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#1005 本田議員の活動報告会へ出かける(1) Apr.18, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 18日(日曜日)6時半から8時半まで、総合文化会館で本田議員の活動報告会が開かれた。今日のテーマは病院問題に絞られていた。

 机の上には8ページの病院事業および建て替え問題に係る資料が載っている。パソコンで作成したフルカラー印刷の資料が14ある。これだけの資料を作るだけでもたいへんだろう。副業市議でもやるべきことをやっている人もいる。
 数は数えていないが、参加者はおおよそ20人前後だろうか、地元医師も一人いた。

【反故にされた約束:積み残し課題3点】
 本田市議が問題にしているのは昨年7月の積み残し課題三点だ。課題は一つも消化されずそのままになっている。昨年7月の市長答弁での約束期限は「3月までに」だった。
 ①収支計画
 ②一般会計からいくら繰り入れるのか
 ③療養病床確保の問題

 ①と②は詳細なシミュレーションをやってもおおよそ3日間の仕事である。簡単だから結果は出ているはずだ。実態をありのままに推計値を公表すれば、現在の医師数を維持できたとしても病院事業の実質赤字は年間14億円前後になる。一般会計から毎年「実質14億円」繰り入れなければならない。交付税で戻ってくる分を差し引いた額が14億円だから、「見かけ上の実質赤字」赤字は16~17億円になるだろう。このまま「暴走」すれば、5~10年で根室市財政が破綻するだろう。

 経緯から言えることは、後から検討するというのはインチキだということで、基本的な点の検討がすまなければすべての作業をストップさせるべきだ。病院事務局も市長も職務を果たしていない。不誠実な仕事ぶりであるといわねばならない。この3点で検討に数ヶ月も時間のかかる問題はない。
 療養型病床がゼロのままでは老人医療が崩壊するし、収支計画が提出されていないのだから実施設計をしてはならない。補助金がゼロになってもストップして事業全体をゼロベースで見直し、30億円で建て替えるべきだ。その方が市民負担は少なくてすむし財政破綻も回避できる。
 1億円の実施設計は市民が病院建て替えに寄付した総額を上回る金額だ。2度の基本設計を併せると1.5億円ほど使われたのではないだろうか。ムダ金である。

【公開されない機器購入リスト】
 いくつかわかったこともある。病院建て替え特別委のメンバーは購入機器のリストすら見ていない。大きな物が数点示されているだけだ。病院事務局は「機器購入費等」の明細リストすら特別委へ提示していない。これでは論議ができない。
 民間病院では医療機器購入は3割から5割引が「常識」になっている。機器リストを出せば定価で買っているものはすぐにその事実がわかる。いつまでも隠していないでリストを公表すべきだ。市議会は要求して、市民へ情報開示を徹底すべきだ。そうすれば、病院事務局はきちんと価格交渉をするようになる。

【法外なシステム開発費はノーチェック】
 システム開発費が5億円、これは80億円超のニホロ移転案のときのものだが現在の概算予算でもそのままになっている。オーダリングシステムが2億円前倒しで導入されているにもかかわらず、予算は減額されていない。つまり、システム開発予算は7億円に増えているということだ。なんと杜撰な予算だろう。本田議員は立場上言い難いだろうから、代わって言っておく。
 市議会病院建て替え特別委はこの点もチェックできていない。あの莫迦げた80億円超のニホロ移転案時のシステム開発費が6年たっても見直しされず、それどころかオーダリングシステムを2億円で前倒し開発済みなのに予算は当初予算のまま5億円を維持している。こんな単純明快なことを、なぜ市議が市議会で一人も指摘しないのか。
 もちろん、概略仕様書は5年以上たっているのに一向に作成される気配がない。病院事務局は仕事をやる気がないのかやる能力がないのかはっきりしろと言いたい。
 きちんと概略仕様を詰めてから発注すれば1億円程度でまかなえるだろう。病院事務局は概略仕様書作成という職務を放棄している。2億円のオーダリングシステムは概略仕様書をつくらずに発注したのだろう。
 たかだか150ベッドの病院で2億円のオーダリングシステムなんて考えられない。概略仕様書をまとめて業者にコンペティションをさせれば機器を含めても3~5千万円程度だろう。システム開発は自分のところで概略仕様書をまとめなければ、仕様変更で開発費が何倍にもなってしまう。
 一つ例を挙げて比較すればわかりやすくなるだろうから、関係者は世間の常識を知るべきだ。わたしのいた会社は売上規模1000億円を超えている。上場前は売上300億円ほどだったが、事務系の統合システム開発のために84年~87年の3年間で外部に支払った金額だけで5億円のシステム開発費を投じた。当時は東証Ⅱ部上場のためにこれほど巨額なシステム開発を投じた会社はないと証券会社に言われたものだ。
 だから、わずか25億円程度の売上実績の規模で、システム開発費7億円(オーダリングシステムに前倒しで2億円支出済み、それに概算予算の5億円で計7億円)なんてとんでもない話だ。狂気の沙汰だ。
 年間1億円の償却負担になる。そのご、維持費に年間5千万円~1億円かかるだろう。開発費の10%(杜撰な場合は20%)は維持費がかかるのが通常だ。経営計画にはそうした経費も参入しなければならない。
 職員も市議もシステム開発のイロハも知らないからこのようなことになる、勉強してもらいたい。14支庁管内最低の根室の子どもたちよりも学力の低さは大人のほうがひどいのかもしれない。総事業費なんて努力すればいくらでも削れる。

【病院事務局は単なる"御用聞き":実施設計はストップすべき】
 同じように建物についてもドクター要望でブースが30に増やされた(3月はじめ)。常勤医が16人しかいないのにそのうち10名程度は病棟担当だから、外来診療は多くても10名どまりだろう。どうして30もいるのか根拠がわからない。
 つまりこういうことだ。病院事務局は看護師、そのほかのスタッフ、医師とそれぞれ要望を聞いた。そしてそれらをまとめた。そうして出来上がったのが天井知らずの総事業費62億円予算だ。
 民間なら仕事のやり方はこうなる。病院コンサルタントの提言では総事業費30億円だから、要望に優先順位をつけてほしいと、要望項目リストをそれぞれに戻す。そして事務局は30億円の予算に納まるように優先順位の低いニーズをカットする。
 5年あっても6年あっても病院事務局はそういう仕事を一つもしなかったということだ。実にお粗末な仕事ぶりである。こうして総事業費は62億円に膨らんでしまったまま、基本設計は3月26日に病院事務局へ納品され、実施設計は市議会で承認されているから、まもなく発注されるのだろう。
 杜撰な仕事が「30のブースに」現れている。外来担当医師は10名程度だろう。実施設計を取りやめて建築仕様の見直しをすべきだ。仕事全般が「30のブース」に象徴的に現れているとみていいのだろう。他にもたくさんあるに違いない。

【療養病床は根室市内にゼロのまま⇒根室で老人医療が崩壊する】
 もうひとつある。療養病床の問題だが、現在199ベッドで50ベッド休床扱いだが、150ベッドで建て替えをしてしまえば、その範囲でしか療養病床がもてなくなる。199ベッドのままで建て替えすれば、必要に応じて療養型に変更可能だが、いったん減らしてしまえば、その範囲でのやりくりになる。現在でも根室の患者は釧路の病院から敬遠されているという。患者の家族と連絡がとりにくいからだそうだ。洗物など家族と分担してやらなければならない部分がある。そのうちに断られるかもしれない。
 地元の老人は地元でケアするのが本筋である。介護度4以上の寝たきり老人が増えている。中標津には医師会病院で120ベッドあるという。現市長は療養病床を確保するつもりがない。今このまま建て替えてしまえば、根室の地域医療のうち、老人医療は崩壊する。

【総事業費62億円市立病院建て替え強硬 ⇒市財政破綻への道】
 病院コンサルタント提言の30億円に総事業費をカットするために、建築仕様を含めてゼロベースで見直すべきだ。補助金なんてゼロでも30億円でやれば市民負担は現行計画よりも少なくなる。見直しするなら必要な協力はしてあげよう。
 根室市民は重大な岐路に立っていることを自覚すべきだ。療養ベッドがひとつもなくても構わないと思う人は、9月の選挙で現市長に投票すればいい。嫌ならノーをつきつけよう。
 対立候補がでなければ、そしてその候補が地域医療の崩壊を食い止めるつもりがなければ、地域医療の崩壊と同時に根室市の財政破綻が起きるだろう。

【赤字の最大値は20億円】
 H21年度の病院事業赤字は12.2億円である。札幌医大地域医療支援センターからの派遣医4名が再来年とその翌年に引き上げとなる。補充できなければ年間赤字は20億円に拡大してしまう。現在赤字12億円に、実質起債償還負担額2億円、それに医師減員分の売上減少5~6億円で3年後の実質赤字の最大値は20億円だ。
 支援センターからの派遣はもともと4年間の特別措置だった。その4年間の猶予のうちに根室市独自で医師確保するようにという趣旨の「支援」だった。いったいどういう努力をしたのだろう?医師招聘の実態は地域支援センターなどの協力があったからだろう。独自で医師探しをするのはむずかしい。どんなに足を棒にして医局を回ってもそのようなことでは必要な医師を集められるはずがない。医師の間では根室市立病院の評判はよくないという発言も参加者の一人からあった。

【医師を確保し、病院赤字を半分の6億円にすることも可能だ】
 だが、医師確保はそう難しいことではない。病院採算を改善し、優秀な医師を確保することはできる。病院事務局にも、市議にも、市長にも智慧がないだけだ。実は簡単かもしれない。経営改善という観点から頭を切り換えるだけでいい。関係者は一人も経営の才能がないようにみえる。
 赤字会社には決まってダメな経営者がいる。その典型は経費を減らせば赤字が減ると考える経営者である。コストカットのみは、愚かなり。何にお金をかけるか、どの部分を減らすかがわかっているのが名経営者である。
 人に言われてやるのは気が乗らないだろう、早く関係者が気がついてほしいものだ。そうすれば自信をもってやれるようになる。

【根室を財政破綻から救うために本田市議と手を組む会派はないか?】
 病院問題を議論できる市議が誕生したことはうれしい。だが、多勢に無勢である。それでも、何が起きるのか、どういう選択肢がありうるのか、言うべきことを言わねばならない。
 一人になっても、孤立しても、毅然として言うべきことをいう、そういう活動を本田市議に期待している。本田市議と病院問題で手を組むほかの市議が現れてほしい。贅沢を言えば、9月市長選挙に地域医療問題を理解できる対立候補を期待したい。

【どんなに一人の市議が頑張っても、
           市民が無関心なら根室の地域医療は崩壊する】
 根室に住む人間がもっと地域医療に医療に関心をもたなければ根室は変わらない。変われなければ地域医療は10年待たずに崩壊し、根室市の財政は夕張市のように破綻を迎えることになるだろう。そういう瀬戸際にいま根室市はあり、まもなく取り返しのつかないことになろうとしている。これから半年が市民にとって、地域医療崩壊と根室市の財政破綻回避の最後のチャンスとなる。

 何の得にもならないが、ふるさとのために欲得抜きで何かしたいときはあるものだ。
 本田市議のモットーは「大好きなふるさと根室のために、誠実・勇気・挑戦」。いつまでも初心を忘れないで「青い」ままでいてほしい。
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