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#4136 Sapiens : page 11 Nov. 30, 2019 [44-3. 原書講読講座 Sapiens]

 そろそろペースを上げてもいいころかなと、頭から読み下していくトレーニングをまぜてみたら、金曜日の授業ではノルマを達成できた。1回の授業で1頁、このペースで大丈夫だ。意味の塊を意識して対話形式の授業を半分くらいやってみた。他の生徒もいるので、かかりっきりにはなれぬから、ところどころという具合だ。
 <11.1>は頁と段落番号を表す、同じ段落で二つ目が出てきたら、枝番-1を追加する。前頁から持ち越している段落は<11.0>というように段落番号に0をつける。

<11.1> It takes a tribe to raise a human.  Evolution thus favoured those capable of forming strong social ties. In addition, since humans are born underdeveloped, they can be educated and socialized to a far greater extent than any other animal.  Most mammals emerge from the womb like glazed earthenware emerging from a kiln -- any attempt at remoulding will only scratch or break them. Humans emerge from the womb like molten glass from a furnace. They can be spun, streched and shaped with surpraising dgree of freedom. This is why today we can educate our children to become Christian or Buddhist, capitalist or sodialist, warlike or peace-loving.

(1) It takes a tribe to raise a human.
  <to raise a human> takes a tribe. (子育ては部族を必要とする)
 母親は子どもを産んだ後、餌をとりに行けない。子どもを放って餌をとりに行くと、子どもは捕食者の餌食になる。だから、周りにいる者たちの助けが必要なのだ。この文章では「takes」の訳が問題になった。「とる」では意味をなさぬ。takeの原義は「手を触れること」にある。ジーニアス4版の当該項目には「Ⅳ 必要とする」がある。「時間がかかる」ではよくお目にかかるがあれと同じこと。
● It takes 3 minutes from here to the Seikomart.
 時間がかかる=時間を必要とする

(2) Evolution thus favoured those capable of forming strong social ties.

  favouredの訳がちょっとやっかい、日本語にしづらい
。断りがない限り辞書はジーニアス4版を使う。「に賛成する、好意を示す」では文意に合わぬ。「④ <天候・状況などが>…に好都合(有利)に働く、促進する」がピッタリだ。簡単な単語ほど、辞書をよく読むべし。
「進化はこのように強い社会的絆を形成する能力に有利にはたらいた」

(3) In addition, since humans are born underdeveloped, they can be educated and socialized to a far greater extent than any other animal. 

 sinceは現在完了形で使われる場合が教科書にたくさん載るが、高校教科書では、理由を表す接続詞で数回ぐらいしか出てこない。「~以来」ではなく、「~だから」と訳そう。underdevelopedは「開発途上国」などでおなじみだ。ここでは「まだ未熟、未発達」という意味だ。他人として発展途上でもある。「未熟なままでうまれる」と言ったら、生徒は未発達のほうが訳語としていいという。たしかに「未熟な」は「未熟児」を連想させるから、「未発達なままで生まれる」でもよい。
 ”to a far greater extent”は修飾語を外すと簡単になる。”to an extent”「ある程度」である、それに程度の副詞句の"far greater"がついているから、「はるかにおおきく」という意味。
「そのうえ、人間は未発達なままで生まれてくるので、他の動物よりもずっと教育できるし、社会的生活に適応させうる」

(4) Most mammals emerge from the womb like glazed earthenware emerging from a kiln -- any attempt at remoulding will only scratch or break them. Humans emerge from the womb like molten glass from a furnace.


 このあたりから面白くなってきます。意味の塊ごとにスラッシュを入れてみます。
Most mammals emerge from the womb/ like glazed earthenware emerging from kiln /-- any attempt at remoulding will only scratch or break them. Humans emerge from the womb/ like molten glass from a furnace.

 スラッシュをあまり入れすぎると、こんどはそれを統合して意味の整合性を産み出すのに四苦八苦なんてことになるので、慣れるにしたがってなるべく大きくしましょう。頭から読み下します。
①哺乳類のほとんどが子宮から出てきます
②釉薬(うわぐすり)をかけた陶器が窯から出てくるように
③作り直そうとしたら、ひっかき傷がつくだけか、壊してしまうことになる
④人間は子宮から出てきます
⑤溶解炉から出てくる溶けたガラスのように

 onlyがどこまでかかるのかが議論になりました。生徒の意見はscratchとbreakの両方にかかっているというもの。
any attempt at remoulding will only scratch them.
any attempt at remoulding will only break them.
any attempt at remoulding will break them.

 themは"most mammals"を受けていますが、なるほど②と③両方の読みが可能ですね。さて、ハラリはどう考えたのでしょう?「作り直そうとしたらひっかき傷をつけるだけ、あるいは、力を入れすぎて壊してしまう」なのか、「作り直そうとしたらひっかき傷をつけるだけ、あるいは、力を加えすぎて壊してしまうだけ」。どちらを英訳しても同じ英文になりますね。同じ語なら、後続する方は省略するのが作文の作法ですから。
 生徒とするこういう対話が愉快なんです。

 emergeは水の中からあるいは暗闇の中から現れるというのが基本イメージです。子宮の羊水の中に浮かんでいる胎児が出てくるというイメージにemergeはピッタリの動詞です。陶器を焼く窯はkiln、ガラスの溶解炉はfurnaceです。せっかくハラリが語彙を使い分けているので、訳文も気を使いましょう。(笑)
 スラッシュを入れて、頭から読み下していくと楽でしょ?読む速度が3倍くらいにアップします。慣れてくるとスラッシュを入れなくても、意味の塊が瞬時にわかるようになります。音読トレーニングを、こうした意味の塊に意識を置いてやると、意味を伴った英語として聞こえてきます。リエゾンやどういう部分で音が消失するのかなどもよくわかるようになります。

(5) They can be spun, streched and shaped with surpraising dgree of freedom.

 spunはspinの過去分詞、そしてstreched、shapedと続きます。ハラリは頭の中にガラス職人の仕事場を思い浮かべています
。それがわかれば和訳は簡単です。人間はガラスのように溶融炉から出てくるのですから、そのあと見事な形にするために、棒の先についたガラスの塊が垂れてしまわないようにクルクルと棒を回しspinながら、引っ張りstrech、成型shapeするのです。どんな形にも自在になります。
「人間は溶融炉から出されたばかりの溶けたガラスのように、クルクルと回されながら延ばされ、驚くほど自在に成型されます。他の動物たちとは違って、ヒトは溶融炉(子宮)から出た後でどのような人間にもその後の教育次第でなれるんです。」

 まだ、いくつか楽しいところがありますので、暇を見つけてアップしたいですね。授業ではこのようにして11ページの半分と、12ページが全部消化できました。次の授業は13頁からです。
 12月の授業は3週できる予定です、年内は18頁までやるつもりです。

 翻訳者の柴田さんの訳文を転載します。プロの技をご覧ください。
人間が子どもを育てるには、仲間が力を合わせなければならないのだ。したがって、進化は強い絆を結べるものを優遇した。そのうえ、人間は未熟な状態で生まれてくるので、他のどんな動物にも望めないほど、教育し、社会生活に順応させることができる。ほとんどの哺乳類は、釉薬をかけた陶器が窯から出てくるように子宮から出てくるので、作り直そうとすれば傷ついたり、壊れたりしてしまう。ところが人間は、溶融したガラスが炉から出てくるように子宮から出てくるので、驚く程自由にに曲げたり延ばしたりして成型できる。だから今日、わたしたちは子どもをキリスト教徒にも仏教徒にもできるし、資本主義者にも社会主義者にもしたてられるし、戦争を好むようにも平和を愛するようにも育てられる。」p.22


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#4135 成績の伸び方の違いはどこから?:8月入塾の生徒二人 Nov. 29, 2019 [63. チャレンジ(教育)]

 8月に中3の生徒と高1の生徒がそれぞれ入塾しました。中3の生徒は部活に熱心で、家庭学習習慣がほとんどなしでした。「20分勉強すると集中が切れる」と言ってましたが、塾にはちゃんと来ます、とってもまじめな生徒です。部活を「卒業」したので、通塾時間の制約はありません、成績をあげないと根室高校普通科には入れないと心配してました。高校1年生のほうは特設コースのAクラスですが、数学の点数が低くて、このままでは2年時ではAクラスから脱落するので慌ててきました。中3までは他の塾へ通っていたそうです。

 ニムオロ塾では、やる気のある生徒には最初の3か月間、毎日来ることを許可しています。来るか来ないかは生徒の選択です、強制しません、自然法爾(じねんほうに)ということかもしれませんね。親がいくら勉強しろと言ったって、わたしが社会人になったときに困るからと経験を交えて語ったとしても、勉強しない者はしないし、する気のある者は言われなくたってします。勉強は自発的にやるもので、塾は勉強の仕方を教え、そして背中を押すだけというのがわたしの考え方。勉強するチャンスはあげられます、この二人にも「やる気があるなら毎日来ていいよと」認めました。自然法爾がどう働くのか楽しみでした。8~11月まで中3の生徒が42日/26日、週2回が通常の授業日数ですから、累計で26回の標準授業日数のところを42回出席していることになります。全部来たら52回ですから、ときどき休んで息抜き、それでいいから、なにもいいません。自分で調整すればいいことです。高1の生徒は43/25でした。よく頑張っています。11月になってからはどちらも11回ですから、週3回にペース・ダウンしてます。二人とも同級生の塾生の紹介で来た生徒です。3年前から折り込み広告による宣伝はやめてます。


 塾へ来て、一生懸命に勉強はしていますが、中3の生徒はなかなか成績が上がってきません、個別指導なのに質問も少ない。この1か月ほどで、わたしのほうは生徒を観察してきて、どのあたりに問題があるのかわかってきました。どのあたりからわからないのか、教えるわたしのほうもつかまなければならない。信頼関係がまだ小さいうちは、踏み込めません。相性の特別に良い生徒は初対面からどんどん攻めて行けるし、生徒も質問をガンガン投げてきますが、そういうのは例外に属します。おたがいに距離の取り方を探っています。とっても人見知りの生徒がたまにいます。ノートをのぞき込んだら「いや、見ないで」とノートを閉じて叱られたことが一度ありました。その生徒は慣れるのに半年かかりました、一番手ごわい相手でしたね。わたしは生徒の書いた計算式や計算過程、英文をときどき見る必要があるのです。「ミコト」という名前の生徒でした、懐かしい。お陰様で、その後に数人「人見知り」の強い生徒と出遭っていますが、察知できるようになり、距離の置き方と時間をかけて距離を詰めることがスムーズになりました。「ミコト」さんに感謝です。(笑)
 この中3の生徒は3か月必要だったということ、人間相手だから相手次第で時間のかかりかたが違うのです。とっても真面目だということがわかりました。部活で基本トレーニングをちゃんと積んだ人です。だから、勉強のほうにもそれを使えたらいいだけ。いまはまだどのように使えばいいかがわかっていない。

 一昨日は2018年度の入試過去問からこんな質問が出てます。
 「折り目の線ってなんですか?」
 「どういう問題ですか?」
 質問の意図を確認するために問題を見ました。
----------------------------------------------
問2:右の図の四角形ABCDにおいて、辺ABとBCとが重なるように折ってときにできる折り目の線と辺ADとの交点をPとします。点Pと定規とコンパスを使って作図しなさい。
 ただし、点を示す記号Pをかき入れ、作図に用いた線は消さないこと。
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 20㎝ほどの紙切れに、問題に載っている不等辺四角形と同じような四角形を書いて折って見せました。それを開いて、「この線が折り目の線です」、そういう説明をしました。
 「わかった」
 笑顔がありました。
 しばらくしてからもう一つ質問がありました。
 「素数って何ですか?」
 「1と自分自身以外に約数のない数、つまり割る数のない数です、ただし1は素数ではありません」
 定義を述べただけでは理解できませんから、1~50までの素数を黒板に書いていきます。3以降は奇数だけですから、奇数を書き並べて、その中から素数でない数に斜線を引いていきます。
 「では、この紙に50-100までの自然数の内で素数だけを書いてください」
 5分くらいすると書き終わってます。51、81、87、あともうひとつなにか数字を書き間違えてました。「わかったこと」と「できること」は違います。間違えた数字4つのうち、3つは3の倍数でした。九九がスムーズでない可能性があります。「逆九九」を教えない小学校の先生が増えてます。「掛け算九九」トレーニング不足のまま中学生になると、問題が次第に大きくなります。「逆九九」をトレーニングしなかった生徒は大半が割り算が苦手になっています。商を建てるのに倍以上の時間がかかるのです。割り算の混じった計算問題も苦手になってしまいます。基礎部分になればなるほど、徹底した反復トレーニングが必要です。小学2年生でしたね、九九を習うのは。ところで、81は九九にあります。51と87は九九にはありませんが、割り算を暗算でしなかったということ。3で割ってみようという勘が働いていません。珠算塾に通ったことのある生徒は、これらの二桁の数字をみただけで3の倍数だと気がつきます。2の倍数は偶数ですから奇数ではない、3の倍数も素数ではありませんから、指示なしに自分で奇数を3で割って3の倍数を全部消せる生徒は、短期間で成績が急伸します。この生徒には基礎部分から時間を掛けなければいけないということが、ここからもわかります。対話しながらあるいはたまにはノートをのぞき込んで観察していると、いろんなサインの出ていることに気がつきます。そのあたりは個別指導のとっても面白いところで、わたしも教えながら、生徒からそういう情報を受け取り、学んでいます、そして教え方を工夫する。生徒と遊んでいるんです。(笑)遊びは場を和やかにしますから、この生徒は笑うことが多い。授業中にやり取りするたびによく笑ってます。
 一つ一つ、ときに中1の既習項目についても質問があるところは丁寧に教えていけばいいだけです。手間はとってもかかりますが、手数を惜しんではいけません。こうやって、やり取りしているうちに、生徒のほうはどういう風に質問を投げたらいいのか、わたしのほうはどのあたりから説明したらいいのか、「学んでいく」ことになります。理解が進むにつれて、説明範囲は小さくなります。考える余地を残さなければいけないからです。
 トップクラスの生徒への説明はまったく様子が違います。予習中心ですから、学年制限なし、中学生に高校で習うことや、大学で習うことを教えたってかまわない、好奇心をくすぐる解説をしています。

 この生徒は中3になってから、6回のテストで国語が学年平均点を超えたのは2回だけですから、日本語語彙と読解力に問題があります。斉藤孝『読書力』で毎週木曜日4時10分くらいから40分間ほど音読トレーニングしてます。先週実施された定期テストでは、前回定期テストに比べて五科目合計点で40点ほどアップしてますが、平均点も26点ほど上がっているようなので、学年順位に大きな違いはないでしょう。
 計算は基礎から、そして語彙力を増やさないと数学の文章の読解にも支障をきたしているので、一朝一夕には成績が上がりません。高校1年生になったら、半年間は部活をしないで毎日まっすぐに塾へ来る約束をしてます。それくらい手間がかかります。中学3年間部活に熱心で勉強をおろそかにしているとこういうことになります。先生たちは文武両道を口を酸っぱくして生徒に言い続けてもらいたい。生徒一人一人の人生がかかっています。
 この3か月で(42-26)×1.5時間=24時間個別補習授業をしています、それくらい手間をかけます。成績がおおよそ学年下位1/3の層は独力では勉強できません。周りにいる友達や大人が教えてやればなんとかなります。困っている人がいたら、助けたいというのは自然なこころです。助けようと、助けまいと、どちらも人の心のあるがままです。わたしは、己のやりうる小さな範囲でやれることをやるだけ。

 高1の生徒は「勉強しているんだけど成績が上がらない」と焦ってました。この生徒は最初から相性がいいことがピンときました。ノリがいいのです。話を聞いたら毎日12時ころまで勉強しているのですが、成績が落ち始めてどこまで落ちていくのかわからないと不安がってました。でも、最初から質問が多かった。教科書準拠の問題集や学校で毎週宿題に出されるプリントの問題はほとんどが「わかりません!」でした、何をどのように質問をしたらいいのかなんて遠慮が初めからないのです。わからないと思ったら、あきらめて片っ端から質問します。こちらも説明にてんてこ舞い(笑)、でも食らいついてきました。この2週間ほど、目だって質問が減り、夢中で問題解いていることが増えました。わかってきたから独力でやれる問題が増えた様子。
 成績の推移は次のようになっています。
●7月の進研模試:国数英56位 数学46位
●10月のスタディ・サポート:国数英33位、数学32位
●10月下旬進研模試:国数英13位、数学5位
 普通科学年総数119名中の順位です。
 「46位⇒32位⇒13位」と学年順位は目覚ましくアップしていますが、しばらくアップダウンが続き、それから10番以内に入ることになるでしょう。いまの13位をキープするには数学が不調だった時に英語でカバーできなかればできないことです。国語はにわかには上がりません。それまでの読書量がものをいいますから。国語はとっても時間がかかります。
 短期間で数学がめざましくあっぷしたので教えているほうがびっくりです、数学は64点だったそうです。偏差値が60超えちゃいました。全国偏差値65だと全国レベルで上位7%です。よくやったと褒めました。

 たとえば、授業中にこんな対話してます。
 生徒:「これわかんない、むり」
 先生:「それいはけませんよ、こころが自分のつぶやきを聞いて学習しています、「わかりそうとか、あとちょっと、なんとかなりそう、ここが我慢のしどころ、ねばるぞ」とどれでもいいからつぶやいてください、こころが聞いて自動的にそういう方向へもっていってくれます」
 生徒:「ふーん」(半信半疑の様子)
 先生:「5分考えて、わからないときは質問投げたらいい、いつもわかるようになってるでしょ(笑)」

 このごろ勉強しているのが楽しいのだと思います。成果が出たし、少し自信も戻ってきたようで、モノも言わずに夢中でやってることが多くなりました。独力で問題が解けるというのは愉しいことなのです。この段階になったら、学校や家で勉強してきて、わからないところだけ塾で質問したらいい。11月は週3回に回数が減っていますが、自然なことです。
 国語がとっても苦手ですから、1月から日本語テクストを使った音読指導をします。次は英語の学力を数学と同じレベルに上げるのが目標です。週1くらいの頻度で、早い時間に来れたときだけ、教科書を使って英語の音読主体の授業を40分くらいやるつもりです。他の1年生にも来てほしいのですが、本気でやる気が起きていなければ生徒には有難迷惑になるだけですから勧めません。(苦笑) いま英文法問題集を1冊やらせているので、それが冬休みに終わります。終わったら、印のついている問題だけ2回やってもらいます。半年続けたら、英語の成績が劇的に変わります。
 自力で勉強できるところまでもっていったら、あとは本人の努力でいい。

 根室の中高生で、勉強で躓いている人はすくなくありません。でも、これくらい手間をかけてあげたら3人のうち2人は何とかなります。そして5人に一人は例にあげた高校生のように成績が急伸します。
 学校で放課後個別補習でこんなに時間と手間をかけるのはなかなかできません。一度こじれたら、たいへんなんです。4か月たんたんと24時間の補習授業があってのことですから、中学校でやっているように、年に合計して2週間くらいの放課後補習ではほとんど救い出すことができません、文武両道をくどいくらい生徒に言い聞かせて、学習障害を起こさせないような配慮をお願いしたい。「文武両道、大切にしよう」と一声かけてくれるだけでいい。
 部活動の前に数学の問題集(2年生と3年生用の自作プリント、2年生は1次関数と連立方程式の文章題、3年生は2次関数と計算問題だったかな)をやらせる先生が現れたようです。やってくれるな、ありがとうございます。

 成績が急伸する生徒の特長を書いておきますね。
①いまのままだと成績がやばいと焦り始めた
②3か月間惜しみない努力ができる⇒塾へちゃんと来て、家でも勉強する
③わからないところを見つけて質問する


 以上の3項目だけです。学習意欲は③に現れます。親に言われたから仕方なく塾に来るとか、友達が行ってるから自分も行くというようなケースは成績が上がりません。強い学習意志がないからです。①に気がついた生徒はもうレールに載っています。後はきっかけがあればいいだけ、独力で勉強できないほど基礎的部分に穴が開いていたら、学校の放課後補習に参加するとか放課後先生に質問する、あるいは友人や知人に聞いて自分がいいと思う塾を選んで、お母さんやお父さんの相談してOKがもらえたら門をたたくと好い。通わせてくれる親には感謝の心をもってください。心の底から「ありがとうございます」とつぶやいてみます。心の中で何かが動きます。

 もし、中学生になっても家庭学習習慣がなかったら、一種の「学習障害」と言っていいと思います「治療」に半年から1年かかります。放っておいて治るものではありません、9年間家庭学習習慣がないというのは、それぐらいたいへんなことになっていることを知ってください日本語・語彙不足を補い、日本語の文章の音読・読解トレーニングからやらなければなりません
 根室の中学生の4割は、独力で教科書を読んで予習できないレベルの日本語読解力です。実際に予習している中学生は1割以下でしょう。復習主体の生徒がほとんどです。だから、高校へ行ってさらに躓きます。予習もしないで授業を受けているのですからね、標準的な難易度の問題を授業でやったら生徒の7割が理解できませんよ。だから基本問題だけの授業が増えています。数学の一番下のアルファ・クラスがまさしくそうなっています。ベータ・クラスもβ2のほうは標準的な難易度の問題はパスしてます。数学担当の先生たちはそうせざるを得ないのでしょう
 中学校の定期テストの難易度がどうなっているのか、学力テストの平均点と定期テストの平均点を比べることでチェックして、別稿でご覧にいれます。甘すぎです、定期テストの難易度の低さにあぜんとするでしょう。これでは高校で標準的な難易度の定期テストをやったら、普通科の生徒の半数以上が赤点になります。

 小学校低学年で毎週9時間国語授業に配当がなされていますが、このうちの2時間を音読トレーニングに充ててくれたら、状況は劇的に改善できます。全国学力テストの平均正答率が全国平均を超えるでしょう。校長先生の裁量でできませんか?


*#4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-22





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#4134 基礎学力を保障せよ Nov. 28, 2019 [64. 教育問題]

月田さんのブログから転載します。
http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51883178.html

2019年11月28日

第4774回 基礎学力を保障せよ

191128考える会申入れ

 釧路の教育を考える会(角田憲治会長)
今日、岡部教育長に対し「釧路市の学力向上に関する申し入れ書」を提出しました。

 翻って、釧路市教育推進基本計画を策定し、早7年(5年計画の現在第2期)
 この間、立てた目標に近づくどころか、特に中学校においては状況が悪化するばかり。

 これまでの繰り返しでは、いつまで経っても釧路の子どもたちに十分な基礎学力を保障することが出来ない。
 真摯な反省の上に立って、思い切った改善の施策を講ずる必要があります。

 そこで、以下の項目について意見具申に至ったという次第です。
1 過度な問題解決型学習授業の是正

①学力向上に必須の演習量を確保する
②日頃の授業の中で「読む力・書く力の養成」を「話し合い時間
     の確保」に劣後させない

2 結果の伴った授業改善

①授業マイスター制度(仮称)を導入する
②全国平均以上の目標を達成した学校名を公表する
③教科書を授業と自学自習の中心とする学習習慣を確立する
④プリント主体の授業は原則廃止する(著作権法違反の疑念あり)

3 PDCA検証サイクルの見直し

①単元ごとに到達度の計測を行い、定量分析を行うその結果を、毎月定例教育委員会に報告する
②学力低迷の原因を家庭学習に求めない
③既存の基礎学力検証改善委員会を発展的に解消する

今日は、市教委の首脳たちとざっくばらんな意見交換が出来ました。基本的な問題意識は共有できているし、また意欲も十分にあります。
 
 もしこの陣容で、流れを変えることが出来なければ・・・とさえ感じました。

 引き続き、監視役として今後の取り組みを注視していきたいと思います。

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 写真左手前が岡部義孝釧路市教育長、右側手前が「釧路の教育を考える会」会長の角田憲治さん、角田さんは元釧路教育長です。その隣が釧路市議(元市議会議長)月田光明さん(副会長)、その奥が釧路と中標津で明光義塾4教室を経営する社会保険労務士の三木克敏さん(副会長)、一番奥の女性が釧路市議の金安潤子さん(事務局長)です。三木さんは苺の栽培事業会社「夕緋」の経営もしています。業種を問わずやれると思ったら果敢に飛び込むチャレンジャーです。楽しい人だ。(笑)
 金安さんはニックネーム”ジャンヌダルク”、「釧路子どもミュージカル・キッズロケット」の主宰者です。釧路市教委と市議会でガンガン論戦しています。口調は穏やか、説明は具体的で丁寧、堂々と意見を言います。釧路は市議会で教育論議がにぎやかです。写真の中にはいませんが、他にも大越さんという市議のメンバーがいます。彼は釧路市立病院職員時代に学習支援「寺子屋」の運営で公務員アォード賞を受賞してます。全国でたった3人でした。他にも1級建築士で立体折り紙の名人Sさん、劇団の主宰者Kさんなど、ユニークな人がいます。いろんな職業の人たちが、自分の住んでいる地域の学力低下に危機感を感じて集ってます。

 釧路に住むすべての子どもたちに基礎学力を保障するためには、教育長だけでなく教育行政の実務を取り仕切る学校教育部長や教育指導参事の人選も大事なんです。蛯名釧路市長が教育問題に関心が強いので、着々と手がうたれつつあります。しかし、いままでのところあまり前進がありませんでした。公式に文書で要望を明らかにすることが、教育行政を後押しすることになればうれしい。
 わたしは、忘年会と総会に出席するだけ、オブザーバーのようなものです。でも「釧路の教育を考える会」専用掲示板があるので、そこでデータに基づいて釧路と根室管内の教育問題の議論ができます、便利な時代です。

 北海道14支庁管内で全国学力テストで最下位は根室管内ですが、その中で、根室市は最下位、根室市議会でも、市議と市教委の間で教育問題が熱心に議論されるようになるといいですね。

*釧路子どもミュージカル・キッズロケット
https://www.facebook.com/kodomomusical


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<北海道新聞釧路版の記事>
画像に含まれている可能性があるもの:3人、、三木 克敏さん、月田 光明さんなど

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#4133 バラ色の人口減少社会:土地と家は資産ではなく負債だという感覚 Nov. 27, 2019 [19. 人口減少に関わる問題]

 団塊世代は70歳、終活を始めた人もボチボチいるのではないでしょうか。
 問題になるのは家とお墓です。学力問題で繰り返し取り上げていますが、根室から高校を卒業すると7割が進学して戻ってきません。都会で勉強してそのままそこで職をえます。職を得て年頃になれば、伴侶ができ、子どもが生まれ、ローンを組んで家を買う。
 両親の住む田舎の家は、都会の子どもから見たら、親が死んだあと処分に手間のかかる「負債」です、利用価値がないから資産ではないのです。
 不動産の処分は厄介です。住んでいなくても毎年数万円の固定資産税がかかる。放っておいたらすぐに住宅は痛み出し、取り壊さないといけなくなります。登記変更も必要になるでしょうし、取り壊しは材料別に分別解体が義務付けられていますから200-300万円かかる。そして処分しようにも値段がついて売れるかどうかもわからない。放置される住宅も増えます。廃屋となって台風などで屋根のトタンや木材が飛び散ります。とっても危険ですから、各自治体で取り壊さないといけなくなります。所有権の移転を条件にやらないといけませんから、法の整備が必要です。この問題は厄介度が大きい。

 都会に住む子どもたちにとって、両親が所有している田舎の家はまことにやっかいな「負債」なのです。お墓と家の処分、頭の痛い問題ですね。ああ、仏壇もありました。オヤジが亡くなった平成5年に、仏具店でずらっと並んだ中から、一つが目に止まりました。幼い時から遊んだビリヤード台と同じ材料のものがあったのです。黒檀の仏壇です。ちょうど仏間の仏壇用のスペースにきっちり収まるサイズでした。これはいずれ処分しないといけません。お寺さんと相談ですね。そのまま捨てるわけには行きませんから。位牌も同じこと。やっかいです。仏壇は小さなものにしておけばよかったと、いま思います。
 おれやこれやで、きれいに終活するには500万円ほどかかるというのが現実ではないかと思います。

 たくさんの家が取り壊さざるを得なくなるでしょうが、プラスのこともありそうです。最近の住宅は材料が集成材が多いので、使いまわしができないかもしれません。好い材料を使っている古い家は上手に解体すれば、廃材ビジネスが成立します。コンクリート建物はどうしようもありません。取り壊しの機械も手間も違う、コストが大きい。取り壊しを考えたら、木造住宅がベストです。

 北海道だけでも、これから30年間で百万を超える家が「処分」対象になるでしょう。運よく若い人たちに譲渡できたら幸いです。ほとんどの家が取り壊し処分されるでしょうね。全国ではどれほどの数になりますか、こういう事情を考えると、首都圏のオフィスビルを例外として、一般住宅の不動産価格なんてこれからは下落の一途ではないでしょうか。
 でも、一生懸命に働き、結婚して家を買って、ローンが終わるころには終活、なんて情けない一生はこれからはなくなりそうですから、それはそれで喜ばしい。中古住宅を数百万円で手に入れて、五百万円ほどかけてリフォームしたらいい。一生働いて住宅一つを手に入れただけなんて人生は姿を消します。

 人口が減ったら、自分の食べる野菜や果物の一部は自家菜園でまかなうことが普通の生活になるかもしれません。経済成長を目標にしなければ、所得はそこそこで、週休3日が普通の勤務スタイルにできます。土日ともう一日の休みの日は、家の菜園で畑仕事を楽しむ、根室なら釣りに出かけてもいい。釣り場へのアクセスは電動自転車で十分です。生活は質素、でも一杯楽しめます。
 ビジネスチャンスです、住宅跡地を畑に戻す事業が雨後のタケノコのようにニョキニョキでてくるかもしれません。家庭菜園関連も、気候風土の違いで、さまざまなビジネスが全国各地で立ち上がるでしょう。

 水害の危険のあるような地域には家を建てなくてもよくなります。水害はあっても被害に遭う家がなくなれば、問題はなくなります。津波が襲っても、人口が少なければ、避難道路の混雑もそれほどではなくなり高台までなんとか逃げられるでしょう。高台のない地域では鉄筋コンクリートの避難所を造ればいい。人口がすくなければ避難する人も少なくなります。刑務所の塀のような丈の高いコンクリート堤防で海が見えないなんて無粋なことはやめましょう。子どもたちが海へアクセスができなくなります。浜辺や岩場という遊び場を奪うことになります。いったん作ってしまったら、取り壊すのにたいへんです。百年もたてば潮風に晒されたコンクリートは罅割れをおこし中にある鉄筋も腐ってどうしようもなくなりますから、震災後の瓦礫を海から100mくらいのところに積み上げて堤防とするのがいいのでしょう。植物生態学者宮脇昭翁の主張するように、そこを雑木林にしたらいい。森の堤防です。これなら、50年もすれば市民が集える雑木林の堤防となります。太平洋沿岸に緑の防潮堤を築けば警官がよくなるだけでなく、生態系上も効果が期待できます。
*森の堤防の提案:一般社団法人森の防潮堤協会
http://morinobouchoutei.com/?page_id=62/

 急激な高齢化と人口縮小が同時に侵攻する日本で、経済成長なんてありえないものを追い求めるのではなく、人口減少と経済縮小という前提で豊かな社会、生活をデザインすれば、未来はバラ色にできます。

<余談>
 わたしは52歳でふるさと根室に戻ってきたので、家が東京にもあります。家と車で東京の住宅の維持に年間50万円ほどかかっています。管理組合費、駐車場料金、車検、車両保険、固定資産税、水道光熱費などです。
 女房殿は4回、わたしは最近は年に2度東京へ行ってますから、別荘のようなものです。「ココリア多摩センター丸善」、ワンフロアでは日本一大きな本屋を回るのがわたしには楽しみです。車で10分ほどで行けます。いつまで、そんな「プチ贅沢」をしていられるか、戻ってきてから17年、お袋が亡くなって8年、なかなか決断できません。食材は根室がダントツにいい、新鮮な魚介類がリーズナブルな価格で手に入ります。マツブ、秋刀魚、オヒョウ、鮭、ホタテ、北寄貝、チカ、ワカサギ、コマイ、品の好い味の湾中の牡蠣、カジカの三平汁、オヒョウのアラ汁、蟹の鉄砲汁、魚貝類だけではありません、別海の牛乳もおいしい。毎日、別海牛乳でヨーグルトを作って食べてます。
 さて、わたしはふるさと根室で死ねるのかどうか、未来は分からないでいいじゃありませんか。とにかく、30年をかけて団塊世代は日本列島から消えていきます。ケセラセラ。
 あ、18歳で根室高校を卒業するまで根室生まれの根室育ち、そこから35年間東京暮らし、ふるさとに戻ってきてから17年ですから、東京と根室がちょうど35年ずつになりました。
 生徒を教えられる体力があることに感謝です。



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#4132 ローマ教皇の長崎スピーチ:マリアはその青い目で何を見たのか Nov. 24, 2019 [8. 時事評論]

 74年前に浦上天主堂の上空で原子爆弾がさく裂してキノコ雲が上がった。瓦礫の中から出てきた頭部だけとなった聖母マリア像は黒い涙を流していた。雨の降る中での素晴らしいスピーチでした。浄化の雨に感じます。

 フランシスコ・ローマ教皇が武器取引を強く批判しました。ずいぶん踏み込んだご発言です。キリスト教原理主義の国アメリカへの真正面からの批判でもあります。自浄作用の一つですね、欧米文化のいいところです。こういうところは日本の政治指導者も素直に学んでもらいたい。
 唯一の被爆国であるのに日本は核兵器禁止条約を批准していない。

*https://www.msn.com/ja-jp/news/world/フランシスコ教皇、長崎でスピーチ-核兵器使用と武器取引を批判/ar-BBXeQF3
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教皇はさらに、核兵器は安全保障や平和と安定を希求する上で「解決策にはならない」と述べ、「むしろ核兵器はいつもその望みの実現を妨げているように思われる」と語った。…
スピーチの中で教皇は、「相互破壊の恐怖や完全破滅の脅し」と平和は相いれないと指摘。「多くの子どもたちが非人間的な状況で生活している」中にあって武器取引によってお金が浪費され、一部の人が財をなしていることは「天に対する公然たる侮辱」だと批判した。

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*「ローマ教皇「核保有、平和への答えにならず」 長崎・広島訪問、核廃絶メッセージ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019112400126&g=soc
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その後、被爆者ら約1000人を前に、スペイン語で核兵器廃絶に向けた演説を行い、「ここは、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的結末をもたらすことの証人である町だ」と指摘した。
 また、武器の製造や維持に多額の費用が使われていることは「途方もないテロ行為」だと批判。核兵器規制の国際的枠組みが崩壊の危機にあると警鐘を鳴らし、核兵器禁止条約を含め核軍縮と不拡散への取り組みを各国に呼び掛けていく決意を表明した
 さらに、政治指導者に向けて「核兵器は国家や世界の安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない」と訴えた。
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<被爆マリア>
 青いガラスの目のはいった(2mの木製の)美しいマリア像だった。浦上天主堂の瓦礫の中から頭部だけが発見された。原爆を投下した兵隊がこのマリア像を見たら卒倒するだろう。怖い。
 盲(めし)いた聖母マリアは何を語るのか。
http://oratio.jp/p_column/mariazo-sukinaunmei

 ナチスのユダヤ人虐殺は、宗教面からみるとキリスト教徒による異教徒の大量虐殺だった。1945年3月10日の東京大空襲、広島と長崎への原爆投下も異教徒の大量虐殺と言えよう。ベトナム戦争でダイオキシンを大量に撒き散らすナパームやクラスター爆弾の使用もキリスト教原理主義の国米国が異教徒へたいしてなしたものである。イラク侵攻で劣化ウラン弾の使用も異教徒(イスラム教徒)に対してなされた。
 聖書に従えば、キリスト教徒にとって異教徒は人間ではなくて悪魔であるから、信仰の厚いキリスト教徒ほど、異教徒の大量虐殺は罪の意識が薄くなる。
 ナチスのユダヤ人虐殺を大量虐殺というなら、米軍による東京大空襲も広島と長崎への原爆投下も、ベトナム戦争でのナパーム弾やクラスター爆弾の使用も、イラク侵攻での劣化ウラン弾の使用も、等しく大量虐殺としてその罪が裁かれなければならない。

<歴史の暗部:16世紀、宣教師は奴隷と火薬(硝石)貿易に携わっていた>
 天正使節団がイタリアで見た真実。50万人もの日本人がヨーロッパ各地で奴隷として使役されているのではないかと書いている。
 火薬を手に入れるために自国領内で奴隷狩りを繰り返したキリシタン大名有馬晴信と大友宗麟。天草四郎もそのうちの一人。この恥ずべき「奴隷と武器貿易」で莫大な資金をイエズス会が手にしている。
 戦争するために火薬原料の硝石が欲しい日本人とイエズス会の宣教師たちがやった所業である。支払いを金銀をもってするのではなく自国領内の女を狩ることで贖った。事実を知った秀吉が激怒、日本人奴隷の返還を宣教師へ要求、「銀子は支払うから連れ戻せ」、この秀吉の言は世界史上の名言です。君主が自国民を奴隷状態から救い出すために金を支払うから解放して連れ戻せとまで言った例は皆無である

「予は商用のために当地方に渡来するポルトガル人、シャム人、カンボジア人らが、多数の日本人を購入し、彼らからその祖国、両親、子供、友人を剥奪し、奴隷として彼らの諸国へ連行していることも知っている。それらは許すべからざる行為である。よって、汝、伴天連は、現在までにインド、その他遠隔の地に売られて行ったすべての日本人をふたたび日本に連れ戻すよう取り計らわれよ。もしそれが遠隔の地のゆえに不可能であるならば、少なくとも現在ポルトガル人らが購入している人々を放免せよ。予はそれに費やした銀子を支払うであろう。」

 キリスト教禁止令はそういう背景があってなされた。秀吉も家康も宣教師がキリスト教布教と一緒になにをしていたのか知っていたのである。異教徒は悪魔だから、何をしても罪にはならない、そういう考えが長崎への原爆投下の伏線になっている。あろうことか、「秘跡」の儀式で信者が満員になっている浦上天主堂の真上で原爆を炸裂させた。ここまで読んだ方は、もう一度「被爆マリア」の嘆きと絶望の表情をみてもらいたい。原爆被害の惨状を見るのも嫌だと目玉を自らくりぬいたように見える。

 画面に表示されるサイトのURLを貼り付けます。
https://www.susanoo.net/historical-fact/japan/japanese-slave

 こちらはユーチューブです。
https://www.youtube.com/watch?v=sAh0tj6GQAQ&feature=share&fbclid=IwAR1B0_2tSi9DtANqXZ1RGk9hGCD3wEGZO3lHgvIo3tZQBKeFcsH6O1UsgxQ


 十数年前に読んだ面白い本もついでに紹介します。単行本のほうで読みましたが、いま文庫本がでてますのでそちらをどうぞ。

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)

  • 作者: 松原 久子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫


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#4131 Sapiens: page 11 Nov. 23, 2019 [44-3. 原書講読講座 Sapiens]

 今週のSapiens講読授業から…
 とりあげる文の見通しをよくするために、この段落の冒頭部分をまず紹介する。


<10.3> Women paid extra. An upright gait required narrower hips, constricting the birth canal -- and this just when babies' heads were getting bigger and bigger.  Death in children birth became a major hazard for human femailes.

 直立歩行のために女が支払った代償は細い腰、狭い産道、そしてますます大きくなる赤ん坊の頭部。こうして出産時に死のリスクが高くなるのは避けがたいものになった。

 問題は次の文である。
<11.1>  Women who gave birth earlier, when the infant's brain and head were still relatively small and supple, fared better and lived to have more children.  Natural selection cosequently favoured earlier births.  And indeed compared to other animals, humans are born prematurely, when many of their vital systems are still underdeveloped.  A colt can trot shortly after birth ; a kitten leaves its mother to forage on its own when it is just a few weeks old.  Human babies are helpless, dependent for many years on their elders for substance, protection and education.

  猿人が直立歩行するようになったのは400万年以上以前の話である。ヒト属の出現が250万年前、gave birthはそんな古い時代の話である。直立歩行することで、ヒトのメスは体形が変わり出産に困難を抱えるようになった。二足歩行で手が自由になることで掌の筋肉や神経系が発達して胎児の脳が大きくなり、出産にさらなる負荷と生命のリスクが加わる。

 生徒はearlierが何を指すのか迷ったのだが、earlierは時間の前後関係を表しているから、後続のwhen節以下がその補足説明だと理解したらいい。"prematurely, when"の箇所も同じである。
 省略された箇所を補うと、次のような文になる。
 Women who gave birth earlier (than other animals)
 earlierを具体的に補足説明する節をつなげるためにカッコ内の句が省略された。意味の塊ごとに理解しろと言ってあるので、確認したら、ちゃんと読み取れている。

(1) Women who gave birth earlier,
(2)  when the infant's brain and head were still relatively small and supple
(3) (women) fared better (than she gave birth later)
(4) (women)  lived to have more children

 

(1)女は早く子供を産んだ
(2)胎児の脳と頭蓋はまだ比較的小さくてやわらかい
(3)女は(遅く出産する)よりするりと子どもを産む
(4)女は生きながらえ、その結果たくさんの子どもをもつ

 "lived to have more children" この部分の訳で手間取る高校生が少なくないだろう。liveは「生きながらえる」、to以下は「結果」に訳す。不定詞の副詞的用法で「結果」に訳すものはあまり出てこないから、選択肢として頭の片隅に置いておいた方がいい。前後関係から判断がつく。
「胎児の脳と頭蓋がまだ小さくて柔らかいうちに子どもを産む女は、遅い女に比べてすんなりと子どもが産めて、そして生きながらえ、たくさんの子どもをもつ」
 出産が遅くなればなるほど、胎児は母体の中で成長して、脳が大きくなり、頭部は固く大きくなるから、出産時に母子ともに死んでしまう確率が上がる。だから、比較的早いうちに産んだ女が生き残り、たくさんの子どもをもつことになった。それが自然選択Natural selectionである。
 部分にこだわらずに、理解できない箇所があっても段落全体を読んでみよう。何か抽象的なことやわかりづらいことを書いたら、後続の文で補足説明をするというのが「作文の作法」であるから、先を読めばわかることが多い。引っかかったら、そこを離れて段落全体に目を通して流れをつかみ、それから意味を考えたら、ロジカルに読める。earlierも後続ののwhen以下の節の補足説明なしに理解ははなはだむずかしい。

 fareは「料金」で覚えている人が多いだろう、ここでは動詞だ。fareを動詞で使っている文をわたしは初めて見た。稀な用例のようだ。こういうときは素直に辞書を引こう。もちろん前後関係で文意が読めてしまう人はそのかぎりではない。
 fare:v (正式・まれ)It fares well with her. ([人にとって]事が運ぶ[いく]) 彼女はうまくやっている。
 「脳と頭が小さくてすんなり事が運ぶ」というのは、頭がひしゃげながら、スルンと出てくること。betterと比較級が使われているのは、長く母親の体内にとどまっているよりもすんなりということ。現代だって、妊娠してから実家へ帰って上げ膳据え膳で楽していると、体重が増えて、胎児も大きくなってしまう。初産で4000gを超えたら命の危険がある難産になる。3000gくらいにコントロールするのが胎児も母親も生命のリスクが小さくてよい。妊婦は妊娠後期になったら、体重増加を小さくするように注意したらいい。
 妊婦の体重増加はBMI値が標準なら、7-10㎏である。詳しいことは次のサイトを参照してください。
*https://192abc.com/15344

  eldersは年長者がいいだろう。大人ばかりでなくて、年長の兄弟や周りにいる子どもたちも含んでいる。大人だけならadultsと書くだろう。書き手は言葉を選んで書いている。

「赤ん坊の脳と頭がまだ比較的小さく柔軟な、早い段階で出産した女性のほうが、無事に生きながらえて子どもを産む率が高かった。その結果、自然選択によって早期の出産が優遇された。そして実際、他の動物と比べてん弦は、生命の維持に必要なシステムの多くが未発達な、未熟な段階で生まれる。子馬は誕生後まもなく駆け回れる。子猫は生後数週間で母親のもとを離れ、単独で食べ物を探し回る。それに引き換えヒトの赤ん坊は自分では何もできず、何年にもわたって年長者に頼り、食べ物や保護、教育を与えてもらう必要がある」柴田訳

 周辺知識があまりない分野の英文を文脈を追いながら読むのはなかなかしんどい。でもこうして1冊読めば、必要な知識が蓄積されていくから、ハラリの”Homo Deus”を読むときにはずいぶん楽になるだろう。たぶん、日本語の文章の読解力強化にもなっている、言語が違っても読解力は一緒だから。

<スラッシュ・リーディングについて>
 ”Sapiense”くらいの難易度の本になると、スラッシュ・リーディングといっても、そもそもスラッシュをどこにいれていいのかわかりにくいところが出てくる。瞬時に省略部分を補って読めなければ、適切なところへスラッシュを入れられないし、入れてみたところで、スラッシュで区切られ、ばらばらにされた文を、論理的な整合性を産み出して統合するなんてことは容易な技ではない。高校教科書程度の難易度の読み物なら有効だろう。
 意味がつかめてから、トレーニング用に読む場合は、スラッシュ・リーディングは効果が大きい。
 CD付音読トレーニング教材を使って注意深くシャドーイングすると、意味の塊を意識した音読ができるようになる。どこにスラッシュを入れるべきが音で判断がつくようになる。だから、Sapiensを読むのとCD付音読トレーニング教材でのトレーニングを併用すると相乗効果がある。やはり大きな声を出して読むのが基本だ。
 前回は同時通訳のスキルを導入したKHシステムを紹介したので、今回は高校生向きの音読教材を紹介したい。8+8=16個のトピックスが教材になっている。高校生にはこのくらいの長さがちょうどいい。

 bathsのthの音とその後のs音は、発音トレーニングをしていないとなかなか聞き取れないし、真似できません。そのあたりに自信がなければ、『ザ ジングルス 英語の発音86レベル』を使うといい。

CD BOOK 英語をモノにする7つの音読メソッド

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  • 作者: 川本 佐奈恵
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英語の発音 ザ ジングルズ レベル86発音筋肉強化編

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Homo Deus: A Brief History of Tomorrow

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#4130 根室市の子どもたちの学力アップの具体的な方法:「学力向上特区申請」 Nov. 23, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 令和元年の全国学力調査で根室管内が北海道14支庁管内で最低であることがわかった。データは弊ブログ「#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか?」をご覧いただきたい。根室管内の中で、根室がとくに低学力であることは普段の学力テスト結果からわかっている*。
 そのことはレーダーチャートの形からも判別がつく。根室管内の学力調査結果を科目別・分野別に小学校8本(8分野)、中学校11本(11分野)に著したレーダチャート**があるが、中学校では1市4町の中で根室が最悪である。別海町よりも、中標津町よりも、標津町よりも、羅臼町よりも、根室市のほうが面積が小さい。レーダチャートにあらわされた面積が大きいほど全国平均値へ近づく。
*https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20
**http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/r1/R1_478_488nemuro.pdf?fbclid=IwAR11_faRky5Pk44EmRF6Wi_MUNPALcLesiAsXV0OdW5JYMzBd6v8xlc0Qag


 このままではいけないと思うのはわたしだけではないだろう。根室の子どもたちの7割が都会へ出て行ってしまうが、放置すれば低学力のために非正規雇用で貧困から抜け出せなくなる。地元経済も人材難からさらに地盤沈下を続け、20年後には地元企業の半数が消滅しかねない。それはさらなる人口減少の加速を招くことになる。

 さて、そういう現状を打開する具体策を考えてみたい。根室市・別海町・中標津町の小学校と中学校の生徒数や教員数データをEXCELで整理したので並べて御覧に入れる。

<小学校>          
  学校数 学級数 生徒数 教員数 生徒/学級 生徒/教員
根室 8 72 1051 105 14.6 10.0
別海 8 77 914 109 11.9 8.4
中標津 4 67 1233 94 18.4 13.1

<中学校>          
  学校数 学級数 生徒数 教員数 生徒/学級 生徒/教員
根室 7 41 615 93 15.0 6.6
別海 8 41 465 90 11.3 5.2
中標津 2 29 681 52 23.5 13.1


 小学校は1クラス当たりの平均生徒数はたったの10人である。世の中、30人学級にしろと騒いでいる地域があるが、根室はとっくに30人を切っており、平均するとその1/3だから、一クラス当たり生徒数を少なくすれば、成績が上がるという巷に流布する迷信はまったく事実と違っていることがわかる。

 問題を簡単にするために、根室市内の小学校を花咲小学校の場所に新校舎を建てて、1校に統合したとしよう。1クラスの人数を25人としたら、43クラスである。校長と教頭が13人いるが、これは2人に減らせる。必要教員数は「クラス担任46人+20人+2人(校長と教頭)=63」が妥当な線だろう。
 算数の「量と測定」の正答率が全国平均の半分以下だから、算数の専任担当を10人加配すると、必要教員数は73人である。さらに放課後補習担当に5人配置すれば78人となる。
 現有教員数は105名だから、「105-78=27」人減らしても大丈夫だ。根室の小学校を1校に統合すれば、27人は他の地域へ異動して戦力にできる
 無料のスクールバスを朝と放課後各地域へ回す。放課後は時間をずらして3便にする。この費用は、人員を削減することで捻出できる。地方公務員の平均年収は600万円だから、「600万円×27人=1億6200万円」が浮くから、無料スクールバスをこの一部を転用して運行する根室交通を使えば、公共交通網の維持に役立つ。じつに美味しい話ではないか。道教委と根室の公共交通網維持、ウィンウィンだ。
 ちなみに、団塊世代のときの花咲小学校は生徒数が2000人ほど、わたしの学年は1クラス60人、6クラスあったから、1学年360人だった。光洋中学校は1クラス55人編成で10クラスだったから、1学年550人。全校生徒は1500人ほど。だから、1校に統合しても小学校で7割、中学校で4割の規模に過ぎない

 同じことを中学校で考えてみよう
 根室市内の中学校を1校に統合したとしよう。1クラスの人数を25人としたら、25クラスである。校長と教頭が13人いるが、これは2人に減らせる。教頭の成り手がいなくて困っていると聞くが、そういう問題もついでに解消できる。統合後は25クラス、中標津町の29クラスより4クラス少ないから、必要教員数は中標津町の現有教員数を利用させてもらおう。教頭と校長は2人でいいから、50人である。「93-50=43人」が余剰人員となって浮いてくる。43人のうち20人は学力強化要員として根室中学校に配置し、23人は根室市外へ異動できるから、浮いてくる人件費は「600万円×23人=1億3800万円」となる。市街化地域の各学校では長期病欠の教員が1-2名いて、穴の開いた授業に免許外の先生がフォローせざるを得なくなっており、その負担が一部の先生にかかって共倒れになりかねない状況にある。統合すれば、20人加配できるから、そういうリスクを解消できる。
 中学校も無料スクールバスをだして送迎しよう。その費用は浮いた人件費の一部を使う。そして、余剰になった人員を、根室管内で学力の低い地域である中標津町・標津町・羅臼町の学校へ加配してあげたらいい。

 予算の増額もいらず、人員増も必要なしでこんな結構なことが現実にできる
 もう、小学校の先生たちに算数授業を任せていてはだめだ。小学校には算数専任の先生と中学校にはコンピュータと通信回線メンテナンス用の専任教員も配置して、授業内容をがらりと変えてしまおうタブレット端末を全員にもたせて先進的な授業も導入したいそして放課後補習体制をしっかり組もう国語は小学校低学年で週9時間の授業時間のうち2時間をルビを振った文学作品を中心としてテクストを選び音読授業に使おう国語と算数教育を充実させたら、根室市の子どもたちの学力は大きくアップできる。全国平均正答率なんてずっと下になるだろうよ。

 統合後の校長は学力アップ・マネジメントができる人を選びたい

<「学力アップ特区」実現の手順>
 全国学力テストで全道14支庁管内で根室管内が最低の正答率を記録し、根室管内でもとくに根室市の小中学生の平均正答率が低いのだから、それを理由に「学力アップ特区」申請をしよう。根室市長と根室市教育長、根室市教委が北海道教育庁根室教育局と交渉したらいい。根室市内の教員のみなさんがバックアップしてくれたら、市長や根室市教育長がやりやすいだろう。根室市議会議員のみなさんにも協力してもらいたい。地元経済諸団体も協力願いたい。何が何でも根室っ子の学力を上げるんだという、根室の大人たちの覚悟が問われている。
 なせばなる、具体的な提案をして、北海道教育庁と文科省に認めてもらったらいい。
 これで道内の小中学校の統廃合が進めば、予算の増額なしに教員不足問題が解消でき、教員の質の低下が食い止められる。北海道教育庁や文科省にとっても好い話だろう

<参照資料>
 小学校算数「量と測定」分野が全国平均正答率の半分以下国語は偏差が小さいのに中学3年生の国語の「読む」「書く」「話す」が8割前後中学数学「資料の活用」「関数」が60%未満「図形」と「式と計算」分野が70%前後であることが、教科分野別レーダチャートで読み取れる。
 「Ctrl」キーを押しながら「+」キーを3度叩けば画面を拡大できる。「-」キーを3度叩くと元に戻ります。右へスクロールすると中学校が、そして別海町が同じ順序で、次いで中標津町が、そして標津、羅臼と続きます。
*http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/r1/R1_478_488nemuro.pdf?fbclid=IwAR11_faRky5Pk44EmRF6Wi_MUNPALcLesiAsXV0OdW5JYMzBd6v8xlc0Qag



 全道14支庁管内で根室管内がまるで離れ小島のような状態で最下位であることが次のグラフでわかります。小学校国語以外は一番左側にあるのが根室管内です。これも同じ操作で拡大できます。
写真の説明はありません。
写真の説明はありません。


<余談:総人口と子どもの数>
 根室と中標津と別海の人口は、令和元年10月末データでは、
 25,204  23,339  15,013人
 この順序で小学校の生徒数を並べると
 1,051  1,233  914人
 中学生数は、
 615  681  465人

 何が言いたいかというと、人口の少ない中標津町のほうが小学生も中学生も根室市よりも多いということ。そして人口が根室市よりも1万人少ない別海町の子どもの数が案外多いということ。総人口サイズは根室の60%なのに、小中学生は根室の1,666人に対して、別海町1379人、82.8%だということ。別海町は子どもの数が多い25年後にはこれら3自治体で根室が一番人口が小くなってしまう可能性がある


*北海道教育庁根室教育局のホームページに資料が載っているのでそれを利用した
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/nky/R1_nemuro-kyoikuz.pdf

#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか?
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-20


 #4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 #4122 学力テスト総合B学校別比較データ:釧路管内8校と根室管内6校  Nov. 13, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-13




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#4129 高齢者講習体験記 Nov. 21, 2019 [A8. つれづれなるままに…]

 道内の中央部よりはずっと最低気温が高い根室でも、マイナスになる日がぼちぼちでてきた。根室はすっかり冬である。もうすぐ、雪かきシーズン到来だ。犬は雪の中を喜んで駆け回り、老人は体力維持を兼ねてせっせと家の前のバス停の雪かきに精を出す。水を飲みながらやらないと尿管結石を発症しかねない、あんがい汗をかくのだ。(笑)

 ところで70歳になると高齢者講習を受けなければならない、根室相互自動車学校へ予約を取って教習所へ行ってきた。12時30分から15時まで、2時間半。
 警察からの案内葉書に収入証紙が必要と書いてあったが、講習手数料の収入証紙5000円は持参の必要がない、写真撮影の代金と合わせて5900円を教習所の窓口で支払えばよい。

 小冊子『いつまでも安全運転を続けるために』の解説をしたあと、静止視力、動体視力、夜間視力、視野測定などの視力検査、その後、運転実習というメニューだった。
 安全運転のための講習では、次のようなケースの説明があった。
①停止線のない場合の交差点での一時停止位置はどこか?
②交差点の角がRになっている場合は停止位置と交差点の中心はどこか?
③徐行速度は時速何キロメートル以下か?⇒10km/h以下、ブレーキをかけて1m以内で停止できる
④交差点での右左折のしかた⇒右折の際は交差点の中心を車体の左側がギリギリの位置で曲がる
 勉強になりました。
 
 実習では、いくつかポイントがあった。
①方向転換
②一時停止
③S字カーブ
④ジグザグ運転(等間隔のポール5本の間を縫って運転する)
⑤障害物のある道路で適切なウィンカーの出し方(車線を戻すとすぐに右折ウィンカー)

 方向転換が道路が狭いのと、自分の車よりも前が大きくて、前輪の位置がわからずてこずった。バックの際に前輪が縁石に引っかかるような気がしてやりにくかった。ポールの間を縫って運転するのはあんなに狭いところを普段より大きいボディの車でこすらずに行けるわけがないと思ったが、ハンドルを右に切り終わると同時に左へ戻してさらに切り、と教習所の先生がやったようなハンドルさばきを真似たら、すっと通り抜けられた。あれは気分がいい。わたしの前に運転したIさんは外周運転のときに緩い右折カーブでセンターラインを越えて曲がったとたんに、O先生「逆走です!」、ちょっと焦っていた。右カーブのときにセンターラインを越える運転者は多い。自転車で自衛隊の付近を走っているときに、右折してきた車に進路をふさがれて、マウンテンバイクを急ブレーキ、綺麗に一回転して受け身を採ったのはいいが、縁石に右腿をしたたかに打ち付けで打撲、見る間に腫れてきた。痛かったな。日曜運転するみなさん、右折の際は「逆走」して進路をふさがないように、
 方向転換の際に、一度切り換えしたので、先生の指示でそこだけもう一度やることになった。2度目は進行左に車を寄せて、左にハンドルを目一杯回しても前輪が縁石に当たらないように配慮、右側が大きく空くようにバックして停止、右側に余裕があるので前進しながら楽に右折。道路がやたら狭く見えたが、車が大きいせいだろう。ふだん軽四輪に載っているおばちゃんが縁石に乗り上げながら5回ほど切り換えしていた。普段乗っている軽四なら簡単に方向転換できるのだろう。車が大きいととっても運転しづらそうだった。

 一つわかったことがあった。根室は左折するときにやたら車を左に寄せる人が多いのでなぜだろうと疑問に思っていた。左折時のバイクや自転車の巻き込み事故が多いのでそう指導していると説明があった。わたしが昔教習所で習ったときは、「左側をサイドミラーで自転車やバイクが来ないことを確認してから左折」だった。巻き込み事故が多いなら、バイクの進路を塞いでしまうという指導をした方が安全だ。バイクや自転車が割り込めないように左へ寄せる、これからそうしよう。
 O先生、どうもありがとう。

 月に2度くらいしか運転しなくなった、2年に一度くらい、教習所へ練習しに行った方がよさそうだ。高齢者用にそういうメニューを作ってもらえないだろうか?

 掲示板を見たら、北海道新聞の9月2日の記事が張ってあった。記事を読んだら、高校同級生の「にゃんこ」(ニックネーム)が取材されていた。高齢者教習で最前列に座っている写真も載っていた。正月2日の同級生の新年会と春の川湯温泉「九人会」の2度顔を合わせる仲間だ。



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#4128 釧路と根室管内の子どもたちの学力はなぜ低いのか? Nov. 20, 2019 [71.データに基づく教育論議]

 全国学力テストのデータを見ると、根室管内は小学6年生は国語11番、算数最下位の14番中学3年生は14支庁管内で飛び離れて最下位に位置している。
 釧路管内は小学校国語で3番目、算数では5番目なのに、中3国語で13番、数学で12番と著しく「落下」している。十勝管内と比べると、小学校では釧路のほうがダントツに好いのだが、中学3年生は十勝を仰ぎ見ることになる。この表は、道教委作成のものに釧路の友人のM木さんが赤丸をつけてくれたものだ。十勝管内と釧路管内の子どもたちが、小学6年では釧路のほうがいいのに、中3になると逆転してしまう、その有様がグラフだとこんなにはっきりわかる。数字だけ見ているのとは印象がまるで違う。
写真の説明はありません。
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 フィンランドは人口550万人、義務教育と後期中等教育に携わる教員の数は66000人である。人口は北海道と同じだ。北海道の小中学校の教員数を検索してみたが、データがなかった。数を比較してみたかった。それにしても北海道と福井県だけが教員数のデータがないのはなぜ?僻地校が多いから全国平均よりはずっと教員数が多いに違いない。根室市内で30人学級のところはいくつあるだろう、ほとんどが30人以下である。
 道教委のデータは次のようになっている。表にまとめてみた。
*http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksk/chosa/gakkou-i/2018gakkou-i.htm

  教員数 生徒数 生/教
小学校 19,014 241,748 12.7
中学校 11,304 122,758 10.9
高校全日制 6,983 83,930 12.0
高校定時制 433 2,377 5.5
合計 37,734 450,813 11.9

 都道府県別小学校の教員一人当たり生徒数は北海道が39位。
*https://ecitizen.jp/Ssds/Indicators/_E0510301
 北海道の教員一人当たり生徒数は47都道府県中41番目である。
*https://retu27.com/prefecture_ranking.html?fid=152#i-2

 根室市の小学生は8校生徒数1051人、校長と教諭合計で105人ですから、教諭一人当たり小学生徒数は10.0人。中学校は7校615人、校長と教諭で合計86人ですから、教諭一人当たり中学生徒数は7.2人。どちらも全国平均よりも25%程度少ない。学級数は小学校72、中学校41ですから、小学校のクラス当たり平均生徒数は14.6人、中学生は15.0人です。世の中30人学級にしろだなんて騒いでいますが、根室はその半分です。小中学校を統廃合したら、教員人数は7割で十分です。つまり、余剰分を学力強化に回せるということ。北海道教育庁と話し合う材料にできると思います。
*北海道教育庁根室教育局のホームページより
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/nky/R1_nemuro-kyoikuz.pdf

 私立を含めて40,000人だとすると、おおよそフィンランドの6割の体制である。フィンランドは学卒ではなくて、大学院修士課程卒をこれだけ養成しているのだから、国が教育に力を入れているのがどれほどか理解できる。日本は学校の授業へのコンピュータの導入もとっくに後進国になってしまった。たとえばタブレット端末を授業で毎日使っている学校は道内にはほとんどないのではないか。機器や通信設備のメンテナンスができて、プログラミングのできる専任教員の配置が必要だが、そういう体制を作ると今から取り組んでも人材の育成に20年以上かかるだろう。

 フィンランドの後期中等教育とは高等学校と職業学校を指すもののようだ。高校から大学へは直接いけない。高校⇒職業学校⇒大学あるいはポリテクニク(高等職業専門学校)というコースになっている。
 教員の資格は教育関係の修士号取得者となっているから、教員の質は高いようだ。フィンランドはPISAでは数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーで最上位を占めていたことがあるが、近年は三つとも最上位から脱落している。フィンランドで低学力層が増えているのはなぜだろう。教員の質が高いだけではダメかな、なにか他にも要素がありそうだ。
*フィンランド教員数・資格要件
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/023/siryo/attach/1378640.htm
**https://ja.wikipedia.org/wiki/OECD生徒の学習到達度調査
***https://www.huffingtonpost.jp/satoshi-endo/japan-pisa_b_14095374.html

 地域の未来を担う子どもたちが高い学力を身に着けるには、高い学力の教員が必要だという命題が真だとしよう。
  教員の学力が高い(P)⇒ 生徒の学力が高い(Q)
  (教員の学力が高ければ、生徒の学力は高い)

 高校1年の数学「命題と論証」で、Pは仮定Qは結論PならばQは命題だと習う。この命題がだとしよう。この命題の対偶は「nonQ⇒ nonP」である。命題「P⇒Q」が真なら、その対偶ということになる。
  生徒の学力が低い(nonQ) ⇒ 教員の学力が低い(nonP)
  
(生徒の学力が低ければ、教員の学力は低い)

 全国学力テストで、北海道は全国平均以下の地域である。その北海道14支庁管内で根室の中3は国語も数学も最下位、英語は13位だが最下位の宗谷管内とほとんど一緒、正答率46.8(宗谷管内)と46.9(根室管内)だ。
 ふだんの学力テストの結果から、根室管内で根室市内が中標津町や別海町よりも低いことがわかる。
*#4099 学力テスト総合A18校科目別データ Oct. 11, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-10-11


 根室の中学校の先生たちは北海道教育大釧路分校出身者の比率が高い。地元だから当然だろう。札幌出身者で釧路管内や根室管内の僻地校で勤務したいなんて学生がいたらめずらしい。だから、政令指定都市の学校採用試験に受からない人たちが、集まることになる。中にはそうではない人もいるがごく少数だろう。郡部校に勤務してトイレが水洗でないことに驚いたという話を、二人の人から聞いたことがある。根室高校だって水洗になってどれほどたつのか。FM根室で対談した根高の進路指導室の先生が赴任した当時水洗でなくて困ったと言っていた。奥さんが都会生まれで水洗トイレしか使ったことがなければ、ぽっちゃんトイレと聞いただけで亭主の赴任に反対するだろう。教員を確保するためにはこういうことにも気を使わないといけない時代なのである。ただ来てほしいでは人材を確保できない。都会よりも快適な住宅を用意して当たり前なのだ。都会よりも快適な生活がおくれることがはっきりしていたら、採用試験への応募は増え、採用された教員のレベルも上がる。
 過去には縁故採用も多かったと聞く。なにもしなければ僻地には他では合格できない学力レベルの人たちが多く集まる。受け入れる側にも努力が必要なのである。

 教員の出身校別のデータは釧路管内と根室管内の自治体の教育委員会がもっていると思う、わたしには具体的な数字がどうなっているのかわからぬ。
 北海道教育大は全国の都道府県の教育大で最下位グループ。その北海道教育大には札幌分校、旭川分校、函館分校、岩見沢分校、釧路分校がある。函館と岩見沢はすでに教員養成をしていないらしい。教員は「計画養成」するような仕組みになっているから、函館と岩見沢はもうその必要がないということだろうか。
 入試偏差値の序列は、
  釧路分校<旭川分校<札幌分校
 中学校の数学と英語の管内別正答率を見たら、この通りの序列になっている、怖いね
  釧路管内<上川管内<石狩管内
 旭川は旭川医大があることが大きい。31年度の進路実績を見ると、現役生で16人、過年度卒で5人合格している。看護学部は現役9人だ。地元にあるからこそ、これだけの人数が進学できる。中学生の学力の底上げに貢献しているだろう。

 釧路分校出身者でも優秀な先生はいる。中学理科の先生でお一人優秀な先生を知っている。どの大学も上位3%は優秀な学生がいるだが、平均的な学力レベルは入試偏差値に現れているのではないだろうか

 全国学力テストの結果は根室管内の中3の正答率が北海道14支庁管内で最下位であることを示している。グラフで見たように、極端に離れている。
 どうやら、対偶は真であるようだ。つまり、全国学力テストで根室管内の子どもたちの平均正答率が低いということは、先生たちの学力が低いということだ。授業力と年間授業計画を計画通りに運ぶマネジメント能力を一度点検すべきだろう。

 下位グループを見ると根室、宗谷、オホーツク、日高管内で構成されている。これら管内に共通するのは教育への関心が低いこと、オホーツク管内を除いて大学がないこと。中3をみると根室管内がかけ離れて最下位にいることがわかる。

 処方箋ははっきりしている。教育への関心を高めること、そして優秀な教員を採用することが問題解決の道だろう。市議会で学力に関する議論が盛んになされるようでなくてはいけない。経済諸団体内部でも地域の子どもたちの学力が話題にならなくてはいけない。地域の未来は、それを担う子どもたちの教育にかかっている。

 学力差がはっきりしているのだから、長期的には釧路分校出身者の割合を下げることも考えたほうがいい。小中学校の統廃合をすれば、長期的に調整が可能だろう。だが、道教育大釧路出身者の割合を減らしても、その隙間を埋めるのは、他では合格の難しい学力の教員志望者ということになるだろう。花咲線も釧網線もそのうちになくなるだろうから、ますます僻地化が進む。なんとしても子どもたちの学力低下を食い止めなくてはならない。

 あきらめる必要はない、北海道の平均正答率を超えるぐらいのことはそうむずかしいことではない、現有教員で十分にやれる問題はやり方である。釧路の友人のM木さんがFB上で次のような具体的な提案をしてくれている。

①基本問題しかやらない授業をあらため、難易度の高い問題も授業で採り上げる
②定期テストの問題の難易度が低すぎるから、標準的なレベルに改める
③過度なプリント授業を廃止する
④授業の進捗管理を徹底する
⑤「すっ飛ばし」をやらない

 これら五項目を徹底するだけで北海道平均正答率は超えられる。放課後の個別補習をしなければ救えないから、根室管内の先生たちが、学力向上に取り組もうとしたら、大変な労力が必要になる。自分たちが教えている生徒の学力をなにがなんでも上げてやるという「覚悟」のほどが試される。部活制限についても保護者と向き合わなければ、低学力の生徒たちを集めて放課後補習なんてできはしない。上にはみ出した生徒と下にはみ出してしまった生徒たちには学校外での教育(私塾)も関係してくる。子どもたちの学力アップには地域の協力が必要だということ。
 「中小企業はオヤジ(社長)次第」というが、学校は規模が小さく小企業だ。だから、校長のマネジメント次第でなんとでもなる。学力アップ・マネジメントができる人を校長にしたらいい。マネジメントのできない人が校長になったら子どもたちが犠牲になる。
 7~8割の生徒が根室から離れて都会で暮らすことになる。低学力だと都会に出てもつける職業が制限され、非正規雇用が多くなる。都会で非正規雇用、年収150-200万前後では暮らせない。現状を放置すると、都会へ出て行った根室っ子のうち、3人に2人がそういうことになりかねない。ほうっておいていいわけないでしょ。
 
 

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#4127 学力テストは教員の力量の評価:元釧路市議会議長月田さん Nov. 17,2019 [71.データに基づく教育論議]

 11/16付の月田さんのブログを紹介する。

*http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51882790.html?fbclid=IwAR3XkUuvno1_QvNOdxt8aCmIW8YVTBkZjrmV-65nZKZV8RRf9U5IcnibDm4
=============================
午前は、出張報告書の作成。
 何だかんだ2時間以上を要します。

 午後は、釧路の教育を考える会(角田憲治会長)
 拡大役員会を開いて、現状の課題について協議しました。

 焦点は、全国学テにおける結果の評価。
 まずは全国平均に対して、-3P以上下回る学校に共通する問題点について。

 当会の認識は、全国学テの結果は決して子ども達の評定ではないということ。
 教員の授業力を始めとする力量に対する評価が数値化されたものと見ています。

 そして、校長の指導力。
 ゼネラリストとして、客観的な指標に基づく評価がなされるべきでないか。

 さらに、全国学テにおいて全国平均以上を達成した学校名を公表すること。
 顕彰することで、全体のモチベーションが上がるのは間違いない、と。

 これに関連して、教科ごとの年間指導計画は何故市教委が定めないのか。
 各教科書会社が示している目安を踏襲することに大きな問題はなく、学校に委ねる特別な根拠はない。

 加えて、問題解決型学習の見直しです。
 検証改善委員会が、ピント外れのPDCAサイクルを回していることと関連するのですが、「分かる」重視ではなく「できる」レベルの底上げです。

 その他、幅広く議論は盛り上がりました。
 監視役として期待されている以上、言うべきことはきちんと言わなくてはなりません

 忠言耳に逆う。
 今さら、体制に阿(おもね)るつもりは全くありませんので・・^^。


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 月田さんの政治信条を転載します。この通りに行動しています。2011年5月からだから、もう8年のお付き合いになる。
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【政治信条】
今ここにある問題を解決するために、また未来のために今やらなくてはならないことを、逃げないで断乎としてやり抜く!
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 全国平均に対して、根室管内は小6(国語-2.9、算数-6.2)、中3(国語-8.3、数学-10.2、英語-9.1)で、全道14支庁管内で13番目とはかなりかけ離れて、ビリである。その学力最低の根室管内で根室市が一番低いことはふだんの学力テストからわかる。
(学力テスト総合A18校データと学力テスト総合B16校比較データをご覧いただきたい。)
 弊ブログ#4119に釧路新聞に載った記事が張り付けてある。全国平均と根室管内平均も科目別に表になっている。
*#4119 全国学力調査の現実:根室は14支庁管内最低 Nov. 9, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-07-1

 根室の市議の中にもこういうブログを書く人が現れてほしい。釧路は青年会議所や、ロータリークラブや、中小企業家同友会などの経済団体の人たちも、「釧路の教育を考える会」のメンバーであり、教育について発言している。もちろん、釧路市議会は教育論議で花盛りだ。

 根室はどうしてこんなに教育への関心が薄いのだろう?だから、根室管内は全道14支庁管内で一番学力が低く、その根室管内で根室市が一番低いということになってしまっている。それでも、危機感がない。町の未来は、子どもたちの教育にかかっているというのに。

 各自治体の首長さんたちは、根室管内1市4町で「学力アップ合同委員会」を組織して、データを分析して、学力アップに有効な教育政策を立案し、実行、そして検証したらいい



<北海道教育委員会作成のグラフにみる根室管内の子どもたちの学力>
 
一番左端にあるのが根室管内です。こうしてグラフで見ると、びっくりするほど、他の地域とかけ離れてます。根室だけ左端で仲間外れの感があります。まるで交通網から外れて孤立している集落のようです。国語がとくに酷いのは何か原因がありそうです。国語がアップすれば、他の2科目も差が詰まるのかも?
 数学は全体に分布がばらけています。それでも根室が一番左端です。
 根室は他の地域に比べて、幼児英語教育の盛んな地域ですが、普段の学力テストデータを見ても平均点が低い。学力テスト総合Bのデータを見てください
  「Ctrl」キーを押しながら「+」キーを3回たたくと拡大できます。「Ctrl」を押しながら「-」キーを3度叩くと元に戻ります。

 
グラフのばらつきから判断すると、国語が3科目で一番標準偏差が小さいのに、根室管内ははるか左側に位置している。他の管内に比べて極端に国語の正答率が低い。
 数学も英語もばらつきは似たようなものです。数学は全道平均を超えているのが4支庁管内ありますが、いずれも大学のある地域です。英語で全国平均正答率を超えたのは石狩と十勝管内のみ。

 国語で全国平均正答率を超えたのは5支庁管内、数学と英語は石狩管内のみ。札幌からの交通のアクセスがよいところほど正答率が高い傾向があります。僻地は交通アクセスが悪いだけでなく、学力も低くなるということ。日高線は風前の灯火、花咲線もいずれ廃止になります、釧網線もなくなる。道路だけで大丈夫かな?

写真の説明はありません。

 
小学校6年生の国語は14支庁管内中11番目、それがどうして中学3年生になると14支庁管内最低になってしまうのか、どうして3年間でこんなに差がつくのか、この地の中学生の教育に大きな問題が潜んでいそうです?学校と家庭の学習習慣のしつけと高校統合による高校入試競争の消滅など、手を打たなければいけない問題がいくつも出てきそうです。
写真の説明はありません。


*
#4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 
#4123 根室の中3の数学・学力の現状とその波紋 Nov. 14, 2019 
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2019-11-14

 #1526 釧路の教育を考える会 May 24, 2011




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