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#2411 さんまの放射能汚染(まとめ-2) Sep. 16, 2013 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 #2410でさんまに含まれる放射能測定データは信用できないと書いた。もちろん理由を挙げておいた。
 該当部分を抜粋。
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 米国機関が太平洋の本マグロについて汚染データを公表しているが、6.3Bq/kgである。広く太平洋上を回遊する本マグロのほうがさんま1Bq/kgよりも6倍汚染されているというのがわたしには解せない。反対なら理由に合点がいく。
 米国の検査機関と日本では放射能の測定作業手順が異なるのではないか?米国と同じ作業手順でやったらさんまの放射能濃度は5~10Bq/kgあるのではないかとわたしは強く疑っている。汚染濃度の高い海域内を行ったり来たりするだけのさんまのほうが、そこを通り抜け外側に出て太平洋を大きな円で回遊する本マグロよりも汚染が少ないわけがない。

  本マグロの放射能汚染濃度<さんまの放射能汚染濃度

 この不等式が成り立っていると推測するのがあたりまえだ。実際には不等号の向きが反対なのだから、測定作業手順の違いにその原因を見出すのが合理的な思考というものだろう。

 水産庁が公表しているデータはさんまの身の部分だけを切り取って計測している米国ではそのまま丸ごとミンチにして計測したのではないだろうか?
 
米国人がマグロを三枚に下ろして、身だけを計測するなんて器用なことをやれるはずがない。
 さんまには胃袋がないので、いきなり腸で消化されて排泄されるので、消化管の放射能汚染が他の魚よりも低い可能性はある。
 三枚に下ろして身(筋肉)だけ測ったら、骨に沈着するストロンチウムは検出できるわけがない。そういうわけで、水産庁のデータにはストロンチウムの欄がない。やはりまるごと測るのが正しい。でもそうすると値がずいぶん跳ね上げることになる。こうして考えると、水産庁は東電や政府とグルで、放射能汚染データを実態よりも小さく見せるために、手間のかかる測定手順を選択したということ。嘘だらけということだ
 すべての関係者が自分の家族に妊婦がいると考えて、正直な仕事をしてもらいたい。少子化といいながら、妊婦は何を食べればいいのか、これではまるで信用できない

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【筋肉・内臓・全体に分けて計測したデータ発見】
  ネットを検索して、内臓と筋肉と全体に分類したデータを見つけた。放射性ヨウ素とセシウムだけを測定している、ストロンチウムは測定されていない。
 やはり内臓が高いようだ。北緯42度付近で獲れたさんまだから、十勝沖だろう。筋肉だと3Bq/kg~9Bq/kg、内臓は7Bq/kg、全体だと11~13Bq/kgある。社団法人全国さんま漁業協会がまとめた資料だそうだ。URLをクリックしてみてほしい。

http://merx.me/archives/12288

 検出限界未満というのもあるが、ヨウ素がこんなに検出限界未満なのは、水産庁ほど精度のよい測定器を使っていないからなのだろうか?

(ちょっと脱線してみたい。ストロンチウムの測定がむずかしいのは前処理に理由がある。検体からストロンチウム90を抽出処理してから、試料のだすβ線を計測するようだ。前処理には多段階の処理を要し、2~3週間ほどかかる。一般に前処理工程が処理回数が多くなるほど熟練技を要し、前処理の巧拙が検査結果にも影響するというのがこの業界の仕事の常識。標準作業手順書を整備してあるところなら問題がないだろう。
 検査機関によって作業手順がことなると測定結果の比較ができなくなるケースが考えられるので、ヨード、セシウム、ストロンチウムの3種類の放射性物質について国際的な標準作業手順を定めるべきだろう。チャンスだ、日本が言い出し、お金も出して世界標準測定作業手順制定のリーダシップをとればいい。)
*http://www.radio-isotope.jp/Analysis/analyse_Sr90.html

 とにかく、さんまを丸ごと測ってヨードとセシウムの合計値で10Bq/kgを超えるようなサンプルが見つかるようでは、妊婦には勧められない。
 福島県郡山市の会社に出向していたことがあるが、歯の丈夫な人でさんまを丸ごと食べる人が一人いた。そういう人はストロンチウムも加算して放射能の総量を考えるべきだ。2倍くらいを想定しておいたほうがいい。

【食べられるのは放射性廃棄物管理基準の10分の1まで】
 さんまが大好きなebisuは、低レベル放射性廃棄物の管理基準である100Bq/kgの10分の1を超えるさんまがありうることを覚悟の上で食べるしかない。しかし、若い人には毎日食べるのは勧められない、絶対量が問題だからどうしても食べたければ頻度や量を減らすしかないだろう。
 低レベル放射性廃棄物の10分の1(=10Bq/kg)というのは許容しうる最大値である、ebisuはこれ以上汚染濃度の魚は食品とは思わない。

 さんまの回遊路の太平洋をこれだけ放射能汚染してしまったら、酷いことになってしまうどこの港へ陸揚げしようと同じことです。どこで獲れても似たようなもの。さんまは汚染海域を行ったりきたりしているのですから、汚染されないさんまなんて一尾もいません。海が汚染された時点でアウトです。もっと遡ると、原発事故が起きた時点でアウト、さらに遡ると、補助金欲しさに意地汚く原発建設を認めた時点でアウトなのです。地震の巣のような日本列島ではどこに原発を造ろうと、いずれは地震に見舞われ、ひどい放射能汚染を撒き散らす。造った時点でアウトなのです。愚かな人間はお金ほしさに原発に賛成し、賢い人間は補助金を拒否して原発を認めない。人間は賢くなければ、犬や猫やサルと変らない。餌で釣られるようでは犬猫と一緒、情けなさすぎる。結局ふるさとを追われ、他の地域の皆さんにたいへんなご迷惑もかけてしまう。なにより自分たち自身が戻るべきふるさとを失っていまう。お気の毒な姿をテレビでみるたびに、身をもって人間の愚かさを教えてくれたと思うしかありません。してはならぬことはならぬのです。気をつけていなければ明日はわが身と心得ましょう。

 大型台風が一日で愛知県に上陸し岩手県から太平洋上に抜けて、北海道沖で温帯低気圧になった。各地に大雨と洪水をもたらしたが、陸地に積もった大量の放射性物質が太平洋へと押し出される。貯水タンクの周りにたまった雨水を放水するとかしたとか、そんなものよりも汚染した陸地から大雨で川から海へ注ぎ込まれた放射の方が数万倍も多い。
 あと三年もしたら、さんまは数十年間食べられなくなるほど汚染濃度の高い魚になるのではないか?

【蕗(ふき)の下の神様の独り言】
 旬の美味しいさんまが大好きなebisuは心配だ。神様どうかわたしたちからさんまを取り上げないでほしい。

「さんまを汚染したのは君達日本人だ、自業自得だよ。それより他に48基も原子力発電所があるが、そっちのほうにも気を配ったほうがいいよ。日本列島は4枚の大陸プレートのせめぎあうところに位置しているから、地震や津波がいつ襲うかわからないよ、次のメルトダウンがどこなのかは知っているけど、わたしはだまってみているしかない、君達自身が何とかしないといけないんだ。なんだか気の毒だね、余計なことをしなけりゃずっと安全で幸せに暮らせたのに…」ー蕗の下の神様(コロポックル)

【"さんま水揚げ日本一"のプライドが問われています】
 連続して根室花咲港が日本一だが、肝心の根室漁業協同組合がさんまの放射能汚染について何も発言していない。儲けるだけではダメでしょう、連続日本一なんだから、さんまの放射能汚染について発言する義務がある。
 根室漁業組合のホームページを作って、さんまの部位別測定データを公表するくらいのことはやるべきだ。
 漁場を放射能汚染した東京電力にも強く抗議すべきだ。
 北海道電力泊原子力発電所の廃炉も北海道電力へ要求すべきだ。これ以上漁場を汚染したら、さんまが売れなくなる。根室の水産業の死活問題だ。地元漁協がふるさとの海を守る声を上げずに誰がやる?
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」

 ニムオロ塾では塾生に、迷ったときには原点に戻って考えろと教えている。原理原則に戻れということ。賢い人間はそうするんだ、大事なことだよ。有象無象になり下がってはいけない。


 毎朝食卓に上っていたさんまが明日はない、海が時化て水揚げされなかった。旬の時期に一日でもさんまがないのはさみしい。
 旬のさんまが大好きなebisuは日本列島に原子力発電所はいらないと思う。


*#2411 さんまの放射能汚染(まとめ-2) Sep. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-2

 #2410 さんまの放射能汚染(まとめ-1) Sep.16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16-1

 #1445 検証(2)福島原発事故⇒今年のサンマ漁に一抹の不安:杞憂に終われ Mar.26, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-26

 #1967 二度目のメルトダウン :野田総理大飯原発再稼動容認発言アリ June 10, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-10


 #2008 サンマ漁解禁2日目 :テレビも新聞もサンマの放射能汚染報道は一切なし July 11, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-11-1

 #2063 旬のサンマを美味しくいただく :水揚げ日本一の町の大人の責任  Aug.23, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23


 #2116 根室沖の真鯛から100Bq/kg超のセシウム検出 Nov. 4, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04-1

 #2390 サンマのI-131の濃度から放射能汚染水の大量流出は分かっていた Sep. 1, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01

***上記#2390は削除処理しました***
理由: 「<0.4Bq/kg」を「0.4Bq/kg」と読んでいましたが、どうやら「測定値<0.4Bq/kg」、すなわち、「測定値は検出限界値の0.4Bq/kg未満」と読むべきだというのが今回水産庁のデータをあらためて見直してみたebisuの結論です。




 #2414 根室のさんま祭り:放射能汚染は大丈夫か? Sep. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-20
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#2406 嘘か実か:「状況は管理されている東京は大丈夫」と安倍首相 (JTより) Sep.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-13






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コメント 2

わし

冬に和歌山沖で取れる主に秋刀魚寿司の原料になるサンマから検出された!という報道がないのが気がかりです。
三陸沖から太平洋岸を南下しているので、北海道沖や三陸沖に比べ高濃度で検出されないわけがないはずなのですが?
by わし (2013-09-17 10:34) 

ebisu

わしさんへ

ハンドルネームで芥川の『クラリモンド』を思い出しました。
「わしが、・・・」「わしが、・・・」
翻訳ものなのでやたらに主語がうるさい。

大型の脂の乗ったサンマなら何度も汚染海域を行ったりきたりしていますから、当然汚染されている。セシウムだけで数Bq/kgでしょうね。
こちらでは小さい加工用のものをジャミさんまをいいますが、それなら話は別です。2回汚染海域を回遊しているだけでしょうから汚染濃度は低い。

それと、刺身にするには三枚に下ろして骨は捨てますからストロンチウムの汚染を気にしなくてすみます。

煮物がとってもあぶない。骨まで柔らかくなるように煮て食べますから。10年くらいは様子を見て、さんまの煮物は食べないほうがいいのでしょう。
子どもや妊婦には勧められません。
by ebisu (2013-09-17 12:54) 

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