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#4148 ウェイクフィールドのチアキ先生逝去 Dec. 13, 2019 [87.根室の話題]

 生徒たちから昨日聞いた話を書く。まだ、亡くなるような年齢ではないはずだが、ウェイクフィールドのチアキ先生が亡くなったという、昨夜がお通夜、生徒たちの話である。キリスト教徒だったので教会で葬儀が執り行われると言っていた。


 最近は塾で教えていなかったというから、入院されていたのだろうか。年齢は存じ上げないが、啓雲中学校の授業参観の折に2度お見かけした。少し派手目の素敵なメガネをかけてました。
 根室へ移り住んで20歳から塾を始めたと、以前新聞記事で読んだ記憶があります。以来、四十数年間教えて来られた。
 毎年、12月に英語劇(ミュージカル)を開催するユニークな塾ですから、「チアキ先生大好き」で通った生徒が多いと聞く。
 12月21日に予定されている恒例の英語劇は追悼公演になるのでしょう。これも根室にはなかった文化の一つ、しかも若い人たちが担っている。
 あらゆる教育のゴウルは自立である。

 根室の子どもたちの英語教育に貢献のあった方が亡くなった。謹んでお悔やみ申し上げます。

 四十数年間も旭川出身の人が根室で私塾経営を通じて子どもたちの教育に貢献してくれたのだから、市のほうから賞を贈呈し、敬意を表したらたらいかが?

 高橋珠算塾も目覚ましい成果を上げたが、五十年はおやりになっていたのでは、全道屈指の珠算塾だった。そういうスケールでものごとを見ている根室人がすくない。
 故・高橋尚美先生は釧路出身の人、やはり20歳くらいで根室へ来て、ずっと珠算教育に渾身の力で取り組んでいた。わたしは小学5年生から高校卒業までそばで仕事ぶりを見ていた。高校生の時に仕事を一部お手伝いもした。全珠連への切り替えのときに帯広での全道集会に誘われてご一緒したのは高校1年生か2年生だった。根室商工会議所主催の第一回市民珠算大会はわたしが根室高校側の調整をし、高橋先生が珠算塾と商工会議所側の取りまとめをした。選手宣誓と暗算種目のみ出場し、残りの種目では主催者側の一人、大会読み上げ算では読み手の一人だった。先生は珠算教育を「男子一生の仕事」、そうおっしゃっていた。いまは根室の土になっている。
 横田根室市長の息子さんが一番弟子、中標津からの転校生で、珠算は中標津でやっていたらしい。転校してきて高3のときに入塾して商工会議所珠算能力検定試験1級に合格、ついで東大へ現役合格して、道庁へ勤務し、上川支庁長で定年退職した。35年ぶりに故郷へ戻ってきて正月に表敬訪問した折に年賀状を見せていただいた。2番目の弟子は岬町で珠算塾をやっている澤山先輩、中央大学文学部卒、わたしより2歳上、3番目がわたし(?)だった。根室高校では日商珠算能力検定試験1級合格二人目。じつはその後がすごかった、日商から全珠連の段位認定検定に切り換えて、五段がわたしより6歳くらい下の学年で4人ほど続いた。前を走ったのは多田さんと駒沢さんという名前の小学生だったと記憶している、記憶違いでお名前を間違っていたらごめんなさい。十段位もいたと聞く。そんな珠算塾は北海道にたった一つだったかも。
 根室市は閉鎖的で、根室出身者以外には案外冷淡だ。そろそろそういう器の小さい悪弊から脱しようではないか。

 根室の教育は根室出身ではない人たちにも支えられている。そういう人たちを分け隔てなく大切に思う市政や教育行政であってほしい。

(追記:実際には市民斎場でお通夜がなされた。享年62(満61歳)、まだ若い、悲しいね)


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#4147 眼科受診:緑内障前期症状あり Dec. 13, 2019 [36-1 白内障手術とその後]

 12/11に市立病院で視野検査をしたあと、岡田医院へいって12/4に採血をしてもらった検査結果を聴いた。体内貯蔵鉄は補充しなくても大丈夫ということで、ビタミン12の注射のみしていただいた。

 朝7時少し前から病院玄関前に並ぶ、どういうわけかいつもの半分以下の行列。ドアが開くことには15人。7時と同時にドアが開き、診察券を機械に通して、受付終了。並んだ順番は9番目だったが、眼科受付番号は11番目、9011だった。全員眼科受診だったのかな?
 いったん家へ戻り、柿とリンゴとヨーグルトを食べて、病院へとって返す。8時20分に受付カウンターの前で名前を呼ばれるのを待つ。診察と会計が終わったのは9時半、早かった。

 今日(12/13)は大谷真一先生に診察と視野検査結果の説明をしてもらった。白内障手術をした左目がやはり視神経が薄くなっている。いままで3回検査して、同じ個所の視神経が薄くなっている像が確認できた。「緑内障前期症状」との診断名がついた。半円形の診断判定図ではちょうど真ん中、90度のところである。視野検査では視野の欠けている部分がない。これが欠ける部分が出てくると、正真正銘の緑内障で、眼圧を下げる点眼治療が始まる。
 眼圧を測定した結果は1.3、基準値が1.2-2.1だから、眼圧の異常は出ていない。白内障手術をすると眼圧が下がるという説明を受けた。6か月に一度の頻度で経過観察をすることになった。
 国内臨床検査最大手であるSRL社の八王子ラボで3年間ほど検査機器の購入担当をしていたことがあるので、世界中の検査機械のトップメーカの製品を見て来たし、毎年20-30億円ほど一人で買っていたので、目が肥えている。視野検査の機械も視神経の厚みの測定機器もカールツァイス製だから世界最高、そして、眼科医は大谷真一先生。いつまでもいてもらいたい

 いくつか気になっていたことがあったので診察の合間にお聞きした、先生は娘と同じ年齢のようだ。

 40代のドクターが根室に赴任するときに一番心配なのは子どもの教育である。根室に赴任してきても子どもが医学部へ進学するのに不安のない教育環境があるのが望ましい。根室管内は全道14支庁管内で最低の学力である、これでは子どもを連れて赴任できない。なんとかしようではないか。

<余談:ドライアイ>
 ドライアイの点眼液「ジクアス点眼液3%」を半年分(18個)処方してもらったので、藤薬局へいって受け取ってきた。薬剤師の藤枝さんはわたしと年齢が一緒。
「尿管結石だいじょうぶかい?あれ痛いからね」
「10月に東京へ行ったときに出たよ、痛かった、あれは嫌だね、毎日水分摂るように心がけてるよ。心配してくれてありがとう(笑)」
「(尿管結石は)癖になるから、気を付けてください」
 いつもにこにこ、愛想のよい藤枝さんです。

<余談-2:院内放送>
 「インフルエンザが流行っているのでマスクの着用してください」と何度か放送があった。入院患者のお見舞いも、なるべく控ましょう。
 病院の理事をしていたことがあるので、インフルエンザ流行期は病棟内の感染に特に気を配っていました。漁人病院で300人近くの入院患者がいましたから。インフルエンザ対策はどこの病院も流行期は対策がたいへんです。入院患者の命にかかわりますから。
  

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#4146 インフルエンザA型:根室でも感染拡大中 Dec. 12, 2019 [87.根室の話題]

 根室ではいまインフルエンザA型が急に感染拡大している。根室高校は学級閉鎖がなかったが、生徒たちの話だが、9人感染しているクラスもあるというから、明日にも出そうである。
 ニムオロ塾ではインフルエンザに罹っているのはひとりだけ、でも学級閉鎖や兄弟姉妹が罹っている生徒は四人に一人います。今年は多いね、そして(流行の始まるのが)早い。
 年内いっぱい気を付けましょう。なるべく人ごみに出かけないようにし、出かけるときはマスクをしましょう。
 マスクがどれくらい効果があるのかわかりませんが、なんとなく安心できます。なにやら今年のインフルエンザは感染力が強い様子。
 東京もインフルエンザA型の感染拡大が起きてます。
*「2018年より3週早く 東京にインフルエンザ注意報」「FNN.jpプライムオンライン
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東京都で、2018年より3週間早く、インフルエンザ注意報が出された。
インフルエンザA型の流行が拡大していて、都内の学校などでの集団感染は610の施設にのぼっている。
今シーズンに入っての学級閉鎖は、2018年の同じ時期の5倍以上で、14歳以下の感染が7割を超えている。
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#4145 幼児教育保護者会:12/18北方四島交流センター Dec. 12, 2019 [87.根室の話題]

 お知らせです。
 北海道教育委員会幼児教育推進センターによる幼児教育についての保護者会が開催されます。
 日時:12月18日水曜日午前9時30分から12時10分まで
 場所:北方四島交流センター
北海道教育委員会幼児教育推進センター☆保護者研修会のお知らせ☆子育て講話|
https://ameblo.jp/kidsbarber/entry-12555424582.html?fbclid=IwAR3ru6BG89kzQN8Y81QYgqKc8byK5Bu-Oko-fzcJqKr9pAwcGl3GqyKiB0s


写真の説明はありません。


 根室管内の中学生はは北海道14支庁管内で最低の学力であることが、2019年度の全国学力調査で明らかになっています。根室管内の中でも根室市は別海町や中標津町よりも中学生の学力が低い。何とかしたいですね。
 就学前の家庭の教育と学習のしつけがその後の子どもの学力を大きく左右しています。就学前と実際に小学校へ入学してから2年間が家庭学習習慣を育むために重要です。どうやったらいいのか、これから学校へ入学する子どもをお持ちのお母さんやお父さんたちは、ぜひ参加して質問されたらいかが?
 それにしても、働いているお母さんたちは行けない、土曜日か日曜日にやればずっと参加しやすい…



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#4144 中村哲医師こそ国民栄誉賞にふさわしいのでは? Dec. 12, 2019 [8. 時事評論]

 アフガン民間機の尾翼に中村哲さんの顔が描かれている。
*https://www.msn.com/ja-jp/news/world/アフガン民間機、尾翼に中村さん肖像「愛し尊敬してた」/ar-AAK0u5N?ocid=spartanntp


**干ばつの大地に用水路を拓く
https://www.youtube.com/watch?v=y2Du_SLRhhI

 飲み水がなく、濁った水を子どもたちが飲まざるを得ない。治療しても水が悪ければ赤痢などの病気は次々に子どもたちや大人を襲う。子どもたちの命と健康を守るには井戸を掘りそして水を引くしかないと、22.5㎞の用水路の掘削を始めて遂に完成する。掘った井戸の数も1600を超えている。
 いまでは灌漑用水を引いた周辺は緑の穀倉地帯にかわり、小麦が豊かに実り、住民たちがそこで健康に暮らせるようになった。住民の健康を守るだけでなく難民の発生も防ぐことができた。

 こういう人にこそ、国民栄誉賞をあげたい。しかし、日本政府にとってはまことに耳の痛いことも言っている。主義主張が違っても、政府の政策とは違っていても、人として実に大きな、国民栄誉賞にふさわしい仕事をしたのだから、あげたらいいではないか。
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アフガニスタンでの活動について、「向こうに行って、9条がバックボーンとして僕らの活動を支えていてくれる、これが我々を守ってきてくれたんだな、という実感がありますよ。体で感じた想いですよ。武器など絶対に使用しないで、平和を具現化する。それが具体的な形として存在しているのが日本という国の平和憲法、9条ですよ。それを、現地の人たちも分かってくれているんです。だから、政府側も反政府側も、タリバンだって我々には手を出さない。むしろ、守ってくれているんです。9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それが、ほんとうの日本の強味なんですよ。」と語り、憲法9条の堅持を主張した[21]
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*https://ja.wikipedia.org/wiki/中村哲_(医師)

<国民栄誉賞>
1977年(昭和52年)8月30日に内閣総理大臣決定で制定された国民栄誉賞表彰規程に基づいており、その目的は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること[4]と規定されている。表彰の対象は、「内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認めるもの」



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#4143 李栄薫著『反日種族主義』を読む① Dec. 11, 2019 [44. 本を読む]

 リライアブルにFB友の岸田さんの近著『青学発岸田教授の「エネルギー文明論』を注文しに行ったら、標記の本が平積みされていたので購入した。その隣に、『スノーデン独白 消せない記録』もあったので、それも。

 著者の李栄薫は「種族」概念を次のように定義している。

さらに長期的かつ巨視的に物質主義の根本を追求していくと、韓国の歴史とともに長い歴史をもつシャーマニズムにぶつかります。シャーマニズムの世界には善と悪を審判する絶対者、神は存在しません。シャーマニズムの現実は丸裸の物質主義と肉体主義です。シャーマニズムの集団は種族や部族です。種族は隣人を悪の種族とみなします。客観的議論が許容されない不変の敵対感情です。ここでは嘘が善として奨励されます。嘘は所属を結束させるトーテムの役割を果たします。韓国人の精神文化は、大きく言ってこのようなシャーマニズムに緊縛されています。より正確に表現すると、反日種族主義と言えます。」同書24頁

シャーマニズムトランスと呼ばれる特殊な心理状態において、神仏や霊的存在と直接的に接触・交渉をなし、卜占・予言・治病・祭儀などを行うシャーマンを中心とする宗教現象。『大辞林』より 

 「プロローグ」で著者は韓国の嘘つき文化についてきついデータを挙げている。2014年だけで偽証罪で起訴された人は1400人、日本に比べ172倍、人口を考慮して一人当たりの偽証罪は日本の430倍。虚偽に基づく誣告罪の件数は500倍、一人当たりは日本の1250倍。そして保険詐欺が蔓延しており、その被害の額も挙げている。小説(350万部『アリラン』)も政治も学問も司法も嘘だらけ、一つ一つ事実を挙げてその虚構をあばいていく。
 なぜこのような韓国民の感情を逆なでするような本を書いたのかについて著者は、歴史的な事実に基づかず、嘘に塗り固められた政治や学問や教育は韓国をダメにするという理由を挙げている。

 よくぞこんな本を韓国の人が、それも李承晩学堂の学者が書いたものだ。
 たとえば、徴用工問題。
 強制徴用されたという、用語そのものが「駅前の前」のようなもの、徴用は強制という意味を含んでいると書く。炭鉱に「徴用」され、奴隷労働だったはずの朝鮮人炭鉱夫の賃金は、1940年のソウルの男子のそれと比較すると、紡績工の5.2倍、教師の4.6倍、会社員の3.5倍、銀行員の2.4倍。
 1944年の朝鮮人炭鉱夫の賃金は日本人大卒事務職の2.2倍、巡査の3.7倍にもなる。とてつもない高給だった。戦争で屈強な坑内夫のほとんどが徴兵されたことで、深刻な労働者不足を来した。そして戦争によって燃料の増産が必要だった、だから、法外な高賃金が支払われていたことを、炭鉱の賃金台帳を調べて結論を出している。「強制徴用」する必要はなかった、高賃金に惹かれていくらでも募集に応ずる朝鮮人がいたのだ。
 賃金格差が大きかったので、1940年からは毎年10万人もの朝鮮人が海峡をわたって日本へ働きに来ていた。92頁参照

 日本帝国主義が朝鮮の土地の40%を収奪したという土地測量事業も事実を積み上げてその嘘を暴く。現在韓国で使われている土地登記簿は1910年から日本がやった「土地測量事業」の登記簿を元にしている。それまでなかったのである。植民地経営上、土地の権利関係を法的に整理確定する必要があったからなされた事業である。日本帝国の敗戦によって朝鮮は独立を果たすが、土地の登記について「日本総督府に奪われたのだから返還しろ」という要求は一つもなかった。そういう事実がなかったからである。
 米の収奪の嘘も暴く。実際は、市場が一つになることで朝鮮から日本への「移出」、高値で取引されたということ。売却代金を朝鮮の地主や自作農が手にしている。市場が一つになることで、高値の日本市場へ「移出」して売却代金を稼いだのである。自国で売るよりもはるかに高く売れた。

  タイミングの良いニュースが入った。産経新聞より
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<慰安婦像を撤去せよ、反日種族主義著者らが反日集会に抗議>

【ソウル=名村隆寛】韓国ソウルの日本大使館前で毎週水曜日に、慰安婦問題で日本政府を糾弾する集会が開かれているが、この集会の中止と大使館前に設置された慰安婦像の撤去を求める活動が11日、集会場の近くで行われた。
 集会中止と像の撤去を求めたのは、日韓でベストセラーとなった「反日種族主義」の共同著者で「反日民族主義に反対する会」の代表を務める落星台(ナクソンデ)経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究委員ら。
 李氏らは、韓国での「日本軍慰安婦は性奴隷だ」「日本政府は謝罪せよ」などとの主張が事実に反しているとの立場だ。今月4日に、反日抗議集会と同じ時間に第1回の集会をした。
日本大使館前では11日も、元慰安婦を支援する「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)が主催する日本政府への抗議集会が、学生らを動員して行われた。ここから数十メートル離れた場所で、李氏らは「慰安婦像を撤去せよ。水曜集会を中止せよ」「歴史歪曲(わいきょく)。反日助長」などと書かれたプラカードを掲げた。
 李氏らは報道資料で、慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意に基づき日本政府が拠出した資金や、アジア女性基金からの金が元慰安婦らに支給され、日本政府が過去に何度も公式に謝罪した事実を指摘した。
 集会には李氏らの活動に反発する市民や、複数のネットメディアが集まり、李氏らに罵声を浴びせ、批判を込めたネット中継を執拗(しつよう)に続け圧力をかけた。まるで糾弾集会のようで、数でも李氏らへの批判勢力が上回っていたが、李氏らは「ゆがんだ歴史観を批判し、歴史の事実を示す」という信念を変えていない。
 李氏らは慰安婦問題について正義連に討論を求め続けているが、正義連はこれまで、一切応じていない。

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「慰安婦像を撤去せよ」「反日種族主義」著者らが反日集会に抗議

 暇があったら、ぜひ一度お読みください。

反日種族主義 日韓危機の根源

反日種族主義 日韓危機の根源

  • 作者: 李 栄薫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/11/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
スノーデン 独白: 消せない記録

スノーデン 独白: 消せない記録

  • 作者: エドワード・スノーデン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2019/11/30
  • メディア: 単行本
青学発 岸田教授の「エネルギー文明論」

青学発 岸田教授の「エネルギー文明論」

  • 作者: 岸田一隆
  • 出版社/メーカー: エネルギーフォーラム
  • 発売日: 2019/12/21
  • メディア: 単行本


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#4142 極東の町・根室は氷の世界:ツルンツルン Dec. 8, 2019 [87.根室の話題]

 昨夜9時ころから雨が降り始めた。9時の気温は4.2度、南南西の風5.1m/s、その後風が強くなったが、午前0時には止んでいた。玄関前はシャーベット状態、雪と雨が混ざって降ったようだ。今年2度目の雪です。

 今朝8時の気温は-2.8度、西風8.7m/s、風が西から吹くと冷え込んできます。道路はスケートリンク状態。車はゆっくり走っている。これから表面が溶けだしたら、ブラックアイスバーン+水で表面コーティング状態になるので車の運転はなるべくしないほうがいい。お昼頃にはすっかり溶けてます。でも日陰は要注意ですね、溶けませんから、速度を10㎞/h以下に落としましょう。

<どれくらい危ないか>
 ブラックアイスバーンの曲がり角では、時速15㎞でも180度くるりと回転することがあります。後続車も対向車もいないときに試して、体験しておくのが一番です。ブレーキかけないのに、一度ハンドルきったら、90度を過ぎても回転が止まりません。スーッと滑っていきます。90度のカーブを曲がると、まるでU字路を曲がったようなことになります。(笑)車はもちろん四輪駆動です。ハンドルは抵抗ゼロでどちら側へもクルクル回ります。滑り出したらアウトです。

危ないと感じたら、カーブに入る前に10km/h(以下は道路交通法上では「徐行」です)まで減速しておけば大丈夫です。
 35年東京暮らししてふる里の根室へ戻ってから、冬の運転がどれくらい危険か確かめたくて、轍(わだち)が深くつき圧雪されて凍りついた裏道で、時速40㎞/hで試しに走ってみたことがあります。なにが起きるか、体験しなきゃわからないからです。もちろん周りの安全確認してからやります。夜9時半ころでしたね、ハンドル切ってないのに、轍でツルンと滑って左90度に方向が変わり、原っぱに突っ込みました。3mズレてたら電信柱に激突でした。浅い溝を乗り越えてすっ飛びました。パジェロ・イオだったので無事でしたが、いま載っている車だったら、車高が低いのでどこか壊れたでしょうね。
 冬のブレーキは、2回軽く踏んでから、3度目で止めます。車間はおおよそ3倍とります。それでも緩い下りのところは止まってくれませんから、さらに余裕を見てずっと手前から、3度軽く、ポンポンポンと踏んで減速しておきます。徐行(10km/h以下)でないと、緩い下りはブレーキをかけてもすぐには止まれません。や容易町から平内町への登り坂で、対向車線を走っていた車が、センターラインを越えて滑ってきたことがありました。運転していた方、ブレーキかけていたでしょうに、焦ってました。路肩へよけて難を逃れられました、お互い様ですから。気温がプラスになるか、陽射しが強くて表面が溶け、そのあとに急激に気温が下がったときが危ないようです。雪の上を薄い氷でコーティングした状態になります。冬のドライブは、気温の変化と路面の状態の観察と、気が抜けません。


①車庫前から道路への通路:
 スケートリンク状態です、車出す気になりません。
SSCN3184.JPG

②T字路(バス通りと路地)はツルツル
SSCN3189.JPG

③バス通りは見事に凍っています、風は強い、九時ですがマイナス3.1度、西風10.1m/sですから、8時よりも気温が下がってきてます。太陽出て晴天なのに気温は下がる、めずらしいことです。
SSCN3192.JPG

④東根室駅への下り坂
 ここを登ってくるのは無理そうです。白い車のあるところを右に折れて迂回すれば坂にはなっていないので、すんなりとバス通りへ出られます。この奥が日本最東端の鉄道駅・東根室駅があります。ホームが写っていますがサイズが小さいので見づらいですね。西に向いているので、夕日が毎日この方角に沈みます。ホームの向こう側が市街地で、その向こう側がオホーツク海です。沈んでゆく夕陽はけっこう美しい。朝陽は後ろ側から昇ってきます。真っ白いコンクリート塀に朝陽が反射してきれいです。テニスコートの向こう側は原っぱ、そして太平洋です。春になると、このあたりに鹿が数頭近所の庭の草を食べにきます。長閑(のどか)な極東の町です。
SSCN3187.JPG

⑤バス通り:カメラの位置を低くしました、露出は+1
SSCN3193.JPG

⑥正午少し過ぎの写真です。
 歩道が半分くらい溶けて乾いています。車道はすっかり溶けました。太陽の熱が黒いアスファルトを温めたのでしょう。正午の気温-2.5、北西の風9.8m/s
SSCN3199.JPG

⑦午後2時、気温-3.2度、北西の風7.5m/s
 歩道は6割がた乾いてます。車道は日当たりのよい方だけ乾きました。日が当たっていた時は溶けて濡れてましたが、また凍結しました。いつもの半分以下の速度でのんびり行きましょう。
SSCN3202.JPG




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#4141 Sapiens: page 13 Dec. 6, 2019 [44-3. 原書講読講座 Sapiens]

<最終更新情報>
12/7朝11時

 今日の授業は13頁である、質問のあった個所は2つだけだったが、ネット上の高校生や大学生の読者のために2-3蛇足を付け加える。

<13.0>  Having so recently been one of the underdogs of the savannah, we are full of fears and anxieties over our position, which makes us doubly crued and dangerous. Many histrical calamities, from deadly wars to ecological catastrophes, have resulted from this over-hasty jump.

 アンダーラインを引いたoverの意味が分からないということだった。overは「上に、覆う、越える」というのが原義だから、「われわれの地位を覆っている恐怖と不安」、つまりわたしたち人類はつい最近(40万年前)までサバンナの負け犬だったので、急激に生態系の頂点に上り詰めたことで威風堂々と頂点に君臨し続ける自信の裏付けがない、いつどうなるか恐怖と不安で覆われているということ。それがなにをもたらしているのかはwhich以下で説明されている。わたしたちが生態系の頂点にいるということから生じる恐怖と不安がわたしたちをより残忍で危険なものにしているとハラリは書いた。
 前置詞は基本イメージを抑えておこう。前置詞は運動方向や空間的な位置関係を表している。名詞とくっついたときには前置詞だが、動詞とくっつくと副詞である。前置詞と副詞は便宜的な(機能上の)区分けにすぎぬ。

<13.1>  A significant step on the way to the top was the domestication of fire.

 ついでだから、質問はなかったが、前置詞ofについても言及したい。「A of B」のときに、①Bが主語になる場合と②目的語になる場合の2通りあることに注意。
 例: ①the rise of the sun (日の出)<The sun rises>
    a statement of facts  (事実の陳述)<Somebody states facts.>

  domestication:飼いならすこと
「人類が生態系の頂点へと昇りつめる重要なステップは火を飼いならすことだった」

 ところでこの節のタイトルは<A Race of Cooks>である。「of+目的格」ととらえたら、「調理をする種族」と訳せる。ハラリの脳裏にいろいろな種族がが想定されていることは、不定冠詞 "a" が付されていることからわかる。いろいろな種族の中で日常的に火を使うのはヒト(デニソワ人、ネアンデルタール人、サピエンス)である。すると種族全体は動物ということになるだろう。"cooks"と複数になっていることにも注意したい。わたしは"with fire" を Cooksの後に付けて理解した。< A race of Cooks with fire >火を使って煮たり焼いたりするという風に。柴田訳では「調理をする動物」となっている。不定冠詞や複数形、そして"of"の用法についても文法的な吟味を十分にしている、なかなかいい訳だ。高校生や大学生にはとっては参考になる優良な翻訳である。
 ところで、土器を使って初めて穀類を煮炊き(調理)した人類は縄文人である。縄文土器は煮炊きに使われた世界最古の土器で、中国へ伝わり、そしてシルクロードを渡って中東やヨーロッパに西端まで広がっていった。NHKが特別番組を放映したのを見た記憶がある。

<13.1-1>  Not long afterwards, humans may even have started deliberately to tourch their neighbourhoods.
 
 最初の副詞句について質問があったがなんてことはない、「ほどなくして」くらいでいいのだ。こういう場つなぎの副詞句は辞書を引く前に前後関係contextを読めばおのずと適当な日本語語彙が思い浮かぶようになる。前の文章との論理的整合性を考えたら適語は自然に絞り込まれる。そのあとで辞書を引けばいい。
 "not long" 「長くない」と"after+ward"だから、おおよそ見当がつこうというもの。wardは「区画・区域」だから、「後ろのほうの区域⇒後で」、forwardとセットで覚えてしまおう。forefatherという語もでてきた。foreは「前」だから、前方に父そのまた父そのまた父とラインナップされている状態が想像できるから、「先祖」という意味は前後関係からも容易に類推できる。辞書を引くときは「接頭辞+語幹+接尾辞」から意味を類推し、さらに文脈からも意味を判断してみよう。
 それよりもtourchの訳が問題だった。名詞では「たいまつ」だが、動詞になると「火をつける」だから、「故意にdeliberately自分たちの住居の周りに火をつけ始めたかもしれない」。deliberateとdeliver(配達する)、その名詞形deliveryは似ているから注意しよう。neighbourhoodsは近隣地域という意味と隣近所の人々という意味があるが、前者である。具体例がすぐに出てくるので、確認できる。


<13.1-2>  In addition, once the fire died down, Stone Age entrepreneurs could walk through the smoking remains and harvest charcolated animals, nuts and tubers.

  entrepreneurs(アントレプレナー)はわたしには懐かしい語である。大学生の時に習った。enterpriseのもとの語で、フランス語である。企業家と訳すが、原義は「冒険」だから、「冒険者」と訳したい。"walk through"「歩いて通り抜ける」を接続詞のthoughと勘違いしたので混乱したらしい。わたしにはセットで見えるのだが、切り離して接続詞に見えたという。頭がだいぶ混乱していたようで、harvestが動詞であることも見抜けなかった。名詞の「収穫」と思い込んだのは、次のcharcolatedが動詞だからだろう。こちらのほうはanimalsを修飾する分詞形容詞である。いったん思い込んだらなかなかそれを頭の中から消すことができない。簡単な文だったのだ。頭の中に情景をイメージしながら読むと好いのだが、まだそこまで行ってないということ。

a) Stone Age entrepreneurs could walk through the smoking remains
b) Stone Age entrepreneurs could harvest charcolated animals, nuts and tubers.

 同一主語と助動詞の省略である。こんな簡単なことが頭が混乱すると見抜けない。シンプルセンテンスに分解すれば、こんなに簡単だから読み間違えたり、混乱するわけがない。まだ意味の塊を見抜いて読むレベルにはないということだ。スラッシュ・リーディングはこういう意味の塊を瞬時に見抜きながら読むということだから、このレベルのテクストの読解には英検2級くらいではとても手が届かない技である。毎日トレーニングを積んでスキルを磨けばいい。
 スラッシュ・リーディングはじつは日本語の文章の先読み技術と同じことである。それができない中学生がこの10年間で激増した。それは根室市内の中学生だけではあるまいが、毎日教えているわたしとしてはふる里の未来に危機感を覚えるくらい、子どもたちの学力低下を推し進めてしまっているように感じる。
 意味の塊を意識して英文を音読することでも先読みに慣れることができる。併用したら、相乗効果が期待できる

 remainsも動詞ではなくて名詞、「煙のくすぶっている焼け野原を歩いて通り抜ける」サピエンスが脳裏に浮かんでくるようになればしめたものだ。マル焦げになった動物もナッツ類もイモ類もご馳走だらけなのである。チャコール(こげ茶色)はチャコール・グレイ(消し炭色)などで色を表すのに使われている。

わたしたちはつい最近までサバンナの負け犬だったため、自分の位置についての恐れと不安でいっぱいで、そのためなおさら危険な存在となっている。多数の死傷者を出す戦争から生態系の大惨事に至るまで、歴史上の多くの災難は、このあまりに性急な飛躍の産物なのだ。」24頁 柴田訳

頂点への第一歩は火を手なずけたことだった。
その後まもなく、人類は故意に近隣に火を放ちさえし始めたかもしれない
しかも、いったん火がおさまれば、石器時代の才覚者たちはくすぶる焼け跡を歩き回って、うまい具合に焼きあがったう物や木の実、芋類などを収穫できた。

 さて、少しは予習してきたようだが、1/2頁ほどしか進めなかった。毎回1ページのペースでやると先週言い渡してあるから、少し焦っている様子だった。英語の力に不足を感じている、もっと力をつけたいという気持ちが現れていた。
 4月までには「2頁/90分授業」のペースにアップすると目標値を設定して、共有している。毎月16頁、高校3年教科書の1年分の分量である。そこから半年以内にブレークスルー"break through"が訪れる。一気に読み切るだろう。
 どうして札幌でやる冬季特訓教材もってこなかったか訊いてみた。ハラリをやる時間がなくなるので、それが嫌だと云った。うれしいね、モノがよく見えている。
 1ページ予習して来れば、わからなかったところだけ対話形式で授業するだけでいいから、もっとペースアップできる。予定のペースに慣れるまで、しばらくきついだろう。英語だけやっているわけではない、数学も微分積分を早く終えて数Ⅲに入りたいはず。微分積分はシリウスは問題量が多いし、難関大学の過去問が並んでいるから、後半部は手ごわい。
 よくがんばっている。いまはしんどいだろうが、2月が終わるころにはずいぶん見通しがよくなっている。

*#4140 高難易度冬季特訓英語教材で質問あり Dec. 6, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-12-06



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#4140 高難易度冬季特訓英語教材で質問あり Dec. 6, 2019 [65.a 成績上位層にかかわる問題]

 根室の高校生は冬休みに札幌で開催される大手進学塾(駿台、河合、代ゼミ)の冬季特訓を受講する者が十数人程度いるのではないか。早く申し込んだ生徒にはすでに教材が届いている。
 ある大手進学塾が札幌で開催する冬季特訓英語教材を予習している高2の生徒が、読めない英文があるので、持ってきて質問していいかと訊くので、承知した。昨日もってきたので質問箇所を聞いた。二つ長文問題があった。かれは電子辞書を引いて全文を和訳していたが、一部が訳せないと他も疑心暗鬼であやしくなるのは当然のこと。

 一つ目はアインシュタインの科学者としての知識欲と宗教的信念がテーマになっていた。the creationと書いてあったから、「天地創造」のことだが大文字になっていないので、アインシュタインの宗教がユダヤ教なのかキリスト教なのか、この文面からははっきりしない。大文字で書いていないことからキリスト教ではないなと察しはつく。この段階では、かれがユダヤ人だからユダヤ教だろうとぼかした英文から推測。

(ユダヤ教とキリスト教とイスラム教はみな同じ天地創造神を崇めている。同じ神だがそれぞれの宗教によってその名前が異なる。ユダヤ教では絶対唯一の創造主「ヤハウェ」、キリスト教では「父なる神=造物主」、イスラム教では「アッラー」である。みな天地創造の神である。『古事記』にも天地創造神が三神(アメノミナカヌシノ神、タカミムスビノ神、カミムスビノ神)が現れるが、天地を創造するとすぐに役目を終えたかのように身を隠してしまい、2度と出てこない、そして国生みの神が登場する。)

 気になったので、ネットで検索して確かめたら、アインシュタインはユダヤ教です。書き手はキリスト教徒なのでしょう、だから宗教が違うことをぼかして書いているように感じたのでしょう。


 原爆とは書いていなかったが、婉曲に原爆についてはもちろん触れられていた。「地球上の種speciesを絶滅するような兵器instrument」(speciesは単複同型)というような表現がありました。科学史についての周辺知識があればこのテーマの理解は容易です。そして論説文だから、修辞上はそれほど問題のある文はなかった。最後のほうで第五文型SVOCのOCがCOと逆順になっていたのが例外かな。Oの部分に1行を超えるような長い修飾句か修飾節がついていたから、修辞上逆順にせざるを得ないことは当然です。もちろん、高校教科書程度では(SVCOなんて並びの文は)出てきません、基本を理解するのが高校英語の範疇です。この特訓教材を作成した人は高校英語の範囲を超えたイレギュラーな英文が入っているものばかりを選んだのかな。さすが大手進学塾の最高難易度の英語特訓コース教材!


 もう一つのほうは、解せない問題だった。何かの物語から一部を採録したのだろうが、シーンについての説明がない。登場人物は二人、男と女が一人ずつだ。短い段落は、一緒に暮らしている男女がプラハからローマへ出発するところから始まっていた。男は23年間イタリアに住んでいたらしい。男の視点から一人称で物語が語られていく。いまチェコのプラハで空港にいてローマへの飛行機へ搭乗したところである。女の背景は一切不明。「再び」という語が入っているから女もイタリアに住んでいたことがあるようだが、採録された文には女がいつイタリアにいたのかは書かれていない。どこで知り合ったのかもわからないし、いつから一緒に暮らし始めたのかもそして職業も不明である。

 生徒がわからないという文章を数か所指さした。ざっと読んでもシーンの背景がさっぱりわからないし、時間軸や空間軸からの整理が情報不足で、なぞなぞを解くようなものだった。
 数行にわたるso~that構文が前半部にあった。すこし議論していたら生徒が~の部分が1行を超えていることに気がついた。"so deeply ..., ..., that, ..., ..." というようなso以下とthat節の2か所にに挿入句のはさまった特殊な構造の文である。これほど長いものは滅多に出てこない、でもこういう英文の解説をやるのが、この進学塾の最高難易度の冬季特訓コースの趣旨であるようだ。英検2級程度の英語力ではまるで歯が立たない特殊な構文が並んでいた。

 ああ、Sapiensでも、最近so~that構文で、「~」の長いものがあった、あそこでしっかり学んだから気がついたのだろう。
 進研模試の長文問題ですら、分量は3-5倍はある。こういう短い「長文」でシーンの背景説明のない英文を教材に使うと半分程度はなぞなぞになる、「英語は構文だ」なんてことを言いそうな講師かもしれぬ、いろんな人に教えを請えば自然に目が肥える。

 ハラリの”Sapiens”を読み進んだ方が英語の勉強になると思うが…というのはわたしの感想である。生徒は生徒自身の判断があるし、いま抱えている問題意識で動く。大手進学塾の冬季特訓で、根室の小さな塾でやっているふだんの英語授業のレベルがどれほどか確認してきたらいいのである。指導の角度が違うから、そこから得られるものはある。長文もさまざまなジャンルのものを読むのはよいことなのである。もっとも2000円前後でいくらでもその手の教材は市販のものがある。音読用のCDまでついている。コスパは断然いい。

 昨日は、他塾の特訓教材の質問を処理したので、今日はハラリのSapiensを読むつもりだが、あの様子だと他のトピックスがまだ数個あるだろうから質問があるはず。そういうわけで、昨日と今日と、Sapiens授業には開店休業の札が下りている。しばし道草。

 1年7か月の精読修行を経たこの生徒がいまクリアすべき課題は、Sapiens程度の人類史の専門書を読みながら速度アップすることである。意味の塊(かたまり)単位で頭からどんどん読みこなして、速度を上げることなのだ。Sapiensを読了すれば、大学生になってから医学専門書を読むのに苦労は要らない。自分の専門分野は専門用語を数千覚えてしまえば、じつに簡単なのだ。京大や東大大学院でも数冊医学専門書を読破すれば、英語は合格できる。医学部はどこへ入ってもいい、最終学歴はそこではない。

<余談:宗教と雑然とした本棚とユニークな生徒>
 ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の神については、小室直樹の本が面白かったのでamazonから貼り付けておく。高校生や大学生そして知的好奇心の旺盛な社会人に薦めたい。

 線を引きながら読んだが、探してみたが本棚のどこかにうずもれて行方知れず。このごろそういう本が多い。帯広畜産大4年の生徒がいれば、4000冊の蔵書の中からすぐに見つけてくれる…「先生、ここにあるよ」って。あの子は本を読むスピードがとっても大きかった。中学生のころからジャンルを問わぬ濫読をしていた。ゲームの小説、東野圭吾、軽いけど分厚い哲学入門書、グリム童話の元々のバージョンのお話…そして私の本棚から片っ端から取り出して遊んでいた。学校が終わるとすぐに塾に来て9時までいるのだが、なぜか英語と数学の勉強だけは嫌いでやらなかった。いつ部活をやっていたのだろう、吹部はずいぶん練習がきついはずだが、あまり練習には参加してなかった様子。「わたし楽譜読めないから、でも聞けばわかる」とへっちゃら。ピアノは高校生になってから時間がとれなくてやめた。「風と共に去りぬ」やダーレンシャンの小説を原書で読みたいといったので付き合ったが、10ページほどでどちらも投げ出した。型にはまらない性格だったので、放っておいたら、なるようになった。バンドをいくつか掛け持ちして、ひとつはボーカルをやっている。高校時代は吹部でサックスを吹いていた(柏陵中学校でも吹部だった、14日6時半から文化会館で定期演奏会がある)。2年生になって突然写真部へ入部するとどういうわけか部長を引き受けざるを得なくなって、その年に高文連が根室で開催。なんでもこなしてしまう、そしていつの間にか仕切り屋におさまっているという不思議な生徒。書道は「学生チャンピオン」だったかな、そして絵、人物を描かせたら目力のあるセンスのいい画になる。スマホでも絵を描いていた、プロはだしの技術。とんでもなく才能に富んだ生徒。酪農と家畜をテーマに漫画作家になれば、年収1億円以上稼げるだろう。高校時代の同級生にゴルゴ13の斉藤タカオの一番弟子の神田たけしがいる、親戚でもある、付き合いはながいので、漫画家のセンスを見る目は多少はある。主人公の表情が生きている漫画は大きくヒットする。この4年間で酪農と畜産の材料が描き溜まったはず。数年仕事した後、どうするのか。化けるかな、化けずに終わるかな。まったくわからぬ(笑)

日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか

日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか

  • 作者: 小室 直樹
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2000/07/01
  • メディア: 単行本

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#4139 学力テストと定期テストの難易度の差 Dec. 5, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 全国学力調査で北海道の平均正答率は全国47都道府県で42位(小中学生合算)管内は道内で離れ小島のような位置で、最低を記録した。その根室管内で、普段の学力テストの結果を見ると、根室市内が最低ラベルにあるのだ。(弊ブログ#4130の14支庁「管内の平均正答率の分布」表参照)
*学力調査。都道府県別正答率ランキング
https://education-career.jp/magazine/data-report/2019/ranking-achievement-test-2018/

 ふだんの学力テストの平均点と定期テストの平均点を比べると、いろいろなことがわかる。まず、比較表をご覧いただきたい。(データはC中学校)

<学力テストデータ>        
  5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
4月 117.5 32.0 25.4 16.0 24.2 19.9
総合A 111.5 36.1 25.5 15.8 16.5 17.6
総合B 106.6 27.9 24.4 14.4 20.9 19.0
総合C 113.2 34.4 23.6 16.9 17.9 20.4
平均 112.2 32.6 24.7 15.8 19.9 19.2
標準偏差 3.9 3.1 0.8 0.9 3.0 1.1
百換算SD 6.5 5.1 1.3 1.5 4.9 1.8
             
             
<定期テストデータ>        
  5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
前期中間 266.6 55.3 63.7 43.8 52.5 51.3
前期期末 241.5 45.2 63.9 37.8 43.2 51.4
後期中間 273.2 47.9 60.6 57.2 57.7 49.8
平均 260.4 49.5 62.7 46.3 51.1 50.8
標準偏差 13.7 4.3 1.5 8.1 6.0 0.7
             
             
<難易度指数>          
  5教科計 国語 社会 数学 理科 英語
難易度指数 0.72 1.10 0.66 0.57 0.65 0.63
*難易度指数=百点満点換算学力テスト平均点/定期テスト平均点


 中3の学力テストは60点満点だから「百換算SD」は「百点換算値での標準偏差値」を表すように補正しているから、定期テストの平均点の標準偏差と直接比較していい。青字で示された数学の標準偏差値を比較すると、学力テストは1.5点と幅が小さいのに、定期テストは8.1で5倍以上もばらつきが大きい。なぜ、定期テストの標準偏差が大きくなったのかは、定期テスト3回の平均点の推移を見たら一目瞭然である。過去3回の定期テストの平均点は、「43.8⇒37.8⇒57.2」で、最大値と最小値に19.4もの開きがある。学力テストは4回やっているが「最大値―最小値」は2.5点に過ぎない。つまり、学力テストは難易度が一定しているとみることができる。反対に、定期テストは難易度がその都度大きく変わったということ。
 定期テストの初回は、計算問題がほとんどだから平均点が年間を通して一番高いのが普通だ。難易度をそのままにして6月の定期テスト問題をつくったように見える。1回目の定期テストは「第1章多項式」と「第2章平方根」の一部だから、計算問題がほとんど。2度目の定期テストは「第2章平方根」の後半部と「第3章2次方程式」である。2次方程式の文章題はとくに苦手な生徒が多いから、平均点は下がることになる。これも毎年のことだ。慌てたのか、3度目の定期テスト(11月実施)の難易度を下げたようだ。平均点が+19.4点もアップしてしまった。 
 4回の学力テストの平均点は表にあるように15.8点、百点満点換算値では26.3点であるから、定期テスト3回の平均点46.3点に比べて20点も低い。そういう状況下で、数学担当の先生は問題の難易度設定に右往左往しているのではないか、お気の毒である。
(英語の定期テスト標準偏差が0.7点でとっても低いのは驚きです。英語の先生はテスト問題作りの名人のようです。こんな範囲には収められませんよ。平均点が50.8点±0.5点です!ありえない精度にコントロールされてます。その一方で、学力難易度指数は0.63ですから、定期テスト問題の難易度は学力テストに比べて格段にやさしいものになっています。これでは生徒の学力が低いままに固定化されてしまいます。定期テストの難易度をあげながら、平均点が下がらないような授業ができたら素晴らしい。)
(国語の難易度指数が1.1になっている。定期テストのほうが学力テストよりも難易度が高いということを表している。うん、なかなかだな。79か国で実施されている2018年度実施の学習到達度調査(PISA)では日本の15歳の高校生の読解力は8位から15位に大きく後退しているから、国語教育が読解力の点から見直されなければならない。根室の子どもたちの日本語読解力もスマホが中学生に普及し始めた11年前から急激に落ちている。)


 生徒の学力分布がいまのままで、学力テスト並みの難易度設定したら、得点は25点未満のところに集まってしまい、成績をつけるのに実務上困ることになるから、定期テストの難易度を下げざるを得ないのではないか?

 学力テストの点数が10点に満たない生徒は、1時間の放課後補習のあとでなければ部活参加を認めなければいいのだが、そんなことを数学担当の先生二人だけでやれるわけもない。校長や保護者の了解がなければできない相談だ。
 校長権限でもできそうなものだが、そういうことを実施した校長は、根室へ戻ってきてから16年間一度もみたことがない。同じ学校での校長職は2-5年くらいなものだから、その間は波風を立てずに無事に通り過ぎればいいと考えるのはあたりまえのことだろう。かくして、根室市内の中学生たちの全国学力調査の平均正答率が、全国42位の北海道で、さらに14支庁管内で根室支庁管内が最低となり、そして根室市内の市街化地域の3中学校は、別海中央のはるか後塵を拝し、中標津町の2校よりも低いという、まことに無念な状況に立ち至っているのである。

 数日前に届いた『広報ねむろ12月号』のなかに「ねむろ市議会だより」があり、9月定例議会での各議員の質問要旨が載っているが、お一人も根室の中学生の低学力問題を論じた方がいないのはまことに寂しいことである。低学力を放置したら、根室の地元産業は人材不足から必然的に衰退の度を早め、消えていく企業が増え、人口縮小が加速するだろう。藤原市長⇒長谷川市長⇒石垣市長と人口減少は、この十数年間年間400人前後から600人前後と増えている。釧路の2倍の速度で人口減少がとっくにはじまっている。

「根室市議会=文教・厚生常任委員会」のメンバーは委員長が工藤勝代議員、副委員長が久保田陽議員、委員は橋本竜一議員、久保田浩昭議員、田塚不二夫議員、滑川義幸議員の6名で構成されている。
  釧路市議会は、基礎学力保障条例を制定し、子どもたちの学力アップが地域経済の活性化に寄与すると、教育問題を積極的に議会で採り上げ、釧路市教委と激しい議論を戦わせている。
 その釧路市の中学校3年生の学力テストの五科目平均点は根室市内の市街化地域の3校に比べて、20点ほど高い(300点満点)。根室市内の3中学校の基礎学力はすでに崩壊しているのだ。そうした事実を、根室市長も根室教育長も根室市教委も根室市議会も経済諸団体も、だあれもとりあげない根室の不思議。

 根室の子どもたちの学力をどうやって底上げしたらいいのかについては弊ブログで具体案を採り上げている。市議会文教厚生委員会がオープンな場で市民と率直な意見交換をする日が来ることを祈っている。根室の子どもたちの学力低下は、権限をもつ大人たちが少しずつ配慮し、児童・生徒の親たちがともに協力すれば、なんとでもできることなのだ。わたしの役割はデータに基づいた分析と提案をし、小さな私塾で生徒たちを教えることだけ。

<アフガンの中村哲医師>
 ペシャワール会の中村哲医師がアフガニスタンで銃弾に倒れた。かれは干ばつで多数の子どもたちが不衛生な水を飲まざるをえなくて、次々に病気になって死んでいく様を見続け、井戸を数千掘り続けた。そして荒野に20㎞もの距離に灌漑用水路を建設し、その周辺を麦畑とすることで、200万人の人たちが、故郷で食べて行けるような世界を実現した。そうした努力が難民の増大を防ぎ、テロを防ぐのである。
 千数百もの井戸のお陰で、衛生的な水が確保され、子どもたちの病気(赤痢など)も激減した。そういう活動を30年も続けて来られた、偉い人だと思う。アフガンの現状を人として見捨てておけなかった。写真からは柔和な表情の奥に、一人でも頑としてやりぬく、強い意志を感じた。

朝日新聞ニュースより転載

NGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)が4日、突然の銃弾に倒れた。苦しむ人たちに向き合い、医師の役割を超えて農業支援にも活動を広げていった中村さん。現地・アフガニスタンでも高く評価されていただけに、交流があった人たちは「なぜ」と言葉を失った。
 福岡市のペシャワール会事務局で4日、記者会見した広報担当理事の福元満治さん(71)は悲痛な面持ちで「正直、信じられない。無念でしかたない。この事業は中村哲という人物でなければできなかった」と語った。
 干ばつにあえぐ大地に用水路を造り、1万6500ヘクタールの農地を潤した。現地の住民は中村さんに「畏敬(いけい)の念を持っていた」という。「30年以上やって現地の信頼が一番のセキュリティーだった。(事件は)アフガンのことを思うとありえないこと」。今後の活動については、「あくまで続けるのが中村医師の遺志であると思っている」としながらも、「事業を拡大していくのはなかなか難しいのではないか」とも話した。
 中村さんは「自分は好きで勝手なことをしているので、家族には迷惑をかけたくない」と周囲に話していたという。妻の尚子さんは報道陣の取材に「いつも家にいてほしかったが、本人はこの仕事にかけていた。いつもサラッと帰ってきては、またサラッと出かけていく感じでした。こういうことはいつかありうるとは思っていたが、本当に悲しいばかりです」と話した。 

*https://www.msn.com/ja-jp/news/national/中村医師の妻「いつかありうるとは思っていたが…」/ar-BBXLWPg?ocid=spartanntp

*井戸掘り
https://blog.goo.ne.jp/musshu-yuu/e/b3a5ea05d7ca0222c41e48c97297d30b

*#4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-22


 #4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか? Nov. 20, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20

 #4127 学力テストは教員の力量の評価:元釧路市議会議長月田さん Nov. 17,2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-17-1


*#4119 全国学力調査の現実:根室は14支庁管内最低 Nov. 9, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-07-1



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