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#1012 病床数135に圧縮:市立根室病院建て替え-085. Apr. 27, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

【にわかに議題変更あり、なぜ?】
 病院建設特別委員会が26日に開かれた。
 市側は17日の振興局への起債申請で指導を受けた。情報を伏せておいて、市長は26日になって明日の27日までに起債申請書類の再提出が求められていることを話し、委員会の了承を求めた。3月26日に受け取った基本設計についてもその一部を見せたのみ。市民はもとより、市議にすら審議の時間を与えない。
 これでは特別委の存在意義がない。委員長は突然の計画変更を了承せず審議をストップすべきだった。詳しい状況は本田議員のブログをみられたい。

【根室はこれで療養病床をもてなくなる】
 ベッド数は135に削減された。現行199に比べて64減である。これで将来療養病床の確保はほぼ不可能となった。療養病床へのニーズは現在でも200ベッドある。20や30ベッド転換しても焼け石に水だ。10年後には現在7700人の老人人口は1万人を超えるだろう。中標津ですら現在医師会病院が療養病床120床を維持しているが、根室は10年たっても療養病床がゼロかもしれない。急性期医療が終わっても転院する療養病床が市内にひとつもない。看護師や医師は患者にどのように退院や、その後の治療を説明するのだろうか?急性期治療の終わった患者は転院先がない。釧路へ行けということだろう。それなら急性期から釧路の病院で治療をと考えるのは当然だろう。
 市長も病院事務長も建て替え後の新病院へ「患者を呼び戻す」努力をすると言い、計画にも入院患者や外来患者の大幅な増大を見込んでいるのではなかったのか。実に杜撰な結論である。

【病院事務局の計画はひどく杜撰:実質赤字が計画比4~6億円(/年)も増える】
 実質赤字が6億円に減少するという現実離れした計画をたてている。現在でも年間5億円から7.5億円の一般会計繰出金での赤字補填計画が決算では12.2億円になっている。この2年間医者が増えても赤字は増大しているし、10億円を下回ったことはない。経営改善を声高に叫び、担当課長を置いていながら、経営改善はまったくなされない。経営能力がないせいなら、今後も経営改善はないだろう。医師数が増えているのに赤字の幅が年々拡大しているのが実態である。

【ありえない前提の計画:派遣医師の引き揚げと看護師の大量退職が予定されているが対策なし】
 このままでは年間16~20億円の赤字が出る。ベッド稼働率はありえない80%で売上計画を立てている。外来患者も現状よりも10%大きく見積もっている。道からの派遣医4名の契約が再来年から切れるし、本田市議のブログによれば看護師さんの定年退職が3年間で18名あり、補充が追いつかなければ病棟維持も難しい情況にある。
 現実は計画とは大違いだ。毎年、予算と決算で実質赤字額が4億円から6億円も乖離している。この5年間4億円以下の誤差のことなど一度もない。つまり病院事務局の計画はすべて希望的観測の積み上げで、辻褄併せだ。
 道や国の起債審査が書類審査の形式審査のみなら病院は建て替え後3年間で財政調整基金を使い果たしてしまう。

【システム開発費は民間の10倍以上の巨費、杜撰な開発費予算】
 法外なシステム開発費は計画から外された。ニホロ移転案のときに5億円だった。前倒しで2億円のオーダリングシステムを導入したのに、なぜか総事業費の中に5億円のまま維持されていた。本来なら3億円のはずだ。これほど杜撰な総事業費もないだろう。この一点だけでも好い加減さがわかる。
 そして売上わずか25億円前後の事業に7億円ものシステム開発費は、途方もない無駄遣いである。80年代後半に売上高300億円のある企業が東証Ⅱ部に上場するために支払ったシステム開発費は5億円だったが、幹事証券会社は2部上場でこれほどシステム開発費を投じた会社はないと言い切っていた。それが売上25億円の事業が7億円のシステム開発費である、16倍もの巨費を投じて何の疑問ももたないのは金銭感覚が麻痺しているとしか言いようがない。
 これほど好い加減な計画もない、計画はゼロベースで見直すべきだ。

【市の財政破綻の危険】
 財政課は「いますぐ倒れる状況ではない」というが、10年のスパンで見れば病院建て替えによって市財政が破綻する危険性を否定できないだろう。看護師18名の定年退職や4名の派遣医師引き揚げが予定どおりなされれば、年間赤字の最大値は23億円にもなる。最悪のシミュレーションをして、対策を用意しておくべきだ。病院事務局の作成する予算は、つねにこうあってほしいという希望的観測の寄せ集めにすぎない。コンテンジェンシープランを用意し公表するべきだ。それは財務課にもいえる。病院事業の赤字が年間23億円出たときに市財政破綻回避にどのような具体策を用意できるのか、市民に明らかにすべきだ。それも財務課の重要な仕事だ。手立てがないなら、いま病院建て替え計画をストップして、コンサルタントの言うとおり30億円での建て替えプランを作るべきだ。

 このまま進めれば、10年を待たずして根室市は財政破綻することになるだろう。そのときは、大きな病院建物が残り、病院は診療所に、小中学校はそれぞれ各2校に統廃合され、市役所職員は半分リストラ、残った人は給与3割減、人口は10年後2.3万人に激減など、たいへんな苦労が待っている。

 4月27日付北海道新聞根室地域版より
(インターネットの道新ニュースには地域版が載らないので、トラックバックできない)
 病床数135床に圧縮
 市議会特別委「観察室」を増床
【根室】市は26日の市議会市立病院建設特別委員会で、建て替え後の新病院について、病床数を135に減らす方針を説明し、了承された。長谷川俊輔市長は理由として、建て替え財源の起債発行(借金)をめぐる道との競技で、道から実際の患者数に見合った経営計画を立てるように助言されていることを明らかにした。(幸坂浩)
 病院事務局によると、病床を当初計画より15床減らす代わりに、許可病床外で、看護師の観察が必要な手術後の患者や救急患者が利用する観察室を計画費4床増の10床とする。長谷川市長は「観察室の増床を条件に、病床を削減することになった」と説明した。
 病床数を算定する基本となる1日あたりの入院患者数に関しては、事務局が2010~17年度の収支試算の中で、105.3~110.9人になると説明。3月に示した試算の中間報告の111.6人を下方修正した。「09年度実績の97.1人を基に医師数増を加味して試算した」という。
 その結果、同期間の病院事業会計の赤字に伴う一般会計からの繰入額は年8億8800万~11億900万円となり、最大で12億2800万円としていた中間報告より改善した。
 また、市財政課が、病院事業会計への繰り出しを含めた一般会計の収支試算を報告。11~14年度には、最大で年4億4200万円の財源不足が発生する者の、各種基金を取り崩すことで対応でき、14年度末でも基金の残額は7億400万円を見込めるとした。
 質疑では、橋本竜一氏(共産党)が09年度に当初予算より4億円も繰出金が増えたことを指摘。今後も想定以上に繰出金が膨らんだ場合の対応をただしたのに対し、財政課は「今すぐ(一般会計が)倒れる状況にはない」と理解を求めた。
 市は27日、この収支計画に基づき、道と起債について協議する。耐え変えの総事業費は役62億円で、国の交付金は約22億円。市は現時点で、30億2100万円の起債を申請する。
 一方、建て替えの基本設計の報告された。免震構造の鉄筋コンクリート造り地下1階、地上4階建て延べ1万3500㎡で現病院の裏側にある駐車場に建設し、現病院後に駐車場を造る。市は既に実施設計に着手しており、来年2月の着工を目指す。

*本田市議の4月26日付ブログへジャンプ
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/04/post-19f8.html


#1010 療養病床の問題:市立根室病院建て替え-084. Apr. 26, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 本田市議が4月25日のブログで建て替えにかかわる療養病床の問題点を整理してくれている。まとめると、

①現計画は一般病床150床のみ、療養型はゼロ
②将来療養型が必要になったら、150ベッドの中から振り替えるしかないが、それではぜんぜん足りない。
③現在市内の総病床数は特別養護老人ホームを含めて500、その内一般病床は市立病院の146ベッドのみ。医療保険型療養病床はゼロ。
④市立病院は経営改善がなされず、「改善基本計画」と実績が乖離しているので、病床数を120に減らされる可能性あり⇒その場合には120ベッドの中から療養型ベッドを捻出しなけらばならない。これでは根室の老人医療のニーズをまかなえず、このまま現計画を進めると将来重大な禍根を残すことになる。


 閉院した隣保院は75ベッドだった。共立病院と江村病院の精神科216ベッドの大半は老人である。
 根室は昨年老人人口が7700人を超えた。これから10年後には1万人前後になるだろう。総人口が2万5千人とすれば5人に2人が老人となる。10年は意外と早い。
 精神科216ベッドが老人医療に転用されている。本来大半が医療型療養病床の対象患者である。常識的に考えても、人口3万人の根室に入院が必要な精神病患者が200人もいるわけがない。40年前には全国のいたるところでそういう情景がみられた。根室は40年遅れているのかもしれない。行政の意識が遅れているのだろう。市長の発言にはそのことが如実に読み取れる。

 他方で人口2万4千人の中標津の医師会病院が120ベッドの療養型入院施設を運営している。に120ベッドの療養型病院(石田病院)がある。根室は3年前に介護保険型療養病床の隣保院が閉院してから市内に療養病床ゼロが続いている。

  根室市の行政には地域医療のビジョンがない。だから、市立根室病院建て替え問題もニホロ移転だ、駒場町だ、いや医師数が足りなくなったから現地建て替えだ、予算は90億円だ、60億円だ、62億円だ、提案を委嘱された病院コンサルタントは30億円で建て替えすべきだ・・・とこの6年間いたずらに迷走するばかりである。
 市側にきちんとしたビジョンや見識をもった者が市長や病院事務長など関係者にいないからだ。
 そして20人いる市議は具体的な提案も市政チェックもできずに、ただいたずらに市側の出す案を次々に了承してきただけである。
 具体的な収支計画が示されないことに異議を唱え、会派に頼らず、たった一人でも新年度の予算に市議会で反対した市議がでたことはふるさとにとっていい兆しである

 市長や市議は医療が必要となった老人をどのように扱うのか、具体的なビジョンを示すべきだ。老人人口の推計は簡単にできるだろう。そしてそのデータを元に医療型療養病床の対象となる老人の割合を乗ずれば、対象患者数の推計も簡単にできるはずだ。根室に医療型療養病床をもたないなら、推計した患者をどこでケアするのか具体的案プランを示すべきだ
 近隣の市町村の施設では、連絡を取りにくいので根室の老人の受け入れに難色を示している施設もあるという。
 医療の必要なお年よりは地元でケアするのが一番いいに決まっている。臨終の間際には親子・兄弟・姉妹、親戚がすぐに駆けつけられる。みんなに見守られながら逝きたい、ふるさとで死にたいというお年寄りの希望をかなえるやさしさがあるべきではないのか?

 このまま現計画を進めると将来必要な療養病床をもてなくなり、この地域の老人医療が崩壊する。本田市議も言っているように、根室の老人医療はいま重大な岐路に立っている

 病院建て替え特別委は昨年7月に現計画を認めてしまっているので、療養病床に関する議論さえできない状態だという。本田市議にも打つ手がなくなって、困り果てている。問題を議論しようという市議すらいない(そういう役に立たない市議ばかりなら市議定数は半分でも多すぎる)。

 あきらめてはいけない、根室の、ふるさとの老人医療が根底から崩壊しようとしているのだから。

 丁寧に問題点を整理しているので、あとは本田市議のブログを読んでほしい。こういう市議が一人いることを誇りに思う。そして、たった一人しかいないことを残念に思う。
 URL:http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/04/post-d6e4.html


#1008 経営改善へコンサル導入-083(市立根室病院) Apr.21, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 市立根室病院が経営改善のために126万円かけてコンサルを導入すると言う。病院にはたしか経営推進という部署があったはずだが、担当部署があり、課長がいるのになぜ外部コンサルが必要なのだろう?

 民間会社で外部コンサルを導入することはある。原因も対策もわかってはいるのだが、社内力学上言い出せないときに、外部コンサルを使って言わせる、そういうケースがある。だが、市立根室病院はそうではないようだ。大真面目に経営改善をしたいがために外部コンサルを導入するらしい。
 経営改善をやるために2年前に「経営推進(課?)」を新設したはずだ。経営改善は進んだか?一つも進んでいない。赤字の額は10.5億円から12.2億円に増えたから、経営改善のスキルのない者が配置されていたのだろうか。そういう経営スキルのあるものは市役所内には一人もいないだろう。民間だってそういう人材は滅多に見つからないものだ。
 専門部署を新設しても効果がないばかりか、赤字はさらに拡大した。そして今度はその尻拭いに、有料の外部コンサル導入である。わたしは「有料」ではなくて「優良」コンサルかと読み間違えるところだった。

 目標はなにか?2年間で赤字を10億円以下にするとか、3年で8億円に減らすとかいう具体的な目標があるのだろうか?ただ漠然とコンサルを入れても効果がない。コンサル会社は怪しげなところが多いので少し心配だ。道新記事を見てもどこに委託したのか会社名が載っていない。どういう基準で選んだのだろう。
 たしか6年前の90億円のニホロ移転案も札幌の業者だった。コンサル会社だったか、設計事務所だったか、定かでない。たいそうなお金を支払ったはずだが、まさか同じ業者ではあるまい。病院コンサルの長隆氏が「とんでもない業者」と講演会議事録かどこかで言っていた。そういう類の業者でないことを祈ろう。

 それにしても屋上屋を重ね、無駄に無駄を重ねる、わが町の市長殿はいったいどういう金銭感覚をしているのか?

 市立根室病院
 経営改善へコンサル導入
               札幌の業者と近く契約
【根室】市は大幅な赤字が続いている市立根室病院の経営チェックを、病院経営に詳しい札幌のコンサルタントに委託する。コンサルタントの導入は初めてで、今月中に正式契約する予定。赤字を減らすためのアドバイスを受け、来年2月着工の病院建て替えに向け、経営改善につなげたい考えだ。(幸坂浩)
  (4月21日付け北海道新聞根室地域版より。詳細は新聞記事をお読みください。)

 病院赤字が12億円を越し、赤字は年々拡大する一方である。「このままの経営状況が続けば市財政がもたない(市幹部)との危機感が背景にある」から、いろいろ策を弄する。
 病院事務局の経営推進課長殿は「病院の収益に関する予算と決算が毎年かけ離れていることを認めた上で、「市民の不安をなくすため、院外の視点を導入して経営改善に努めたい」と話している」。院内の視点しかもちえない経営推進(課?)では病院の経営改善はできませんと白旗を掲げたということだろう。

 ところで2億円の赤字解消は休床中の48ベッドを療養病床病棟にすれば可能だ。何度もブログに書いているが、どうしてすぐにやらないの?たぶん、医師が足りないとか、できない理由を何項目か並べるのだろう。
 できない理由を箇条書きにして聞きにおいで、全部解消してあげるから。来ないって?本気で赤字縮小をするつもりがあるの?

 自分たちでやりうることをやってからコンサルを入れたらどうなのだろう。専門部署を新設しておいて課長職を一つ増やし、効果がないとわかるとさらに外部コンサル導入、あきれた泥縄式のやりかただ。そういえば、ニホロ移転がダメなら現地建て替えという泥縄もあった。総事業費90億円がダメなら60億円、それもダメなら62億円という泥縄も。大人の仕事じゃないね、笑われているよ。

 次々と人とお金をつぎ込むがさっぱり効果のない泥縄の市政に市民はそろそろ本気で怒るべきじゃあないの?市議が市長に賛成ばかりしていた夕張市は破綻した。市議は正直に・誠実に仕事しよう。市政チェックは政策提案と並んで市議の重要な職務だから、副業でそれが出来ないなんていう奴はさっさと辞めてくれ。いまの働きぶりなら定数は半分でも多すぎる。

 もう一度言うよ、根室が笑われている。大人がしっかりしよう。 

#1006 本田議員の活動報告会へ出かける(2)システム投資7億円 Apr.19, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 本田市議の活動報告会で質問をして、ふと疑問に思ったことがある。
 
 昨日のブログに書いたが、6年前のニホロ移転案の総事業費80億円超(当時の噂では90億円)のときにシステム投資が5億円だった。そのうちのオーダリングシステムはすでに2億円前倒しで実施している。だから、前の計画のままでも、システム投資は3億円のはずだが、なぜか5億円のままになっている。だれもそのことを指摘しない。市民整備委員会も市議会病院建て替え特別委も市長の翼賛機関と成り果てているのではないか。

 このシステム開発と開発予算全体について、市議会は業務監査請求をしてもらいたい。基本手順に忠実に仕事をすれば1億円ですむかもしれないものが、7億円もかかってしまう。
 概略仕様書も作らずに杜撰なやり方をすればシステム開発費は何倍もかかる。使っているのは税金である。このような無駄が二度と起きないように、業務監査をして仕事のやり方、問題点を指摘し、改善をしてもらいたい。

 病院事務局がシステム案件に必要な人材・能力を欠いているように見える。概略仕様書も作らずに発注しているとすれば、とんでもない話だ。業者のいいなりだろう。

 大きなシステムを導入するときは実務の見直しがされ、新たな実務デザインがなされる。この段階の仕事は業者がやるのではなく病院事務局の仕事だ。現場の人間のニーズを取りまとめ、予算に合わせて要求仕様をカットする。そして実務デザインをして概略仕様書をまとめ、まず院内のプロジェクトでオーソライズする。そして業務フローチャートを含めた概略仕様書を病院建て替え特別委へ提出する。病院建て替え特別委は提出された概略仕様書をチェックし、予定金額が妥当かどうかを判断する。必要書類がなければ特別委は判断の仕様がないはずだ。

 たとえば、カルテの管理を例に挙げよう。現在は外来診察ブースに置いているのではないか?カルテを一括管理すれば、ブースにカルテをおく必要がなくなり、ブースはたんなる「外来診療室」となり、カルテ保管・整理機能をブースの中に確保する必要がなくなる。30のブースは半分の15もあれば十分だろう。入院病棟担当医師のほうが多いから、外来担当医師は10人程度が実態ではないのか?現行業務の見直しはなされたのか?なされていれば、新しくデザインされた実務フローチャートがあるはずだ。病院建設特別委へ資料はすべて公開すべきだ。

 わたしが3年半前に入院した釧路医師会病院では、カルテは受付で一括管理されていた。診察カードを入力すると同時に、事務職員がカルテを取り出し外来ブースの受付へ回す。外来ブースの受付は一本化されており、受付処理をした後、担当医を確認して、担当医のブースへ回す。診察が終われば逆のコースを取って、総合受付へ戻され、会計で精算が行われる。
 このようにすれば、診察ブースに現在のように多人数の看護師は必要なくなる。看護師の充足が難しいと聞いたが、実務設計を見直してカルテ管理を一本化すれば仕事は合理化できる。少ない人数で労働強化をせずに倍の仕事量だってこなせるようになるものだ。外来で浮いた看護師は入院病棟へ回ってもらえばいい。システムの入れ替えは仕事の見直しのチャンスだ。大きな業務改善ができるような実務設計が可能だ。
 実はそういう実務デザインがなされていないのではないか。医者や看護師、薬剤師、レントゲン技師、検査技師などの意見を聞いて集めただけで、仕様の絞込みとか、実務設計をやっていないのではないだろうか?
 やっていれば、2億円もシステム投資が増えるわけがない。
 病院建物も大事だが、建て替えをきっかけにして、中身が、仕事のやり方や働く人々の意識が変わらなければならないのではないか?意識改革の必要を強く感じる。
 
 比較のために売上300億円、社員と準社員約2000名規模の会社が東証Ⅱ部へ上場するするときに統合会計情報システムを開発したが、84年当時の金額で5億円である。幹事証券会社は東証Ⅱ部上場でこれほど巨額のシステム投資は例がないと言っていた。その会社は当時40億円以上の経常利益をあげていた。
 売上規模は10分の1以下、年間12億円の実質赤字の病院が7億円のシステム投資など狂気の沙汰だ。とても出せる金額ではない。病院事務局はそろいもそろって全員金銭感覚がおかしくなっているのではないか?

 どうやらコストカットの意識はゼロだ。それどころかどんどん増えている。病院事務局と病院建て替え特別委と市長は集会を開いて市民へ説明すべきだ。病院事務局は基本設計や購入機器リストなど一切の情報を公開すべきだ。
 病院建て替えは、システム一つとっても、かくもずさんな仕事で進められている。

 病院コンサルタントの提言は総事業費30億円での建て替えだった。市長を含めて、市の幹部を50人も集めて商工会館で行った講演会での提言である。いったい、あの提言はどうなったのか?まさか忘れたわけではあるまい。実施設計はストップして計画をゼロから見直すべきだ。

 言いたいことはこうだ。各自がその職責を誠実に果たせと言うことだ。正直・誠実に仕事をすればほとんどのことは解決できる。市長が市民に十分な説明をせず、あろうことか虚偽の説明をしてきたことは「ニホロ移転案」のときからあきらかだ。市議会病院建て替え特別委や整備市民委員会が市政チェック機能を誠実に果たしていたらこういうことにはならなかった。また、病院事務局の責任者およびメンバーが己の職務を自覚して誠実に仕事をしていたらこういうことにはならなかったはずだ。
 関係者すべてが不誠実な仕事をすることで、総事業費62億円の概算予算が既成事実化し、実施設計へと「暴走」している。非常に残念だが、これが根室の実態である。

 このままでは病院事業で年間最大20億円もの赤字が出て根室市の財政破綻はそう遠くない。見直しせずにこのままやってしまったらアウトだ。取り返しがつかない。ツケは病院職員、市役所職員、患者に回ってくるだけではない。夕張では小学校や中学校が1校に統廃合される。子どもたちへも、学校の先生にも影響は及ぶ。夕張を見れば、市民で影響のない人はいないといってよいだろう。 

【チャレンジ】
 まだ間に合うかもしれない。関係者が集まり、成央小学校を花咲小学校へ統合する。PTAにも協力をお願いすればいい。根室の町の将来のためだ。乗り越えられない困難はない。
 計画をいったん白紙にして、毎週日曜日に総合文化会館の一室で公開の議論をして建築仕様をまとめていく。資料を全部公開して、関係者や必要な技能を有する市民が集まればなんとかなる。正直に、誠実に仕事をすればいいだけだ。
 根室市の地域医療を決めることになるから、臨時の市議会を召集して必要な決議をすればよい。なせばなる。市長や病院事務局職員、市議たち、そして根室市民のやる気が問われている。


#1005 本田議員の活動報告会へ出かける(1) Apr.18, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 18日(日曜日)6時半から8時半まで、総合文化会館で本田議員の活動報告会が開かれた。今日のテーマは病院問題に絞られていた。

 机の上には8ページの病院事業および建て替え問題に係る資料が載っている。パソコンで作成したフルカラー印刷の資料が14ある。これだけの資料を作るだけでもたいへんだろう。副業市議でもやるべきことをやっている人もいる。
 数は数えていないが、参加者はおおよそ20人前後だろうか、地元医師も一人いた。

【反故にされた約束:積み残し課題3点】
 本田市議が問題にしているのは昨年7月の積み残し課題三点だ。課題は一つも消化されずそのままになっている。昨年7月の市長答弁での約束期限は「3月までに」だった。
 ①収支計画
 ②一般会計からいくら繰り入れるのか
 ③療養病床確保の問題

 ①と②は詳細なシミュレーションをやってもおおよそ3日間の仕事である。簡単だから結果は出ているはずだ。実態をありのままに推計値を公表すれば、現在の医師数を維持できたとしても病院事業の実質赤字は年間14億円前後になる。一般会計から毎年「実質14億円」繰り入れなければならない。交付税で戻ってくる分を差し引いた額が14億円だから、「見かけ上の実質赤字」赤字は16~17億円になるだろう。このまま「暴走」すれば、5~10年で根室市財政が破綻するだろう。

 経緯から言えることは、後から検討するというのはインチキだということで、基本的な点の検討がすまなければすべての作業をストップさせるべきだ。病院事務局も市長も職務を果たしていない。不誠実な仕事ぶりであるといわねばならない。この3点で検討に数ヶ月も時間のかかる問題はない。
 療養型病床がゼロのままでは老人医療が崩壊するし、収支計画が提出されていないのだから実施設計をしてはならない。補助金がゼロになってもストップして事業全体をゼロベースで見直し、30億円で建て替えるべきだ。その方が市民負担は少なくてすむし財政破綻も回避できる。
 1億円の実施設計は市民が病院建て替えに寄付した総額を上回る金額だ。2度の基本設計を併せると1.5億円ほど使われたのではないだろうか。ムダ金である。

【公開されない機器購入リスト】
 いくつかわかったこともある。病院建て替え特別委のメンバーは購入機器のリストすら見ていない。大きな物が数点示されているだけだ。病院事務局は「機器購入費等」の明細リストすら特別委へ提示していない。これでは論議ができない。
 民間病院では医療機器購入は3割から5割引が「常識」になっている。機器リストを出せば定価で買っているものはすぐにその事実がわかる。いつまでも隠していないでリストを公表すべきだ。市議会は要求して、市民へ情報開示を徹底すべきだ。そうすれば、病院事務局はきちんと価格交渉をするようになる。

【法外なシステム開発費はノーチェック】
 システム開発費が5億円、これは80億円超のニホロ移転案のときのものだが現在の概算予算でもそのままになっている。オーダリングシステムが2億円前倒しで導入されているにもかかわらず、予算は減額されていない。つまり、システム開発予算は7億円に増えているということだ。なんと杜撰な予算だろう。本田議員は立場上言い難いだろうから、代わって言っておく。
 市議会病院建て替え特別委はこの点もチェックできていない。あの莫迦げた80億円超のニホロ移転案時のシステム開発費が6年たっても見直しされず、それどころかオーダリングシステムを2億円で前倒し開発済みなのに予算は当初予算のまま5億円を維持している。こんな単純明快なことを、なぜ市議が市議会で一人も指摘しないのか。
 もちろん、概略仕様書は5年以上たっているのに一向に作成される気配がない。病院事務局は仕事をやる気がないのかやる能力がないのかはっきりしろと言いたい。
 きちんと概略仕様を詰めてから発注すれば1億円程度でまかなえるだろう。病院事務局は概略仕様書作成という職務を放棄している。2億円のオーダリングシステムは概略仕様書をつくらずに発注したのだろう。
 たかだか150ベッドの病院で2億円のオーダリングシステムなんて考えられない。概略仕様書をまとめて業者にコンペティションをさせれば機器を含めても3~5千万円程度だろう。システム開発は自分のところで概略仕様書をまとめなければ、仕様変更で開発費が何倍にもなってしまう。
 一つ例を挙げて比較すればわかりやすくなるだろうから、関係者は世間の常識を知るべきだ。わたしのいた会社は売上規模1000億円を超えている。上場前は売上300億円ほどだったが、事務系の統合システム開発のために84年~87年の3年間で外部に支払った金額だけで5億円のシステム開発費を投じた。当時は東証Ⅱ部上場のためにこれほど巨額なシステム開発を投じた会社はないと証券会社に言われたものだ。
 だから、わずか25億円程度の売上実績の規模で、システム開発費7億円(オーダリングシステムに前倒しで2億円支出済み、それに概算予算の5億円で計7億円)なんてとんでもない話だ。狂気の沙汰だ。
 年間1億円の償却負担になる。そのご、維持費に年間5千万円~1億円かかるだろう。開発費の10%(杜撰な場合は20%)は維持費がかかるのが通常だ。経営計画にはそうした経費も参入しなければならない。
 職員も市議もシステム開発のイロハも知らないからこのようなことになる、勉強してもらいたい。14支庁管内最低の根室の子どもたちよりも学力の低さは大人のほうがひどいのかもしれない。総事業費なんて努力すればいくらでも削れる。

【病院事務局は単なる"御用聞き":実施設計はストップすべき】
 同じように建物についてもドクター要望でブースが30に増やされた(3月はじめ)。常勤医が16人しかいないのにそのうち10名程度は病棟担当だから、外来診療は多くても10名どまりだろう。どうして30もいるのか根拠がわからない。
 つまりこういうことだ。病院事務局は看護師、そのほかのスタッフ、医師とそれぞれ要望を聞いた。そしてそれらをまとめた。そうして出来上がったのが天井知らずの総事業費62億円予算だ。
 民間なら仕事のやり方はこうなる。病院コンサルタントの提言では総事業費30億円だから、要望に優先順位をつけてほしいと、要望項目リストをそれぞれに戻す。そして事務局は30億円の予算に納まるように優先順位の低いニーズをカットする。
 5年あっても6年あっても病院事務局はそういう仕事を一つもしなかったということだ。実にお粗末な仕事ぶりである。こうして総事業費は62億円に膨らんでしまったまま、基本設計は3月26日に病院事務局へ納品され、実施設計は市議会で承認されているから、まもなく発注されるのだろう。
 杜撰な仕事が「30のブースに」現れている。外来担当医師は10名程度だろう。実施設計を取りやめて建築仕様の見直しをすべきだ。仕事全般が「30のブース」に象徴的に現れているとみていいのだろう。他にもたくさんあるに違いない。

【療養病床は根室市内にゼロのまま⇒根室で老人医療が崩壊する】
 もうひとつある。療養病床の問題だが、現在199ベッドで50ベッド休床扱いだが、150ベッドで建て替えをしてしまえば、その範囲でしか療養病床がもてなくなる。199ベッドのままで建て替えすれば、必要に応じて療養型に変更可能だが、いったん減らしてしまえば、その範囲でのやりくりになる。現在でも根室の患者は釧路の病院から敬遠されているという。患者の家族と連絡がとりにくいからだそうだ。洗物など家族と分担してやらなければならない部分がある。そのうちに断られるかもしれない。
 地元の老人は地元でケアするのが本筋である。介護度4以上の寝たきり老人が増えている。中標津には医師会病院で120ベッドあるという。現市長は療養病床を確保するつもりがない。今このまま建て替えてしまえば、根室の地域医療のうち、老人医療は崩壊する。

【総事業費62億円市立病院建て替え強硬 ⇒市財政破綻への道】
 病院コンサルタント提言の30億円に総事業費をカットするために、建築仕様を含めてゼロベースで見直すべきだ。補助金なんてゼロでも30億円でやれば市民負担は現行計画よりも少なくなる。見直しするなら必要な協力はしてあげよう。
 根室市民は重大な岐路に立っていることを自覚すべきだ。療養ベッドがひとつもなくても構わないと思う人は、9月の選挙で現市長に投票すればいい。嫌ならノーをつきつけよう。
 対立候補がでなければ、そしてその候補が地域医療の崩壊を食い止めるつもりがなければ、地域医療の崩壊と同時に根室市の財政破綻が起きるだろう。

【赤字の最大値は20億円】
 H21年度の病院事業赤字は12.2億円である。札幌医大地域医療支援センターからの派遣医4名が再来年とその翌年に引き上げとなる。補充できなければ年間赤字は20億円に拡大してしまう。現在赤字12億円に、実質起債償還負担額2億円、それに医師減員分の売上減少5~6億円で3年後の実質赤字の最大値は20億円だ。
 支援センターからの派遣はもともと4年間の特別措置だった。その4年間の猶予のうちに根室市独自で医師確保するようにという趣旨の「支援」だった。いったいどういう努力をしたのだろう?医師招聘の実態は地域支援センターなどの協力があったからだろう。独自で医師探しをするのはむずかしい。どんなに足を棒にして医局を回ってもそのようなことでは必要な医師を集められるはずがない。医師の間では根室市立病院の評判はよくないという発言も参加者の一人からあった。

【医師を確保し、病院赤字を半分の6億円にすることも可能だ】
 だが、医師確保はそう難しいことではない。病院採算を改善し、優秀な医師を確保することはできる。病院事務局にも、市議にも、市長にも智慧がないだけだ。実は簡単かもしれない。経営改善という観点から頭を切り換えるだけでいい。関係者は一人も経営の才能がないようにみえる。
 赤字会社には決まってダメな経営者がいる。その典型は経費を減らせば赤字が減ると考える経営者である。コストカットのみは、愚かなり。何にお金をかけるか、どの部分を減らすかがわかっているのが名経営者である。
 人に言われてやるのは気が乗らないだろう、早く関係者が気がついてほしいものだ。そうすれば自信をもってやれるようになる。

【根室を財政破綻から救うために本田市議と手を組む会派はないか?】
 病院問題を議論できる市議が誕生したことはうれしい。だが、多勢に無勢である。それでも、何が起きるのか、どういう選択肢がありうるのか、言うべきことを言わねばならない。
 一人になっても、孤立しても、毅然として言うべきことをいう、そういう活動を本田市議に期待している。本田市議と病院問題で手を組むほかの市議が現れてほしい。贅沢を言えば、9月市長選挙に地域医療問題を理解できる対立候補を期待したい。

【どんなに一人の市議が頑張っても、
           市民が無関心なら根室の地域医療は崩壊する】
 根室に住む人間がもっと地域医療に医療に関心をもたなければ根室は変わらない。変われなければ地域医療は10年待たずに崩壊し、根室市の財政は夕張市のように破綻を迎えることになるだろう。そういう瀬戸際にいま根室市はあり、まもなく取り返しのつかないことになろうとしている。これから半年が市民にとって、地域医療崩壊と根室市の財政破綻回避の最後のチャンスとなる。

 何の得にもならないが、ふるさとのために欲得抜きで何かしたいときはあるものだ。
 本田市議のモットーは「大好きなふるさと根室のために、誠実・勇気・挑戦」。いつまでも初心を忘れないで「青い」ままでいてほしい。

#1004 人口減と病院建て替え-082 Apr.18, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 今日の道新1面に人口減のニュースが載っている。要点は二つである。

 ①現在551万人の道内人口が30年後には468万人、40年後には414万人に減少する。
 ②根釧地区は30年後(05年比)40%減

 根室の人口は2040年には1.8万人となるようだ。30年後というと市立根室病院は築後28年だろうか。40年後にはさらに1.5~1.6万人程度まで減るだろう。30年間はおおよそ毎年1.6%の減少を見込んでいるようだ。その後は減少率がいくぶん穏やかになる想定にみえる。

 病院の一般病床数は100で十分ではないのか?これからは老人医療への需要が急増する。
 いまだって80ベッド弱しか稼動していない、常時70ベッドが空いている状況だ。一般病床はどんなに多くても120ベッドまでだ、あとは療養病床にすべきだ。10年後には療養病床は少なくとも100~200ベッド必要になるだろう。需要のない一般病床が70ベッドも空いているのに、需要が急増中の療養病床は市内に1ベッドもない、このような地域医療のあり方は異常である。空きベッドの多い入院病棟に勤務する看護師さんたちは、疑問に思っているだろう。なぜ、療養病床に切り換えないのだろうと。市議は何をしているのか?市議だって認知症の両親を抱えている人はいるだろう?

 受け皿をいま造っておかないとこの町の老人医療は崩壊する。病院建て替えは場所の問題から見直すべきだ。療養病棟を考慮した場合、現在地は狭すぎる。30年先まで見通して、成央小学校を花咲小学校へ統合して、成央小学校跡地へ建設するのがベストである。必要な医者は集められる。

 『増え続ける国債残高』シリーズで採り上げたが、2014年からあとは国の財政に何が起きるかわからない状態だ。早大大学院の野口教授も慶応大学の桜川教授も、2014年に国民が保有する金融資産の額を国債残高が上回ることを懸念している。その後はなにが引き金になるかわからないが、二人の教授は日本の財政破綻を強く危惧している。
 野口教授の言うようにハイパーインフレが起きれば、老後の資金に5000万円あっても、100万円に減価しかねない。
 10年後の日本の財政状況は現在とまるで違うことになる。地方交付税交付金も半分以下になるだろう。地方自治体の過半が破綻しかねない。冬の時代が後10年後に迫っている。冬が迫っているのに、冬篭りのしたくをしなければ凍えて死ぬしかない。わがふるさとは全国に先駆けて早々に冬篭りの準備をしよう。

(根室市は損益見通し市民へ説明せずに、基本設計資料を公開しないで実施設計を進めようとしている。基本設計と実施設計で9000万円の支出である。市民から集められた寄付金の総額に等しい。5年前に市は基本設計を委託し無駄にしている。3月に納品された(と思われる)基本設計は2度目である。市民の意見に耳を貸さず、計画に対する十分な説明もせず、まるで暴走機関車ではないか。
 総事業費は3月に2億円膨らみ62億円。これに対して市が招聘した病院コンサルタントの提言は半分の30億円である。みんなで智慧を絞り、療養病床を含む病院を30億円で建て替えようではないか、やればできる、必ずできる)

 道新ニュース
「北海道の人口 30年後414万人 道経連推計 根釧・道南4割減」
 
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/226748.html

*#1000『増え続ける国債残高(9)』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15


#1003 市立病院建て替え交付金10億7千万円追加-081 Apr.17, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 市立病院建て替えの交付金
   
10億7千万円追加
【根室】市立根室病院建て替えの追加財源として期待されていた内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金について、道内の配分額を決める道は16日、根室市への配分額を10億7200万円と決め内示した。
 建て替えの総事業費は概算で62億1500万円。これまでに、厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金11億9200万円が決まっており、市は起債(借金)を減らすためにさらなる補助金の獲得を目指していた。
 これで国の交付金の合計は、総事業費の36%に当たる22億6400万円となった。・・・
 長谷川俊輔市長は「病院建設の本年度着工に向けて大きな弾みになる」と話している。(幸坂浩)
              4月17日北海道新聞根室地域版より抜粋

 著作権との関係上いろいろむずかしい問題があるようだから、全文引用は差し控えることにする。そういうわけで50年のお付き合いの道新との信義の関係上、一部をカットしたので詳しくは新聞記事を読まれたい。東京でブログを見ている人は北海道新聞の根室地域版の記事を見る術がない。道内の他地域に住む人もだ。そして取材に走り回ってくれている幸坂記者の記事を一文字でもカットすることは辛い。ほんとうはきちんと全文紹介したい。不便な世の中になった。
 (学術論文なら、出典を明らかにすれば引用は何の問題もない。ブログへの引用もそういう扱いをしてもらいたい。)


 一事業について交付金を二つ受けることはできないという話だったが、道は「特例」として認めたようだ。つまり、病院建て替えに道庁がゴーサインを出したと読んでいいのだろう。
(道内の配分額は道庁の裁量である。耐震化交付金が決まり、それに対して追加補助の補助金を認めておいて、建て替え起債にノーをいうのは通常ありえない。行政の面子が丸つぶれになるからだ。後は形式審査で、好い加減な経営改善計画でも書類がそろっていればOKだろう。4/18-11時16分追記)

 本田市議のブログを見ると、基本設計は3月に納品されたようだ。実施設計予算が認められているので基本設計を承認したら、実施設計に入ることになる。
 建て替え特別委は議事内容を非公開*にしてなにやら作業している様子あり。市民に情報を隠していいことは一つもない、ガラス張りでおやりになることを勧めたい。

 一方で昨年の議会での市長答弁だと3月までに出されるはずだった損益計画ができていない。病院コンサルタントの提言、総事業費30億円の2倍もの巨費を投じて現地で病院を建て替えてしまえば、大きな借金が残り、病院事業損益への負担となる。前年度の病院事業実質赤字額12億円をベースに考えれば、16億円超の年間赤字になる。
 道からの派遣医の引き上げが再来年からはじまる。補充の目処いまのところない。仮に3年後に常勤医が昨年度よりも4人減員になれば、病院事業赤字額は年間20億円を超えることになる。 
 たとえば、屋上へのソーラパネル設置や外断熱のように経常費負担を少なくするような建築仕様が検討されたのかも不明である。
 療養病床の問題も置き去りにされたままである。地域医療のビジョンが明らかにされていないから、このままではこの町の老人医療はこれから重大な危機を迎えることになりかねない。介護度4や5の老人が増え続けている。

 市長および根室市は、周辺データや損益見通しを公表して市財政への影響を市民へ周知すべきだ。仕事は誠実に・正直にやるべきだ。公僕として本来の姿だろう。

*本田市議のブログへ
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/04/post-91af.html

 出張医で、循環器専門医であった江口医師が退職された。送別会の様子がブログに載っている。4月15日分である。

 なお、本田市議の活動報告会は4月18日(日曜日)午後6時半より総合文化会館で開かれる。病院建て替え問題に興味のある人はでかけて彼の話しをじっくり聞いてみたらいい。


#995 市立根室病院建て替えと市長選挙への提案 Apr.11 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 春だ、一歩踏み出すことにした。ブログはあと5本で1000本を数える。1000をきっかけに、ブログを書く頻度が変わるかもしれない。いろいろやりたいことがある。
 
 病院建て替え問題、なぜこういう大したこともない問題で十年近くもすったもんだしているのか、簡単に原因を俯瞰すると同時に、現実的で具体的な解決案を提案したい。
 もし、このブログを読んでわたしの趣旨に賛同し、9月の根室市長選挙を戦いたいという人がいたら連絡をいただきたい。ふるさとの教育問題についても意見をお聴きしたいので、お会いしてしっかりした人と判断したら応援しよう。

 62億円の投下費用を30~35億円にカットし、前年度12億円これから5年間で年間最大22億円になる病院事赤字(常勤医が確保できなくなる可能性がある)を6億円以下に削り、根室の町を財政破綻から救ってみせよう。これが、わたしの約束である。
 次期市長の任期4年間で一般会計から病院事業への繰出金が20億円から30億円は節約できる。8年間で見れば病院事業への一般会計繰出金を80億円以上減らしうるだろう。

 4月にまた事務長が変わった。病院内部からの登用だというからシロウトではあるまい、しかし今までの延長線上でしか、絵が描けないのではないだろうか。病院事務長の役割が変わりつつある。対外調整交渉役、経営改善の二つがメインだろう。いずれも従来はほとんど果たされてこなかった機能である。
 市議たちはどうか。市議の多くが副業である。大きな企業経営者はいない。経営のプロが不在だから、病院経営改善の具体策がこれら市議の間からでると期待するのは無理だろう。
 助役から繰り上がり、無投票でなった市長についてはその能力をこれ以上あげつらう必要すらない。この4年間赤字の繰り延べをしてゴマカシの市政に熱心だっただけである(詳細は「市立根室病院建て替え」というカテゴリーの記事を読んでもらいたい)。
 要するのこの町にはある程度の規模の企業を動かしうる経営のプロがいない。

 さて、わたしの提案は、成央小学校を花咲小学校へ統廃合し、その跡地で病院を建設するものである。病院事業赤字をおおよそ3年間で半分の6億円に減らし、療養型病床100床を備えた199ベッドの病院を建てる。常勤医は20人だろうが25人だろうが必要な数だけ集める。
 いい医者、いい看護師やスタッフがそろう病院に患者は戻ってくる。そういう病院へ内部から変えてしまうから、自己改革やトレーニングが必要になるだろう、けっして楽な道ではない。
 道庁との交渉も現実的で具体的な5ヵ年損益シミュレーションを示して全部クリアしてあげよう。

 わたしの条件は、成央小学校を廃校にしてその跡地に療養型病棟を含む病院を建てることである。
 だから、2900万円の基本設計が終わり、8000万円余の実施設計予算が市議会を通っているが、これは直ちに執行停止をしていただきたい。まったく無駄になると警告しておく。
 町のためだ、能力のない人たちは自ら引っ込んでいただきたい。

 わたしは経営に関することで言い切ったことはすべて予定の期限内にクリアしてきた。大げさに聞こえるかもしれないが、病院建て替えや赤字半減はそんなに難しいことではないのだ。たまたま関係者が誰一人具体的な絵を描けないだけだ。わたしはそれを簡単に描いてみせることができる、実行可能な具体案を。
 ぜひ、しっかりした人が市長選挙に立候補して連絡をほしい。ふるさとを財政破綻から救おう。

 さて、根室市民は選択ができる。
 地域医療がどうあるべきかは最終的には市民が選択すべきことである。わたしはふるさとの医療をどうしたいのか市民に問いたい。
 病院事業で年間20億円を超える赤字をだして根室市を財政破綻へ導くのか、それとも赤字を6億円に減らして現状よりも数段よい医療環境を創造するのか。わがふるさとの住人に選択の意志ありやなしやを問う。



*本田市議が議会報告会を次の要領で開く。
 市議なら彼のようにブログで具体的な政策提案や市政批判、そして自分の意見を表明すべきだ。
 
日時:平成22年4月18日(日) 18:30
 場所:総合文化会館第二講座室 
 内容:「第1回市議会定例会を終えて」
    ・新病院建設事業に関する一般質問、予算審査特別委員会における質疑について
    ・病院事業会計予算に対する反対した理由について
    ・新病院建設事業の作業進捗状況及び今後のスケジュールについて
    ・新病院建設事業に係る諸課題について


病院建て替え:問題点の整理 #966 Mar.21, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

  小数の市民が病院建て替え問題と市の財政問題に関心をもっているようなので、わたしはこのカテゴリー「市立根室病院建て替え」を書き続けようと思う。

 本田市議のみが市立根室病院事業会計案に反対したが、新年度予算案は可決*された。相変わらず市政チェック機能も提案機能も担えない市議が大半であるようだ。このような有様なら市議定数は半分でも多すぎる。好い加減な市議たちを支持している市民にも責任があるが、定数が多すぎて20人の定数に対して21人の立候補では市民は実質的に市議を選ぶことができない状態が2期続いている。定数を半分にすれば好い加減なことはやっていられなくなるから、まずは市議定数を減らし競争原理が働くような状態を現出すべきだ。
 さて、問題が解決したのではなく、長谷川機関士が運転する根室市政が財政破綻へ向かっていよいよ暴走を始めたから、とめるならいましかない。あとから、あのときに何とかしておけばというような後悔はしたくない。
 わたしは問題を整理して提示するのみ。

 問題点を次の4点に絞ってみた。
(1)療養病床の問題
 根室はゼロである。精神科が225ベッド(根室共立病院124ベッド、江村精神科内科病院101ベッド)がこれを代替している。「新・市立根室病院新築基本構想」(以下「新構想」と略記)P17によれば、根室管内では中標津にある樹恵会石田病院が唯一療養病床(120ベッド)の病院である。
 3年前に療養病床75ベッドを有する隣保院が閉院して以来、根室市内には療養病床がない。老人の受け皿になっている精神科225ベッドは後継者の問題から10~20年先にはなくなるものと考えて対処しなければならないから、根室の医療はいま重大な岐路に差し掛かっている。
 市立病院職員アンケートでも療養病床のないことを医療スタッフが危惧している。グループホームや老健施設では介護度4や5の老人が増えており、次のステージは医療型療養病床でのケアであるが、1ベッドもないまま現市長は既存の「介護施設を拡充する」としか市議会で答弁していない。

 かくして、医療型療養病床は市内に一つもないのである。市長が言うように介護型を拡張しても、介護度4や5のお年寄りが医療が必要になったときの受け入れ先にはならない。こんなことは子どもでもわかる理屈であり、老人人口が昨年7700人に達した根室の町には医療型の療養病床が100~200ベッド必要であるが現在1ベッドもなく、このままでは老人人口が1万人に達するかもしれない10年後にも1ベッドもないことになる。さらに後継者問題で精神科の病院や特別養護老人ホームがなくなる可能性がある。何の準備もないままこうした事態を迎えたら根室は年寄りの住めない町になるだろう。
(ちなみに最近2日前に根室の人口は3万人を割ったと報じられている)

 介護度4や5のお年寄りが医療が必要になったらどうしたらよいのか、根室の地域医療の今日や明日を市長や市議たちは正直に語ってもらいたい。

 療養病床の増設を考慮すれば、現地建て替えはとんでもないミスジャッジとなる。敷地が狭すぎて療養病棟を増設できないから、成央小学校を花咲小学校へ統合し、現成央小学校跡地で新病院を建て替えるべきだ。この検討を最優先すべきだ。

(2)建て替え総費用の問題
 市が招聘した病院コンサルタント長隆氏は1年半前に年間売り上げの範囲内での建て替えを提言した。全部ひっくるめて30億円でできると言い切っており、経営上もその範囲内に収めるべきだと。
 ところが、市側の概略予算は80億円台から59億円へといったん縮小しながら、今月になり3億円増えて62億円となっている。これはコンサルタントの提言の2倍の金額である。市長は自ら招聘したコンサルタントの提言をどのようにかんがえているのか市民へ説明すべきだ。招聘した病院コンサルタントへも失礼な話だ。病院コンサルタントの長隆氏は著名な方のようだし、経緯は市のホームページやコンサルタントの関係する機関のホームページで閲覧できるから、根室市の信用が失墜する。
 「新構想」はどこにも病院コンサルタントの提言への言及がない、おかしな話だ。1章をこれに充てて、市民へきちんと提言を無視した経緯を説明すべきだろう。
 こうして具体的な動きを追って整理すると、市長と病院事務局は病院建て替え予算カットの努力をまったくしていないといわざるを得ない。専門家の提言に従い、総予算30億円で計画を作り直すべきだ。

(3)経営計画が示されていない
 「新構想」にも「収支計画」がない。基本設計時に明らかにするというのが昨年の市長の議会答弁で市議会への約束だったはずだが、1月に2度目の基本設計が発注されても説明がない。誠実で正直な仕事をしてもらいたい。
 「新構想」に拠れば平成21年度は20年度に比べ4月時点で常勤医師が6名増員になったはずだが、実質赤字は12億円と拡大している。常勤医が増員になっても病院経営はまったく改善されていない。これでは「新構想」で示している損益分岐点分析もまったく信頼できないものとなるから、原因を調べ、市のホームページ上で公表すべきだ。
 今年度をベースにすれば、病院建て替えで4.5億円負担が増すというから、年間実質赤字は16~17億円に急拡大する。そして道や国からの派遣医師が引き揚げるH24年、25年に市独自で補充できなければ4名の常勤医が減員となるから、病院売上は5~6億円減少する。こういう事態が起きれば、病院事業の年間実質赤字額は最大22億円を予測しておかねばならない。
 根室市の財政はもつのだろうかという疑問がわきあがらざるを得ない。試算は簡単にできるから、財務課に指示すればいい。彼らは専門家だから3日もあれば正直な答を出すだろう。市議は具体的に質問をすればいいだけである。

(4)市財政への影響懸念
 病院事業の年間赤字額が20億円に膨らむような事態になれば、おそらく根室の財政は持たない。病院は診療所となり医療スタッフは三分の二解雇、市職員も半数リストラ、小中学校は各1校といj事態を迎えることになる。何年で夕張市と同様の状態になるのか、財政課に試算させるべきだろう。どんなに少なくても年間16~17億円の実質赤字を一般会計からの繰出金で補填しなかれ場ならず、年間実質赤字最大20億円超も現実の脅威と化しつつある。
 新年度予算について言えば、平成21年度と同様。実質赤字額は12億円になるだろうから、8.7億円の一般会計からの繰入金では補填できない。可決された病院事業の新年度予算は「赤字粉飾予算」である。本田市議以外の市議たちの能力と議員としての適確性を疑わざるを得ない。
 決算時に赤字補填のため4億円の予算外繰入をするか、それができなければ累積赤字で先送りになる。関係者はインチキ予算をやめて正直に・誠実に仕事をしてもらいたかたかった。これで根室市は税制破綻へ向かって暴走を始めた。

 具体的な話しを少し追加たい。病院事業会計は私が見てもよくわからないから、民間ベースの損益計算書に組み換えて公表すべきだ。市の決算資料も事業会計ごとに予算・実績対比損益計算書を作って公表すべきだ。今のままでは情報開示をしたことにはならない。専門家が見ても理解できない資料しか公表しないのは、情報を公開せずに実質的に秘匿していることになる。市民や市議が理解できる形で情報を公開しないと、根室市の個々の政策について判断ができない。
 年々歳々、アカウンタビリティ(説明責任)がやかましくなっているから、市民の意見を取り入れて、情報公開のあり方を変えるべきだ。
 根室市を財政破綻の道から引き戻すためには、情報を公開して市民が適切に判断できる環境をつくるべきだろう。
 根室市はすでに財政破綻へ踏み出してしまっている。今年度中に何とかできなければもう後の祭りで、夕張市と同じになるだろう。
 すべてのツケは市民に回ってくるから知らないではすまされない。長谷川市政に賛成した人も反対した人もひとしくツケを支払うことになる。
 根室の町は30年間いちじるしい衰退の道に自ら踏み込むのだ。とめることのできるのは、わたしたち、根室に住む人間である。
 

*3/19#962『市立根室病院事業会計予算可決成立 反対論あり』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-19

*3/17#958『市立病院産婦人科 医師確保へ最終調整』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-03-17


市立根室病院事業会計予算可決成立 反対論あり #962 Mar.19 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 3/19北海道新聞根室地域版に新年度予算案成立の記事が載っている。いつもの幸坂記者の記事だ。
 本田市議が信念を貫き市立根室病院事業会計予算案に反対、会派新風の二人が「態度表明」。根室市議会にしてはめずらしく異論が出た。市議会も少しだが、健全になりつつある。
 しかし、道はまだまだ遠い。反対論が市側の案を否決するまでにななっていないから、長谷川市長の下、根室市は財政破綻へ向かって走り続ける。
 以下、北海道新聞から抜粋する。

 一方、第2特別委は市立根室病院事業会計予算案を賛成多数で可決した。
 収支不足による一般会計からの多額の繰入を批判して鈴木一彦氏(共産党)と、「収支計画が明らかにならない中での建て替えの実施設計費計上は時期尚早」とする本田俊治氏(無所属)じは反対。新風の2氏は賛成したものの、会派の態度表明で佐藤敏三氏が「収支改善に努める経営努力を求める」と述べた。

 新風は会派として病院問題をどのように考えているのだろう。各会派はブログを立ち上げて根室の地域医療に関するビジョンを明らかにしてもらいたい。政策立案能力がなければ会派は存在意味がないから、是非政策立案能力のあることを公に示してもらいたい。
 市議会に市政チェックの新しい風が吹き始めた一方で、根室漁業協同組合理事選挙にも新しい風が吹き始めている。
 是は是、非は非、問題ごとにそれぞれ責任ある立場の人が自らの信念と考えを明らかにして行動してもらいたい。

 根室が簡単に変わるとは思えないが、新しい風が吹き始めたことは感じられる。あえて、波風を立てる人々は大変な苦労があるに違いないが、ふるさとのために、あえて自分の信念を貫いてほしい。地元で責任ある立場の人々には根室高校卒業生が多いだろうから、校訓の「敢為和協」を思い出したほしい。意味を忘れた人は根室高校のホームページをたまには見てみよう。

 本田市議会議員は自分の意見をブログで表明している。なぜ、市立根室病院事業会計予算案に反対したのか、立派な意見を表明している。こういう誠実で正直な市議が5人いたら根室の町は立ち直ることができるかもしれない。
 http://nimuoro.typepad.jp/honda/2010/03/post-b2fe.html

 本田議員の説明を転載させていただく。
 

この度、平成22年度第2審査特別委員会に付託された予算案につきまして、態度表明をいたします。

根室市の最優先課題であり、多くの市民が待ち望む、新病院の早期建設着工については、医療施設耐震化臨時特例交付金の交付決定が決まった、今、この千載一遇のチャンスを逃すことなく、諸課題を早急に解決し、取り組んでいかなければならないものと考えております。

今、建設に着手しなければならないという思いは、私も、長谷川市長と一緒です。

しかしながら、この最重要課題に対する昨年の7月以降の対応・対策はどうだったでしょうか?

解決すべき諸課題、特に、基本構想・基本計画承認段階で積み残し課題とされた3項目について、議会、整備市民委員会、そして、新病院建設を待ち望む市民に、何一つとして説明がなされないままです。

私は、一般質問、予算審査において、新病院建設に向け、予定していた諸作業が遅れている点について、その説明が必要であること、更にはスケジュール等の軌道修正をどの様に行い、限られた期間の中で、市民合意を得、この一大事業をどの様に進めて行くのか、改めて、方針を示すべきであることを、指摘しましたが、残念ながら、明確なご回答をいただけなかったものと捉えております。

ご答弁は、財源問題や病床数の問題等経営見通しに係わる事項については、4月に予定している北海道との起債申請協議に向け、検討をし、その上で明らかにする。

また、一般会計繰出金にいたっては、「建設費や財源等が未確定の段階で、繰出金の適正額や適正額への到達時期については、答えられない」といった内容であったと思います。

これらの事項については、昨年7月、議会特別委員会が、基本計画を承認した時点で、基本設計段階で明らかにしていきたいと言っていた事項ではないでしょうか。

私は、将来、市民に大きな負担を強いることになる病院建設でありながら、この大事な問題の遅れに対する説明や対応策が全く示されず、経営見通しが見えない中、また、基本設計の全貌が明らかにならない中での、実施設計の予算措置は、不適切であると判断いたします。

早急に、どの様な方針でこの千載一遇のチャンスを活かし、市民が待ち望む、病院建設に取り組むのか、方針、スケジュールを示され、限られた時間の中であっても、課題解決に集中的に取り組まれることを切に要望し、また、私自身も誠心誠意協力することを、お約束し、「市民が望むより良い病院建設」を進めるべきであるとの判断から、議案第23号病院事業会計予算に対しましては、反対の意を表明いたします。
 


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