SSブログ
13. 東日本大震災&福島原発事故 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

#2501 フクシマ原発周辺住民Mikoさんのビデオ証言 Nov. 17, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 原発から42kmはなれたところに住んでいたMikoさんの18分間のビデオ証言です。事故当初から本当のことを知らされていなかったことが後からわかります。市役所には国から連絡があるはずだと、市役所勤務の夫からの情報を当てにしましたが、ナシ。不都合な情報は「自動的」に遮断されてしまうもののようです。
 国が発表している放射能データと、現地に住んでいてMikoさんや反原発グループが計測したデータには大きな隔たりがあります。放射線量は場所が10cmずれただけで、2~3μSvが5μSvになったりします。事故前は0.05μSvでした。まだらに汚染地域が広がっています。自分の庭を除染したために放射能を吸い込み被曝した事実も語られています。ホールカウンターによる測定とその結果データをもらうことができるかと、いろんな機関へ問い合わせても、ひとつもデータを渡してくれることを承諾したところがありません、こうした事実を私たちは知らない
  100mSvまで安全だという山下教授の意見で学校は地産地消で給食の食材に汚染食品を並べ、子ども達に給食を食べることを強要しました。給食を食べない自由を市と市教委が認めたのは2学期になってからのことでした。それまでは(地産地消の給食は危険だと)先生に言っても学校に言ってもムダでした。そういうことを言うのは風評被害になるいうのが当時の学校の見解でした。市の職員も学校の先生も子どもたちを守らなかったどころか、積極的に被爆させることに加担していたのです。
( ところで、環境線量が5μSv/hなら、2年3ヶ月で100mSvを超えます。大人でも癌発症のリスクありとされる線量を超えます。2011年3月12日の最初の原子力発電建屋の爆発から2年8ヶ月がたっています。いまからでも放射線に感受性の高い子ども達を避難させるべきですね、かわいそうです。)

 3月11日の地震で水道が止まり、翌12日子どもと給水車に2時間並んだが、この時に爆発があり、後で測定データをみると23μSvの放射能がふりそそいでいました。爆発がおきたという広報車もなく、知らずに被曝、親子三人甲状腺血液検査で異常アリで男の子に5mmの嚢胞が見つかっています。将来甲状腺癌を発症しても、国は原発事故との関連を認めることはないでしょう。
 周りにいる人が白血病で死んだり、いわき市ではさまざまなことが起きています。
 市役所へ勤務する夫との放射能汚染をめぐる軋轢も語られています。子どもたちを守るために北九州市への転居を決意しました。
 除染についてもその実態を語っています。0.5μSv/hが0.2に一時的に下がるだけで、2週間したら元に戻るだけと、その効果を否定しています。0.5μSv/hは年間被曝量に換算すると、4380μSv/年(=4.38mSv/年)です。放射能への感受性の高さを考慮すると子どもたちを育てる環境ではないでしょう。呼吸によって放射能を吸い込めば内部被曝します。粒子が小さいので肺胞へくっついた後、血流に乗って全身へ運ばれる可能性があります。血液の癌である白血病はもとより、全身のどこにでも癌が発症する可能性がありますから、外部被曝よりも内部被曝がずっとずっと恐ろしい。

 その一方で膨大な量の汚染土が野積みにされたままになっています。この光景は、NHK衛星放送の火野正平の「心旅」でも、自転車でいく道の片側に延々と野積みされた汚染土が写っていました。今週放送された分です。福島市から相馬へ、そして南相馬市、原ノ町と、火野正平は自転車で南下しています。殺伐たる風景にときおり苦虫を噛み潰し言葉が途切れる瞬間がありました。

 Mikoさんは、放射能汚染されたものはフクシマに封じ込めるしかないとも語っていますが、そう言わざるをえぬ心中をおしはかると、なんとも切ないものがあります。そうしないと放射能が全国にばら撒かれて汚染が拡大してしまうからです。

 Mikoさんは北九州市へ転居してからも、福島の産廃(8000Bq/kg以下)が持ち込まれて放射能トラップフィルターなしに焼却され、放射能がばら撒かれて被害を受けていることを訴え、産廃はリサイクルされ、コンクリート材料やお鍋になって戻ってくるとも言っています。放射能は燃やしてもなくならないから、いったんつくられてしまったら産廃にして処理しても人間に帰ってくる。
 情報公開請求をしても市側はのらりくらりと情報を公開しません。・・・
 事実を語り続けることが唯一の戦いとも言ってます
 URLを記しておきますので、18分間の時間を割いて是非ご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=TlWslcjHlPo


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村

#2438 ひどい作業実態: 福島第一原発で4ヶ月作業―がん併発 Oct. 6, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 北海道新聞一面に標記の記事が載った。わたしは2度、弊ブログで作業員の放射線管理にインチキがあることを数字を挙げて指摘していた。
  原子力規制庁と原子力規制委員会は現場へ常駐して作業員の被曝線量を直接監視すべきだ。法律で監視する義務があるのに現場に常駐しないというのは職務放棄だ。東京から現場の監視が出来るはずがない。
 命がけで仕事をしている作業員の身の安全を確保するために、原子力規制委員会と原子力規制庁は現場に常駐して被曝放射線量監視やるべきだ。チェック機関が被曝線量管理を東京電力に任せっぱなしでは東電や下請け業者がインチキをしてもチェックできない。その通りのことが現場では事故当初からずっと続いているようだ。MOX燃料の3号炉は爆発して原子炉格納容器が吹っ飛んだから、線量が異常に高かったと現場作業員が証言している。

「水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機の周辺には、1時間いただけで20~30ミリシーベルト被ばくしてしまう場所があちこちにある」

1.10月6日付北海道新聞一面より
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/496287.html
===========================

福島第1原発で4カ月 がん「被ばくが原因」 札幌の55歳男性が労災申請

(10/06 07:25、10/06 14:43 更新)

 東京電力福島第1原発事故後の2011年7月から10月まで同原発で作業し、その後膀胱(ぼうこう)がんなど三つのがんを併発した札幌市在住の男性(55)が、発がんは作業中の放射線被ばくが原因だとして労災の申請をしていたことが5日分かった。原発事故後、被ばくを理由に労災を申請した人はこの男性を含めて全国で4人。いずれも審査中で、労災が認定された例はまだない。

 男性は重機オペレーターとして同原発の原子炉建屋周辺でがれきの撤去作業などに従事した。被ばく線量が4カ月間だけで原発作業員の通常の年間法定限度である50ミリシーベルトを超えたため、同年10月末で現場を離れた。

 12年5月に膀胱がんが見つかり、札幌で手術。今年3月には大腸がんと胃がんも見つかった。現在も通院しながら抗がん剤治療を続けている。転移でなく、それぞれの臓器で独立して発病していた。

===========================


2. 北海道新聞31面の記事から
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/496299.html
===========================

「まずいな」線量計外す合図 原発労災申請の男性「命懸け、結局使い捨て」

「線量計はピーピー鳴き続けた」「赤いバツのついたがれきを手作業で運んだ」。東京電力福島第1原発の事故処理の最前線で4カ月働き、放射線被ばくが原因でがんになったとして労災申請した札幌市内の男性(55)は、北海道新聞の取材に、2年前の現場の現実を生々しく語った。

 56・41ミリシーベルト。厚生労働省の「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」に記された2011年7月から10月までの4カ月間の男性の被ばく線量だ。「本当はこんなもんじゃない」と男性は言う。

 放射線量の高い現場に到着すると5分もたたずに胸の個人線量計の警告音が鳴る。「まずいな」。現場責任者のつぶやきを合図に作業員が線量計を外す。マニュアルでは線量が高ければ現場から退避することになっているが、実際は放射線を遮る鉛を張った車中に線量計を隠すなどして作業を続けたという。・・・

 水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機の周辺には、1時間いただけで20~30ミリシーベルト被ばくしてしまう場所があちこちにある。特に線量の高いがれきには赤いスプレーで「×」と印が付けてある。前線基地の免震重要棟での朝礼で「赤い×には近づくな」と注意した現場責任者その人自身が、最前線に行くとがれきを手作業で運ぶ。作業員も黙って手伝う。「言っていることとやってることが、まるで違った」
===========================


*#1480 「工程表」と作業被曝量 Apr. 20, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-20

-------------------------------------------------
 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教がラジオ番組で司会者の質問に応える形で「工程表」を論評している。彼ら核技術者の規制値が年間20㍉Svだ。政府はそれを「作業員」に拡張し250mSvにかさ上げした。現場の高濃度汚染で従来の規制値では復旧作業が不可能になるという事情があるがとんでもない数字だという。
 ロボットが原子炉格納容器建屋に入り計測したら50mSv/hであった。わずか5時間足らずで250mSvを超えてしまう。1号基建屋の40メートル手前で250mSv/hが検出されているから、ロボットが計測した50mSvの計測精度は疑わしい。

 ラジオ番組の中では質問者に9ヶ月かかるとして、何人ぐらい作業員が必要かと問われて、数千人必要になるかなと答えていた。一度作業したら2度と作業できないとも。
 仮に1~4号機に5人ずつ5時間3交代で作業させたらどうなるだろう?

 5人×4基×9ヶ月×30日=5400人

 作業内容は破損部分の修理や冷却水ループの新設、配管作業などを含むから、熟練した作業員でなければできない仕事もかなりありそうだ。
 10人単位で作業すると仮定したら1万人を超える作業員を集めなければならぬ
 作業員は「ただちに健康被害」がなくても将来被曝による発病の可能性が高い。現場の被曝線量の高さを考えるととても「工程表」どおりには行かないというのが小出氏の結論である。健康や命と引き換えの作業に1万人(延べ人数ではない、一度作業したら被曝量の関係から2度目の作業はできないから、実人員で1万人)を超える人が必要になりそうだ。
 過去の作業実態から考えると、東電はまたでたらめな管理で危険な作業を下請けの作業員にやらせかねないから、原子力安全保安院は現場に行って作業員の被曝管理チェックをすべきだ


-------------------------------------------------


**#1485 作業員の被曝管理を強化せよ:追跡調査ができるような体制をとれ Apr. 24, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-24

-------------------------------------------------
 #1483で作業実態を伝えた。現場は週4日働き2日休んで翌週も仕事をしている。現場の放射線量から考えて信じがたい作業実態である。聞いたときは誤報と思った。

 今朝の北海道新聞朝刊では1面の見出しは「建屋周辺がれき900㍉シーベルト 東電が汚染マップ」となっている。福島第一原発敷地内の汚染マップが載っているが、一番低いところは3号機南側の「生コン圧送機周辺」で20~30mSvで、タービン建屋外側にある「移送配管表面」は75~86mSv、4号機からだいぶ離れた集中廃棄物処理施設では160mSv、3号機西側の瓦礫からはそれぞれ300とか900mSvが検出されている。

 この状況からはかさ上げした被曝限度量に最大で2日間、最小で17分しか作業できないことになるが、22日のNHKテレビ報道によれば現場では「4日働いて2日休みで、翌週も仕事」をしている。
 仮に作業環境の線量が30mSv/hあったとしよう。一日5時間延べ4日間働いたら600mSvの被ばく線量になる。翌週まで作業できるはずがない

 すでに250mSv というかさ上げされた被曝線量すらはるかに超えている作業実態が明らかになったというべきだろう。放射線技術者ですら年間20mSvであるのに、その12倍を超える放射線量の限度をもはるかに超える被曝量で作業がなされているとみなさざるをえない

 ゼネコンは立場の弱い下請け取引先企業に「原発敷地内での仕事の協力依頼」を出しているが、このままでは過度な被曝をした立場の弱い作業員が将来次々に放射線被曝による傷害を起こすことになる
 作業従事者の健康追跡調査をし正当な補償措置可能にするためにも、作業従事者の作業記録を完全な形で保存すべきだ。
■誰がいつ何時間作業し、フィルムバッチから計測した被曝線量がいくつなのかの記録を残すべきだ。
原子力安全保安院は東京電力任せにせずに自ら現場に赴いて作業記録の監視をすべきだ
 原子力安全保安院と権限をもっている経済産業省は現場に人を派遣して作業を監視すべきで、それがかれらの仕事だ。自分たちに課せられた仕事から逃げることなく、正直に誠実に職務を果たしてもらいたい。先ずトップのほうから幹部が数人交替で現地入りをすべきだ。

-------------------------------------------------



にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


#2414 根室のさんま祭り:放射能汚染は大丈夫か? Sep. 20, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 根室は明日(9/21)と明後日がさんま祭り、庶民の魚だから蟹祭りよりはずっと人出が多い。
 根室のさんまがどの程度放射能汚染されているか気になっている人が多いだろう、私もその中の一人だ。

 ネットで検索すると20Bq/kgという汚染データが出てくる。2種類の放射性セシウム、Cs134とCs137の合計値である。
 情報元は社団法人全国さんま漁業協会がまとめた資料だというので、オリジナルを探したらあった。

*「水産総合研究センターによる水産物放射性物質調査結果」
http://www.samma.jp/sanma201108.pdf

 2011年8月2日付のこの表の中に「第11権栄丸 採取日 7月3日」で20Bq/kgというデータがあった。他に11Bq/kgと9Bq/kgもあるが、他のさんまは検出限界未満となっている。
 この表のデータには検出限界がいくらなのか表示がない。使用したγカウンタの機種と検出限界値を表示するのが常識だろう。どの程度の精度の機器で検査したのかわからない。データの最小値は3Bq/kgであるからこの付近が検出限界であろう。逆に言うと2Bq/kgなら「検出限界未満」か「不検出」と表示されることになる。だが、当該検査機関の当該機種で測定した場合にそうなるだけで、サンプルのさんまに放射能がないことを証明するものではない。もし、これをさんま輸出の際に輸出されるさんまに放射能が含まれていない証明書として添付するというような利用の仕方をしているなら、それはほとんど詐欺行為に等しい。正直な日本人という国際的な評価を著しく傷つける行為であると言わねばならぬ。
 安物の検出限界の大きい機器ならほとんどが「検出限界値未満」となるだろう。今年のデータを見たがすべて「検出限界値未満」と表示されている。検出限界値の表示のない「検出限界値未満」が品質保証にならないことは自明だろう。普通の中学生にもわかる理屈である。
 

 水産庁のデータをみた。
*http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/1210-12_result.pdf

 EXCELファイルの10685行に10月17日に獲れたさんまのデータが載っている。データは「検出限界未満」と表示されている。サンプルは青森県沖太平洋で獲れたさんま。
 検出限界値はCs134が「<0.40」でCs137が「<0.52」、検査機関は「いであ(株)」となっている。
 水産庁に物申したい、いったいこのデータはどう読めばいいのか、読み方の解説が書いてあるべきだが見当たらない、これではわかる者にしかわからない。ありていに言うと、一般国民にはわからないということ。

 検出限界値に疑問がわく、最新の機器でこんなに検出精度が悪い?嘘でしょ?ネットで東京都内の各所で放射能を測定したビデオ画像をみたが、単位はBq/cm^2で小数以下第3位まで表示されていた。足立区の数箇所が2Bq/cm^2を超えていた。
 これとは単位系の異なるBq/kgが測れる機器の値段を検出限界値をネットで調べてみた。「参考資料」として最後のところにぶら下げておく。

 あれこれ検索していたら面白いブログがヒットした。

*ブログ「風の谷」「調べたらわかる」 原発推進派=再エネ推進派」
http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/99f9d328ef7dda22c196ee043404caed
============================

一番多いさんまで  セシウム合算 4.32+4.88=9.2ベクレル/kg (検出限界未満)となっています。

食品の基準値が100ベクレル/kg だから「あ、大丈夫じゃん」となりそうですが、ちょっと待ってください。いまは3.11以後の世界。基準値も3.11以後に作られたもの。だからサンマって3.11より昔はどのくらいの汚染度だったか調べてみてください。そんな時に役立つサイトは食品と放射能データベース
セシウム137だけですが 1977~1993年のあいだに5回調べて 最大で0.1ベクレル/kg。今年の10月のさんまのセシウム137 4.88ベクレル/kg

つまり、3.11以前の最大値の48倍のセシウム濃度ということです
============================

 なかなかいい発想なので、引用されているデータの真偽の確認をしてみた。水産庁のデータが引用されていたので、オリジナルを拾う。 
http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/1210-12_result.pdf

 平成24年10月17日のデータ、ラインNo.10682にある。Cs134が「<4.32」 Cs137が「<4.88」となっている。この「<4.88」は「検出限界値が4.88未満」ということではないのか?
 その証拠に、セシウム合計値は「検出限界未満」と表示されている。検査機関は「宮城県」となっている。なかなか信じがたいことだが、使用している検査機器の精度が格段に落ちるか、測定時間を節約して検出限界値が上がってしまっているということだろう。
 検出限界値以上のものは不等号がつかない状態で表示されている。宮城県は「いであ(株)」よりも一ケタ感度が鈍い測定器を使っているということだろう。海洋生物研究所も検出精度が宮城県と変らない。

 わたしも以前このブロガーと同じ読み間違いをして情報を発信していたから笑えない。見当違いを恥じている。さんまや他の魚の放射能汚染濃度は、主婦にとっては自分の子どもに魚を食べさせていいものかどうかの重要な判断材料だから、水産庁は数字の読み方についてホームページ上できちんと解説すべきで、ぜひそうしてもらいたい

 ここまで書いて、まるで別の問題があることに気がついた。水産庁はさまざまな検査機関で測定されたデータを羅列しているだけで、相互の比較がまったく不可能だということに。
 資料の前処理の仕方を含めた測定作業手順は標準化されていないし、検査機器の精度も測定時間もバラバラだということが表を眺めたebisuの感想だ。内臓や筋肉、骨に分けて測定し、合計値あるいは丸ごとミンチの状態の測定も行うくらいの標準化はすべきだろう

 「1977年から1993年」の5回調査の最大値0.1Bq/kgというのが本当であれば小数以下二桁まで測定できていたと考えられる。
 なぜ20年後のいま、検出限界値が数ベクレルのなのだろう。使用機器と測定時間の問題がある。感度のよい機器は値段が高いのだろう。資料が増えれば処理能力を上げるために測定時間を「節約」しなければならない。測定時間を短くすれば検出限界値は桁違いに大きくなってしまい、測定に意味がなくなる。水産庁公表データはそういうデータがたくさんまじっている。宮城県や福島農業総合センター、茨城環境放射線監視センター、海洋生物環境研究所、九州環境管理協会などの検出限界値が数Bq/kgであるのは、たくさんのサンプルが持ち込まれて、高精度測定の処理能力をオーバしたので、測定時間を短縮して検査精度を下げて処理している実情が垣間見えるようだ。

 補助金を出してでも百倍くらいの処理能力の迅速検査機器開発を仕様を明らかにして有力メーカ数社へやらせることぐらいはできるだろう。
 放射能汚染は事実であるから、風評被害なんて嘘を言っていないで、正確な実データを計測して公表したほうが信頼を取り戻せる。食品としてダメなものはダメだと、厳しい安全基準で判別すればいい

 いまのままでは非常にまずい。このままでは食品の安全への信頼が根こそぎなくなる
 たとえば、ある検査機関がサンプルのさんまから放射能未検出という証明書を発行しても、さんまに放射能が含まれていない証明にはならない。精度の悪い機器を選んで短時間測定をしたら、検出限界値を上げて、恣意的に「検出限界値以下」の証明書が発行できるからである。
 食品の安全に関する日本の信用がなくなれば、日本製品の国際的なブランド価値が落ちる。価格が下がるということ、長期的にみたらたいへん損なことだ。

 ベトナム政府はさんまには放射能が含まれていない証明書を添付するように要求してきたようだが、こんな好い加減な精度での測定ならいくらでも「不検出」証明が出せる、大丈夫か?

 原子力規制委員会の専門部会が、水産庁のデータが使いものにならないような発言をしていたが、こういうことだったのか。

 作業手順の標準化と、使用機器の精度仕様、そして測定時間、検出限界値を決めなければどれだけデータをとってもほとんどが使いものにならない
 水産庁は厳しい精度管理基準と測定標準作業手順、指定検出限界値をクリアした検査機関のデータのみを利用すべきだ。

日本には数百年間守られてきた世界に誇れる商道徳がある。
  「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」


 【ebisuの結論】
 根室で水揚げされているさんまが安全かどうかはこういう好い加減なデータからは判断できない。

 ただ、さんまの回遊経路は濃度の高い放射能で汚染されてしまっているから、その中で餌を食べ成長することを考えたら、それなりに汚染されていると考えるべきだ。

 還暦を過ぎたebisuは昨日も朝晩と2度さんまを食べた、なにしろさんまが大好きだ、旬の時期は毎日食べても飽きない。しかし、妊婦や赤ん坊、成長期を迎えている若い人たちには勧められない。どうしても食べたければ骨は必ず外すこと、そして食べる頻度は少なくすること
 妊婦や赤ん坊は食べないほうがいいというのがebisuの意見である。
 こういうときは慎重なほうがいい



--------------------------------------------------------
【参考資料:Bq/kgの測れる機器と値段】
(株)エフユーアイ・ジャパン  BQ020  30万円  検出限界4.5Bq/kg
http://www.value-press.com/pressrelease/95443

チェルノブイリ原発事故現場の隣の国ベラルーシのメーカ製品「ポリマスターPM1406」という測定器が参考になる。
 ■ 検出精度が50Bq/kgなら測定時間は30分
 ■ 検出精度が10Bq/kgなら測定時間は1200分

 検出限界を上げるには、測定時間を長くするということだ。この機器を参考にすると検出精度を5倍にするのに時間は40倍かかることになる。とても効率が悪くなる。
 2次関数だとすると、「y=1.6x^2」である。
 この測定器では、実際上1Bq/kg未満の検出限界で測定ができない。

http://www.koekisozo.co.jp/sokuteiki/PM1406.html


-------------------------------------------------------

*#2411 さんまの放射能汚染(まとめ-2) Sep. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-2

 #2410 さんまの放射能汚染について(まとめ) Sep.16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-1

 #2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01

***上記#2390は削除処理しました***
理由: 「<0.4Bq/kg」を「0.4Bq/kg」と読んでいましたが、どうやら「測定値<0.4Bq/kg」、すなわち、「測定値は検出限界値の0.4Bq/kg未満」と読むべきだというのが今回水産庁のデータをあらためて見直してみたebisuの結論です。


 #1445 検証(2)福島原発事故⇒今年のサンマ漁に一抹の不安:杞憂に終われ Mar.26, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-26

-------------------------------------------------------

にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


#2411 さんまの放射能汚染(まとめ-2) Sep. 16, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 #2410でさんまに含まれる放射能測定データは信用できないと書いた。もちろん理由を挙げておいた。
 該当部分を抜粋。
----------------------------------------------------

 米国機関が太平洋の本マグロについて汚染データを公表しているが、6.3Bq/kgである。広く太平洋上を回遊する本マグロのほうがさんま1Bq/kgよりも6倍汚染されているというのがわたしには解せない。反対なら理由に合点がいく。
 米国の検査機関と日本では放射能の測定作業手順が異なるのではないか?米国と同じ作業手順でやったらさんまの放射能濃度は5~10Bq/kgあるのではないかとわたしは強く疑っている。汚染濃度の高い海域内を行ったり来たりするだけのさんまのほうが、そこを通り抜け外側に出て太平洋を大きな円で回遊する本マグロよりも汚染が少ないわけがない。

  本マグロの放射能汚染濃度<さんまの放射能汚染濃度

 この不等式が成り立っていると推測するのがあたりまえだ。実際には不等号の向きが反対なのだから、測定作業手順の違いにその原因を見出すのが合理的な思考というものだろう。

 水産庁が公表しているデータはさんまの身の部分だけを切り取って計測している米国ではそのまま丸ごとミンチにして計測したのではないだろうか?
 
米国人がマグロを三枚に下ろして、身だけを計測するなんて器用なことをやれるはずがない。
 さんまには胃袋がないので、いきなり腸で消化されて排泄されるので、消化管の放射能汚染が他の魚よりも低い可能性はある。
 三枚に下ろして身(筋肉)だけ測ったら、骨に沈着するストロンチウムは検出できるわけがない。そういうわけで、水産庁のデータにはストロンチウムの欄がない。やはりまるごと測るのが正しい。でもそうすると値がずいぶん跳ね上げることになる。こうして考えると、水産庁は東電や政府とグルで、放射能汚染データを実態よりも小さく見せるために、手間のかかる測定手順を選択したということ。嘘だらけということだ
 すべての関係者が自分の家族に妊婦がいると考えて、正直な仕事をしてもらいたい。少子化といいながら、妊婦は何を食べればいいのか、これではまるで信用できない

----------------------------------------------------

【筋肉・内臓・全体に分けて計測したデータ発見】
  ネットを検索して、内臓と筋肉と全体に分類したデータを見つけた。放射性ヨウ素とセシウムだけを測定している、ストロンチウムは測定されていない。
 やはり内臓が高いようだ。北緯42度付近で獲れたさんまだから、十勝沖だろう。筋肉だと3Bq/kg~9Bq/kg、内臓は7Bq/kg、全体だと11~13Bq/kgある。社団法人全国さんま漁業協会がまとめた資料だそうだ。URLをクリックしてみてほしい。

http://merx.me/archives/12288

 検出限界未満というのもあるが、ヨウ素がこんなに検出限界未満なのは、水産庁ほど精度のよい測定器を使っていないからなのだろうか?

(ちょっと脱線してみたい。ストロンチウムの測定がむずかしいのは前処理に理由がある。検体からストロンチウム90を抽出処理してから、試料のだすβ線を計測するようだ。前処理には多段階の処理を要し、2~3週間ほどかかる。一般に前処理工程が処理回数が多くなるほど熟練技を要し、前処理の巧拙が検査結果にも影響するというのがこの業界の仕事の常識。標準作業手順書を整備してあるところなら問題がないだろう。
 検査機関によって作業手順がことなると測定結果の比較ができなくなるケースが考えられるので、ヨード、セシウム、ストロンチウムの3種類の放射性物質について国際的な標準作業手順を定めるべきだろう。チャンスだ、日本が言い出し、お金も出して世界標準測定作業手順制定のリーダシップをとればいい。)
*http://www.radio-isotope.jp/Analysis/analyse_Sr90.html

 とにかく、さんまを丸ごと測ってヨードとセシウムの合計値で10Bq/kgを超えるようなサンプルが見つかるようでは、妊婦には勧められない。
 福島県郡山市の会社に出向していたことがあるが、歯の丈夫な人でさんまを丸ごと食べる人が一人いた。そういう人はストロンチウムも加算して放射能の総量を考えるべきだ。2倍くらいを想定しておいたほうがいい。

【食べられるのは放射性廃棄物管理基準の10分の1まで】
 さんまが大好きなebisuは、低レベル放射性廃棄物の管理基準である100Bq/kgの10分の1を超えるさんまがありうることを覚悟の上で食べるしかない。しかし、若い人には毎日食べるのは勧められない、絶対量が問題だからどうしても食べたければ頻度や量を減らすしかないだろう。
 低レベル放射性廃棄物の10分の1(=10Bq/kg)というのは許容しうる最大値である、ebisuはこれ以上汚染濃度の魚は食品とは思わない。

 さんまの回遊路の太平洋をこれだけ放射能汚染してしまったら、酷いことになってしまうどこの港へ陸揚げしようと同じことです。どこで獲れても似たようなもの。さんまは汚染海域を行ったりきたりしているのですから、汚染されないさんまなんて一尾もいません。海が汚染された時点でアウトです。もっと遡ると、原発事故が起きた時点でアウト、さらに遡ると、補助金欲しさに意地汚く原発建設を認めた時点でアウトなのです。地震の巣のような日本列島ではどこに原発を造ろうと、いずれは地震に見舞われ、ひどい放射能汚染を撒き散らす。造った時点でアウトなのです。愚かな人間はお金ほしさに原発に賛成し、賢い人間は補助金を拒否して原発を認めない。人間は賢くなければ、犬や猫やサルと変らない。餌で釣られるようでは犬猫と一緒、情けなさすぎる。結局ふるさとを追われ、他の地域の皆さんにたいへんなご迷惑もかけてしまう。なにより自分たち自身が戻るべきふるさとを失っていまう。お気の毒な姿をテレビでみるたびに、身をもって人間の愚かさを教えてくれたと思うしかありません。してはならぬことはならぬのです。気をつけていなければ明日はわが身と心得ましょう。

 大型台風が一日で愛知県に上陸し岩手県から太平洋上に抜けて、北海道沖で温帯低気圧になった。各地に大雨と洪水をもたらしたが、陸地に積もった大量の放射性物質が太平洋へと押し出される。貯水タンクの周りにたまった雨水を放水するとかしたとか、そんなものよりも汚染した陸地から大雨で川から海へ注ぎ込まれた放射の方が数万倍も多い。
 あと三年もしたら、さんまは数十年間食べられなくなるほど汚染濃度の高い魚になるのではないか?

【蕗(ふき)の下の神様の独り言】
 旬の美味しいさんまが大好きなebisuは心配だ。神様どうかわたしたちからさんまを取り上げないでほしい。

「さんまを汚染したのは君達日本人だ、自業自得だよ。それより他に48基も原子力発電所があるが、そっちのほうにも気を配ったほうがいいよ。日本列島は4枚の大陸プレートのせめぎあうところに位置しているから、地震や津波がいつ襲うかわからないよ、次のメルトダウンがどこなのかは知っているけど、わたしはだまってみているしかない、君達自身が何とかしないといけないんだ。なんだか気の毒だね、余計なことをしなけりゃずっと安全で幸せに暮らせたのに…」ー蕗の下の神様(コロポックル)

【"さんま水揚げ日本一"のプライドが問われています】
 連続して根室花咲港が日本一だが、肝心の根室漁業協同組合がさんまの放射能汚染について何も発言していない。儲けるだけではダメでしょう、連続日本一なんだから、さんまの放射能汚染について発言する義務がある。
 根室漁業組合のホームページを作って、さんまの部位別測定データを公表するくらいのことはやるべきだ。
 漁場を放射能汚染した東京電力にも強く抗議すべきだ。
 北海道電力泊原子力発電所の廃炉も北海道電力へ要求すべきだ。これ以上漁場を汚染したら、さんまが売れなくなる。根室の水産業の死活問題だ。地元漁協がふるさとの海を守る声を上げずに誰がやる?
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」

 ニムオロ塾では塾生に、迷ったときには原点に戻って考えろと教えている。原理原則に戻れということ。賢い人間はそうするんだ、大事なことだよ。有象無象になり下がってはいけない。


 毎朝食卓に上っていたさんまが明日はない、海が時化て水揚げされなかった。旬の時期に一日でもさんまがないのはさみしい。
 旬のさんまが大好きなebisuは日本列島に原子力発電所はいらないと思う。


*#2411 さんまの放射能汚染(まとめ-2) Sep. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-2

 #2410 さんまの放射能汚染(まとめ-1) Sep.16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-1

 #1445 検証(2)福島原発事故⇒今年のサンマ漁に一抹の不安:杞憂に終われ Mar.26, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-26

 #1967 二度目のメルトダウン :野田総理大飯原発再稼動容認発言アリ June 10, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-10


 #2008 サンマ漁解禁2日目 :テレビも新聞もサンマの放射能汚染報道は一切なし July 11, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-11-1

 #2063 旬のサンマを美味しくいただく :水揚げ日本一の町の大人の責任  Aug.23, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23


 #2116 根室沖の真鯛から100Bq/kg超のセシウム検出 Nov. 4, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04-1

 #2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01

***上記#2390は削除処理しました***
理由: 「<0.4Bq/kg」を「0.4Bq/kg」と読んでいましたが、どうやら「測定値<0.4Bq/kg」、すなわち、「測定値は検出限界値の0.4Bq/kg未満」と読むべきだというのが今回水産庁のデータをあらためて見直してみたebisuの結論です。




 #2414 根室のさんま祭り:放射能汚染は大丈夫か? Sep. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-20
---------------------------------------------------

 【高校生と大学生諸君へ】
 英字新聞「ジャパンタイムズ」記事をテクストにして、長文に慣れよう。
  Click here!
#2406 嘘か実か:「状況は管理されている東京は大丈夫」と安倍首相 (JTより) Sep.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-13






にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


#2410 さんまの放射能汚染(まとめ-1) Sep.16, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 大型台風18号が各地で猛威を振るっている。京都では桂川が氾濫した。台風は愛知県に上陸し、東海地方を北上中だ。時速45kmだから、関東を通過する午後には55km/hくらいにアップするのだろう。おや、お昼のニュースでは関東通過だ。熊谷で竜巻被害があったようだ。根室に向かっているから今夜は荒れそうだ。雨がだんだん強くなっている。

 ところでさんまの放射能汚染を取り扱った弊ブログ記事へのアクセスが多いのでどうしたのかと思って「さんま放射能汚染」をキーにグーグルで検索してみたら、一番上(現在は2番目)に弊ブログが載っていた。

#2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01


さんまに含まれている半減期8日の放射性ヨードの値が0.4Bq/kgからいつまでたっても下がらないので、その裏には汚染水の海洋流出が続いているという事実があると推定していた。昨年11月の弊ブログ記事である

 ***9月21日削除しました、理由は#2414をご覧ください***

*#2131 サンマ放射能汚染データ: 1Bq/kg以下 Nov. 17, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-17


 いまグーグルで「さんま放射能汚染」で検索すると福島第一原発から流出した放射能が三陸沖で黒潮と親潮に挟まれて、太平洋東海上へと押し出されていく様子がシミュレーション画像で確認できる。こういう画像情報の提供はありがたい。

*海洋汚染シミュレーション画像:「真実を探すブログ」より
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-769.html

 北太平洋上に広がりさんまの回遊経路全域とさんまが捕獲される北海道沖まで黄色で示された汚染濃度の高い海域が広がっているのがわかる。この画像と、2011年3月26日の弊ブログでさんまの回遊経路を調べて、さんまの放射能汚染の可能性に言及したことがあるので、放射能汚染シミュレーション画像とともにみてもらいたい。

*#1445 検証(2)福島原発事故⇒今年のサンマ漁に一抹の不安:杞憂に終われ Mar.26, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-26


他に弊ブログで取り上げたさんまの放射能汚染に関する記事のURLをリストしておく。

#1967 二度目のメルトダウン :野田総理大飯原発再稼動容認発言アリ June 10, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-10

 米国機関が太平洋の本マグロについて汚染データを公表しているが、6.3Bq/kgである。広く太平洋上を回遊する本マグロのほうがさんま1Bq/kgよりも6倍汚染されているというのがわたしには解せない。反対なら理由に合点がいく。
 米国の検査機関と日本では放射能の測定作業手順が異なるのではないか?米国と同じ作業手順でやったらさんまの放射能濃度は5~10Bq/kgあるのではないかとわたしは強く疑っている。濃度の濃い汚染海域内を回遊するさんまのほうがそ子を通り抜け外側に出て回遊する本マグロよりも汚染が少ないわけがない。

  本マグロの放射能汚染濃度>さんまの放射能汚染濃度

 この不等式が成り立っていると推測するのがあたりまえだ。実際には不等号の向きが反対なのだから、測定作業手順の違いにその原因を見出すのが合理的な思考というものだろう。

 水産庁が公表しているデータはさんまの身の部分だけを切り取って計測している米国ではそのまま丸ごとミンチにして計測したのではないだろうか?
 
米国人がマグロを三枚に下ろして、身だけを計測するなんて器用なことをやれるはずがない。
 さんまには胃袋がないので、いきなり腸で消化されて排泄されるので、消化管の放射能汚染が他の魚よりも低い可能性はある。
 三枚に下ろして身(筋肉)だけ測ったら、骨に沈着するストロンチウムは現出できるわけがない。そういうわけで、水産庁のデータにはストロンチウムの欄がない。やはりまるごと測るのが正しい。でもそうすると値がずいぶん跳ね上げることになる。こうして考えると、水産庁は東電や政府とグルで、放射能汚染データを実態よりも小さく見せるために、手間のかかる測定手順を選択したということ。嘘だらけということだ
 すべての関係者が自分の家族に妊婦がいると考えて、正直な仕事をしてもらいたい。少子化といいながら、妊婦は何を食べればいいのか、これではまるで信用できない

 放射性廃棄物として資格のある取扱責任者が管理すべきゴミは100Bq/kgであるから、その基準の10分の1である10Bq/kgを超えたものはもう食品ではない、ゴミである
 焼却処分するとその灰には100Bq/kgをはるかに超える放射性物質が残る。4桁ほどにもなるのではないだろうか。まことに厄介なゴミだ

 還暦を過ぎたebisuはさんまが大好きだから食べるが、若い人たちには5Bq/kgを超えた魚は食べさせられない。
 人によって価値観が違うし好みも違う、しかし判断が分かれる大事なところだから、まるごとミンチにしてヨード、セシウム、ストロンチウムの各々の量と合計を正直に公表してもらいたい

 これだけ日本沿岸を汚染してしまったら、安心して食べられる魚がうんと少なくなってしまう。原子力発電所はたいへんな疫病神である。



*#2008 サンマ漁解禁2日目 :テレビも新聞もサンマの放射能汚染報道は一切なし July 11, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-11-1

#2063 旬のサンマを美味しくいただく :水揚げ日本一の町の大人の責任  Aug.23, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23


 #2116 根室沖の真鯛から100Bq/kg超のセシウム検出 Nov. 4, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04-1

#2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01

 #2411 さんまの放射能汚染(まとめ-2) Sep. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-2

 #2414 根室のさんま祭り:放射能汚染は大丈夫か? Sep. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-20

---------------------------------------------------

 【高校生と大学生諸君へ】
 英字新聞「ジャパンタイムズ」記事をテクストにして、長文に慣れよう。
  Click here!
#2406 嘘か実か:「状況は管理されている東京は大丈夫」と安倍首相 (JTより) Sep.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-13





にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村

 

#2352 天からの警告 福島第一原発吉田元所長逝去 July 10, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 福島第一原発吉田元所長が亡くなられた。

 日本は不思議な国だ。国家的な危機があるとそれを回避する仕事を担う人があらわれ、その仕事が終わるとあたかも役割を終えたかのように天に召される。「あなたの現世での役割は終わったよ、ごくろうさま」と言わんばかりだ。坂本竜馬がそうだったし、古くは自殺して仁徳天皇に皇位を譲った菟道稚郎子がいる。国が割れて内乱への発展するのを寸前で阻止した。

 人は何のために生まれてきたのか、現世におけるその役割は何か、そういうことを考えろと言われている気があなたはしないか?
 自分の置かれた立場から逃げ出さずに、己のやるべきことをやりぬく、そういう人が一握りいれば社会の在り様が変わる。きつい局面にいたったときに己の職分をまっとうするだけの覚悟があるか、そう問われているのだ。

 国難があるとそれを救う人物が出てきて、役割が終わると天が召し上げる、なんだか一つのシステムのようにも見える。
 福島第一原発事故は建屋が4つも爆発したのだから、たしかに国難ではあった。
 三号炉はオレンジ色の閃光を発して爆発し、大きなコンクリートの塊がバラバラと爆発の直後に落ちてくるのがビデオに映っていた。あれは原子炉の一部だろう。すくなくとも原子炉格納容器が爆発で壊れただろうし、原子炉本体もあやしい。3号炉に関しては原子炉格納容器も原子炉本体も写真が一枚も公開されていない。数キロはなれたところでもプルトニウムが発見されていることから考えるとMOX燃料の一部はかなりな範囲に飛び散ったのかもしれない。爆発の真相はいまだに闇の中へ、3号炉建屋内部の映像が提供されることはない。この国はいったいどうなってしまったのだ?

 3号炉の現状がどうなっているのか調査すらしない、原子力規制委員会は役に立たぬ。このままだといずれ事故は何度も繰り返されるだろうが、第二第三の吉田元所長が現れるとは思えない。天が警告している、
 
「一度だけは救いを遣わしたが、日本列島に住む者たちよ次からは自己責任だよ」

 あなたにもそう聞こえないか?


http://www.cnn.co.jp/world/35034522.html
===============================

福島第一原発の吉田元所長、食道がんで死去

東京(CNN) 2011年3月に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故への対応で陣頭指揮をとった吉田昌郎元所長が9日、東京都内の病院で食道がんのため死去した。58歳だった。

事故発生後、同発電所には当時の所長だった吉田氏以下、「フクシマ50」と呼ばれる作業員らがとどまり、命懸けで緊急作業にあたった。

・・・・・

===============================


*#1691 福島県浪江町津島地区で何が起きていたのか:3月11日から数日の記録 Oct. 19, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-10-19-1

*#1556 ついに始まった被曝の初期症状: パンドラの箱が空いてさまざまな遺伝病が飛び出す Jun. 18, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-06-18

 #1693 福島の25年後の姿がチェルノブイリにある :病気に苦しむ子どもたちの作文 Oct. 20, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20

 #2069 福島県のこどもたちの35.3%に放射性ヨウ素による甲状腺異常が現れた Aug. 29, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29

 #2074 悪魔の所業: 福島県の子どもたちを避難させずに人体実験 Sep. 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-04-1

 #2085 甲状腺癌症例アリ、妊婦と子どもの避難を急げ(2) Sep. 16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16 

 #2107 甲状腺癌症例あり、妊婦と子どもの避難を急げ(3) :山下俊一の嘘 Oct. 28, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-10-28

 #2237 過剰富裕化論提唱者の福島原発事故処理構想:遺稿 Mar. 4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-04



にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村

#2324 次の原発事故のために(2) :福島県で12人が甲状腺癌 Jun. 7, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 福島県で18歳以下の子供たち17.4万人の検査の結果が出た。12名が甲状腺癌を発症している。小児甲状腺癌の自然発症率は「0.5~1.0人/百万人」だそうだから68倍の発症率である。
 チェルノブイリをはるかにうわまわる放射性ヨードの放出があったという仮説が成り立つ。問題は小児甲状腺癌だけではない。放射能被曝によって起きる病気は種類が多い。

 次に原発事故があったら、半径80km圏内の子供や妊婦の緊急避難を準備しておくべきだろう。1000~2000台のバスを調達して被災地へ差し向ける具体的な段取りをシミュレーションすべきだ。NHKも大手新聞も、爆発の2日後には職員や社員を現地から避難させながら、他方では「ただちに健康に害があるわけではない」と言い続けた。平気で二枚舌を使っていたわけだ。
 そのうちの一人、NHK科学文化部のMTがさきほど番組に出ていた。NHKにいる原子力村の村民である。公共放送であるNHKに原子力村の村民を職員で抱えている必要あるのだろうか?原発事故関係報道は原子力村の言い分を取り上げることが多く、偏っているのではないか。


「福島で子どもの甲状腺がん確定9人増加 罹患率の上昇をどう捉えるか」(ライフ最新ニュースより)
http://jp.ibtimes.com/articles/45097/20130605/350212.htm
-------------------------------------------------
 国立がん研究センターがん対策情報センターの資料によると
「2005年の18歳以下の甲状腺がん罹患率は人口10万人に対して1人以下」
「対して県民健康調査では受診者が約4万5,000人(県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況についてより)であることを考えると、12人という数字はかなり高い罹患率(通常罹患率の約30倍(訂正))であることがわかる。 」

「チェルノブイリにおいて甲状腺がんの増加は事故後4~5年であったからといって、福島もそれに準ずるだろうとするのは、いささか危険な考え方かもしれない。もし、福島原発事故によってチェルノブイリを上回る被曝を受けていたとしたら――チェルノブイリよりも早い段階で甲状腺がん患者の急激な発生が起きるのではないだろうか。もしかすると今回の結果は「チェルノブイリ以上の健康被害が起きている」という裏付けの一端となる可能性も否めない。今後発表される検査結果が気になるところだ。」
--------------------------------------------------

「子どもの甲状腺がん12人」朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/area/fukushima/articles/MTW1306050700007.html

「12人ががんと診断され、15人にその疑いがあることが公表された県民健康管理調査の甲状腺検査。5日の記者会見では、原発事故との因果関係に質問が集中した。調査のあり方を検討する委員会の専門家らは「現時点では原発事故の影響は考えにくく、長期観察が必要」とした。
 甲状腺検査の結果はこの日までに、原発事故発生時に18歳未満だった県民約17万4千人分が判明・・・」
-------------------------------------------------
-------------------------------------------------

  朝日新聞デジタルも17.4万人のスクリーニング検査と12人の甲状腺癌症例についてその経緯の記載がない。このように新聞記事は事実関係が整理されて書かれていないので、何を言っているのかよくわからないところがある。
 6月6日付のジャパンタイムズ1面に共同通信社の配信した英文記事が載っている、事実関係はこちらのほうがずっと詳しくなにがどうなっているのかずっと分かりやすいので、次回のブログで取り上げる。

 次の原発事故のために、原発周辺住民の避難基準を明らかにし、全国の原発周辺の市町村は具体的な避難作業の段取りをしておくべきだろう。メルトダウン時の莫大な放射性ヨード放出にあらかじめ備えておかなければ、万人を超える甲状腺癌が繰り返し発生しかねない。


-------------------------------------


*#1254 経済成長論の終焉 Oct.24, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24-1

 #1460 「原子炉圧力容器損傷か?:写真で検証
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-03-1

 #1462 「裸の王様:原子炉圧力容器は破損している 論より証拠、よく写真を見てごらん 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05

 #1463 「福島第1原発3号炉はもう無い:東京電力社員退去要請の意味」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06

 #1607 児玉龍彦国会で告発(2):(書き起こし) July 31, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31

 #1611 児玉龍彦教授(3):息子さんからのエール Aug. 3, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02-1

 #1655 あらら、何を隠そうとしているの?:原子炉建屋にコンクリートの覆い Sep.21, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-09-21

 #2237 過剰富裕化論提唱者の福島原発事故処理構想:遺稿 Mar. 4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-04

 #2323 次の原発事故のために(1):甲状腺癌と情報操作?:U.N. experts see no increase risk of cancer … Jun. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06

 #2324 次の原発事故のために(2) :福島県で12人が甲状腺癌 Jun. 7, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-07

 #2325 次の原発事故のために(3):Tyroid cancer hits 12 kids in Fukushima: Jun. 8, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-08

 #2377 次の原発事故のために(4):小児甲状腺癌18人に  Aug. 21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-21

 #2379 次の原発事故のために(5) 8000万ベクレル/ℓ 高濃度汚染水漏洩 Aug.22, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-22

 #2381 次の原発事故のために(6): 超高濃度汚染水と浄化システムALPS  Aug. 25, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-24

 #2383 次の原発事故のために(7): 漏洩はセシウムとストロンチウム合計で30兆Bq  Aug. 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-27

 #2387 次の原発事故のために(8):トリチウムの問題 Aug. 29, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-29 

 #2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01




にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


#2323 次の原発事故のために(1):甲状腺癌と情報操作:U.N. experts see no increase risk of cancer … Jun. 6, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

  国連科学委員会の調査報告書であるが、オリジナルの共同通信配信の英文記事と毎日新聞が報じた記事を比べてもらいたい。
 英文の記事は甲状腺癌(固形癌)の発症リスク増加を否定しているのであって、福島第一原発事故によってばら撒かれた死の灰による癌発症のリスクの増大はないとは書いていないのである。

 どこがどのように読み違えられたのか、ざっとみてみたい。
(1)は記事全体の俯瞰である。福島第一原子力発電所周辺住民の放射線被曝量がうんと低かったので「(手持ちの)データからは」癌が増加する懸念はない、「しかし、継続調査分析すべき」とも書いてある。

 毎日新聞の記事はこの部分に基いて見出しをつけたように見える。
「東日本大震災:福島第1原発事故 国連科学委、発がん危険性を否定 被ばく調査結果を発表 」
 具体的な論拠は(4)で示されているのだが、そこを見落としたのだろうか、それとも分かっていて意図的な情報操作をしたのだろうか。見落としたとすると担当記者の文章読解力の水準が疑われるし、会社のチェック体制が杜撰だということにもなるだろう。
 どうもステレオタイプの思考、意見の分類がされているように感じる。癌発症リスクの増大はないという意見はセンセーショナルであるし購読者をひきつけやすいから、そうした線に沿って記事を不用意に整理してしまう傾向がありはしないか。
 

(2)では、この地域の多数の住民を避難させたので三つの原子炉のメルトダウンの後、被曝線量減少に役に立った。

 これは本当だろうか?住民は避難していない。NHKは職員を避難させたのに、NHK科学文化部のMはテレビで繰り返し「ただちに健康に害があるわけではない」と言った。
 チェルノブイリではロシアは1200台のバスをチャータしてすぐに住民を原子炉周辺から避難させたのだが、日本政府は爆発の後、枝野官房長官が「ただちに健康に害があるわけではない」と何十回となく言い、それゆえ何もしていない。「健康に害がない」のだから避難する必要もなかったのである。子どもたちは原子炉周辺にとどまり、放射性ヨードを大量に被曝してしまった。その半減期は8日だから1ヶ月もすれば16分の1になるのだから、事故後千台のバスで周辺住民をただちに避難させるべきだった。
 国連科学委員会は当時の避難状況をきちんと調べたのだろうか?どうやら事実誤認がある。

(3)甲状腺癌に関連するヨードの被曝線量は50mSv以下であり、ヨード阻害剤が子供たちに配られた。66mSvの被曝をした子供もいることを注記している。
 ヨード阻害剤は配られたのだろうか?「ただちに健康に害があるわけではない」とテレビで言い続けていたから、その現に従えばヨード阻害剤を配る必要はないし、配らなかったように記憶しているのだが、枝野官房長官の言明にも関わらず、現場の担当者達が勝手に配ったのだろうか?私の記憶が違っているのだろうか?

(4)セシウム131と137の被曝線量が15mSvの大人がいるが、固形癌発症リスクを増加させる閾値(100mSv)よりも低いと主張している。

 ここは慎重な言い方で、情報操作の核心である。(1)では癌発症のリスクが増加する恐れはないと言っているが、(4)をみると甲状腺癌の発症リスクを増大させるものではないと具体的になっている。高線量被曝で固形癌である甲状腺癌を発症するリスクを増大させるものではないと言っているだけなのだ。
 したがって、白血病も将来子供を生むときの奇形も低線量内部被曝によって起きる遺伝子障害が原因で起きるさまざまな病気のことは一切言及していない。
 チェルノブイリ周辺国では奇形が増大している。小児癌も、成人の癌も、しかし、因果関係は証明できないのである。いま福島で壮大な人体実験が行われている。
 気をつけておきたいのは日本の法律では年間1mSvを超える被曝は法令違反だということ。

(5)ではチェルノブイリの例が挙げられている。放射能汚染した牛乳を飲み続けたから子供たちが甲状腺癌を発症したが、福島の子どもたちは放射能汚染された牛乳を飲んでいないから大丈夫だというのである。

 チェルノブイリで甲状腺嚢胞や結節を生じた子供たちは1.7%であるが、福島の子どもたちは40%が嚢胞や結節を生じている。チェルノブイリとは比較にならない。チェルノブイリ周辺の子どもたちはバスでただちに避難したが、福島の子どもたちは被曝線量が高い数週間現地に居つづけ被曝した。裾野が広ければ将来甲状腺癌やその他の癌を発症するリスクはチェルノブイリの比ではない可能性が大というのが、あたりまえの結論のはずだが、国連科学委はまったく異なる結論を下している。

(6) この国連科学委員会の結論はWHOが2月に出した報告書と著しく異なっている。WHOは周辺住民の癌発症リスクは高くなったと報告書に書いている。国連科学委員会はまったく異なる結論となった理由を分析して(7)でその理由を述べている。

(7) WHOはメルトダウン後、3ヶ月のデータを使って分析しているが、国連科学委員会はその後に集められたデータから作成された正確な放射線被曝分布データ、そして細心の研究成果を取り込んで分析をしている。
 自分達のほうが正しいのだと、我田引水の理屈を展開しているが、さまざまな核種の実測データがはたして提供されているのだろうか?3号機は爆発の原因も爆発そのものがなんだったのかも明らかにされてはいないのである。爆発時の映像を見ると、オレンジ色の閃光が走り、爆発直後に空から大きなコンクリートの塊がバラバラ落ちてくるのが映っていた。あんな大きなコンクリートの塊は格納容器のフタ以外に考えられるのだろうか。格納容器の上部が吹っ飛んだと思われるがMOX燃料もかなりの量が飛び散った可能性がある。3号建屋内部の映像は公開されていない。
 そんな状況があるから、国連科学委員会も排出された放射性物質の量や影響をかなり過小評価してしまっているのではないだろうか。

(8) 二人だけ福島第一原発で作業していた労働者がメルトダウン直後に12mSvの放射性ヨードの被曝をしている。異常は認められないが経過観察中と報告書には書かれている。
 従事していた労働者の人数も個人の特定もできないことが数ヶ月してからばれた。放射線量を測るフィルムバッチを外して作業していたこともバレている。実際の作業者の被曝実態はこんな軽度なものではないだろう。

(9) 国連科学委員会はこの報告書に但し書きをつけている。報告書は動物や植物そしてそのほかの生物種にふりそそいだ死の灰の影響に関する情報を限定するのみであり、とくに太平洋への死の灰の影響に関する追跡調査・研究を要請している。

 この調査報告書もまた、福島第一原発事故による放射能汚染の影響全体を検討したものではないことを告白している。
 「発ガン危険性を否定」したものではなく、メルトダウン直後に起きた半減期8日の放射性ヨードによる甲状腺癌リスク増大を否定しただけである。
 しかしながら、40%もの未成年に甲状腺嚢胞や結節ができていることは事実であり、チェルノブイリですらこうした症例が1.7%しか発生しなかったのに甲状腺癌が多発したことを考えるとぞっとする。福島はチェルノブイリの後を追っているように私には見える。

 国連科学委員会の調査報告書は、現地調査を踏まえたものではないようだ。事実認識についてもいくつか触れておいたが、誤認がある。まともな調査報告書と言えるのだろうか?


http://www.japantimes.co.jp/news/2013/06/02/national/u-n-experts-see-no-increased-risk-of-cancer-for-residents-near-no-1-plant/
=============================

U.N. experts see no increased risk of cancer for residents near No. 1 plant

  • Jun 2, 2013 

Vienna KYODO

(1)  U.N. scientists assessing the health impact of the wrecked Fukushima No. 1 nuclear plant on local residents said their estimates show the radiation doses are so low they do not expect to see any increase in cancer rates, based on data obtained so far, although they also urged follow-up studies.

(2)  The U.N. Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation also noted in a report Friday that the prompt evacuation of many residents from areas around the power station helped to reduce exposure from radioactive substances after three of its reactors suffered meltdowns in March 2011.

(3)  The committee estimated residents’ dose of radioactive iodine, which is associated with thyroid cancer, to be less than the critical 50-millisievert level, above which preventive iodine tablets are issued to young children. However, it also noted cases of children who had been exposed to as much as 66 millisieverts.

(4)  Doses of up to 15 millisieverts of cesium-134 and -137 were found in adult residents, much lower than the 100-millisievert threshold considered to increase the risk of solid tumors.

(5)  In the 1986 Chernobyl catastrophe, many children consumed milk tainted with a high concentration of iodine, resulting in an increase in thyroid cancer. But the U.N. committee said the quick evacuation of the local population following the Fukushima meltdowns reduced radiation doses by a factor of 10. The doses were also limited because the consumption of produce contaminated with radioactive substances was for the most part averted.

(6)  The results differ markedly from those in a report published by the World Health Organization in February that warned of a higher cancer risk for residents and nuclear plant workers around the Fukushima No. 1 complex than the average rate for Japan’s entire population.

(7)  Addressing this discrepancy, the committee said the WHO had to base the models and parameters for its estimates on data from only the first three months after the meltdowns. The committee, on the other hand, made use of precise dose distributions from an additional year’s worth of data, allowing it to present more up-to-date findings.

(8)  As for the workers at the No. 1 plant, the committee confirmed that two received thyroid doses of up to 12 millisieverts as a result of inhaling iodine at the beginning of the crisis. They are under medical surveillance and nothing out of the ordinary has been observed so far regarding their health, according to the report.

(9)  The committee said it only had limited information on the impact of the radioactive fallout on animals, plants and other species, calling for follow-up research, particularly in the Pacific.

(10)  The panel held a five-day meeting in Vienna through Friday to discuss the effect of the Fukushima disaster on local residents and others. Its report is expected to be presented to this autumn’s session of the U.N. General Assembly.



=============================

*「東日本大震災:福島第1原発事故 国連科学委、発がん危険性を否定 被ばく調査結果を発表

毎日新聞 2013年06月01日 東京朝刊」
https://blog.so-net.ne.jp/MyPage/blog/article/regist/input

**甲状腺嚢胞や結節のリスクと低線量被曝の影響を取り上げている関連記事のURL
http://www.best-worst.net/news_7PCPkrZ8E.html

***ぜひみてもらいたいビデオがある。
【意見映像】福島の子供の甲状腺に半端ない異常が起きてる件
http://www.youtube.com/watch?v=be9F21sxCIo


【6月7日追記】
 Hirosukeさんがコメント欄で18歳以下の未成年12人の甲状腺癌が確認されたと教えてくれた。産経ニュースが報じている。
「甲状腺がん 確定12人に 福島県民18歳以下」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130605/dst13060508060003-n1.htm

武田邦彦ブログ
原子力と被曝 福島で甲状腺ガン50倍。国は子どもの退避を急げ!
http://takedanet.com/2013/02/10_6a83-1.html

 武田先生、いまごろおっしゃってもとっくに手遅れです。2年も経ってからでは放射性ヨードの半減期は8日ですから、2月の時点で1.547*10^(-26)です。1兆分の1よりもはるかに少ない、環境中にはほとんど残留していません。放射性セシウムやストロンチウムが問題でしょう。

 福島第一原発事故では、チェルノブイリを越える放射性コードの排出があったという假説がなりたちます。爆発の原因、爆発の規模、放出された放射性物質の各種ごとの量などわからないことだらけです。いまとなっては放射性ヨードのデータはとりようがありません。せめて放射性セシウムの地域ごとの実測データを残していくしかないでしょう。次の原発事故に備えるために・・・

------------------------------------------
*「【東電】の【お仕事】・・・【元・TEPCO下請け会社の平社員】はミタ!!」
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2013-08-24

-------------------------------------


*#1254 経済成長論の終焉 Oct.24, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24-1

 #1460 「原子炉圧力容器損傷か?:写真で検証
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-03-1

 #1462 「裸の王様:原子炉圧力容器は破損している 論より証拠、よく写真を見てごらん 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05

 #1463 「福島第1原発3号炉はもう無い:東京電力社員退去要請の意味」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06

 #1607 児玉龍彦国会で告発(2):(書き起こし) July 31, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31

 #1611 児玉龍彦教授(3):息子さんからのエール Aug. 3, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02-1

 #1655 あらら、何を隠そうとしているの?:原子炉建屋にコンクリートの覆い Sep.21, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-09-21

 #2237 過剰富裕化論提唱者の福島原発事故処理構想:遺稿 Mar. 4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-04

 #2323 次の原発事故のために(1):甲状腺癌と情報操作?:U.N. experts see no increase risk of cancer … Jun. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06

 #2324 次の原発事故のために(2) :福島県で12人が甲状腺癌 Jun. 7, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-07

 #2325 次の原発事故のために(3):Tyroid cancer hits 12 kids in Fukushima: Jun. 8, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-08

 #2377 次の原発事故のために(4):小児甲状腺癌18人に  Aug. 21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-21

 #2379 次の原発事故のために(5) 8000万ベクレル/ℓ 高濃度汚染水漏洩 Aug.22, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-22

 #2381 次の原発事故のために(6): 超高濃度汚染水と浄化システムALPS  Aug. 25, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-24

 #2383 次の原発事故のために(7): 漏洩はセシウムとストロンチウム合計で30兆Bq  Aug. 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-27

 #2387 次の原発事故のために(8):トリチウムの問題 Aug. 29, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-29 

 #2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01



にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


#2268 M7.0 根室の地震 震源域はどこ?:2分間のゆれ Apr. 20, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 19日お昼のニュースを見ていたときに揺れ始めた。東京のNHKスタジオは揺れていない。カウントをしてみた。ほぼ2分間揺れていたので、マグニチュードはそこそこ大きいが東京が揺れなかったから三陸沖ではなく、震源域は北東方向だろうと思った。

 地震データが次のURLに載っている。
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20130419120740.html

 根室は震度4、これくらいならどういうこともない、被害はゼロだ。
 震源域は北緯46.2度、統計150.9度である。地図で確かめたらウルップ水道の辺りだから、択捉島から200kmぐらいの海底だろう。深さは10km。
 根室からの直線距離はおおよそ570km。
 北米プレートと太平洋プレートの境界域だろうか?

 同じ規模の地震が日本の原発の近くで起きたら、震度は6を超えるだろう。原子炉下部の配管が損傷を受けて原子炉が暴走することになる。
 揺れの長い地震があるたびに、原発周辺が震源地でないことを祈ることしかできない。怖い世の中になったものだ。

 銚子沖を震源域とする地震もあった。
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20130419120740.html
 北緯35.7度、東経140.9度、深さは10kmと千島を震源域とする地震と同じ深さだ。

 日本列島は北米プレート、太平洋プレート、フィリピンプレート、ユーラシアプレートの4枚のプレートの狭間にある。
 一昨年の東北大地震で日本列島に歪がたまってしまったのではないだろうか?地震活動の活発期に入ってしまったように感じる。

-------------------------------------------

  2年前の3月11日、仕事に行く前でテレビを見ていたら揺れ始めた、東京のスタジオも同時に揺れていたので驚いた。東京と根室が同時に揺れ始める地震なんて誰にも経験がないだろう。揺れが5分あまりも続いたのでマグニチュードが途方もない大きさであることと、こんな巨大地震はプレート境界域が震源だろうから、根室と東京の中間海域=三陸沖が震源地だと推定した。
 揺れが収まるとすぐにタイピングし始め、「東京と根室が同時に揺れ始めたからおそらく三陸沖が震源地、巨大地震だから大きな津波が来る、逃げろ!」とすぐにアップした。10分位してもし津波がが来なかったらお騒がせになると考え直し、アップした記事を削除して仕事に行った。
  不特定多数へ情報を発信する、ときに勇気がいるものだ。ebisuはあのときビビッた。
 揺れ始めるたびに、1,2,3,4、・・・とカウントするのがすっかり癖になり、震源地が気になるようにもなった。揺れるたびに震源地が原発直下でないことを祈らずにはいられない。

---------------------------------------------

にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村

#2131 サンマ放射能汚染データ: 1Bq/kg以下 Nov. 17, 2012 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 サンマは安心して食べてよいが、白身魚で回遊魚である魚種は北海道沖で獲れたモノでも放射能汚染がひどい場合がある。そして福島第一原発ではいまだに核分裂反応が続いており大量の放射能が海に垂れ流され続けているというのがデータを見て言えること。

 「北海道放射線モニタリングサイト」にサンマの検査結果が載っている。おおむね1.0Bq/kg以下である。アオモノの魚は脂が多いのでセシウムの沈着がすくないのかもしれない。同じサイト内に胆振沖で獲れた真鯛100Bq/kgというデータがある。"白身魚∩回遊魚"にセシウムが沈着しやすいならタラも要注意だ。たまたまそういう魚に女子高校生や女子大生、妊婦が当たったらと思うとぞっとする。
  100Bq/kgというのは福島原発事故前までは放射性廃棄物として管理しなければならなかった。それを無造作に食品基準とした民主党政府の無神経さにはただあきれるばかり。自分の子供や孫達に100Bq/kgの魚を毎週一度でいいから食わせてみたらいい。他人事だと思っているからだろう。

 「サンマ水揚げ日本一」に浮かれてはいても、根室漁業協同組合はホームページすらない。こういうデータを消費者にアナウンスすべきだろう。全国ナンバーワンには社会的な義務というものがある。公的な機関の検査によらずに独自に自腹を切って検査してデータを公表しなきゃダメだ。根室産ブランドの確立は地道な努力の末に築かれるもの。

 このサイトをはじめに教えてくれたのは、ハンドルネーム「もやしさんま」さんだ、そして昨日、釧路の教育を考える会の仲間であるZAPPERさんが釧路水産試験場に電話で問い合わせてメールで知らせてくれた。
 「もやしさんま」さんが11月4日の弊ブログ記事コメント欄に書き込んでくれた時点で本欄でとりあげるべきだった。

「北海道放射線モニタリングサイト」
 
http://monitoring-hokkaido.info/

【福島第一原発で核分裂反応は今日も続いている】
 データをみて重大な事実に気がついた。1年7ヵ月たつのにサンマの筋肉に蓄積されているI-131が0.4Bq/kg前後で減らない。2011年3月の爆発以来核分裂反応がなければ、半減期は8日だから2^-72に減衰しており、こんなに大きい値がでるわけがない
 データから言えることは、いまだに核分裂反応はとまっていないということ。福島第一原発では核分裂反応が起きていて、今日も放射性廃棄物が垂れ流されており原発事故は現在進行形であること

============================
【9月21日訂正】
 データの読み方が間違っていることに気がついたので訂正します。弊ブログ記事#2414を書くときに水産庁のデータを再度眺めて自分の間違いに気がつきました。
 「0.4Bq/kg」は、「測定値<0.4Bq/kg」と読むべき
であり、
「計測した結果は検出限界値の0.4Bq/kg未満であった」
という意味だと解釈します。
 水産庁の当該ページには何も説明がありませんが、この不等号には意味があります。おそらくこの解釈が正しい。申し訳ありません。この後の段落は正しいことが最近の報道で証明されておりますので、そのままにします。毎日400㌧の汚染地下水が太平洋に流出しています。

弊ブログ#2414 根室のさんま祭り:放射能汚染は大丈夫か? Sep. 20, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-20

============================

 原発事故はいったん起きてしまえば、1年8ヶ月たってもまったく制御不能だし、さらに1年経過しても変わらないだろう。周辺住民は被曝し続け、海の汚染も広がり続ける。
 政府はこのような事実を公表していないし、マスコミも報道しない。
  今も続く核分裂反応でどのくらいの放射能が放出されているのかわからないが、福島第一原発で作業をしている人たちは公表されているよりもずっと過酷な放射能汚染の下にある。作業員の被曝線量についてもゴマカシがある可能性が強い。この国は大事で深刻な情報をことごとく隠す国になってしまった。原発事故情報も学力テスト情報もそれが深刻であるほど隠され続ける。

 どんなに情報を隠蔽しようとしても、すべての情報の辻褄を合わせて捏造することは不可能だから、仔細にデータを見ていけば、わたしたちは真実の一端を垣間見ることができる。

-----------------------------------------------
*#2116 根室沖の真鯛から100Bq/kg超のセシウム検出 Nov. 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04-1

 #2037 サンマの放射能汚染にかんするニュース報道  Aug. 2, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-02-2

 #2069 福島県のこどもたちの35.3%に放射性ヨウ素による甲状腺異常が現れた Aug. 29, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


【超高濃度放射能汚染水が垂れ流し】2013年9月1日追記
 東京電力は参議院選挙の終わった7月22日に8000万ベクレル/リットルの超高濃度放射能汚染水が貯蔵タンクから洩れ、太平洋へと流出したことを認めた。
 そして1ヵ月後にはメルトダウンした核燃料棒が地下水を汚染し、毎日300tの超高濃度汚染水が太平洋へ流出続けていることを認めた。
 貯蔵タンクは350基あり、いま点検途中だろうが数本のタンクから放射能汚染水が洩れていることが判明しているが、その総量はまだ公表されていない。全部の点検が終わっていないので、流出総量が計算できていないのだろう。
 写真に写っているタンクは上部や側面のつなぎ目にはっきりと錆が映っていた。
 昨年11月に太平洋沿岸で取れる魚の放射性ヨード(半減期8日)が下がっていないことから、放射能が流出し続けていると警告したが、その通りだった。毎日300㌧もの超高濃度放射能汚染水が太平洋へ2011年5月から流出し続けていることを東京電力も政府も認めたのである。
 こんなことは素人のわたしでも魚の放射能汚染データから推測できたくらいだから、プロが推測できなかったわけはない。情報を隠蔽していたのだと断定する。そうした仮定に基づいて海側で放射能を測定すれば簡単に裏付けがとれた筈だが意図的にそれを避けた。測定地点の選び方をよく見ればわかる。人工埠頭側の反対側の海は測定していないが、そこから洩れ続けている。
 流失した放射能はトリチウム40兆ベクレル、セシウム20兆ベクレル、ストロンチウム10兆ベクレルと東京電力が公表している。嫌なことだが、今までの経緯から過小評価を疑わなければならない。
 これは六ヶ所村の再処理施設が稼動しだしたときの放出放射能の一日分にしか当たらない。青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設が本稼動するとトリチウムだけで一日30兆ベクレルが海に放出される。原発3基がメルトダウンしているのに本当にこんな程度の流出量なのだろうか?

-------------------------------------


*#1460 「原子炉圧力容器損傷か?:写真で検証
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-03-1

 #1462 「裸の王様:原子炉圧力容器は破損している 論より証拠、よく写真を見てごらん
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05

 #1463 「福島第1原発3号炉はもう無い:東京電力社員退去要請の意味」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06

 #1607 児玉龍彦国会で告発(2):(書き起こし) July 31, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31

 #1611 児玉龍彦教授(3):息子さんからのエール Aug. 3, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-08-02-1

 #1655 あらら、何を隠そうとしているの?:原子炉建屋にコンクリートの覆い Sep.21, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-09-21

 #2323 次の原発事故のために(1):甲状腺癌と情報操作?:U.N. experts see no increase risk of cancer … Jun. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06

 #2324 次の原発事故のために(2) :福島県で12人が甲状腺癌 Jun. 7, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-07

 #2325 次の原発事故のために(3):Tyroid cancer hits 12 kids in Fukushima: Jun. 8, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-08

 #2377 次の原発事故のために(4):小児甲状腺癌18人に  Aug. 21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-21

 #2379 次の原発事故のために(5) 8000万ベクレル/ℓ 高濃度汚染水漏洩 Aug.22, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-22

 #2381 次の原発事故のために(6): 超高濃度汚染水と浄化システムALPS  Aug. 25, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-24

 #2383 次の原発事故のために(7): 漏洩はセシウムとストロンチウム合計で30兆Bq  Aug. 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-27

 #2387 次の原発事故のために(8):トリチウムの問題 Aug. 29, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-29 
 


前の10件 | 次の10件 13. 東日本大震災&福島原発事故 ブログトップ