリンピッ ク精神においては友情、 連帯、 フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。

5. オリンピック ・ ムーブメントにおけるスポーツ団体は、 スポーツが社会の枠組みの中で営まれ ることを理解し、 政治的に中立でなければならない。 スポーツ団体は自律の権利と義務を持 つ。 自律には競技規則を自由に定め管理すること、 自身の組織の構成とガバナンスについ て決定すること、 外部からのいかなる影響も受けずに選挙を実施する権利、 および良好なガ バナンスの原則を確実に適用する責任が含まれる。

6. このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、 政治的またはその他の意見、 国あるいは社会的な出身、 財産、 出自やその他の身分など の理由による、 いかなる種類の差別も受けることなく、 確実に享受されなければならない。

7. オリンピック ・ ムーブメントの一員となるには、 オリンピック憲章の遵守および IOC による承認 が必要である。
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#4483 根室高校から旭川医科大学現役合格:岡田太志君おめでとう Feb. 10, 2021 [65.a-1 旭川医大現役合格者の軌跡]

 旭川医大医学部に根室高校生が現役合格しました。国公立大学医学部への合格は2人目か、初めてかはわたしにはわかりません。根室高校が確認するでしょう。
 「学校推薦型選抜(道北・道東特別選抜)(医学科) 」合格者10人のところ受験者26名でした。
 問答無用で半数が共通テストの点数でふるい落とされます。その後、課題論文と面接が300点ずつで600点、それに共通テストの点数が加算されて、合否判定されています。
 (学校から「試験成績」が届いて、推薦合格者10名中2位の成績であることがわかりました。課題論文が295点です。6/2追記)

 根室高校は偏差値42-45の高校ですから、塾で数学と英語と国語をやっていても選択3科目で大きな差がつきます。進学校の授業はハイレベルで難易度の高いものです。生徒の学力が高いところでそろっているからできます。根室高校でそういう授業をしたら、95%の生徒がおちこぼれるのでできません。今回は物理の山口先生と化学矢萩作先生が生徒の要請に応じて2か月ほど、週1回の補習授業を希望した生徒に実施してくれてます。それでも2年間ハイレベルな授業を受けてきた進学校、例えば釧路湖陵の生徒とははっきり差がついてしまいます。そこが今後の課題です。3科目の授業レベルの差が総合点で40-60点くらいのハンディになってしまいます。この差は大きい。この生徒は707点でした。推薦枠での受験者の中央値よりも高かったということ。メジアンに届かない生徒は足切りされます。そこで26名が半分の13人になる。あとは、小論文の点数300点満点と面接の点数300点満点を加算して、合計点で順位付けし、高い方から10名だけ合格です。つまり、さらに3人が落とされます。結論から言うと、共通テストの得点が大事だということ。推薦枠の応募者の得点の中央値よりも高い得点でなければならない。

 彼がニムオロ塾に通い始めたのは、小5の正月からでしたから、標準的なスタートよりも1年9か月遅れていました。今はスマートですが、少し肥満気味でした。家庭学習の習慣をお母さんがしっかりつけてくれていたので、やりやすかった。
 母親の役割は重要です。家庭学習の躾や大人に対する言葉遣いの躾は基本的には母親、子どもは周りの大人と会話することで言葉遣いとマナーを身につけていきます。だから、まわりに言葉遣いのきちんとした大人がいることも大事なのです。面接のときや議論するときに違いがはっきり出ますよ。シビアな議論をするような場面になったら、付け焼刃では地金が出てしまいます。そういう場面のない時はぼろを隠すことはできます。メッキじゃなく本物の方がいいに決まってますよね。その点はしっかりしてました。こういうタイプの出現確率は百人に一人、偏差値73くらいかな。
 四十数年前に渋谷の進学塾で三年間だけ教えていた時には、首都圏の子どもたちは、難関私立有名校への進学や都立難関校への進学のための受験勉強を小4から個別(or個人)指導塾への通塾でスタート。いまはもっと早くなっているようです。
 高校生になってから、時間の使い方がとっても上手になりました。中学時代は土日はほとんど勉強してませんでした。しかたないなあ家庭の方針もあるからと、口はさしはさまず。高校生になったら、いまのようにはいかないよ、土日は10時間勉強することになると言い続けてきたら、高校生になったらしっかり切り換えてくれましたね。素直さがあるのと、セルフコントロールに長(た)けていました。都会で勉強している生徒と遜色がないと、ようやく手ごたえを感じました。じっと見ていて、自分でやる気を出すのを待っていたのです。
 最初から予習方式で勉強してきました。塾用問題集「シリウス」を使って、コンパクトな解説を自分で読んだだけで全問踏破、よく頑張ったと思います。数Ⅲだけは青チャートを使いましたが、これも例題を読んで理解したらすぐに演習問題を全部解いていきました。わたしは、時々、相談に乗ったり質問に答えるだけです。『1対1対応シリーズ』は面白い問題だけピックアップしてました。ちっともやさしくない『やさしい理系数学』もやってました。
 英語は教科書3年分を1年半ほどで終了し、ハラリのSapiensを原書で読みました。生成文法での構文解析を併用しています。これは弊ブログのカテゴリー「Sapiens」に授業で採り上げた文章を41回にわけて公開してあります。昨年1月14日から英作文の特訓。NHKラジオ講座英文法、大西泰斗先生のテキストを英作文問題に利用してトレーニングしました。会話の論理的なフローを重視した英文になっているので70-100語程度の文を書くトレーニングになってます。英検2級ではしんどいレベルの英作文トレーニングだと思います。11月20日第135回、1000題までで配信ストップ。その後もため込んで約4200題、A4判で555回564頁の『英作文問題及び解説集』になっています。まだやめられないとまらない。(笑)
 国語は音読指導だけ。15冊ほど読みましたが、最後の方は大学生でもかなりのハイレベルでなければ理解できないレベルの本でした。たとえば、『福翁自伝』(岩波文庫)や山本義隆『近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻』(岩波新書)です。共通テストの現代国語はほとんど満点だったようです。入試問題程度の論理的な文章を読んで外すことは滅多にない。もちろん、国語の受験問題集は学校の先生に進めてもらったものを1・2冊しっかりやっています。塾でやったのは基礎作りだけ。気が向くといくつか論点を拾い上げて意見を聴いたり、議論してきました。大学のゼミ程度のレベルにはなっていましたね。元々原価計算論のゼミに入るつもりでしたが、結局、市倉宏祐教授(哲学)のゼミでマルクスの著作を3年間読んだので、シビアな議論の癖があります。十分ついて来れましたね。

 根室高校の普通科の定員は120人、商業科と事務情報科を含めても160人前後にすぎません。それでも、毎年3人くらいは小学4年生から長期戦略に従って勉強すれば、国公立大医学部や北大総合理系程度の難易度の学校なら合格できる生徒がいます。
 そうした3人の中から1人が毎年医学部へ進学してくれたら、根室の地域医療の未来は明るい。
 毎年医学部合格者がでて、市立根室病院に4人に1人くらい地元出身の医師がいて支えてくれたら、もっと運営がやりやすくなるし、毎年16-17億円垂れ流している赤字も減らせます。菅政権とふるさと納税制度は命運と共にする可能性がありますので、準備はしておいた方がいい。
 根室高校からでも国公立大学医学部に合格できるなら、学齢期の子どものいるドクターが市立根室病院へ赴任してくれるようになるでしょう。地域医療の状況を大きく改善できます。地域医療の未来は根室に住んでいる私たちが創らなければいけません。自分たちにやれる範囲のことはやる(自助)ということ。
 それぞれが自分の仕事を通じてやれる範囲のことをするだけでいいのですよ。根室市教委には市教委の、市長には市長の、市議会文教厚生委員会には委員会の、学校の先生たちにはそれぞれにやりうることがあります。それをまっとうにやるだけでいい。わたしもそうしてきただけです。そうすれば、子どもたちは期待に応えてくれます。


 いつまでの何をどれくらいやればよいかは、7年間の記録を弊ブログにアップしてきました。あちこちにばらけているので探しにくいでしょうね。何か方法を考えます。
 一番大事なことは小学校低学年での学習スタイルの確立です。家庭学習習慣をつけるというのはお母さんの役割ですよ。学習習慣の躾です。これも具体的な方法をどこかに書いてます。同級生のAの君が優れた方法を教えてくれました。彼、毎年小学校の新入生の保護者を集めて家庭学習習慣のしつけ方を講演してくれたら、子どもたちの学力がずいぶんアップできると思います。市教委がバックアップすればいいだけ。論より証拠、彼は子供三人とも国公立大へ進学させてます。
 弊ブログの記録を参考にして小中高生は勉強、先生方には指導をお願いしたい。そのためにいままでブログに詳細に指導内容を公開してきました。

 ぜひ、かれに続く生徒が多数出てほしいと願っています。

 岡田君、現役合格おめでとう。

<旭川医大学校推薦型選抜(道北・道東特別選抜)(医学科) について>
 選抜は、
 課題論文 300点
 面接   300点
 共通テスト900点
 合計   1500点

 共通テストの得点の中央値以下の生徒は足切り。この生徒は79.2%の得点。
 同じ得点の場合は課題論文の得点の高い方、それも同じなら面接得点の高い方が選抜される。

 授業の合間に、地域医療については度々具体的な議論をしてきたから、この生徒は地域医療についての具体的なビジョンをもっています。もちろん家庭でも親の仕事を観察しているのでそこからもたくさん吸収しています。だから、課題論文も面接も高得点だったでしょう。
 臨床検査最大手SRLで16年間仕事してきましたし、300ベッド弱の療養型病床群の病院で常務理事をして、病院建て替えをしたことや、シームレスな老人医療介護について経験がある。そういうもろもろのことも授業中の雑談に取り上げてきました。かれは数学の問題を解きながら、雑談できるのです。脳がパラレル処理をやるのに慣れてしまっています。

<北大理系総合合格圏内の生徒が二人>
 根室高校三年生には他に二人優秀な生徒がいます。2次試験の勉強中です。二人とも合格してもらいたい。一人は共通テストでいきなり学年2位に躍り出てきた生徒です。通塾していない生徒、数学のセンスが良いと聞いています。ふたりとも頑張れ。競争相手が数人いると、団子になって得点がアップしていきます。面白い現象です。光洋中学校がときどきそんな年がありましたね。5人くらい団子状態になって突出してしまう。


<主治医岡田優二先生とわたし>
 2006年の6月のある日、1日前に食べたうどんが消化できずに逆流、胃が詰まって何も入らぬ状態、胃癌であることははっきりしていたので、延ばし延ばしにしていました。女房殿に「もう食べられない状態になっているのにどうして医者に行かないの?」と叱られて、ようやく行く気になりました。オヤジの兄弟が全員癌で死んでいるので、診察が嫌でした。オヤジの兄弟もオヤジも癌で3年以内に全員なくなっていますから。
 あの当時は根室で消化器内科専門医は岡田医院の優二先生だけ、ついていました。すぐに内視鏡で診察してくれで、診断は癌。先生は内視鏡画像を見せてくれましたが大きな腫瘍でふさがっていました。内視鏡が通らない。「癌だったでしょう?」と尋ねると、うつむいて、申し訳なさそうに「癌です」、「もう食事が通るような状態ではないのですぐに入院の必要があります」。
 釧路市立病院は1か月くらい待ち、釧路医師会病院なら副院長が先輩なのですぐに入院できるとのこと。2週間後に中学生の定期テストが迫っていたので、それが始まるまでは授業をしたいと、入院拒否。岡田先生に叱られました。食事もできない状態で仕事がやれるわけがないと。だけど、これが最後の授業だろうと思ったから引けなかったのです。入院手続きを待ってもらいました。生徒たちには「お腹にオデキができたので取ってくる」と言ったら、笑って「先生、退院待ってるから」とあかるく送り出してくれました。そう云って呉れた生徒の顔を今でも覚えていますよ。ありがたかった、生徒の言葉が温かかった。ヨガのまねごとを数十年間してきたので、身体の声が聞こえます。重くて冷たいものが広がっていくのがはっきりわかるんです。気味の悪い感触です。スキルスがあると確信していたので、そう富田副院長に伝え、2週間ほどさまざまな診察を受けて、スキルス胃癌と巨大胃癌の併発の診断がつきました。すぐに入院しなかったので進行していて、開腹したら手遅れ、若き外科医である後藤先生の手が止まって「開け閉じ」しようとしたら、ベテラン外科医の浅川院長が「ざっくりとったらいい」と続行指示。6時間の手術で、胃の全摘、リンパ節切除、浸潤していた横行結腸切除、胆嚢切除、わずか700ccの出血で輸血なし。ドクターの腕がよかったので奇跡的に助かりました。外科医の後藤先生は手術のときに肝臓に触って診察、どうやら転移しているようす、1か月後に手術する予定と術後三日目くらいに告げられました。そのご経過観察しましたが、大丈夫でした。
 よく生き延びたと思います。天が何かをしろと命じているような気がして、自分にできる範囲のことをあれから坦々とやってきました。当初は授業中に立っているのがつらくて、座って授業することが多くなりました。無理せずにやればなんとかなることが分かったのと、だんだん自分の身体の状態に慣れていったのです。
 この度は命を救っていただいた優二先生に、すこしだけ恩返しができたことをうれしく思います。太志君よく頑張った、セルフコントロールのできるいい生徒に恵まれました、ハッピーな出遭いに感謝です。

<看護専門学校受験生たち>
 一番最初に決まったのが浦川日赤付属看護学校の生徒でした。11月ごろだったかな。次が釧路労災病院付属看護学校へ学校推薦の生徒。この生徒は内申点が4.8でした。「どうして大学受験ではなくうちの学校へ?」と面接で学校長に聞かれたそうです。三人目は釧路孝仁会付属看護学校と岩見沢市立病院付属看護学校に合格、明後日釧路市立病院附属看護学校の合否発表があります。本人は岩見沢に決めているようです。雪が多いな。(笑)
 臨床検査の学校へ進学を決めた生徒がいます。わたしがSRLという最大手の臨床検査会社に16年間勤務していたと言ったら、驚いてました。そうだよね、塾先生としては一風変わった経歴の持ち主です。

 他に、大学受験組が三人います。いま戦ってます。もうちょっとがんばれ。一人は第一志望校が共通テストでA判定だったのでルンルンです。二人は真剣勝負しないと第一志望は危うい。もうちょっと頑張りぬけ!

<余談:二次試験>
 旭川医大の昨年の一般入試二次試験のトップは270点/350点満点、77.1%の得点でした。今年は科目が減って数Ⅲと英語のみ。どちらも彼の得意科目ですから、過去問をやって75-80%の得点が可能なところにいました。「先生、英語簡単です」なんて言ってました。ハラリのSapiensに比べたらずっと楽。昨日まで二次試験のために勉強してました。
 一般入試で二次試験受けたらトップ合格だったかもしれません。1年半ほど、数学と英語は共通テスト無視して難易度の高いものをやってました。(笑)

#4486 国立医科大学現役合格は長期戦略が決め手 


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